プライド
A Story of Love & Fight...
ノベライズ...     

ストーリー

「プライド」ノベライズ本について


最終回放送終了後に発売された「プライド」ノベライズ本。
ノベライズを読んで分かった新事実や特徴などを、ここにまとめておきます。
「プライド」ノベライズ本 「プライド」ノベライズ
野島伸司 著 / ノベライズ:山川健一
2004/04発売 幻冬舎 \1470
ISBN 4-344-00492-2
→Amazon.co.jp


[全体的な特徴]

「プライド」は脚本の野島伸司さんのオリジナルストーリーです。
このノベライズ本はドラマの脚本を元に小説化されたものです。

ストーリーは90%ぐらい同じです。
10%の違いというのは、シーンは同じでもオンエアではカットされていたセリフが、ノベライズにはけっこうあったりします。
逆に、オンエアではあったセリフがノベライズにはないケースも少しだけありました。

試合前の掛け声がだいぶ違います
オンエアでは”Win(Win)Win(Win)…ブルースコーピオンズGo!”というのが必ずありましたが、
ノベライズでは冗談を言い合いながら気合を高めていくような感じ(?)になっています。
爽快感とか迫力はオンエアの方が上ですね。

ホッケーシーンの描写は、ノベライズではけっこうあっさりしています。
これもやはり、映像の方が迫力あります。

「メイビー」はオンエアほど連発していません
たとえば2話ラスト、亜樹が奥歯のお守りを握りしめて「メイビー」と言うシーンがオンエアでありましたが、ノベライズではただ微笑むだけになっています。
あとは5話ゲストの風間杜夫さんが「彼(大和)のことは許してやりなさい。メイビー」と奥さんに言う(笑)、 プライド屈指の迷セリフがありましたが、ノベライズではメイビーとは言っていません。ノベライズの方が自然と言えば自然です。

「プライド」のストーリーやテーマをより深く知りたい人は、映像よりもノベライズを読んだ方がよくわかると思います。
というのも、オンエアではカットされていたセリフがノベライズにはけっこうあったので。
その中にはすごく重要!と思えるセリフもいくつかありました。
特にラスト2話(10話&最終話)は、ノベライズの方がいいと個人的には思います。

ということで以下説明していきます。



[ここが違う!〜オンエアとノベライズの違い]

5話:大和に次々とパックを打ち込むハル… (p.205-209)

5話の中盤、ハル・大和の二人が走りこみをして、そのまま夜の事故現場に辿り着く…というシーンがありました。
しかしノベライズでは事故現場には行かず、夜のホッケーリンクでのハルの自主トレに、(墓参り後の)スーツ姿の大和が付き合うというシーンになっています。

セリフ自体はだいたい同じですが、ノベライズでは、
スーツ姿の無防備な大和に対して、ハルが次々とパックを打ち込むというけっこう強烈なシーンになっています(笑)。

ハルのその行為には理由があって、「自分に痛みを感じることで(遺族に)謝罪しているつもりなら、黙って打ち込まれることに耐えろ」とハルが言うわけです。 そして、自分の真意はそうじゃないということに大和は気づく。

どうしようもない事故だったのに、大和は性格の良さが災いして、「自分は悪くない、ツイてなかっただけ」と誰にも言うことができずに、自己犠牲で生きてきました。自分を殺して遺族のために生きてきたようなものです。
それがこのハルの荒治療によって、大和の心の闇が開放され、人間らしさを取り戻すというシーンになっています。

(ハル) 誰だってグチや他人の悪口を言いたくなるもんさ。
自分を正当化して、他人をこきおろしたくなる。幸せじゃない人間はみんなそうなる。
だけど、おまえは決して言わなかった。幸せじゃないのに、泣き言ひとつ言わなかった…。
(p.208)


7話:携帯で連絡していた (p.297)

グッバイブリッジでの別れの前夜、すれ違いで会えなかったハルと亜樹。
オンエアでは携帯で連絡することに躊躇して(?)、連絡はしていないように見えましたが、
ノベライズでは携帯をかけても繋がらないという描写があります。
これはオンエアの方が二人の繊細な気持ちが伝わってきていいですね。


8話:真実で結ばれた (p.336)

8話ラストで「俺と亜樹は真実で結ばれた」と夏川に言い放ったハル。
”真実で結ばれた”といっても色々な解釈ができます(精神的な意味とか肉体的な意味とか)。

ノベライズでは、「俺と亜樹は、あの晩、真実で結ばれた」と、より露骨な表現になっています。

どちらにしろこのハルの発言は夏川を挑発するものなので、
これによって夏川がより嫉妬に狂う展開に繋がっていきました。


9話:自分は待てない女だからダメ (p.359)

9話中盤の亜樹と容子の会話で、自分は(海外の彼を)一途に待てなかった女だから、
二人から身を引くと、亜樹が容子に言うシーンがあります。(9話名セリフの一番上のシーン)

ノベライズでは、なぜ「待っててくれる女じゃないからダメ」なのかを、亜樹がもう少し具体的に語っていて、わかりやすいです。

(亜樹) あたしじゃダメなんです。もしも自分が遠くに行った時、 あたしは誰かに魅かれるかもしれない、自分のような男と出会って魅かれるかもしれない、そうハルはいつも疑い、不安に思うんです……(後略)
(p.359)



9話:それはもはやラブのレベル (p.366)

亜樹と千佳がコインランドリーで会話するシーン。
オンエアでは「それは恋じゃない…(恋じゃないから愛?)」とほのめかす感じでしたが、
ノベライズでは「それはもはやラブのレベルですね」と千佳がはっきりと言っています。


9話:百合と山本の会話〜見舞いに行く前 (p.369)

9話終盤、百合が大和の病室に見舞いに来て、その時大和がベッドから這い上がろうとしているシーンがありました。
二人は大ゲンカして別れていただけに、百合の見舞いは唐突な感じがありましたが、
ノベライズではその直前にグリモン・山本と百合のドライブ中の会話シーンがあります。
山本から大和が再起不能と聞いた百合が、心配して見舞いに来てみた、という納得のいく展開になっています。


10話:ハルと容子の面会〜自分のことが信じられない (p.378)

「俺、プライドなくしたんですよ」と面会に来た容子に説明したハル。
オンエアではその一言にハルの心情が集約されている感じでしたが、ノベライズではより具体的に語っています。

(ハル) 長い時間をかけたものなんです。いつからかそれを支えに、それを守って、それが俺自身になっていたんです。 ズルイヤツやヌルイヤツとは違うと言えた。俺自身がそうじゃないと信じていたから……。
(p.378)

この後、もう自分のことが信じられないのね、という容子のセリフが続きます。
いいセリフだと思うので、ここのハルのセリフはオンエアでも聞きたかったですね。


10話:ハルのプライド〜自分の限界に挑む (p.388-389)

中盤、夜の留置所で「自分の限界を見つめたことあるのか?」とハルが不良少年の加賀美浩に問うシーンがありました。
ノベライズではそのシーンのハルのセリフがもっと多いです。

毎日自由で楽しけりゃそれでいいか。だけど本当に楽しいか?
ハンパなやつらが集まって、愚痴を言い、意味もなくイライラして、できもしねぇホラばっかり吹いてるんじゃねぇのか。
本当はたいして楽しくもねぇし、まして自由なんかじゃねぇ。
おまえらはむしろ不自由なのさ。
だからつまんねぇことでもイライラする。テメエに嘘ばっかつくからさ。

(p.388)

この後「一度でも自分の限界を見つめたことがあるのか?」というオンエアでもあったセリフが続いた後、

だから達成感ってものが味わえない。自分の存在理由のヒントすらつかめないでムシャクシャする。
そして他人のエネルギーをすきあらば否定する。
惨めな自分に本当は気づいているのに、そっちの方は見て見ぬフリをする。

(p.389)

ハルが築いてきた「プライド」がよくわかるし、そしてドラマタイトルの「プライド」に込められた意味が、よく表現されているシーンだと思います。
さらに10話冒頭でハルが失っていたプライドを、留置所内での孤独なトレーニングによって取り戻す、という展開にも重なっています。
すごくいいシーン&セリフなだけに、オンエアではなかった(カットされた?)のが残念です。


最終話:一人よがりの映画的なダンディズム (p.417-418)

最終試合の前夜、ハルと兵頭がFACEoffのカウンターで会話するシーン。

ハル「容子さんがそう…俺と兵頭コーチは似ている。幸福にはなれそうもない」
兵頭「一般的な幸福など、私には意味がない」
ハル「家庭を持ち、子供を作る?」
兵頭「そうだ。意味はない」
ハル「強がりじゃなくて? なんだか寂しいですね」
(p.417)

7話以降のテーマで、家庭を築いてささやかな幸せを求めるか、それともストイックに自分を追いつめてただホッケーのために生きるか、という対立がありました。

兵頭は後者を求め、ハルにもそうすべきだとよく言っていました。女なんかで人生を台無しにするな、と。(→7話名セリフ上から2番目・夜のリンクでのハルと兵頭の会話参照)

そして最終話のこのFACEoffでの会話シーンが、ひとつの結論になっていると思います。
ハルは兵頭に対して、「一人よがりな男の寂しさ」を感じる…。
ハルもかつては兵頭のようにストイックに生きてきたわけですが、そこに孤独を感じ、自分はそうはなりたくないということに気づく。

そしてこのセリフの後に、オンエアではなかったハルの内面描写が続きます。

古き良き時代には兵頭のようにしか生きられない男もいた。映画「カサブランカ」のハンフリー・ボガードのように。だが今時それは流行らず、女性はマメで優しい男を求めている(要約)。
(p.418)

兵頭の生き方は否定されているようでいて、完全に否定されているわけではないと思います。
兵頭のキャラクターにもまた、「古き良き時代の男」としてのダンディズムが込められていたんだなぁと。


最終話:失恋の悲しみや痛みにも免疫ができる (p.428)

最終話名セリフの一番上の、試合直前の兵頭のセリフですが、ノベライズでは恋愛での例も添えられています。
一度目の失恋では心が痛むが、二度、三度と繰り返すうちに心に免疫ができて、
すぐに諦め手放すことに慣れてしまう、といった内容(p.428)。


最終話:他の男に取られるぐらいなら… (p.445)

オンエアではなかった、安西から兵頭への手紙に書いてあった事実。

「他の男に取られるくらいなら、おまえが奪ってくれ。もともと俺がおまえから奪った女だから」(p.445)

そういえば、元は兵頭と容子が付き合っていたんですよね。容子は兵頭の帰りを待てずに安西と結婚した。 紆余曲折の果てに再び結ばれたカップルが、兵頭と容子。


最終話:どんなにメジャーになっても越えられない人 (p.455)

ハルはNHLで背番号「11」をつけました。
ブルスコ時代の「9」でも、安西の「16」でもなく、兵頭がつけていた「11」。

ノベライズではその理由が語られていて、
「あいつはどんなにメジャーになっても、おまえを越えたとは思わないのさ」と、
兵頭が安西の遺影に向かってつぶやきます。(p.455)

兵頭と共にNHLへ行くという意味で「11」を付けたのかな〜とオンエア見た時は思っていましたが、
安西への敬意を示した…という理由からだったんですね。



終わりに

私が気づいた「オンエアとの違い」はこのような感じです。
オンエアでは理解に苦しむシーンもありましたが、ノベライズを読むと納得できる部分がけっこうありました。 上の方でも書きましたが、特に10話と最終話はノベライズの方が内容が濃いと思います。

上で紹介したシーンや他のシーンについて詳しく知りたい人は、ぜひノベライズ本を読んでみてください。


「プライド」ノベライズ本 「プライド」ノベライズ
野島伸司 著 / ノベライズ:山川健一
幻冬舎 \1470  ISBN 4-344-00492-2
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