いま、会いにゆきます

第4話「母の愛」あらすじ - ドラマ いま、会いにゆきます

#04 STORY.
オンエアを見ながら個人的に書いたあらすじです

巧(成宮寛貴)はいつも同じ時間に帰宅すると佑司(武井証)は言う。 澪(ミムラ)が佑司と一緒に玄関の前で帰りを待っていると、確かに夕方5時20分ちょうどに巧が帰ってきた。

夕食時、ピーマンを残した佑司はこっそり飼い犬のところに持っていき、食べさせようとするが、澪に見つかる。

しかし澪は「ピーマン嫌いなの?」と聞く程度で、怒ることはなかった。「昔のママだったら押入れに入れられてたのに…」とつぶやく佑司。

夜中。なぜかクローゼットの中の服を右に並べていた巧。 澪が物音で目を覚ますと、「何でもないんだ、びっくりさせたね」と、巧は理由を話さず部屋を後にする。

(澪) 家族三人でいつも一緒なのに
私はなぜか、とても遠く感じてしまうことがあるのです
巧さん、あなたはどうですか…?



翌朝。澪は巧のお弁当を作っていた。「良かったらこれ持ってってください」とお弁当箱を差し出す澪。巧はそれを見て「ごめん…」と言いかけるが、すぐに「ありがとう」と言い直す。

通勤・登校する巧と佑司。

(佑司) 今朝、夢見た
(巧) どんな?
ママに叱られた夢
ピーマン食べたくなくて、隠れて黙って捨てたんだ
それがママに見つかって
そういえば昔、そんなことあったね
食べものを粗末にしちゃいけないって、すっごい怒ってた
そういう時のママって迫力あったね
押入れに入ってなさいって
うん、僕も夢見て昔のママ思い出しちゃった
ママ、アーカブイ星に行って、ちょっと感じが変わったね
そりゃそうだよ、いろんな記憶を失くしてるんだからさ

以前と違って怒ることのない澪に、佑司は違和感を感じていた。


一方、澪は押入れで「ゆうじの成長記録」と書かれた箱を見つける。開けてみると、幼い頃に佑司が気を引きたくてわざと壊したティーカップや、ピーマンを食べたくなくてやつ当たりしたフォークなどが出てくる。

さらに奥には1枚のボロボロになった封筒が。差出人には「榎田澪」と書かれており、中には四葉のクローバーの押し花が入っていた…。


昼休み。同僚の万里子(岡本綾)は「よかったら、これ…」と巧に弁当箱を差し出す。しかし巧には澪の用意してくれたお弁当があった。

「今日はたまたま…」と弁当箱を見せる巧。すると近くにいた移動店舗車UFOの店主は「女ができたの?」と冷やかす。曖昧に返事をする巧。万里子は女性の存在が密かに気になっていた…。


学校の帰り道。佑司は水たまりの泥をわざと服につけて、服を汚して帰る。そうすれば澪も昔のように怒ってくれると思ったのだ。

しかし澪は泥で汚れた服を見ても怒らずに、「お洗濯しないとね」と言って服を脱がすだけだった。佑司は晩ご飯用のハンバーグを見つけると、「まだ食べちゃだめだよ」と言う澪に逆らうように、ハンバーグを口にする。

ハンバーグにはみじん切りにされたピーマンが入っていた。そうすれば佑司も食べられると澪は思ったのだ。しかし佑司は「ピーマン星人と仲良くする気ないから」と言い、ハンバーグのお皿を澪に押し付けると、自室に戻ろうとするる。

佑司がテーブルの上に置いたランドセルを引っ張った際、同じくテーブルの上に置かれていた四葉のクローバーの押し花が落ちて、葉っぱが一枚取れてしまう…。


佑司は押入れの中に入ると、飼い犬の子犬に話しかける。

(佑司) ママは僕のこと全然叱らないんだ
前はよく「ここに入ってなさい」って、叱られてたのに
アーカブイ星の電車の網棚に忘れてきちゃったのかな…



仕事帰りに尚美(余貴美子)の診療所に立ち寄る巧。 自分の病的とも言える約束ごとやこだわりについて、巧は澪に隠していた。

(巧) 実は澪にまだ、僕のこだわるとことか、苦しいとことか、色々話せてなくて
きっといつか、彼女も気づいてしまって、また傷つけてしまいそうな気がするんです
(尚美) 彼女を悲しませてしまうかもしれない、と思ってる
そうです

少し打ち明けてみれば?と尚美はアドバイスするが、巧にはその勇気が沸いてこない。

大丈夫、澪さんもあなたの話を聞きたいと思ってる
どうしてそう言いきれるんですか
あなたを愛した人でしょ? 自信持って…


澪の母・涼子(三田佳子)の家に万里子(岡本綾)が訪れていた。 庭には一面にアジサイが咲いており、父(山本圭)がライトアップして雰囲気を出す。

(涼子) あの子、なんて言うかしら
年々張り切っちゃって、お母さん頑張りすぎって笑ってるかしらね
(万里子) 澪は感謝してると思いますよ
自分が植えたアジサイを、こんなに丹精してもらって
うん、だといいんだけど…

食事中、万里子は佑司が最近まっすぐ家に帰っているという話をする。

(万里子) 佑司くん、この頃どんどんしっかりしてきましたね
前は、学校が終わると必ず図書館に来て、秋穂君と一緒に帰ってたんですけど
この頃まっすぐ家に帰って、お留守番を一人でしっかりやってるそうです
(父・孝雄) なかなか感心じゃないか
(涼子) もちろん、佑司がしっかり育つのは、とても嬉しいのよ
でもね、母親を亡くしたことで早く大人になりすぎちゃうのは、ちょっと不憫でね…
もっと甘えたい、わがまま言いたい、叱って欲しい
もっと自分の方を振り向いて欲しいっていう思いは、きっとどこかにあるはずだと思うのよ
かもしれませんね
佑司のいろんなサイン見逃さないでねって、巧さんにも本当は、そういう話もっとしておきたいんだけど……なかなかね


夜。巧は澪が見つけた「ゆうじの成長記録」という箱を空けてみる。

(巧) この箱、君が作ったんだね
(澪) 巧さん、知ってました?
いや、知らなかった
でもどれも見覚えのあるものばっかりだけど
私も今日気付いて
君はあったかい思い出を作る名人だね
え?
いや、佑司が壊したカップとかフォークとか見てると、あぁ、そういうこともあったなって
私もこうしていると、なんだかあったかい気持ちになるんです
そうだね
今日はこのカップでミントティー飲んでみます?

「いいね」と言ってカップを手にした際、巧と澪の手が一瞬触れ合い、ぎこちない空気が流れる。

あの、その箱の中に入ってたんですけど、この四葉のクローバーと封筒、葉っぱが1枚取れちゃったんですけど…
これ…このクローバーは、僕に幸運を運んできてくれたんだ
幸運?
中学3年の夏、最後の陸上競技大会があったんだ


*   *   *   *   *   中3の回想シーン   *   *   *   *   *

陸上の選手が乗り込むバスの前で待つ女子生徒たち。 そこには澪と万里子の姿もあった。 「誰を応援してんの?」と聞く万里子に、澪は「内緒」と答える。

群がる女子の目当てはアイドル的存在の工藤だった。 たくさんの女子に手紙などをもらいながら、バスに乗り込む工藤。 一方、巧を応援する生徒はいなかった。

(巧) その日の僕の体調は最悪で
でもあの頃の僕には、走ることしかなかったから


しかし巧がバスに乗り込もうとしたところで、澪が歩み寄ってくる。

それが君だった

澪は「これ…ベストが尽くせますように」と言って封筒を差し出す。
突然のことに驚き、黙って受け取る巧。

僕はありがとうの一言もいえなくて…

バスの中で封筒を開けてみると、四葉のクローバーの押し花が入っていた。 しかし、工藤の元にも「榎田澪」と書かれた封筒があった…。

君が僕に四葉のクローバーをくれたのは、きっと、ついでみたいなものなんだろうなって、少し思った…

雨が降る中、レースが行われる。

その地区大会で僕は、6位に入賞したんだ
あれは、君のおかげだと思う
今でも思ってる…


*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *


二人の話を影で聞いていた佑司。自分のせいで、思い出のクローバーの葉っぱが一枚取れてしまったことの責任を感じていた。

翌日。佑司は取れた葉っぱとクローバーを持って、尚美(余貴美子)の診療所にやって来る。尚美はごはん粒で葉っぱをくっつけようとするが、失敗してさらに葉っぱが1枚取れてしまう…。気を落として診療所を後にする佑司。


夕方になり、大雨が振り出す。豪雨注意報も出て、なかなか帰ってこない佑司を澪は心配する。

巧は仕事で帰りが遅くなることを澪に電話した際、佑司がまだ帰っていないことを知る。巧は佑司を探すため、仕事を切り上げて帰ることに。 近くにいた万里子は、巧が電話で話していた人物が誰なのか気になっていた…。


巧が家に帰ってきた時には、澪は佑司を探しに外に出てしまっていた。

雷が鳴るひどい雨の中、走り回って佑司を探す澪。 すると川辺で佑司のランドセルを見つける。辺りを見回すと、川の中央に取り残されて身動きできなくなった佑司が…。

澪は氾濫する川に入って佑司を助け出す。

(澪) こんな心配かけて、なんでこんな…
よかった…


嗚咽しながら佑司を抱きしめる澪。

「ママ…これ」と言って佑司が手を開くと、手の中には四葉のクローバーがあった。豪雨の中、葉っぱが取れてしまったクローバーの代わりを探していたのだ。

(佑司) ごめんなさい
ママに心配かけて、ごめんなさい…
(澪) 佑司…

そこに巧がやって来くると、二人の無事を確認してホッとする。


夜。佑司が見つけた四葉のクローバーを見つめながら話す巧。

(巧) 四葉のクローバー、よく三人で探して歩いたんだ
(澪) そうなんですか?
四葉のクローバー見つけた日は嬉しいことがあるんだよって、君はよく言ってた
今日、君が佑司って呼べたのは、きっとこのクローバーのおかげかな
あの子が嬉しそうにはしゃいでたのは、きっと、君に佑司って呼ばれたせいだよ


続けて巧は、クローゼットのハンガーを右向きに並べたいこと、昼食はお弁当ではなくパンと牛乳をいつも食べていること、同じ時間に家を出て、同じ時間に家に帰ってくることなど、自分の中の約束ごとを話す。

その手順が変わると、体調が狂うんだ
そういう面倒くさい僕に付き合せるのは、ほんと申し訳ないと思ってる…ごめんなさい
あ、そんなことありません
でも、君には苦労をかけると思う
前の私は、ちゃんとやってたわけですよね
他にも何か気がついたことがあったら、すぐに言ってください
私、巧さんのことも佑司のことも、もっと知りたいんです
二人のことを自分のことのように感じられたらいいなって、そう思うんです
ありがとう…

(澪の回想のナレーション)
巧さん、あなたの心に触れて、私はホッと安心しました
わかり合うことが、きっと、すべての始まりなんですね
巧さん、私は幸せです…



翌朝。佑司は初めてピーマンを食べる。すると巧は自分のピーマンも佑司に食べさせようとする。巧もピーマンが嫌いだったのだ…。

巧と佑司が「行ってきます」と言って家を後にする。 澪は写真が飾られている一角に、昨日佑司が見つけた四葉のクローバーを額に入れて飾る…。




[ あらすじ一覧にもどる ]


GoTop
「いま、会いにゆきます」ファンサイト © Copyright FUMI 2004