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右足の人差し指
蛆虫がゆっくりと這い上がる
ぬるぬると
足の甲を通り過ぎる
ソイツは脛を通らずに
脹脛を通る
ゆるゆると
やめてよっ
離れてよっ
虫が
虫がと
錯乱する彼女
何もいない
大丈夫だからと告げる
蛆虫が
太ももまでやってきた
不意に女性器の中や肛門に
入ってくるのではないかと
恐ろしくなって
服で隠した
やめてよっ
捕ってよっ
やだやだと頭を振る
部屋の中をうろうろと動き回る
もう一度
大丈夫
何もいないからと
その鶏がらのような腕を掴んだ
誰だこの男は
知らない人だ
そうだ
乗っ取られている
彼は得体の知らないものに
乗っ取られている
腕が痛い
蛆虫が臍まで上ってきた
そうか
私を実験台にするんだ
触るなっ
どっか行けよっ
聞くに堪えない罵詈雑言
分かったから
触らない
でも、ここに居るから
くそっと口汚く罵る
ああっと
子供の泣き声が聞こえる
助けてよっと
か細い声で繰り返す
助けたいよと呟いた
この言葉はどこまで
届くのか
この言葉は正確に
届くのか
ごめんと千万回
伝えた
頑張ろうと千万回
伝えた
この言葉は
どこまでの孤独に有効なのか
あの言葉は
どこまで心臓を抉れば気が済むのか
一方的な自己満足なんじゃないかと思う
本当は逃げていいと話せばいい
本当は頑張らなくていいと話せばいい
単純な回答
欲しがっている回答は知っている
与えれば落ち着くのも知っている
多分
一方的な自己満足
穏やかな昼下がりの昼寝
怠惰な日常
くだくだと文句の多い毎日
当たり前の幸福の共有に固執
できれば
暖かい赤ちゃんを抱かせたいとか
できれば
名前を読んで欲しいとか
できれば
最近できた映画館に連れて行きたいとか
そんな妄想を実現するための
一方的な自己満足行為
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