世界の中心で、愛をさけぶ
第1話ストーリー・あらすじ

復習用&見逃した人向けです。できるだけ詳しく書いています。

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7/2 OnAir "#01" STORY.

第1話

1987年。
砂漠のオーストラリア。一人の高校生(サク・山田孝之)が岩の上でたたずんでいる。手には白い灰のようなものが入った小瓶が。
かつて愛し合ったアキとの日々を回想し、泣き崩れるサク…。

17年後、2004年。
サク(緒形直人)は大学病院で研究医として働いていた。

(大人サク)
朝起きると、泣いている。
悲しいからではない。
17年前の夢から、17年後の現実に戻ってくる時に、
またぎ越さなくてはならない亀裂があり、
僕は涙を流さずに、そこを越えることができないのだ。


サクは研究中に過労で倒れてしまう。 サクの友人である明希(桜井幸子)が入院先まで見舞いに来て、留守中の郵便物を手渡す。 その中に、高校時代の担任・谷田部(松下由樹)からの手紙があった。 校舎が取り壊されることになったので、最後に見に来ないかという内容。 サクは高校卒業後17年間、一度も故郷に帰っていない。

入院中のサク。ベッドでラジオを聞いていると、 「私たちはラジオをきっかけに付き合い始めました。でも住む世界が違ってしまい、もう17年間会っていない…」というハガキが読まれる。
そこにアキを感じたサクは、病院を抜け出してふらふらになりながらラジオステーションに駆けつけるが、もちろんそこにアキはいない。

あるはずがない。
そんなことあるはずが。
あるはずがないのだ。
僕は彼女のいない世界に、もう17年も、いる――


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

1987年、高校2年生のサク。
夏のある日曜日。サクは自転車に乗って葬儀場に向かう。サクの高校の教師が病気で亡くなったのだ。
2年生を代表してサクのクラスメート・アキ(綾瀬はるか)が弔辞を読む。

(アキ)
この世に存在するものに、何ひとつ無駄なものはないと、教えて頂いたような気がします。 言葉がありません。
私には、この気持ちを伝える言葉がありません。
だから今日は、先生に詩を贈りたいと思います。


突然強い雨が降り始める。
生徒たちは軒下に避難する。だがアキは雨に打たれるのもかまわず、心を込めて弔辞を読み続ける。

お前は聞く。
冬はなぜ必要なの。
すると私は答えるだろう。
新しい葉を生み出すため。


(サク)
その時の気持ちは、言葉にならない。
ただ廣瀬亜紀の声がする方に、自然に足が…。


傘を持って来ていたサクは、一人アキの方に歩み寄り、傘を差しかける…。


葬儀の帰り。アキはサクに声をかけ、二人は夕陽の落ちる堤防で会話。アキは傘のお礼にキーホルダーをプレゼントする。

帰宅後、そのキーホルダーは「MUSIC WAVE」というラジオの景品であることを妹から聞かされる。
さっそくそのラジオを聞いてみるサク。
ハガキ採用者に贈られるウォークマンが欲しくて、アキはハガキを書いているという。

サクとアキのクラスの文化祭の催し物が、「ロミオとジュリエット」に決まる。
女子生徒はジュリエット役にアキを推薦するが、アキはあまり乗り気ではない。

サクは友人の中川からお金を貸して欲しいと言われる。アキにひそかな想いを寄せる中川は、アキの誕生日にウォークマンをプレゼントしたいらしい。 金がないと断れると、文才のあるサクに、ラジオにハガキを書いて欲しいと頼まれる。 それをしぶしぶ承諾したサク。

放課後、たこ焼き屋でサクがハガキの案を練っていると、雨が降り始める。
そこにアキが現れて、傘を差しかける。
二人は一緒に帰宅。「ジュリエット役、やりたくないならやめれば」とサク。
気にかけてもらった嬉しさからか、アキは別れ際に、「サクって呼んでもいい?」と。

サクが練った案は完成し、ハガキを中川に手渡す。
あとは自分で出しな、と。どこか寂しげなサク。

数日後のラジオ。
サクのハガキが採用され、内容が読み上げられる。

今日は僕のクラスのA・Hさんのことを書きたいと思います。
彼女は学級委員で、みんながやりたがらないジュリエット役を、ニッコリ笑って引き受ける。
だけど実はちょっとイタズラすることもある。
そんな、とても魅力的な女の子です。
でも最近、学校を休むようになりました。
実は、彼女は白血病になってしまったんです。
このあいだ見舞いに行って、僕は愕然としました。
彼女の髪の毛は薬の副作用ですっかり抜け落ち、かつての面影……


ラジオを聴いていたアキは、サクの仕業であると直感。
翌朝学校で会った時に、「世の中にはホントに病気と闘ってる人もいるのよ」と非難する。

その夜。サクとアキの仲を知り、アキを諦めた中川は「俺は廣瀬よりもいい女と結婚する」と言い残して、ダンボールをサクに手渡す。 中身は当選品のウォークマンだった。

翌朝。アキの下駄箱にウォークマンが入っていた。
一緒にテープが入っており、再生してみるとサクの声が…。

松本朔太郎です。
この間はごめんなさい。
だけどわかって欲しいこともあって。
あれは俺にとって、ホントに一番せつない話だったんだ。
俺は廣瀬がいなくなるのが、何よりも一番せつない。
もし許してくれるなら、今日の放課後、あの場所に来てください。


放課後。サクが堤防で待っていると、アキが走ってやってくる。
ウォークマンをサクに投げ、「聞いて」と。 再生してみると、アキの声が…。

廣瀬アキです。
今日は私の好きなものについて話します。
第5位。たこ焼きパパさん。の前で、こそこそハガキを書いている松本朔太郎。
第4位。ガムのおもちゃでだまされる、人のいい松本朔太郎。
第3位。いつもいつも鍵をなくして、もぞもぞしている松本朔太郎。
第2位。ジュリエットやめたら?と言ってくれた松本朔太郎。


予期していなかった内容に驚くサク。アキは続きを直接サクに告げる。

第1位。あの日、傘を差しかけてくれた松本朔太郎。
…好きよ、サクちゃん。大好きだよ。


アキは照れ笑いを浮かべながら、サクに歩み寄っていく…

アキは今までで最高の誕生日だと言ってくれた。
僕もそんなこと言われたのは初めてで。
そしてこれが、アキの最後の誕生日になった…。
1987年の7月2日。


それから17年後、2004年の7月2日。
アキを失ってから17回目の誕生日を迎えたサクは、強い喪失感に襲われていた。

だけど僕はこれから、ずっとこんな風に生きていくのだろうか。
僕は…忘れなければいけないと思った…。


第1話終わり。




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