いま、会いにゆきます

最終話「涙の別れ」あらすじ - ドラマ いま、会いにゆきます

#10 STORY.
オンエアを見ながら個人的に書いたあらすじです

(澪) 6週間の雨の季節が終われば、私は愛する家族を残して消えていきます
残された私たちの時間が、幸せに溢れたものでありますように…


クリスマスパーティーの夜。 「私、絵本を見たの」と、去らなければならない真実を知ったことを巧に打ち明ける澪(ミムラ)。 巧(成宮寛貴)は思わず澪を抱きしめる。

(巧) 君をどこにも行かせたくない
(澪) 私も、ずっとこのままいたい…
お願いがあるの


澪は結婚指輪を手に取り、巧に指輪をはめてもらう。 同じように、澪も巧の指に結婚指輪を…。
巧は19歳の二人が別れた後の話を始める。


*   *   *   *   *   19歳の時の回想シーン   *   *   *   *   *

(巧) 君に別れを切り出したあの夏、すべてが終わったのだと僕は思った
部品工場はすぐにやめてしまった
体調は最悪で、何をする気にもなれなかった


澪からもらった手紙やクローバーをゴミ箱に捨てる巧。 それをゴミ集積所まで持っていくが、捨てることができない。

君を忘れようともがけばもがくほど、君を忘れられなくなっていく
その夏は何をして時間を潰したのか、思い出せないんだ


巧は何をするでもなくひまわり畑で寝転んでいると、そこに突然澪がやって来る。

その時、奇跡が起こった
君が、ひまわり畑に…
その後すぐ、僕らは結婚したんだ


*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *

話し終えて、「こんな僕と一緒になって、君は本当に…」と遠慮がちに話す巧を、澪はそっと抱きしめる。


翌朝も雨が降り続いていた。 澪はいつものように巧と佑司を見送るが、佑司はどこか寂しげに、何度も澪を振り返る。

小学校。佑司は雨を見ながら「ママは僕のせいで死んじゃったのかな」と沙織先生(MEGUMI)に聞く。 佑司の出産のせいで澪が病気になったと親戚が話していたのを聞いて以来、気にしていたのだ。 沙織は「そんな風に思ったら、ママが悲しむ」と言って佑司を元気づける。


昨夜から降っていた雨が止んで、太陽が照りつけ始める。 テレビのニュースでは梅雨明けの発表を知らせていた。 自宅に一人でいた澪は照りつける太陽を見ると、静かに家を後にする…。

佑司は夏を感じさせる青空を見ると、深刻な顔になり、「先生、僕帰っていい?」とお願いをする。 「どうしても帰らなくちゃいけないんだ」と言う佑司を送り出す沙織。 佑司は走って森へと急ぐ。

職場で梅雨明けを知った万里子(岡本綾)は、仕事中の巧に「行ってあげて、きっと黙っていくつもりなんだと思う」と。 巧は少し戸惑うが、万里子に礼をして森へと急ぐ…。


森のトンネルの奥の廃工場にやって来た澪。 そこに「ママー!」という声がして佑司が走りこんでくる。

(佑司) ママ、行っちゃヤダ
僕も行く
もうわがまま言わないから
いい子になるから…
(澪) いい子になんかならなくていいの
佑司は佑司のままでいいんだよ
ママは僕を生んだから死んじゃったの?
僕がいなかったら、ママはずっとたっくんと一緒にいられたんじゃないの?
なに言ってるの佑司
ママはね、佑司と会うために生まれてきたの
佑司のいない人生なんて考えられない
佑司じゃなきゃいけないの
佑司はママの希望なんだから…
希望?
そうだよ
だから、ママの言ってること信じて
信じられる?


うなずく佑司

ママ、もう行っちゃうの?
もう会えないの?
そんなことない
佑司が大人になって、おじいさんになって
それでアーカイブ星に呼ばれたら
そしたら、また一緒に暮らそう
約束だよ
うん

その頃、巧は発作に苦しみながら、森の中を懸命に走っていた。
そして廃工場に辿り着くと、澪に抱きつく。

(澪) 巧さん…
(巧) 澪…
走っちゃダメ
わかってるさ
私なら、一人で大丈夫なのに
私のために、無理しないで


二人はドアの前に座り、最後の話を始める。

昨夜、巧さん、言いかけてやめた言葉があったでしょう
こんな僕と一緒にいて、君は本当に幸せだった?って、たぶんそう言おうとした
私、巧さんと一緒にいられて、本当に幸せだった
僕も…
世の中には、すれ違う出会いだってたくさんある
なのに私は、その人の子どもを生むことだってできた
だからもう疑わないで
巧さんはいつだって、大事に大切に私を支えてくれたんだから
うん
楽しかった
私ね、巧さんと永遠を約束するために、この6週間があったんだと思う
澪…
巧さん…このまま握ってて
うん

手を握りしめる巧。澪は涙を流しながら話を続ける。

私生まれ変わっても、きっと何度でも、巧さんと一緒になるから
うん
どこにいてもきっと、きっと見つけてね
あぁ…
さようなら……

巧は澪にキスをするが、ドアが開いて…

佑司は以前埋めた宝物を見つけて走ってくるが、すでに澪はいなかった。 うなだれる巧の手の中には、澪が着けていた結婚指輪があった。 「ママー!」と絶叫する佑司…。


夕方。涼子(三田佳子)が榎田家のポストを見ると、「お父さん お母さんへ 澪より」と書かれた袋が入っていた。 澪が去る前に、ポストに残したのだ…。中には手紙と写真、日記帳が入っていた。


翌朝、涼子は巧の家を訪れる。

(涼子) これ、あなたにお返ししたくて
澪の日記です
(巧) ……
あなたが持っていて
その方があの子、喜ぶと思うから
私、ずっと心に引っかかっていたことがあってね
あなたと結婚して、澪は幸せだったんだろうかって
もっと違う道を歩んでいたら、こんなに早く命を落とすことはなかったんじゃないかって
ずっと心の奥で…
ごめんなさい
いえ
でも私ね、その日記読みながら、昨日一晩かけて、ゆっくりあの子と語り合った
私、確信したの
あの子は、あの子だけの幸せ見つけて、精一杯生きたんだって
これ以上ない幸福の中を、駆け抜けていったんだって
私は信じてみることにしました
だって、あの子ったら…あなたの娘の生き方を誉めてやってくださいって
親の私に向かってそんなこと、堂々と書いてきて
あの子らしいって思わない?
巧さん、私ね、やっと心が静かになった…


涙を流しながら微笑む涼子。


涼子が帰り、巧は澪の日記を読み始める。
そこには巧が知らなかった、中学時代からの澪の巧への想いが書かれていた。

6月1日 晴れ
今日は学校で席替えがあった
私の隣の席には、3回連続で同じ人が座ることになった
その人の名前は、秋穂巧くん
私たちは、ずっと挨拶しかしたことがない
でも、私は秋穂くんに…


陸上部の巧は毎朝グラウンドで走りこんでいた。

秋穂くんは毎朝、一人で走っている
少しくらいの雨なら休まない
仲間がいなくてもかまわない
秋穂くんは、そういう人


美術部に所属していた澪は、赤いハチマキをした走る青年の絵を描く。 女子から人気のある工藤が赤いハチマキをしていたので、絵のモデルは工藤という噂が立っていた。

まさか、赤いハチマキをしている人が本当にいるとは思わなかった
あの絵のモデルは、秋穂くんなのに…


プールの時間、女子更衣室を覗き見していた男子生徒を見つけ、やめさせようとした巧は、逆に覗き見の濡れ衣を着せられてしまう。

秋穂くんは、覗きをしていた人たちの名前を知っていても言わなかった
不器用で損をしている人だけど、私も秋穂くんに似てるかもしれない


陸上の競技会の前に、「ベストが尽くせますように」と言って巧に封筒を渡す澪。中には四つ葉のクローバーが入っていた。

四つ葉のクローバーは秋穂くんにだけ送って
あとの人たちにはカードだけ入れた
本当は、秋穂くんにだけあげた方が良かったのかもしれない


中学卒業後、二人は別々の高校に進学することに…。

中学を卒業したら、秋穂くんはこの町を出て行く
離れ離れになってしまう


卒業式の日、澪にサインを頼まれた巧は”君のとなりは居心地がよかったです、ありがとう”と書く。 それを見た澪は「私も秋穂くんの隣は居心地がよかった」と言って微笑む。

自分の言葉に、自分で驚いた

サイン帳には巧のシャーペンが挟まれたままになっていた。

走って追いかければ、間に合ったかもしれない

そうして離れ離れになるが、高1の夏休みに、思い切って電話をかけた巧。 シャーペンを返してもらうことを口実に会うことになった。

約束の日、夏祭りの会場で再会した二人。 澪は大切にしまっていたシャーペンを返す。

これ…
うん
みんな楽しそうだね
そうだね
じゃあ…

帰ろうとする澪を巧が呼び止め、線香花火をすることに。 しかし二人とも不器用で、会話が弾まない。

次のデートの約束は、してくれなかった
秋穂くんは私といても、楽しくなかったのかもしれない


高1の冬休みになり、巧から電話がかかってくる。 駅で待っていると知り、走ってホームへと急ぐ澪。 二人は駅のホームで何時間も話しこむ。

秋穂くんは自分の話が面白いかどうか、気にしていたけれど
私にはとても楽しい時間で
同じ空気を吸っているだけで、ドキドキした


夜になり、二人は巧のポケットの中で初めて手をつなぐ。

あの日、私は初めて秋穂くんと向き合った

それから二人は手紙をのやり取りを続けた。
高3の夏休み、巧は短距離走の競技会に出場する。

応援には来ないでいいからって、秋穂くんの手紙には書いてあった
でも私は会いたくて…


巧には内緒で会場にやって来た澪。 巧はトップを走っていた工藤に迫るが、身体をぶつけられて転倒してしまう。その瞬間を客席から目撃した澪。

ファウルもなし、着順も変わらない
まさか、そんな…


工藤たちが表彰されている間、不正に怒った澪はトラック内の照明を落とす。
それからしばらくして…。

突然秋穂くんから、僕のことは忘れて欲しいという手紙が届いた
どういうことなのか理由が知りたくて、手紙を書いた
でも、何通描いても返事は来ない

秋穂くんに会って、話をしたい
でも、秋穂くんはいない
私のこと、避けてるのかもしれない


高校を卒業して大学生になった澪は、巧が働く工場を調べて会いに来る。
しかし巧は「また同窓会とかで会えるといいね、二人とも結婚してたりして…」と言い、冷たく突き放されてしまう。

私の幸せは、あなたといることなのに
私たちのこと、これで終わりにしたくない


工場を後にし、帰りのバスに乗ろうとするが、巧との別れを受け入れられず、バスを乗り過ごした澪。

すると、巧は澪が乗ったと思っているバスを走って追いかけていた。 その巧を後ろから急いで追いかける澪。 しかし道路を横切ったところで、澪はバイクにはねられてしまう…。 澪が事故に遭ったことに巧は気づかない。

私は危篤状態になりました
気がついた時、私はすべての記憶を失って、森にいました
それからの6週間は、あなたが知っている通りです
森に埋めてあったタイムカプセルの中に、私は自分の日記を見つけました
交通事故に遭った19歳の私は、8年後の未来に飛んでいたことを知りました
そして、そこでは私は、もうすでに死んでいたことも…

すべての事情を知った時、私はあなたに二度目の恋をしていました
あの時のキスは、私の初めてのキスで
だから、あの夜も…
あなたには二度目のことでも、私にとっては初めてのことで、嬉しかった…
あなたを愛して、あなたに愛された6週間は、かけがえのない時間でした
雨の季節は終わり、あたしはあの8年後の世界に別れを告げました
あなたたちに会うことは、もう……


8年後にタイムスリップするという不思議な体験をした後、病院のベッドの上で意識を取り戻した19歳の澪。

もしかしたら夢だったのかもしれない
いや、夢なんかじゃない
私の運命は、巧さんと結婚し、佑司を授かる
そして佑司が6歳になる誕生日に、私はこの世を去っていく

巧さんと結婚する道を選ばなければ、また違った人生を歩むことができるのかもしれない
私は何度生まれ変わっても、必ず同じ道を選びます
私の幸せは、あなたと生きること
だから、あなたに……
いま、会いにゆきます


巧のいるひまわり畑に突然やって来た澪。
澪は巧に歩み寄ると、抱きしめる。

大丈夫だから、もう大丈夫だから…
会いたかった…
僕も…

愛しそうに抱き合う二人は幸せに満ちていた…。


――エンディング――

6週間の奇跡から1年後。佑司の8才の誕生日に、ケーキ店の俊輔とあすかがケーキと手紙を持って訪れる。澪が去る前に予約したケーキだ。

『佑司、8才のお誕生日おめでとう。ムギュ。今年はおじいちゃん、おばあちゃんも一緒かな? ママもアーカイブ星で、佑司のお誕生日、お祝いしてるからね』


秋穂家の日常。朝、澪に教わった目玉焼きを作る佑司。
巧は澪を想うように、青空の向こうにあるアーカイブ星を見つめる。

(澪) 佑司、パパのように強くてやさしい人になってください
愛しています
巧さん、私、あなたたちを忘れないから…


END.





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