ラブシャッフル

「ラブシャッフル」野島伸司さんインタビュー記事

INTERVIEW.
各メディアでの野島さんの発言を集めました

朝日新聞 2009年1月1日

野島伸司さん「暗い時代、脚本家は裸踊りしなきゃいけない」

――暗い時代に、なぜ明るい話を?

ものすごくタイミング的によかったと思う。
僕がデビューした88年当時は、ちょうどバブルの頃。
みんなが何かに取りつかれたように浮かれてはいるんだけど、何か置き去りにした精神性みたいなものを、突っ込んで書いた。
それが当時は、意外とマッチしたかもしれないと思う。
今、状況が逆になった。
みんなが不安を抱えたり、生活難だったりする時に、シリアスなものをやったり、「人生とは」みたいなものをやったりするのは逆にミスマッチなのではないかと思う。
今の金融危機や不況は、4〜5年続くとも言われている。
しばらく、プロの脚本家として裸踊りしなくちゃいけない。
世の中がそういう時は、逆方向に行かなくちゃいけないのかなと思いますね。

――主演の玉木宏さん、共演の香里奈さんの印象は?

今回の出演者とは事前に会いました。
本人たちが一番光るであろう十八番を集め、魅力がぶつからないようにするため話をした。
玉木は都会的なイメージで、自分のドラマに合うかどうかよく分からなかった。
会ってみると、意外と骨太。下積みが長く苦労していたんでしょうね。珍しくハングリーだなと思いました。
香里奈は、僕と伊藤一尋プロデューサーが同時に会ったんですけど、全然感想が違って。
伊藤さんは、さばさばして男の子っぽいと、僕は女の子っぽいと感じた。

――外国ドラマが日本でも流行中。作品への影響は?

「ヒーローズ」なんかも、多くの登場人物が全く別の動きをしていて、描写的にもつながっていない。
ただバラバラに並べているくらいな感じなんですよね。
それが逆に、予想できないというか、新鮮なのかな。
米国のテレビドラマだと、あるシーンを「もうちょっと見せろよ」というくらいで次のシーンに行っちゃうことがある。
それが妙にくせになる。疲れないし、リラックス効果がある。

今回の僕の脚本でも、当初は3週に1回くらい、カップルを変えることを考えたんですけど、スピードが遅い。
だから毎週、変えることにした。
せっかく仲良くなったけど、すぐに相手が変わっているくらいな。
不条理な感じが、新しいかな。


毎日新聞 2009年1月2日
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20081230mog00m200014000c.html

若い人にとって何が大切か、いわば自分探しの旅

↑内容はリンク先をご覧ください


毎日新聞 2009年1月9日
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20090109dde018070092000c.html

「愛より相性」を実験

↑内容はリンク先をご覧ください


「anan」1643号(2009年1月14日発売)
http://magazineworld.jp/anan/1643/ (本誌P141に野島さんインタビュー掲載)

書いている僕にも先の読めない”恋人交換”の行方を楽しんで

1年前からプロデューサーの伊藤一尋さんと話し合う過程で、”恋人をシャッフルさせたらおもしろそう”というアイデアが浮かんだんです。
ちょうど「薔薇のない花屋」でシリアスなものを書いていた頃だったから、反動で、自分が軽いコメディを書きたくなった、というものありますね。

僕と伊藤さんの作品は激しく抗議されることが多かったですね。
今回も「恋人交換とはふしだらな」とクレームがつくかもしれないけど、この作品はタブーを犯すことが主題ではないんです。

僕は、男と女は恋愛感情よりも相性が重要だと思っているんですよ。
恋が始まると、相手一人しか目に入らなくなりますよね?
でもその目をゲームによって強制的に他者に向けさせると、いい化学反応が起こるんじゃないか…。

例えば「私にはこの人しかいない」と思い詰めていた女性が、もっと相性のいい男もいるとわかって心が軽くなったり、ね。
登場するカップルは年齢も職業も様々だから、いろんな層の方がそれぞれの視点で楽しめると思いますよ。

シリアスな作品はストーリーを決め込んで書いていくけど、今回はフィーリングまかせ。展開はスピーディーですよ。
テンポの良さで視聴者を飽きさせないようにするのは、”数字の鬼”と言われていた初期の書き方に近いかもしれない(笑)。
またこれも異例ですが、事前に役者と会い、素に近いキャラクターを当て書きしました。

僕がよく扱うテーマのタナトス(死への欲求)に、今回はエロス(生への本能)が拮抗するサブストーリーを裏側で展開させ、後半戦に繋げていくつもり。
とはいえフィーリング次第の”明日なき脚本”だから、書いている僕にも結末はわかりません(笑)。


「ラブシャッフル」TBS公式サイト インタビュー 野島伸司さん
http://www.tbs.co.jp/loveshuffle/interview/interview_09.html

↑内容はリンク先をご覧ください


朝日新聞 2009年1月11日(日) 朝刊

時代の暗さ、吹き飛ばそうと

※新ドラマ紹介記事から、伊藤Pと野島氏のコメントのみ抜粋しています

(この時世にセレブな人たちの偶像劇は受け入れられるか?)
伊藤P「かっこいい服を着て、高級マンションに住んでいても、登場人物の中身はかっこ悪い。 設定を下町にもっていっても通用するドラマ」

(廊下でパジャマパーティーをする4人は)
野島氏「夜のピクニック風に」

(メールだけのコミュニケーションの時代だからこそ)
伊藤P「人と人とのつながりを強制的に。 人は人と接すると、地位や環境、経済ではない、違う面が出てくるから」


日経エンタテインメント 2009年2月号(1月5日発売)
http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/200902/

野島が明るく描くパンドラの箱とは?

※新ドラマ紹介記事から、伊藤Pのコメントのみ抜粋しています

・お互いに群像劇が好きで、今までは20歳前後を描いてきたが、今回は年齢を少し上げたかった。 25歳より上となれば恋愛ということで、偶像恋愛ドラマとなった。

・今の世の中は人と人とのつながりが希薄で、核家族化が進み、カップルという単位がほとんど。 でもこのドラマは、孤立ではなく4組の仲間、インモラルというよりはあいのりに近い感覚の、恋愛ドラマでありながら青春ドラマでもある。

・一人で抱えずにみんなに話せば肩の荷も下りるし、解決策が見える。

・相手が変わることで違う自分が見えて、過去のトラウマが明らかに…というプロットが多い。

・表面的には明るく楽しくノリがいい。 砂糖がコーティングされていて見やすいが、中身(本質)は深くて苦味もある二重構造。 そこに野島さんのメッセージが隠されているんです。

・登場人物の掛け合いからストーリーを引っ張る。




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