世界の中心で、愛をさけぶ
「セカチュー現象」のまとめ

CONSIDERATION OF "SEKACHU-" BOOM.

ここは原作・ドラマ・映画など、広い意味で「セカチュー現象」についてまとめるコーナーです。
セカチュー初心者の人にもおすすめ。


セカチュー初心者の人はセカチュー入門ガイドコーナーもおすすめです(別ページ)。


Q1. セカチューってどういう流れでヒットしたの?

はじまりは1冊の小説からでした。時系列で見ていくとこんな感じです。

世界の中心で、愛をさけぶ [2001年4月・刊行]
小説「世界の中心で、愛をさけぶ」(片山恭一著)が小学館より刊行。
高校生の純愛と、愛する人を失った喪失感を描いた恋愛小説。
初版8000部。片山恭一氏の4冊目の単行本。(→片山恭一作品一覧)
当初の帯のコピーは「これほど印象的なキスシーンを描いた小説はかつてなかった」というもの。(→画像)



「ダ・ヴィンチ」2002年4月号 [2002年3月・柴咲コウが紹介]
刊行から約1年後。
本の雑誌「ダ・ヴィンチ」2002年4月号で、柴咲コウがおすすめ本として紹介。



「世界の中心で、愛をさけぶ」は、久々に純粋に物語として楽しめた作品。
本屋さんでみつけて、たまには恋愛ものもいいかなと思って(笑)。
これは、泣きながら一気に読みました。
それに、全体にユーモアもあって、ちょっとしたひとことも面白いんですよ。
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「ダ・ヴィンチ」02年4月号 柴咲コウのインタビュー記事より



[2002年4月・柴咲コウの紹介文が帯に]
上記の柴咲コウさんのコメントから抜粋した「泣きながら一気に読みました」というキャッチコピーが帯につく。(→画像)



[2003年3月・10万部突破]
刊行からすでに2年近くが経過した頃、10万部を突破。
発売から2年間はそれほど注目度は高くなかったことがわかります。



[2003年6月・36万部突破]
6月に36万部突破。世間的にも徐々に話題に。こちらの記事に片山さんのコメントあり。



[2003年11月・100万部突破]
さらに2003年後半に爆発的に部数を伸ばし、11月に100万部突破。(→記事)
文芸書としては2003年最大のベストセラーに。
この頃から「世界の中心で、愛をさけぶ」がひとつの大きなブームとして認知され始める。



映画「世界の中心で、愛をさけぶ」 [2003年11月・映画制作発表]
9月から撮影に入っていた、来年5月公開予定の映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の制作発表が行われる。(→東宝の記事)
帯の紹介文を書いた柴咲コウが、サクの婚約者を演じる。
大人になったサクは大沢たかおが、17歳のサクとアキは森山未來と長澤まさみが演じる。

それでいつ映画化が決まったかというと、意外にも2001年夏の時点で決まっていたとか。

同13年(2001年)夏、実売8000部の時点で、製作・配給元の東宝が映画化をすでに決定していた。 柴咲も会見で「もともと好きな小説だった」とコメント。
SANSPO 2003/11/13記事より



世界の中心で、愛をさけぶ フラワーコミックススペシャル [2004年1月・マンガ化]
原作が簡略化されてマンガ化される。
『プチコミック』という月刊マンガ誌に、2回(04年1月・2月号)に分けて連載。
テイストは少女漫画。絵は新人マンガ家の一井かずみ。
その後、2004年5月に単行本として発売。(→関連グッズ)



[2004年4月・200万部突破]
原作が200万部突破。映画公開間近でますますヒートアップ? (→記事)



[映画原作] 指先の花―律子の物語 [2004年4月・映画版の原作発売]
映画版の原作&補足本『指先の花―律子の物語』が発売。(→関連グッズ)
大人になったサクと、婚約者・律子による続編的な物語。著者は益子昌一氏。
映画ストーリーの補足として書かれた物語なので、片山恭一氏による正式な続編というわけではない。



謎とき「世界の中心で、愛をさけぶ」 [2004年4月・謎本発売]
『謎とき「世界の中心で、愛をさけぶ」』という謎本が発売される。(→関連グッズ)
原作の謎とき・舞台案内・さまざまな解釈など、謎本としては充実の内容。
安易な批判に対する鋭い反論も。映画版についての言及はありません。



ラジオドラマCDブック「世界の中心で、愛をさけぶ」 [2004年5月4日・ラジオドラマ化]
松田龍平と宮崎あおいでラジオドラマ化される。(→ニュース記事)
5月4日にTOKYO FMでオンエア。
その後、7月10日にドラマCDとして発売。(→関連グッズ)



[2004年5月6日・韓国で映画がリメイク]
韓国でも映画化が決定し、あの「冬のソナタ」チームが製作を手がけるとのこと。
来春撮影に入る予定で、出演者等は未定。原作の翻訳本はすでに韓国で発売済み。
(→ニュース記事)

ソース記事が消失しているので一部転載↓
ベストセラー小説を映画化した「世界の中心で、愛をさけぶ」が韓国でリメークされることが6日、分かった。韓国版の映画を手がけるのは日本でも大ブームになっているドラマ「冬のソナタ」の製作チーム。

日本で封切られる前に海外のリメークの話が固まるのは異例のこと。しかもメガホンを執るのは「冬ソナ」のユン・ソクホ監督。片山恭一さんの原作小説は、昨秋に韓国でも翻訳版が発売されて静かなブームに。(中略)現在契約の最終段階まできているという。

韓国の担当プロデューサーは「非常に美しい純愛物語。マーケティングリサーチの結果でも女性層から強い支持があり、韓国でも人気の作品になるだろう」と期待している。

配役はまだ明らかになっていない。(中略) ユン監督は現在、テレビドラマの新シリーズ「春のワルツ」を撮っており「世界―」は来春撮影に入る予定という。
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報知新聞記事 2004/05/06

*追記(2004/10)
その後の情報では「冬ソナ」のユン・ソクホ監督はリメイク演出を否定しているようです。(→関連記事)
韓国でリメイクが実現するかどうかはまだ未定です。



村上春樹「ノルウェイの森」 [2004年5月7日・ノルウェイの森超え]
原作が251万部を突破し、村上春樹「ノルウェイの森」(1987年刊・上巻・238万部)の発行部数を超える。
国内作家の小説としては過去最多部数に。(→ニュース記事)


ソース記事が消失しているので一部転載↓
作家片山恭一さんの小説「世界の中心で、愛をさけぶ」(小学館)の発行部数が7日、251万部に達し、国内作家の小説としては、村上春樹さんの「ノルウェイの森」(講談社)を抜き、過去最多部数となった。
(中略)
出版科学研究所などによると、国内の作家の小説単行本では、87年9月に出版された「ノルウェイの森」上巻の238万部が最多だった。

以下、「世界の中心で、愛をさけぶ」の作者・片山恭一さんのコメント

「村上春樹さんの『ノルウェイの森』の発行部数を抜いたと聞くと『そんなに売れているのか』とあらためて驚く。なぜこんなに売れているのか、自分でもよく分からない。ただ、村上春樹さんは好きな作家で、僕も彼の影響を受けているので感慨深い。『ノルウェイの森』と比較され『似ている』という人もいるようだが、僕としては、描こうとしているテーマは全然違うと思っているので、そういった意見には違和感がある」
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報知新聞記事 2004/05/07



[メイキングDVD] 朔太郎とアキの記憶の扉 [2004年5月8日・映画公開]
全国で映画が公開。柴咲コウさんらが舞台挨拶に登場。(→東宝の記事)
→映画公式サイト(Yahoo)
→東宝:映画紹介ページ
→当サイト内:映画について



[2004年5月20日・300万部突破]
映画との相乗効果で売り上げを伸ばし、原作がついに300万部突破。
200万部を達成した4月から、わずか1ヶ月強で100万部を売り上げたことになる。
国内作家の小説で300万部を超えたのは初めて。(→ニュース記事)



[2004年5月31日・ドラマ化決定]
7月期のTBS金曜ドラマ枠でドラマ化が決定し、報道される。(→ニュース記事)
主演は山田孝之と綾瀬はるか。帯の紹介文が話題になった柴咲コウが主題歌を歌う。
ちなみにドラマ化は昨年のうちから決定していたそう。
「原作を丁寧に扱いながら、それでも映画とはひと味違う作品にする」とTBSの石丸Pはコメント。



[2004年6月・映画大ヒット]
公開25日間で早くも動員301万人、興収40・4億円を記録。
早くも実写映画歴代成績ベスト10入りが見えてきた。(→ニュース記事)



[2004年6月・セカチュー記念館]
映画版のロケ地・香川県庵治町に、ロケ地めぐりの観光客やカップルが殺到。
人口約6500人の小さな町の町おこしとしてセカチュー記念館設立計画があるそう。(→ニュース記事)
映画版を含むロケ地情報は→ロケ地情報コーナーを参照。

*追記(2004/12)
映画に登場する写真館を復元した「セカチュー記念館」は来年春にオープン予定とのこと(雑誌情報)



[2004年6月・映画500万人突破]
6月30日時点で映画の動員数が500万人を突破! 興収は同時点で約67億円。(→ニュース記事)



[2004年6月・ハリウッドでも映画化?]
人気俳優、ブラッド・ピットが主宰する製作会社が、同作のリメーク権獲得に関心を示しているそう。
ハリウッドで映画化の可能性も!? (→ニュース記事)



[2004年6月29日・ドラマ制作発表]
TBS金曜ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」の制作発表会見。
主演の山田孝之&綾瀬はるかさんらが参加して意気込みを語る。(→制作発表レポート)



[2004年7月2日・ドラマ放送開始]
第1話放送。視聴率18.5%(関東)の好スタートを切る。


--以下8/18追記--

[2004年8月・上半期ヒット商品8位]
電通調べによる2004年上半期ヒット商品で、「世界の中心で、愛をさけぶ」が8位に。(→ニュース記事)



[2004年8月・映画公開15週目]
映画が公開から15週目を迎えロングヒット中。
ついに動員600万人、興行収入80億円を突破! (→ソース)



[2004年10月8日〜・韓国で日本版が公開]
映画「世界の中心で、愛をさけぶ」(日本版)が10月8日から韓国で公開。(→ニュース記事)
公式サイト(韓国語)はこちら。


--以下9/13追記--

[2004年9月9日・映画DVD発売決定]
映画「世界の中心で、愛をさけぶ」が、12月23日に待望のDVD化
特典の異なる3タイプが同時発売。「MEMORIAL BOX」は予約限定生産。
(→映画DVD情報)



[2004年9月10日・ドラマ最終話放送&DVD-BOX発売決定]
ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」最終話が放送終了。
最終話視聴率は19.1%(関東)の高視聴率を記録。全11話の平均視聴率は15.9%(関東)で、TBS金曜ドラマとしては3年ぶりの高視聴率ドラマに(→関連情報)。
またDVD-BOXの発売も、2005年1月1日に決定した。(→ドラマDVD情報)



これ以降&最近のニュースに関してはニュース記事ページにまとめています。
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Q1. まとめ

長くなったので上記のまとめ+αです

・原作 … 321万部 (小学館のサイト掲載)

・映画 … 動員623万人・興収84億円(2004/11時点・雑誌情報)
9/12時点では動員620万人・興収83億円 →ソース

・平井堅「瞳をとじて」(映画主題歌) … 83.4万枚を売り上げて2004年のシングルNo.1ヒット曲に(2004/11時点)

・柴咲コウ「かたちあるもの」(ドラマ主題歌) … 59.1万枚。2004年のシングル6位。(2004/11時点)

・コミック版「世界の中心で、愛をさけぶ」 … 100万部突破

・「指先の花―律子の物語」(映画原作) … 47万部

-今後の予定-

韓国で映画(日本版)が公開 … 10月8日〜
映画のDVD発売 … 12月23日 (→映画DVD情報)
ドラマDVD-BOX発売 … 2005年1月1日 (→ドラマDVD情報)
韓国でリメイクされて映画化 … 来春撮影予定(?)
ハリウッドで映画化 … 未定(?)

個人的にはハリウッドの映画版がどんなのか気になる…(゜ー゜;


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Q2. どこかで聞いたことのあるタイトルなんだけど…

「世界の中心で、愛をさけぶ」というタイトルは、出版社(小学館)の担当編集者がつけたタイトルということです。
著者の片山恭一さんが初めに想定したタイトルは「恋するソクラテス」というものだったそうです。 (ソクラテス=サク。理屈っぽい青年が恋をする話だから?)
それだとこの物語の持つ純愛さが伝わってこないということで、編集者が考えたということです。

世界の中心で愛を叫んだけもの(ハーラン・エリスン著) ハーラン・エリスン著のSF短編小説「世界の中心で愛を叫んだけもの」(原題:The Beast that shouted Love at The Heart of The World.)
とタイトルが似ていることから、「パクリ」という批判もけっこう目にしますが、タイトルを真似ただけで売れるものでもないでしょうし、著者の意向でもないので的外れな批判だと思います。 私もこの機会に「世界の中心で愛を叫んだけもの」(短編なのでわずか14ページ)を読んでみましたが、まったくの別物でした。

もっとも、読んだことがなくてもタイトルなら批判ができるので、タイトルへの批判が集中していると考えることもできます。 タイトルで批判する人は「世界の中心で、愛をさけぶ」の中身にふれて欲しいですね。

◎類似タイトル作品の遍歴
1979 世界の中心で愛を叫んだけもの ハーラン・エリスン著 (→Amazon)
1996 世界の中心でアイを叫んだけもの アニメ新世紀エヴァンゲリオン最終話 (→GAINAX)
2001 世界の中心で、愛をさけぶ 片山恭一 著
2004 イラクの中心で、バカとさけぶ 橋田信介 著 (→Amazon)


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Q3. いつの間にか300万部の大ベストセラー。著者の片山さんはこの状況をどう思ってるの?

片山恭一氏のコメント集

2年前に出した時の初刷が8000部。3万部、5万部くらいまでは読んでくれた人が本当にいいと想ったのか口コミで伝わって、2000、3000と増刷がかかっていくという売れ方で、自分でも嬉しかったし、結構達成感があったんです。
でも10万部を超えたあたりから、逆にどうして読まれているのかわからなくなって、このところ1ヶ月に10万部づつ増刷がかかっている。
もうこうなると、自分の手を離れた現象になっているという感じが強いですね。
--
「ダ・ヴィンチ」2003年10月号(p.35)片山恭一インタビューより引用

「何だか他人事みたいですね。長い期間をかけて売れたので、熱狂するタイミングを逸してしまったというのもあって(笑)。うれしいんですけど、“なぜ今ごろになって?”という意外さもありますね」
--
WalkerPlus 2003/11/11 より引用

『世界の中心で、愛をさけぶ』が売れて、純愛小説、泣ける小説という部分だけが強調されてしまったことへの反発も多分にあって(笑)。
あの作品も、本当は大切な人の死をめぐる物語で、僕としては死生観とか人生観みたいなものがいちばんのテーマだったんですね。
--
Yahoo!ブックス インタビュー 2004/4/7 より引用

うーん、10万部ぐらいまでは純粋に嬉しかったようですが、それ以上はとにかく本人も驚いているみたいです。一人歩きしているような感覚でしょうか。
あと「泣ける小説」という評判が多いですが、著者はそれを意図して書いてないこともわかります。また「純愛」というわけでもなくて、大切な人の死を描いた物語だったと。


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Q4.セカチュー」と「セカチュウ」って両方聞くけどどっちが正しいの?

いつの間にか「セカチュー」や「セカチュウ」といった略し方がされてますね。
メディアの間でも統一されていなくて、この2つがどちらも使われています。

たとえばこんな感じで

読売新聞(06/29) … セカチュー現象衰えず
サンスポ(06/21) … セカチュウ記念館誕生へ

では、この2つのどちらがポピュラーなのでしょう? サーチエンジンで調べてみます。

Googleで検索してみると

セカチュー 約17,600件 (7/19現在)
セカチュウ 約7,070件 (7/19現在)

Yahoo!だと

セカチュー 約9080件 (7/19現在)
セカチュウ 約3744件 (7/19現在)

いずれも倍以上の差をつけて「セカチュー」の方がポピュラーですね。
略称は「セカチュー」で決まりっ(≧∇≦)ノ


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Q5. セカチュー関連作品はどこが同じでどこが違うの? (8/5up)

現在5つある作品群の相違についてはセカチュー比較ページをご覧ください。

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Q6. セカチューはどこらへんが純愛なの? (8/10up)

セカチューの純愛については純愛についてページをご覧ください。

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