世界の中心で、愛をさけぶ
セカチューの謎

"MYSTERY" OF SEKACHU-.  

Q10. 10話:サクの決断(ウルル行き)は正しかったの?


10話。自分の死を覚悟した亜紀は、最後の願いとしてウルルの空を見たいと望みます。
サクは迷った末に決意し、二人は病院を抜け出してウルルを目指しますが…。
その結果、亜紀は空港で倒れ、命を落としてしまう。 サクの決断は正しかったのでしょうか?

少し多くなりますが、素晴らしい意見が多いので転載します(当サイトBBSより)。

[1] ウルル行きを決断する前、サクは責任感が強いので周りの人の悲しみを考えました。
自分に対する周りからの非難も考え、亜紀の死んだ後の世界も考えました。
しかし、これらは非常に極端に言えば打算的行為と捉えられないか?
亜紀が死んだらどうなるのかなと計算してしまったことになる。
結局サクはそれらを振り切り、なによりも彼女の意思が一番大事だと考えた。
大好きな彼女の、最後の望みを必死に叶えようとする、17歳の、純で一途な行動を支持します。
(作家さん)

[2] 私が、もしサクの立場だったら、連れていきません。
責任でも保身でも打算でもないと思います。いや、そう思いたい。
私がサクなら、亜紀に一日でも長く生きていて欲しいから。
ウルルに行かなくても同じものが…。と思ってしまうのは、分別、なんでしょうか?
(Capriさん)

[3] 私はよかったと思います。 もし自分がアキの立場なら、そうして欲しいと思います。
アキは病気に負けたくなかったのではないでしょうか。
最後の自分の夢を奪うことは病気にはできないのだと、最後まで自分の願う通りに生きたいと望んでいたと思うから。
たとえあと1、2日生き延びようとも、それでは意味がないのだと思います。
生きるために生まれてきたから…アキはそう言っていました。私も自分の願い通り生きていきたい。
(かおりさん)

[4] これは二つの場合で異なります。しかし異性別もあるので正確には4つの選択肢が必要なのかもしれませんね。

1.ドラマの場合はこれでよかったと思います。
本音は違うかもしれないけど、サクにはやはり亜紀の願いがなによりも一番大事だったと思います。
サクは一生懸命考え、悩み、そして亜紀の死を受け入れる準備をしました。
サクの行動は亜紀を想う強さの象徴。男として支持します。
こう書いていくと、空港で、いざ亜紀の死のイメージを目の当たりにしての「助けてください」。
やっと本音を口にしたサクと読み取ると、いっそう切なく感じました。

2.自分に置き換えると、自分の性格によるので、やはり悩むと思います。
彼女の願いと相反する「好きな人にずっと生きていて欲しい」という自分の願いのどちらを取るか最大に悩むと思います。
実際にその状況に自分を置いてみないと答えは出ません。
(作家さん)

[5] 私は病院に勤務する医療関係者ですが、欧米では、死を目前にした人の希望をかなえてあげる、という考え方は珍しいことではないようです。
さすがに(サクと亜紀のような)海外旅行は聞きませんが、「イルカに乗りたい」という夢がかなった少女が、2日後に安らかに旅立ったとか、その類の話は聞きます。国民性の違いでしょうか。
(朔五郎さん)

[6] 意見が割れるのも無理ありません。 このドラマに限らず,末期癌の患者にモルヒネを打つかどうかとか,心肺蘇生をどこまで続けるかというのは重い問題ですよね。
結局,病人の側から見るか,周囲の側から見るかということだと思いますが,それぞれに相手の側に立って(立ったつもりになって)発言している場合もあるので,問題は単純ではありません。

一つだけ言えるのは,亜紀は倒れるまで「自分が生きている証」を求め続けたし,サクは,そんな亜紀をぎりぎりまで支え続けたということです。
それが非常に評価の分かれることであったからこそ,その後,何年もの間,苦しみ続けることになるのですが。
(にわかマニアさん)

[7] 自分が連れ出したことで死を早めたことの後悔と、
連れて行かなかったことで最後の希望を叶えてやれなかったという後悔。

ドラマでなければ私は後者を選ぶでしょう。
(はちはちまるさん)

[8] ウルルに連れて行くと最後の願いを叶えてやれるけど、亜紀を失ってしまう危険性が高く、サクを含めて、亜紀の家族や親戚など亜紀を大切に思っている人を悲しませてしまう。
連れて行かなければ、亜紀が生きる力を信じて回復すればいいのですが(あの状況なら難しいと思いますが)、もし亜紀が願いを叶えられず命を落としてしまえば、サクは一生後悔すると思います。やっぱり難しいですね。
(ヨッシーさん)

[9] 「あなたならどうする」という問題の立てかたであれば,私も「寿命を縮めた後悔」よりは「最後の希望を聞いてやれなかった後悔」を選ぶと思います。
非難の集中砲火を浴びるのが怖いというよりも,1分でも1秒でも長くその人と一緒にいたいから。

ただ,ドラマにおける救いは,その行動の前段で,「もう生きることを諦めたのか」「死に方に夢を持つことは諦めることなのか」というやりとりでした。
(にわかマニアさん)

サクにこんな葛藤があったとは…。
私は単純に、サクと亜紀の願いは同じ(ウルル行き)だと考えて見ていました。
問題になるのは周囲(亜紀の両親や医師)の猛烈な反対と、常識的ではないという点かなと。
ですがサクも当然、亜紀に少しでも長く生きていて欲しいと望んだはずですね。

つまりサクは自分の願い(亜紀に少しでも長く生きていて欲しいから連れ出したくない)よりも、亜紀の願い(死を覚悟の上でウルルの空が見たい)を取った、とも考えられます。

連れ出すべきかやめるべきか、どちらがいいかは微妙な問題ですが、最後の願いを叶えてあげることが亜紀にとって最良だと考え、決行した。 その伏線となる会話があります。

[10話・病室]
アキは…生きること、諦めたの?
死ぬってことが、否定できなくなった時、
死に方に夢を持つことは、諦めることなの?
最後まで生きようと思うことなの?
わかんないな、俺…。
私も。

「死に方に夢を持つのは悪いことなのか」という亜紀の問題提起。
亜紀にとって死を覚悟の上でウルルに行くことは、「生を諦める」ことではなく、「最後まで生き抜く」というイメージのようです。

[10話・残されたテープ]
白血病で死ぬことが私の運命だったとしても、
そんなものに、私の17年をつぶされたくない。
きっと生きたいように生きるために、生まれてきたから…。
最後までそうしたい。

運命に抗うために、打ち勝つために、ウルルに行きたいと望んだ。それが亜紀の生き方だった。
そしてサクもその亜紀の願いを最大限に尊重した。
ただそれはあくまで亜紀の意志であるから、「連れ出した」という非難がサクに行かないように、亜紀はサクを置いて一人で行こうとした。結果としてはサクが追いついて、二人で行くことになったのですが。

そうすると上の[4]で作家さんが書かれていますが、「助けてください…」のせつなさが増しますね。
亜紀に献身し支えるために自分の哀しみを抑えきたサクの、ようやく出た本音であり哀しみが「助けてください」だった…。

そして結局、ウルルの空を見る願いは叶わずに亜紀は空港で倒れてしまいますが、亜紀はサクに抱きかかえられた時、そこが天国であることに気づきます。
最後の願いは叶いませんでしたが、生きたいように生きた結果、自分にとっての世界の中心(=サクに愛されること)に気づくことができた。

改めて考え直しても10話は感動的な、そして考えさせられるテーマが盛り込まれていますね。


2004/09/28




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