いま、会いにゆきます

第1話「6週間の奇跡」あらすじ - ドラマ いま、会いにゆきます

#01 STORY.
オンエアを見ながら個人的に書いたあらすじです

中学生の時に出会い、恋を育んできた巧(成宮寛貴)と澪(ミムラ)。19歳の時に結婚し、男の子の佑司(武井証)が生まれた。 しかし佑司の6歳の誕生日に、澪は若くして病死してしまう。

澪は亡くなる前に、佑司に一冊の絵本を遺した。
そこには、雨の季節になったら帰ってくると書かれていた…。

(澪) 佑司、この絵本はね、ママがあなたのために作ったの
アーカイブ星はね、地球で命を落とした人たちが暮らす、思い出の星なの
佑司のママは、アーカイブ星に旅に出たの
でも泣かないで
雨の季節になったら、佑司のところに戻ってくるからね


(巧) それから1年がたちました
約束通り、ママは雨の季節に帰ってきます――


(佑司) たっくん、本当にママはアーカブイ星から帰ってくる?
帰ってくるよね?
ママはアーカブイ星で生きてるんだよね?
(巧) 僕らが忘れないでいることで、ママは生きていられるんだよ
え、そうなの?
あぁ
じゃあぼく忘れない
そっか
ぜったい忘れない


澪が亡くなってから1年が経ったある日。 巧と佑司は父と子というより兄弟のような関係で、二人で支え合いながらつつましく暮らしている。

朝、佑司はてるてる坊主を作ると、それをわざと逆さまに吊るす。雨の季節になったら帰ってくるという澪の遺言を信じ、雨の季節の到来を待っているのだ。

25歳の巧は移動図書館で契約職員として働いている、しかし乗り物が苦手で車の助手席に乗ることができないため、巧はひとりだけ自転車で移動している。

佑司は小学1年生。明日、7歳の誕生日を迎えるが、澪の命日でもあるので素直に喜ぶことができない。 以前、澪の墓参りの際に、親戚の人たちが「難産で、佑司を生んだせいで澪は命を縮めた」というような話を聞き、佑司は気にしていた。 登校すると、以前描いた絵が生徒の中から選ばれ、町で展示されることになった。


仕事中に巧が休憩をとっていると、移動図書館の同僚で、中学時代からの友人でもある永瀬万里子(岡本綾)が隣に座り、話しかける。

(万里子) 秋穂君がね、狭いところが苦手で車の助手席に乗れないっていう話を聞いた時にね、これはきっと、誰にでもあることなんだなって思ったの
何も特別なものじゃないでしょ
(巧) ありがとう
時々、思うんです
僕と一緒になって、澪は幸せだったんだろうかって
僕と結婚したために、彼女は命を縮めたんじゃないかって、ふと思ったりするんです
どうしてそんな風に考えるの?
できるなら、あの頃の澪がどう思っていたのか、確かめてみたくて
まあ、叶わぬ願いなんですけど…



仕事帰り、巧は佑司を連れて澪の母・涼子(三田佳子)の家を訪れる。 早すぎる娘の死の悲しみを抱えて生きる涼子は、巧と佑司と共に同居したいと望んでいた。 しかし巧は受け入れることができないでいた。

(涼子) 佑司ひとりを引き取りたいなんて、そんなこと言ってるんじゃないのよ
あなたも一緒に家に来てくれないかって、そういう話
(巧) …あの家には、まだ澪の匂いが残っているんです
あそこを離れて暮らすのは、僕も佑司も、無理なんです
…そうね
主人から、もういい加減にしなさいって言われてるの
巧くんを、もうこれ以上困らせるんじゃないって
仕方ないわね


その夜、巧は澪の生前に撮られたビデオを見返していた。四つ葉のクローバーを探したり、笑顔で佑司と踊ったりする澪。その澪は、もういない――。


翌朝。佑司がてるてる坊主を付け直していると、雨がパラパラと降り始める。ついに雨の季節が訪れたのだ。

佑司は「雨だ、雨だ!」と言って表に飛び出すと、「ママが帰ってくるんだ!」と言って、そのまま森へと向かって走っていく。 巧はそんな佑司を追いかけ、家に戻るように言い続けるが、佑司はどんどん森の奥へ。


森の中にあるトンネルを抜けると、そこには廃工場の跡がある。中には誰もいなかったが、雨で虹がかかっているのが見えた。 もう帰ろうと巧が促していると、一滴の雫が落ち、奇跡が起きる。 工場の奥に光が差し込み、そこには死んだはずの澪が座っていた…。

「ママだ!」と言って抱きつく佑司。巧は「澪なのか?」と呼びかけるが、澪は戸惑いを見せる。 澪は記憶を失い、なぜ自分がここにいるのか、自分の名前は何なのか、巧と佑司を誰なのか理解しなかった。

混乱した状況の中、「とりあえず家に帰ろう」と巧が言い、3人は家に帰ることに。茫然自失の澪を部屋に残し、巧と佑司は二人きりになると今の状況を整理する。

澪は記憶を失くしているので、1年前に死んだことは秘密にすること、昨日も今日も3人で暮らしていたことにする。

散らかった不清潔な部屋を見て、「私ほんとにここに住んでたんでしょうか?」と澪。
「君は最近具合が悪くて寝たり起きたりだったから」と巧は嘘をつく。


自分の妻で佑司の母であることを信じてもらうため、巧と佑司は澪に写真を見せる。 おどけて写る3人の写真を見せられ、澪は初めて微笑む。 そこには確かに自分が写っていた。 さらに、結婚式の写真、家事をしながら微笑んでいる写真、佑司の誕生日の写真など…。

しかし澪は、「すみません、私、ほんとに何もわからなくて」と言い、記憶を取り戻すことはなかった。

それでも澪が帰ってきたことが嬉しい佑司は、「パーティーしよう」と提案。 体調を考慮して今日はやめようと巧は言うが、澪は今日が佑司の誕生日だと知ると、「取りやめることなんてないですよ」と言って、誕生日パーティーを行うことに。

食材を買いに出かける巧に、「いってらっしゃい、気をつけて」と手を振る澪。


佑司は澪を連れて一緒にケーキを買いに出かける。 すると道ばたで犬を捨てる現場を目撃。 佑司は捨てられた犬を追いかけると、「飼っていい?」と澪に聞く。澪は「お父さんに聞いてみよう」と微笑む。


近所に住む菊地夫婦が営む「かなりうまいケーキ屋」にやって来た澪と佑司。 菊池夫婦は最近引っ越してきたばかりなので、澪が亡くなったことは知らず、澪を見ても驚くことはなかった。

澪はイチゴのケーキをホールで購入する。 店主の俊輔(生瀬勝久)に「プレートに何か書きますか?」と聞かれるが、澪は佑司の名前を忘れてしまい、答えることができない。 名前すら覚えていないことに佑司はショックを受ける。


夜になり、誕生日パーティーが開かれる。 佑司はかつて澪とよくやっていた「くるくるダンス」を一緒に踊ろうとするが、澪はよくわからず踊ることができない。 佑司は澪への不信感を募らせる。

食事の後にケーキを食べることになるが、箱を開けてイチゴのケーキだと知った巧は動揺する。 佑司はイチゴがアレルギーで食べられないが、澪はそのことを知らず選んでしまったのだ。巧はすぐにイチゴを取り除くが、誕生日ケーキが台無しになってしまう。

佑司はついに我慢しきれず、「ママのバカ! ママなら僕のこと何だってわかってるはずだ!」と言って部屋から飛び出す。

佑司は庭にある小屋に入ると、鍵をかけて出てこない。巧はわがままな佑司をしかり、出てくるように言うが、「そんなママならいらない! どこにでも行っちゃえ」とひどいことを言う。

(澪) ごめんなさい佑司くん、ほんとうに…
あの、私病院に行かせてもらえませんか
(巧) いいけど、どうして?
記憶が戻らないままなら、きっとまだまだ佑司くんを傷つけるような気がして
そんなことない
佑司くんの言う通りです
間違ってたのは私です
それは違う
母親の代わりなんて、そんな大それたこと、最初からやっちゃいけなかったんです
記憶を失くした私に母親の代わりができると、本心から思ってます?
…なんでわからない!

巧もつい声を荒げてしまう。
澪はひとり、家の中へ…。

再会した初日にバラバラになってしまった三人。
巧は小屋の中の佑司に話しかける。

(巧) 本当は、わかってるよね
まずいことしちゃったって、思ってるよね
(佑司) …たっくん
僕、ひどいこと言った
うん
ちょっと、ひどかった
一緒に、ママに謝ろっか


反省して小屋から出てきた佑司。 二人が家の中に入ると、すでに澪はいなかった…。
「ママー!」と叫びながら、外に飛び出す佑司。巧も後を追いかけて澪を探す。

森の奥の廃工場にはいなかった。 探して駅に辿り着くと、ホームに澪の姿が。そこに電車が停まる。 「行かないでくれ!」と追いかける巧と佑司。

しかし二人がホームにやって来た時には、電車が走り去り、澪の姿もなかった。 座り込んでうなだれる巧と佑司。

その時、ホームの奥に人影が見える。澪だった。 走り寄って澪に抱きつく佑司。 ホームの一角には絵を展示するコーナーがあり、佑司が描いたくるくるダンスの絵も貼られていた。

(澪) あの絵、佑司くんが描いた絵なんだね
両手挙げて、ほんとに楽しそうに踊ってるね
私にも教えて?
(佑司) ママも踊ってくれるの?
うん

佑司は澪に踊り方を教えながら、一緒に踊る。
その姿をいとおしそうに見つめる巧。

(巧) 君は、母親なんだよ
母親の代わりなんかじゃない
君は、佑司のたった一人の母親なんだよ


澪は佑司を抱きしめる…。


家に帰ってきた3人。
眠りについた佑司の横で、澪が巧に話しかける。

(澪) あの絵を見つけた時、誕生日には、大きなケーキを一緒に食べて、一緒にくるくる回るダンスをして
佑司くんにとって、それがどれほど大切だったのか、初めてわかったの
私、ここにいてもいいですか…?
(巧) もちろん


(澪の回想のナレーション)
あのとき私は、佑司くんの手の暖かさと甘い匂いが、とても嬉しくて
もう十分過ぎるほど幸せだった
ありがとう、あなた


佑司の手を握りながら眠りに落ちる澪。
巧は起き出すと、澪が生前に遺した絵本を開いて読み返す。

(巧) 雨の季節は終わります
ママは青空とともに、アーカイブ星に帰っていったのでした


絵本の内容通り、雨の季節に現れた澪。
しかし絵本には、雨の季節の終わりと共に、再びアーカイブ星に帰ると書かれていた…。

第1話終わり。




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