世界の中心で、愛をさけぶ
映画「世界の中心で、愛をさけぶ」

映画「世界の中心で、愛をさけぶ」について


ABOUT "MOVIE".  (8/18設置)

監督:行定勲
出演:大沢たかお、柴咲コウ、森山未來、長澤まさみ、山崎努 ほか


2004/5/8〜公開 上映時間:138分 (→Yahoo映画公式サイト)

ここは映画版についての情報ページです
→映画のあらすじはこちら(別ページ)

=映画概要=
300万部突破のベストセラー小説「世界の中心で、愛をさけぶ」が映画化。
原作で主に描かれていた高校生のサクと亜紀の純愛に加えて、大人になったサクと婚約者・律子のストーリーを追加。 原作のエッセンスを生かしながらも一味違う物語に仕上がっている。

=主な登場人物=
松本朔太郎(サク/17歳) - 森山未來 … 地方都市に住む普通の高校2年生。学校に内緒でスクーター通学をしている。

広瀬亜紀(アキ/17歳) - 長澤まさみ … 高校2年生。美人でスポーツ万能、勉強もできるクラスのアイドル的存在。陸上部に所属。

松本朔太郎(サク/30代) - 大沢たかお … 大人になったサク。今でも亜紀を失った喪失感を抱えている。

藤村律子 - 柴咲コウ(20代) … サクの婚約者。亡き亜紀とは意外な繋がりが…。

重蔵 - 山崎努 … 写真館を経営する老人。サクとは気軽に会話する仲。ニックネームは”重じぃ”。



映画「世界の中心で〜」FAQ (※ネタバレあり。映画を見た人向けです)

[映画原作] 指先の花―律子の物語 Q1. サク・亜紀・律子の関係は?

映画だけを見るとこの3人の関係が少し分かりにくいと思います。
映画原作本の「指先の花―律子の物語」を見るとよく分かるのですが、簡単に説明するとこのような感じです。

1. 律子が小学生(9歳)の時、律子の母が亜紀と同じ病院に入院していた。亜紀は17歳、白血病で入院中。

2. 母に会いに病院に通っていた律子は、亜紀と親しくなり、「アキねぇちゃん」「りっちゃん」と呼ぶ仲に。手品を教わったりする。

3. 亜紀に頼まれて、律子がサクの下駄箱に交換日記のテープを届けるようになる。

4. テープを下駄箱に入れる時、一度だけサクと遭遇し、「いつもありがとう」と声をかけられる。

5. 1986年10月28日。律子は亜紀から最後のテープを預かるが、高校へと向かって走る途中で車と衝突してしまい、足を怪我して入院。最後のテープは届けられないままになっていた。*1

6. 最後にサクに会うことを拒否し、亜紀夭折。

---17年後---

7. 龍之介が経営するバー「竜の爪」で、大人になったサクと律子が出会う。その場で律子が披露した手品「指先の花」に、亜紀を感じたサク。

8. それがきっかけで二人は付き合うようになるが、17年前に一度会っていたことは知らないし、互いに相手と亜紀の関係を知らない。

9. 付き合ってしばらく経った後(?)、律子が妊娠し、二人は婚約。だがサクは心に空洞を抱えたまま。*2

10. 律子が新居への引越し準備中に、17年前に渡せなかったテープが押入れから出てくる。

11. 17年前に渡せなかったテープを渡しに、そして亜紀の消息を求めて一人で四国へ行く律子。

12. テレビのニュース映像に律子の姿を確認したサクは、後を追って故郷である四国へ。

13. 亜紀の消息を求める律子は、亜紀が当時入院していた病院へ。そこで亜紀が17年前に死去していたことを知る。*3

14. 律子は亜紀のお墓へ行った後に高校へ。テープを届けていた下駄箱に刻まれた名前から、届けていた相手が婚約者のサクで、その恋人が「アキねぇちゃん」だったことに気づく。*4

15. 17年前テープを渡せなかった自己嫌悪から、律子は一人で空港へ…。後を追いかけたサクは、謝罪し泣きじゃくる律子を抱き締める。

16. ラストシーン。サクと律子は後片付けをしにウルルへ…。
*1 「指先の花」ではテープを預かった直後に律子の母が死去。テープをサクに届けることができない。
*2 「映画」での律子が妊娠していたかどうかは不明。
*3 「映画」では律子が病院に確認に行ったかは不明。
*4 「映画」では写真館で17年前のサクと亜紀の結婚写真を見て気づいた。

「指先の花」は「映画」の完全ノベライズというわけではないので、↑のように微妙に異なる部分もあります。 3人の関係について詳しく知りたい方は「指先の花」を読んでみてください。



Q2. この物語の時代はいつ?

映画版は1986年です。
カセットテープの「ウォークマン」が重要なアイテムとして登場するように、「懐かしさ」がひとつのテーマになっています。
また80年代のヒット曲、佐野元春「SOMEDAY」、渡辺美里「きみに会えて」が挿入歌に。
詳しくは公式サイト>キーポイント参照。



Q3. この物語の舞台はどこ?

四国の木庭子町(こばねまち)。実在しない映画オリジナルの架空の町です。
サク、亜紀、律子、龍之介がこの町の出身者。
ロケ地は香川県庵治町などで行われました。(→ロケ地情報



Q4. サク行きつけのバーのマスターは誰?

大人になった大木龍之介です。
店名は「竜の爪」で、新宿のゴールデン街外れにある小さなバーという設定。
龍之介を演じていたのは脚本家兼俳優の宮藤官九郎。



Q5. 体育館で亜紀が弾いていたピアノ曲は?

J.S.バッハ/グノー「アヴェ・マリア」(Ave Maria)。
映画版のサントラにも収録されています。
→GoogleでMIDIを探す



Q6. 律子はなぜ一人で故郷(四国)へ行ったの?

17年前に渡せなかったテープを、届け先に届けるために。
亜紀が17年前にすでに亡くなっていることは知らなかった。
さらに「指先の花」によると、結婚を前にして、婚約者・サクが抱える心の闇が気にかかっていたことへの現実逃避でもあったみたいです。



Q7. 映画版のテーマは?

映画「世界の中心で、愛をさけぶ」で展開される物語は、偶然が結びつける運命のようなものがテーマとなっている。 この世は、さまざまな偶然の結びつきに支配されていると僕は信じているし、現在の朔太郎にそれを運んでくる象徴的なキャラクターとして藤村律子が生まれた。
--
行定勲監督のコメント 小説「指先の花―律子の物語」(p.4)

原作にはない映画版の特徴は、やはり大人サクと律子の関係ですね。
律子と亜紀に意外な繋がりがあった…という設定は(原作を読んだ後に映画を見ると)出来過ぎているようにも感じるけど、その運命的な結びつき自体がテーマだったと。



Q8. 亜紀役の長澤まさみさんは本当に髪を切ったの?

あれは本物のスキンヘッドで、亜紀に近づきたい気持ちから剃ったということです。
詳しくはYahooチャットイベントなどで長澤さんが語っています。



Q9. いつ映画化が決まったの? いつ撮影されたの?

映画化は2001年夏に企画されたそうです。(小説が刊行されたのは2001年4月)。
その頃はまだ原作はわずか8000部で、ブームになっていませんでした。
撮影は2003年9〜12月に香川県と愛媛県を中心に行われました。オーストラリアロケも敢行。
その頃には原作が100万部を突破して、映画も大きな注目を集めることに。
撮影について詳しくは公式サイト>キーポイントに載っています。



Q10. 映画原作本タイトルの「指先の花」ってどういう意味?

[映画原作] 指先の花―律子の物語 亜紀が入院中に病室でやっていた「指先にポコッと花を出す」手品の名前。
亜紀が手品好きというのは、原作にはない映画オリジナルの設定です。
その手品を亜紀が入院中、律子に教え、大人になった律子がサクに出会った時にやって見せたきっかけで、二人は付き合うようになった。
3人を運命的に結びつけたのが「指先の花」でした。



Q11. メイキングDVDってどんな内容?

朔太郎とアキの記憶の扉
[映画メイキングDVD] 朔太郎とアキの記憶の扉
[2004/04/21発売 レントラックジャパン \2500]
→Amazon.co.jp

1. 原作の文章と映画の映像、それらの名シーンを融合した映像詩。(約40分)
2. 行定勲監督のインタビュー。(約9分)
3. 映画の撮影風景。(約6分)
4. 劇場予告。(約30秒)
5. 森山未來×長澤まさみ対談。(約6分)

「1」がメインコンテンツですが、これはメイキングというか、ひとつの作品に仕上がっています。
原作の文章を森山未來&長澤まさみさんが朗読し、それを映画の映像orスチール写真と融合させています。主要シーンだけなので40分程度と短めですが、映画の映像が効果的に使われて美しい作品に仕上がっています。他にもインタビューや対談などを収録。
映画DVDが待ちきれない!という人にもいいと思います。



Q12. 映画はどのぐらいヒットしたの?

(2004/9現在) 公開から4ヶ月目を迎え、動員618万人、興行収入82億円を突破中! (→ソース)
こちらの記事に日本の実写映画歴代成績ベスト10が載っていますが、82億ということは歴代7位になりますね。

(2004/11現在) 現在は動員623万人・興収84億円と発表されています。



Q13. 何て書いてあったのかよく見えなかった! (12/18up)

冒頭:押入れから出てきたカセットテープのラベルに書かれていたのは?
「86/10/28」 (17年前のテープであることがわかるシーン)

冒頭:サク宛てに残された律子の置手紙の内容は?
「しばらく出かけて来ます。心配しないで下さい。律子」

中盤:大人サクが亜紀のテープの声に導かれて化学実験室へ。机に書かれていたのは?
「広瀬亜紀 ここでハカセの眠たい授業を受ける 1986年」



Q14. 映画に出てくるウォークマンのモデルは? (12/18up)

冒頭:律子が電気店で購入したのは?
SONY WALKMAN WM-GX788
映画公開時点での最新モデルです。2004年12月現在も発売中。→SONY / →楽天

高校生のサクと亜紀が使っていたは? (大人サク(大沢たかお)も回想しながら使ってました)
SONY WALKMAN WM-2
通称「ウォークマンII」。1981年発売モデルです。
→ウォークマン道へようこそ(上から2番目にWM-2の写真と解説があります)



Q15. 映画でサクが乗っていたスクーター(バイク)は? (3/28up)

「ホンダ・リード80SS」です。→ホンダの紹介ページ
1985年発売モデルなので、映画の時代設定(1986年)にもちゃんと合ってますね。



Q16. 映画DVD:特典ディスクの内容は?

映画「世界の中心で、愛をさけぶ」DVDは、特典の異なる3タイプが同時発売しています。
特典の比較や特典ディスクの詳細などは関連グッズ>映画DVDをご覧ください。





名シーンとそこに流れる曲名 (9/5up)

以下はToshiさん作成の手引きで、ここへの掲載許可を頂きました^^ ありがとうございます。
映画に流れる曲と名シーン集です。
どのシーンの曲が、どのサントラに収録されているのかもわかります。

―映画「世界の中心で、愛をさけぶ」サウンドトラック完全版作成のための手引き!―
(by Toshi)

以下の要領で並べかえると、映画のシーン順通りに作成できます。
10回以上見てますので、すべてのシーンが焼きついています。(苦笑)

準備する3枚のCD
A. オリジナル・サウンドトラック完全版
B. オリジナル・サウンドトラック&イメージ・アルバム
C. 平井堅「瞳をとじて」

A.世界の中心で、愛をさけぶ オリジナル・サウンドトラック完全版     B.世界の中心で、愛をさけぶ サウンドトラック&イメージ・アルバム     C.平井堅「瞳をとじて」


01 A-01 アヴェ・マリア Ave Maria(Bach=Gounod)
「近づいてるんだ」「何が?」「台風」「台風?」「台風29号」
「ねえ、行けるかなあ?」「行けるよ。僕が必ず連れて行く」

02 A-02 世界の中心で、愛をさけぶ〜メインタイトル
律子が雑踏の中、亜紀の最後のテープを聞き、涙を流す。
「10月28日、どうしてかなあ、眠れないの。明日が来るのが怖くて眠れないの。
私、もうすぐ死ぬと思う」

03 A-03 大空につづく道 I
今朔とサクの走る足がクロスオーバーし、サク堤防で転び、さけぶシーン。

04 A-04 ぼくの帰る所 I
防波堤、「そんなの決まってるじゃない、サクと話したかったから!」
同じ場所に立つ今朔、何も変わらない懐かしい風景を見下ろす。

05 A-22 FM KB ミッドナイトウェーブ
「それでは今夜も朝までミッドナイトウェーブ、今夜の1曲目は
ペンネーム、バナナボートさんからのリクエスト、佐野元春で『サムディ』」

06 B-03 佐野元春「SOMEDAY」
亜紀、薬を飲む。授業中居眠りしているサクに亜紀、消しゴムを投げる。
ハガキを見せ合っている二人。サクと亜紀バイクに二人乗り、さけぶ!

07 A-05 アンダンテ I
ウォークマンを聞きながら歩く今朔。
「7月14日、というわけで、私広瀬亜紀と松本朔太郎君は付き合い始めたわけだけど・・・
まだまだ私のことを知らない君に、今日は自己紹介をしてみようと思います。
ええと、誕生日は1969年10月28日生まれのさそり座。
好きな色は、オリーブの緑、森の緑。
好きな食べ物、湯豆腐、メープルシロップ、海苔にお醤油をつけて食べる白いご飯。
好きなもの、調理実習、夏の麦茶、白のワンピース、美容室のにおい。
好きな映画、小さな恋のメロディー、ローマの休日、ベンハー。
ふああ、眠くなりました。今日はこれで寝ます。おやすみなさい」

08 A-06 幸せのとき I
夢島に向かうボートの上、亜紀の帽子が飛ぶ。「うーん、夏のにおいがする」
海辺でじゃれ合う二人。

09 A-07 2台のピアノのレクイエム I
「サク!大木くーん!」太陽を背に手を振る亜紀。ゆっくりと倒れる。

10 A-08 アンダンテ II
「だけど、心配しないで下さい。わたしのサクへの思いは変わりません。
その証拠を学校に残しておきました。ちょっとした宝探しをしてみませんか?
まずは、化学実験室の前へ行ってみて」

11 A-09 アヴェ・マリア Ave Maria from the movie
「開けちゃだめ!」「目つむっててよ。小学校以来だから上手く弾けるかどうか
わからないけど、人前で弾いたことないし、かなり貴重なの」

12 A-10 2台のピアノのレクイエム II
「好きよ、好きよサク。ねえ、巡り合いってどんな出会い方をいうのかなあ?
白血病、私の病名」

13 A-11 とまどい I
豪雨の中、写真館の前に律子が立っている。
「私、奪ってしまったんです。二人の約束を奪ってしまったんです」

14 B-09 渡辺美里「きみに会えて」
病院の中、ドアが突然開く。「ロミオ参上!」「あれ、寝てなかったの?」
「おちおち寝てられないでしょ。こんな夜更けにあなたみたいのが来るから」

15 A-12 幸せの時 II
写真館。「おい、朔太郎、なにやってんだ、いつまでも」「さあ、撮るぞ」
サクと亜紀の至福の瞬間。結婚写真。シャッターが切られる。

16 A-13 伊勢音頭 庵治町才田子供段尻 庵治町王ノ下大人段尻
祭りの中を歩くサク。

17 A-14 大空につづく道 II
山車を担ぐ人々とすれ違う。号泣するサク。

18 A-15 2台のピアノのレクイエム III
無菌室。「結婚しよう」 ビニール越しのキス。

19 A-16 この愛をみつめて I
空港。サク、空港職員に詰め寄り
「僕たちどうしてもオーストラリアに行かなきゃいけないんですよっ!」

(サク、客の一人に押し倒される)
(亜紀、立ち上がり2〜3歩歩くがすぐに倒れる)
(サク、駆け寄る)

「亜紀っ!もう、帰ろうか」
「行けないの?」
「行けるよ。この次」

「ないんだってば!この次なんてないんだってばっ!」
「まだ大丈夫だよ、まだ大丈夫だよ」
「生きてるよ。まだ私生きてるよっ!」
(亜紀、意識を失う)

「亜紀」「亜紀っ!!」

(サク、下を向いてつぶやく)
「助けてください」

(サク、上を向いて叫ぶ)
「助けてください!」「助けてください!!」

20 A-17 この愛をみつめて II
「りっちゃん!」手品をしてみせる亜紀。

「あのね、私たちもう会わないほうがいいと思うの。 あなたと過ごした永遠の何分の一かの時間が私の生涯の宝物です。 あなたがいてくれて幸せだった」
赤い車。振り返る少女。舞い上がる傘。

「いいよね。私たちは今日でお別れ。あなたが大人になって、結婚して、仕事をして、 未来を生き続けることを想像しながら今夜は眠ります」
ベッドの上の亜紀に光が差す。

21 A-18 とまどい II
写真館。「朔ちゃんだったんだね。亜紀さんの最後のテープ、渡さなきゃいけなかったのに、
ずっと渡せなかった。私、彼女が死んだことも知らずに今まで、、、朔ちゃん、ごめんね」
バスを降り、風雨の中を走る朔太郎。

22 A-19 ぼくの帰る所 II
空港。「あの日もこんな日だった。台風29号は四国を直撃するって、私、学校も休みになって
母が入院してた病院に行ったの。窓外を見ながら近づいてくる台風にわくわくしてた」

23 A-20 大空につづく道 III
「亜紀は君を恨んじゃいないよ。だって君のおかげで亜紀と俺、たくさんのことわかりあえたんだから」
「あの日、彼女はここまでしか来ることができなかった。いつか必ず行こうって約束したんだ」
「後片付けしなきゃ」

24 A-21 この愛をみつめて III
ウルル。赤い大地。小高い丘の上。再生ボタン。回り始めるカセットテープ。

「目を閉じると、やっぱりあなたの顔が忘れられない。
思い出すのは焼きそばパンを頬張った大きな口。
顔をくしゃくしゃに崩して笑う笑顔。
ムキになってふくれるけど、すぐに振り返って笑ってくれた時の優しさ。
夢島でのあなたの寝顔。・・・今もすぐ目の前にあって触れていたいよ。
バイクに乗せてくれたときのあなたの背中のぬくもりが、一番大切だった。

あなたとのたくさんの思い出があたしの人生を輝かせてくれた。
本当にそばにいてくれてありがとう。
忘れないよ。あなたと過ごした大切な時間。

最後に一つだけお願いがあります。
あたしの灰をウルルの風の中に撒いて欲しいの。

そして、あなたはあなたの今を生きて。

あなたに会えてよかった。・・・・・・バイバイ」

「ここに来て、世界の中心がどこにあるのか、わかった気がする」

風に舞い上がる灰。

「手品みたい」 「亜紀らしいな」

25 C-1 平井堅「瞳をとじて」
エンディング〜スタッフロール






キネマ旬報「世界の中心で、愛をさけぶ」特集 (9/8up)

「キネマ旬報」2004年5月下旬号(NO.1405) 雑誌「キネマ旬報」2004年5月下旬号(No.1405)で、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」が巻頭特集されています。
今は置いている書店はあまりないと思いますが、バックナンバーの注文もできるみたいです。(詳しくはキネマ旬報のサイト参照)

ここでは私が気になったことを抜粋しておきます。



Q. 律子を追いかけて四国にやってきたサクは、なぜ携帯で律子に連絡を取らなかったのか?

[大沢たかお]
律子を追いかけてきたのか、それとも自分の何かを探しに来たのか。
それがサクにとっては、四国に行った時点で過去と現実の間に入り込んだようになっていったと思うんです。
彼は、ある種のファンタジーの世界に踏み込んでしまう。
勿論、携帯で彼女に電話することは出来る。でもサクはしなかったんじゃないですかね。
このファンタジーに入り込むことで、もう一度現実として受け止めて清算をする。
それができた上で、律子との未来が描けるんだと。
(p.32)

なるほど、と納得できる解釈です。
久しぶりに故郷に行き、テープに録音されたアキの声と共に、封印していた思い出が蘇ってしまったと。



Q. 亜紀の役作りは?

[長澤まさみ]
行定監督には最初、『女の子らしく可愛く演じて。それとサクといる時には、お姉さんぶるようにセリフを言って』と言われました。
(p.34)

確かに田舎の純朴な男の子であるサクとは対照的な、お姉さんぶる亜紀がかわいかったですね。



Q. 剃髪について

[長澤まさみ]
髪を剃ることは自分で決めました。
でも剃った後は凄く気持ちが不安定になりましたね。
やはり女の子ですから、このまま髪が生えてこなかったらどうしようって。
でもそういう不安はアキも同じだったと思うんです。
それが分かっただけでも、剃ってよかったと思いましたね。
(p.34)

やっぱり髪がなくなってしまうのは辛いものですね。女性であれば特に。長澤さんの役者魂を改めて感じます。



Q. サクの役作りは?

[森山未來]
サクは普通の田舎町の高校生で、アキと二人でいることがすべてなのかなと。
だから演じる上でも、ただアキに対する真っ直ぐな気持ちをぶつけるだけでした。
(p.35)

映画のサクは原作ほど理屈っぽくないし、確かに普通の高校生でした。
純朴だからこそ亜紀がすべてであって、亜紀への想いがストレートに表現されていたと。



Q. 撮影のキーワードは「衝動」

[行定監督]
今回”衝動”という言葉をキーワードとしていろいろ言いましたね。
人間の行動はまず、衝動ありき。人は衝動で動くんだから、頭で考えるなと。
特にメロドラマは、衝動じゃないとダメだと思うんですよね。
この映画なんて後半、無菌室にいるアキを連れ出してオーストラリアへ連れて行こうとするんですから。
相当気が狂った行為だし、それによって彼女は死んでしまうかもしれない。
でも、それを頭で考えたら出来ない行動なんです。
(P.36)

映画版セカチューは脚本よりも出演者の演技の素晴らしさが目立っていると思います。
この行定監督のコメントを見てそれを納得しました。理屈ではなく、心から湧き上がる衝動が撮られている。だから見ている私たちも心が揺さぶられるのでしょう。特に「助けてください!」の絶叫にそれがよく表されていました。



Q. 生々しい亜紀のスキンヘッド姿

[行定監督]
(髪の毛が抜けてしまうという)そこの部分を描かないで美しく描くなんていうのは嘘。
仮にも人一人が死んでいく話を、簡単に泣ける映画にしていいのか。
(P.38)

あのスキンヘッド姿のシーンは、アキの不幸と、病気の悲惨な面をきちんと描くための演出だったと。



Q. ウォークマンによる交換日記

[春名プロデューサー]
ちょうど原作で描かれている1986年ごろ、ウォークマンIIが発売されまして。
加えて当時、自分の好きな曲を1本のテープに録音して、付き合っていた女の子と交換するというのが流行っていたんですよ。
それをちょっと応用して、交換日記代わりにするのはどうかと考えたんですね。
それに文字だとただ「懐かしい」と思うだけだけど、セリフにもあるように、
声の方が、その人がまだ近くにいるような錯覚に陥るんじゃないかと思ったんです。
(P.43)

原作にはなかったサクと亜紀のテープによる交換日記は、春名プロデューサーのアイデアとのこと。 すごく効果的に物語りに組み込まれていました。このテープのアイデアはドラマ版にも受け継がれています。 それにしてもテープ交換って当時流行ってたんですね。



Q. 映画公開に合わせて売れた原作

[春名プロデューサー]
今回の場合、原作が売れていたから映画化したのではない。
でも原作が売れている最中に映画を公開できる、嬉しいケースの映画になったと思います。
(P.44)

2001年夏(原作わずか8000部)の時点で映画化が企画された時は、洋画系の単館系で公開することを考えていたそうです。
そして撮影が開始された2003年夏の時点で、原作は約50万部。
それが映画公開直前の2004年5月には250万部まで売り上げを伸ばしていたことを考えると、幸運な状況で全国公開できたということですね。




ギャグバンク Vol.9特集「2時間18分の“静かな叫び”を完全解析」 (10/7up)

ギャグバンク(GagBank) Vol.9 エンタメ&サブカル高感度マガジン「ギャグバンク」という雑誌のVol.9で、
「2時間18分の“静かな叫び”を完全解析」と題して、 映画「世界の中心で、愛をさけぶ」が34ページに渡って特集されています。


「ギャグバンク」Vol.9  2004年5月刊行  \890  ISBN 4-901841-08-4
→Amazon / →es booksicon

特集内容は「映画の紹介とあらすじ」「名シーンの写真」「東宝・市川プロデューサーのインタビュー」「行定監督インタビュー」「律子の役どころと柴咲コウについて」「片山恭一著の原作とその他の片山作品について」など。

完全解析というのはちょっと大袈裟かなと思いますが、行定監督のインタビューなどは映画版のファンには貴重な情報だと思います。 この特集の中の東宝の市川プロデューサーのインタビューで、映画完成までの「3つの奇跡」を挙げていて、興味深いので引用します。


1. 予期していなかった原作の爆発的ヒット

上の「キネマ旬報」の特集記事のところでも触れましたが、映画化が企画された2001年時点では原作はまだ8000部で、小規模公開を考えていたそうです。
それが2003年に入ってから原作が爆発的に売れ始めて、映画公開直前には250万部まで売れて大ベストセラーに。
その結果、映画も大きな注目を集めることになった。それがひとつ目の奇跡。

[市川プロデューサー]
(小説について)この物語は人を愛すること、そして死ぬことという永遠のテーマに真正面から取り組んでいる。今の時代が、普遍的な題材を真面目に考える時期に差しかかっているのではないでしょうか。
普遍性と時代性がちょうどぴったりとマッチした。だからこそ、こんなにも多くの人々に受け入れられる結果となっているのだと思います。
ただ契約した時点(2001年)ではこんな事態になるとは想像していなかった。 (P.21)


2. 旬の豪華キャストが共演

2001年に映画化の企画と映画化権の仮契約を経て、正式に製作決定が降りたのが2003年6月下旬。 そして撮影開始が2003年9月。わずか2ヶ月弱の準備期間で、豪華キャストを揃えられたことがふたつ目の奇跡。

[市川プロデューサー]
俳優陣は「ウォーターボーイズ」の演技が光っていた森山未來くんが<過去>の朔太郎役として候補に挙がりましたね。 それと前後して<現在>の朔太郎役には大沢たかおさんを、という話が出た時、この二人なら違和感がないということでパッと決まりました。

ヒロインのアキ役は学級委員という役どころなので、何よりも清潔感を重視しました。長澤まさみさんは清潔感はもちろん、今の16歳の女優の中ではベスト3に入る存在感がある。 そこが決め手となりました。

もうひとりのヒロイン、律子役には帯の推薦文を書いたというご縁もありますが、もっとも旬な女優ということで、柴咲コウさんにお願いしたら、即快諾のお返事をいただくことができた。
非常にタイトな日程の中で、考えうる限りベスト、かつフレッシュなキャスティングが成功した。 (P.22)


3. 主題歌「瞳をとじて」

そして3つ目の奇跡は平井堅が歌う主題歌「瞳をとじて」。ストーリーに合致する感動的な名曲が誕生した。今年(2004年)を代表する1曲と言っていいでしょう。

[市川プロデューサー]
取ってつけたようなスタンスではなく、映画の世界観を忠実に反映させた曲にしてほしかった。(中略) 平井さんは原作・脚本はもちろん、映像も観て作品の世界観をしっかりと理解してくれた。本編が終わると静かにピアノの音色が流れ、平井さんのボーカルが自然に耳に染み入ってくる。詩もメロディも贅沢な仕上がりになっていますよ。 (P.22)



確かにこの3点は「これ以上ない」っていうぐらい素晴らしい状況と巡り合わせですね。
原作の奇跡的な大ヒットが乗り移ったかのように、この映画も色々な奇跡が重なりあって完成したことがわかります。 それもスタッフ・出演者の努力の結果でしょうね。

最後に同書の行定監督のインタビューから印象的なところを抜粋。

[行定監督]
(映画化するにあたって)「汚しちゃいけない」と思った理由は、(原作が)あまりにも真っ直ぐで真っ白だったから。 それでこの小説が泣けるんだろうし。汚れている人も真っ白い部分があるとするならば、その真っ白な感情を引き出されるんでしょうから。 (P.28)

[行定監督]
(映画「ひまわり」を撮影していた時に)僕は人の死に直面して佇んで”生きていくことは残酷だ”と実感してた。 (中略)この小説はひとりの男が(恋人の)死によって佇んでしまったんだけれども、彼はもう一度封印していた悲しい過去を回想しなければいけない。
それに直面した時に「自分はもっと先を見なきゃいけないんじゃないか」と思うはずだと。 「その一歩先をやれたら、この映画をやる意味があるんじゃないか」と説得された。 (P.29)

[行定監督]
大沢さんはこの映画がある種のファンタジーだとよく理解していて、ほとんど芝居というよりはホントに彷徨っているだけなんですよ。 映画の中で本当に彷徨っているだけなんだけども、たくさんの言葉より、その彷徨っている姿ですべてがわかる。その彷徨っている様をとにかく撮りたいと。 (P.31)





映画関連リンク (8/18up)

映画版についてのリンクを集めました。 (リンクコーナーセカチュー現象と重複するページもあり)


公式サイト

世界の中心で、愛をさけぶ(Yahoo) … 映画版「世界の中心で〜」公式サイト。

世界の中心で、愛をさけぶ(東宝) … 東宝の映画紹介ページ。関連記事へのリンクなど。

世界の中心で、愛をさけぶ(DVD) … 映画DVD公式サイト。DVD紹介や関連情報など。


ロケ地

「世界の中心で〜」ロケ地ガイド:香川県 … 映画版ロケ地の紹介。(香川県観光案内)

「世界の中心で〜」ロケ地ガイド:庵治町 … 映画版ロケ地の紹介。(庵治町ホームページ)

映画「世界の中心で、愛をさけぶ」ロケ地めぐり … ファンの方によるロケ地レポート。


行定勲監督

「世界の中心で、愛をさけぶ」行定勲監督に聞く(産経)


亜紀役:長澤まさみ

長澤まさみチャットイベント(Yahoo)

長澤まさみ単独インタビュー(MRO)

インタビュー:日曜日のヒロイン(日刊スポーツ)

長澤まさみインタビュー(Comin'SoonTV)

長澤まさみ合同インタビュー(MovieWalker)

長澤まさみYahooチャットイベントについて(Impress)


製作会見

製作発表記者会見 (2003/11/12)
東宝 / MovieWalker / SANSPO

映画完成会見 (2004/04/19)
東宝 / MovieWalker / SANSPO

初日舞台挨拶 (2004/05/08)
東宝


上映開始後

映画紹介記事(読売)

長澤まさみ愛の無菌室キス。興収30億突破(報知)

ベスト10入り確実…「世界の中心で、愛をさけぶ」(SANSPO)

平井堅「瞳をとじて」オリコン1位(SANSPO)

“セカチュウ記念館”誕生へ(SANSPO)

香川県庵治町・映画ロケで一躍カップルの聖地に(読売)

撮影監督・篠田昇さんに600人が最後の別れ(SANSPO)

“セカチュー”500万人動員突破!(SANSPO)






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