世界の中心で、愛をさけぶ
第2話ストーリー・あらすじ

復習用&見逃した人向けです。できるだけ詳しく書いています。

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7/9 OnAir "#02" STORY.

第2話

2004年。
入院先の病院から抜け出したサク(緒形直人)は、17年ぶりに故郷を訪れる。

17年ぶりの故郷は、それなりに時を感じさせた。
黒い髪の生徒はいなくなり、ウォークマンはMDプレイヤーに変わった。
僕はアキと別れる場所を探した。
本当は、17年前にしなければいけないことだったから。
あの頃と変わらない所がいいと思った。
まだあるだろうか。 アキが好きだと言った、あの場所は…。


意味深にアジサイの丘を見つめるサク…。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

1987年。

サク(山田孝之)とアキ(綾瀬はるか)はウォークマンでの交換メッセージを続けていた。
今朝は「図書室で一緒にコロッケパンが食べたい」というアキからのメッセージが。

昼休み。サクは購買でコロッケパンを2つ買い、図書室へと向かう。
だがアキは急に文化祭の打ち合わせが入り、一緒に食べることができない。

放課後。陸上部の練習をするアキ。
サクがグラウンドの外で終わるのを待っていると、 「今日は遅くなりそうだからいいよ」と、アキはどこか冷たい。

付き合い始めたものの、なかなか仲が進展しない二人。
友人の大木からは「からかわれてるだけなんじゃねぇの」と言われ、サクは不安に駆られる。 さらに、このままではロミオ役に先にキスされるぞ、と言われてしまう。

サクは急いで学校へと戻り、校門でアキが出てくるのを待つ。
自転車で帰宅する二人。
帰り道、アキは近くの丘にサクを案内する。 丘の頂上には一面、アジサイの花が咲いていた。

一人になりたい時よく来るんだ。
アジサイって不思議な花でね、土壌の酸性度によって色が変わるんだって。
青いアジサイは酸性。ピンクはアルカリ性。ちなみに、植物がよく育つのは弱酸性だって。
人間みたいだな。
人って環境で性格が変わるって言うからさ。
そうだね。

ロマンチックな雰囲気になり、サクはキスしようとするが、「ヤダ」と拒まれてしまう。


その帰り。サクは祖父・謙太郎(仲代達矢)に呼び止められ、食事していくことに。
そして「ある人の骨をお墓から盗んで欲しい」と物騒な頼みごとをされる。
サクは嫌がるが、謙太郎もなかなか食い下がらない。

その夜。「できればジュリエットはやらないで欲しい」とサクはテープに吹き込むものの、男らしくないと感じたのかやはりやめる。

翌朝。サクは下駄箱にウォークマンを入れないでおくが、アキは何も言わない。

どうしたのとか聞けよ。
なんだか自信がなくなってきた。
アキはホントに俺のこと好きなのだろうか。


文化祭で「ロミオとジュリエット」の開催が決まっていたが、ロミオ役はまだ決まっていなかった。

立候補を求められ、誰もいないなら学級委員の安浦が演じるという。
それだけは阻止したいサクは、迷った末に立候補する。

サクか安浦か。「せっかくだからジュリエットが選べば、(サクと)できてるって噂もあるし」と女子たちは冷やかす。
その冷やかしを拒絶するように、アキは「じゃあ学級委員同士ということで」と、サクではなく安浦を選ぶ。 サクはアキへの不信感が強まる。


放課後、サクとアキは祖父の写真館を訪れる。 アキの訪問を喜ぶ謙太郎。

アキは壁に飾られている、古ぼけているが美しい女性が写ったセピア色の写真を見つける。

あの世で一緒になろうと誓った人だ。
出会った頃は戦争でね。
彼女は身体が弱くて結核だったし、俺は兵隊に取られて、戦争が終わるまで二人とも生きてはいないだろうと思っていた。
でもありがたいことに、二人とも無事に終戦に迎えられてね。
……
特効薬ができて、彼女は治って、親の決めたところに嫁ぐことになってしまったんだ。
笑っていいんだか、泣いていいんだかわからん話だ。
会いたくて会いたくて、会おうと思った矢先に、彼女はぽっくり死んでしまった。
だから、せめて骨を…。
俺が死んだら、あの人の骨と俺の骨を、一緒に混ぜてまいて欲しいんだよ。
そうしたらあの世で、あの人と一緒になれるかもしれないと…。


その帰り道。

すごいよね、40年以上も想い続けるなんて。
ばあちゃんに悪いよ。
そうかな、純愛だと思うけど。
好きな人と一緒に暮らすのと、好きな人を想いながら別の人と暮らすのと、どっちが幸せなんだろうね。
一緒にいると、嫌なところもたくさん見えるじゃない。
本当のあたしを知ったら、サクちゃんは嫌になっちゃうかもなって…。



翌日。今朝はアキの下駄箱にウォークマンが入っていた。
気持ちを入れ替えたサクは、「ロミオとジュリエット」の演出に立候補したいと吹き込んでいた。それを聴いたアキは笑顔。

昼休み。コロッケパンを2つ買って、サクは図書室へ。
だがアキはまた学級委員・安浦に話しかけられていた。

アキに想いを寄せる安浦は、松本と付き合ってるのか?と問い詰める。
そして想いを押さえきれず、強引にアキにキスしてしまう。
そこに居合わせたサクは、たまらず安浦に殴りかかる。

そしてサクはアキを責めてしまう。

アキが何考えてるか全然わかんねぇよ。
心が狭いんだよ俺は。
アキが他のヤツに触られるのも、他のヤツと楽しそうにしてるのも。
俺の気持ちも考えてくれよ…。


放課後。 アキの唇を他の男に奪われ、傷心のサクは堤防で一人たたずむ。
そこに立ち寄った大木は、キス程度に何の意味があるんだ、と慰める。

その帰り。サクは写真館に寄り、「骨を盗みに行こう」と祖父に言う。
サクと祖父は自転車に乗って墓地へ。

アキの自宅。 男のせいで勉強に身が入らないのではと懸念したアキの父は、
サクとの交換テープを無断で捨ててしまっていた。

夜の墓地。 二人は祈りを捧げた後に、墓を掘り起こし、サトさんの骨を少量盗むことに成功。

その帰り、なんとなくアキの家に立ち寄るサク。
すると、父の横暴なやり方に反発したアキが家から抜け出そうとしていた。

二人はアジサイの丘へ。すでに空が明るくなりかけていた。
それぞれの想いを素直に語り合う。

問題起こすと面倒だからって、私、家でも学校でも嘘ばっかりついてるの。
ニコニコ、ニコニコしながら。 ホント変な女だよね…。


俺そういうのがいい。
汚いところも、ズルいところも、ダメなところも、
シミやシワも好きになれるような、そういうのがいい。
だからアキも、そのまんまがいいよ。


今までいい子を演じてきたアキだが、思いがけないサクの言葉にアキは泣いてしまう。

初めてなの、私…。
頑張らなくていいって、そのまんまでいいって言われたの…。
嫌いにならないでね、サクちゃん。
私のこと、嫌いにならないでね…。


…キスする二人。

こんな風にひとつづつ、僕たちは近づいていくのだろう。
10年後、20年後、ひょっとしたら100年後。
ケンカをしたり、仲直りをしたり。
だけど、昨日より今日、明日より明後日…。
僕は当たり前のようにアキを好きになる。そう思っていた。
ここに毎年、アジサイが咲き続けるように。


2004年。
骨をまくため、17年ぶりにアジサイの丘にやって来たサク。

今も変わらずにアジサイが咲いていた。
だけどあの日アキと見た、ピンクのアジサイは一本もなかった。
目の覚めるような青だった。
僕の目を覚まさせる、鮮やかな青。
アキなどいなかったのだと言われてる気がして、僕はまくことができなかった…。


第2話終わり。




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