薔薇のない花屋

薔薇のない花屋 第2話「花のように笑う人」名セリフ・あらすじ

STORY.
各話のあらすじはフジ公式サイト>物語に掲載されています。
ここでは印象的なセリフを抜粋しています。

第2話「花のように笑う人」名セリフ (1/22up)

雫の作文

「そんけいする人」

わたしのそんけいする人は、パペットマペットと、父ちゃんです
パペットマペットは、決して顔を見せません
みんなは目立ちたくてがんばるのに、そうしないってすごいことだと思います
父ちゃんもそうです

町内会で決められたごみ当番は、いつのまにかずっと父ちゃんの係りになっています
お金を集めたりとか、お祭りのときも、面倒くさいことは全部父ちゃんの係りになります
わたしは見ていて父ちゃんは損ばかりしていると思います

わたしは頭にきます
だけど父ちゃんは、俺はいいよと言います
おれはいいんだ
それが父ちゃんの口ぐせです

父ちゃんはお人好しだと思います
たとえば運動会で、みんなビリになりたくないとき
父ちゃんはわざと転ぶと思います
食べものが少ないとき、父ちゃんは俺はいいよと言うと思います

わたしはもしかしたら、父ちゃんはすごい人なのかなと思いました
みんな、損したくないのに、目立ちたいのに
俺はいいよと言う父ちゃんは、えらいのかなと思うようになりました
でも、ときどき心配になります
そんな父ちゃんは、幸せなのかなって心配になります

美桜に「どんな時に幸せを感じるの」と聞かれた英治は、 「俺なんかが近所の人からお花屋さんと呼ばれることが幸せ」と答える。

(彼女) 君の最初の印象は、ちょっと悪い人かなって
でも女の子って、そういう影のある人に、なんだか惹かれちゃうってとこあるんだ
どうしてだろう、母性本能っていうのかな
でもそれで好きになったら、もう仕方ないんだね
あとでほんとに悪い人かもしれないって
ううん、ほんとに悪い人でも、関係ないんだね
周りからいろいろ言われると、逆にかばいたくなって
私が守ってあげたい、なんて
君のことは、私が守ってあげる

8年前の英治は、今の穏かな人物像とは違った…?

(直哉) 俺は兄貴に同情はよせって言った
人の気持ちって面白いもので
そう言われると思わず、同情じゃない、そう反論したくなる
じゃあ同情じゃないならなんだって、自分に問いかけることになり
知らずにくすぶってた想いみたいなものを、意識したりもする

(英治) 同情……そんなんじゃないんだ
彼女さ、花のように笑うと思わない?
(雫) お花?
母ちゃんもそうだった?
うん、雫のお母さんもそうだったね
やっぱり
俺さ、花のように笑う人が好きなんだ
花が咲くように笑う…

美桜を異性として意識していなかった英治だが、直哉から同情で優しくしているのかと聞かれて考える。

(彼女) 私にもっと優しくしてって、言うつもりはないんだ
私は今のままで十分幸せだから
だけど、君が幸せになるためには
やっぱり、誰かに優しくすることが必要だと思うの
はじめは嘘でも、心がこもってなくてもいい
でもそのうち、いつか本当に優しい人になれると思うの
そしたら君も幸せになれるよ
だって、人に優しくするって、とっても気持ちがいいんだよ

「おれはいいんだ」が口癖の英治も、昔は違ったようだ。
その後、英治は優しさに幸せの価値を見出したのか、老人ホームに入ることになった老婦人の桂子に、一緒に住もうと提案する。

(英治) 俺たちと一緒に暮らしませんか
狭いですけど、雫と同じ部屋で
(菱田) なにを言ってるのよ、あなたが寝るところが…
俺は納戸を片せばなんとか寝れます
……嬉しい、嬉しい
英治さん、雫ちゃん、お気持ちだけ本当にありがたく…
菱田さんのこと同情してるわけじゃないですから、誤解しないでくださいね
俺たちがあなたと一緒に暮らしたいんです
雫もこれから反抗期っていうか、そうなると男親一人だとあれですし
それに俺も、いろいろと花のこともっと教えて欲しいですし
……
俺たちと、家族になりませんか?
…家族?
血は繋がってなくても、一緒の家に住めば、家族になれると思うんですよね
だって夫婦は、血が繋がってなくても家族になれる
もうやめて…
あなた俺にいつか言いました
花に囲まれてないと、息が苦しくなるって
そのホームに花壇はあるんですか
一度見学しただけだから、よくわからないわ
うちだったら、花に囲まれます
次の日にはまたすぐ、新しい花を仕入れます
私、こう見えてもお料理苦手だし…
知ってます、知ってますけど…俺たち、味オンチですから

(美桜) 菱田さんっておばあちゃん、引き取ったんだってね
(英治) 引き取ったって荷物じゃないんですから
人はお荷物よ
人はみんな誰かのお荷物なの
誰だってそう
私だっていまあなたのお荷物じゃない
そうですね
とげとげしくて悪かったわね
あるのよ私には、薔薇みたいに身体中にトゲが
はい
悪いけどそんなに安くないの
安くない
(英治はコートを脱いで美桜の身体にかける)
別に寒くないもん
包装してるんです
包装?
あなたはお荷物だ、そうですよね
そうよ
お荷物だけど、普通のお荷物とは違う
あなたは特別大切にしなきゃいけない
とっても壊れやすいから

同僚たちとの飲み会で侮辱された美桜は、いつも以上に投げやりな態度を見せる。
だが英治の優しさにふれて、いつしか無邪気に笑い始める。
英治はその花のような笑顔を亡き彼女の姿と重ねる…。


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