ラブシャッフル

ラブシャッフル最終話「運命の人にめぐり逢うために」名セリフ&感想

REVIEW #10
2009.3.21up

(菊田) 彼は正義感が強いし
保健所のワンちゃんも放っておけないぐらい
弱い者を助けたいという気持ちがあるから
(愛瑠) だけど…
(玲子) もちろん彼だってそんな簡単だと思ってないわ
だけどそれはキラキラした仕事になる
そう思ったんだよ

(啓) 君のおかげだ
君じゃなきゃ俺、自分を諦めて、自分に飽きて
なんだかんだずっともやもやしたまま年食っていったよ
だって人生、そういうもんだろって言い聞かせながら
(芽衣) 啓はキラキラしてなきゃダメなの
あぁ、だけど俺、いつか後悔する時がくるかも
こんないい娘バッカじゃねえのって

(旺次郎) おまえさ、いつから見えたんだよタナトス
生まれた時からか
怖かった?
そりゃそうだよな
誰かに話しても信じてもらえない
いやそれどころか、頭のイカれた女に思われる
世界で自分だけ、別の生き物のように感じてくる
そのうちタナトスには慣れてくるが
今度は周りの人間に違和感を感じる
変な話、タナトスだけが頼れる相手にさえ思えてくる
近く知り合えるなら死んでもいい、いや死にたい
ひとりぼっちになるよりはマシだから

(海里) 信じるの?
あぁ、俺にはタナトスは見えるからな
俺の中じゃ、おまえはもう死んでんだからさ
だからもう一人じゃないぜ
おまえが怪物なら、俺もそうさ
俺が一生守ってやるよ

(菊田) Oちゃん、それなら、ひとつだけ頼んでもいいかな
僕を許すと言って欲しい
彼が女性に心を移した時、僕は彼をひどく傷つける言葉を言ってしまったんだ
とてもひどい言葉をね
もしかしたら、そのことが原因で、彼は命を
僕は一人になるのがとても怖かった
(旺次郎) 僕は…
っていうか、許すも何もねえよ
あなたを愛していたから、心から

(愛瑠) あなたといると安心するの
だけど、私はいつか不安になる
気づいたの、私が求めているものは違うものなんだって
私は、出る幕が欲しいの
私がフォローしないとどうしようもないんだって思えるような、相手の欠点が
私も欠点ばかりだから、それ見ると安心するの
私が求めている、ほんとの安心ってそれなんだって

調子に乗ると、昼寝したりするバカなウサギ
でも、私はそういうウサギのお尻を蹴っ飛ばして
早く起きて走れって、そう言いたいんだ


--感想--

最終話は思ったよりも理想的な形でまとまって満足でした。 今作は恋人交換のドラマなので、4話のセリフにある「失恋、嫉妬、憎悪、破滅」的な内容にもできたはずだけど、やはり近年の野島さんはそういったものは志向していないですね。
なので恋人交換でありながら愛憎劇にはならず、常に友情がベースにあるという、ドラマ本編を見るまでは内容をイメージしにくい異色のドラマでした。

今作の特徴は、8人のキャラクターがそれぞれ魅力的だったことです。 終盤の菊田のフリを除けば、悪役のような人もいなかったので、ストレスを感じずに楽しめました。 「愛よりも相性」の理論を言葉で語る部分は意外に少なかったのと、また最終話で啓が「未成年」や「SOS」的な演説をするわけでもなかった。
それは裏を返せば、テーマうんぬんではなく、今作は8人の魅力・関係・友情というものが中心にあったのだと。

ところで野島作品の特徴として、前半は比較的穏かだけど、後半は話が大きく動いたり独特の野島ワールドが展開されるというのがあります。 ラブシャッフルの場合はそれが逆だったと思います。 個人的には、2〜4話あたりがとても好きでした。 それは事前の期待を超えるような形で、序盤から物語が広がっていく感覚があったからです。
ただこのドラマの構造上、最終的には相性のいい相手に収まるので、1週目に広がったところから、2週目は収斂していかざるを得ない。 終盤は菊田に陰謀があるような形で引っ張ったけど、それは結局ミスリードだったので、2週目から最終話までの繋ぎをどう描くかは、野島さんも難しかったんじゃないかと推測します。

それでも個人的には、1年前の「薔薇のない花屋」よりも断然好きなドラマでした。 それだけに視聴率が低かったのは残念だけど、途中から下がっていったのではなく、1話から低かったです(10.0%)。 それはつまり「恋人交換」という言葉からは軽薄さなどが連想されるので、1話放送前の段階から期待されてなかったということですよね。 残念ながら、実際に見てみるまでは魅力が伝わりにくいドラマでした。

野島ドラマの中では、比較的万人向けの楽しい内容なので、90年代の野島ドラマが合わなかった人や、初めて野島ドラマを見る人にもお勧めできる作品になっていると思います。 初めて台本を収録したシナリオ本(全2巻)も野島ファンは必見です!


--関連商品--
7月3日発売決定!
「ラブシャッフル」DVD-BOX (DVD6枚組 定価19950円)
ラブシャッフルDVD-BOX

発売中
シナリオ本「ラブシャッフル(1)」 1〜5話収録
小学館 / Amazon / セブン&ワイicon / 楽天ブックス


4月7日発売
シナリオ本「ラブシャッフル(2)」 6話〜最終話収録

発売中 (3月11日発売)
サントラCD「ラブシャッフル」




« 9話 | 最終話


GoTop
ラブシャッフル情報  © Copyright FUMI 2009