世界の中心で、愛をさけぶ
第3話ストーリー・あらすじ

復習用&見逃した人向けです。できるだけ詳しく書いています。

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7/16 OnAir "#03" STORY.

第3話「永遠の別れ」

2004年。
アキに別れを告げるため、17年ぶりに故郷を訪れたサク(緒形直人)。
だが思い出の場所であるアジサイの丘には、ピンクのアジサイが一本もなく、改めてアキの不在を実感していた。

行方不明になったサクを心配した明希(桜井幸子)が、息子の一樹と共にサクの実家を訪れる。
サクの両親は息子の帰郷と明希の訪問を歓迎。
だが17年前の話題だけは気をつかって避けていた。

父も母も昔と同じように話をしてくれた。
ただひとつ、17年前の話題だけは避けながら。
その心遣いに、自分は二人をずいぶん心配させていたのだと。


母・富子は、サクと明希の関係が気がかり。
明希にそれとなくさぐりを入れると、恋人と別れた後に妊娠が発覚した明希を、一人励ましたのがサクだったという。
一樹の入園式に行くなど、父親代わりになっていたサク。
お世話になりっぱなしと言う明希だが、富子は逆に、孤独なサクの親友として明希に感謝する。
17年前に一体何があったのか…明希はまだそれを知らない。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

1987年。
恋人の骨を盗んだ翌日、祖父・謙太郎(仲代達矢)が突然逝ってしまった。
サク(山田孝之)は葬儀に出席しても、祖父がこの世からいなくなったという実感が沸かず、涙を流すこともなかった。
そして祖父とサトさんの骨を一緒に撒くという、重い宿題が残されていた。

結局、僕は一度も泣けなかった。
あまりにも出来過ぎだったから。
お祖父ちゃんには、死んで叶えられる望みがあったから。
まだやらなきゃいけないことがあるから。
僕は、自分で自分がわからず…。


アキ(綾瀬はるか)はサクのことが心配で、自分に何かしてあげられることはないかと考える。

祖父が亡くなったことで、祖父が一人で経営してきた写真館は売却することになった。
父・潤一郎は思うところがあるようだが、何も語ろうとはしない。

サクは悲しみに陥ることなく、学校ではむしろ明るく振舞っていた。
「ロミオとジュリエット」の演出がまだ決まっていなかったが、サクが元気に立候補。
体育の時間も、妙に明るいサクだった。

放課後。サクは売却する写真館に行き、回収と片付けを。
アキもそれを手伝い、祖父の恋人・サトさんの写真を持ち帰る。

その夜。
売却の取引がサクの家で行われ、話が決まりかけていた。
だが急に潤一郎(父)が、売るのはやめて自分が継ぐと言い出す。
そして妻に相談することもなく、農協の仕事も今日辞めてきたと言う。

翌朝。
なぜ家族に相談しなかったのかをサクが聞く。
「気づいたら親孝行は何もしなかった。これしかなかったんだ」と父。

父の態度に触発され、サクも祖父への恩返しを真剣に考えるが、 どこで二人の骨を撒けばいいのかわからず、余計に重圧になっていった。


学校。
アキはサトさんの写真の裏に書かれていた漢詩のようなものの意味を、担任の谷田部(松下由樹)に聞く。
漢詩を読み上げる谷田部。

夏之日
冬之夜
百歳之後
歸千其居

葛生だね。
好きな人を亡くしてしまった人の詩だよ。

夏の長き日。
冬の長き夜。
君はここに眠っている。
百歳の後、私もいずれは君の元で眠ろう。
やすらかに、その日を待ちたまえ。


放課後。
アキがサクの家を訪れる。
写真の裏の漢詩から、アキはあることに気づいていた。

どうしてサトさんしか写ってないんだろうって、ずっと思ってて。
たぶん、お祖父さんが出征の時に持って行った写真なんだよ。
サトさんはきっと、お祖父さんの写真を持ってたんだと思う。
お互い、胸に抱いて死ぬつもりで。
そこまでの覚悟だったんだから。
私、やっぱりちゃんとしないといけないと思った。


二人の骨をちゃんと撒きたいと言うアキだが、サクは骨の入った小瓶をどこかで失くしてしまったと言う。
そして「心は通じているだろうからもういい気がする」と言い、投げやりな態度を見せる。

その夜。
サクがアキの家に電話してみると、急の文化祭の打ち合わせで学校に行ったとアキの母に言われる。

外は豪雨だったが、サクは夜の学校に駆けつける。
すると学校のゴミ集積所で、アキが一人、ゴミの山から骨が入った小瓶を探していた。
学校中をずっと探していたらしく、服も汚れてしまっていた。

サクは呆然とし、謝罪。 骨を失くしたというのは嘘で、実は持っていたサク。

いざとなったら、撒けなくて。
どんどん重くなってきちゃって。
亜紀に言われて、何か恥ずかしくなって…。
良かった、あって…(微笑む亜紀)


休日。
どこかの山の、もう使われていない線路を歩くサクとアキ。
小さな廃駅を見つける。
そこは、祖父が戦争へと出征した駅だった。
サトさんが見送りにきて、二人はその後、会うことはなかった…。

二人の骨を手のひらに出して、手をかざして風を待つサク。

なんでまた急にやる気になったの?
約束だから

と言った瞬間に、風が吹いて二人の骨が舞う…。
それを神妙に見つめるサクとアキ。


自転車の後ろにアキを乗せて、帰宅する二人。
自宅近くでアキを降ろし、サクは一人帰宅する。

ペダルが軽かった。
その軽さに、思い出していた。
僕の後ろには、いつも…。
あの日の約束を。
あの日のお祖父ちゃんを。


12年前。1975年7月16日。

祖父と自転車の練習をする5歳のサク。
なかなか上手くいかず、転び続けて足は傷だらけだったが、祖父の応援もあってついに成功。
これからはどこにでも連れて行ってあげるね、と幼いサクは祖父と約束。

そんなことを回想しながら自転車を走らせていると、ペダルが壊れ、転倒してしまうサク。
それを見た亜紀が駆け戻ってくる。

ペダル…ペダルって、軽いんだよ。
うん。
一人だと。
うん。
いなくなるって、そういうことだよ…。
うん…。
私、太るよ。
お祖父ちゃんと同じくらいになって、後ろに乗るよ。
何言ってんだよ…。

泣き崩れるサクを、優しく抱きしめるアキ。

世界で一番美しいものを見た。
世界で一番優しい音を聞いた。
世界っていうのは、抱きしめてくれる人のことで。
その腕の中は、暖かくて。
お祖父ちゃん、好きな人を亡くすのは、だから辛いんだよ。


2004年。

でも、どうして…どうしてこんなに辛いんだろうね…。

17年前、アキに優しく抱きしめられた日のことを回想したサクは、
抱きしめてもらっていいかな、とつい近くにいた明希に聞く。
変なこと言ってゴメンとすぐに訂正するが、明希はそんなサクをそっと抱きしめる。

僕は行く
もう一度
この音の高鳴る世界へ…


第3話終わり。




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