あいくるしい

あいくるしい 第2話「炎の兄弟愛」 あらすじ・ストーリー

#02 STORY.
オンエアを見ながら個人的に書いたあらすじ+名セリフです


第2話「炎の兄弟愛 (4/18up)

2005年3月

真柴家の長男・豪(市原隼人)は東京の病院に電話をかけていた。
母の病気を治すため、東京の優秀な医者に診てもらおうと考えた豪は、「金のことなら俺がなんとかするからさ」と明るい。

祖父・明示(杉浦直樹)が小学生の時に埋めたタイムカプセルが、60年の時を経て掘り起こされていた。
明示が中に入れたものをもらう約束をした幌(神木隆之介)。
タイムカプセルから出てきた明示の思い出の品は、それぞれ色が違う7つのビー玉だった。 近くにいた幌の同級生の耕作は、そこから空色のビー玉を奪って走っていく…。

(幌) 僕たちは大人になると
いろんなことを忘れてしまうらしいのです
僕もいつかは
いろんなことを忘れてしまうのですか?
それとも、忘れてしまうというのは本当は嘘で
どこか胸の奥の方に、しまってあるだけなのですか?
キラ、キラ、キララ
ずーっとずっと、奥の方に
キラ、キラ、キララ…



幌の小学校の下校時。
東京から転校してきたばかりの南雲愁(本郷奏多)の下駄箱には、女子からのラブレターが数十枚が入っていた。
「どうせブスばっかさ」とつぶやき、愁は落ちたラブレターを拾おうともしない。

そんな生意気な態度が不良グループの目に付き、数人の生徒に囲まれる愁。
幌と耕作は心配して後をつけると、「毛も生えてないんだろ」と因縁をつけられ、ズボンを脱がされ局部にマジックでいたずら書きされてしまう。


一方、病院でインターンの淳一(小栗旬)から母の病状を聞いていた長女のみちる(綾瀬はるか)。 そこに同じくインターンの政希(田中幸太朗)がやってきて、「お母さんはもう助からない」と非情な事実をみちるに告げてしまう。ショックを受けて走り去るみちる…。


豪のバイトの帰り道、小5の奈々(志保)が後をつけていた。
奈々は豪に近寄ると、「悪いやつをやっつけて欲しいの。殺して欲しいの」と迫る。
だが豪は冗談だと思って相手にしない。

豪が家に帰ってからも、勝手に上がりこむと「彼女です」と父・徹生(竹中直人)に宣言。
「豪っていうのね、私は奈々。6があれば繋がる。学校のウサギ、明日からロクって名前にする」と豪の部屋に入り込んではしゃぐ奈々。

豪が居間で父の徹生(竹中直人)らと大騒ぎしている間、奈々は机の上に置かれていた幌の学習塾の月謝袋を見つける。
それをポケットに入れた瞬間、幌が部屋に入ってくる。奈々は慌ててごまかすが、幌はポケットをじっと見つめていた…。


真柴家の隣に住む原沢家の母・千秋(南果歩)は、夫と子どもが家を出た後、ウィスキーを飲みながらある男に電話をしていた。 「本当に息が詰まりそう」と嘆く電話口の相手は、千秋の浮気相手らしかった…。


幌たち小学校の春休みが始まった日、みちるが受験した東京の大学から入試結果が届く。部屋に入って封を開けると、合格通知だった。みちるは会心の笑顔を見せるが、すぐに家庭の経済状態を気にしてしまう…。


豪が母のお見舞いに病院にやってくると、ロビーで奈々と会う。一緒に母の病室にやってきた奈々は、「私のママも入院してる」と。

その帰り、バーガーショップで豪に相談を持ちかける奈々。ママと結婚した途端、父親は酒を飲んで暴力を振るうようになったと泣きながら話す。
正義感の強い豪は、奈々の願いを聞き入れ父親をこらしめる約束をする。


一方、幌は持ってきたはずの学習塾の月謝袋をどこかでなくしてしまっていた。 幌と友人の聖子、耕作は学校にもどって探すが見当たらない。もう日が暮れようとしていた…。


奈々のアパートに、竜一(萩原聖人)が仕事から帰ってくる。
陰で待ち伏せしていた豪は、2階に上がっていく竜一の後をつけると「マジ嫌いなんだよね、あんたみたいな人間は」と言って殴りかかる。
しかし軽くよけられ、強烈なカウンターパンチをくらって悶絶してしまう…。


日が暮れても通学路を探し歩いていた幌たち。
耕作は「もう帰ろう」と言うが、幌は「一人でもう少し探す」と言って歩いていく。聖子は「じゃあ私も」と幌を追いかけていく。耕作は一人で帰るわけにも行かず、幌に付き合うのだった。

月謝袋を失くした報告を受けたみちるは、豪の携帯に電話する。「それなら見つかったよ」と豪。奈々のアパートで殴られ倒れた目の先に、月謝袋が転がっていたのだ…。犯人は奈々だった。

(奈々) 後ろからって言ったじゃん
まともにいったらアイツ、強いんだから
(豪) どうでもいいけど嘘はやめろよ
え?
あんな強いパンチ生まれて初めてだよ
酒飲んで暴力振るう? ありえねえだろ
女子供だったら死んじまうぜ
そういうことするやつは、もっと弱くて卑怯なやつなんだ
ママが入院してるっていうのも嘘だろ
…まぁいいや
それよりさ、弟の幌が月謝袋なくしたってさ、ずっと探してんだよ
女だけどタマタマ見つけたって届けてやれよ
パクったってことになったら学校でイジメられるだろ
だったらアンタが…
おまえが届けろ!
なんで? 偉そうに
俺も大人じゃないからさ、悪さすんなよって分別臭く言うつもりねえよ、だけど
だけどなんだよ
貧乏人が貧乏人から盗むなよ
……

月謝袋を残して奈々のアパートを去る豪…。


幌たちは外でまだ月謝袋を探していた。

(耕作) この玉、7つで虹色になるんだよな
(幌) うん
ドラゴンボールみたいだな
なあ、あと5人集めれば、俺たちは虹色の戦士
虹色の戦士?
おまえがこいつは信用できるってやつに渡せばいい
虹色の戦士か…


夕子(桜井幸子)のスナックに、芳夫(高橋克実)と篤(浅野和之)が飲みにきていた。
端の席で飲んでいた竜一(萩原聖人)に、「どっかで見たのよー」と話しかける芳夫。
それに対して「勘違いじゃないと思いますよ、この町の英雄だったんですから」と夕子。
竜一は「よせよ」と冷めた顔で応える。


懐中電灯を片手に夜道を探し歩く幌たち。
すると目の前に奈々が現れ、月謝袋を幌に差し出す。 中の月謝もそのまま入っていた。
「やっと帰れる」と喜ぶ耕作たち。
幌はお礼にと月謝袋からその1割を奈々に差し出すが、奈々は幌の手をはたいてしまう。

(奈々) いらねえって言ってるだろ!
(聖子) 何するのよ
おまえらバカか?
盗んだのさ、あたしが
(耕作) え…
おまえらちっとも疑いやしねえから、本来しめしめだけど、なんだか逆に腹が立ってきたんだ
東京じゃな、のんびり月謝袋出しっぱなしにしてるヤツはいねぇし、なくなりゃすぐに犯人探しさ
おまえら田舎もんみたいにボケっとしてねぇんだよ
(耕作) 泥棒が何言ってるんだよ
取られる方が悪いんだよ
(聖子) そんなのおかしいわ
いい勉強、教えてやったのさ
他人は全部敵なんだ
わかったらこれからは気をつけろ
(幌) うん、ありがとう
は?
気をつける
おまえまさか…
知ってたのか?
(否定しない幌)
ふざけるなこの野郎!

幌につかみかかる奈々。
幌は奈々が部屋で月謝袋を盗んだことを知っていた…。


一方、病院に見舞いに来ていた父・徹生(竹中直人)。
妻・由美(原田美枝子)は、「私、助からないわよね」と言い、死期が近いことに気づいていた。 そして「最後は家で過ごしたいの。子どもたちの側で死にたいの」と徹生に退院を願い出る。

(由美) 最後に、母親として教えることができる。
大切なものは、いつかはいなくなってしまうものだって…。


回復を願う徹生には、その願いを受け入れることはできなかった…。


「どいつもこいつもバカにしやがって…」と涙を流しながら幌につかみかかる奈々。
あまりの横暴に「お巡りさんに来てもらうわよ」と聖子。
しかし奈々は「捕まるぐらいなら電車にひかれて死んでやるさ」と言って線路の方へと走っていく。
心配した幌は奈々の後を追いかけるが、線路に足をひっかけて転んでしまう。
その時、ポケットに入っていたビー玉が線路の上に散らばった。

幌が落としたビー玉を拾っていると、一台の除雪列車が…。
近くにいた奈々に「逃げろ」と言われ、ようやく列車に気づいた幌。
しかし迫り来る列車に腰を抜かしてしまい、動けなくなってしまう。
耕作も聖子も助けられなかった。
列車がすぐそこまで迫っていた瞬間、偶然通りかかった豪が線路に飛び出し、間一髪で幌を運び出す…。


その後、幌の家にやってきた奈々に、ココアを入れるみちる。

(奈々) あいつ、バカじゃないの?
(みちる) 幌のこと?
うーん、まぁあんまり勉強はできないかな
(奈々) やっぱり
だけど、弟はそういう子なの
悲しいとか、寂しい人を感じるの
おじいちゃんの受け売りなんだけどね、要するに、そういう人はほっとけないたちなのよ
(奈々) 別にあたしは…
嘘をついててもわかっちゃうの
本当の涙は、ウサギのような目をしてるからって
これ、あなたにあげるって


みちるは奈々に、ウサギの目のような赤いビー玉を手渡す。

(幌) 大人になると
いろんなことを忘れてしまいますか?
僕もいつかは
忘れてしまいますか?
でも、本当は違いますよね
食べものと一緒で、僕の身体に全部沁み込んでるんですよね
いっぱいいっぱい思い出が、全部僕になっていく
大好きな家族や、友達といっしょに…





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