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過去ログNo1
「世界の中心で、愛をさけぶ 2」 Part.3   Name:朔五郎
完成目指して、がんばりましょう!

【Part.1】
http://www.alived.com/cgi/yyai/yyplus.cgi?mode=past_one&no=4233&pastlog=7

【Part.2】
http://www.alived.com/cgi/yyai/yyplus.cgi?mode=past_one&no=5871&pastlog=8

【整理サイト】
http://sekai.cure.to/pc/
...2004/11/11(Thu) 22:10 ID:oI8I5ZJY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
みなさん、おはようございます。
いよいよ、Part.3突入です。
楽しんで、行きましょう!
...2004/11/13(Sat) 07:17 ID:9shNNId2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:Apo.
おはようございます。

たかさんお願いがあります。アキの不合格のシーン
手直ししてよろしいですか。
余りに放置されていたため、多少チグハグ感があります。
たかさんに手直ししていただけるのが一番いいのですが。

ごろさん、いかがでしたか。
今日はケンの方との関わりを考えたいと思っております。その3以降のストーリー展開がありましたら、それまで待ちたいと思います。
...2004/11/13(Sat) 08:47 ID:6tSJMVAQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
了解デース。どのように、とか要望があれば言ってください。Apo.殿の考えを入れて手直しします
...2004/11/13(Sat) 10:50 ID:Q3WCyjiA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
出遅れましたが、私もパート3にやって来ました。これからもよろしくお願いします。

※朔五郎さん、親スレにパート2のリンクも貼っていただけないでしょうか?過去ログに落ちたら捜すのが大変ですので。お願いいたします。

パート2リンク
http://www.alived.com/cgi/yyai/yyplus.cgi?mode=new_html&no=5871
...2004/11/13(Sat) 18:24 ID:OXDu0Y3U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
part3も始動しましたね。

たかさん
 たかさんの1-85の不合格ですが、part1のレスで、この80前後あたりは、「アキは現役合格か否か」「駆け落ちをマサミに言うか否か」などなど、その後の方向を決める討論の時ですね。懐かしいです。
 結局、アキは不合格(一浪)、ケンの家庭教師、物語の最後はSATOさん案でいこう、という感じの流れになっていった中で、たかさんが書かれたものですね。そういう意味で、とりあえずの「目標」みたいなものでした。たかさんの「不合格シーン」に向けてってかんじでしたね。流れの中で、修正や変更などがあれば、もちろん、その都度、話し合って修正・変更をすればいいとは思います。たかさん、快諾していただいてありがとうございます。それから、カニクリームコロッケ編の続きもありがとうございます。エピソードシーンとして挿入したいと思っております。

Apo.さん
 うーん、やはり、ぼくの意見としては、part2で述べた通りです。このままですと第3部の「ケン家庭教師決意編→空と海」の流れとも若干のズレがありますし。Apo.さんご自身はどうお考えでしょうか?

SATOさん
 part2の299レス目を狙って投稿したらSATOさんに持っていかれてしまいまいた(笑)。まあ、記念すべき通算600レス目ということで光栄です。(自分の名前とともに過去ログ行きを見送るって、なんとなく変なかんじです(笑))
...2004/11/13(Sat) 20:19 ID:.iBQpVMI <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:くれい
祝part3開始おめでとうございます。

ごろさんから決めちゃっていいとのことなので、
一樹役は「鳥羽 潤」さんということで。
亜紀に見せていたあの笑顔を、今度はケン達に見せて欲しいと思います。
...2004/11/13(Sat) 21:42 ID:LlUZoPog    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
現在の整理サイトの状況です。

part2挿入予定
 Apo.さんのアキの受験関係
 SATOさんの律子マサミ編
 たかさん中心のクリスマス関係・・・などなど
 たかさんの不合格シーンで第2部終了

part3挿入予定
 たかさんの家庭教師決意(UP済)
 それに続くyosiさんの家庭教師編(一部UP済)
 「空と海」
 卒業関係
 yosiさんの谷田部編
 Apo.さんの役所関係

もちろん、現時点での状況です。今後、修正や変更は適宜あるでしょう。
この調子で行くと第3部は、アキの合格までとなりますか・・・。長編大河ドラマとなってきたようですね(笑)

今日は仕事だったのでサイトの更新が遅くなりました。明日も遅くなると思います。

おおっ、紅(くれない)のくれいさん!了解しました。
...2004/11/13(Sat) 21:44 ID:.iBQpVMI <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
ごろさん、これはもう民放のドラマというより、某国営放送の朝の連続テレビ小説っぽくなってきましたよ。春はユイカちゃんと緒形直人氏に頑張ってもらって、秋は・・・なんちゃって!ユイカちゃんと緒形氏は引き続き出演ということですか(笑)
...2004/11/13(Sat) 22:15 ID:IaBkL63E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
了解なんですが・・・やはり少し線路が欲しいですね。Apo.殿少し案を出していただければ私のガキくさい感性で書きますのでどうかお願いしますw
...2004/11/13(Sat) 22:53 ID:GNNupvOA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:Apo.
ごろさんへ

ごめんなさい。
反省しています。私の悪い癖が出てしまいました。
お調子者です。
熱中しすぎると周りが見えなくなってしまいます。

言葉でしかお詫びできなきのが残念です。
お願いです。ごろさんは必要な人材です。
復帰してください。

問題の箇所は削除しました。
後で私の作品も削除します。
...2004/11/14(Sun) 04:11 ID:eBsI7mAY    

             せっかくの積み上げをたいせつに  Name:にわかマニア
 「ごろ」編集長様,「Apo.」様,皆様
 「熱中しすぎると周りが見えなくなってしま」うのは,誰にでもあることですし,そこまで没頭しないと,いい構想も浮かんできません。問題は,他者との接触の中でどう折り合いをつけていくかです。
 その意味で,このスレが,複数の寄稿者による作品の持ち寄りと平行して,「編集会議」的なやりとりも交わされていることは意義深いことです。メールによる顔の見えないやりとりですから,実際に六角机(デスク)に向かっての会議と違って,真意が充分に伝わらなかったり,行き違いがあったりすることもあります。メールの文章は当事者が考えている以上に強烈・辛辣な印象を受けることもあります。
 でも,せっかく,こうやって「持ち寄り作品集」を議論し,フィードバックさせながら,ここまで育て上げてきたのですから,その積み上げを大切にして欲しいと願うのは,私だけでしょうか。
 ご本人も冷静に振り返って反省されているようですし,私からもお願いします。「ごろさんは必要な人材です。復帰してください」と。
 また,Apo.さんも,もし「後で私の作品も削除します」というのが問題部分の手直しを超えて,原稿を全部燃やしてしまうという意味であるならば,ご自重ください。Apo.さんの執筆部分を楽しみにしているファンも多いのですから。
 ともかく,これからも,「執筆は熱中・没頭して,議論は冷静に」でいきましょう!
...2004/11/14(Sun) 09:06 ID:QCGg4OuM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
こんにちは。
実は土曜日の朝から今朝まで当直でした。昨夜はこのスレッドを見ることはできても、書き込むことができない、という状況でした。

スレ主として、簡潔に意見を述べさせていただきます。

1、既にApo.さんも反省されているように、今回のことは、ごろさんには非はないと思っております。

2、スレ主としては、なんとかこのストーリーを完結させたいと考えております。

3、そのためには、ごろさんの力は必要不可欠ですので、ぜひ復帰して頂きたいとおもいます。

4、ごろさん以外の執筆者は、とにかく第二部が終わるまでは、主義主張は控えめにして、いったん、状態を立て直す必要があると思います。

5、いままでも、全体を一番よく見て下さったのはごろさんですから、これからもその意見は最大限尊重するべきだと思います。

以上が私の意見です。
ごろさん、Apo.さんはじめ、みなさんの意見をお聞かせください。

書き込みが遅くなって、申し訳ありませんでした。
...2004/11/14(Sun) 12:10 ID:CvYP/y82    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
今日は。私も引越し準備が忙しくて、時々見に来る程度でしたが・・・

朔五郎さんのおっしゃるとおり、まずは自分たちの書ける部分から書いて第二部まではとりあえずおわらせるのがよいと思います。

私事ですが、これから引越し業者との打ち合わせに入りますが、夕方から夜にかけては時間が出来るので、作品をアップしたいと思います。
パート3に来てからは作品がひとつもアップされてませんからね。

では、後ほど
...2004/11/14(Sun) 12:42 ID:oS5u4Byc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:くれい
もともと皆さんが、書きたいことを書いていて、ここまで来たわけですから、これからも書きたいことを書けばいいのではないでしょうか。
たまたま皆さんのが似ていたからひとつの物語になったのでしょうし。

今回の議論を見ていて、実際のドラマも監督が3人いたわけで、それぞれの意見や多少の食い違いや議論もあったんじゃないかなと。

もっと気楽に、そして楽しくやりましょうよ。
...2004/11/14(Sun) 12:52 ID:sDnkZf3.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
多少混乱がおきておりますね。ただ、私も朔五郎殿と同じ考えですね。このストーリーを書いているうえで、やはり目標は、「完結」ですし、そのためには、皆さんの力が必要となり、当然、ごろ殿の力も必要となってくるわけです。是が非でも復帰していただきたいです。にわかマニア殿もおっしゃられているように、執筆には熱中・没頭し、議論は落ち着き、冷静に。とりあえず、2部までを終結させましょう。私も書き込みが遅れて、誠に申し訳ありません。「世界の中心で、愛をさけぶ2」の更なる発展に貢献していく者として、書き込みさせていただきます。長々と失礼しました
...2004/11/14(Sun) 13:08 ID:VjJCMvJ.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
こんばんわ
昨日、今日のお昼と出かけておりましたので、実際のRESがすでに削除されており、内容が完全には見えておりません。が私もこの「世界の中心で愛をさけぶ2」の読者の一人として朔五郎さんやSATOさんたかさん同様この2が結末を迎える事が大切だと思います。
...2004/11/14(Sun) 18:04 ID:JYANrBuk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
Apo.さんへ

 Apo.さん、誤解なさらないで下さい。もちろん、Apo.さんの作品は必要不可欠です。 私は、Apo.さんの作品そのものを否定しているわけではありません。

 以前にも述べましたが、私の感想・意見としては、Apo.さんの「自立編」は、2つに分けた方が作品全体に厚みが生まれ、第1部(旧前編)・第2部(旧後編)ともに更に良くなるということです。これは「自立編」全体を通して読んだ後も変わりません。

 この私の感想・意見について、Apo.さんご自身の思い・構想・感想・意見などご披露されておりません。ただ「修正はなるべくさけたほうがよい(基本的に賛成です。そうあるべきですよね)」とか、本編と特別編の解釈などをご披露されても、私としては判断の仕様が無いのです。

 私が求めているのは、ただ一つなんです。作者であるApo.さんの「自立編」に対する想いとか構想とか、そういうものなのです。「2つに分けた方が作品全体に厚みが生まれ、第1部(旧前編)・第2部(旧後編)ともに更に良くなると思いますが、いかがですか?」に対するApo.さんの意見や構想や反論などです。ただそれだけなのです。

 もし、Apo.さんの構想上それがどうしても出来ない。分割してしまうと「自立編」そのものが持つパワーが落ちるとか、そういうことをお聞かせ下さいと申し上げているのです。その結果、概ね合意が得られれば、Apo.さんの構想に沿って進めばいいはずです。

 Apo.さんご自身もおっしゃっていたではありませんか?「編集会議が必要と思います」って。「時間的なことも検討しましょう」って。私は、編集会議をしたかっただけです。私もApo.さんに劣らず、この作品に熱中・没頭している一人です。私の思いに対して、Apo.さんがまともにお答えしていただけなかったことが悲しいのです。

 もし、私の意見がApo.さんの作品を否定していると、Apo.さんが感じておられたとすれば、それは、私の不徳のいたすところであり、深くお詫び申し上げます。
...2004/11/14(Sun) 19:26 ID:/84TwnLI <URL>   

             Come back,Apo.さん!  Name:にわかマニア
 満杯になったはずのPart2のレス数が250前後まで減っています。どうやら,Apo.さんが投稿をすべて消去してしまったようです。

 Apo.さん,早まったことをしないでください。
 今日に入ってからの投稿は,いずれも,復帰を呼びかけるものばかりだったではないですか。Apo.さんも含めて,これまで積み上げてきたものを,これからも大切に続けていこうというものばかりだったではないですか。
 まだ間に合います。戻ってきてください。
 隠されていたテープなど,Apo.さんの投稿を楽しみにしているファンのことも考えてください。

 ごろ編集長様。整理サイトの方は保全しておいてください。
...2004/11/14(Sun) 20:56 ID:QCGg4OuM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミの廣瀬家訪問編です

今月も律子とマサミがホームへ来る日が近づいてきました。

(ある日の廣瀬家・居間)

真「今度の日曜日は律子さんが『涼風ホーム』に来る日なんだ。あそこまで歩けばちょっとした運動にもなるし、一緒に行かないか。」
綾子「律子さんって、ピアノ弾いてた料理好きの人でしょう?カニクリームコロッケのことで話が盛り上がったからよく覚えているわ。久しぶりにお会いしたいし、是非行きましょうよ。」
真「うん、先月は君がいなかったが、律子さん、もう一人、手品が上手な女の子を連れてきたんだ。ただ見せるだけじゃなくて、私たちに手品を教えてくれたんだよ。」
綾子「そうだったの。帰ってくるなり、得意になって手品をしてみせるから。律子さんが教えてくださったのかと思った。」
真「実はそういうことなんだ。入院中は本当にすることがなくてね。手品を教えてもらってよかったよ。他にも面白い手品はないか、興味がわいてね、ホームの図書室から手品の本を借りて練習してみたりしたよ。」
綾子「ええ・・・」
真「亜紀もこんな感じで心細い思いをしていたんだな・・・とふと思ったりもした。自分が入院することになって初めてわかったよ。」
綾子「私もあなたがいなくて一人で夜を過ごすとき、やっぱり心細かった。それで亜紀の部屋で寝たりしたのよ。」
真「そうか・・・」
綾子「あなたがいない時に智世さんと一緒に亜紀のお墓参りに行ったの。そのあと、家に寄ってもらったわ。やっぱり寂しかったから。亜紀や朔クンの話で盛り上がっちゃってね、そうしたら、あの子、泊まっていくって言い出して。」
真「おいおい、家の方は良かったのか?」
綾子「お母さんが一人で寂しいだろうから、今夜は一緒にいてあげたいの、なんてご主人に言っててね、でも嬉しかったな。それで、亜紀の部屋で一緒に寝たの。あの子、亜紀と一緒に寝るのは陸上部の合宿以来なんだって。それで、夜中に寝言言ってたわ。よく聞き取れなかったけど、亜紀のこと想い出していたのかな。」
真「やはり、私たちは亜紀の親であり、家族なんだよ。普段は心のどこかにしまってあるけど、智世さんが来たりするとしまったものが出てくるんだろうな。入院中に朔が見舞いに来てくれたときも亜紀のことを想っていた。彼もそうだったんだろう。だが、どういうわけか、二人とも亜紀の話はしなかったが。」
綾子「そうだったわね。その前に家に来たけど、入院中だって言ったら病院の方へ行くからって言ってたわ。」
真「うん、うん・・・そうだ、ところでだ、今度の日曜にホームへ行った帰りに、律子さんたちを家に呼ぼうと思うんだが、どうだ?一緒にカニクリームコロッケを作ろうと言ってたじゃないか。」
綾子「あっ、そうよね。いいわよ。でもご都合はいいのかしら?」
真「先月、ホームでお誘いしたので大丈夫だと思うよ。それに、いろいろなお客さんが来てくれたほうが私たちも楽しいじゃないか。朔や智世さんとか、大木君が来てくれたときも楽しいし、ありがたい。でも、どうしても亜紀の話が出る。ちょっとシンミリしてしまう。彼らは勿論大切だ。でも、たまには亜紀の話抜きで純粋に楽しく過ごせるお客さんに来てもらってもいいのかな、と思ってね。律子さんたちとはそんな感じで過ごせそうな気がする。」
綾子「あなた・・・(ちょっとウルッとくる)そういえば律子さんたちって言ったけれど、他にどなたが?」
真「ああ、それが手品を教えてくれた女の子だ。マサミさんと言ってね。宮浦高校の3年生だそうだ。」
綾子「まあ、亜紀のずっと後輩なのね。」
真「私も君と同じことを彼女に言ったよ。私にもこのくらいの年頃の娘がいたんだって、ふと思ったよ。」
綾子「あなた、マサミさんのこと見て、亜紀のこと想い出したんじゃないの?」
真「そうかも知れんな。いや、そうだ・・・」
綾子「マサミさんに変なことおっしゃらないでくださいよ(苦笑)」
真「わかってるよ(笑)」
綾子「ええ、それじゃ、日曜日楽しみにしてるわ」

(続く)

次回は律子とマサミが廣瀬家にやって来ます。

※律子もマサミもこの時点では廣瀬亜紀のことは知りません。次回でも廣瀬亜紀の話は二人のまえでは出さないつもりでおります。綾子の「変なこと言わないで」というセリフは、二人の前では亜紀の話はしないようにしよう、と真に呼びかけたものです。
...2004/11/14(Sun) 20:59 ID:mkeSo56Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
冷静に作品を出品 カニクリームラスト

アキ「いただきます」

達明「いただきます」

智世「さて、おいしい?」

達明「ん、うまいな」

アキ「あ、昼のよりおいしい」

智世「よし」

アキ「お母さん、何でこんなすぐうまくなったの?」

智世「何年か前に、亜紀の家に行ったの」

アキ「ふんふん」

智世「亜紀ね、カニクリームコロッケが大好物だったの」いつの間にか、達明まで真剣に聞き入っていた

智世「好きになった理由が、幼稚園の時、友達と交換してね、トロっとしてないって言われて」

智世「それで、お母さんに作れってだだこねたんですって」

アキ「へぇ〜」

智世「そのときに、作り方教えてもらったの思い出して、アキが勉強中に電話して聞いたの」

アキ「私がだだこねたからか」アキは笑った

達明「いい話だな」

智世「なんか、アキと亜紀って似てないようで似てて、似てるようで似てないね」

達明「亜紀さんは出会ったことがないけど、なんとなくわかる気がするな」

智世「明日の弁当にも入れてあげるから、友達と交換しなさい」智世は笑いながら言った

アキ「何回食べればいいんだよぉ」アキも笑った

達明「ははは」なんとも幸せそうな家族だった
しばらくして・・・

アキ「ご馳走様でした」

智世「アキ・・・」

アキ「ん?」

智世「しっかり勉強しなさい」強く、優しく言った

アキ「うん」

アキは階段を気分よく駆け上がった・・・

完・・・

おまけ映像みたいな感じで使っていただければ光栄です。これからはクリスマス編を始動させますので皆様のご協力、期待してます
...2004/11/14(Sun) 21:26 ID:VjJCMvJ.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:Apo.
皆様へ
大変ご迷惑をおかけして、深く反省しております。
暖かいお言葉を頂戴し、ますます気が沈んでおります。

私の書き方は、要点、要点を結んでいく方法です。例えば東京の警察官から覚せい剤中毒、注射跡、糖尿病といった連想です。
また、愛を叫ぶから藍、LOVEと読み替えもそうです。その間の小話を作り、最後に関連付けます。
それで、皆様の原稿を私ながらに整理し書き換え、入れ替えして卒業までの構想を創っていました。ごろさんの空と海は家出後の帰郷の部分にいれてありました。
ごろさんが気をお使いになり、私の作品の分割を聞いてこられたとき、当然のことだと思っていたのにそう書きませんでした。
朔五郎さんとの討論など気を使いすぎでお疲れ気味だと感じたものですから、誤解を与えた内容になってしまいました。
申し訳ありません。
私もここのところ忙しく、睡眠不足で、週末の楽しみを、やっと、していたところです。勝手な編集書き足しを。かなりな量が溜まっていて熱中すると最後までとなってしまいます。たかさんの質問の意図も誤解して私の構想のものを披露してしまったのです。
申し訳なく思い全ての原稿、構想、掲載したものも廃棄してしまいました。

ところが、にわかマニアさんのご指摘で、無責任だと反省しております。100%とはいきませんが素原稿が職場にありますから復活再掲示させていただきます。
皆さん、私が掲示させていただいたものは、皆様の共有物です。ご自由にしてください。よろしくお願いします。
暫らく、お時間をいただけると立ち直れると思います。
...2004/11/14(Sun) 21:36 ID:eBsI7mAY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
Apo.さんへ
そうでしたね。そもそも私が、ごろさんに議論を挑んでしまったのが、遠因になったのかもしれませんね。
その点については、Apo.さんにも、ごろさんにもお詫びしなければなりません。申し訳ありませんでした。
...2004/11/14(Sun) 21:59 ID:tvwn3vyU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
Apo.さん、お帰りなさい。お待ちしてました。
次の作品アップいつまでも楽しみにしてますよ。

しかし、復元作業は大変ですね。私、パート1はプリントアウトしてたんですが、パート2はしてないんですよ。(ボチボチやろうか、と思っていたんですが・・・)プリントアウトがあれば打ち込み作業のお手伝いも出来たんですけどね・・・

Apo.さんにはまず、復元作業をしながら新作の構想を練っていただきましょうよ。

ね、皆さん。
...2004/11/14(Sun) 22:07 ID:mkeSo56Q    

             お帰りなさい  Name:にわかマニア
 私からも,「Apo.さん、お帰りなさい。お待ちしてました」
 さて,復元作業について,ちょっと考えてみました。
 ご本人の明確な意思表示によって消去されたものを承諾なしに勝手に復活させると,法的にも道義的にもややこしい問題を生じますが,復帰・復活についての合意ができたということで,整理サイトで保存してあるものをソースとして,本サイトに逆送して復活させるというのは無理でしょうか(全部は無理としても,一部だけでも)。
 編集長様。お手数をおかけいたしますが,ご検討願えないでしょうか。
...2004/11/14(Sun) 22:23 ID:QCGg4OuM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
>Apoさん
おかえりなさい
これからもみんなで話し合ってこの2を完成してゆきましょうね

>SATOさん
その廣瀬家に律子&マサミの訪問の時にカニクリームとトンカツのセットで料理編を書きましょうか?

>たかさん
クリスマス編で料理が必要なら気軽に行って下さいね
挿入する形で何か考えます


それでは明日からまた単身赴任で書く時間が出来ないかもしれないので出来た所までアップしておきます。

<アキと谷田部先生>

(谷田部の決心1)

 谷田部先生の病室で・・・
「アキさんは何で大学に行くの?目標なんかは有るの?」
その雰囲気はまさに生徒と先生が進路相談をしているよう感じだった。
「母は私に宮大の薬学部に行って薬局を継いで欲しいようなんです」
「そうなんだ。宮大の薬学部はレベル高いもんね・・・それでアキさんは?」
「はい・・・宮大の薬学部は親との約束も有るので何とか頑張ってみたいんです・・・
(小声で)ケンちゃんもいるし・・・でも私が一番やりたい事は絵の勉強なんです・・・」
「アキさん絵が好きなの?」
「はい!でも今は母から書くのを禁止されているんです・・・」
力無く答えるアキ。
「そうなんだ・・・寂しいね、好きな事が出来ないなんて・・・それでアキさんはどんな絵を書くの?」
「私の好きなのは抽象画なんです・・・でも普通の風景画なども描きますよ」
「へ〜難しそうだね・・・私には良く分からない世界だよ、アキさんって才能有るんだね」
「いえ・・そんな事・・無いです・・・以前、大沢先生から私の絵は斬新だけど何か響いてくるものが欠けている・・・って言われたんです」
「そうなんだ・・・大沢先生は絵の事になると厳しい方ですものね」
「その時に漫然と書きたいものを書いていてもダメだっとも言われたんです」
「そうね何事もその道で食べて行くのは大変ですものね。」
「それもその時に大沢先生に言われました・・・それでその後・・・ケンちゃんと駆け落ちしたんんです・・・」
「ほ〜駆け落ちですか・・・それは大胆な行動に出たのね・・」
「その時、私どうしても絵の勉強がしたくて・・ケンちゃんは私の夢を助けたいって言っくれて・・・まず二人で東京へ行ってお金を稼いでニューヨークへ行って絵の勉強をする・・・でも現実はそんなに甘いもんでは有りませんでした」

アキは、なぜケンと一緒に東京を目指したのか、その結果どうなったか、そしてその後みんなから応援してもらった事や両親との約束などを谷田部に話をした。谷田部は意見を挟む事無くアキの話を聞いていた。
「それで健三郎君が家庭教師をする変わり絵を描くのを禁止されたんだ」
「そうなんです、でも父が息抜き程度のスケッチなら良いだろうってスケッチブックをくれたんです」
そう言ってアキは1冊のスケッチブックを取り出して谷田部に見せたのだった。
谷田部は1ページづつ丁寧にページをめくっていった。スケッチブックを見る谷田部の顔は優しさに満ちていた。そこには今にも動き出しそうなカタツムリ・可愛い幼稚園くらいの女の子の笑顔・夏の空の入道雲・防波堤の夕日などが描かれていた。

(谷田部の語り)
(やっぱり似ている・・・)

しばらくスケッチブックを眺めていた谷田部は何かを決心したかの様にアキに言った。
「アキさんに1つお願いが有るんだけど・・・」
「何ですか?」
「大沢先生から絵を1枚借りて来て欲しいんだけど・・・それとこのスケッチブックもお借りしていいかしら?」
「はい、それは構いませんが・・・」
谷田部がアキに頼んだのは以前、学校のアトリエで見せてもらった、大沢が若い頃に書いた風景画だった。
「分かりました。明日、学校に行って大沢先生にお願いしてみます」

翌日アキは大沢からその絵をかりて谷田部の病室に持って来ていた。
「先生この絵ですよね」
「そうよ・・・」
微笑む谷田部先生・・
「大沢先生に言ったら、たぶんこれだろうって言っていましたよ・・・
 谷田部先生!この絵はどこなんですか・・・?」
「たぶんウルル・・・世界で一番青い空が見れる所・・・」

そこには『青い空』『白い雲』『赤い大地』が描かれていた・・・

谷田部は部屋に飾られたウルルの絵をベッドからじっと眺めていた。そしてしばらくしてからアキに言った。

「ねえアキさん・・・明日みんなにお話したい事が有るから時間を作っていただけないか大沢先生にご都合を聞いて欲しいんだけど・・・」

「分かりました。明日の晩にみんなでおうかがいしま〜す」
そう元気に答えたアキは谷田部の病室を後にしたのだった。
...2004/11/14(Sun) 22:47 ID:JYANrBuk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:Apo.
ご心配なさらないでください。
私の原稿のパターンは私自信がよく分かっています。一字一句同じとはいきませんが、大体同じものが出切るはずです。
これ以上、ご迷惑はかけたくありません。
ありがとうございます。
おやすみなさい。
...2004/11/14(Sun) 22:50 ID:eBsI7mAY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
それでは、Apo.さん、復元作業をお願いいたします。待ってます。
...2004/11/14(Sun) 23:06 ID:mkeSo56Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、待ってました!(もう完全にアテにしている口ぶりですね)
カニクリーム〜もレパートリーだったんですね。料理場面、よろしくお願いします。

それでですね、ちょっと打ち合わせを・・・

私の考えている流れは

1.ホームの帰りに律子&マサミが廣瀬家へ寄る
2.料理(全員で)
3.食卓の会話(全員で)
4.ピアノ演奏(律子)
5.手品(マサミが教える)
5.二人の帰宅
6.マサミの決意(介護福祉の道へ)
と考えております。

それで、料理の場面では4人(亜紀パパ・亜紀ママ・律子・マサミ)がワイワイガヤガヤしながら作って欲しいなーと思っています。そんな感じでお願いしてよろしいでしょうか?
※老夫婦が二人だけで暮らしていて寂しいと思うので、それを律子とマサミに吹き飛ばしてあげてもらいたいんです。

ちょっと悩ましいのは、食卓の会話はどんな話題にしようか、ということなんです。初対面ではないにしても、初めての訪問客にいきなり亜紀の話をするのはいくら何でも・・・と前々から考えていたので、現段階では律子の音楽に対する思い入れを語ってもらって、ピアノを披露する流れにしようかと思っています。(マサミに話した内容と同じですけど)

廣瀬夫婦はまだ介護を必要としない健常者(亜紀パパも足は良くなったと想定します)ですが、律子とマサミが今回はヘルパー的役回りを演じ、マサミが介護福祉の道へ進む決意をする、という流れです。
...2004/11/14(Sun) 23:37 ID:mkeSo56Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
>SATOさん
了解です
4人でワイワイやりながら・・まぁメインは綾子と律子になるのはしょうがないですが・・・
それでは廣瀬夫婦がカニクリームを律子・マサミに教える
次に律子がマサミを助手にしてトンカツを作るって感じでお互いが教え合う感じで考えてみますね

会話部分ですが料理関係は担当してもかまいませんよ

一度お互いにアップした後、会話部分なんかを追加しら方が良いかもしれませんね
...2004/11/14(Sun) 23:59 ID:JYANrBuk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
にわかマニアさん

 整理サイトは私だけのものと考えてはおりません。また、整理サイトを作ろうと言い出した、言いだしっぺの責任もあります。よって、整理サイトそのものの削除とかは全く考えておりません。また、整理サイトに掲載した諸作品は作者の方の意思なく削除することはいたしません。その場合の意思とは、整理サイト運営を担当している私に作者の方から削除の意思が明示された場合と認識しています。このスレに掲載された作品は、何らかの形で、整理サイトに掲載するというのが私の方針です。
 また、整理サイトは皆さんのものです。私より適任の方がいらっしゃれば、今までのデータをお譲りして、運営を引き継いでいただいてもいいと思っています。さらに、将来的には、ある程度まとまったら、データを圧縮してダウンロードできる形式にすることも考えております。そういった形で、作品を共有したいというのが私の思いです。

Apo.さん

 なるほど、Apo.さんの構想の中では、そのような位置づけだったわけですね。その中で生まれたのが「自立編」ということですか・・・。そういう点をもっと早くお伝えしていただきたかったです。その構想をお知らせくだされば、私にも再検討の余地が生じ、十分に編集会議が出来たと思います。「空と海」を二人の帰郷後へという案も十分検討に値する案だと思います。以前にもお伝えしたとおり、出来るだけ移動可能なように必要性が無い場合、季節感描写などは極力避けておりますので、最小限度の加筆修正で移動は可能です。その方向で検討してみましょう。

 part2でも申し上げましたが、整理サイトは、あくまでも、暫定的なものです。作品の並び順は、一時的に私が並べているだけなので、ご意見がございましたらご遠慮なくおっしゃって下さい。サイト作成上、並び順の変更などは単純作業ですので、その点もお気遣いいただくこともありません。

朔五郎さん

 あの時の、優子の立場という観点からの鋭いご質問、感服いたしました。意義深い議論が出来たと感謝しております。
...2004/11/15(Mon) 00:15 ID:OFPG8gcU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
スター名鑑2005という本に、綾瀬はるかちゃんのインタビューがありました。かわいかったです。インタビューも結構長くて、いいかんじでしたw
かなりの量のアイドルがのってるので、出演者探しに使えたらいいと思いますw

後、頂き物の図書券で、「雨鱒の川」の原作を買いました。表紙もいい感じに玉木宏君とはるかちゃんでした。

皆さんが論議しているときにのんきなこと言っててすみません。
...2004/11/15(Mon) 16:51 ID:FyFYYKfQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、料理場面については、その教えあいっこのイメージで4人を盛り上げて下さいませ。キッチンはにぎやかになるでしょうね。
ついでに、食卓でお料理談義に花を咲かせていただけますでしょうか?

とりあえず、私は廣瀬家へ律子とマサミが初めて入って挨拶するところと二人が帰宅するところを書いてみます。yosiさんの場面はそれに挟まる形ですね。

アイデアがまとまったら書き出しますので、それを参考にお続け下さい。
...2004/11/15(Mon) 19:55 ID:LFVSy9YY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(その2)

日曜日・午後

「涼風ホーム」集会室

今月のイベントが終わり、律子とマサミがお年寄りをお見送りしている。

男性A「マサミちゃん、こういう手品はどこで覚えてるの?」
マサミ「本とかネットで調べて見よう見真似なんですよ。ネットでしたらこのサイトがわかりやすいですよ(URLのメモを渡す)動画がついてますから」
男性A「おお、ありがとう!帰ったら孫に調べさせるよ。」
マサミ「ありがとうございました」
律子「いいの?教えちゃって。マサミちゃんのネタがなくなっちゃうよ。」
マサミ「いいですよ。他にネタ探しますから。お孫さんと一緒にパソコンの前で手品をやるって楽しそうじゃないですか。わたし、ああいうお年寄りの方々にこれからもいっぱい人生楽しんでいただきたいなと思ってるんです。ちょっとでもそのお手伝いが出来てるかと思うとすごく嬉しい・・・」
律子「そう・・・今のマサミちゃん、生き生きしてるわ。」

最後に廣瀬夫婦がやってくる

綾子「律子さん、お疲れさま。素敵な曲をどうもありがとう。」
律子「こちらこそ、ありがとうございました。」
綾子「(マサミに)主人から伺ってましたけど、本当に手品がお上手ね。廣瀬の家内です。はじめまして」
マサミ「はじめまして。長沢と申します。手品は本やネットで調べて見よう見真似なんですよ。」
綾子「先月は主人がいろいろ教えていただいたそうで」
真「マサミさんは教えるのが上手いからね。わたしたちもそれが楽しみだよ。」
マサミ「そんなにお褒めいただくと、ちょっと照れてしまいます」
綾子「まあ、可愛らしいお嬢さんね。律子さん、いい相棒を見つけたわね。」
律子「この子と知り合ってまだ2ヶ月ほどなんですけど、今は姉妹同然なんですよ。ね、マサミちゃん」
マサミ「はーい!(律子に甘える)」
真「本当にいいコンビだな。そうそう、先日お誘いしたとおり、律子さん、マサミさん、これから我が家へお寄りください」
律子「どうもありがとうございます。でも、よろしいんですの?うるさいのが二人も押しかけて。」
綾子「いいえ、むしろ賑やかになって楽しいわ。」
律子「それでは、お言葉に甘えさせていただきます。」
マサミ「よろしくお願いいたします。」
真「では、行きましょう」

廣瀬家を向かう4人
途中、スーパーで食材を買う。
(綾子と律子でカニクリームコロッケとトンカツのセット料理を作ることになったのです。)

廣瀬家の門の前

真「着きましたよ。ここが我が家です。」
マサミ「(内心の声:うわーっ大きなお家)」
綾子「どうぞ、お入りになって。」
律子・マサミ「おじゃまします」

律子とマサミは初めて廣瀬家を訪れた。

廣瀬家・居間

真が律子とマサミに椅子を勧める。

真「律子さん、マサミさん、ようこそ。こんな大きな家に年寄り二人で暮らしていると、毎日が同じように過ぎていって、刺激もなく、退屈になってしまってね。綾子とも話したんですが、いろいろなお客様をお呼びすることにしたんですよ。楽しくお話して気持ちよく帰っていただきたいし、わたしたちも明日へのパワーをいただけるかな、と思いましてね。その第一号があなた方なんですよ。ま、ゆっくりしていって下さい。」
律子・マサミ「ありがとうございます。」
真「マサミさんは、今時珍しく、きちんと挨拶の出来るお嬢さんだ。わたしにも、家内にもきちんと自己紹介したしね。昔、娘の同級生で挨拶出来ない子がいてね、『人に会ったら挨拶しなさい』と何度もドヤシつけたよ。ま、わたしの教育が効いたのかどうかわからないが、今は立派な医者になっているけどね。」
綾子「あなた、そんな昔の話したって、お二人にはわからないじゃありませんか。(苦笑)」
真「おっと、そうだ。これは失礼。年を取ると昔話や自慢話が長くなっていかんな。」
マサミ「いいえ、そういう、私たちの知らないお話していただくと、ためになりますから。」
真「おお、これはまた、嬉しいことおっしゃるね。(すっかりご機嫌の様子)」
綾子「そろそろ食事の準備しましょうか。みんなで手分けしてやりましょうよ。」
律子「いいですね。奥様と一緒に料理作れるなんて、楽しみです。」
真「わたしも何かやるのか?」
綾子「当たり前です!(笑)」
マサミ「当然、わたしも、ですよね?」
律子「そうそう、いらっしゃい。」

ということで、4人はキッチンへ移動。
綾子と律子の合作料理が作られ始めました。

※このあとyosiさんお願いいたします。

※亜紀パパが言っていた「挨拶出来ない子」は勿論朔のことです。
...2004/11/15(Mon) 22:52 ID:qLbSomlk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
おはようございます。

yosiさん、SATOさん
律子、マサミは完全に「姉妹」になってしまいましたね。楽しいお話ですね。
yosiさん、「青、白、赤」はそういう連想ですか。いや、すばらしいです。

Apo.さんはじめ皆さん
これからもよろしくお願いします。

今日は、休暇を取って「雨鱒」に行ってきます(嬉)

あと、Mr.インクレディブルは
 父:三浦友和(廣瀬真)
 母:黒木瞳(大木優子)
 長女:綾瀬はるか(廣瀬亜紀)
このキャストで実写版やって欲しい(笑)
...2004/11/16(Tue) 06:07 ID:1uKEAhko    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
今日は午前中はお仕事目一杯で午後からは成人病検診に
行って来ます

>SATOさん
了解です
今<アキと谷田部先生>の最後の部分を考え&作成中なので終わり次第に廣瀬邸での料理編にかかりますね

>朔五郎さん
今日は雨鱒ですかいいですね
是非感想をお願いしますm(_ _)m
...2004/11/16(Tue) 09:25 ID:LkVX1m6I    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
<アキと谷田部先生>

(谷田部先生の決心2)

アキが帰って一人病室に残された谷田部・・・しかしその瞳は昔の輝きを取り戻していた。
(谷田部語り)
・・・そうだね・・・似ているのは無理もないか・・・アキさんや健三郎君は上田と龍之介の子供達だもの・・・アキさんに古文を教えていると、昔、病室で授業をした事を思い出すわ・・・何の為に生きるか・・・そして何の為に死ぬのか・・・真剣に考え、行動した二人・・・
廣瀬亜紀・・・そして松本朔太郎・・・
・・・廣瀬は最後の瞬間まで自分らしく生きようとした・・・松本はそんな廣瀬を最後まで、かばい支えようとした・・・
・・・私は本当に今を生きようとしているのかな?・・・
・・・廣瀬なら可能性が低くても手術を受けるだろうね・・・
・・・私も私らしく生きないといけないね・・・ね!廣瀬・・・


翌日の夕方・・・大沢先生・律子・アキ・ケン・マサミが病室に来ていた。
「谷田部先生お話が有るとうかがったのですが・・・」
「そうよ・・大沢先生・・・私手術を受けようと思うの」
笑顔で答える谷田部・・・
「そうですか、それは良かった・・でもまた・・・」
「それはこの子達のおかげだよ」
そう言って大沢の教え子3人を見渡す谷田部・・・そこにはいたずらそうなそれでいて、優しそうな瞳があった。そして最初にマサミを見つめて・・・
「マサミさんこの計画を立てたのはあなたね?」
何を言われているか、分からずとまどうマサミ。
「あなたは確か大学で福祉介護の勉強をしているって言っていたわよね」
「はい・・・そうですが・・・」
「マサミさんってテレビゲームはやるの?」
「はぁやりますが・・・」
何を言われているのか、分からないマサミ・・・
「それじゃ『信長の野望]』や『三国志]U』なんか好きじゃなくて?」
「はい、大好きです。やり始めると止めるのに苦労します」
「やっぱり・・今回の事はあなたの立案ね?」
「はい・・でも何で・・・」
「何年教師やって来たと思うの?それに信長の野望や三国志は私も大好きなのよ・・・
 その人がどう考えどう動くのか予想するのって楽しいわよね、ましてやその通りに相手が動いた時なんか最高に気分がいいものよね・・・でもね、マサミさん一つだけ覚えておいて欲しいのよ」
「はい、何でしょうか?」
「それは最後に人を動かすのは『理』ではなくて『情』だって言う事よ。まぁ聡明なあなたなら、私に言われなくてもそんな事は理解している思うけど・・・」

次にケンに向かって
「健三郎君、アキさんが私の病室にいる間一人ロビーで待つのは退屈だったでしょう?」
「何でそれを・・・」
「私は病室からいつも二人乗りで帰る君たちを見送っていたのよ」
「ばれていたんですか・・・」
頭をかくケン、谷田部は終始笑顔で話をしている。
「アキさんは素直でいい子よ、大切にしてあげるんだよ」
「はい!」
元気良く答えるケン。

「最後にアキさん・・・本当に有り難う・・・私はあなたという生徒をもう一度持つ事が出来たおかげで、失いかけていた自分を取り戻す事が出来たわ・・・私は今まで病気一つせずにこの年まで健康で過ごして来たのよ。そして検査の結果を聞いた時に本当に怖くなってしまったの・・・ガンもショックだったけど心臓も悪いと聞かされて・・・」
黙って谷田部の話を聞くみんな・・・
「あなたの絵を見て・・・あなたの話を聞いて・・・私は二人の生徒を思い出したのよ・・・二人はお互いに助け合い・・・かばいあい・・・最後まで自分らしく生きた・・・」
アキとマサミの目からは涙があふれていた。
「谷田部先生そのお二人って松本先生達の事ですよね?」
「そうよ・・・廣瀬は病におかされても最後まで自分らしさを貫いた・・・松本は最後まで廣瀬事を考え廣瀬の最後の望みを叶えようと頑張った・・・そして二人が最後に目指さしたのがこのウルルの大地・・・世界で一番青い空が見ることの出来る所・・・」
そう言って谷田部は壁にかけてある大沢の絵を見ている。
「谷田部先生・・私・・松本先生から亜紀さんが書いた『ソラノウタ』を見せて頂いた事があるんです・・・」

「・・・生きていくあなたへ・・・もしもお前が枯葉って・・・」
『ソラノウタ』を口ずさむアキ・・・
「そうだよ・・・廣瀬は最後まで自分らしく生きたのよ・・・私はアキさんあなたのおかげで手術を受ける決心がついたのよ・・・有り難う・・・私頑張ってみるから・・・」
谷田部の瞳から一筋の涙が頬を伝った。
「みんな!私の生きざまをしっかりと見ておいてね・・・」
「はい!」
やがて谷田部の決心を聞きみんなの顔には笑顔が戻っていた。


アキ達が谷田部から手術を受けると聞かされた3日後・・・
「谷田部せ・ん・せ!」
「あれ?どうした?松本・・・あ!今は松本先生か・・」
「谷田部先生その先生って止めて下さいよ・・・」
そう言って頭をかく朔太郎・・・
「やっと手術を受けて下さるんですね、良かった!昨晩スケちゃんから電話もらいったんです。亜紀もきっと喜んでいますよ・・・先生、私も出来るかぎり協力しますから」
「有り難う、松本・・お願いしますね」
「はい・・・一緒に病気にうち勝ちましょう」


(エピローグ)

夕方の宮浦駅・・・マサミは一人・・電車を待っていた。

(マサミ語り)
「谷田部先生の手術も無事、終わって良かったわ・・・夏休みもそろそろ終わりね・・・さぁ東京に帰ってもっともっと勉強しなきゃ・・・みんなこめんね・・・私・・どうも見送られるのって苦手なんだ・・・」

そこに忍び寄る複数の影・・・
「こら!マサミ!」
その声の主はケンだった。びっくりして振り返るマサミ・・・
「何で教えてくれないの!」
そこには少し怒った顔のアキがいた・・・そしてその後ろには・・・シンジ・ユイ・レイコの笑顔も有った。
「何で黙って行くんだよ?」これはケン。
「そうだよ、俺達仲間だろ?」今度はシンジ。
「ちゃんと挨拶入れろ!つ〜の」これはユイ・・でも目は笑っている。
「黙ってなんて行かせないんだからね!」レイコも笑っている・・
「みんな・・・」
みんなの顔を見たマサミの目は涙で潤んで来ていた。
「ごめん・・・クールな私には涙は似合わないって思って・・・」
「何がクールだよ、泣き虫マサミのくせして」またケンが言う。
「言ったな・・」マサミが答える。
「それじゃ笑顔で行けばいいじゃん!」シンジの笑顔。
「うん!」
「マサミ帰って来る時は連絡ちょうだい・・約束だよ」アキの笑顔
そこに電車が入って来た。乗り込むマサミ・・
「みんなありがとう・・・それじゃ行くね」
「マサミ元気でな・・何か有ったら連絡くれよ」シンジの笑顔。
「うん・・・」
「元気でね、マサミ」ユイの笑顔。
「またね・・マサミ・・・ガンバ!」微笑むレイコ。
「レイコ!ふ〜る〜」

やがてマサミの乗った列車の扉がしまり、列車は宮浦駅を後にした・・・
みんなは列車が見えなくなるまで手を振っていた・・・


<アキと谷田部先生>
 (完)
...2004/11/16(Tue) 17:52 ID:LkVX1m6I    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、お疲れさまでした。
素晴らしい終わり方です。

私は廣瀬家からの帰り道にマサミが決意表明するところを書かせていただきます。
では、後ほど。
...2004/11/16(Tue) 18:49 ID:yOPoYdzE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
yosiさん、お疲れ様でした。すばらしいです。

さて、今日は渋谷に「雨鱒」を観にいってきました。
少女時代の小百合が、スケッチブックを持って歩いているシーンは、なんとなく嬉しくなりました(笑)
あと、小百合の家の庭にアジサイが咲いていて、小百合(綾瀬はるかさん)がその横を通るシーンにニヤリとしたり、少女時代の智世を思わせるキャラが出てきたりと結構楽しめましたよ。
全体的には、スッキリとしたきれいな映画でした。セカ中みたいなインパクトはありませんけど、ほのぼのした気分になれます。
私のような「北海道中毒患者」にとっては、あの景色だけで感涙モノでした(苦笑)
...2004/11/16(Tue) 22:23 ID:rTE3UMpY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(帰宅)

綾子と律子の競作料理から始まって、律子のピアノ演奏・マサミの即席手品教室に至るまで、廣瀬家での楽しいひとときが過ぎていきました。

律子「それでは、わたしたち、そろそろお暇させていただきます。」
真「そうだね、長々と引き止めて申し訳ない。」
マサミ「わたしたちこそ長居してしまってご迷惑じゃなかったでしょうか?」
綾子「とんでもない、とても楽しかったわ。律子さんとお料理作れたし、マサミさんの手品も見せてもらったし、とても楽しかったわ。」
律子「わたしたちも楽しかったです。お誘いいただいて、ありがとうございました。」

廣瀬家・門の前

律子・マサミ「おじゃまいたしました。(廣瀬夫婦にお辞儀する)」
綾子「また、遊びにいらしてね。」
律子「ええ、楽しみにしてます。それでは。」
真「あ、マサミさん」
マサミ「はい?」
真「今日のマサミさん、とてもいい笑顔をしていますよ。その笑顔を是非、ご両親に見せておあげなさい。」
マサミ「は、はい(唐突に言われて戸惑っている様子)」
真「普段からその笑顔を見せていらっしゃるのならそれでいい。しかし、今日のような笑顔をご両親がご存知なかったとしたら、どうお思いになるかなと思いましてね。『うちの娘はこんな顔して笑うのか』と少々寂しく思うかもしれない。わたしの娘がそうだった。同級生が撮った写真を見せてもらったことがあるが、わたしたちに見せたことのない笑顔をしていてね。ちょっと寂しかったな・・・いや、説教じみたこと言って申し訳ない。」
マサミ「お説教だなんて、そんな・・・おっしゃる意味、よくわかります。」
真「そうですか、ありがとう。・・・ともかく、ご両親を大切にな。」
マサミ「はい、そうします。」
真「(うなずく)」
律子「(マサミに)さ、行きましょう (廣瀬夫婦に)長々とおじゃましました。お休みなさい」
真・綾子「お休み」

手を振って別れる廣瀬夫婦と律子・マサミ

帰り道

マサミ「両親を大切に、か。当たり前のことだけど、いつも一緒にいると安心してしまって、ついおろそかになっていたかも。廣瀬さんのお話聞いて、気付かされること多かったです。挨拶のことは褒めていただいたけど、小さな心がけが大切なんですね。」
律子「そうね、人生の大先輩だからね。わたしも勉強になったわ。」
マサミ「でも、廣瀬さん、やっぱりお寂しいんでしょうね。もう、娘さんもいらっしゃらないようだし、どこか遠くへお嫁に行って、帰って来ないのかしら。」
律子「よくわからないけど、そうかもしれないわね。」
マサミ「これからもホームの帰りに廣瀬さんのところへ寄りましょうよ。あのご夫婦に少しでも元気になれる時間を作ってさし上げたいから。
それでね、律子さん・・・」
律子「なに?」
マサミ「わたし、介護福祉の道に進もうかと思って。」
律子「そう・・・」
マサミ「ついこの間までは漠然と公務員って考えていたんです。でも、ホームへ行って、お年寄りの方々がこれからも幸せに生きていただくためのお手伝いをしたい、そんな思いが強くなったんです。そして、今日、廣瀬さんのお宅へお邪魔して、その気持ちが固まりました。お年寄りの方々のために働こうと。」
律子「そう・・・よかったね、マサミちゃん。自分の生きる道が見つかったんだね。偉いわ・・・(涙ぐむ)」
マサミ「律子さん?」
律子「あなたはわたしの妹でしょ?妹が成長するのはうれしいものなのよ。」
マサミ「はい・・・」
律子「そのこと、ちゃんとご両親にもお話するのよ。廣瀬さんじゃないけど、掛け替えのないご両親なんだから・・・」
マサミ「ええ、わかってます」
律子「マサミちゃん、新たなスタートだね。競争しようか?」
マサミ「え?」
律子「位置について、ヨーイ・・・ドン!」

律子が走り出す。

マサミ「あ、律子さん、ちょっと待ってー!!」

マサミが律子を追いかける

晩秋の夜。
夜空にきらめく星と鈍色の月が二人を照らしていた。


※次回以降は番外編として、「あの」歌の作成秘話のようなものを書きたいと思います。
...2004/11/17(Wed) 00:41 ID:r94stkRs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさん、マサミ復活ですね。よかった。

さて、これはマサミの「その後」です(笑)お遊びです

四国編(その1)

大学入学後、初めての夏休みも終わり、季節は秋。ふと気が付くと自分はひとり。
・・・故郷のみんなには強がってみせたけど、やっぱりちょっとさびしいな。ケンはどうしてるかな。
舞い落ちる枯葉を感じて、髪に手をやる。
やっぱり、もう一度伸ばしてみようかな。
・・・仕方ない、シナリオでも読むか。
憂いを帯びた表情でたたずむマサミのもとに、親友のハルカがやってきた。
「マサミ、どうしたのよ、物思いにふけって」
「うん、ちょっとね・・・」
「あれ、シナリオ読んでるんだ。演劇部の公演、いつだったっけ?」
「十月なんだ。覚えるのが遅いって、部長の安浦さんに怒られちゃった」
「安浦さんてあんまり評判よくないよ。マサミも気をつけたほうがいいよ」
「うん」
「でもすごいよねえ、入部したばっかりで、いきなりヒロインに抜擢されるなんて。ちょっと見せて」

 あのね、私たちもう会わない方がいいと思うの。
 あなたと過ごした永遠の何分の一かが私の生涯の宝物です。
 あなたがいてくれて、幸せだった。
 いいよね、わたしたちは今日でお別れ・・・

「あ、ああ、これね。たしかにマサミ、はまり役だわ。だけどハマり過ぎて、鬼気迫るというか、シャレにならないっていうか・・・」
「なんか、感情移入しちゃうんだよね、この役」
「不思議だよねえ・・・。あ、ところでさ、英文科のミライ君知ってるよね。彼、絶対マサミに気があるよ。いつも、マサミのこと見てるもん。あ、ほら、また」
「ミライ君か、悪くないかもね・・・」

講義が終わった後、ミライは路上に停めたバイクのところまでやって来た。置き場が不足しているためバイク通学は禁止されていた。
「やっぱり、バイクで通ってたんだ」
ぎょっとして振り返ると、マサミが笑っていた。
「・・・大学にチクんのかよ」
マサミは澄ました顔でバイクの後ろに乗り込んだ。
「え?なんだよ。ちぇ、メットまで用意してやがる・・・」
「早く、ねえ早く、渋谷まで送って」
「しょうがねぇな。おい、あんま、ひっつくなって」
「胸あたる?」
マサミ、ますます強くしがみつく。
「サクってさ」
「やめてください」
「なによ」
「サクって呼ぶの」
「どうして?」
「ぼくの名前は佐久間未来です。変な風に略すのはやめてください」
「いいじゃない、ハルカだって時々サクっていってるよ」
「あれは別にそういうんじゃないから、そう呼んでもいいんだよ」
「そう呼んじゃいけない私は、どういうのよ」
「・・・長沢に呼ばれるとなんか、からかわれてる気がする」
「からかってなんかいないよ」
「長沢って他の子と違うっていうかさ。勉強できるし、演技もマジックもできるし人気があって・・・芸能人になるんでしょ?」
「はははっ・・・」
「長沢ってさ、こう、ちょっと上の方、このへんにいる感じがする」
「ふーん、あ、着いた。駅前で降ろして。じゃ、私帰る」
「ええっ、何のために来たんだよ」
「そんなの決まってるじゃない。サクと話したかったから」

次の週末、初めてのデート。
バイクの後ろに乗っているマサミ。
「それえーーー、第三京浜をぶっ飛ばせえーーー」
「おい、あんま煽るなって」
「ひゃー、きっもっちイイーーー」
「天気はいいけど、風つええな・・・」
さあ、江ノ島はもうすぐだ。
「あらら、江ノ島に渡る橋が波かぶっちまってる。こりゃ、バイクじゃムリだな・・・もう帰ろっか、ね?」
「行けないの?」
「行けるよ、この次」
「そうだね、私たち始まったばかりだもんね。これから、いくらでもチャンスはあるよね。じゃ、今日はサクの部屋でまったりしようか。私、チンジャオロース作ってあげるよ」
「長沢、」
「もうっ、マサミって呼んで!」
「じゃ、マサミ、料理得意なの?」
「まあまあ。あ、カニクリームコロッケもできるよ」
「へえ、意外な一面だね」
「いい彼女だと思うでしょ?」
「・・・まあね」

(続く) 
...2004/11/17(Wed) 02:12 ID:2yXcghhM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
>SATOさん・朔五郎さん
有り難うございます
最初の構想よりだいぶ長くなってしまいましたが
やっと終わることが出来て一安心って所です
最初はアキの決心を書くつもりがマサミの登場によって
マサミのシーンが予想よりだいぶ多くなりました
書いていてマサミって凄く魅力的なキャラだと実感したんですよ

>SATOさん
廣瀬邸での料理・会食の件了解です
昨晩から少し書き始めています、もう少しお待ち下さい
それと昨晩考えたんですがマサミが律子を呼ぶときに
もう少し時間がたったてもっと仲良くなったら『律子さん』から『律子ネエ』ってより親しみを持って呼ぶのはどうでしょうか?

>朔五郎さん
東京でのマサミ&ミライ君ですか・・すっごくいいですよ〜
良いサイドストーリーに発展しそうな気配がありますね
なんか続きを書いてみたくなる二人ですね
...2004/11/17(Wed) 09:32 ID:zP.GP1kg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
ミライとはまさか・・・・・・・・・・・・・・・
彼?クリスマス編は、12月に入ってからでもよろしいでしょうか?12月初旬に、クリスマスの話題がそろそろ聞こえ始める。と言った感じで・・・・と、実は私のテストの方が11月下旬にあり、そちらにも熱を注がなければならないので、12月に入れば、落ち着いて執筆ができますし、いかがでしょうか?皆さんの意見待ってるぞよw
...2004/11/17(Wed) 14:50 ID:UygKl8dY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、いやー、楽しい短編でした。こういう思わせぶりなラストがいいですね。

たかさん、テストが終わってすっきりした気持ちでクリスマス編を作って下さい。来月、楽しみにしているぞよ。

yosiさん、それは面白いアイデアです。では、マサミに「律子ネエ」と呼ばせてみましょうか。

いきなり話は飛んで卒業式も終わった3月のある日。
マサミが進学のため、東京へ旅立つ日です。


「マサミが旅立つ日」

宮浦駅ホーム

律子と一緒にマサミがいる。
律子が見送りに来たのです。

マサミ「律子さん、本当にいろいろ、お世話になりました。東京で頑張ってきます。」
律子「うん・・・マサミちゃんが見つけた道だもの。いっぱい勉強して、立派になって帰ってきてね。」

電車がホームに入ってくる。

マサミ「では、行ってきます。」
律子「マサミちゃん、元気でね。休みのときは遊びに来て。」
マサミ「はい、律子さんもお元気で。」

マサミ、電車に乗り込む。
発車のベルが鳴る。
ベルが鳴り終わる。
突然、マサミが電車から飛び出して来た。

律子「!?(何が起こったのか訳がわからない)」

マサミが律子に駆け寄る(スローモーション)

マサミ「律子ネエー!!(絶叫)」

マサミは半ベソ状態で律子に抱きつく。

マサミ「律子ネエ・・・(泣きじゃくる)」
律子「・・・(マサミを抱きしめる)」

電車のドアが閉まり、ゆっくり動き出す。

マサミ「(しゃくり上げながら)律子ネエ・・・一度そう呼んでみたかったの・・・こうして抱かれて甘えてみたかった・・・(涙)」
律子「(ウルウルしながら)もうっ・・・マサミったら・・・(初めて呼び捨てにする)バカな子だね・・・電車行っちゃったじゃない・・・」
マサミ「ううん、いいの。次の電車で行くから。それまで、こうしてて・・・」
律子「(涙を流しながらマサミの頭をなでる)・・・これで、いい・・・?」
マサミ「うん・・・」

線路際

ガタン、ゴトン・・・・電車がやって来る。

若い男女が自転車に二人乗りしている。電車の姿を認めると二人乗りしたまま電車を全速力で追いかける。

約1時間後・宮浦駅ホーム

律子とマサミはベンチで次の電車を待っている。

電車が入ってくる

マサミ「じゃ、律子ネエ、今度こそ行ってきます。」
律子「今度こそ、元気でね。また電車から降りてくるなよっ!泣き虫なマ・サ・ミ(笑いながらマサミの背中を押す)」
マサミ「落ち着いたらメール送るから。」
律子「待ってるよ。楽しみにしてるから。」

マサミ、電車に乗り込む。
電車のドアが閉まる。(今度はマサミは降りてこなかった)

線路際・電車がやって来る

自転車に二人乗りしたさっきの男女がまた電車を追いかけ始める。

電車の中

マサミがふと窓に目をやると、自転車に二人乗りの男女が電車を追いかけてくるのに気付いた。二人は何か叫んでいる。

マサミ「!」

マサミは咄嗟に窓を開ける

マサミ「ケン・・・アキ・・・」

二人乗りしていたのはケンとアキだった。
ケンは必死にペダルをこいで電車を追いかける。アキはケンにしがみついている。

ケン「おーい!マサミー!元気でなー!(声の限り叫ぶ)」
アキ「マサミー!!頑張ってねー!!(絶叫する)」

マサミ「ケーン!アキー!行ってくるよー!元気でねー!(窓から手をふる)」
ケン・アキ「マサミー!(手をふる)」

電車はスピードを上げる。
ケンとアキはもう追いつけなくなる。
走り去る電車を見送る二人。

ケン「マサミのやつ、とうとう、行っちまったな」
アキ「今度帰ってきたとき、マサミはどんな顔してるかな?楽しみだね。」
ケン「それまで俺たちも頑張ろうぜ。アキ、来年は絶対合格だぞ!」
アキ「うん、これから急いで帰って勉強しなきゃ。」
ケン「よーし!シュッパーツ・シンコー!!」

ケンとアキは自転車に二人乗りして走り去る。


世界の中心で愛をさけぶ2
第二部
fin


※第三部予告編

ケン「俺、アキのお父さんを説得して、アキの家庭教師になるよ」

アキ「ケンちゃん、同級生じゃなくても・・・好きでいてね・・・」

ケン「私にアキの・・いや、アキさんの家庭教師をさせて欲しいんです」

達明「娘をよろしく頼む」
...2004/11/17(Wed) 22:33 ID:4Kn4p8go    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、ということで、マサミに「律子ネエ」と言わせてみました。ついでに律子にもマサミを呼び捨てさせてみましたけど、いかがでしょうか。

ケンとアキが電車を二度も追いかける場面はごろさんの「智世と龍之介」のラストと昔観た学園ドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」をミックスしてみました。ごろさん、参考にさせていただき、ありがとうございます。

皆さん
第二部のラストはこんな感じで締めてみたいのですが、いかがでしょう?
少しずつ未完成部分を埋めていきましょうね。
...2004/11/17(Wed) 23:11 ID:4Kn4p8go    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
こんばんは

たかさん
テスト頑張ってね。十二月、待ってますよ。

SATOさん
私は良いと思います。

皆様へ
「マサミの恋人」の感想、ありがとうございます。このスジは、けっこう妄想が膨らんでますが、これをやると本格的に「四国編」に突入しそうなので自重しておきます(苦笑)

さて、第二部終了まで、残りのシーンと、受け持ちが決まっているかどうかを確認したいのですが、いかがでしょうか。

余談ですが、1月からTBSであだち充の「H2」を実写版ドラマでやるのですが、主演・山田孝之&石原さとみ、監督は堤さんだそうです。
...2004/11/18(Thu) 00:47 ID:i/DIPMY6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
SATOさん

 追いかける立場で言えば、ドラマでの亜紀・智世・サク・ボウズ、第1部でのスケ・ボウズ、そして、第2部でのケンとアキ、同じようシーンのリフレインでいいと思います。ケンとアキは、自転車を使っている分、スケとボウズより賢かったですね(笑)
 見送られる立場としては、このシーンは、ドラマでのサクの旅立ち、第3部のyosiさんのマサミの旅立ち(これも感動的なシーンでしたね)をつなぐ効果も出していると思います。サクは孤独に、第3部のマサミはみんなに、という感じで、このシーンはその前触れっていうかんじですね。また、ケンとマサミとの関係、例えれば、裏になっていたカードがこのシーンですべて表へ返っていくという、そんな爽快感すら覚えました。第2部のラストとして、ふさわしいと思います。

朔五郎さん

 今のところ、たかさんの「カニクリームコロッケ編」、SATOさんの「律子とマサミ編」、たかさんメインの「クリスマス編」、たかさんの「不合格」、SATOさんの「マサミの旅立ち」で第2部終了、という状態ですね。
...2004/11/18(Thu) 04:16 ID:HSNLyDtE <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
たかさん
今は試験に集中して下さいね。12月からのクリスマス編を楽しみしております。お手伝い出来る所は気軽に言って下さい

SATOさん
早速『律子ネエ』を使って頂き有り難うございます、すごく良い雰囲気ですね
2部の最後のシーンにふさわしい終わり方だと思いますよ、これも読んでいて目の前に映像が出てくる様な感じでした

ごろさんへ
『アキと谷田部先生』の中でマサミが律子を呼ぶ時の呼び方などを一部修正したいと思います。決定稿を近日中にアップ致します

朔五郎さん
四国編楽しみにしていますよ(笑)

あと私のスケジュールですがSATOさんの「律子とマサミ」の料理編を書いた後はもう一度読み返してみて書けそうな所を探してみます
...2004/11/18(Thu) 09:25 ID:md0r7C4Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
yosiさんへ
四国編は、いつか書いてみたいと思います。オール映画バージョンで(笑)
札幌編で散々遊んでしまいましたので、しばらく地道にやろうと思っております(笑)

ごろさんへ
私、大変申し訳ないことに、第2部では全く流れに乗れませんでした。もし、谷間を埋めるような仕事があれば書かせて頂きますので、示していただければ幸いです。
あとは、当面、第1部で担当した部分や札幌編の見直しをしたいと思います。
...2004/11/18(Thu) 21:10 ID:bnTxlF/Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:管理人
Apo.さんの補完の投稿もあってPart2は終了しているようですので、閲覧用として過去ログに送らせてもらいました。
URLが変わっているのでお知らせしておきます。
http://www.alived.com/cgi/yyai/yyplus.cgi?mode=past_one&no=5871&pastlog=8

ではでは完成を楽しみにしています^^
...2004/11/18(Thu) 21:18 ID:fbUw60WM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、私も四国編を楽しみにしてます。思いっきり遊んで下さいな。

皆様、第二部のラストシーンを褒めていただき、ありがとうございます。
...2004/11/18(Thu) 21:25 ID:HYn4VfNI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
多少息抜き・・・

マサミの恋人「ミライ」いい味出てますねw

個人的には「カズナリ」もいいんではないかと。
モデルは、当然あの人です。気付くでしょうか??

でもここは、先に出てきた、「ミライ」がいいと思います。
...2004/11/18(Thu) 23:12 ID:GH1evFRQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
たかさん
わかりません(涙)→「カズナリ」

ごろさんへ
札幌編(その2)初恋
修正しましたので、お手すきのときにUPして頂けると幸いです。

札幌編(その2)

「そう、それを0から2πまで積分して、よし、それで正解」

「そうか・・・。やっぱりケンちゃんすごいね」

世間はゴールデンウイークの真っ最中で、ニュースでは高速道路の渋滞情報を繰り返し報道している。しかし、受験生の悲しさで、楽しいレジャーなどアキに許されるはずもなかった。

アキの部屋の前で、智世が言った。

「入るわよ」

入ってきた智世は、水ようかんと麦茶を机の上に置く。

「お疲れ様、ケンちゃん。悪いわねえ、連休なのに。ちょっと一休みして。」

「いえ、出かける予定はないし、それに、アキ、いやアキさんに合格してもらわないとオレも困るんで」

ケンが思わず本音をもらす。

「この間の模試では、成績もだいぶ良くなってきて、東京の私立ならなんとかなりそうなのよ。ケンちゃんのおかげだわ。でも、親としては、できれば家から通える宮浦大学に入ってほしいの。だから、もうちょっと面倒みてやってくれる?」

頑張ってね、と言いながら智世は出て行った。

「宮浦大は難しいからなあ。でも、私立じゃ遠恋になっちゃうし、頑張るしかないよね」

麦茶の入ったグラスを、ピン、と弾いてアキが言う。

「アキの、アキの将来のためなら、遠恋も仕方ないよ」

その言葉に、アキはケンのほうに顔を向けて言った。

「ねえ、ケンちゃん。浮気とかしてない?」

ケンは一瞬言葉を失った。背中一面に汗が出て、シャツが貼りついてくる。

「ちょっと冷静すぎるよなあ。大学にはかわいい子もいるんでしょ?」

連休が終わって、キャンパスにも賑やかさが戻ってきた。講義の後、ケンが自販機コーナーでくつろいでいると、サユリがためらいがちに近づいてきた。

「あ、あの大木君」

「おう、サユリ、久しぶり。休みの間は実家に帰ってたの?」

「そうなの。今年は桜が見られなくて淋しいな。北海道では、桜は5月に咲くのよ。今は札幌のあたり。サルルだと中旬頃かな」

二人は芝生のほうへ歩いて行った。

「あの、これ、うちの実家で製造してるものなんだけど」

「へえ、アメマスの燻製かあ」

「商売ものでごめんね。家で大木君の話をしたら、ぜひ試食してもらいたいって。よかったら、お家で味見して欲しいんだけど」

「ありがとう、親父、喜ぶと思うよ。うちは海のものだから、燻製はないんだ」

そのとき、芝生の上を走り廻っていた学生の一人が、サユリにぶつかった。その衝撃で、サユリのバッグから小さな瓶がこぼれ落ちた。

「あっ、どうしよう。ああよかった、割れないで」

「芝生の上でラッキーだったね」

サユリはケンに、少し青みがかった瓶を見せた。

「これ、サルルの砂なの」

「ふーん。大事なものなんだね、きっと」

「うん、祐平くんが札幌に出発する日に、二人で瓶に入れたの」

「初恋の思い出、だね」

「そう、初恋そのもの」

サユリは思い出を話し始めた。

「小さな町では、他に遊ぶ子もあまりいなくて、私と祐平くんは小学校の頃からいつも二人で遊んでいたの。私が小学校3年の時、浜辺にキタキツネの親子がいて、私たちは毎日会いに行った。子連れのキツネは警戒心が強くて、普通なら絶対出てこないけど、なぜか祐平くんが呼ぶと出てきたわ。手を伸ばせば届きそうなところで、子ギツネたちがじゃれあってて、祐平くんはいつも、その絵を描いて私に見せてくれた。その子たちもだんだん大きくなって、一匹ずつどこかに行ってしまったの。淋しいね、って言ってたら、何日かして、そのうちの一匹が戻ってきた。よく見ると、その子の後ろに少し小さなキツネがいたの。その子たちは、しばらく私たちのほうを見ていて、やがて、山の中に消えていったわ。私と祐平くんは、あの子は彼女を見つけたんで、見せに来てくれたんだ、きっと結婚するんだねって、話したの。祐平くんは、サユリ、ぼくたちもずっと仲良しでいようね。ぼくが二十歳になったら結婚しようって言ってくれた。小学生同士のままごとのようなおしゃべりだけど、私は今でも忘れられない」

「なにか、目に浮かぶような気がする」

「祐平くんの絵の才能は、いつの間にか有名になっていった。中学校の先生が祐平くんの絵を、札幌で開かれたコンクールに出品したら、一位になったの。祐平くんは、札幌の高校に特待生で行くことになった。祐平くんが出発する日、二人でこの砂を拾ったの」

「そうか。ほんとに大事なものなんだね」

「ごめんね、こんな話をして。聞いてくれてありがとう、じゃあ、また明日ね」

「うん」

「ほう、次の潜伏先は北海道かな?」

あっ、イヤなヤツ・・・。

「あまえ、工学部だろ?もうこっち来んなよ」

「冷たいなあ、そんな冷たい態度をとって後悔しないかな?」

「おい、シンジ。ユイはどうしたんだよ。ユイと遊んでればいいだろ?」

シンジは淋しそうな顔をした。

「ユイのヤツ、花嫁修業とかなんとか言って、料理教室とか行ってたんだけどさあ、ヒマだろ?時間つぶしにエステのお試しコースに行ったんだよ。そしたら、すっかりハマっちまってさあ、最近、全然遊んでくれないんだよ」

「そうか」

「まあ、ケンザブロウくんまで、つれない態度をとるなら仕方ない、アキのところに遊びに行こう。二人で、ケンはひどいねって・・・」

「わかった、わかったよ。今度はたこパパか?コーラもつけるよ」

「コーラ、ご冗談でしょう。ボクたちはもう大学生だよ、大人だよ。たこやきには、やっぱ冷たいビールでないかい?」

ケン、ため息をつく。

ケン、夜中にラジオをつける。

「今夜も朝までミッドナイトウエーブ。まず、リスナーのみなさんからのEメールの紹介です。静岡県にお住まいのラジオネーム、シンコさん。今日は私の元カレの話をします。彼は私を捨て、別の女に走ったのですが、そこでも浮気が発覚。その女の父親にボコボコに殴られ、意識不明・・・」

ケンはあわててラジオを切った。

(続く)
...2004/11/18(Thu) 23:38 ID:i/DIPMY6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
たかさん、私も「カズナリ」がわかりませーん!!
教えて。
...2004/11/18(Thu) 23:54 ID:HYn4VfNI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
朔五郎さん、「札幌編その2」修正UPしておきました。

皆様も修正などありましたら、お気軽にお申し付けください。
...2004/11/19(Fri) 04:48 ID:7EWt.98Y <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
1月期のドラマで共演する、嵐の「二宮和也」君ですよw

私も最初は、二宮かずや、だと思ったのですが。かずなり、だそうでして。

「ミライ」の方が先に出てきたので、やはり「ミライ」で行くべきですかね?
...2004/11/19(Fri) 15:43 ID:K9HhUYN6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
個人的には、映画で悲恋に終わったマサミとミライのラブラブが見たい気がするんですけどね。と言って朔五郎さんをソソノカス私でした。

※朔五郎さんの短編で「ハルカ」が出てきたとなると、「タカユキ」くんもどこかで出てくるんでしょうか。
...2004/11/19(Fri) 21:51 ID:6SXqO5DU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
たかさんへ
カズナリくんだと「富良野編」になってしまいますねえ(笑)

SATOさん、悪い人ですねー。書きたくなっちゃうじゃないですか(笑)
ドラマでは自転車、映画ではスクーターですが、それがそのまま作品の雰囲気に反映されているような印象です。朔五郎的には「なごみ系のドラマ」「キレとスピード感の映画」という感じでしょうか。長澤アキは、表情といい、ムードといい、まさに「小悪魔」でした(懐かしい)
...2004/11/19(Fri) 23:13 ID:v.tTD9/2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
朔五郎さん>あ・・・・すみません(笑
カズナリ君はマサミと同じ大学で、それで北海道へカズナリ君が連れてくって・・・これもどっかで見たような光景(笑

試験勉強してると、アキたちの気持ちが分かりますね。あまり長居出来ないので。今日は失礼します。

試験勉強終了後に、でわw
...2004/11/19(Fri) 23:27 ID:R6bZP8a2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編1)


2月のある日(昼食時)

マサミは受験が終わり、ホッと一息つく日々

一時期中断していた「涼風ホーム」訪問も再開し、今日は久しぶりに律子と廣瀬家を訪れました。

廣瀬家・門の前

律子とマサミを廣瀬夫婦が迎えている

律子「今日は。今日は久しぶりにマサミちゃんを連れてきました。」
マサミ「廣瀬さん、今日は。お久しぶりです」
真「やあ、マサミさん、お久しぶり。受験お疲れさま。」
綾子「本当によく頑張ったわね。ご苦労さまでした。」
マサミ「ありがとうございます。でも、合格発表がまだですから。」
真「綾子のいうとおり、あれだけ頑張ったんだ。きっといい結果が出るよ。」
律子「今日はマサミちゃんの慰労会をして下さるんですって。」
マサミ「ホントですか?ありがとうございます。でも、これで不合格だったら・・・」
真「そう、事を悪い方へ考えなさんな。まだまだ人生長いんだ。1年や2年まわり道したって・・・」
綾子「あなた、そんな縁起でもないことおっしゃらないでくださいな(苦笑)」
真「おっと、また悪い癖が出たな。いつものことだが、話が長くなっていかんな(笑)」
綾子「ごめんなさいね、マサミさん、主人ったら、あなたが来るのとっても楽しみにしてたのよ。あなたを前にすると途端にご機嫌よくなっちゃって・・・(笑)」
マサミ「わたしを待ってて下さったなんて、光栄ですわ(クスッ)」
綾子「ここで立ち話するのもなんでしょうから、お入りになって。」
律子・マサミ「おじゃまします。」

廣瀬家・食卓

カニクリームコロッケが用意されている
4人が食卓につく。

4人「いただきます」

会食が始まる

律子「綾子さん、本当においしいです。言っていただければお手伝いしましたのに。」
綾子「どうもありがとう、でもね、今日は律子さんも慰労してさしあげようと思って。だって、マサミさんのお姉さんみたいな方なんでしょ?マサミさんのこと、ご心配だったんじゃないの?」
律子「ええ、正直いうと・・・かなり心配でした(笑)わたしがホームに誘ったのがきっかけで、この子(マサミ)が介護福祉の道へ進む決心をしたものですから。でも、受験まで期間がなかったものですから、この子、相当きつかったと思います。その間、わたしはこの子をただ見守ることしか出来ませんでしたけど、とにかく頑張ってって励ましのメールを時々送ったりしました。」
マサミ「律子さん、自分の声を録音して、音声ファイルを送って下さったんですよ。それで、わたしも返事を録音して律子さんに送りました。」
律子「まるで交換日記してるみたいだったね。」
真「今は便利な世の中になったものだね」
綾子「交換日記といったらノートを渡しっこするものだと思ってたわ」
マサミ「それで、聞いて下さい、律子さんったら面白いこと吹き込んでたんですよ。」
律子「え、何だっけ?」
マサミ「ほら、律子さんの好きなものベスト5ですよ。」
律子「ちょっと、よしてよ、恥ずかしい・・・」
真「え、何だね」
綾子「聞いてみたいわ」
マサミ「律子さん、『今日はわたしの好きなものについて話します』と言って、第5位から好きなものを話はじめたんです、(律子に)あ、恥ずかしい?じゃ、途中は省略して『第一位 あの日、足が弱っている廣瀬さんに、手を貸してあげた長沢マサミ』ですって。」
律子「もう、マサミちゃんたら!(赤面している)」
マサミ「でも、わたし、それ聞いて介護福祉を目指してよかったな、頑張ろうって気持ちになれたんですよ。」
綾子「いいお話ね。マサミさんの励みになったんですもの、律子さん、恥ずかしがることないじゃない。」
真「そうだよ、手を貸してもらったわたしも同じことを言いたい気分だよ。」
律子「どうもありがとうございます。いえね、この子と話してるとわたしまで高校生に戻った気分になって、つい、悪乗りしてしまいまして・・・」
綾子「いいじゃない、気持ちが若返って。今日の律子さん、可愛らしいわよ。」
マサミ「そうですよね、さっきの恥ずかしがってる律子さん、可愛かったですよ。」

4人爆笑する。

食事が終わって居間でくつろぐ4人。

真「さっき、あなたたちが声の交換日記をやったと言ったよね。」
律子「ええ・・・」
真「実はね、うちの娘もそういうことやってたんだよ。今みたいなメールじゃないけど、カセットテープでね。」
綾子「あなた・・・」
真「いいんじゃないか、もう話しても」

これから何の話をするのか目を見合わせる律子とマサミ。

真「律子さんとマサミさんを見ていると、娘のことを想い出してしまってね。あなた方とはちょっと違うと思うが、やはりお互いに支えあって生きる相手がいたんだ。その相手は挨拶の出来ない男の子でね・・・」

真が亜紀のことを律子とマサミに語りはじめました。

(続く)
...2004/11/20(Sat) 01:54 ID:VvSca7cs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
ごろさんへ
第1部「ニューヨークへ その2」を修正しましたので、お手隙の時にUPをお願いいたします。


ニューヨークへ(その2)

アキ「そんな、いくらなんでもニューヨークなんて」

ケン「だって、アキはいつもニューヨークに住みたい、美術館巡りをしたいって言ってたじゃない。大沢先生の仲間もニューヨークで美術学校に通ってたわけだし」

アキ「だけど、行くだけで、いくらかかるの?」

ケン「よくわからないけど、かなりするだろうな。だから、まず東京に行って2人でアルバイトをしよう。そして、なるべく早く格安チケットを買って、ニューヨークへ逃げるんだ」

アキ「ここにいたんじゃ、アルバイトなんて絶対許してもらえないもんね」

ケン「それに、オレ、英会話は結構イケてるんだよね。この間も授業でほめられたし」

アキ「でも、スペクター先生って、なんか、うさん臭いような気がするんだけど・・・」

ケン「そんなことはないよ。それにオレには、バスケで磨いた身のこなしがあるから、いざとなったら、街角で大道芸でもやって稼ごうと思ってるんだ」

アキ「そこまで自信たっぷりに言われると・・・ホントに行けそうな気がしてきた」

ケン(語り)

あとで大沢先生に「バカ、なに甘いこと考えてるんだ!」と散々怒られたけど、この時は絶対行けると思っていたんだ。

アキ「ねえ、ケンちゃん。夏休み前、大沢先生と話してた時、映画の話が出たじゃない?」

ケン「ああ、オータム・イン・ニューヨーク?」

アキ「あれ、どんな映画なの?」

ケン「美しい美術学校生が、ニューヨーク中でも評判のレストランで誕生パーティを開いてもらう。その店の経営者がこれまた有名なプレイボーイなんだ。出会った2人は恋に落ちるんだけどその日は彼女にとって最後の誕生日になってしまった」

アキ(ケンの方に顔を向ける)

ケン「彼女は不治の病に冒されていたんだ。彼女は自分の運命を悟っていて、たとえ自分がいなくなっても、彼ならば、すぐに忘れて新しい相手を見つけるだろう、だから自分も相手も傷つくことはない、そう思って残された命を激しく燃やす」

アキ「ふーん」

ケン「でも、いままで一度も本気で女性を愛したことのない彼はこの恋が一生に一度のものと気付くんだ。死を覚悟している彼女に対して、愛する人のためにベストを尽くすことのどこが悪い?なんて言う。そんな彼の気持ちに応えて、彼女も彼のために生きよう、もう一度病気と闘ってみようと決心する」

アキ「そう・・・」

ケン「結局、彼女の予想は外れて、彼を深く悲しませることになった。でも、それ以上の何かを彼に遺して、彼女は死んでいった。まあ、王道というか、よくあるストーリーといえばそれまでだけどね」

アキ「ねえ、ケンちゃん」

ケン「なに?」

アキ「もし、もし映画みたいに、ニューヨークで私が死んだら、ケンちゃんは私のこと、すぐに忘れちゃう?」

ケン「ほらまた縁起の悪いことを言う」

アキ「あ、ごめんね」

ケン「アキは生命力が強そうだから、死なないと思うけど・・・でも、そんなことになったら、銀のロケットにアキの名前を彫って、その中にアキの灰を入れて、一生首にかけてくらすよ」

アキ「もう、ウソばっかり」

ケン「ウソじゃないさ」

アキ「ケンちゃん、連れて行って、ニューヨークに」

ケン(語り)

それからのぼくたちは、表面上、それまでと変わらず受験勉強をしながら、親にわからぬように、必要なものを買ったり、とりあえず行くことになる東京の情報を集めたりした。

二学期が始まった日、ぼくたちはシンジとユイを誘って、タコ焼きを食べに行った。それから四人で防波堤のところに行って、石を投げたり、大声で叫んだりした。楽しかった。でも、たぶんこんなことも最後だと思った。決行の日が近づいていた。

(続く)
...2004/11/20(Sat) 05:22 ID:juX.pDTM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさんへ
ついに、「あの話」が語られるのですね。
そそのかされて、書いてしまいました(笑)
それでは、今日、明日は「宮浦」に行ってきます(笑)


四国編(その2)

「ねえ、サク」
「その呼び方、やめろって言っただろ!」
「サクの誕生日は11月3日でしょ?」
「ああ、そうだよ」
「私の誕生日が10月28日だから、サクがこの世に生まれてから、私がいなかったことは1秒だってないんだよ」
「・・・いやあ、悪いんだけど、俺、1浪してるから、そうじゃないんだよねー、ははは」
「・・・バカ、つまんないな、もう」

昼休み、マサミが食堂に行こうとすると、ハルカが近づいて来た。
「マサミ、見て見て、夏休みにタカユキとオーストラリアに行った時の写真なんだ」
「へえ、相変わらず仲がいいわね」
「向こうは冬だったんで、ちょっと寒かったんだけど。これがケアンズ、こっちがゴールドコースト。ダイビングもイルカウオッチングも、もう最高!」
「ふーん」
「これがシドニー」
「これだけ?どこか忘れてるような気がするんだけど・・・」
「あ、ごめんごめん。もう1冊あった。これ、コアラちゃんを抱っこしてるところ。あれ、他にも見どころってあったっけ?」
「うーん、あ、ウルルだ」
「ウルルって、どこ?」
「知らないの?」
「うん。ところで、マサミはその後どうなの?ミライ君とデートしてるの?」
「ぼちぼち」
「タカユキも言ってたんだけどさあ、マサミみたいに、一見イケてる女っていうのに限って、実はウブだったりするんだよね」
「な、なによ、ちょっと失礼じゃない?」
ズバリ、痛いところを突かれて動揺するマサミ。
「ご、ごめん。そんなに怒らないでよ・・・」
どうしてだろう、ハルカにだけは負けたくない、そんな思いがマサミの胸に込み上げてくるのだった。

その日の夕方、マサミはミライとデートしていた。
「今日は、俺の知ってる店にいこうぜ」
「うん、いいよ」
ミライは「BAR・竜の髭」という店のドアを開けた。
「さあ、入って。ちわ、リュウさん」
カウンターの中では、40代後半のマスターがグラスを磨いていた。
「おお、サク、久しぶり・・・」
答えながら顔を上げたマスターは、二人の姿を見た瞬間に硬直し、手にしたグラスを床に落とした。
粉々に砕け散るグラス。
「どうしたんすか、リュウさん」
「す、すまん、サク。おまえたちの姿を見たとき、あるカップルを思いだしちまって」
「リュウさん、俺、佐久間っす。あれ、前に俺ソックリの同級生がいたとか言ってましたよね。まさか、マサミがその人の彼女に似ているとか」
「実は・・・そうなんだ。あ、おいサク、こちらのお嬢さんは?」
「あ、大学の同期で長沢まさみ、っす」
「はじめまして、長沢です。一応サクと付きあってます」
「ほう、私は大木、サクの高校の先輩です」
「あの、私ソックリだったというひと・・・」
「あ、ああ、気にせんで下さい。もう30年以上前の話だ」
「リュウさん、その同級生、今はどうしてるんすか?」
「ああ、あいつは結婚して子供もいるよ。ずっと契約社員だったんだが、何年か前に正社員になった」
「俺ソックリの男が、マサミにソックリの奥さんと暮らしているんすか?」
ミライとマサミは思わず顔を見合わせた。
「・・・いや、そうじゃない。あいつは別の女性と結婚したんだ」
「え、じゃ、私によく似たそのひとは、どうしたんですか」
目を閉じて、しばらく沈黙した後、リュウは言った。
「彼女はひとりで死んでいった・・・。1986年10月28日、台風29号が去った後に。彼女の17歳の誕生日だった」
「私と同じ誕生日・・・」
「あ、そうだ、サク。重じいな、今年いっぱいであの写真館閉めるんだと。あそこも取り壊すみたいだから、一度行ってきたらどうだ?」
「そうすね」
「帰ったらな、寺に行ってみろ。おまえ、ジョニー知ってるだろ?」
「和尚さん、すよね?」
「そうだ。あいつなら、昔の話も知っているだろう」
「ウス」
「せっかく来たんだから、まあ何か食ってけ」

「サク、故郷に帰ってくるの?」
「ああ」
「私も行っていい?」
「行くか?」
「うん」
ミライがマサミの手を引っ張り走り出す。
夜の街を疾走する二人。

海を望む石段を駆け下るミライとマサミ。
防波堤の上でミライが転倒する。
立ち上がったミライにマサミが聞く
「大丈夫?」
「あ、ああ」
「ここが木庭子町?」
「うん」

(続く)
...2004/11/20(Sat) 05:38 ID:juX.pDTM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、宮浦の感想聞かせて下さい。
その間に四国編の構想もお願いいたします。
楽しみにしてるぞよ。
...2004/11/20(Sat) 18:21 ID:VvSca7cs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
朔五郎さん

 修正しておきましたのでご確認下さい。
 もし、よろしければ「宮浦紀行」みたいなのを書いていただけれ嬉しいです。

皆様へ

 第2部は、ケンやアキの受験勉強のシーンとかも必要かなって思います。後、受験当日や卒業式などはどうしましょうか?皆さんのお考えをお聞かせ下さい。

SATOさん

 卒業式シーンとも関連がありますが、以前話題になったマサミのバイバイシーンはどうされます?「マサミの旅立ち」だけでいくか、ケンやアキに卒業式の後などにそれぞれ別れを告げ「旅立ち」へつなげるという案も考えられます。
 もし卒業式関連を書くとしたら、律子マサミ編・谷田部編に続いてマサミは忙しくなりそうですね(笑)マサミを一度でも書いてみると、もっと書いてみたいっていう気になる魅力的なキャラですね。裏主人公として、これからも活躍してほしいものです。そういう意味では、谷田部編にご登場願って良かったかなって思います。
...2004/11/21(Sun) 14:04 ID:sd7JPAmU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
ちと休憩中でっせぇ〜

卒業式ですかぁ〜最終地点は、「旅立ち」でいいんではないでしょうか?

これもそれぞれの別れって感じで。レイコたちのその後ってのも面白そうではないですか??

マサミは忙しいですね〜非常に魅力的ですが。

これからが楽しみです。
...2004/11/21(Sun) 14:22 ID:SoTkL5xU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
 たかさん、試験勉強お疲れ様です。

 最終地点は、もちろん、「旅立ち」ですが、それに至る過程として、卒業などのシーンを入れるかどうかをお聞きしたかったのです。「旅立ち」は、卒業後のシーンですから、卒業シーンの挿入も可能ですしね。
 入れるとすれば、ケンやマサミはもちろん、シンジ、ユイ、レイコなども描けば面白いかもしれませんね。マサミの場合、律子や広瀬家などともかかわりを持っているので忙しくなるかなって思ったまでです。
 もちろん、「不合格」から「旅立ち」という流れでもいいかとは思います。このへんの皆様のご意見やご提案がなかったので、あえて提示してみました。
...2004/11/21(Sun) 14:50 ID:sd7JPAmU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
これは失礼。

同世代なら、お任せあれ。と言っても皆さんの案があるなら私の出る幕はないのですが。

他の人の意見を聞きましょう。それではもう一度勉強に取り組みますので。では
...2004/11/21(Sun) 15:05 ID:SoTkL5xU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
それではSATOさんの2−33の廣瀬邸でのカニクリーム・トンカツ編を・・

綾子「今日はマサミさんもいるからちょっと説明しがらにしますね」
マサミ「有り難うございます」
綾子「マサミさんはどんなカニクリームコロッケがお好き?」
マサミ「う〜んやっぱり美味しいって言うか・・・」
困って律子の方を見るマサミ・・
律子「マサミちゃん、揚げたてのカニクリームが美味しいのは当たり前、本当に美味しいカニクリームは冷えてからもトロっとしていて美味しく食べられるのよ」
綾子「さすがに律子さんね、正解よ」
すかざずノートを広げメモをするマサミ・・・そんなマサミの姿を見ている綾子も真も笑顔でいっぱいだった。
真「さて、私は何をすればいいのかな?」
綾子「これから下準備を始めるのであなたはまだいいわよ」
真「そうか・・」ちょっぴりがっかりする真
綾子「下準備は少し時間がかかるからあなたはゆっくりしてらしてね。それじゃ律子さんマサミさん始めましょうか・・・今日はこのカニ缶を使いま〜す」
そう言ってタラバガニの缶詰を取り出す綾子。
マサミ「へ〜缶詰を使うんですか?」
綾子「そうよ、手軽にいつでも手に入るし便利なのよ・・・ただ軟骨やスジを取らないといけないのがちょっと面倒なのよ」
マサミ「なるほど・・・」
律子「ここで手を抜いてしまうとせっかくのクリーミーさが台無しになってしまうのよ」
綾子「律子さんは良く知っているのね、そうなのよマサミさん、綺麗に取らないと食べた時にガリって事になってしまうのよ」
そう良いながら綾子は手早くキッチンピンセットで丁寧に軟骨を取り除いている。その隣では律子が鮮やかな手つきでタマネギをみじん切りにしていた。
マサミ「いつ見ても律子さんの包丁さばきは見事ですね」
律子「よく切れる包丁は涙も出ないのよ」
マサミ「缶詰のカニ汁はどうするんですか?」
綾子「お!良い所に目をつけたわね・・カニ汁を入れてしまうとカニ臭さが全面に出てしまってクリームコロッケ本来のベシャメルソースの美味しさが負けてしまうのよ」
マサミ「ベシャメルソース??」
律子「ホワイトソースの事よ・・・それでは奥様タマネギを炒めて行きますね」
綾子「お願いしますね」
律子はタマネギに火が通るまで炒め白ワインを塩胡椒で味を調えた。そこに綾子が軟骨を綺麗に取り除いたカニの身を入れる。二人はあらかじめ打ち合わせてしたかの様に次々に進めていった。
律子が具材を炒めている間に綾子がベジャメルソースを作り始めた。
鍋にバター小麦粉・コーンスターチ(少量)を入れ焦がさない様になじませたら、そこに牛乳を数回に分けて入れた。火が通ってトロミが出てきたら、そこにパルメザンチーズ・生クリーム・コンソメ(少量)を加え再度加熱する。
律子「生クリームを入れるんですか・・・知らなかっわ」
綾子「そうよ、これが冷えても美味しいカニクリームコロッケの秘密なのよ」
律子「ありがとうございます、一つ良い勉強になりました」
二人の手さばき、会話について行けないマサミはひたすら真剣にノートを取っていた。
綾子「さて、そろそろ良さそうなので律子さん、その具材をいれてちょうだい」
律子「はい」
そう言って律子はフライパンの中身を火から下ろされ濡れふきんの上に置かれた鍋の中に入れた。綾子はそれを手早く混ぜると大きめのボールに移し真を呼んだ。
綾子「あなた、あら熱取りお願いね」
真「やっと私の出番だね」
真はそう言ってボウルを受け取ると団扇であおいであら熱を取って行る。
綾子「それじゃマサミさんにはキャベツの千切りをしてもらいましょうね」
ついにマサミの出番となった。緊張するマサミ・・・
マサミ「あの〜普通の千切りで良いのでしょうか?」
律子「ほ〜らそんなに緊張しないで良いのよ」
綾子「そうよ、ゆっくりでいいからね」
マサミ「はい!」
そうは言っても料理名人二人に見られてますます緊張するマサミ・・・
慣れない手つきでキャベツと格闘するマサミを見て綾子がビューワーを取り出して渡した。
綾子「マサミさんこれを使ってみて」
律子に使い方を教わってビューワーを使ってみるマサミ・・・
マサミ「これって簡単ですね」
綾子「でもこれだと、最後までは切れないからやっぱりラストは包丁に成るのよ」
マサミが切ったキャベツの千切りはどんどんボールに溜まっていった。最後に残ったキャベツを律子がリズミカルに千切りにした。ボールに水を入れ千切り終了。綾子はその間にあら熱を取り終わった具材のボールにラップをかけて冷蔵庫に入れた。
綾子「これで下準備は終わりね、少し休憩しましょうか?」
マサミ「すぐに揚げないのですか?」
律子「そうよ冷蔵庫で冷やすのよ」
マサミ「何でですか?」
綾子「それはねこのままだと柔らかすぎて俵状に出来ないのよ」
マサミ「そうなですか・・」
綾子「コーンスターチを増やせばプルルンとした食感でもっと堅くはなるけど、それでは冷えた時のクリーミーさが無くなってしまうのよ」

1時間ほど経ち綾子は冷蔵庫で冷やされたボールの中身を指で触ってみた。
綾子「これくらいで良いわね。それでは揚げ始めましょう。あなた食器ををお願いね」
律子・マサミ「は〜い」
真「大きい方のお皿で良いのかな?」
綾子「そうね、あなた2〜3枚お願いね」
綾子は大きめの鍋にサラダオイルをたっぷり入れて火をつけた。油が温まる間に3人はコロッケを俵状にするが・・・綾子と律子は簡単に形を作っていくが・・・マサミがやると手にくっついてしまいなかなかうまくいかない。
マサミ「あれ?どうして私だけくつっくのかしら?」
綾子「マサミさん手に油を塗った?」
マサミ「いえ・・油を塗るんですか?」
律子「そうよ・・ほら手を出してみて」
そう言ってマサミの手のひらにサラダオイルを少し垂らす律子。
マサミ「あ!本当だ。くっつかない」
律子は同時にトンカツの下準備もしていた。肉の上下に切れ目を入れよく叩いて肉のスジを切ってから塩胡椒をして皿に並べて行った。
綾子がカニクリームコロッケを揚げようとした時
律子「奥様、ごま油ありますか?」
綾子「有るわよ。でもなんで?」
律子「大さじ1〜2杯ごま油を足すだけで風味が増すんですよ」
綾子「へ〜そうなの?私も1つ勉強になったわ!」
綾子は具を小麦粉の上でころがし、しっかりと小麦粉を全体に付け卵の中をくぐらせた。それを2回やり最後に生パン粉を付けて油の中にいれた。
マサミ「油の温度は何度くらいなんですか?」
綾子「そうね160〜170度くらいね」
ここでもマサミはしっかりとノートに書いていた。
次に鍋からパン粉のかすをしっかり取り除いてから律子がトンカツを揚げるのだった。
律子は串の先に肉を刺すと小麦粉→卵→小麦粉→卵の順番でつけ最後に生パン粉の上に肉を置くと周りからパン粉を軽くふりかけ、そのまま油の中に入れて行った。
綾子「律子さん、パン粉はあれだけで良いの?もっと押さえないの?」
律子「そうなんです、この時に絶対に上からパン粉を押さえつけないのが、美味しいトンカツのこつなんですよ」
マサミ「律子さん、なんでですか?それじゃころもが飛んでしまう様に思えるですが・・・」
律子「平気よ、安心して見ていてね」
油の中のトンカツは最初に上下に動き次第に左右に動き出した。律子はその状態をじっと見つめていて、さっと油から上げた。
綾子「え!もういいの?」
律子「そうなんですよ、この横揺れが始まったらもうお肉に火が通った証拠ですから」
そう言って律子はまな板の上で今揚げたトンカツをカットした。中身は綺麗なピンク色をしていた。
綾子「まぁほんと美味しそう・・・」
律子「これにオーロラソースをかければ出来上がりです」
律子は手早くケチャップ・ウースターソース・マヨネーズを2:1:1の割合で混ぜ、最後にスリゴマ入れた。

廣瀬家の食卓には大きなお皿が3枚・・・
たっぷりしきつめたキャベツの上にカニクリームコロッケとトンカツが乗っていた。



長くなってしまったので料理作成編はここで終わりにします
真・綾子・律子・マサミの食べながら会話は別にてアップ致します
...2004/11/21(Sun) 15:20 ID:PLXvulxU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
ごろさん、そして皆さん、やはり卒業式のシーンは入れましょうよ。
以前、ごろさんと朔五郎さんが書かれたマサミとアキ・ケンとが仲直りする会話を卒業式の一コマとして膨らませればよろしいのではないでしょうか。(わたしはそう思ったので、二部のラストシーンをあのようにしてみました。)やはり、シンジ・ユイ・レイコもからめると楽しくなるでしょうね。
第二部では卒業式場面でシンジ・ユイ・レイコはアップということでしょうか。そして、卒業式のすぐ次の場面で私の「マサミの旅立ち」で二部を締めるのはいかがでしょう?

受験については、ケンとアキの図書館での勉強場面を続ける形でいいと思います。そして、マサミ・ユイ・シンジ・レイコをところどころに入れればどうでしょうか?(ケンとアキについてはごろさんの図書館ものを続けていただき、その他のメンバーについては、たかさん、リアルな体験をもとにやってみませんか?)

それとは別にマサミは忙しいですね。四国編では誕生日が同じ女性をめぐる旅にもなりそうですね。
私も真似して「あの歌」を作るための取材旅行などさせてみまょうか?(この時点では受験が終わって時間がありますから)律子と一緒にウルルまで行ってもらいましょうか(笑)冗談はさておき、マサミにはきちんと大沢先生・律子に挨拶させるつもりでおります。廣瀬家へも挨拶しなければなりませんね。「あの歌」はその時の置き土産ということになるのでしょうか?(自分で考えろっつーの!)
...2004/11/21(Sun) 15:30 ID:ozbi6j.E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、待ってました!
そーですか、こうするとカニクリーム〜が出来るんですね。
...2004/11/21(Sun) 15:51 ID:ozbi6j.E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
卒業式は私も有った方が良いと思います

シンジやユイ・レイコも含めてそれぞれが旅立って行くのが良いのではないでしょうか?
そのラストがSATOさんの「マサミの旅立ち」で良いと思います

>たかさん
試験頑張って下さいね

>朔五郎さん
ついに四国編突入ですね、おもいっきり遊んで下さい
楽しみに待っております

>ごろさん
確かにマサミは書いていて凄く魅力的なキャラですよね
私も書いていて実感した一人です
これからも機会を作ってはマサミを帰郷させましょうね

>SATOさん
今回廣瀬邸編を書いていて思ったのですが
今回は初めて廣瀬邸におじゃましたので普通の会話で良いのですが
これから律子・マサミが何回か廣瀬邸を訪れる時に
真・綾子が「律子さん」「マサミさん」or「マサミちゃん」と呼ぶのは問題ないとして律子・マサミが真や綾子を呼ぶのに良い呼び方はあるでしょうか?
「廣瀬のおじさま・おばさま」ではちょっと気取り過ぎみたいだし「廣瀬おじさん・廣瀬おばさん」もしっくり来ないんです
「廣瀬パパ・ママ」もいまいちだし・・どうしましょうか?
...2004/11/21(Sun) 17:17 ID:PLXvulxU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
たかさん

 皆さんのご意見や案をお聞きしたかったので。やはり卒業式は学校生活の区切りですし、挿入するっていう案も考えられるかなと思いました。どうやら皆さんもお考えだったようで、余計なお世話だったですね(笑)
たかさんにはその前に試験勉強を頑張っていただき、それが終わればクリスマス編がありますよね。期待しています。

yosiさん
 
 yosiさんが書かれた谷田部編良かったです。最後のマサミのシーン感動的でした!その裏バージョンとしてスケ・智世・ボウズをどうからめていくか責任重大です・・・。マサミは今後も活躍させたいですよね。
 うーん、確かに呼び方は難しいですね。マサミにとっては祖父母の世代ですからね。「マコっさん」「アヤさん(orアーヤ)」てのはどうでしょう?たとえば、律子とマサミの間では、いつしかそういう言い方になっていて、二人で会話しているときに真がそれを耳にして、笑いながら、そう呼んでくれていいよとか、そういう流れって不自然ですかね。他人行儀ではなく、べったりっというわけでもなくってかんじかな・・・。皆さんはどう思われますか?

SATOさん

 SATOさんもそう思われておりましたか。「旅立ち編」を読んで、そういう場面が浮かんできましたので。
 SATOさん・yosiさん案のシンジ・ユイ・レイコのアップシーン、マサミとケンとアキの別れシーン、マサミと律子のシーン、そして、旅立ちへという案、いいと思います。
...2004/11/21(Sun) 18:13 ID:sd7JPAmU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
わずかな合間を生かし、レスしますぞw

SATOさん>リアルな感覚なら任せてくださいよ。要請があるなら書きますよww

試験終了後には、皆様の期待に答えられるように頑張ります。今年のクリスマスはまた違った経験が出来るかもしれません。それでは、また休憩時間に1レスぐらい入れますね。でわノシ
...2004/11/21(Sun) 21:00 ID:CAN2eyP6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
ごろさんへ
修正UPありがとうございました。札幌編については、以前チラリと本編への挿入の可能性ということがでたと思いますので、本編との矛盾を緩和するよう(その2)を修正しました(UP済み)
サイドか本編編入かはお任せしますので、よろしくお願いいたします。

以前どなたかが「安浦はどんなイメージか」と質問されたと思いますが、亜紀に無理やりキスした、アイツそのもののイメージです(笑)

やはり、卒業式は欲しいですね。


宮浦紀行

11/20
伊豆急行線・蓮台寺駅からバスで松崎ターミナルへ。
まず、すぐ近くにある海禅寺に向かう。訪ねる人も無く、静かな境内。それにしても、寺の本当の名前を使っていたとは驚いた。
この奥の方には、松崎高校があって、ちょうど生徒達が下校してくる。男子は紺の上下。女子は上は紺でグレーのスカート。
上田薬局を捜すが、見つからない。
いよいよ、最難関「アジサイの丘」へ。雨上がりで足場が悪そうなので、車道をひたすら登る。かなり登った頃、道端の木に「ワナあり、注意」のビラが。各地で起こったクマ騒動を思い出し、背中に冷たいものが走る。しばらくして、茂みから大きな鳥が飛び出し、その音にすっかりビビッた私は、引き返してしまいました。根性のなさは大林アキそっくりです(苦笑)
さて、ときわ大橋のところまで来て、浜丁橋との間をゆっくりと往復する。ここらへん、最も頻繁に映像になった場所。そして、特別展へ。
特別展の会場は、元々、古い呉服店の店先を展示したものだが、セカ中しか見ない人も多いらしく、キビしく順路を指導されました(苦笑)
展示されていたものは、まず朔の自転車。カゴにはカバンが入っていました。自転車は意外に小さく思いました。大柄な綾瀬はるかさんが後ろに乗るのは結構キツかったのでは?密着感を演出するためにわざと小さくしたのでしょうか?
次にタコパパ関連。立て看板と赤いベンチがありました。実際にベンチに座ってきました。他には、稲代総合病院、松本写真館、宮浦高校の看板やロケ用マップ、台本等がありました。
会場をでたところは、朔が自転車で転んでウルル行きを決意した場所です。火の見櫓もすぐ近くです。
それから、上田薬局を再度探し、遂に発見。でも、どうやら平屋のようです。どうしましょう(苦笑)2016年までには、大林家には引越しをしてもらわないと(笑)その近くのパン屋さんで「朔のコロッケパン」を買いました。
タコパパになった倉庫、亜紀の葬儀会場(外観)になった造花店の前を通ります。
あらかじめ調べておいた、日没時間に合わせて堤防へ向かいます。亜紀が朔を抱きしめた場所、瀬崎神社を経て、松崎港へ。
さて、例の堤防ですが、短いです。全速まで加速し、ピタリと止まるのは至難の技だと思いますが、役者というのはやはりすごいですね。
釣り人がたくさんいて、ここでキスなんぞするのは、並外れた度胸が必要でしょう(笑)それでも、カップルが来てましたね。
あと、夕陽の中、堤防の一番端に小学生くらいの女の子が座っていて、そこに同じくらいの男の子が走って行くのを見たとき、本当にケンとアキの姿を見たような気がしましたよ(笑)
海辺のペンションに泊まったのですが、夜中に窓の外を見ると、月が出て、海の上に光の道ができていました。アキの夢の中のように。

11/21
朝イチで松本写真館になった家に行ったあと、下田駅に向かい、電車に乗る。
前面展望車の最前列に座り、目を皿のようにして熱海に向かう。
伊豆急行線に乗ってみるとわかりますが、山の中か、海際のガケみたいなところばかり走っていて、併走する道路というのが皆無に近いです。私がみたところ、蓮台寺駅付近に1か所あっただけでした。
「宮浦駅」の片瀬白田駅や、「宮浦南駅」の伊豆大川駅の付近も、線路と地面の高さが違うので、自転車で追いかけるというのはちょっとムリかも(笑)
もっとも、朔と亜紀がウルルに行く時に電車に乗った駅は別の線の伊豆長岡駅なのでこちらで撮影できるかな。行ったことないのでわかりませんが。

いずれにせよ、セカ中毒な?楽しい週末でした。
...2004/11/21(Sun) 21:40 ID:dGWVb7nI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、ごろさん
廣瀬夫婦をどう呼ぶかですが、正直、全然考えてませんでした(笑)言われてみればそうなんですよね。亜紀の同級生である智世や介あたりは「おじさん、おばさん」と呼ぶでしょうし、朔は「お父さん」と呼ぶのかな?
律子&マサミにとっての廣瀬夫婦は老人ホームで知り合ったお年寄りのOne of themだったと思います(当初は)。むしろ、真の方から二人にアプローチをかけてますからね。ちょっと考えどころですね。

私事ですが、仕事の関係で、お年寄りの方々と接する機会が多く(介護ではありませんが)、ご自宅へお邪魔することもあります。顔なじみの方からは「まま、ゆっくりしてってよ」と言われてお茶やお菓子などをご馳走になることもあります。いろいろお話をしていただけますが、人生の大先輩だとおもって有難く拝聴させていただき、気分よくなっていただいて、私の会社をもっと好きになっていただきたい、という思いがあります。でも、いくら顔なじみになっても相手の方には「○○さん」と言いますね。なので、律子&マサミも「廣瀬さん」「奥様」と呼ぶものだと思っておりました。(ある程度私の経験値で老人ホームや廣瀬家訪問を描写させていただいております。)
私と違って、律子とマサミは仕事ではなく、ボランティアですから、違う呼び方でもいいのかもしれませんね。どうなんでしょう?逆に皆様からお知恵をお借りしたいです。
...2004/11/21(Sun) 22:52 ID:nN2gFkyA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
SATOさん

 確かに通常であれば、敬意を込めて「〜さん」と言うでしょうね。むずかしいところです。私もyosiに言われるまで考えてもみなかったです。やはり、実際書いているyosiさんが違和感を覚えるということは、それだけ広瀬夫妻と律子・マサミの関係が微妙な距離にあるというところなんですね。その微妙な距離感をうまく表現できる呼び方があればいいのですが・・・。
 この問題を逆手にとれば、この微妙な距離感をマサミ自身のジレンマとして描写して、マサミの教訓というか1つのステップにするっていうのはどうでしょう?
 たとえば・・・マサミが悩んでいるので、律子が聞くと、どうやら、マサミは廣瀬夫妻のことをどう呼んでいいのか分からなくなったようである。律子はマサミに
「こういうお仕事にかかわっていて、真剣になればなほど相手が他人に思えなくなる。その気持ちは大切だわ。でも、それは心の奥底にしまっておくべきもので表に出すものではないのよ。どこかできちんと線をひくことも大事なこと。そうしないと、いつか、あなたはその気持ちに押しつぶされることになるわ。今はまだ分からないかもしれないけど・・・。」
というような趣旨のアドバイスを受ける。それでマサミも考え、あくまでも廣瀬さん・奥様っていう呼び方をするっていうのはどうでしょう?
・・・うーむ、ちょっと論点がズレてしまいましたでしょうか?難しいですよね。

朔五郎さん

 充実した休日だったようですね。うらやましいです。「宮浦紀行」興味深く読ませていただきました。お疲れのところありがとうございます。
...2004/11/21(Sun) 23:48 ID:sd7JPAmU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎様
 宮浦(松崎)のどこかですれ違っていたのですね(「ロケ地」スレのNo12参照)。まだあちこちに台風の爪痕が残っていましたが,早く復旧するといいですね。
 特別展で私が印象に残ったのは,何度も書き直されたロケ用のスケジュール表でした。東京放送のサイトの石丸日記は読んでいたものの,最初から2時半(もちろん深夜の)に出発して撮影終了が深夜の3時過ぎという超過密スケジュールを見て,改めて撮影現場の大変さを感じました。
 
...2004/11/22(Mon) 05:39 ID:Fe396cWw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
おはようございます

廣瀬夫妻の呼び名ですが・・私的にはこれから何回も律子・マサミは廣瀬邸を訪問すると考えていまして、その中で律子以上にマサミにとっては、廣瀬夫妻は料理や人生を教えてもらえる先生であり、また一緒に手品をしたり律子のピアノを聞いたり、また海岸あたりでピクニックに一緒に行ったりする家族みたいな雰囲気だと感じたんです
それでマサミは頭の良い子(笑)ですからちゃんとTPOは使い分けるとして、冗談の言える雰囲気の時に「廣瀬さん」はまぁそのままでも良いけど同姓で仲の良い綾子に対して「奥様」ではあまりに他人行儀に感じたんでこの前の発言をしました。もっとマサミには廣瀬夫妻に甘えて欲しい、有る意味孫の様な存在になって欲しいって言うのが私の本音なんです。それで呼び名ももっと何かないか考えた次第です。
まぁこれもマサミの魅力に引かれているって事でしょうね(笑)
...2004/11/22(Mon) 08:35 ID:txt4bFxk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、今晩は。
私も律子・マサミは廣瀬家へ何度も訪問すると考えていました。

ここまでを時系列で考えると、
9月下旬〜10月上旬:律子とマサミの出会い
10月:マサミが老人ホームへ初訪問
    (廣瀬真との出会い)
11月:廣瀬家初訪問
〜この間、律子・マサミは何度も廣瀬家を訪問する〜
1月:マサミは受験専念のため、廣瀬家訪問を中断する(ホームのボランティアも中断)
2月:受験が終わり、マサミが久しぶりに廣瀬家を訪問する
   (ホームのボランティアも復活)
   廣瀬亜紀についての告白

ということになりましょうか。

私も廣瀬夫妻との距離は縮まっていると思いまして、2月の訪問再会時に律子との交換日記のことをマサミに喋ってもらったのです。(ある意味暴露ですよね。気を許せる相手でなければ、二人の秘密の交換日記のことなど他人に言いませんから)
真も二人との距離が縮まったと感じてついポロっと朔と亜紀の話をしてしまう、という流れにしてみました。
呼び方なんですが、真は「廣瀬さん」、綾子は「綾子おばさん」あるいは「綾子さん」と呼ばせてみたらいかがでしょうか?
yosiさん、皆様、いかがでしょう?

追伸1
マサミを見た真の心理状態ですが、私の考えでは、
@宮浦高校と聞いて亜紀のずっと後輩だと気付く
A亜紀はこのくらいの年頃で亡くなったんだ、と思う
B文面には出ていませんが、陸上部・成績優秀と聞いて(雑談中にそんな話が出ると思います)亜紀との共通点が多いと思う
C律子に甘えるマサミを見て、朔を心の拠り所としていた亜紀と重なって見える
Dそんなこんなで姿形は全然違うが、娘が帰ってきたような錯覚を覚える
Eそして、マサミを前にするとご機嫌が良くなる
という感じです。ご参考まで。

追伸2
yosiさん
廣瀬夫妻とのピクニックですが、卒業式直前のエピソードとしたらいかがでしょう?この頃になれば暖かくなるし、絶好の日和だと思います。そして、廣瀬夫妻と楽しい想い出を作って笑ってお別れ・・・(真の告白と「あの歌」披露の場面は涙・涙・・・になりそうなので)場所は宮浦の海岸で、カニクリーム〜のお弁当を持ってがいいかな?
...2004/11/22(Mon) 23:51 ID:Qw4seQ2Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
にわかマニアさんへ
ほんとに偶然ですね。私も特別展のスケジュール表や、出番表などは、興味深く眺めました。あれ、どこかに常設してほしいですね。

SATOさんへ
いい流れですね。真が喜ぶ姿が目に浮かぶようです。
でも、東京に彼氏ができちゃうと、帰郷が減るかも。マズいことしましたかねえ(苦笑)

四国編は頭の中ではできあがりましたが、「廣瀬亜紀」「松本朔太郎」の名前を使えないのは結構難しいです(苦笑)
...2004/11/23(Tue) 11:19 ID:U41Q0qzc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん
昨日書くのを忘れてましたが、私もマサミを廣瀬夫妻に孫のように甘えさせてあげたいな、と思います。
今考え中なのは、真の告白(朔と亜紀の話)に対する律子とマサミのリアクションはどうしようかと思ってましてね。それを受けて「あの歌」を二人で作ることにしてるんですが(この話の中では作詞:マサミ、作曲:律子とする予定です)、エピソード的にはやや重たくなりそうです。
それで、yosiさんにお願いなのですが、ピクニックに行く等、楽しいエピソードを書いていただき、マサミを思い切り廣瀬夫妻に甘えさせていただけないでしょうか?(「あの歌」披露で廣瀬夫妻との絆が強まったと想定しましょう)そして、パッと明るくマサミと廣瀬夫妻をお別れさせてあげていただけませんでしょうか?そのお別れ場面でyosiさんの考える呼び方で廣瀬夫婦を呼ばせてあげると素敵になりそうですが。いかがでしょう?

朔五郎さん
それなら、東京のサクくんを無理やり宮浦まで連れてくればいいじゃないですか(笑)サクくんを前にしたマサミは結構強引なことしてますからね。
「わたしの彼氏のサクでーす」なんて紹介したら廣瀬夫妻はどんな反応するでしょうね(笑)
...2004/11/23(Tue) 12:43 ID:KqwtaXfM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
>SATOさん
了解です
最初の廣瀬邸での会話が終わりましたら
ピクニック編を考えてみますね

現在単身赴任中なので家と会社にはパソコンが有るので
書くことができますが・・・単身寮にはパソコンが無いのですよ
でもやっと会社の古いのが借りられそうなので少しは書く時間が増えそうです(ネットは無理ですが・・・)
...2004/11/23(Tue) 13:48 ID:HJ0VKy1E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
息抜きです。いよいよ試験も明後日・・・・一息ついたらまた開始しますw

朔五郎さん>宮浦紀行楽しく読ませていただきました。私も行ってみたいなぁ〜。

テスト勉強しつつも、頭のどこかでクリスマス編の案を考えちゃったりしてます(笑

クリスマス&年越しも行っちゃおうかとも思っておりまして。少しでしゃばりすぎかな?皆さんの意見も聞きたいですし、相談等々もしたいので、テスト終了後に新たな気分で執筆しますね。では、いつも暖かい声援ありがとうございます。
...2004/11/23(Tue) 18:26 ID:KHmJJKIM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
たかさん

 そうですね。「クリスマス&年越し編」と枠を広げてもいいと思います。
 大晦日はSATOさんが以前書かれた架空のレコード大賞や紅白が流れているっていう設定も面白いかも(笑)
...2004/11/23(Tue) 19:17 ID:b9EEfu12 <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎様
 >「廣瀬亜紀」「松本朔太郎」の名前を使えないのは結構難しいです。
 一つ,解決法がない訳ではありません。もともと,このストーリーの発端は,演劇部に入ったマサミが公演の台本を読んでいる場面でしたね。それも,「あなたと過ごした永遠の何分の一かが私の生涯の宝物です」という例のセリフ入りで。
 そこで,「朔太郎と亜紀の物語」を演劇部が上演するということにすれば,堂々と2人の名前を使うことができます。舞台上演だけでなく,映画制作にも挑戦する演劇部ということにして,四国ロケをやったという設定にすれば,四国編に持ってきても矛盾は回避できるのではないでしょうか。
 あと,演劇部専属の台本書きに「キョーイチ」というのがいて,「朔太郎と亜紀の物語」がコンクールに入選して新進の学生作家として注目を集めるという設定も考えられます。

 SATO様
 廣瀬・父のマサミに対する思いですが,「娘が帰ってきたような」感じと同時に,もう一つ追加として,「亜紀が生きていたら,これくらいの孫がいた」という感覚もあるかもしれません。何と言っても,この「続編」は,サクとその親友たちの子供たちの世代の物語なのですから。
 でも,マサミの彼氏も,廣瀬・父から「まずあいさつをしなさい」ってやられるのでしょうか。正直に白状すると,「そっちこそ,人にお説教を垂れるなら,その前に自分からあいさつしなさい」と切り返すような鼻っ柱の強いキャラにどこかで登場して欲しいという気もあるのですが・・・。

 あと,これは悪ノリついでの冗談です。
 想定配役付きの「続編」に,その俳優を想起させるような人物まで登場してきました。それで,ついでにもう一人,マネージャー役で「イシマル」ってのを登場させませんか。部費でウルルに海外出張して,ちゃっかり画面にまで登場するキャラとして・・・

 なお,この最後の数行はフィクションであり,実在する某東京放送の某プロデューサーとは何の関係もありません。
...2004/11/23(Tue) 20:56 ID:CCsypI.2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
にわかマニアさん
お見事!このシリーズの最後は「劇中劇」になります。
...2004/11/23(Tue) 21:15 ID:U41Q0qzc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
にわかマニアさんに座布団10枚!
あと、確かに亜紀が生きていればマサミくらいの年頃の孫がいたはずですね。

朔五郎さん、そうするとミライは無理矢理演劇部に入部させられて、マサミの相手役をやるということでしょうか(笑)
...2004/11/23(Tue) 21:40 ID:ZBL9Ze4I    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさん
お見事です!ちなみに、本来マサミの相手役はタカユキくん(演劇部員)でした。公演の当日、ハルカが半狂乱になります。いったい何がおこるのでしょう(笑)

いや、ハルカと一緒にというほうが面白いかな。
...2004/11/23(Tue) 21:49 ID:U41Q0qzc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-61の続きです。

四国編(その3)

青い海、青い空・・・
二人は防波堤に座っていた。
「気持ちいい・・・。私が育ったのも港町だから、海って大好き」
「マサミぃーーーーー」
「サ、クぅーーーーー」
「ははははは・・・」
「そうだ、まだまだ私のことを知らない君に、今日は自己紹介してみようと思います。誕生日は1998年、10月28日生まれのさそり座」
「1997年、11月3日生まれのさそり座」
「好きな色は・・・オリーブの緑、森の緑」
「好きな色?うーん青」
「好きな食べ物・・・カニクリームコロッケ・・・たこ焼き・・・メイプルシロップ・・・のりにお醤油をつけて食べる白いご飯・・・」
「餃子・・・宇治金時・・・チンジャオロース・・・」
「いいわよ、気を遣わなくても。好きなモノ・・・料理・・・夏の麦茶・・・白のワンピース・・・表参道の美容室の匂い・・・」
「ジャグジー・・・冬のクワガタ虫・・・ペットボトルのフタ・・・講義終了のチャイム・・・」
「好きな映画・・・イマアイ・・・スウィングガールズ・・・オータム・イン・ニューヨーク・・・」
「華氏911・・・ハウルの動く城・・・雨鱒の川・・・」
「雨鱒の川?ふーん、ああいうタイプが好みなんだ・・・私より、ハルカのほうがイメージ近いよね?」
「い、いや、そういうわけじゃ・・・もう、そんなツッコむなよ」
「なーんとなく、面白くないなーーー」
「はあ・・・。そうだ、俺んち行こうぜ。バイクもあるし」

マサミを連れて、ミライは実家に帰ってきた。
居間では、ミライの母・文子と姉・千恵子が話をしていた。
「あら、ミライ」
母の声に振り向きもせず、二階に直行するミライ。
自分の部屋の机の引き出しをゴソゴソさがす。
「あった」
バイクのキーを見つけ、ミライはほっとした笑みを浮かべた。
「お母さん、お母さん」
「どうしたの、千恵子」
「あの女、だれ?もしかして、ミライのコレかな?え、でも何しに来たんだろ?」
「そうね・・・」
「わかった、きっと、できちゃったんだ・・・それで慰謝料とか要求しようと思って・・・」
「ば、ばかなこと言うんじゃないよ。ミライ、ねえ、ミライ・・・」
ミライは無言のまま出て行こうとする。
「ちょっと待ちなさい。なによ、急に帰って来ちゃって。大学はどうしたのよ」
「ちょっと、サボリ」
「しょうがないわね・・・。ね、あのお嬢さん、どなた」
「あ、マサミ。今、付き合ってんだ」
「ねえ、もしかして、できちゃったの?」
千恵子がズバリと聞く。
「いや、全然」
「じゃ、どうして・・・」
「あいつが、俺の故郷見たいっていうからさ・・・」
「それで連れて来ちゃったの?」
「ああ」
「まあ、とにかく上がってもらって」
「マサミ、ちょっと上がって」

文子はやや緊張気味に口を開いた。
「ミライの母の文子です。ミライがいつもお世話になっています」
マサミは微笑みながら言った。
「初めまして、長沢まさみと申します。佐久間君とは大学の同期で、いつもバイクで駅まで送ってもらったり、とてもお世話になっています」
マサミの爽やかで美しい笑顔を見て、文子はすっかり気に入ってしまった。
「まあ、マサミさんみたいな人がミライとお付き合いしてくれるなんて。いえ、実はミライは高校時代まで、あんまり女の子と付き合ったことなかったみたいだから、東京に行く時ちょっと心配だったのよ。でも安心したわ」
「佐久間君の故郷が見たくて、無理を言って連れて来てもらいました。突然お邪魔しまして申し訳ありません」
「いえいえ、あなたのような人なら、いつでも大歓迎よ」
「お茶どうぞ」
千恵子がお茶とお菓子を持ってきた。
「ねえ、ミライ、どうやってだましたのよ?」
「な、なんだよ、それ」
「だって、普通に考えたらアンタみたいなのに、こんな可愛い彼女ができるわけないでしょ?」
「いえ、実は私の方から話しかけました。佐久間君とお話してみたいとずっと思っていたんです」
「へえ、そんなこともあるんだ」
「マサミさん、今夜はどこにお泊りかしら?」
「はい、駅前に小さな旅館があったので、あそこに泊まろうと思います」
「だめよ、あそこはあんまりきれいじゃないと言ってたわ。うちに泊まって行きなさいよ、ね、マサミさん」
「ありがとうございます。でも、初めてうかがったお家に泊めて頂くのは、図々しいと思いますので・・・」
「いいのよ、あなたはもう家族みたいなものよ。うちの人にも会って欲しいし」
もう、すっかりその気になっている文子だった。
「千恵子、悪いけど、お客様用のお布団出しておいて」
「はーい」
「申し訳ありません」
「じゃ、俺たち、ちょっと寺に行ってくるわ。和尚さんに聞きたいことがあるんだ」
「夕飯はうちで食べてね」
「ああ」
「マサミさん、行ってらっしゃい」
「はい、行ってまいります」

「これ、高校まで乗ってたバイク。かかるかな」
ドルルルル・・・・
「ラッキー」
「わあ、年代ものね」
「さて、行くか」

「なあ、マサミ。なんかさあ、お袋と話してる時、普段と違ったんじゃない?」
「フフッ、そうかしら」
ミライの背中にしがみつくマサミ。
「おい、あんま、ひっつくなって」
「フフフッ、もう離れないよ」

(続く)
...2004/11/24(Wed) 00:40 ID:sIpEvxPM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:グーテンベルク
 こんばんわ。グーテンベルクです。初めてこのスレットに書き込みします。第二世代の亜紀たちが大活躍ですね。かなりの長編でまだ読み終わっておりませんが、とてもいい物語ですね。完成まで頑張ってください。応援しております。また書き込みする予定です。どうかよろしくお願いします。
         グーテンベルク
...2004/11/24(Wed) 23:02 ID:4yBzgBlY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
グーテンベルクさん、いらっしゃい。お互いに楽しく物語を作っていきましょう。

今日、スポーツクラブでリラクゼーションのレッスンを受けてきたのですが、BGMに「朔と亜紀」が使われていました。思わずウフフ・・・となりました。あの曲はテンポがゆっくり目で癒し効果がありますね。寝る前のストレッチやる時にかけると良いかも知れません。
...2004/11/24(Wed) 23:24 ID:bkKvjALI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 SATO様
 BGMに思わず「ウフフ・・・」ですか・・・
 あのサントラ版の収録曲の数々が流れてくると,思わず「この番組は○○の提供で・・・」と語りを入れたくなったり,「助けて下さい」と叫びたい衝動にかられてしまう私って,中毒症としては重症なのでしょうか。
...2004/11/24(Wed) 23:45 ID:4/V1juZ6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
グーテンベルクさん
いらっしゃい。そもそも、このストーリーを始めたきっかけは、最終回のエンディングのところで、智世の娘「亜紀」が出てきて、次に介の船に乗っている男の子が出てきました。で、その直後、その船の中に、夢島で眠っている朔と亜紀の写真が飾ってあるのが映ったんです。何か、その写真は、この2人の子供の運命を暗示しているような妄想にとりつかれまして(苦笑)つまり、この子供たちは、やがて朔と亜紀のように恋におちるのだと。
みなさんと議論したりしながらここまで来ることができました。グーテンベルクさんもお手隙の時があったら、ご寄稿ください。

SATOさん、にわかマニアさんへ
私はひとりで運転する時は「朔と亜紀」を「リピートで」聞いています。時にリラックスしすぎて危険です。でも、クライマックスの部分では空港のシーンを思い出して目が覚めます。もう、末期症状です(笑)
...2004/11/25(Thu) 00:05 ID:lWeXj/C2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
ごろさんへ
札幌編(その9)を一部修正しました。お手数ですが、お手すきのときにUPして頂きたいとおもいます。お願い致します。


札幌編(その9)

祐平が、幼い日のことを振り返る。
「俺は、いつだってサユリと一緒だった。俺が子ギツネの絵を描いて、サユリが花の絵を描いて。スケッチブックを見せ合いっこして。楽しかったなあ。何も気にせず笑ってた。でも、ある時気が付いた。いつもちょっとだけ、サユリのほうが上手いんだ。理由はよくわからないけど、サユリにはかなわないと思った」
「先生は祐平くんのほうが上手いと言ってたわ」
「そうだったな。だけど、それは表面しか見ていなかったからさ。サユリの絵には生命の鼓動みたいなものが感じられた。そして、あの日、俺は見てしまったんだ」
「何を?」
「あの桜が満開になった日、六年生になったサユリはその下に立って、俺のほうを見ていた。サユリの肩や髪に花びらが、はらはらと舞い降りた。薄い雲の間から陽が差して、サユリに当たった。俺の目には、サユリが神の祝福を受けたように見えた。『美しいハルニレの木・ハルニレ姫の上に雷神が落ちて、人間の祖先アイヌラックルが生まれた』そんなアイヌの伝説を思い出させるような光景だった」
祐平は話を続けた。
「サユリは選ばれたんだ、人間の力など及ばない大きなものに。俺はその時、そう思ったんだ。サユリの才能はいつか花を開く。もう俺はサユリに追いつくことなどできはしないと」
「祐平くん・・・」
「サユリはあの頃、物語のようなものを創っていた。人間の祖先を生みだした大きなハルニレの木。四季おりおり、その木の周りに人間や動物や花が集まって、仲良く暮らしている、という話だった」
「そう、私は、あの物語で、生きるものが生きている理由を描きたかった。生命が弾けて、輝いて、生きる歓びがあふれるような、そんな物語を」
「俺は正直いって参った。物語も絵も、俺なんかには絶対創れないものだった。これはひょっとして、とんでもない作品になるぞ。サユリはもっともっと広い世界に出て行くに違いない。うれしくもあったし、淋しくもあった。そして嫉妬も感じていた。そんな時、中学校の先生から言われた。お前の絵を札幌のコンクールに出したら一位になった。札幌の有名な高校から美術の推薦で来ないかという話があると」
「あの時は、私もうれしかったわ」
「でも俺は取り返しのつかないことをしてしまった。俺は将来有名な画家になる。だから、サユリの持っている分の才能まで俺にくれと言った。もちろん、冗談だった」
「私は、できることならそうしてあげたいと思った」
「サユリは俺のために祈ってくれた。毎日、毎日、海に向かって。自分に与えられたものまで、全部祐平にあげてくださいと。それを証明するかのように、絵を描くのを止めてしまった」
「それが、私の願いだったの」

「札幌の高校に入ってからしばらくして、サユリが、あの物語を描いたスケッチブックまで燃やしてしまったことを知った。俺は目の前が暗くなった。思うような絵なんか一枚も描けない。美術の推薦で入学した俺はだんだん学校にも居づらくなった。俺は何のためにここに来たのか。ただサユリの足を引っ張るためか?そんな時、三年生で美術部の部長だった奈津実が俺を呼び止めた」
「気になって仕方がなかったの」
「俺は奈津実にすべてを話した。この高校も中退するつもりだと。聞き終わった奈津実は、机を、バン、と叩いて言った。恥ずかしくないの、玉木君?それじゃ、サユリさんがあまりにもかわいそうじゃない。故郷のことを思い出してその風景を描きなさい。サユリさんが観ていると思って」
「あの頃の祐平は暗い目をしていた」
「奈津実は卒業後、実家のフラワーショップを手伝いながら、アレンジメントの学校に通った。俺はただ、サルルの風景を描き続けた。でも罪悪感から、サルルには一度も帰れなかった」
「私は祐平に言った。いつかサユリさんが会いに来てくれるかもしれない。その時恥ずかしくないような絵を描いてと。祐平は、故郷でサユリさんに絵を観てもらった時の楽しさを思い出したようだった。そして、あの桜の木の絵が完成した。美しく咲き誇る桜はサユリそのものだと祐平は言った。私は、あの絵をサユリさんに観て欲しいと心から思った。たとえ、それが祐平との別れの時になったとしても。サユリさんを思って描き続ける祐平を、私はいつか愛し始めていた」
「桜の木が描けた頃から、すこしづつ絵が売れるようになった。だけど、俺には分かっていた。俺の才能など、サユリの手のひらからこぼれ落ちたものが、ほんのひとしずく振りかかったようなものだということを。そんなおこぼれに縋って俺は今日も生きている。俺のために失われてしまったものの大きさを、今も感じ続けている」
「私は独立して二号店を出すことになった。祐平の絵がもっと人の目に触れるように、店の中に飾ることにした。でも、生花との相乗効果で、予想以上のお店になったわ」

奈津実は祐平に言った。
「祐平、良かったね、サユリさんが来てくれて。婚約は解消しよう。あの桜の絵を持って故郷に帰って」
祐平はゆっくりと首を振った。
「俺は帰れない。サユリ、俺は奈津実とここで生きていく」
サユリは笑って答えた。
「当たり前よ。私だってこれから新しい出会いがあるだろうし。残念ながら、ここにいる大木君はかわいい彼女がいるみたいだからダメだけれど」
「お、おい、サユリ」
「祐平くん、観て、昔のスケッチブック。1冊だけ残ってたの」
「ああ、ハマナスの花だね。懐かしいな・・・あれ、このアジサイは新しい絵だね」
「そう、大学の構内に咲いていたの。この花の前を通るたびに話しかけられるような気がした」
「そうか・・・俺はこんなこと言える立場じゃないけど・・・もしかしたらサユリと同じような人がいたのかもしれないね。夢と才能を持ちながら途中までしか行けなかった人が。もし、サユリがあの物語を絵本にでもしていれば、きっと立派な作品になっただろう」
「私には・・・もう創れないわ」
ケンがつぶやく。
「絵本、か」
「大木君?」
「いや、三十年前に十七歳で亡くなったひとが遺した、手作りの絵本を観たことがあるんだ」
「どんな絵本だったの?」
「サユリの創った物語とは違っていた。そのひとは絵本の編集者になるのが夢だったんだ。でも、十七歳の時に白血病で亡くなってしまったんだ。残された時間と、愛する人への思いのすべてを凝縮して、その絵本を創った。自分が死んでいくのには理由がある。これからは私はあなたの中にいる。だから、生きていくあなたは、頑張って人生を走りぬいて欲しい。そんな話だったと思う」
「そう・・・」

「サユリ、あの桜の絵を受け取ってくれ。サルルに送るから」
サユリは首を振った。
「私は満開の桜にはなれなかった。あの絵はここに飾っておいて。いつかきっと夢を咲かせる人が生まれてくるわ。その人が、あの物語を完成させてくれるような気がするから。ねえ、祐平くん、私、このハマナスの絵が欲しいな。やっぱり祐平くんと浜辺で遊んだあの思い出が一番大事なの」

奈津実が言う。
「桜の花には、こんな詩があるわ」
 
 だれ?
 二部咲きの桜の下で
 ピッコロを吹くのは
 (・・・・・・)

 だれ?
 五部咲きの桜の下で
 クラリネットを吹くのは
 (・・・・・・・・)

 だれ? だれ?
 満開の桜の下で
 シンバルを打つのは
 (・・・・・・・・・・)

「そして最後に、こう続くの」

 だれ? ねえ だれ?
 花吹雪にまかれて
 行方をくらましたのは
 (・・・・・・・・・・・・)

ふと、ケンは思う。
(アキは松本先生の家で「ソラノウタ」に出会い、オレはサユリに出会った。サユリの創っていた未完成の物語。アキは絵本に興味を持ち始めている。なんだか不思議な気がする)
ケンはもう一度桜の絵を見る。
その時、ケンの脳裏には、アキの描いた数々の抽象画がゆっくりと融けあい、別のものを形づくる情景が浮かんでいた。

         ※詩の引用  問い(水野るりこ)
(続く)
...2004/11/25(Thu) 05:36 ID:PvSh0T4I    

             Re:四国と北海道  Name:にわかマニア
 第二世代による「続編」も,ますます熱が入ってきました。「雨鱒」の舞台を想起させる北海道編に続いて,四国編の会話の中でも,「好きな映画」問答に「雨鱒」の登場ですが,子どもが川遊びする雄大な自然そのものも「主役」だからということで,舞台を原作の東北から北海道に移したそうです。
 そう言えば,四国にも名作の舞台となった自然豊かな川がありましたね。四万十川が。ひとつ,四国編で四万十川まで足を伸ばさせますか。あるいは,飛び入りで「ササヤマキューゾー」がやってきて,四万十川にみんなを案内するとか・・・
 ちょっと悪ノリが過ぎましたかね。
...2004/11/25(Thu) 17:25 ID:IR4fo.Vk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
みなさん、こんばんは

綾瀬はるか情報
今日の日刊スポーツに、お父さんのことを語った記事がありました。お父さんは、脱サラで、農業を始めたそうで、一家そろって農作業をしたこともあったそうです。優しい人で、廣瀬亜紀役でやつれていった時には、「つらくて見られん」と黙りこくって泣いていたそうです。人柄がしのばれて、思わず微笑んでしまいました。

長澤まさみ情報
B.L.T.1月号に写真が載っています。髪も戻って、いい感じになってます。1月からのドラマが本当に楽しみです。2005年は大ブレイクの予感が。
...2004/11/25(Thu) 21:30 ID:PvSh0T4I    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:グーテンベルク
SATO様、朔五郎様へ
歓迎の言葉をいただきましてありがとうございます。ドラマ世界の中心で愛をさけぶが終了した後に誕生した 世界の中心で愛をさけぶ2。廣瀬亜紀の言葉「何かを失うことは何かを得ること」を思い出しました。すばらしいドラマが終了してそれにより生まれたこれもまた素晴らしいセカチュー2。これからも応援させていただきます。お互いに読者の心に残る作品を作れるようにがんばりましょう。これからもよろしくお願いします。
 それと、私は仕事から帰ったらいつもサントラで「朔と亜紀」を聞いております。あれは名曲ですね。
      グーテンベルク
...2004/11/25(Thu) 22:24 ID:1FBoYe1.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
ごろさんへ
修正分のUP、ありがとうございました。

この前「宮浦」に行ってきたときに見た光景からの連想です。

ある日の夕暮れ時、智世は久しぶりに堤防のところにやってきた。
朔・・・ボウズ・・・介・・・亜紀・・・
あそこに上がって、いろいろなことを見たね。楽しかったね・・・
智世の目に、小さな女の子を連れた若い母親の姿が映った。
女の子は、堤防の急な斜面を這って登ろうとしている。母親は、女の子の後ろについて声をかける。
「ほら、頑張って。自分の力で登ってごらん」
女の子はいつも、もう少しで上に着くというところで進めなくなってしまう。そんなことを何度も繰り返していた。
「私もアキが小さい頃、あんなことをやったなあ・・・」
アキが小学校に上がる前は、一日中、薬局の中にアキを座らせて、おしゃべりして過ごした。あどけないアキの笑顔を見ていると、自分の人生の選択は間違いではなかったと実感できた。
「おかあさん、どうしてうちには、お客さんがあんまり来ないの?」
痛いことをズバリと聞かれて苦笑いしたこともあったっけ。でも、アキが、自分の娘が、愛しくて愛しくてたまらなかった。あの頃は、アキが自分から離れて行くなんて考えたこともなかった。アキはいつまでも自分のそばにいて、この店も継いでくれる。自分が築いてきた、ささやかな幸せを、アキもまた受け継いでくれるものと思い込んでいた・・・。
再び、母娘に目をやると女の子はまた、途中で止まってしまっていた。救いを求めるように母親の方を見ている。母は、優しく娘を抱き上げて言った。
「よく頑張ったね。また、今度にしようね」
夕陽の中、去っていく母子を見ながら智世は思う。
あの小さな女の子にとって、堤防の斜面は、超えることの出来ない壁になっている。でも、あの子はいつか堤防の上に立って、それまで見ることの出来なかった世界を見るだろう。
「私だって、いつもアキに言ってた。自分の力で登りなさいって・・・」
私は、今まで間違っていたのだろうか。自分の力で前に進もうとする娘を、もう止めることはできない。
アキはいつか、自分から離れていくだろう。店を継ぐとかの問題じゃない。自分で考え、一緒に歩く相手を自分で選び、強く手を握り合ってどこまでも歩いていく。でもそれは自然なことなんだ。
頭の中ではわかっている。しかし、アキが離れていったあとのことを考えると、耐え切れない淋しさが襲ってくる。
夕闇に押しつぶされそうになりながら、智世は店に戻っていった。
...2004/11/26(Fri) 01:56 ID:hwNqDcfo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
祝・テスト終了w

BLT1月号は購入しましたぁ。かわいかったですねぇ、まさみさん。


これでようやく執筆ができますぞぉ。バリバリ頑張ります。皆様も是非ご協力ください。
...2004/11/26(Fri) 11:59 ID:fWORKEsQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
たかさん、お帰りなさい。

クリスマス編、待ってますよ。
...2004/11/26(Fri) 23:54 ID:hwNqDcfo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
たかさん、お帰りなさい。

クリスマス編のついでに年越し編も楽しみにしてます。私の妄想「レコ大」「紅白」も必要に応じて使って下さい。
(柴咲さんが紅白辞退したので本当に妄想になってしまいました)


日本レコード大賞会場にて

男性司会(マチャアキかな?):今年、人々の心に生きること・人を愛することの大切さを教えてくれたひとつの作品がありました。
女性司会(女優?局アナ?):映画館での上映に続き、7月から9月までテレビ放送された「世界の中心で、愛をさけぶ」。この作品は私たちが忘れていたものを思い出させてくれました。
男性司会:曲の紹介はこの方にお願いいたしましょう!ヒロインを演じた、綾瀬はるかさんです!

はるかちゃん登場。セーラー服にポニーテールで、まさに廣瀬亜紀として登場です。手には「ソラノウタ」を持っています。

はるかちゃん:生きていくあなたへ(ソラノウタの朗読を始める。BGMは「朔と亜紀」)
もしもおまえが 枯葉ってなんの役にたつのってきいたなら、わたしは答えるだろう
病んだ土を肥やすんだと

おまえは聞く 冬はなぜ必要なの?
するとわたしは答えるだろう
新しい葉を生み出すためさ

おまえは聞く 葉っぱはなんであんなに緑なの?
そこでわたしは答える 
なぜって、やつらは命の力にあふれているからだ

おまえはまた聞く 夏が終わらなきゃいけないわけは?
わたしは答える
葉っぱどもがみんな死んで行けるようにさ

おまえは最後に聞く 隣のあの子はどこに行ったの?
するとわたしは答えるだろう
もう見えないよ 
なぜならおまえの中にいるからさ
おまえの脚はあの子の脚だ

がんばれ(ホイッスルを鳴らす)

「かたちあるもの」のイントロが流れる

はるかちゃん:柴咲コウさん「かたちあるもの」

(コウさんが歌い始める)
夜空に消えてく星の声 はかなく光る鈍色の月 ♪


紅白歌合戦会場

総合司会:今年、生きることの喜び、そして、人を愛することの大切さを私たちに教えてくれた作品がありました。ひとつは「冬のソナタ」、そしてもうひとつ素晴らしい作品がありました。

応援ゲストの山田孝之君(サク)・本仮屋ユイカちゃん(智世)、そして出場者の柴咲コウさん(映画の律子・テレビ主題歌)・平井堅さん(映画主題歌)が入場。
4人が並ぶ(左からユイカちゃん・コウさん・堅さん・山田君)

山田君:今も、世界のいろいろな場所で、人々が傷つけあい、亡くなっています。
ユイカちゃん:生きたくても生きることが出来ない。何て悲しいことでしょう。
コウさん:私たちは、何かとても大切なものを忘れてしまっているのではないでしょうか?
堅さん:それは、人を信じる心、そして、愛する心。
山田君:私たちは
ユイカちゃん:この作品と出会うことによって
コウさん:忘れかけていたものを
堅さん:思い出すことが出来ました。
4人一緒に:世界の中心で、愛をさけぶ

−「かたちあるもの」のイントロ−

ユイカちゃん:亜紀からサクへ、柴咲コウさん「かたちあるもの」

「かたちあるもの」を柴咲さんが歌う

−「瞳を閉じて」のイントロ−

山田君:サクから亜紀へ、平井堅さん「瞳を閉じて」

平井堅さんが「瞳を閉じて」を歌う

歌が終わる

総合司会:素晴らしいステージ、どうもありがとうございました。特別審査員席の片山恭一さん、いかがでしたか?

片山さん:いやー、柴咲さんも平井さんも歌が素晴らしくて甲乙つけがたいです。感動しました、どうもありがとうございました。

総合司会:それではもう一度、4人の方に盛大な拍手をお願いいたします!


にわかマニアさんの許可があれば、「行く年来る年」のウルルからの生中継も・・・
...2004/11/27(Sat) 00:31 ID:j2Mb7X8I    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
ごろさんへ

申し訳ありませんが、お手すきの時に、札幌編(その6)(その7)(その10)の修正をUPしていただきたく思います。お手数かけてすみません。

札幌編(その6)

「アキ、アキーーーーー」
ケンは自分の叫び声に目を覚ますと、闇の底に一人横たわる自分に気付いた。見たことのない空間にいることに驚き、思わず飛び起きる。
「そうか・・・、ホテルに泊まってたんだ」
枕元の灯りをつけると、部屋の中がぼんやりと浮かび上がる。改めて一人だと感じた。

「アキの、いない世界・・・」

いま見ていた夢は自分の未来なのだろうか。

「・・・サユリ」
サユリは空を見たまま、動かない。
「サユリ」
ケンはサユリのすぐ後ろまで近づいてもう一度呼んだ。
「私、サユリじゃないわ」
「なに言ってるんだよ」
「私が誰か、そんなこともわからないの?」
「えっ」
彼女はゆっくりと振り向いた。
「ア、アキ」
「そう、私はアキ」
「ど、どうして」
アキは唇の端に笑みを浮かべた。
「アキ・・・」
その時、ケンは気付いた。アキの澄みきった美しい瞳に、ケンの姿はもう映っていないことを。そしてアキは、真っ直ぐ前を見据えながらケンの横を通り過ぎていった。
「待てよ、おい、アキ・・・」
後姿に必死で呼びかけるが、アキは振り向かない。やがて、人の波の間にアキは消えていった。
「アキ、アキーーーーー」

全身に汗をかいて、まだ呼吸が乱れている。
アキのいない世界。アキの心が存在しない世界・・・。

異変は、夕方、日が暮れた頃から始まっていた。
「もう一箇所だけ付き合って」
サユリに言われて、ケンは、あいまいにうなづいた。
ふたりは、市電の乗り場まで歩く。
「へえ、札幌にも市電が走ってるんだ」
「うん、これ結構便利なのよ」
市電には、観光客の姿はあまりなく、いかにも地元の人の足、という感じだった。
二人が降りたのは、藻岩山のふもとに近い停留所だった。
「明日行くお店はこの近くにあるの。でも、私、まだ気持ちの整理がついていないの」
やがて二人はロープウエイの駅に着いた。
「このゴンドラに5分位乗って、そのあとリフトで展望台まで行くの。夜景がすごくきれいよ」
静かに動き出したゴンドラの窓の外に、札幌の街の灯が輝き始めた。

アキは一人で、センター試験の過去問と格闘していた。
「主人公が下線部のような行動をとった理由として、もっとも適切と思われるものを選べ、か。むずかしいな。でもケンちゃん、国語は苦手だから、帰ってきてから聞いてもしょうがないよね。自分で考えよっと。なになに、

A.これ以上迷惑をかけたくなかったから
B.あらかじめタクシーを待たせておかなかった不手際に腹がたったから
C.体調が悪く情緒不安定になったから
D.自分の逃げ足が速いことを示したかったから
E.自分がこうなったのは相手のせいだと、以前から恨んでいたから

こんなの、わかるわけないよ。もう、やだやだ・・・。コンビニでも行こうっと」

アキは店にいた達明に、ちょっとコンビニまで行って来る、と言って外に出た。
雑誌をいくつか立ち読みし、ジュースを買って外に出ると日が暮れていた。道沿いの家の庭に目を向けると、アジサイの花のシルエットが揺れている。
「アジサイの季節も、もうすぐ終わり。また来年も咲いてね」
その時、暗い空から、白いものが舞い降りてきた。小さな貝のような形をした花びらだった。
アキの肩に、髪に、ひとひら、ふたひら、花びらが乗っている。しかし、そのことにアキは気付いていなかった。

ゴンドラの窓から街の灯を見て、サユリが言った。
「ねえ、ホタルみたい。あの光は人間が生きている証拠だね。だからあんなにきれいなんだね」
ガラスに二人の姿が映っている。
耳のすぐそばで、そのひとは喋っていた。どこか懐かしい、はにかむような声で。
「幸せってすごく単純なことだね。・・・・・がいて、私がいることなんだよね。きっとそういう毎日のことで・・・」

あなたは、あなたは、いったい誰なんです?ガラスに映るそのひとにケンは問いかけた。
サユリのようでもあり、アキのようでもある。でも、そのどちらでもないようにも見えた。
こうして見ているうちにも、窓に映る二人の姿は光の海に紛れてしまいそうだ。
いつか、このひとを見ていた。闇の中、ホタルの光が乱れ舞う場所で。
もう、夢なのか現実なのかさえ、わからなかった。ガラスに映る自分が誰なのかさえも。

(続く)
...2004/11/27(Sat) 02:04 ID:ZaF3A5rU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
札幌編(その7)

夜中に飛び起きてから、一睡もできなかった。一人で暗い部屋にいるのが怖くて部屋中の灯りをつけた。しかしそれは、自分が独りだということを、余計に浮かび上がらせる。

ラジオをつけてみた。

「今夜も朝までミッドナイトウエーブ、さあ続いてリクエストにお応えします。静岡県にお住まいのジュリエットさん。私の彼は、受験生の私を放り出して旅行に行ってしまいました。たぶん、他の女の子と一緒です。どうしてかなぁ、眠れないの・・・、明日が来るのが怖くて眠れないの・・・私たち、もうすぐ別れると思う・・・あなたが、他のひとと恋をして、楽しく過ごしていることを想像しながら今夜は眠ります。いやあ、切ないですねえ。ジュリエットさんの思いが彼に届きますように。リクエスト曲は2004年、今から13年前のナンバーで、大塚愛の『愛してるよ。』それでは、どうぞ」

 あなたが
 恋しくて
 恋しくて
 これ以上 離れたくないよ・・・

アキ。

・・・時計を見ると、朝の6時を過ぎていた。
重いカーテンを開けると、まぶしい朝日が部屋に満ち溢れた。
シャワーを浴びてロビーに降りて行くと、サユリの姿があった。
「・・・サユリ」
「あ、大木君、おはよう。ずいぶん早いね」
「う、うん。ちょっと目がさめちゃって・・・」
「私も緊張して眠れなかった。朝ごはん食べた?」
「いや、まだ」
「じゃ、食べに行く?」
「うん」

「サユリ」
「なに?あ、はい、コーヒー置くね」
「ありがとう。あのさ、サユリって、宮浦のあたりに親戚とかいるの?」
「ううん、いない。入試の時まで一度も行ったことなかったし、知っている人もいないわ」
「そうか・・・」
それなら、なぜサユリが、アキや他のひとと重なって見えるのだろう。「他人の空似」に過ぎないのかな。
「知り合いの人はいないんだけど・・・」
「うん」
「キャンパスの中にピンクのアジサイが咲いていたでしょう?」
「ああ、咲いてた」
「あの花の前を通ると、いつも話しかけられるような気がした。最初のうちは友達もいなかったから、なんだか心が温かくなったわ」
「そうだ、スケッチするって言ってたよね」
「そう、とても懐かしい気がしたの」
ケンが話題を換えた。
「・・・そうだ、昨夜、藻岩山に行った時、何か変わったことなかった?」
「ううん、別に。展望台からの夜景、きれいだったでしょう?」
「うん・・・」
「あ、大木君、疲れてたみたいでゴンドラの中でウトウトしてた。ガラスに頭ぶつけてたわ」
やっぱり、夢だったのか。

「・・・ごちそうさま」
「ごちそうさま。じゃ、大木君、十時にロビーで待ち合わせでいい?」
「うん」

いよいよ、サユリの初恋の人に会いに行く。
朝の光の中、また市電に乗った。
昨夜と同じところを走っているのに、全然違う気がする。
サユリは席に座って目を閉じている。サユリの顔に陽が当たったり、建物の影が落ちたりしている。彼女の心を表しているように。
ガタン、ゴロゴロゴロ・・・ギギギィ。
動いたり、止まったりする音が、やけに大きく聞こえる。
ケンはなぜか思った。これから行く場所に答えがある。すべてが分かる。サユリとアキ、そしてあのひととのつながり。もしかしたら、ケン自身の運命さえも。

(続く)
...2004/11/27(Sat) 02:07 ID:ZaF3A5rU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
札幌編(その10)

サユリが言った。
「祐平くん、奈津実さん、お元気で」
「サユリさん、また来て下さいね」
「ええ、今度はいっぱい友達を連れて来ます」
「サユリ、ありがとう、来てくれて」
「うん、会えて良かった。たまにはサルルに帰ってきてね。近所の人たちも会いたがってたわ。じゃ、祐平くん、バイバイ」

ケンの顔を見ながらサユリは微笑んだ。
「もう、一刻も早く帰りたいっていう顔してるね」
「あ、いや、明日また家庭教師の日なんだ。今なら、宮浦までの終電に間に合うかなあ、なんて思って」
「あーあ、またアキさんか。なんだか、うらやましいな」
二人は空港行きのバスのりばに向かって歩いていった。
「大木君」
サユリはサルルの砂の入った小瓶を取り出した。
「この砂は、祐平くんがいる場所の近くに撒くか、豊平川の橋の上から捨てちゃおうと思ってた。でも、これは大切に持って帰る。二人で拾った浜辺に戻すわ」
「うん」
ハマナスの絵を見ながらサユリが言った。
「・・・私の初恋は、こんなにきれいな絵になったわ」

「サユリ、また9月に大学で」
「うん。あの、大木君」
「なに?」
「来てくれて本当にありがとう。それから・・・今度から、ケン、って呼んでいいかな?」
「いいよ!」
「また相談にのってね。頼りにしてます・・・。あ、来た」
バスのドアが開き、ケンが乗り込む。
「じゃあね、サユリ」
「うん」
ドアが閉まり、バスが動き出す。
そのバスが見えなくなるまで、サユリは手を振り続けていた。

次の日。
「ここで絶対値記号を外して、あれ、おかしいな、え、アキ、ちょっと待って」
「これじゃダメだよ。だってここ、sinAじゃなくて、tanAだもん」
「ご、ごめん」
落ち込むケン。
「いいよ、間違いは誰にでもあるよ」
「やっぱりオレ、もうダメなのかな・・・」
「どうしたのよ。え、ラジオ?リクエスト?私が?ええっ、うそ、別れるって?ミッドナイトウエーブ?なんだ、それ私じゃないよ。だって私、MUSIC WAVEしか聴かないもん。知ってるでしょ?」
「う、うん」
「でも、夜中にラジオつけたりして、一緒にいた女の子に文句言われなかったの?」
「うん、部屋は別々だったんだ・・・あっ」
「やっぱり、女の子と行ったんだ」
「ご、ごめん、アキ。オ、オレは絶対アキを裏切るようなことは・・・ああ、こんなこと言っても信じてもらえないよな・・・」
「しょうがないな・・・大丈夫だよ。ケンは私を裏切ってはいない。ケンの目を見ればわかるよ。ほら、そんなに泣かなくてもいいよ・・・」

そうじゃないんだ、アキ。

ケンの脳裏に浮かぶ情景。
満開の桜の下に、大人の顔をしたアキが立っている。
アキ、アキはいつかきっと・・・

(花吹雪にまかれて、行方をくらましたのは・・・だれ?)

アキの膝枕で、ようやく泣き止んだケン。
「アキ、もう少しこうしてて、いい?」
「いいよ、ケンが好きなだけ」
「重いかも」
「いいよ」
「足がしびれるかも」
「いいよ・・・」
アキがケンの髪をなでる。
「私、来年きっと宮大に合格するから。もう少しだけ待っていてね。それからは、いつも一緒だよ。ケンが疲れた時は、今度は私の肩につかまっていいからね」

(サルルの浜辺をサユリが歩いていく。
 祐平とふたりで砂を拾った場所で、小瓶のふたをとり、中身をそっと浜に還す)

「アキ」
「なに?」
「もしも、亜紀さんが白血病にならずに、編集者になってたとしたら、どんな絵本を創りたかったと思う?」
「わからない。私、亜紀さんじゃないから。でも、亜紀さんには、生命が弾けて、輝いて、生きている歓びが溢れるような、そんな絵本を創って欲しかった。亜紀さんには、あまりにも時間がなさすぎた。亜紀さんにも、もっともっと、生きている楽しさを味あわせてあげたかった・・・」
「アキ」
「なに?」
「亜紀さんを見守っていた松本先生の気持ち・・・そんなのも誰かに受け継がれて行くのかな・・・」
「どうかな。でも、ケンはずっと私を見ていてくれたよ。きっと松本先生に負けないくらい、ケンは優しかったよ」
「オ、オレは、アキの邪魔をするようなことはしないから・・・アキがもっと広い世界に羽ばたいて行ってしまうとしても・・・」
「ふふ、どうしたの。変だよ。私はケンと一緒にいたいの。だから同じ大学に行くんだよ・・・」

(サユリが去り、浜辺にはガラスの小瓶が遺されている。
 ハマナスの花が咲いている。
 どこまでも、どこまでも続く青い海。波の音・・・)


(札幌編 完)
...2004/11/27(Sat) 02:12 ID:ZaF3A5rU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
朔五郎さん

 「札幌編」6,7,10の修正をしておきました。ご確認下さい。

たかさん

 試験お疲れ様でした。もうすぐ12月、いよいよクリスマス編始動ですかね。楽しみにしております。

SATOさん

 おおっ、SATOさん演出のレコ大・紅白、ついにこのスレに書いていただけて嬉しいです。やっぱり別スレに書かれた作品は遠慮してしまいますからね。これで番宣編とともに心置きなく使うことができます。SATOさん作品集として記録させていただいてもいいですし、本編のシーンに組み込んでもいいですね。

グーテンベルクさん

 いつも楽しみにしております。「朔と亜紀」本当に名曲ですね。ぼくもいつもこれを聞いています。
...2004/11/27(Sat) 04:44 ID:oRcvcgnE <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 SATO様,皆様
 柴咲さんに限らず,昨年の大トリを務めたSMAPなど,今年の紅白は辞退者続出になってしまいましたね。これで,映画・テレビの2大主題歌対決の夢ばかりか,「世界に一つだけの花」が「世界の中心で」花開くという密かな楽しみも潰えてしまいました。某海老沢会長の不祥事も影響しているのかもしれませんね。

 これで,年越しシーンに「紅白ネタ」を持ってくるのは難しくなりましたが,ものは考えようで,サイドストーリーとして,せっかく「コロッケ」の次は「あの歌」を作ろうという流れで進んできているようですから,物語の中ではまだ生まれていない歌を登場させるよりも,楽しみは後に残しておいてもいいのかなあという気もします。

 それに,四国編や演劇部編との関係から,
@廣瀬宅訪問のエピソードの中で生まれた「あの歌」が
A宮浦の町民の間に広まり
Bやがて,状況したマサミもこれに接する。
C演劇部制作の映画の主題歌として取り上げられ
D自主上映ながらも口コミで人気が出て
E主題歌も脚光を浴び
F数年後の紅白に登場する
という展開も考えられるのではないでしょうか。

 ついでながら,「行く年・来る年」の引用・転用は一向に構いませんが,もし「紅白」は断念しても「レコ大」は当初原案のままいくということであれば,一応は綾瀬君のダブルブッキングの問題が出てきます。もっとも,物語の主題歌の紹介なら,紹介する人はスタジオにいなくても,その物語の舞台からということなら,二元中継も許されるのかなと思っています。
...2004/11/27(Sat) 08:45 ID:pCbWj1wo    

             Re: 変換ミス失礼!  Name:にわかマニア
 ワープロらしい変換ミスが出てしまいました。
 「あの歌」についての今後の展開の箇条書き中,
 Bの「状況」したは「上京」のミスでした。
 より正確には,「上京中のマサミも帰省した際に」です。
 どうも失礼いたしました。

 追伸
 朔五郎さん,グーテンベルクさん
 「朔と亜紀」何度聴いてもいいですね。もっと編成を厚くして,山場の部分にティンパニのトレモロを入れると,「助けてください」のセリフが効果的に響くという勝手な妄想をしているのは私だけでしょうか。
...2004/11/27(Sat) 08:53 ID:pCbWj1wo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その2)

3-59からの続き

(廣瀬家・居間)

食事が終わって居間でくつろぐ4人。

真「さっき、あなたたちが声の交換日記をやったと言ったよね。」
律子「ええ・・・」
真「実はね、うちの娘もそういうことやってたんだよ。今みたいなメールじゃないけど、カセットテープでね。」
綾子「あなた・・・」
真「いいんじゃないか、もう話しても」

これから何の話をするのか目を見合わせる律子とマサミ。

真「律子さんとマサミさんを見ていると、娘のことを想い出してしまってね。あなた方とはちょっと違うと思うが、やはりお互いに支えあって生きる相手がいたんだ。その相手は挨拶の出来ない男の子でね・・・」

(真が亜紀のことを律子とマサミに語りはじめました。→ここから先は廣瀬真が語るセカチュウダイジェストのイメージです)

(真の語り)

私の娘の名は亜紀。そして相手の男の子の名は朔太郎。まさか、私の身近で、映画やドラマのような話が繰り広げられるとは思いも寄らなかった。
二人はクラスメートだったが、はっきりとお互いの存在を意識したのは、学年主任の先生の告別式のときだった。亜紀が弔辞を読み上げていると、にわか雨が降ってきた。亜紀はびしょ濡れになりながら、弔辞を読み続ける。そこへ、傘をさしかけたのが朔だった。二人はそれをキッカケに付き合い始めたようだ。カセットテープで交換日記のようなことをやっていた。だが、私は亜紀にはいい大学に入り、いい会社にはいって、普通に結婚して欲しいと願っていた。だから、カセットテープの交換日記なんて勉強の邪魔だと思って黙って捨ててしまったんだ。もしこの時に亜紀の運命がわかっていたら、こんなことはしなかっただろう・・・

律子・マサミ「(心の中で:亜紀さんの運命?)」

(真の語り)

亜紀にとって、朔は心の拠り所だった。あとで知ったことだが、私たちの期待に応えようと亜紀は多少無理をしながら頑張っていたようだ。そんな亜紀をありのまま受け止めてくれたのが朔だった。「俺の前では無理するな」と言ってくれてね。こうして二人の心の結びつきが強まっていった。
しかし、運命の神様は何と残酷なことをするのだろう。この頃から亜紀の体調に異変が生じる。ぶつけてもいないのにアザが出来たり、鼻血を出したり、そして、微熱が続いた。病院では精密検査が必要と言われた。そんな体にもかかわらず、亜紀は朔と夢島に出かけた。もしかすると亜紀はよからぬ運命が待ち受けているとわかっていたのかも知れない。今、朔と一緒に出かけなければ後悔すると思ったのかも知れない。満天に輝く星空、鈍色に光る月、時間を追うごとに色を変える海・・・そういうものを見ながら亜紀と朔は何を語ったのだろう・・・
そして、次の日、亜紀は倒れた。

マサミ「あ、あの・・・娘さんが、亜紀さんが倒れたというのは・・・?」
真「実はね、娘は、亜紀は、亡くなったんだ。白血病でね。17歳だった・・・」
マサミ「ごめんなさい・・・わたし、知らなかったものですから、どこか遠くへお嫁に行って、お母さんになっているかと思ってて・・・(目を潤ませる)」
律子「(ウルウルしている)」
真「いや、いいんだ。マサミさんがそう思っても不思議はない。」

(真の語り)

私は朔を思い切り殴った。具合の悪い娘を連れ出しやがって・・・ただ彼に対する怒りだけで殴った。しかし、病院でもっと辛い宣告が待っていた。亜紀が白血病と診断されたのだ。何も知らずに病室で眠る亜紀を見て、替わってやれるものなら替わってやりたい・・・そう思った。自分は何がしてやれるんだろう・・・何も出来ない自分が歯がゆかった。朔は「出来ることがあれば何でもします」と言ってくれた。しかし、その時の私はやるせなさで一杯だった。「白血病なんだ。君に何が出来る?帰ってくれ」と言って彼を追い返してしまった。とても彼を受け入れる心のゆとりがなかったんだ。
ある日、クラスメートが病室で劇を見せてくれたのだが、その時の亜紀の笑顔が忘れられない。今まで私に見せたことがない笑顔だったからだ。とても寂しい気持ちだった。だが、その時にやっとわかったことがある。亜紀にとって必要なのは朔であり、クラスメートなのだと。私は彼に面会を許した。
ふとしたことで亜紀が自分の病名を知ってしまい、絶望のどん底に叩き込まれたとき、それを救い出してくれたのも朔だった。自殺を図ろうと海に入っていったところを連れ戻してくれたんだ。
それ以降、二人の絆はますます強くなっていった・・・


※疲れたのでしばし休憩させていただきます。
...2004/11/27(Sat) 22:08 ID:oGDJhoT2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:Apo.
セカチュウ2の製作関係の皆様
ご無沙汰しました。やっと復活しました。
久しぶりにセカチュウ2を読ませていただきました。
展開の速さについていけませんので、当分はROMっています。
ごろさん、「かってに」で残されたテープを復活していただきお礼申し上げます。
一時は体調を悪くしまして職場にも迷惑をかけてしまいました。
熱中し過ぎると、良いことはありませんね。程々がいいみたいです。
休養中、たくさん本を読み直したりしました。おかげですっきりとして残されたテープの続編を書こうと決心しました。
新解釈残されたテープから始まります。
設定は1986年から2004年の特別編の翌日までです。テレビドラマの穴を埋めたものにしました。
今日、23話まで一気に書き上げたところです。
明日から「続、サイド」に毎日1話づつ書き込んでみたいと思います。よろしかったら読んでください。
...2004/11/28(Sun) 00:22 ID:HXBSBx5.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
Apo.さん、創作再開、お待ちしていました。

ごろさん、修正分UPありがとうございました。

さて、昨日(土曜日)は、TAMA映画祭で長澤まさみさんを見てきました。
グラビアで見るより、実物のほうが大人っぽいです。亜紀を演じていた頃や、のど飴のCMに出演していた頃のふっくらした顔ではなく、頬からあごにかけてのラインもシャープになって、少女というより「若い女性」という感じになりましたね。あれで17歳ですから「末恐ろしい」という感じです。体も大きくて見栄えがするので、舞台なんかも面白いんじゃないかと思います。
目が輝いていて、ヒロインのオーラが出てました。ただ、風邪で体調が相当悪いらしく、表情が苦しそうでした。お大事に。
映画で大変だったシーンは?と聞かれて、彼女は、例の高松空港のシーンを挙げてました。朝から次の朝まで同じテンションが求められたとか。そりゃ大変ですわな(笑)

あと、トークで行定監督が語ったことで興味深いことがあります。監督が映画の学校に通っていたころ、先生に「回想シーンはダメだ」と言われ、ずっとそう思い込んでいたそうです。その理由は、回想シーンは、結局現在のシーンの説明になってしまうからということです。でも、いろいろな作品に触れるうち、現在にも打ち勝つような過去のシーンを創ればいいんだと思い、その延長線上に「世界の中心で」があるとのことでした。
ちなみに監督は今年2本の映画を発表してまして、ひとつは言うまでも無く「世界の」ですが、もう一本の「きょうのできごと」という映画のほうが本当に創りたかったものだそうで、そちらのほうは全く当たらなかったことに寂しさを感じているようでした(笑)「きょうのできごと」も観ましたけど、時系列の中を目まぐるしく移動する作品で、これといったヤマ場もなく、やや難解という印象でした。

「世界の中心で」では、松山市電が出てくるシーンで車体番号が「39(サク)」になっていたことに気付きました。
それにしても「キスっていうのは夢を語ったりしながらするもの」と言っておきながら、その夢を「サクには教えない」って言うんですから、こっちの亜紀も結構意地悪?かも(笑)
...2004/11/28(Sun) 01:51 ID:R6NrMCR.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
さて・・・復活作をそろそろ。

題「足音」

11月ももう終わりかけの休日。ユイは家でゴロゴロしていた・・・

ユイ「今年ももう終わりだねぇ」

テレビ《もう11月も終わりですねぇ〜》

テレビ《あっという間に1年が終わってしまいますね》


テレビ《はいはい、まだ終わってはいけませんよ、今日はクリスマスに行きたいデートスポット特集です》

ユイ「クリスマスかぁ・・・忙しいんだろうなぁ」

ユイ母「あんた、おばさんになってるけど」

ユイ「うるさいよぉ・・・」ピンポーン・・・

ユイ母「ハイ、誰か来たよ、出て」

ユイ「ふぁぁい」だるそうな返事をした。

レイコ「よぉ、ユイ」

ユイ「あぁ、レイコ」

レイコ「暇だし遊びに来ちゃった、勉強も疲れるし」

ユイ「おお、あがってあがって」ユイは急に活気づいた

レイコ「何見てるの?」

ユイ「クリスマスに行きたいデートスポットだと」

レイコ「そういえば、もうそんな季節かぁ」

ユイ「早いねぇ」

レイコ「去年のクリスマスは女だけで盛り上がってた」

ユイ「私はシンジと・・・あ、ごめん」

レイコ「何が?」

ユイ「いや、なんでもない」

レイコ「デートスポットって言っても・・・ほとんど東京の方だね」

ユイ「うん、行ってみたいねぇ」

レイコ「来年は行くぞぉ」

ユイ「私も来年はきっと」

終止クリスマスの話題で盛り上がった二人。クリスマスの足音が聞こえたような気がした・・・

続く・・・
...2004/11/28(Sun) 12:23 ID:yA5zs8ho    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
たかさん、お帰りなさい。

がんばって書きましょう!
...2004/11/28(Sun) 21:58 ID:R6NrMCR.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-88の続きです


四国編(その4)

ミライとマサミはジョニーが住職を務める寺にやって来た。
「ちわー、ジョニーさん」
「おお、サク、久しぶりだな。どうだ、東京での生活は」
「ジョニーさん、サクはやめて欲しいっす」
ジョニーがマサミのほうを振り返って感極まったように言った。
「なるほど・・・リュウの言ったとおり、アイツらが帰って来たみたいだな・・・
まあ、本堂に上がって茶でも飲んでいけや」

「長沢まさみです。佐久間君とは大学の同期です」
「そうか、なんか成績優秀、って感じだな。例の彼女もそうだった。すげぇやつだったよ。スポーツも万能で、成績も優秀で、もう何でも出来て。ああいう存在は俺らみたいな劣等感バリバリのヤツにはさ、こうグサッと刺さんのよ。かっこよかったなあ・・・おい、サク、おまえもマサミさんのこと、そう思ってるだろ」
マサミは微笑みながら言った。
「いえ、佐久間君は英文科なんで、英語のテスト前はノート見せてもらったりして、結構頼りにしてるんですよ」
「へえサク、お前、結構頭いいんだ」
「そ、それほどでもないっす」
「でもさ、その彼女、意外と思い切ったこともやってな・・・マサミさんなら絶対にやらんだろうな、きっと」
「何を?」
「盗んだんだ・・・」
「盗んだって、あのもしかして、万引きとか・・・」
ジョニーは苦笑いしながら言った。
「いや、万引きじゃない。墓から骨を盗んだんだ」
「ほ、骨ですか・・・」
あまりのことに、絶句するマサミ。
「何であんなことをしたんだか・・・誰かに頼まれたんだろうが。盗んだのは、その当時の木庭子高校の校長先生の骨でな、その校長先生、女性だったんだが急に亡くなって、彼女が弔辞を読んだってのも、なんか因縁めいてるよな。しかも、それからすぐ、今度は彼女のほうが骨になっちまった・・・」
「そんな、そんなこと・・・」
「俺だって信じられんよ。まあ、もちろん共犯者はいたさ。それが、こいつソックリの俺の同級生だ」
突然、話が自分に振られて動揺するミライ。
「そのころ俺は同級生の中川っていう子と付き合っててな、ほらそこの墓地は海が見えて、夜景がすごくきれいなんだ。で、その中川を連れ出して夜景を見ていたんだ。俺がキスを迫ったら突き飛ばされちまってな。そしたら、笑い声がするんだよ、彼女の笑い声が。誰だっ、てさけんだら、アイツら二人が逃げて行くのが見えた。暗闇でもあの笑い声と、影の背格好でアイツらだとわかったな。後で見たら、校長先生の墓の石が動いた跡があった・・・証拠はないし、俺は誰にもしゃべらなかったがな・・・よし、彼女はそこの路を行ったところの奥から3番目、○○家の墓で眠ってるよ。せっかくだから、線香の一本くらいあげていけよ」

「じゃ、まずサクの家のお墓にお参りして・・・」
「あ、ここ、佐久間家」
焼香して、手を合わせる二人。
「さてと。にしても無茶苦茶だよな、そのひとも」
「そうかな?」
「へたしたら犯罪だよ」
「どうして?ロマンチックで素敵じゃない。きっと、誰か校長先生を愛してた人が、その二人に頼んだんだよ」
「・・・そうかな?」
「こんな寂しいところにいるより、自分を愛してくれる人のところにいた方がよっぽどいいわよ」
「そうか。やっぱ、その骨を自分の墓まで持っていったのかな・・・」
「そういうのはそういうので永遠の恋が実ったってゆうことかも」
「でも、死んじゃったらお終いだよ」
「あ、ここだ。○○家のお墓」
墓石を見つめながらマサミが言う。
「聞いてみる?」
「何を?」
「人は死んだら愛も死んじゃうんですか?って」
二人は同時に、墓石に問いかけた。
「死んじゃうんですか?」

焼香を終えて、二人はバイクのところまで戻ってきた。
「さて、帰ろっか。お袋が張り切って夕飯を作ってるぜ。お、おい、あんま、ひっつくなって・・・あれ、え、もしかして泣いてるの?」
マサミは黙ってミライの背中にしがみついた。

(続く)
...2004/11/29(Mon) 02:15 ID:/GCuznag    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
3−67の続きの廣瀬邸での会話部分を・・・

廣瀬邸ではにぎやかに4人がテーブルにつきました。
最初にカニクリームコロッケをほおばったのはマサミ・・・
マサミ「うわ!あつ!!」
綾子「マサミさん熱いから気を付けてね」
マサミ「はい!熱いけど、これ本当に美味しいです!」
真と綾子は律子が揚げたトンカツに手を伸ばしていた。
真「いや〜このトンカツはジューシーで美味しいね」
綾子「ころもがサクサクよね、さすがに律子さんね」
律子「ありがとうございます」
マサミ「本当にトンカツ屋さんで食べているみたいですね」
真「トンカツってあんなに早くあげていいんだね」
律子「そうなんですよ。揚げすぎると肉汁がみんな外に出てしまって堅いトンカツになってしまうんです」
綾子「でも、豚はよく火を通すって昔から言われているわよね」
律子「そう、それがカチカチのトンカツが多い原因なんですよ・・・今は昔と違って衛生状態が良いですし・・・冷しゃぶは豚で作りますよね」
真「確かにそうだね」
律子「もし、そんな危ないお肉を売っていたらお店の方が捕まりますよ」
綾子「確かにそうよね、そんな危ないお肉誰も買わないわよね」
律子「奥様のカニクリームも本当に美味しいですね」
綾子「いえいえ、律子さんならもっと美味しく作れるわよ」
律子「いえ、今まで何回かは挑戦したんですが、いまいち納得する出来では無かったんです、今日奥様の作り方を見て何が足りないか良く分かりました」
マサミ「律子さん、どこでこんなトンカツ覚えたんですか?」
律子「学生の時の友人がトンカツ屋さんでバイトをしていて、その人からコロモの付け方や生のパン粉を使うのを教わったのよ。あ!それと一番のポイントの油から上げるタイミングもね」
マサミ「私もお料理うまくなるかなぁ」
真「マサミさんは料理はするのかな?」
マサミ「食べるのは好きなんですけど・・・」
綾子「誰か食べてくれる人が出来たらきっと上手になるわよ」
マサミ「そうですよね・・・誰か・・・か」
律子「この前一緒にチンジャオロースを作ったんですけど、なかなかの物でしたよ」
マサミ「それは律子さんが手伝ってくれたからですよ」
真「お!美味しそうだね、是非食べてみたいね」
綾子「そうね、私も食べてみたいわ、今度是非作ってちょだいね」


大変に遅くなりました(^^;
SATOさんこんな感じでいかがでしょうか?
...2004/11/29(Mon) 11:10 ID:O1GNE53U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
>たかさん
お帰りなさい
楽しそうな雰囲気ですね

>朔五郎さん
映画のシーンが目の前に現れてきますね

なんか最近はアキとケンよりマサミや律子の出番が増えていますね(^^;
まぁそれも良しですかね
...2004/11/29(Mon) 12:03 ID:O1GNE53U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
たかさん、祝復活!
楽しいエピソードを期待しています。
ちなみにユイ母は誰をイメージしてますか?

朔五郎さん
映画を彷彿とさせて面白いです。(ちなみにいまだに映画を観てませんが)

yosiさん
肩肘はらない日常的な会話が素敵です。廣瀬夫妻とはこんな感じで親しくなっていくんでしょうね。そうした裏設定を前提として、真がポロっとあの話を告白してしまうことにいたしましょうか。

※しかし、マサミは廣瀬家といい、四国といい、亡くなった女性の話を聞かされる運命なのですね・・・
...2004/11/29(Mon) 18:03 ID:5pz2ZZqQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
ユイ母かぁ・・・・ちょっとノーイメージですねぇ・・・誰がいいかなぁ・・・・

意外な二人でスタートさせてみました。意外でもばいかな?

とにかく、いい冬にできるよう頑張りますw
...2004/11/29(Mon) 18:27 ID:clDC4/0c    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
yosiさんへ
>なんか最近はアキとケンよりマサミや律子の出番が増えていますね(^^;

実は私も気になってます(苦笑)今のが終わったらケンとアキを書きます(笑)

SATOさんへ
>しかし、マサミは廣瀬家といい、四国といい、亡くなった女性の話を聞かされる運命なのですね・・・

実は私も気になってます(苦笑)まあ、四国は「サイドストーリー」というより、本編に全く絡まない「盲腸ストーリー」なので、見逃してくださいませ(笑)

今日、いつもは見ない月9を見ていたら、未来君が出てくる、主人公と大学の同期でシングルマザーの桜井幸子さんが出てくる、主人公の彼女が病気になる、おまけにパンテーンのCMの綾瀬バージョンまで出てきて、なんだか「あのドラマ」みたいでした(笑)
...2004/11/29(Mon) 23:05 ID:nTxihdgI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
ごろさん、整理サイト第一部の16「旅立ち」を以下のものと差替えをお願いいたします



日曜日AM7:00 マサミの自室

目を真っ赤に泣き腫らしたマサミ。ほとんど眠れなかった様子。

マサミ「大木君、大嫌いなわけないじゃない、ちょっとだけでいいからわたしを見て・・・大林さんのことで何をしたいの?」

マサミは胸騒ぎを感じる。

マサミ「やっぱり、大林さんと話そう。大木君が無茶しないように止めなきゃ・・・」

マサミはアキの携帯に電話をする。

マサミ「大林さん?あたし。ちょっと話があるんだけど、会えない?」
アキ「いいけど、今ちょっと手が離せないんだ。(旅立ち前の荷物チェック中)1時間後に宮浦駅でなら会えるけど」
マサミ「わかった、じゃ、そのころに駅へ行くわ」

マサミ「1時間後に宮浦駅?こんな朝早くに出かける用事でもあるのかしら」

AM8:00 宮浦駅改札口付近

アキは旅行カバンを持って人待ち顔である。マサミがやって来た。

マサミ「おはよう、あら、旅行に行くの?」
アキ「うん、ちょっと・・・話って何?電車の時間もあるからあまり長くは話せないんだけど。」
マサミ「それはあなたの答え次第よ。じゃ、端的に聞くわ。大木君と旅行に行くんでしょう?」
アキ「!(明らかに動揺している)」
マサミ「どうやら図星みたいね。実はね、きのう大木君から呼び出されたの。文化祭出られなくなったって。訳を聞いたらやらなければならないことがあるからって。はっきり言わなかったけど、あなたがなにか絡んでるんじゃないの?」
アキ「・・・・・」
マサミ「黙ってちゃわかんないわよ。大木君を連れてどこ行くつもりなの?」
アキ「・・・実はね、絵の勉強をしたいの。それで東京でお金作って、ニューヨークへ行くのよ。ケンちゃんと一緒に。」
マサミ「!何を雲つかむようなこと言ってんのよ!ニューヨーク?絵の勉強?ちょっと大沢先生に褒められたからって勘違いするんじゃないわよ!」
アキ「勘違いしてるつもりはないわ。もっと絵がうまくなりたいから勉強しに行くのよ。」
マサミ「(呆れた様子で)そのこと家の人に言ったの?」
アキ「・・・それは・・・」
ピシャッ(マサミがアキを平手打ちする)
アキ「・・・」
マサミ「(物すごいケンマク)そんなコソコソしなきゃならないことに大木君を巻き込まないでよ!あなたの夢物語で彼の人生をメチャクチャにしないでよ!あたしだって大木君のこと好きなんだから!あなたなんかよりずっと幸せにしてあげる自信あるんだから!・・・」
アキ「わたしはケンちゃんを愛してる。ケンちゃんもわたしを愛してくれている。今度のこともケンちゃんが応援してくれているの。だから、邪魔されたくない。お願いだから二人で行かせて。」

ケンが走って来る。リュックサックをしょっている。(マサミはケンに背中を向けている)

ケン「アキ、悪い悪い」

マサミが振り向いた。

ケン「(びっくりする)何でマサミが・・・」
マサミ「大林さんから聞いたわ。お願い、行かないで。(泣き顔になる)何のアテもなしにニューヨーク行くなんて大木君らしくない。黙っていなくなったらお父さんもお母さんも悲しむわよ。シンジもユイも心配するわよ。もうバスケも出来なくなるし、二度と帰って来れなくなるかもしれないのよ・・・だから、行かないで・・・お願い、あたしのそばにいて・・・一緒に文化祭やって・・・(ボロボロ泣きながらケンの腕にすがりつく)」
ケン「(マサミの手を振りほどきながら)マサミ、すまん、俺はどうしてもアキの夢を応援したい。だから、行かせてくれ。」

電車がホームに入って来る

ケンはアキの手つかむ

ケン「さあ、アキ、行こう!」

二人はダッシュして電車に飛び込んだ。

あとに取り残されたマサミ。

電車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出す。

マサミ、電車を追いかけて走り出す。

マサミ「待ってー!大木くーん!ケンちゃーん!大嫌いだなんてウソだよー!」

マサミ、ホームにうずくまり、嗚咽する。

マサミ「ウッ・・ウッ・・・ケンちゃん、必ず帰って来てね。アキさん、お願い、ケンちゃんを不幸な目にあわせないで・・・・」

(電車の中)

アキ「何か・・・マサミに可愛そうなことしちゃったな・・・」
ケン「俺が悪いんだ。昨日マサミに余計なこと言っちまったもんだから。黙ってればこんなことにならなかったんだ・・・マサミにこんな辛い思いさせなくてすんだんだ・・・」

ケン「ここまで来たらもう後戻りできないな。二人の前途を祝して、そしてマサミが新たな幸せをつかめるよう祈って乾杯しよう」

ケンとアキは缶ジュースをあける。

アキ「そうだね。乾杯!」

アキ「あっいけない!写真をポストに入れるの忘れてた!」
ケン「俺もだ、電車乗るのがギリギリだったからすっかり忘れてたよ」
アキ「しょうがない、終点についたら出そうか?」

いきなり予定が狂って、二人の行く末は前途多難の予感・・・
...2004/11/30(Tue) 00:13 ID:JnxURxuQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:Marc
朔五郎 様

スレッド本編とは関係ないのですが...

>今日、いつもは見ない月9を見ていたら、未来君が出てくる、主人公と
>大学の同期でシングルマザーの桜井幸子さんが出てくる、主人公の彼女
>が病気になる、おまけにパンテーンのCMの綾瀬バージョンまで出てき
>て、なんだか「あのドラマ」みたいでした(笑)
あっ、私も同じこと思いました。

仕事から帰って来て、食事前にTVを見ていたら↑ですもんね、"おおっ!"
(笑)でした。
...2004/11/30(Tue) 08:19 ID:1zL0X6aw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:ごろ
SATOさん、第1部16「旅立ち」修正UPしておきました。

皆さんが以前書いた作品を修正されるお姿、頭が下がります。いつでも修正などがありましたらお申し付け下さい。
...2004/11/30(Tue) 20:30 ID:1fPK3pBQ <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-112の続きです

四国編(その5)

ミライとマサミが帰ってくると、文子が笑顔で迎えた。
「お帰り・・・」
ただいま戻りました、と笑顔で答えるマサミの目が赤くなっていることを文子は見逃さなかった。
「ミライ、ちょっと」
「なに?」
「あんた、マサミさんに何をしたの?泣いた後だよね、あんな目を赤くして・・・」
「なんもやってねえよ。寺でこういう話を聞いてさ・・・」
ミライは寺での出来事を文子に話した。
「ふうん、不思議な話だねえ。あの子がうちに来たのも、なにかの運命かもしれないねえ・・・」

居間では、既に帰宅していたミライの父が待っていた。
「よくおいで下さいました。ミライの父の直太朗です」
「はじめまして、長沢まさみと申します。佐久間君とは、大学の同期です。突然お邪魔して申し訳ありません」
「いやいや、とんでもない。かあさんが言うとおり、きれいなお嬢さんだ。これからも、ミライをよろしく頼みます」
直太朗はすっかり上機嫌になった。
「はいはい、お待たせしました。ご飯にしますよ」
一同、食卓に移動する。
「マサミさん、せっかく来たんだから、ここらへんの郷土料理を食べていってね。これはね源平鍋といって、海のものをいっぱい入れた寄せ鍋に、うどんを入れたものなの。ここらへんは、なんといっても讃岐うどんだからね」
文子は、鍋の中身をお椀に取り分けてマサミに渡した。
「いただきます」
「どう、マサミさん、お口に合うかしら?」
「はい、とっても美味しいです。上品なお味ですけど、とってもよくおダシが効いて」
「よかったわ、たくさん食べてね」
「お、アジの姿ずし」
好物を見て、ミライがうれしそうな声をあげた。
「マサミさん、これもこの辺りの家庭料理なの。よかったら食べてみて」
「はい、いただきます。わあ、ほどよく馴れていて、とっても美味しいです。私も港町で育ったものですから、お魚は大好きです」
直太朗がマサミに聞く。
「マサミさんは、将来どんな仕事をしたいと思ってますか?」
「はい、いろいろ考えましたが、ふとしたことから介護福祉に興味を持ちまして、できればそちらのほうに」
「まあ、しっかりしてるわねえ。千恵子、少しは見習いなさい」
「はーい」
「あ、ああ、すみませんなあ。マサミさんについでもらうとビールも美味い」
「お父さん、私の時とずいぶん違うじゃない」
「そうか、あはははは」
こうして、楽しい時間は過ぎていった。

「ねえ、マサミさん」
洗い終わった皿をマサミに渡しながら、千恵子が話しかけた。マサミは受け取った皿を乾いたふきんで拭いて並べている。
「もう、ミライとはできちゃってるの?」
マサミはちょっと赤くなってうつむくと、首を横に振った。
「そっか、まだなんだ。じゃ、これ必要じゃないかもしれないけど・・・一応渡しとくね。今夜あいつが客間に忍び込んだら、自分の身は自分で守らないとね。あ、私、一応看護師のタマゴなんで気になるのよ、こういうこと」
「まあ、そんなこともないと思いますけど、はい、頂いておきます」
その時、二人の背後でミライの声がした。
「何やってんの?」
千恵子はあわてて言った。
「な、何でもないわよ」
文子が入って来て、マサミが皿洗いを手伝っているのを見て驚いた。
「まあまあ、マサミさん。後片付けなんかしてもらっちゃってすみませんねえ。でも、家族が一人増えたみたいでなんだかうれしいわ」
「ミライ、明日どこ行くの」
千恵子が聞いた。
「ああ、明日日曜だから、高校に行って来る。マサミがオレが出た高校見たいって言うんで。それから、重じいの写真館に行って来る。あそこ、今年いっぱいで閉まっちゃうんだろ?」
「あんたたち、明日、東京に戻っちゃうの?」
「あ、ああ」
「残念ねえ、ゆっくりしていけばいいのに・・・でも、大学の授業があるから仕方ないか。マサミさん、休みになったら、また遊びに来てね」
「はい、ありがとうございます」
「ねえ、ミライ」
千恵子が思い出したように言った。
「なに?」
「日曜日に高校に行くとさ、誰もいない体育館の中から、ピアノの音が聞こえるんだって。気を付けたほうがいいわよ」
「お、おい、おどかすなよ」

マサミは風呂から上がると、客間で髪にブラシをかけていた。
「あ、痛い。うわ、すごい痛んでる。こんなに抜けちゃった。久しぶりに潮風に当たったからかな・・・」
その時、部屋の外でミライの声がした。
「マサミ、開けていい?」
「うん」
スッ、とふすまが開いて、ミライが顔を出す。
「ロミオ参上」
「・・・」
「まだ起きてたんだ」
「おちおち寝てられないでしょ。こんな夜更けにあんたみたいのが来るから」
「ごめん、ごめん」
「ねえ、サク」
「なに?」
「目覚めた時のジュリエットの気持ちってどんなだったんだろう・・・好きな人が先にいなくなる気持ち」
「どうしたの?」
「私がいなくなったらどうする?あのひとみたいに」
「なんでそんなこと言うんだよ・・・」
ミライは思わず、マサミを抱きしめた。
「何となく、気になるんだよ・・・私、気がついたら、台本の台詞そっくりの言葉をしゃべってるんだ・・・」

(続く)
...2004/12/01(Wed) 02:18 ID:4VUdylr6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
アキと智世(その1)


2001年6月、アキは3歳。

梅雨の中休みの晴れの日、アキは薬局の中で智世に甘えていた。
「あかあさん・・・」
商品の並べ替えをしている智世の足元に来て、小さな手で白衣の裾を引っ張る。
「アキちゃん、おかあさんは、お仕事してるの。ひとりでお絵かきしてて」
そう言われて、うん、と頷いたものの、アキは白衣を離そうとせず智世を見上げていた。
「智世、それ俺がやっとくから、散歩にでも連れてってやれよ」
達明が声をかけた。
「しょうがないねえ、アキちゃん、お散歩行く?」
アキはうれしそうに、大きく頷いた。
「じゃ、行こうか」
小さなアキの手を引いて川沿いの道をゆっくりと歩く。やがて、火の見櫓が見えてきた。
「あそこで、よく電話かけたっけ」
しかし、今は携帯電話の時代。あの公衆電話はもうなかった。
橋を渡ってきた二人乗りの自転車が、目の前を横切っていく。
「朔・・・亜紀・・・」
制服は紺のブレザーになり、髪もみんな茶色くなっている。
いろんなものが、どんどん変わっていく。
自分の足元を、一生懸命歩いている小さなアキ。
この子もいつか変わっていくんだろうか。
繋いだ小さな手から伝わってくる、やわらかな温もり。
いつかは、手を繋ぐ相手を自分で見つけてくるんだろうな・・・。

港の手前に小さな神社がある。
智世がパンパンと手を打って祈ると、アキも慌てて真似をする。
「アキちゃん、行くよ」
午後の柔らかな光が水面に踊る。
小さな広場の先は行き止まりになっていた。
アキはコンクリートの壁を見上げた。
高さ2メートル位の堤防の内側は、かなりの急傾斜になっていて、ここを登るには大人でも勢いをつけて駆け上らなくてはならない。
小さなアキにはどうしようもない壁だった。
「アキちゃん、おかあさんもね、よくここに上がって遊んだのよ。もう少ししたら登ってみようね。すごくきれいだよ」
この壁の向こうには全然違う景色が広がっている。この堤防の上に立った時、世界はものすごく広くなる。
智世が気付くと、アキが壁を這い登ろうとしていた。少し上がって、動けなくなって止まっている。
「アキちゃん、まだ早いよ。もっと大きくなったら上に行ってみようね」
アキが振り返って智世を見る。
その目を見た時、智世はハッとした。
なんて、意地っ張りな目をしているの・・・今まで全然気付かなかった。
「アキちゃん、上に行きたいの?」
アキが頷く。
「よし、じゃ自分で登ってごらん」
アキは手足を踏ん張って必死に進もうとする。しかし、今のアキには、ここが限界だった。力尽きてベタっと腹這いになってしまう。
「はいはい、よくがんばったね。また今度にしようね」
抱き上げたアキの胸の鼓動がいつもより高く聞こえる。
何かを感じているのか、アキはじっと上を見つめていた。
智世は複雑な気持ちだった。ただただ、愛しくて愛しくて、それだけだった小さな娘の中に、思いがけない強さを見た。
家にいるときは、それこそアヒルの子供のように智世の後を追い掛け回し、好きなお絵かきをしていても、智世の姿が見えないと、あわてて捜し歩いた。甘えん坊なアキ、単純にそう思っていた。
もしかしたら、私はまだ本当のアキを知らないのかもしれない・・・疲れて眠ってしまった娘を背負い、智世は店へと戻っていった。

(続く)
...2004/12/02(Thu) 02:53 ID:wOdYnvME    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
朔五郎さんへ
マサミとミライは良い雰囲気に成ってきていますね
このまま幸せな二人を見ていたいですね

ときおり見せる気の強いアキの原点がここにあったのですね(^^)v
なんかこの頃のエピソードも書いてみたくなります
さすが朔五郎さん!

SATOさんへ
廣瀬夫妻とマサミ律子のピクニックを考えていますが、SATOさんの「あの歌」の部分が重要に関わってきそうなので、SATOさんのアップを待ってから書こうと思っております
...2004/12/02(Thu) 12:40 ID:dEwq.iRo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
皆さんに追いつかなくては・・・

冬の朝

マサミ宅・・・

マサミ母「マサミ、起きなさい、遅刻するわよ」

マサミ「ん・・・んあぁ・・」

マサミ「んぁ・・・おはようございます・・・」寝ぼけているのか誰もいないのに挨拶をするマサミ・・・

マサミ母「早く降りといで」

マサミ「ふあぁぁい」下へ降りる

マサミ母「ハイ、新聞と広告」

マサミ「ありがと、うぅ・・・寒い・・・」熱いコーヒーをすするマサミ

マサミ母「寒いときこそシャンとしないとだめよ」

マサミ「わかってますよぅ」朝食を食べながら広告を眺めるマサミ。クリスマスの絵が描かれたおもちゃ屋の広告だった

マサミ「もうこんな季節か・・・早いねぇ」

マサミ母「今年は忙しくて気の毒だねぇ」

マサミ「まぁ、仕方ないって、ご馳走様でした」

マサミ母「はい、弁当」

マサミ「いつもありがとうございまーす」

マサミ母「早くしないと遅刻するよ」

マサミ「はーい」着替えて出てきた

マサミ母「今日は冷えるって」手袋とマフラーを差し出す

マサミ「ありがとう、じゃ行ってきます」

マサミ母「気をつけていってらっしゃい」

マサミは妙な清々しさになった。マサミの吐く息は白かった・・・

続く。

なんかヘタクソになりましたねぇ・・・感想、修正、意見、などなど待ってますねぇ
...2004/12/02(Thu) 19:25 ID:nI/Apluc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その3)

3-107からの続き

(真の語り)

朔は亜紀を幸せにしたい・・・その思いで結婚を言い出した。冷静に考えれば、法律上は無理であることなど、すぐわかるのに、それでも彼は一途に走り回った。そんな朔に心打たれた私は彼のお父さんに無理を承知で亜紀との結婚写真を撮らせて欲しいとお願いした。亜紀の願いをかなえてやりたい、そう思って必死にお願いしたんだ。お父さんは撮影を快諾して下さった。正直言って、私は胸の中で手を合わせた。写真館で朔と一緒にカメラに収まる亜紀。担任の先生やクラスメートもお祝いに駆けつけて下さった。だが、亜紀の幸せそうな顔を見るのはこれが最後になってしまった・・・

律子とマサミは涙を浮かべながら真の話を聞いている。

(真の語り)

それ以降、亜紀の病状はどんどん悪化していった。薬の副作用で髪の毛も抜け、見るからに痛々しい姿になっていった。私も綾子もそんな亜紀を見ていて辛かった。見舞いに来てくれた朔も同じ思いだっただろう。亜紀は朔に最後の願いを託す。それは世界で一番青い空を見るために、ウルルへ連れていって欲しいというものだった。最後まで生きたいように生きたい。だから世界で一番青い空を見に行く。最後のわがままを許して欲しい。テープで私たちにそう言い残して亜紀は旅立って行った・・・

すすり泣く綾子・律子・マサミ

真「いや、つい長話になってしまって・・・こんな湿っぽい空気にしてしまって申し訳ない・・・」
マサミ「いいえ、最後まで・・・(しゃくりあげる)自分らしく生きようとした亜紀さん・・・亜紀さんを支え続けた朔太郎さん・・・ウゥ・・・そんな・・・お二人を見守り続けた・・・廣瀬さん・・・綾子おばさん・・・ウゥ・・・」
律子「(やはり泣き顔)・・・ちょっと・・・マサミちゃん、大丈夫?」
マサミ「ウゥ・・・(律子にすがりついて泣く)」
綾子「ちょっと、洗面所へ行きましょうか?」

(洗面所)

洗面所を貸してもらった律子とマサミが顔を洗い、化粧を直している。

マサミ「・・・何か、物すごく感動してしまって・・・亜紀さんも、朔太郎さんも、廣瀬さんも綾子おばさんも・・・とても素敵に思えちゃって・・・(まだウルウルしている)」
律子「そうね・・・私たちの知らなかったとても大きなものを持ってらっしゃるのね、廣瀬さんも綾子さんも。悲しいけど、とっても素敵なお話だった・・・」

夕方・廣瀬家の門の前

真「今日は湿っぽい話を聞かせて悪かったね。でも、ありがとう。」
綾子「本当、ごめんなさいね。変なこと聞かせて。この人ったらいきなりしゃべり出すから・・・(苦笑)」
律子「いいえ、とんでもない。とっても素敵な話で、感動しました。」
マサミ「こちらこそ、ありがとうございます。」

(4人とも、吐き出すものを出して吹っ切れた様子)

綾子「これに懲りずにまた、遊びにいらしてね。」
律子「ありがとうございます。是非お願いします。」
真・綾子「さよなら」
律子・マサミ「失礼します」

(帰り道)

マサミ「今日のお話、何かかたちあるものに残せないかしら?」
律子「かたちあるものって?」
マサミ「亜紀さんの朔太郎さんに対する思いを何かのかたちで残してみたいんです・・・具体的なイメージがまだわかないんですけど。」
律子「うーん、どうなんだろう。こういう話は人から人へ語り継がれていくのがいいようにも思うけど・・・「もの」というよりは「言葉」とかにするのがいいのかな・・・わたしもよくわからないけど。詩とか、かな・・・わたしだったら曲をつくるかな・・・マサミちゃんが感動したことをマサミちゃんなりに、そうね・・・ノートにつづってみたらどうかしら?」
マサミ「そうですね・・・(モヤモヤ感が取れない)ちょっと、亜紀さんのいた場所を歩いてみます。そうしたら、何か見つかるかも。」
律子「そっか・・いいものが見つかったら教えてね」

夕暮れの道を二人は家路につく


(続く)

かなりヤラセの要素が入りましたが、その点はご容赦を・・・(笑)
この後はいよいよ「あの歌」制作編です。


yosiさん、とりあえず二人には廣瀬夫妻のことを「廣瀬さん」「綾子さん(律子)」「綾子おばさん(マサミ)」と呼ばせてみました。
...2004/12/02(Thu) 22:29 ID:U4B.ZKzI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
yosiさんへ
ご感想ありがとうございます。
しばらく「四国編」と「アキと智世」を並行して進めていきます。
マサミとミライは何が何でも幸せになってもらうつもりです(笑)
マサミは最後の劇で大絶賛を浴びることになりますが、芸能界入りなどせず、介護福祉への道をしっかり歩んで行くと思います。マサミ本人が嫌だと言えば話は別ですが(笑)

堤防を登ろうとする女の子の姿は、「宮浦」に行った時実際に見た光景です。

たかさん
なかなか良いと思いますよ。いつもはかっこいいマサミの寝起きの顔、見てみたいですねえ(笑)

SATOさん
「呼び方」とても自然でよいと思います。

ちなみに、yosiさん、SATOさん、たかさんが書かれている第2部のストーリーは2016年秋〜2017年3月、四国編は2017年秋になります。
...2004/12/03(Fri) 01:01 ID:5RSUrU5o    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
たかさん
マサミの素顔が出てていいですよ

SATOさん
自然で良いですよ
私もピクニック編の最初では「廣瀬のおじさん」「綾子おばさん」と呼ばせておりますよ
...2004/12/03(Fri) 12:51 ID:xDW6IyuQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-121の続きです。


四国編(その6)

水田が広がる中を、ゆるやかにカーブする道が走っている。朝日を浴びて、ミライとマサミのバイクが疾走する。
ミライが、マサミが叫ぶ。
「ウワァーーー」 
「ワァーーー」

キキキィ。
木庭子高校の正門の前でバイクが止まった。
「着いたよ」
「ふーん、サクは去年の3月までここに通ってたんだ・・・」
「ああ」
「わあ、こんなに下駄箱が並んでる。こういうのは、どこの高校でも同じだね」
「そう?」
「サクの場所はどこだったの?」
「えーと、あ、ここ」
「あれ、MDが入ってる。愛のメッセージ、ってやつかな」
「普通に音楽を入れたやつじゃないの?」
「あーあ、もうちょっとロマンチックになったら?」
二人はスリッパに履き替えて校舎の中に入っていった。
「あのひとも、この校舎に通ってたんだね」
「うん」
「そして、あのひとが愛した、あんたソックリの彼も」
ミライは思わず苦笑いした。
長い廊下の突き当たりに化学実験室があった。
マサミが言う。
「実験室ってさ、なんかどきどきしない?なにか秘密があるみたいな気がして」
「秘密って?なにかヤバイものを合成してたとか?」
「・・・もういい」

ガタン・・・。
体育館のドアを開ける。
だれもいない、音のない室内。
「体育館って好きよ。高い天井、大きな窓から落ちた日差し。ワックスを敷いた板張りの床。きゅっきゅっきゅっと靴音が鳴くの」
二人は、きゅっきゅっと床を鳴らす。
「ねえ、ステージに上がってみない?」
二人はステージに上がる。
「卒業式、思い出しちゃうなあ。今日の日はさようなら、また会う日まで。この歌好きだった」
ミライがマサミのことを見つめる。
「マサミ・・・」
「私のこと好き?」
「あ、ああ」
「目を閉じて。いいと言うまで開けちゃだめよ」
二人は同時に目を閉じ、顔を寄せていく。
と、ピアノの音がひとつ、ぽん、と鳴る。
「!」
二人は驚いてあたりを見回す。
「気のせい、だよね」
「うん」
ミライがマサミを抱き寄せ、キスをする。
・・・演奏が始まる。
ふたりしかいない、広い体育館に響く、ピアノの静かなメロディー。

(ねえサク、アヴェ・マリア)
(うん)
(私たちのために弾いてくれてるんだね・・・)

やがて、ゆっくりと曲が終わる。
見つめ合い、もう一度強く抱き合う二人。

「やっぱり・・・ねえ見て。この台本」
マサミがバッグから演劇部の台本を取り出す。
何気なく読むうちに思わず息を呑み、ページをめくっていくミライ。
「私がここに来たのは、偶然じゃないのかもね。だって、私たち、劇の中の二人とソックリな言葉をしゃべってるじゃない・・・」
ミライも呆然としている。
「これが私の運命なの?同じラストシーンが待っているの?」
「・・・そんなこと、あるわけないよ」
「だって、だって・・・」
何かを思い切るようにミライが言う。
「重じいのところに行ってみよう。きっと何かを知ってるはずだ」

(続く)

余談ですが、12/2にとんねるずの番組で「食わず嫌い王決定戦」というのに松下由樹さんが出てました。そして嫌いな一品は、よりによって「カニクリームコロッケ」(笑)クリームがダメなんだそうです。というわけで、大林アキは、あまりカニクリームコロッケを食べる機会がないかもしれません(笑)
...2004/12/04(Sat) 02:00 ID:MLa.efXg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、呼び方の件ですが、何か考えてることが一緒ですね。早めに二人に「あの歌」を作ってもらいますので、その後ピクニック編お願いいたします。

たかさんの描くマサミは可愛いですね。

朔五郎さん、二本同時進行、お疲れさまです。四国編楽しく読ませていただいております。

にわかマニアさん、ご返事が遅れました。
書いているとのめり込んでしまうので、客観的なアドバイスが役立ちます。


先日、スポーツクラブの仲間で忘年会をやりました。レッスン中に挨拶する程度だった人たちとも話す機会があり、楽しかったです。参加した人の中に薬剤師をやりながら、役者を目指している女性がいて、来年2月に舞台に上がるそうです。役者一本で食べていくのはとても厳しく、殆どの人がアルバイトをやっているそうです。逃げ道があるのはよくないのかも知れないが、生きていくためにはこうするしかない、と彼女が話していました。
その話を聞いたら、大林アキがダブりました。薬剤師になって店を継げ、と口やかましく言う智世の気持ちもよくわかります。そうすれば食いっぱぐれる心配はありませんから。
彼女の話を聞いてそう思いました。
...2004/12/04(Sat) 08:14 ID:A4YK5Qgk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
それではピクニック編のさわりの・・・

律子とマサミ(ピクニック編)

 柔らかな春の日差しの中、律子とマサミは砂浜の上にレジャーシートを広げていた。海岸通りの向こうの駐車場からは真と綾子もこっちに向かって歩いていた。二人の姿を見つけたマサミが手を振りながら叫んだ。
マサミ「廣瀬のおじさん!綾子おばさん!こっちですよ〜」
元気に叫んでいるマサミの姿を見て二人は微笑みながら話をしている。
綾子「あなたあそこにいるわよ」
真「いつも元気な子だな」
綾子「本当にそうね、それにちゃんと挨拶も出来ますしね」
そこには、いたずらそうな目をした綾子がいた。
二人に向かって走って来たマサミは二人の前にくるとぴょこんと頭を下げた。
マサミ「こんにちわ!廣瀬のおじさん、綾子おばさん。あ!荷物お持ちしますよ」
真「大丈夫だよ、それにこれ結構重いからね」
マサミ「そんなのへっちゃらで〜す」
そう言ってマサミは真の抱えている荷物に手をかけていた。
マサミ「今日はお二人に食べてもらおうと思って律子さんと朝からがんばっちゃいました!」
そう言ってマサミは律子の待つ海岸へ小走りに走って行った。
綾子「本当にいつもはきはきしていて、健康そのものって感じですね、あたな」
真「そうだな、それにちゃんと挨拶も出来るし・・・」
二人は顔を見合わせて微笑んだ。

レジャーシートでは律子が料理を広げていた。
律子「廣瀬さん、綾子さん今日のお料理は半分以上マサミちゃんが作ったんですよ」
真「へ〜それは楽しみだね」
マサミ「へへへ!でも本当は律子さんのレシピが有るおかげなんです」
綾子「レシピが有ってもその通りに作るのは難しいものよ」
マサミ「今日はお料理作るのが楽しくて仕方ありませんでした。私こんな事始めてなんです」
真「どれどれこれが噂のチンジャオロースか・・・う!これはいける・・・早く綾子も食べてみなさい」
真はそう言ってお箸で重箱を指した。
綾子「あなた、行儀が悪いですよ」
そう言いながらチンジャオロースに手を伸ばす綾子、そんな様子を少し不安げに見ているマサミがいた。
綾子「ほんと!美味しいわ・・・お肉がプルルンとして、ジューシーで、プロが作ったみたいなお味ね」
二人の反応に安堵の息をもらすマサミ。
マサミ「良かった!綾子おばさんにほめてもらえれば合格ですね」
真「おいおい、私ではダメかい?」
マサミ「すいません!そんな事ないですよ」
困っているマサミに律子が助け船を出した。
律子「今日は下準備から仕上げまでマサミちゃんが一人でしたんですよ、ね!マサミちゃん」
マサミ「はい!やっとフライパンも振れるようになりました」

(続く)
この後はSATOさんの「あの歌」を待ってからにしますね
...2004/12/04(Sat) 19:09 ID:Dho0oYSc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
みなさん、こんばんは。

マサミの進路について
マサミの進路は「介護福祉」ということで一致していると思うのですが「介護福祉士」になるとすると、専門学校に行くことになり「東京の大学に進学した」というのにマッチしません。
そこで、福祉学を学んで、将来的には公的機関で福祉行政あるいは政策のような仕事をするのが目標、という方向で行きたいのですが、いかがでしょうか。
調べてみましたら、この学部がおしゃれなマサミに合っていると思いますがどうでしょう(笑)

http://www.rikkyo.ne.jp/grp/cchs/index.html

ただし、新座(にいざ)キャンパスは正確には埼玉県になってしまいますが(苦笑)
あとは東京都立大がありますが、これは多摩地区にあり、ちょっとイメージが違うような気がします。

マサミは普段は新座キャンパスに通っていて、演劇部の活動で池袋キャンパスに行き、英文科のミライと出会うということで(笑)
...2004/12/04(Sat) 21:37 ID:MLa.efXg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その4)

それでは、「あの歌」制作編に入ります。
これまでもそうでしたが、この番外編についてはヤラセの要素が多々あると思いますので、あらかじめ
ご承知置きねがいます(ペコリ)


廣瀬家から帰ってきた日の夜

マサミの自室

マサミは廣瀬家で聞いた話の余韻に浸っていた。
オーシャンビューの部屋の窓から外を眺めている。

マサミ「星空がきれい・・・キラキラ光る星たちがまるで私に話しかけてきてるみたい・・・・でも・・・私が答えようとすると急に黙ってしまう・・・どうしてなんだろう?」

ふと東の方へ目をやると満月が昇ってきた。水平線上に浮かぶ鈍色の月。月の光が海面に反射して、一本の白い道が出来たようである。

マサミ「ん?・・・・あの白い道をたどっていくと・・・ああ、あれが夢島か・・・あそこで亜紀さんと朔太郎さん、どんな話したんだろう?でも、海を眺めてると面白いな・・・波が泡だって、どんどん色が変わっていく。このまま寝ないで朝まで眺めてようかな・・・・夜明けの海はどんな色になってくんだろう・・・・夢島の亜紀さんも寝ないでこの海をずっと眺めてたのかな?朔太郎さんの温もりをずっと感じていたかっただろうな・・・」

マサミは何か思いついたようにノートに書き留めた。


同じ時刻・大沢先生宅

律子が廣瀬家で聞いてきた話を大沢先生に聞かせている。

律子「それでね、感動してウルウルしてたら、マサミちゃんが号泣しちゃって・・・あの子、しっかりしているようで、以外と涙腺が弱いのね。でも素直で可愛いし、そんなところが好きだな。」
大沢「あいつは結構泣き虫だぞ。僕の前では何度泣いたことか・・・(苦笑)でも、今度の涙は僕の前で見せたことのない清らかな涙だったんじゃないのかい?」
律子「そういえば、あなた言ってたわね。ケンちゃんとアキちゃんが駆け落ちしたときの話だったっけ?」
大沢「そう、あの時は本当に苦しくて流した涙だった。でも、今回は美しい話に感動して流した涙だったんだろうね。
話の腰を折って悪いけど、その話、僕も谷田部先生から聞いたことがあるんだ。映画の「オータム・イン・ニューヨーク」を思わせる話だった。亜紀さんと朔太郎さんのことは、谷田部先生の心に今でもしっかりと刻みこまれている。そして、先生は学校を去るにあたって、宮浦高校の歴史の1ページとして、僕たちにその話を伝えたかったのかも知れない。」
律子「マサミちゃん、この話を何かかたちあるものにしたいって言ってた。」
大沢「かたちあるもの?」
律子「うん、私にもよくわからなくて。それで、詩を書いてみたらって言ったら、あの子、亜紀さんのいた場所を歩いてみるって。」
大沢「そうか・・・もしマサミが詩を書いてきたら、それに君が曲をつけてみたらどうだ?」
律子「あっ、そうか。私だったら曲作るってマサミちゃんに言ったばかりだったわ」



翌日の昼間・宮浦高校のグランド

誰もいないグランドにマサミがたたずんでいる。

マサミ「わたしが走ったトラック・・・同じ場所を亜紀さんが走っていたんですね・・・」

マサミの脳裏に朔と亜紀のイメージが浮かぶ
    ***********
 朔「位置について、ヨーイ・・・ドン!」
 亜紀がスタートして走り出す
(本家・第四話のワンシーンをイメージしています)
   ***********

マサミ「よーし、亜紀さんと競走してみるか・・・」

マサミがトラックに入っていく。

マサミ、クラウチングスタートを切ってダッシュ!
トラックを走るマサミ。

マサミ「(内心の声)ああ、しんどい・・・亜紀さんに追いつけない・・・」

トラックを走り終えたマサミ

マサミ「ハァッ、ハァッ・・・・やっぱりトレーニングしてなかったからきつい・・・ふぅー・・・(息が荒い)」

トントン・・・・
誰かがマサミの右肩をたたいた。
マサミが振り向くと人差し指がほっぺに突き当たる。そこには大沢先生が・・・

マサミ「大沢先生?」
大沢「亜紀さんもこういうイタズラをしたらしい。朔太郎さんにな。」
マサミ「え?」
大沢「律子から聞いたよ。何か見つかったか?」
マサミ「今、ひとつ見つかりましたよ。茶目っ気たっぷりに朔太郎さんにイタズラする亜紀さん。」
大沢「そうか、俺に感謝しろよ。ヒントを与えてやったようなものだからな(笑)」
マサミ「ハイハイ・・・わかってますよ(笑)」
大沢「マサミが何を見つけてくるか、律子が楽しみにしてるぞ。」
マサミ「ええ、今、見つかったものをどんどんノートに書き綴って、詩を書いているところですから。出来あがったら見せに行きますよ。」
大沢「うん、楽しみにしてるよ」

(続く)
...2004/12/04(Sat) 21:58 ID:TV6F81Es    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、よく見つけられましたね。

私もマサミが進学する大学はミッション系をイメージしていました。

朔五郎さんの見つけられた大学のページを見ましたが、卒業後の進路は政策・行政から現場まで、幅広いようですね。マサミも勉強している間に現場をより充実させるために行政・政策方面に進む、ということでよろしいのではないでしょうか?
...2004/12/04(Sat) 22:24 ID:TV6F81Es    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
朔五郎さん、よく発見しましたねぇw

ちょっと大学となると遠い存在的になってしまうんですねぇ。

自分の描ける世代を精一杯描写していきたいと思いますwクリスマス・年越しと、若い力が発揮できるように頑張ります。ちょっと話題からそれてすみません〜w
...2004/12/04(Sat) 22:35 ID:a8k75Pf6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
朔五郎さん
ここで決まりで良いと思います
ここで勉強しながらボランティアでまたホームを訪問したりして行政に進むのも良いと思いますよ

SATOさん
いよいよ「あの歌」ですね
続きを楽しみにしておりますね
...2004/12/04(Sat) 22:37 ID:BRnwZ0x.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
マサミについて
みなさん、賛成して頂いてありがとうございました。
考えてみれば、まだ1年生なので、いろいろ考えて、稲代中央病院でソーシャルワーカーをやるとか、「涼風ホーム」で福祉コーディネーターをやるとか、行政の他にも選択肢がたくさんあるわけですね。
ここは本人にゆっくり考えてもらいましょう(笑)

たかさんへ
これから第3部に進んでも、高校時代のエピソードをどんどん書いていいんじゃないですか。回想シーンみたいに挿入するとか、いろいろ生かし方があるとおもいますよ。

SATOさんへ
あの歌の誕生秘話、楽しみにしています。
...2004/12/04(Sat) 23:03 ID:.s6UZERE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その5)

「あの歌」制作編第二弾です。

宮浦高校グランド

マサミ「あの、先生、ひとつだけわからないことがあるんです。」
大沢「何だい?」
マサミ「亜紀さんが亡くなってから、朔太郎さんはどんな生き方をしてきたんでしょう?支えあって生きてきた人がいなくなって、どんな思いでそれからを生きてきたんでしょうか?」
大沢「前に話さなかったかな?NYのおじさんのことを。」
マサミ「ええ、覚えてます。」
大沢「本当の息子のように可愛がってもらってたからね、亡くなったと聞いたとき、ウソだ!そんなハズない!って現実を受け入れられなかった。日本へ帰るときに奥さんがビデオテープをくれてね、その中ではおじさんが生き生きしていた。その時思ったよ。おじさんは僕の中にいる。これからもずっと一緒に生き続けるんだと。美術教師になったのは、おじさんが背中を押してくれたからだと思っている。迷ったとき、悲しいとき、苦しいとき、いつもおじさんが見守ってくれてるような気がしてね、頑張ることができたんだ。だから、今の自分があるのはおじさんのおかげだと思っているよ。」
マサミ「(ジーン・・・・感動している)」
大沢「亜紀さんは、今も朔太郎さんの中にいて、一緒に生きているさ。そして、朔太郎さんが頑張って生きて、幸せになることを願っているさ。いや、朔太郎さんだけじゃない、ご両親、クラスメート、谷田部先生、みんなと一緒に生きているんだよ、今も、そしてこれからも。」
マサミ「(ジーン・・・)素敵・・・そうですよね、亜紀さんは、今でも朔太郎さんや廣瀬さんたちの中にいるんですよね。もう見えないけれど。」
大沢「(うなずく)」
マサミ「出来たー!早速律子さんに見せに行きます。先生、ありがとうございました。」
大沢「よかったな、マサミが書いた詩に律子が曲つけるって言ってたぞ。」
マサミ「私の作った詩が歌になるんですか?ちょっと恥ずかしいですよ・・・」
大沢「そう、照れるな。早く行って来い。」
マサミ「はい、先生のところへお邪魔させていただきます。行ってきまーす。」

マサミは急いでノートに書き込みをして律子のもとへ向かった・・・

(続く)

※NYのおじさんのビデオテープが大沢先生にとっては「ソラノウタ」に相当するもの、という解釈をさせていただきました。
ちなみにNYのおじさんはマイケル・ムーア監督をイメージしてました。朔五郎さんのイメージはいかがですか?
...2004/12/05(Sun) 11:58 ID:kubEXaZA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさんへ
マイケル・ムーア監督、もちろんOKです(^^)

アキの将来について
これは、第3部に入る時に、編集会議と思っていたんですが、SATOさんのお仲間のお話がでましたので、ちょっとだけ。
アキは薬局と絵本作家の「二足のワラジ」になることはほぼ意見が一致すると思います。どちらに比重をかけるかということについては、あとで「編集会議」いたしましょう。
ちなみに、「札幌編」の中に出てきた変なフラワーショップは、将来アキが店を持った時のイメージを提案してみました。処方箋を持ってきた患者さんは、ミニギャラリーのような待合スペースで、壁に架かった絵や、アキ手作りの(絵本のような)「クスリの飲み方」「クスリを飲む時の注意」といったパンフレットを見ながら待つ、という感じでしょうか。
この辺も、第二部が終わった時点で話し合いましょう(^^)
...2004/12/05(Sun) 17:03 ID:0vcZ9Sgo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-128の続きです

四国編(その7)

海が見える交差点の角に、その写真館はあった。
「雨平写真館」と書かれたドアを押して二人は中に入っていった。
ほの暗い写真館の奥に80過ぎの老人が座っていた。
「おう、来たか、サク。リュウやジョニーから話は聞いた。ふ、あんた、なるほどよく似てるな」
少し蒼ざめた顔でマサミが言う。
「初めまして、長沢まさみです。あの・・・」
「そう・・・あんた、もう気付いてんだろ。あんたがここに来たのは偶然じゃねえ」
重蔵が目配せした先には一枚の結婚写真があった。
「はっ・・・」
「どうだい、似てるだろ」
「このひと・・・アヴェ・マリアを弾いて・・・」
「アヴェ・マリアだ?そりゃ間違いねえな。あんた、その子に呼ばれたんだ」
「し、重じい、いい加減なこというなよ。だ、大体、そんな死んだ人間が呼んだなんて・・・」
「サク、わかるんだよ俺には。俺とあの子はこういう仲だからな」
重蔵はポケットに突っ込んだ手を出し、二人の前で広げて見せた。
「何だよ、これ・・・えっ!」
「そうだ、骨だよ、骨。俺の片想いの相手のな」
一瞬逃げ腰になる二人。
「じゃ、いつもポケットに手を入れてたのは・・・」
「こいつを握ってたのさ」
「それじゃ、あのひとに骨を盗むよう頼んだのは」
「俺さ。あの子があんなことになったのも、もしかしたら、こんなことさせたせいかもしれねえ」
遠くを見るように重蔵が続ける。
「あの子はイタズラ好きでなあ。こういう話には結構乗って来たのさ。病気になってからは手品覚えて、よく人を驚かせてたもんだ。ほれ、この写真の男のほう、こいつは今、別の女と所帯持ってるんだが、それだって、この子が縁結びしたようなもんだ」
重蔵はマサミに向かって言った。
「そういうわけで、この子には前科があるんだ。お互いに知らねえ同士の二人をくっつけて喜んだという前科がな。どうやら、おまえたちも気に入られたらしいな。サク、赤い橋のところに神社があるだろう。あの神社の石段に座って、おまえたちを見ながら笑ってるこの子の姿が目に浮かぶよ」
マサミが手にした台本の表紙をちらりと見て重蔵が言う。
「その脚本はな、四国出身の作家が実際に起こったことをもとに書いたもんだよ。つまり、この子の話さ」
「私、故郷でも、この話と似たようなひとがいたと聞いて・・・でも、この台本まで本当の話を・・・私、これに出会ってから、無意識のうちに中の台詞とソックリのことをしゃべってる・・・」
「この子はなあ、あんたに演じて欲しいんだよ、自分のことをな」
思いつめたようにマサミが言う。
「やっぱり私、このひとと同じ運命に・・・」
「・・・え、あっはははは・・・あんた、そんなこと心配してんのかい。安心しな、そうじゃねえよ」
重蔵は昔を懐かしむ目をした。
「この子はなあ、頭が良くて、スポーツ万能で、大人びてて、そりゃもうキラキラしてて・・・きっと、将来だってすばらしい夢があっただろうよ。それがあんな病気になって、髪の毛もみんな抜けて、十七歳の誕生日に死んじまった。人間が死ぬってのは、えらいこった。ましてや若くてキレイな子が死んだりするとなおさらだ。ああ、かわいそうだ、辛かったろう、苦しかったろう、そんな同情みてえなことばっかり残っちまう。この子はそれが悔しいんじゃねえのかあ。夢、思い、輝いていた自分のイメージ、そんなものをこの世に残したいんじゃねえのかなあ」
重蔵が写真を振り返る。
「これを撮った時、この子は言ったんだ。私、忘れられるのが怖い、だから今の自分を撮って欲しいとな。俺は心が重くてなあ、かわいそうでかわいそうで。でもな、この子が着替えてカメラの前に立った時、俺は心が弾んだんだ。見てみな、この幸せそうな顔を。俺はこの一瞬の幸福を祝福せずにはいられなかったのさ」
マサミは言葉を失い、重蔵を見ている。
「間違えんなよ、あんたが演じるのは悲劇なんかじゃねえぞ。あの子が観客に、そしてあんたに伝えたいことは何か、もう一度よく読み直してみな」
「・・・はい」
「おい、サク・・・」
「オレ、佐久間っす」
「俺は、やめたあ」
「え?」
「この店閉めるのやめた。まさか今ごろになって、おまえたちみたいに面白いのが出てくるとは思わなかった。おまえたちがいつか本物の結婚写真を撮りに来るまで、ここは閉めねえ。もうこの世に未練なんかねえと思ったけど、また引きずっちまったよ・・・」

《全日空よりお客様にご案内いたします。東京行き19時20分発640便は、ただ今よりお客様を機内へとご案内いたします・・・》

「マサミさん、ほんとにまた来てね。これ、讃岐うどん。荷物になって悪いけど持って行って」
「ありがとうございます。あとで、静岡の方から何か送らせていただきます」
「いいのよ、そんな・・・ミライのことよろしくね」
「はい、お見送り頂きましてありがとうございました。失礼します」
二人が見えなくなって、文子と千恵子は顔を見合わせた。
「風のようにやって来て、風のように帰っていったね」
「もう少しいて欲しいのに、と惜しまれながら帰るくらいがちょうどいい。そういうこと、ちゃんとわかってるんだよ、マサミさんは。賢いねえ、ほんとに・・・」

二人は並んで席に着いた。シートベルトを締める。
ゆっくりと機体が動き出す。
青い誘導灯が窓の外を流れる。まるで二人を見送る魂のように。

「ねえ、サク。あのひとは、もうこの先には行けなかった・・・」
「うん」

《・・・当機はまもなく離陸いたします》

「ねえ、明日から練習相手になってね・・・」
「うん」

《・・・あなたはあなたの今を生きて》

機体が滑走路に入り、ぐんぐん加速する。
マサミがミライの手を握り、ミライに寄りかかる。

(行きます・・・)
離陸した飛行機の窓の外に向かってマサミはつぶやいた。


(続く)


結婚写真を撮るシーンでは、若くして死んでいく少女を憐れむシーンになるだろうと思っていたが、いざその場になったら、意外にも心が弾んだ、と山崎努さん自身が語っています。
...2004/12/05(Sun) 22:03 ID:0vcZ9Sgo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
SATOさん
いよいよクライマックスですね
楽しみにしております
SATOさんの話をふまえてピクニック編を進めますね

朔五郎さん
重じいの話し、いいですね
映画の中の重じいが本当にしゃべっているような雰囲気ですよね
私ももっ暗い話しになるかと思って読んでいましたが
映画の中も亜紀もきっと朔五郎さんの書いた様に思っているんでしょうね

23日が待ちきれずにレンタルしようと土日は数回見に行きましたが、1枚もありませんでした
無いとよけい見たくなるなぁ
...2004/12/06(Mon) 19:17 ID:nLIQm5zM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:くれい
四国編は、このHPの数あるドラマのアナザ−ではなく、映画のアナザ−のような気がしました。
なによりも重じいが登場してくれたのは嬉しいです。
雰囲気も良く出ていますね。思わず映画のワンシ−ンとして思い浮かべてしまいました(笑)
...2004/12/06(Mon) 19:50 ID:IF6.MlIk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、四国編楽しかったです。まさに映画の方の第二世代もののような感じですね。しかし、二度もあの話を聞くマサミは・・・私の悪乗りが朔五郎さんに伝染してしまったようです(笑)


律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その6)

「あの歌」制作編第三弾

学校から律子のもとへ向かうマサミ
自転車に乗っている
かつて、朔と亜紀が自転車に二人乗りして走った道をマサミが走る

マサミ「ひーとみーを閉じてーきーみを思うよーそーれだーけでーいいー♪」

歌を口ずさみながら田んぼ道を自転車で走るマサミ

(大沢家)

律子がピアノを弾きはじめる

※サントラをお持ちの方は是非「かたちあるもの(ピアノバージョン)」を聴きながらお読み下さい。ここでは律子が弾いているという想定です。

昨日、廣瀬家で聞いた話を思い出したのか、目を閉じながら律子はピアノを弾く

一方、自転車のマサミも昨日の話を想い出す

二人の脳裏に朔と亜紀のあの物語が蘇ってくる

(回想シーン:数字は本編の話数です)

・にわか雨の中、弔辞を読む亜紀に傘をさしかける朔(1)
・朔をからかって笑う亜紀(1)
・亜紀「好きよ、朔ちゃん、大好きだよ」(1)
・朔「心が狭いんだ、俺は」(2)
・あじさいの丘のファーストキス(2)
・朔を抱きしめる亜紀(3)

宮浦のたたずまいは、30年たった今も変わらない
田んぼ道、橋、なまこ壁の家・・・あの日のままだった

マサミは自転車を走らせる

ピアノを弾きつづける律子

・自転車に二人乗りする朔と亜紀(4)
・競技場の係員に食い下がる朔(4)
・12秒91を喜びあう二人(4)
・夢島で蛍を見ながら語り合う二人(5)

海沿いの道でマサミは自転車を止め、夢島の方を見る

・倒れる亜紀(5〜6)
・病院で再会し、抱き合う二人(6)
・入水自殺を図った亜紀を連れ戻す朔(7)
・婚姻届を亜紀に見せる朔(8)
・結婚写真の撮影(9)

松本写真館の前を通りすぎるマサミ

・空港へ向かう電車の中(10)
・朔「助けてください・・・」(10)
・ウルルで「アキー!!」と泣き崩れる朔(11)
・亜紀「頑張れ、朔ちゃん(ホイッスルを吹く)」(11)

防波堤で自転車から降りて海を見ていたマサミ
また自転車に乗り、大沢家へ向かって走る

(大沢家の前)

マサミがやって来る
マサミはインターホンのベルを押そうとしたが、家の中からピアノの音が聴こえてきたので、ベルを押すのをやめる
そのままピアノの音色に聴き入るマサミ

(大沢家の中)

律子がピアノを弾いている

(玄関の外)

聴こえてくるピアノの音色に合わせてマサミが歌を口ずさむ。それは自作の詩であった・・・

マサミ「・・・泣きたいときや、苦しいときは、わたしを想い出してくれればいい・・・

(回想シーン)
・ラストシーンでの朔と亜紀の再会
 二人で海を見つめ、手をつないで歩いていく(11)

・・・寄り添える場所遠い夏の日 温もり 生きる喜び 全ての心に・・・♪」

律子がピアノを弾き終える

ピンポーン!

律子「はーい!」

マサミが玄関の外に立っている

マサミ「パチパチパチ・・・(拍手)素敵な曲でしたよ、律子さん」
律子「ありがとう、亜紀さんのこと考えてたら、自然に手が動いて、今みたいな感じでピアノ弾いてたの。」
マサミ「ほら、わたしも詩を書いてきました。大沢先生に助けてもらったけど・・・(ノートを差し出す)」
律子「どれどれ・・・」

夜空に消えてく星の声
儚げに光る鈍色の月
二人で泳いだ海は何故
束の間に色変えてゆくんだろう

このまま眠ってしまいたくない
あなたをまだ感じてたい

もしもあなたが寂しい時に
ただそばにいることさえできないけど
失くす傷みを知ったあなたは
ほかの愛をつかめるそう信じてる

いつかあなたが夜に迷い
ふとあの日を見つめかえすなら
まぶしすぎる太陽の中で
微笑む私を思ってね

重ねあわせてゆく「好き」の強さ
泣くことさえ愛に変えた

強がる愛の弱さ両手に
抱えてもろい絆を確かめてた
でもこの今(とき)を生きるあなたを
ずっとずっと見守るmylove その心に

泣きたいときや苦しいときは
私を思いだしてくれればいい
寄り添える場所遠い夏の日
温もり生きる喜び
全てのこころに
(作詞:柴咲コウ・山本成美)

律子「まあ・・・亜紀さんの心そのものだわ・・・」
マサミ「大沢先生がおっしゃってました。亜紀さんは朔太郎さん、そして周りにいるみんなの中にいるんだって。もしかすると、亜紀さん、私たちの中にもやって来て、曲や詩を書かせてくれたのかもしれない・・・さっき、律子さんのピアノに合わせてこの詩を口ずさんでました。詩と曲がすごくマッチしてました。ひょっとすると、私の中の亜紀さんが歌ってたのかな?」
律子「そうよ、亜紀さんいるわよ。私たちの中に。もう一度歌ってみる?亜紀さんに聴いてもらいましょうよ。」
マサミ「そうしましょうっ、亜紀さん、聴いててくださーい!」

律子の曲にマサミの詩をつけて二人は歌い始めました

※皆様、柴咲コウさんの「かたちあるもの」を聴きながら、朔と亜紀を想い出して下さい・・・


(続く)


思いっきりヤラセの要素が入りましたが、とりあえず、「あの歌」が出来上がりました。
この話の中ではまだ題名がありません。
題名は誰がつけるのでしょうか?
...2004/12/06(Mon) 22:51 ID:eBIlQRvw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
ケン宅・・日曜の午後

ケンはカレンダーを眺めて言った

ケン「もう12月か・・・」

優子「早いものね」

ケン「そうだね」

優子「今年はクリスマスは出かけないの?」

ケン「わかんないや」

優子「そう、アキちゃんもたまには息抜きした方がいいんじゃないかなぁ?」

ケン「何?その出て行って欲しそうな言い方は」

優子「べーつにー。家にいたら掃除手伝ってもらうわよ」

ケン「勉強するっての」

優子「あ、出て行かないんだ」

ケン「まだわかんないってば」

優子「頑張れ、受験生」

ケン「うるさいなぁ」

優子「怒っちゃった?」

ケン「別に、勉強してくる」

優子「頑張って〜」

優子は鼻唄まじりに掃除機をかけ始めた・・・

続く。

休日のユイ・レイコ、ケンと平日の朝のマサミ、アキ、シンジとスタートは分けますね。曜日的に、土曜日がユイ・レイコ、日曜日がケン、月曜にマサミ、シンジ、火曜日にアキといった感じで。実際の日にち、曜日とは関係しておりませんのであしからず。
...2004/12/07(Tue) 15:06 ID:OaBzDUVo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
yosiさん、くれいさん、SATOさん
ご感想ありがとうございます。重じいは映画のほうでは「助演男優賞」でしょうね。あの写真館はまさに「異界」という感じですよね。

SATOさん
>しかし、二度もあの話を聞くマサミは・・・
これも人気者のつらいところで(苦笑)
一応、「宮浦の廣瀬亜紀」と「四国のあのひと」は別人ですので(苦笑)
それにしても、大林アキの立場は(汗)
あれ、「空白の17年間」では朔も演劇部でしたっけ・・・すみません、かぶりまくって(恐縮)
...2004/12/07(Tue) 21:23 ID:q8qqeiT2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-139の続きです

四国編(その8)

ミライはマサミに呼び出され、池袋キャンパスの近くにあるスターバックスに向かっていた。ミライが入って行くと、疲れきった表情のマサミが座っていた。よく見ると、マサミは二人の男と話をしている。
「あ、サク・・・」
ミライを見つけて、手招きをする。
「紹介します。英文科の佐久間未来君です」
「佐久間です」
ぴょこんと頭を下げるミライ。
「こちらは、演劇部顧問の行貞教授と、OBで今回の演出担当の堤さん」
「佐久間君、よろしく」
「あ、は、はい。よろしくお願いします」
「実はね、サク、大ピンチなのよ」
「どうしたの?」
「私の相手役の山田さんが出られなくなっちゃったの」
「え、山田さんて、3年生のヤマダタカユキさんだよね・・・どうしたの?」
「ここだけの話なんだけど・・・駆け落ちしちゃったの」
「か、駆け落ち・・・っていうことは・・・」
「そう、ハルカと一緒に」
「だけど、どうして」
「山田さんの家は昔から続いてる漁師さんで、卒業したら船に乗れって言われてたのよ。でも、どうしてもいつかブロードウェイの舞台に立ちたいから、ダンスと演技の勉強をするってニューヨークへ行ってしまったらしいの」
「で、ハルカは?」
「ハルカはアルバイトして、生活を支えるんだって・・・」
「そんな、ムチャクチャな。案外そこらへんのホテルにでも潜んでるんじゃないの?」
「それが、成田から出国した記録があるんだって」
「本当に行っちゃったんだ・・・」
「それにね、エアメールで写真が届いたの。小さな教会で二人きりで結婚式を挙げましたって。駆け落ちって成功することもあるのね・・・あ、それでね、サクはずっと私の練習相手してくれてたから台詞も結構覚えてるよね」
「佐久間君、このとおりだ、代役をやってくれないか。本来、部長の安浦にやらせるべきなんだろうが、あれはヘタクソで・・・」
「い、いえ、いくら行貞先生の頼みでも・・・」
「佐久間君、君、危ない単位が幾つかあるよね。君がその気になってくれれば、担当の先生にプッシュしてあげてもいいんだけどな・・・」
「あ・・・」
「ねえ、サク、お願い」
(だめだ、もう逃げられない・・・)

そして、公演の日がやってきた。
舞台のソデで開演時間を待つ二人。
「サ、サク。落ち着いてね」
「な、なんだよ、ビビってるのはそっちだろ」
「考えてみたら、いつもやってきたのと同じことやればいいんだよね」
「ああ」
「サク、手を握って」
ミライは無言で、マサミの手を強く握る。
「時間だ・・・行こう、サク」


第一幕

照明 暗
舞台中央スクリーン  2017年10月28日
スクリーン 激しく揺れる木々の映像に変わる
SE 激しい風雨の音
音楽 C.I. アヴェ・マリア(バッハ=グノー) F.O.してBGMに

【病室・窓辺に並ぶふたつの影】

少年『近づいてるんだ・・・』
少女『なにが?』
少年『台風』
少女『台風?』
少年『台風29号』
少女『ねぇ・・・行けるかな?』
少年『行けるよ。僕が必ず連れて行く』


客席では行貞教授と堤が、並んで舞台を観ている。
「長沢、落ち着いてるな。あの代役も、なんとかなりそうじゃないか」
「はい」
「それにしても、台本変えたの?」
「はい、設定を現在にしてみました」
「そうか」


【葬儀会場】

司会者の声に促され、すっと前に出る少女、16歳。

少女『国村先生、慎んで先生のご逝去を悼み、生前のご指導に対し、改めて御礼を申し上げます。先生、本当はそんなこと申し上げたくなんかありません。今はそんな言葉よりも、先生の突然の訃報、そして先生の遺影を前にお別れの言葉を言わなければならないことが悲しく、そして悔しくてなりません。先生がいつもおっしゃっていた<始まりはすべての続きにすぎない>という言葉の意味を考えます・・・私たちは・・・』

SE 通り雨の激しい雨音

参列者、慌てて舞台下手へ走り去る
激しい雨の中、少年が独り立ち尽くし、少女の後姿を見つめている


(続く)
...2004/12/08(Wed) 01:42 ID:hX6TJAIU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎様
 腹を抱えて笑ってしまいました。
 「ヒロインの条件」についてのスレで,「ドラマ版と違って,映画版は,ヒロインが孤高の存在として描かれ,エピソード(=手掛かり・投稿者註)にも乏しいにで,サイドストーリーが書き難い」とおっしゃっていたのがウソのような,映画版の展開ですね。確かに,おっしゃるような制約条件もあって,全くの創作というよりは「切り絵細工」的なものにならざるを得ない(失礼な言い方でしたら謝ります)とはいえ,ここまで見事に映画のシーンの一コマ一コマを散りばめて,短編にまとめられたことに脱帽です。

 それに,元祖サクと亜紀(未遂でしたが),ケンとアキに続いて,タカユキとハルカも駆け落ちですか・・・
 何だか,ケンとアキのケースの逆バージョンみたいな・・・

 顧問が行貞で演出が堤と言うのも笑わせますね。登場人物が画面ならぬ舞台からはみ出して飛び回るのでしょうか。ここまでくると,脚本等のスタッフに「モリシタ」とか「アキヒコ」ってのも欲しくなってきますね・・・ 
...2004/12/08(Wed) 02:52 ID:Jvgk2YLQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
朔五郎さんのアキの夢みたいなシーンがどうしても書きたくなってしまったんです。発作です・・・

(アキの夢2)

・・・メールの着信音がアキの耳に微かに響いていた。
霧の中を一人歩いているアキ・・・
やがて霧を抜けるとそこは海岸だった・・・そこは心地よい波の音が響いていた・・・

(アキの語り)
 ここは・・・どこだろう?・・・
 そうだ以前にも来た事ある・・・懐かしい所・・・
 あの人と始めて会った時と同じだ・・・

波打ち際に一人の女性が立っていた。長い髪がかすかに揺れている・・・
こちらを振り向いた女性の口元は笑顔であふれ、瞳は優しさに満ちていた・・・

亜紀「こんばんわ・・アキさん」
アキ「亜紀さんですよね・・・?」
亜紀「そうよ・・でもアキさん、私はあなたでもあるのよ」
アキ「??」
亜紀「無理も無いわね・・・私はみんなの心に住んでいる・・・」
アキ「こころの中ですか・・・」
亜紀「そうよ・・・あなたの中にも・・・智世の中にも・・・」
アキ「お母さんの中にも・・・」

アキは亜紀の胸に顔を埋めていた。そこは母親の胸の中の様に安心出来る場所だった

亜紀「今日はどうしたの?」
アキ「私・・・大学の受験に失敗したんです」
亜紀「それで・・・?」
アキ「・・・来年またチャレンジしようと思っているんですが・・・」
亜紀「それから?」
アキ「実は今・・・すごく不安なんです・・・」
亜紀「それでここに来たのね」

亜紀はアキの頭を優しくなぜていた。

アキ「マサミもシンジもユイもレイコもみんなそれぞれの道に進んで行くのに・・・私だけ・・・一人で受験勉強していて・・・そしてケンちゃんも一人で大学へ行ってしまう・・・私・・・私だけが取り残されるみたいな・・・」
亜紀「あなたの不安は本当にそれだけなの?」

亜紀はアキの話を聞きながら優しく抱きしめている。アキの体は暖かな光でみらされていた。

亜紀「不安なのは分かるわ・・・でも焦りは禁物よ・・」
アキ「はい・・」
亜紀「アキさん、これからあなたは・・・あなたしか出来ない事をするのよ」
アキ「私しか出来ない事?」
亜紀「そうよ・・・」 
アキ「それって何でしょうか?・・・」
亜紀「それは・・・今は私にも分からない・・・でも答えは・・・その時が来たらちゃんと見えてくるからね・・・」
アキ「いつなんですか?」
亜紀「それは・・・明日かもしれない・・・1年後かもしれない・・・もっともっと先かもしれないのよ・・・必ず見つかるから・・・でも、あなたの不安はそれだけではないみたいね・・・」

じっと亜紀の胸に顔を埋めるアキ・・そしてつぶやいた。

アキ「ケンちゃんが遠くへ行ってしまいそうな気がするの・・・」
亜紀「それがあたなの不安のもとね」
アキ「わたしケンちゃんとずっと一緒にいたい・・」
亜紀「あなたは彼を信じているわよね?」
アキ「はい・・・」
亜紀「あなたが信じた分・・・彼はちゃんとあなたを愛してくれるわ」
アキ「私はケンちゃんに負担ばかりかけている・・・」
亜紀「彼があなたにそんな事を言ったの?」
アキ「いえ・・・」
亜紀「それじゃ彼を信じないと・・・人を信じるのは大変な事よ・・・彼はあなたの事を一番に考えてくれる人よ・・・」
アキ「はい・・・」
亜紀「あなたが信じていれば・・・彼はちゃんと答えてくれる・・・彼はそんな人・・・私が信じたスケちゃんの息子だもの・・・さあもう今日はお帰りなさい・・・彼が待っているから・・・」

やがて二人は霧に包まれて行った・・・

メールの着信音で目覚めるアキ・・
アキ「あ!ケンちゃんからだ」
ケンのメール<アキ、負けるなよ!俺はいつもアキと一緒だよ>
アキ「ありがとうケンちゃん・・」
アキの頬を一筋の涙が伝った。
...2004/12/08(Wed) 08:17 ID:s0/5BuLI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
にわかマニア様へ
ご感想ありがとうございます。
映画版については、やはりサイドストーリーは難しく、「第二世代」か「女優」のようなキャラを創って投影するか、重じいのような「語り部」に語ってもらう、というような「加工」が必要になると思います。このスレのたかさんの作品のようにオーソドックスで、素材を活かした感じの作品は難しいと思います。たまたま「マサミ」というのがいましたので、なんとか書けました(笑)
あと、「森下」は出しましょう。脚本担当が女性というのは重要な意味を持つかもしれません。

yosiさんへ
いいですねえ。きっと亜紀も喜んでいるでしょう。

山田孝之君主演の「H2」には、田中幸太郎君も出るようですね
...2004/12/08(Wed) 22:35 ID:bfuv4QKI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
皆さん、まだ気が早いですが、三部に入るとそれぞれのキャラが活躍する短編集(「札幌」「四国」「谷田部先生」等)のような構成でも面白いかも知れません。アキは受験生ですから、出てきてもあまり大きなイベントにはかかわれない(浪人生は辛いよ)と思いますので、ところどころにケンとアキの受験勉強を挟みながら短編を散りばめる、という展開はいかがでしょうか?
...2004/12/08(Wed) 23:21 ID:DVAk7jgk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
ということで、「四国編」の導入部分でこんなのはいかが?


季節は秋。アキのリベンジまでの残り期間もあとわずか。ケンとアキの受験勉強も熱が入ります。

(アキの部屋)

ケン「アキ、この間の模試、よく頑張ったな。あとひと踏ん張りで宮大合格が見えてきたぞ。」
アキ「どれもこれも、ケンちゃんのおかげ。感謝してるぞよ。あーぁ・・・はやく絵が描きたいな・・・」
ケン「いいか、アキ、よく聞くんだよ。これから一日一日が勝負だ。宮大が見えてきたといっても、ここで気をゆるめたら、今までの頑張りが水の泡になってしまう。だから、これからの三ヶ月は合格することだけを考えるんだ。いいね。」
アキ「えー、スケッチもしちゃダメなの?ヤダヤダヤダ・・・・(ダダをこねる)」
ケン「アキ・・・今は我慢しよう。アキが合格して初めておじさんやおばさんと対等に話ができるんだ。俺たちのことも、絵を描くことも・・・俺は何が何でもアキを合格させたい、アキだって同じだろう?だから、二人で頑張ろう。」
アキ「ケンちゃん・・・」
ケン「お前一人を苦しませたりしないって・・・」

智世「入るわよ」

智世がケーキをお盆にのせて入ってくる。

智世「二人ともお疲れさま。これ、おやつ」
ケン「いただきます、おばさん」
智世「ごめんね。今の話、聞こえちゃったの。でもね、アキ、ケンちゃんの言うとおりよ。今が頑張りどころだからね。」
アキ「はーい」
智世「ケンちゃんの言うことだと素直に聞くのね(苦笑)おやつの時間だから少し休憩しなさい。」
ケン「どうもすみません」

智世は出て行く

アキ「そういえば、マサミはどうしてるかな?」
ケン「あいつ、彼氏、出来たのかな。」
アキ「あんたにそんなこと言う資格あるわけ?(ケンをつねる)」
ケン「イテーな、よせよ」
アキ「へへっ、ウッソ」

(朔五郎さん作「四国編その1」へ続く)
...2004/12/09(Thu) 00:23 ID:gN56lQv.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、マサミはまたも相手役が駆け落ちしてピンチに陥るのですね(笑)
シンジと違って、ミライはそつなく代役を務めるでしょうか?楽しみです。
そういえば、予告でハルカが半狂乱になるとのことですが、これからどうなるのか楽しみです。
...2004/12/09(Thu) 00:43 ID:gN56lQv.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさんへ
実は、最初は「タカユキが別の女と駆け落ちしてハルカが半狂乱」と思っていましたが、やっぱり、ハルカを同行させることにしました。というわけで、今のところハルカは「楽しい新婚生活?」を送っているはずです(笑)

ちなみに、「ミライには危ない単位が幾つかある」ことを行貞教授にチクったのは、もちろんプチ悪女マサミです(笑)
...2004/12/09(Thu) 01:59 ID:R0oHpXTI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
アキ宅・・・
智世「アキ〜起きなさいよぉ」

アキ「後5分・・・・・」

智世「遅刻するわよ」アキの部屋までやってくる
ベッドにうずくまるアキの布団を振り払った

智世「おはよう、アキちゃん」朝1番の笑顔で言った

アキ「・・・・・」

智世「早く降りてきなさい」アキはリビングへ下りていった寒さではっと目が覚めた

アキ「うう・・・おはよう、お母さん」

智世「おはようじゃないわよまったく、ご飯できてるよ」

アキ「うん、あぁ〜寒い」

智世「もう12月だもの」

アキ「もうクリスマスか」

智世「受験生にクリスマスはないわ」淡々と言った

アキ「ちぇー」アキは頬を膨らました

智世「早く食べて顔洗って着替えなさいよ」

アキ「はぁぁぁい」
顔を洗った達明が出てくる

達明「おお、アキ。おはよう」

アキ「あ、お父さん、おはよう」

達明「今日は寒いらしいぞ」

アキ「うん」

智世「あ、お父さん、そろそろ行かないと」時計を見て言った

達明「おお、じゃ行ってくる」

アキ「いってらっしゃい」

智世「アキも早くしなさい」

アキ「うん」
玄関で・・・

智世「智世手作りの手袋があるから」ちょっと子供っぽいかわいいデザインの手袋をさし出す

アキ「えぇ〜」ちょっといらない気味で言った

智世「寒いからしていきなさいね」強引に手に渡した

アキ「仕方ないなぁ」

アキ「行ってきます」笑顔で言った

智世「気をつけていってらっしゃい」

続く
...2004/12/09(Thu) 13:56 ID:0Q8LQ6Aw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎様
 「ヒロインの条件」のスレでの議論でも,ある程度,映画の世界を思い浮かべてはいたのですが,改めてサイドストーリー全体を眺めて見ると,手がかりがなくて書きにくい中で苦労された様子が感じられます。映画の世界そのものを劇中劇的にそのまま持ち込むか,主役に扮したレポーターによる「名作の舞台」探訪番組的なつくりにするしかなさそうですね。
 実は,私も「学芸部デスクの○○が2004年の流行作の舞台を訪ねて歩き,第二世代の人たち(アキ,ケン,マサミ,大沢先生たち)にインタビューする」という設定で書こうと試みたのですが,あまりの文才のなさに,さじを投げてしまいました。

 ところで,夢を追ってニューヨークへと駆け落ちしたタカユキとハルカですが,少年少女の皆さんもご覧になっておられるので,「甘い同○生活」は教育上,宜しくないかと・・・ ここは,成田空港の消印で出国直前に投函された婚姻届が送られてくるってことにしませんか。(もちろん,私も,旧姓の継続使用など,きちんとした理由があれば,事実婚の形をとることを否定するものではありませんが)
...2004/12/09(Thu) 17:36 ID:RnJ6fTpQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさんの「衝動作」よかったです。亜紀の「みんなの心に住んでいる」というセリフが素敵です。
私も大沢先生やマサミの口を借りて似たことを申しましたが、これは登場人物ひとりひとりだけじゃなくて、私たちファンの心にも亜紀が住んでいるという思いがあったのです。
でも、やっぱり亜紀本人からこのセリフを言ってもらうといいですねー・・・
...2004/12/09(Thu) 23:47 ID:bKLxk1Qw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
にわかマニア様
ご指摘ありがとうございました。2箇所ほど修正しましたので、ご確認ください。
...2004/12/09(Thu) 23:57 ID:R0oHpXTI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-145の続きです

四国編(その9)

場面が進むにつれ、極度の不安に苛まれていた行貞教授と堤にも、安堵の表情が見られるようになった。
「長沢、なにか演技が変わったね」
「そうですね・・・笑顔が・・・なにか、別人のようですね。まるで誰かが乗り移っているような」
「ヒロインだね、まさに」
「はい・・・それにあの代役、ケガの功名ってやつかもしれませんね」
「そう、長沢との相性からみれば、山田よりいいような気がするね」


【夢島・小さな砂浜】

スクリーン 夏の砂浜
音楽 C.I. 幸せの時T

ビニールシートの向こうで、水着に着替えている少女
少年が覗っているのに気付き、シートの端から足を伸ばして見せる
次の瞬間、少年の方へ駆け寄っていく

二人、戯れながら舞台下手へ去って行く

音楽 F.O.
照明 F.O.

スクリーン 廃墟の外観


「おいおい、堤君。本当に水着にまでなったのかい?」
「ええ、長沢の気合の入り方がハンパじゃなかったので。極力おとなしい感じの水着にはしたんですけどね」
「だけど・・・ここの衣装替えはキツイだろう・・・」

舞台ソデでは、二人が息を切らしながら衣装を着ている・・・


【夢島・埠頭】

スクリーン 岸壁に接岸したクルーザー

リュウが二人を迎えに来た

舞台上手奥、高台に少女が立っている
右手を大きく振りながら、少年とリュウの名前を呼ぶ
次の瞬間、崩れ落ちるように倒れる

音楽 C.I. 2台のピアノのレクイエムT

少年、少女の名を叫びながら、高台へ駆け上っていく・・・

照明 F.O.
音楽 F.O.

第一幕 終了

休憩
客席照明 F.I.
場内音楽 朔と亜紀


客席には、マサミが招待したユイ、シンジそしてレイコがいた。
ユイが感心したように言う。
「すごいね、マサミ。高校の時からヒロインだったけど、そこからまた進化してるって感じ」
「そうそう、あのプロポーションも進化し・・・あっ、いてえ」
「ちょっと、あんた、どこ見てんの?」
仲の良い二人を見ながらどことなく淋しそうなレイコ。
しかしそんなレイコが、もうすぐ激しい恋に落ちることをまだ誰も知らなかった・・・

少し離れたところに、大沢先生と律子の姿も見られた。
「私、これとソックリな話を廣瀬さんのお宅で聞かせて頂いたわ」
「亜紀さん、か」
「そう、それもマサミちゃんと一緒に」
「何か因縁めいてるね・・・案外、パラレルワールドが存在したりして。向こうの世界には、僕たちに生き写しの夫婦が生活しているかも」
「やめてよ、なんか怖くなっちゃう」


場内音楽 F.O.
休憩終わりのブザー
客席照明 F.O.


行貞教授のところへ堤が帰って来た。一人の女子学生を連れて来ている。
「行貞先生、今回の脚本を担当した森下慶子です」
「初めまして、森下です。よろしくお願いします」
「ああ、よろしく」
「堤君、いよいよ深刻なシーンになるね。オリジナルと2017年版では、どこが違うのか楽しみだね」
「そこらへんは、この森下がよく考えてくれました。この脚本は2004年に公開された映画をモチーフにしていますが、映画で描かれた1986年とは違う結末を迎えます」
「ほう」


第二幕

【木庭子高校・体育館】

音楽 C.I. 2台のピアノのレクイエムU F.O.してBGM

夕陽が差しているステージの上で、少年と少女が抱き合っている

少女『ねえ・・・』
少年『うん?』
少女『めぐりあいって、どんな出会い方を言うのかな?』
少年『・・・』
少女『白血病・・・私の病名・・・』
少年『白血病・・・』
少女『・・・』

少年、衝撃で床に崩れ落ちる

少年『ぼくが、ぼくが、ラジオであんなハガキ書いたからこんなことになっちゃったのか・・・』

少女、しゃがみ、少年の背を撫でる

少女『ちがうわ・・・』

少年、顔を上げ叫ぶ

少年『だってさ!』
少女『運命なの。でも、私は絶対に死なないから、○○もそう信じてて』

少年、少女の方に振り返る

少女『信じてて』

少年、頷く

少女『ありがとう』

照明 F.O.
音楽 F.O.


【病室】

ベッドの上の少女と母親が向かい合っている
明日から、白血病に対する化学療法が始まる
言葉もなく、重苦しい雰囲気

若い女性のカウンセラーが入ってくる
明るい口調で母子に話しかける
少女の髪を撫でる
いくつかの方向から、少女の顔をラフスケッチする

照明 F.O.


(続く)
...2004/12/10(Fri) 04:40 ID:0RS/aYTU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
みなさん、おはようございます。
セカ中毒の旅に出て参ります。
今回の行き先は、宇和島〜松山〜木庭子町です。

それではまた日曜日にお会いしましょう(笑)
...2004/12/10(Fri) 05:02 ID:0RS/aYTU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、行ってらっしゃい。
レイコが激しい恋に落ちるのですか・・・・
楽しみですね。
...2004/12/10(Fri) 07:47 ID:mGXAfERA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎様,行ってらっしゃい。
 瀬戸内は穏やかな空気は,日頃の疲れや嫌なことを忘れさせてくれる癒しの効果抜群ですよ。
 取材旅行の成果が,四国編のさらなる続編としてどのように現われるか,期待しています。
 それと,国外退去となったタカユキ君たちですが,ぜひ,どなたかに「劇中劇」ブロードウェイバージョンをお願いしたいですね。
...2004/12/10(Fri) 08:32 ID:NdDXXRGU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、四国旅行記も楽しみにしております。

前ににわかマニアさんが「あの歌」の扱いでアイデアを出されてますが、この「劇中劇」の主題歌にする予定はありますか?
この四国編は荒唐無稽(失礼)の要素が多々ありますので、「あの歌」を劇の終わりに流して、スクリーンにはドラマのあのエンディング(山田孝之君と綾瀬はるかちゃんのツーショット)が映し出されるのもアリかな?
こじつけるとすれば、
@マサミはヒロインと勉強で多忙で撮影時間が中々とれない
Aとりあえず、タカユキの相手役をハルカにして8ミリフィルムでテスト撮影しておいた
B突然のタカユキ降板、時間的制約で撮影が不可能に
C穴を開けるわけにもいかず、仕方なしにタカユキとハルカのテストフィルムをそのまま使う
D観客は劇の内容で目に涙をためているので、スクリーンに映っている二人はよく見えない
Eところが、鋭いユイが別人であることに気付いてマサミに取材
F駆け落ち成功例を知ってみんなでビックリ
Gケンとアキを刺激しないように緘口令がしかれる

なんていかがでしょうか?

朔五郎さん、にわかマニアさん、あくまでも私の戯言ですので、もちろんボツにしていただいて結構でございます・・・
...2004/12/10(Fri) 09:05 ID:mGXAfERA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
朔五郎様、お気をつけていってらっしゃいませ。

土産話等々、期待して待ってます。四国は行ったことがないですねぇ。行ってみたいですw

最近少し忙しく、皆様の作品についていけない部分もあります(汗

とりあえずは、皆さんの協力を得つつクリスマス編を仕上げたいと思います。大沢先生や律子等々は、大人な方々にも手伝っていただきたいのですが・・・皆さん四国編やマサミ・律子編で忙しそうですねぇ・・・お手があいたようでしたら、少し協力お願いいたします。
...2004/12/10(Fri) 15:16 ID:NtmerHX2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
たかさん、それではお手伝いいたしましょう。

私は大沢先生・律子夫妻をやってみましょうか。
あとですね、廣瀬夫妻と智世夫妻が一緒にイブを過ごすのはいかがでしょうか?24日は亜紀の月命日で智世は毎月墓参りしているのですよね。なので、毎年クリスマスイブは墓参りしてから廣瀬家で亜紀を交えてパーティーをしている・・・というのはいかがでしょう?こちらもやってみましょう。

マサミはこの時点では独り者同士のレイコと過ごすのかな?(二人とも一年後は相手がいるようですが)この二人や他の高校生たちはたかさんにお任せしますよ。
...2004/12/10(Fri) 16:44 ID:F9QhKn1U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
お手伝いありがとうございます。廣瀬夫妻、智世夫妻の共同もいいと思いますw律子&大沢先生もお任せしますぞよw

他の高校生方は、皆でやるか、それとも分けるのかと考えている途中でして。恐らく書くのは自分でしょうから出品とともにわかると思います。

朔もどこかで登場させたいですねぇ。
...2004/12/10(Fri) 17:06 ID:NtmerHX2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
廣瀬家のクリスマス1

イブの一週間前

(居間)

綾子「今年も終わりですね。いろいろあってあっという間だったわ」
真「そうだね、私が入院したのが一番の出来事だったかな。あと、律子さんとマサミさんが遊びに来てくれるようになって、楽しくなったね。」
綾子「ケガの巧妙ね。あなたが入院してなかったら律子さんたちと知り合えなかったかも」
真「うん、何が幸いするのかわからないものだね。」
綾子「来週のイブはまた、智世ちゃんたちが来るのよね。」
真「もう、我が家の恒例行事だからね。アキちゃんはもう3年生だっけ?早いもんだな・・・」

***回想場面***

1998年10月上旬
アキ誕生の直前の出来事

(亜紀の部屋)

智世と達明が亜紀の仏壇の前で焼香する
智世は大きなお腹をしている
焼香を終えた二人は正座して真と綾子と向き合う

達明「廣瀬さん、今日はお願いがあって参りました。おかげさまで、今月23日の予定で私たちに子供が生まれることになりました。実は、超音波の検査で、女の子だと分かったのです。そこで、大変あつかましいお願いだと思うのですが、亜紀さんのお名前を私たちの娘の名前にいただけないかと・・・智世、君からもお願いしなさい。」
智世「おじさん、おばさん、わたし、一時も亜紀のこと忘れたことはありません。亜紀は今でもわたしの中で生きています。お腹の中の子は、きっと亜紀と一緒に生まれてくると思うんです。わたしたち、生まれてくる娘を亜紀のように、明るくて素直で、聡明な娘に育ててみせます。ですから、亜紀の名前を娘の名前にいただけないでしょうか?」

二人で手をついてお願いする。

真「達明さん、智世さん、顔をあげて下さい。亜紀を思い続けてくれて本当にありがとう。生まれてくる女の子を私たちの亜紀以上に立派な娘に育てて下さい。それを約束していただけるなら、喜んで、娘の名前を差し上げます。」
達明「ありがとうございます」
智世「ありがとうございます・・・(涙)」
綾子「(心の中で:亜紀ちゃん、よかったね。智世ちゃんがあなたの名前を娘さんにつけてくれるんだって・・・)智世ちゃん、ありがとね」


10月23日早朝

(病院の廊下)

ソワソワする達明
真と綾子も来ている

真「(達明に)君、少しは落ち着いたらどうなんだ。ここまで来たらもう我々はどうすることも出来ないんだよ。(と言いつつ何かを書いた紙を握る手が震えている)」
達明「は・・・はい・・・(しきりに汗をふく)」
綾子「(真に)あなたこそソワソワしてるじゃないの。汗でベトベトになるからそれ貸して(真から紙を取り上げる)」

それから何時間たったのだろうか・・・

オギャーオギャー!

達明たち、急いで智世の分娩室に向かう

看護士「おめでとうございます。元気な赤ちゃんが生まれましたよ」
達明「(真の手を握る)・・・やりました・・・(半泣き顔)」
真「その前にすることがあるだろ、早く行ってやりなさい」

ガラス越しに智世・赤ちゃんと対面する達明

達明「智世・・・よくやったな・・・」
智世「(達明に笑顔を返す)」

後ろから真がやって来て、紙をひろげる

「命名 亜紀」

****************

綾子「本当に、早いわね。アキちゃんは、私たちの孫みたいなものよね」
真「そういえば、雰囲気が亜紀に似てきたね。」
綾子「智世ちゃん、ちゃーんと約束守ってくれたのね。」
真「来週のイブが楽しみだね」

その頃、大林家では

智世「アキっ、あんた何考えてるのよ、この日はあんたの名付け親と会う大事な日なのよ。」
アキ「だって・・・みんなと約束しちゃったんだもん・・・」
智世「最初からわかってるんだから、そんな約束するんじゃない!」
達明「まあまあ、アキだって僕たちより友達と過ごしたくなる年頃なんだから。僕もそうだったし、君だってそうだろ?じゃ、こうしよう、アキ、最初は一緒に廣瀬さんの家に行くんだ。そしてちゃんと挨拶しなさい。いいね。そうしたら、みんなのところへ行っていいよ。」
智世「ちょっと、あなた・・・」
達明「(智世にかまわず)わかったな、アキ」
アキ「はい、お父さん」

ということで、次週は廣瀬家・大林家の合同クリスマスパーティー・・・・

(続く)


※アキが生まれそうになってソワソワしたり、生まれた瞬間に真の手を握る達明は本当に村田雄浩さんの姿が浮かびました。
あと、廣瀬・父の「その前にすることがあるだろ」を久々に出せたのは快感でありました。
...2004/12/10(Fri) 17:59 ID:F9QhKn1U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
みなさん、こんばんは。
今、松山のネットカフェにいます。

今日は宇和島に行ってきましたが、すごく良かったです。
このサイトからもリンクで行けますが、「朔太郎とアキのいる風景」というサイトがありまして、宇和島在住の管理人様がモデルコースを作って下さってます。
時間の関係から、大隆寺、城山、三島神社(骨を見ながら初めてキスした場所)などはいけなかったのですが、アキの入院していた病院、二人で高校受験の勉強をした図書館などは見ることができました。
そして、あまりにも有名な喫茶店「城下町」のコーヒーを賞味し、二人が下校した道を自転車で走りました。
面白いと思ったのは、全く映像化されていないにもかかわらず、二人の通学路、そしてそれぞれの家に向かって道が分かれる交差点まで特定されていることです。この道がまた風情のある道で、サクとアキの存在が非常に濃密に漂っています。
宇和島のサクとアキはどんな顔をして、どんな声で話してたんでしょうか?小説の中にアキについて「形のよい鼻梁」「唇の端が少しめくれている」という表現があったと思うのですが、それって、綾瀬はるかさんの顔を正面からアップで見たイメージに近いような気がします。
何か切ない物語がありそうなこの街に来るのに、乗った列車が行きも帰りも「アンパンマン列車」!この壮絶なミスマッチには、ただただ笑うしかございません・・・
駅近くの書店に寄ったら、片山氏の「あの小説」は品切れとのこと。この前の日曜日もテレビで特集をやったんだそうです。地元では完全に過去のことなっていた松崎とは対照的に、宇和島はまだまだアツいようですね。
今いる場所のすぐ近くに愛媛県庁がありますが、実はその建物こそ、映画版アキが入院していた病院です。結婚写真を撮ったときに、重じいの写真館に行くため市電に乗った電停もすぐ前にあります。
明日は病院(県庁)の中を見学して、いよいよ木庭子町に向かいます。
...2004/12/10(Fri) 19:13 ID:CoXt6EkM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
このサイトから「朔太郎とアキのいる風景」へのリンクは無いようですね。すみませんでした。
...2004/12/10(Fri) 19:47 ID:CoXt6EkM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
たかさん
クリスマス編手伝いますよ

それじゃ私は「涼風ホーム」でホームの人たちとの律子・マサミ・ケン・アキなどが一緒にクリスマスパーティをする場面を書いてみますね

朔五郎さん
楽しい旅をして下さいね

SATOさん
良いアイデアですね
続きが楽しみですよね、もしまた料理関係が必要なら
言って下さいね
...2004/12/10(Fri) 20:01 ID:NdDXXRGU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
yosi様。ご協力ありがとうございますwきたいしていますねぇ。

涼風ホームは・・・朝〜昼間くらいまでにしていただけますかな?
夕方以降は私が書きたいと言うわがままを聞いていただければ非常にありがたいのですが・・・いいでしょうか。

SATO様、早速ありがとうございます。非常にいい感じですね。私も続きが楽しみですwww
...2004/12/10(Fri) 20:59 ID:NtmerHX2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 私自身も何本か,リンクを前提に,あのサイトを紹介したり引用したりする書き込みをしていたので,
 「[167]「世界の中心で、愛をさけぶ...Name:朔五郎
  このサイトから「朔太郎とアキのいる風景」への
 リンクは無いようですね。すみませんでした。」
との書き込みを見て,びっくりしました。
 確かに,以前はリンクで飛べたのに,いつの間にか消えてしまっていたようです。
...2004/12/11(Sat) 01:01 ID:zLiXDAHw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:けん
にわかマニア様
 「朔太郎とアキの風景」のサイトは、ありましたよ。このサイトからは、リンクでは飛べないのですか?私はお気に入りに入れていたから、そこからいけましたけど・・・
...2004/12/11(Sat) 01:15 ID:moz4.j4I    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 私も「お気に入り」に入れていて,そこから入るようにしているので実害はなかったのですが,その分,リンクがいつの間にか消えているのに気付くのが遅れました。今月の初めにかなり大幅なリニューアル工事をしていたようですから,工事期間中リンクを外して,そのままになっているのかもしれませんね。
...2004/12/11(Sat) 01:18 ID:zLiXDAHw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、たかさん、おはようございます。「涼風ホーム」でのクリスマスパーティー、いいですね。アキは廣瀬家に寄ってからなので、遅れてくることにしていただけますか?ホームのボランティアを手伝いに行くとなれば、廣瀬家で中座するエクスキューズが言いやすいですね。アキには廣瀬夫妻から「律子さん、マサミさんによろしく」と声をかけるようにしますので、ホームで律子・マサミと廣瀬家つながりの会話をしてもらうと嬉しいです。
※アキが廣瀬家へ行く理由は、「名付け親への挨拶」ですので、その点ご念頭にお置き下さいませ。

追伸
大沢先生はイブは一人ですかね?スナックのマスターと酒を酌み交わすということでしょうか?
...2004/12/11(Sat) 06:11 ID:sPIQ.k32    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
たかさん・SATOさん
それでは今日から作成に入りますね

ちと打ち合わせを・・・
タイムスケジュール的には
朝 律子・マサミ・ケンの3人が準備にかかる
昼前 廣瀬宅からアキが到着
昼 ホームでボランティアパーティ
2時〜3時で解散
夕方からそれぞれのクリスマス(ここからはたかさんお願いします)
SATOさん
アキが合流してからの会話で「名付け親への挨拶」の話をアキからしてもらいますね

それでは私は夕方前の解散までを書いてみます

SATOさん
大沢先生はアキ達と一緒にボランティアパーティに参加
してもらうつもりでしたが・・
この流れで行くと大沢先生・律子・マスターの3人でクリスマスになるのが自然なんでしょうか?
...2004/12/11(Sat) 07:58 ID:9hSU2Tz6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、大沢先生も是非ボランティアパーティーに参加させてあげて下さい(ペコリ)
昼間から酒飲むのは教育者として「?」ですから、よろしくお願いします。

解散後は大沢先生・律子・マスターの3人でクリスマス、といきましょう。

※私は律子&マサミに続いて、今度は大林一家で「廣瀬家を訪れる人々」をやらせていただきます(笑)
...2004/12/11(Sat) 08:33 ID:ynll4/zw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
たかさん、第三部では「出る幕がない」とお悩みのようですが、ありましたよ、あなたの出番が。朔五郎さんの四国編ではマサミの劇の観客としてユイ・シンジ・レイコに大沢先生夫妻が登場します。なので、ここはケンとアキ以外は全員集合なので、観劇後のミニ同窓会などやってみたらいかがですか?高校時代の思い出話に花が咲くといった具合で。
うーん、マサミも同窓会は欠席かな?ミライと二人で慰労会でしょうか?
律子とミライとどっちが大事だ?マサミくんよ(笑)君が今あるのは律子さんのお陰だゾ・・・まさか大恩人を無視するなんてことはないだろうな、エェ?(脅しをかける)
冗談はさておき「高校時代の恩師が来てるから・・・」ということでマサミには同窓会の方を優先させましょう。
それで、いない人の噂話で盛り上がって故郷のケン&アキがクシャミをする展開だと楽しいと思いますよ。
ということで、朔五郎さん、いかがでしょう?
...2004/12/11(Sat) 09:53 ID:ynll4/zw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、ちょっとですね、クリスマスイブのホームでのアキとマサミとの会話ですが、当然廣瀬家の話が出ますよね。その時にアキは亜紀の墓参りに行ったこともしゃべってしまうと思います。この時点でマサミと律子は亜紀が亡くなっていることを知ってしまうわけです。なので、前に私が書いた廣瀬家で聞いた真の告白(2月の出来事)はマサミたちは全く知らない話ではないことになります。
真の告白部分はそのままにしますが、律子とマサミのリアクションを一部手直しします。
私としては亜紀が亡くなったことは知っていたが、詳しいことまでは聞いてない、ということにしておきたいのです。
これから手直ししたものをアップしますので、参考にしていただけますでしょうか?
...2004/12/11(Sat) 12:33 ID:ynll4/zw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編1修正版)


2月のある日(昼食時)

マサミは受験が終わり、ホッと一息つく日々

一時期中断していた「涼風ホーム」訪問も再開し、今日は久しぶりに律子と廣瀬家を訪れました。

廣瀬家・門の前

律子とマサミを廣瀬夫婦が迎えている

律子「今日は。今日は久しぶりにマサミちゃんを連れてきました。」
マサミ「廣瀬さん、今日は。お久しぶりです」
真「やあ、マサミさん、お久しぶり。受験お疲れさま。」
綾子「本当によく頑張ったわね。ご苦労さまでした。」
マサミ「ありがとうございます。でも、合格発表がまだですから。」
真「綾子のいうとおり、あれだけ頑張ったんだ。きっといい結果が出るよ。」
律子「今日はマサミちゃんの慰労会をして下さるんですって。」
マサミ「ホントですか?ありがとうございます。でも、これで不合格だったら・・・」
真「そう、事を悪い方へ考えなさんな。まだまだ人生長いんだ。1年や2年まわり道したって・・・」
綾子「あなた、そんな縁起でもないことおっしゃらないでくださいな(苦笑)」
真「おっと、また悪い癖が出たな。いつものことだが、話が長くなっていかんな(笑)」
綾子「ごめんなさいね、マサミさん、主人ったら、あなたが来るのとっても楽しみにしてたのよ。あなたを前にすると途端にご機嫌よくなっちゃって・・・(笑)」
マサミ「わたしを待ってて下さったなんて、光栄ですわ(クスッ)」
綾子「ここで立ち話するのもなんでしょうから、お入りになって。」
律子・マサミ「おじゃまします。」

廣瀬家・食卓

カニクリームコロッケが用意されている
4人が食卓につく。

4人「いただきます」

会食が始まる

律子「綾子さん、本当においしいです。言っていただければお手伝いしましたのに。」
綾子「どうもありがとう、でもね、今日は律子さんも慰労してさしあげようと思って。だって、マサミさんのお姉さんみたいな方なんでしょ?マサミさんのこと、ご心配だったんじゃないの?」
律子「ええ、正直いうと・・・かなり心配でした(笑)わたしがホームに誘ったのがきっかけで、この子(マサミ)が介護福祉の道へ進む決心をしたものですから。でも、受験まで期間がなかったものですから、この子、相当きつかったと思います。その間、わたしはこの子をただ見守ることしか出来ませんでしたけど、とにかく頑張ってって励ましのメールを時々送ったりしました。」
マサミ「律子さん、自分の声を録音して、音声ファイルを送って下さったんですよ。それで、わたしも返事を録音して律子さんに送りました。」
律子「まるで交換日記してるみたいだったね。」
真「今は便利な世の中になったものだね」
綾子「交換日記といったらノートを渡しっこするものだと思ってたわ」
マサミ「それで、聞いて下さい、律子さんったら面白いこと吹き込んでたんですよ。」
律子「え、何だっけ?」
マサミ「ほら、律子さんの好きなものベスト5ですよ。」
律子「ちょっと、よしてよ、恥ずかしい・・・」
真「え、何だね」
綾子「聞いてみたいわ」
マサミ「律子さん、『今日はわたしの好きなものについて話します』と言って、第5位から好きなものを話はじめたんです、(律子に)あ、恥ずかしい?じゃ、途中は省略して『第一位 あの日、足が弱っている廣瀬さんに、手を貸してあげた長沢マサミ』ですって。」
律子「もう、マサミちゃんたら!(赤面している)」
マサミ「でも、わたし、それ聞いて介護福祉を目指してよかったな、頑張ろうって気持ちになれたんですよ。」
綾子「いいお話ね。マサミさんの励みになったんですもの、律子さん、恥ずかしがることないじゃない。」
真「そうだよ、手を貸してもらったわたしも同じことを言いたい気分だよ。」
律子「どうもありがとうございます。いえね、この子と話してるとわたしまで高校生に戻った気分になって、つい、悪乗りしてしまいまして・・・」
綾子「いいじゃない、気持ちが若返って。今日の律子さん、可愛らしいわよ。」
マサミ「そうですよね、さっきの恥ずかしがってる律子さん、可愛かったですよ。」

4人爆笑する。

食事が終わって居間でくつろぐ4人。

真「さっき、あなたたちが声の交換日記をやったと言ったよね。」
律子「ええ・・・」
真「実はね、うちの娘もそういうことやってたんだよ。今みたいなメールじゃないけど、カセットテープでね。」
綾子「あなた・・・」
真「いいんじゃないか、もう話しても」

目を見合わせる律子とマサミ。

二人「(もしかして、クリスマスの日に聞いた亜紀さんの話?)」

真「律子さんとマサミさんを見ていると、娘のことを想い出してしまってね。あなた方とはちょっと違うと思うが、やはりお互いに支えあって生きる相手がいたんだ。その相手は挨拶の出来ない男の子でね・・・」

真が亜紀のことを律子とマサミに語りはじめました。

(続く)
...2004/12/11(Sat) 12:36 ID:ynll4/zw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
SATOさん
了解です、SATOさんのアップを参考にしてシーンを考えてみますね
...2004/12/11(Sat) 12:39 ID:9hSU2Tz6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
私の出番がありましたねぇwうれしいですw

皆さんがOKなら是非書かせていただきたいです。
SATO様、アイデアありがとうございますw
...2004/12/11(Sat) 12:45 ID:AK65D5SE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その2修正版)


(真が亜紀のことを律子とマサミに語りはじめました。→ここから先は廣瀬真が語るセカチュウダイジェストのイメージです)

(真の語り)

私の娘の名は亜紀。そして相手の男の子の名は朔太郎。まさか、私の身近で、映画やドラマのような話が繰り広げられるとは思いも寄らなかった。
二人はクラスメートだったが、はっきりとお互いの存在を意識したのは、学年主任の先生の告別式のときだった。亜紀が弔辞を読み上げていると、にわか雨が降ってきた。亜紀はびしょ濡れになりながら、弔辞を読み続ける。そこへ、傘をさしかけたのが朔だった。二人はそれをキッカケに付き合い始めたようだ。カセットテープで交換日記のようなことをやっていた。だが、私は亜紀にはいい大学に入り、いい会社にはいって、普通に結婚して欲しいと願っていた。だから、カセットテープの交換日記なんて勉強の邪魔だと思って黙って捨ててしまったんだ。もしこの時に亜紀の運命がわかっていたら、こんなことはしなかっただろう・・・
亜紀にとって、朔は心の拠り所だった。あとで知ったことだが、私たちの期待に応えようと亜紀は多少無理をしながら頑張っていたようだ。そんな亜紀をありのまま受け止めてくれたのが朔だった。「俺の前では無理するな」と言ってくれてね。こうして二人の心の結びつきが強まっていった。
しかし、運命の神様は何と残酷なことをするのだろう。この頃から亜紀の体調に異変が生じる。ぶつけてもいないのにアザが出来たり、鼻血を出したり、そして、微熱が続いた。病院では精密検査が必要と言われた。そんな体にもかかわらず、亜紀は朔と夢島に出かけた。もしかすると亜紀はよからぬ運命が待ち受けているとわかっていたのかも知れない。今、朔と一緒に出かけなければ後悔すると思ったのかも知れない。満天に輝く星空、鈍色に光る月、時間を追うごとに色を変える海・・・そういうものを見ながら亜紀と朔は何を語ったのだろう・・・
そして、次の日、亜紀は倒れた。

マサミ「あ、あの・・・娘さん、亜紀さんの話・・・実は、クリスマスの日にクラスメートから聞いたんです。大林アキさんから・・・」
真「そうか、アキちゃんから聞いてたんだね。そうなんだよ、娘は、亜紀は、亡くなったんだ。白血病でね。17歳だった・・・」
マサミ「白血病!?そんな重い病気だったなんて・・・・(ショックを受ける)」
律子「(ウルウルしている)」

(真の語り)

私は朔を思い切り殴った。具合の悪い娘を連れ出しやがって・・・ただ彼に対する怒りだけで殴った。しかし、病院でもっと辛い宣告が待っていた。亜紀が白血病と診断されたのだ。何も知らずに病室で眠る亜紀を見て、替わってやれるものなら替わってやりたい・・・そう思った。自分は何がしてやれるんだろう・・・何も出来ない自分が歯がゆかった。朔は「出来ることがあれば何でもします」と言ってくれた。しかし、その時の私はやるせなさで一杯だった。「白血病なんだ。君に何が出来る?帰ってくれ」と言って彼を追い返してしまった。とても彼を受け入れる心のゆとりがなかったんだ。
ある日、クラスメートが病室で劇を見せてくれたのだが、その時の亜紀の笑顔が忘れられない。今まで私に見せたことがない笑顔だったからだ。とても寂しい気持ちだった。だが、その時にやっとわかったことがある。亜紀にとって必要なのは朔であり、クラスメートなのだと。私は彼に面会を許した。
ふとしたことで亜紀が自分の病名を知ってしまい、絶望のどん底に叩き込まれたとき、それを救い出してくれたのも朔だった。自殺を図ろうと海に入っていったところを連れ戻してくれたんだ。
それ以降、二人の絆はますます強くなっていった・・・
...2004/12/11(Sat) 12:48 ID:ynll4/zw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その3修正版)

(真の語り)

朔は亜紀を幸せにしたい・・・その思いで結婚を言い出した。冷静に考えれば、法律上は無理であることなど、すぐわかるのに、それでも彼は一途に走り回った。そんな朔に心打たれた私は彼のお父さんに無理を承知で亜紀との結婚写真を撮らせて欲しいとお願いした。亜紀の願いをかなえてやりたい、そう思って必死にお願いしたんだ。お父さんは撮影を快諾して下さった。正直言って、私は胸の中で手を合わせた。写真館で朔と一緒にカメラに収まる亜紀。担任の先生やクラスメートもお祝いに駆けつけて下さった。だが、亜紀の幸せそうな顔を見るのはこれが最後になってしまった・・・

律子とマサミは涙を浮かべながら真の話を聞いている。

(真の語り)

それ以降、亜紀の病状はどんどん悪化していった。薬の副作用で髪の毛も抜け、見るからに痛々しい姿になっていった。私も綾子もそんな亜紀を見ていて辛かった。見舞いに来てくれた朔も同じ思いだっただろう。亜紀は朔に最後の願いを託す。それは世界で一番青い空を見るために、ウルルへ連れていって欲しいというものだった。最後まで生きたいように生きたい。だから世界で一番青い空を見に行く。最後のわがままを許して欲しい。テープで私たちにそう言い残して亜紀は旅立って行った・・・

すすり泣く綾子・律子・マサミ

真「いや、つい長話になってしまって・・・こんな湿っぽい空気にしてしまって申し訳ない・・・」
マサミ「いいえ、最後まで・・・(しゃくりあげる)自分らしく生きようとした亜紀さん・・・亜紀さんを支え続けた朔太郎さん・・・ウゥ・・・そんな・・・お二人を見守り続けた・・・廣瀬さん・・・綾子おばさん・・・ウゥ・・・」
律子「(やはり泣き顔)・・・ちょっと・・・マサミちゃん、大丈夫?」
マサミ「ウゥ・・・(律子にすがりついて泣く)」
綾子「・・・・洗面所へ行きましょうか?」

(洗面所)

洗面所を貸してもらった律子とマサミが顔を洗い、化粧を直している。

マサミ「・・・何か、物すごく感動してしまって・・・亜紀さんも、朔太郎さんも、廣瀬さんも綾子おばさんも・・・とても素敵に思えちゃって・・・(まだウルウルしている)」
律子「そうね・・・私たちの知らなかったとても大きなものを持ってらっしゃるのね、廣瀬さんも綾子さんも。悲しいけど、とっても素敵なお話だった・・・」

夕方・廣瀬家の門の前

真「今日は湿っぽい話を聞かせて悪かったね。でも、ありがとう。」
綾子「本当、ごめんなさいね。変なこと聞かせて。この人ったらいきなりしゃべり出すから・・・(苦笑)」
律子「いいえ、とんでもない。とっても素敵な話で、感動しました。」
マサミ「こちらこそ、ありがとうございます。」

(4人とも、吐き出すものを出して吹っ切れた様子)

綾子「これに懲りずにまた、遊びにいらしてね。」
律子「ありがとうございます。是非お願いします。」
真・綾子「さよなら」
律子・マサミ「失礼します」

(帰り道)

マサミ「今日のお話、何かかたちあるものに残せないかしら?」
律子「かたちあるものって?」
マサミ「亜紀さんの朔太郎さんに対する思いを何かのかたちで残してみたいんです・・・具体的なイメージがまだわかないんですけど。」
律子「うーん、どうなんだろう。こういう話は人から人へ語り継がれていくのがいいようにも思うけど・・・「もの」というよりは「言葉」とかにするのがいいのかな・・・わたしもよくわからないけど。詩とか、かな・・・わたしだったら曲をつくるかな・・・マサミちゃんが感動したことをマサミちゃんなりに、そうね・・・ノートにつづってみたらどうかしら?」
マサミ「そうですね・・・(モヤモヤ感が取れない)ちょっと、亜紀さんのいた場所を歩いてみます。そうしたら、何か見つかるかも。」
律子「そっか・・いいものが見つかったら教えてね」

夕暮れの道を二人は家路につく


(続く)
...2004/12/11(Sat) 12:50 ID:ynll4/zw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、こんな感じで、手直ししました。律子とマサミのリアクションを最低限直しただけですが。

律子とマサミのリアクションの前提として、クリスマスの日に知った内容は
@アキから廣瀬家の墓参りに行ったと聞かされ、亜紀が亡くなっていることを知る
Aこの段階で知ったのは事実関係のみ
B朔や廣瀬夫妻との愛の物語については知らない
C亜紀が白血病だったことは知らない(アキの口からは病気で亡くなったとだけ聞かされる)
と考えてみました。

yosiさん的にはあまり気にせずにアキから廣瀬家の話をマサミにさせてみて下さい。それを見てお互いに打ち合わせながら手直しするところは手直ししましょう。
...2004/12/11(Sat) 13:05 ID:ynll4/zw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
廣瀬家のクリスマス2
〜亜紀の墓参り

12月24日 午前9時

廣瀬家・門の前

達明「おはようございます」
智世・アキ「おじさん、おばさん、おはようございます。」
真「やあ、おはようございます」
綾子「おはようございます、荷物は置いていきましょうね」

大人たちは喪服姿、アキは制服姿である
 
綾子が荷物を持った智世とアキを家の中に連れて行く

達明「お父さん、クルマのキーを」
真「いつも悪いね、達明君。よろしくお願いします。(キーを渡す)」
達明「いえ、これが我が家の恒例行事になってますから」

達明は駐車場へ行き、自動車のエンジンをかける

家から戻ってきた綾子・智世・アキ、そして真が自動車に乗り込む

助手席に智世、後部座席にはアキをはさんで真と綾子が座る

廣瀬家から自動車が出て来る。助手席に座っていた智世が降りて来て門を閉める。

自動車出発。向かうは廣瀬家の墓です。廣瀬家・大林家合同で亜紀の墓参りに向かうところです。

※24日は亜紀の月命日。智世は毎月墓参りに行っていますが、両家全員での墓参りはクリスマスイブにあたる12月24日にやることになっていました。最初は10月24日に亜紀の墓参りとアキの成長を報告するために両家が集まっていましたが、アキの学校の都合で、冬休みに入った12月24日に変更されたのでした。この合同墓参りは智世の発案によるものです。

○○寺

駐車場

達明が運転する自動車が入って来る

駐車場に自動車を停めて、全員が墓へ向かう

(廣瀬家の墓)

智世「さあ、アキ、お掃除しましょう」
アキ「はい」

智世とアキが墓石の掃除を始める
綾子は花の用意をしている
真と達明は供え物の準備をする

智世「(掃除をしながら)亜紀、見て、うちのアキ。大きくなったでしょう。とうとう、あんたの年追い抜いちゃったんだよ。病気もしないで、スクスク育ってくれてね、あんたがアキを守ってくれてるんだよね・・・・」
アキ「(智世の独り言を聴きながら、甲斐甲斐しく掃除をしている)」
智世「今度アキは大学受験なの、お願い、亜紀、わたしのアキを守ってね・・・」
アキ「(掃除を続けながら、いつもは口うるさい母のすがるような口調を聞いて意外な気持ちになる)」
智世「終わった?」
アキ「うん」

線香がたかれる

智世「さ、それじゃ、亜紀に挨拶しなさい。」
アキ「はい、(手を合わせる)亜紀さん、いよいよ大学受験です。どうか、私を見守って下さい」

続けて、智世・真・綾子・達明の順番で亜紀の墓前に手を合わせる。

大林家の3人と廣瀬家の2人が向かい合って並ぶ

達明「本年も無事、アキの成長ぶりを亜紀さんにご報告することが出来ました。どうも、ありがとうございました。」

大林家の3人と廣瀬家の2人がお互いに礼をする

〜これで儀式は終わった〜

真「皆さん、ご苦労様。家に戻ったら、亜紀も交えて、盛大にクリスマスパーティーといきましょう。」

帰路につく5人

(続く)


(注1)この一風変わった墓参りはアキの成長ぶりを亜紀に見せることを目的としていますので、手合わせの順番が普通の墓参りと違うことをご承知おき下さい。
(注2)達明が真を「お父さん」と呼びますが、これは「アキに名前をくれた亜紀のお父さん」という意味です。あと、名付け親であり、アキが生まれて以来17年にわたる付き合いなので、自然とお父さんと呼ぶようになったとお考えいただければ幸いです。
...2004/12/11(Sat) 13:33 ID:ynll4/zw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
廣瀬家のクリスマス3
〜メリークリスマス

12月24日 午前11時

亜紀の墓参りから戻った5人

全員着替えが終わった

(朝、智世とアキが抱えていた荷物はプレゼントのほかに着替えも入っていたのです)

(廣瀬家・居間)

5人が集まってくる

智世「さ、アキ、亜紀を連れてきましょう」
アキ「はい」

智世とアキは2階の亜紀の部屋に入り、仏壇の前で順番に焼香する。そして、亜紀の遺影を持ち出す。

(居間)

アキが亜紀の遺影を抱えて智世と一緒に戻ってくる

真「よし、これで全員揃ったな」
達明「始めましょうか、お父さん」
真「うん、そうだね」
達明「アキ、持ってきなさい」

アキは大きな箱を持ってきた

食卓に箱を置いて、包みを解くと・・・・
豪華なクリスマスケーキが・・・
そして、アキ手作りのクリスマスカードも添えられていた。

アキ「おじさん、おばさん、メリークリスマス!」

綾子「まあ、可愛らしいカードだこと(笑顔)」
真「どれどれ・・・これは綾子、君だぞ、そして、これは私か・・・亜紀もいるぞ。アキちゃん、どうもありがとう(笑顔)」

※手作りカードには廣瀬ファミリーの似顔絵が書いてあったのです

綾子「アキちゃん、本当に絵がお上手ね。」
真「人には持って生まれた才能っていうものがあるんだな。」
アキ「ありがとうございます(やや照れている)」
達明「今は受験直前なので、絵の方は我慢させているんですが・・・」
真「おや、受験勉強の邪魔をしてしまったかな?」
達明「いえいえ、お父さん、そんな、今日は我が家にとっての大事な行事ですから、お気遣いなく。」
綾子「でもやっぱり、受験直前で大変よね」
智世「まあ、今日はクリスマスなので、束の間の休息という感じです。」
達明「絵は大学受かってからまた描こうな、アキ」
アキ「うん(笑顔が輝く)」
智世「(苦笑している)」

綾子「志望校は決まったの?」
アキ「宮浦大学の薬学部です」
真「そう・・・あそこだったら家からも通えるし、薬学部か、いよいよ上田薬局?いや、大林薬局か?」
達明「おとうさん、上田薬局で結構ですよ」
真「うん、その跡取り娘の誕生だね。上田薬局万々歳だ・・・ハハハ・・・(ご機嫌が良くなる)」

全員笑顔になる

智世「ところで、おじさん、もうお身体は良いんですか?」
真「うん、おかげ様で、無事退院できたし、すっかり良くなったよ。足腰が弱ってしまったが、リハビリでどうにか回復できたんだ。」
達明「それはよかった。お父さんが入院されているとき、これ(智世)が泊まりに行きましたよね。お母さんと色々話しが出来て楽しかったと言ってましたよ。」
智世「(笑顔でうなずく)」
綾子「そう、一人で心細かったから、智世ちゃんが来てくれて、とっても心強かったわ」
智世「おばさんと亜紀の部屋で一緒に寝たんですよね。合宿気分でした。」
綾子「そう、それで知ってる?この子(智世のこと)夜中に寝言言ってたの。」
智世「ちょっと、おばさん、やめて下さいよ。恥ずかしいじゃないですか。主人やアキの前で。(顔を赤らめて苦笑)」
アキ「へー、お母さん、何て言ってたんですか?(イタズラっぽい笑顔)」
綾子「それがね、よく聞き取れなかったけど、亜紀・・・亜紀・・・って言ってたような気がしたわ。」
智世「(恥ずかしがって)確かに、亜紀の夢見てました。合宿で一緒に走ってたのかな・・・おばさんと一緒に寝たときもそうだけど、時々亜紀と走ってる夢見るの・・・」
 
達明と真は笑顔でうなずく

達明「(時計を見ながら)お父さん、申し訳ありません、アキは他に用事がありまして、これで失礼させていただきます。」
真「ああ、そう、ちょっと寂しいな・・・」
智世「でも、わたしたちは残りますから」
達明「(アキに)老人ホームのボランティアに行くんだよな。何ホームだっけ?」
アキ「『涼風ホーム』です。」
真「ああ、あそこ?私、入院してたんだよ。ホームの付属病院に。月一回ボランティアの方が見えてね、ピアノや歌を聴かせてもらったり、手品を教えてもらったんだ。もしかすると、手品を教えてくれた女の子、アキちゃんと同級生じゃないかな?長沢マサミさんというんだけど。」
アキ「はい、彼女、クラスメートです。とっても仲良しな友達なんですよ。これからホームで会うんです。」
真「ああ、そう、彼女によろしく言っておいて」
アキ「はい、おじさんと共通の知り合いだったなんて、面白いですね」
真「じゃ、頑張ってね」
綾子「あと、律子さんにもよろしくね。」
アキ「大沢先生の奥さんですよね。伝えておきます。」

廣瀬家の玄関

真「じゃ、頑張ってきてね。」
綾子「受験が終わったらまた遊びにいらっしゃい。お父さんやお母さんと一緒でなくてもいいわよ。」
アキ「はい、そうさせていただきます、それでは、おじさん、おばさん、失礼します」

こうしてアキは廣瀬家を後にして、「涼風ホーム」へ向かいました。

※yosiさん、ホームでのお話、よろしくお願いします

※アキが中心になる話を書いて楽しかったです。大林家と廣瀬家とは娘の名前のことが縁で、家族ぐるみの付き合いをしていると考えました。大林一家の廣瀬夫妻の呼び方は文中のとおりですが、ご意見があればお聞かせ下さい。律子・マサミほどには悩まずに済みましたが。
アキが生まれそうになってソワソワしたり、生まれた瞬間に真の手を握る達明は本当に村田雄浩さんの姿が浮かびました。
あと、廣瀬・父の「その前にすることがあるだろ」を久々に出せたのは快感でありました。
...2004/12/11(Sat) 15:10 ID:ynll4/zw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
こんばんは、今は高松にいます。

今日はまず、ホテルの近くの愛媛県庁へ
ここは、映画でアキが入院していた病院です。
残念ながら土曜日なので中には入れず、あの廊下や階段をみることは出来ませんでした。
アキが「指先の花」を練習していた庭は、駐車場で、あのようなベンチはありませんでした。
すぐ前の電停で電車を待っている時、あのシーンが蘇りました・・・
それから、松山駅に直行し、高松行きの特急に乗り、高松のバスターミナルでロケ地ガイドをゲット。
立派なパンフレットで、町おこしにしたい庵治町の気合が感じられます(笑)
バスに乗り、まず向かったのが漁港。サクがアキの乗った車を追いかけたところです。
土曜日で快晴ということもあり、主に関西方面からと思われるカップルがいっぱい来てました。
そこから、ブランコのある高台へ。ここは人気スポットで、ブランコに乗るのに順番待ちしてました。
そしていよいよ、あの防波堤へ。松崎のものより長さはありますがやはり狭く、よくもこんなところ全力で走って、しかも転ぶなんて演技ができるものだと感心しました。
アベックを見てると、まず彼女を1段高いところに立たせ手を広げさせる、それから先の方へ行って並んで座る、と映画ソックリのことをやっているのが微笑ましかったです(笑)
荷物もたくさんあったので今日はここまで。明日もう一度行ってきます。

SATOさんへ
「あの歌」使いましょう。とにかく気合の入ったマサミが自作の歌を使って欲しいと堤先輩に直訴するということで(笑)タカユキ・ハルカに映画の名場面をダイジェストで演じてもらい、最後は四国のほうの防波堤の上を歩いてもらうというのはいかがですか?
「胸、当たる?」なんてやらせたら、綾瀬ファン大激怒かな(苦笑)

SATOさん、たかさんへ
演劇部公演後の同窓会にはマサミも参加させて上げてください。よろしければミライも同伴で(笑)
この場で、「ラストシーンの疑惑の映像」についてネタを明かし、ケンとアキには絶対にしゃべるなと申し合わせることにしますか?
この日は10月28日で、マサミの誕生日なのですが、11月3日のミライの誕生日に改めてデートをし、それで四国編が終わります。
演劇部の打ち上げを抜け出して途中から合流、そこで一気に「疑惑の映像」の質問を浴びせられるというのはいかがでしょう?
...2004/12/11(Sat) 18:18 ID:8oeGDtlc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
物好きなので調べたところ、2017年10月28日は土曜日のようなので、盛大にやってください(笑)
...2004/12/11(Sat) 20:50 ID:8oeGDtlc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、「疑惑の映像」案の採用ありがとうございます。

たかさんへ、四国編が全部終わるのを待ってからの方が、同窓会とその中での「疑惑の映像」ネタ明かし・ケンとアキへの緘口令が書きやすくなると思いますよ。

「疑惑の映像」について以前の私の書き込みがかなり上に行ってしまって捜すのが大変だと思うので、再掲載します。

四国編「劇中劇」のラストで「あの歌」が流れ、スクリーンにはドラマのあのエンディング(山田孝之君と綾瀬はるかちゃんのツーショット→この話の中ではタカユキとハルカ)が映し出される。

そのネタは
@マサミはヒロインと勉強で多忙で撮影時間が中々とれない
Aとりあえず、タカユキがハルカに相手役を頼み、8ミリフィルムでテスト撮影しておいた
B突然のタカユキ降板(ハルカと駆け落ち)、時間的制約で差し替えの撮影が不可能に
C穴を開けるわけにもいかず、仕方なしにタカユキとハルカのテストフィルムをそのまま使う
D観客は劇の内容で目に涙をためているので、スクリーンに映っている二人はよく見えない
Eところが、鋭いユイが別人であることに気付いてマサミに取材
F駆け落ち成功例を知ってみんなでビックリ
Gケンとアキを刺激しないように緘口令がしかれる

ということです。
...2004/12/11(Sat) 21:21 ID:/JHeNua.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-157の続きです。

四国編(その10)


【相談室】

音楽 C.I. ぼくの帰る所T 

少女の両親がソーシャルワーカーから、治療費の支払い、高額医療費の減免制度などについて説明を受けている。
不安げな両親の質問に、ソーシャルワーカーは丁寧に答えている。
両親とソーシャルワーカーが出て行く。

音楽 F.O.

入れ替わりに少女が入ってくる。
不安げに室内を見回している。

臨床心理士が入ってくる。前原千鶴子33歳。

前原『こんにちは、臨床心理士の前原です。主治医の加賀先生の指示で、これからあなたが抱えている不安を軽くするためのお手伝いをします。よろしくね』
少女『は、はい。よろしくお願いします・・・』
前原『夜、眠れないの?』
少女『・・・はい』
前原『何か心配があるのね?』
少女『ずっとベッドの上で過ごしていると、時間の感覚が無くなって、自分ひとり取り残されていく感じがして・・・』
前原『そう・・・でもね、あなたはひとりじゃないわ』
少女『えっ・・・』
前原『小児科病棟にプレイルームがあるの。そこにはね、白血病や小児癌の子供達がたくさんいるのよ。どうしてプレイルームが必要かというと、子供たちは入院して治療に入ると、すべてにおいて拘束されちゃうでしょ。そうなると自分で考えるということをしなくなるの。その結果すごく依存心が強くなってしまうのよ。それを避けるために子供たち同士で遊ばせて、社会性が失われないようにするの。あなた、ピアノ弾ける?』
少女『はい、少しだけなら』
前原『それなら、時々あそこに行って子供たちに聞かせてあげてくれないかな』
少女『・・・できるでしょうか』
前原『大丈夫。あ、彼氏が来る時間になったら、帰って来ていいからね。彼の存在はあなたにとって、とても大切よ。学校のことや、外のことをいろいろ聞かせてくれるでしょ?』
少女『はい』
前原『それから、髪のほうは・・・どう?』
少女『・・・だいぶ抜けて来たんで短くしました。でも・・・』
前原『ああ、そうだったわね。あなたはもう少しの辛抱ね』
少女『はい』

照明 F.O.


【処置室】

体をエビのように曲げて、少女は横になっている。
加賀医師が腰の骨と骨の隙間を狙って太い針を打ち込み、骨髄液を採取する。声を殺して耐える少女。

照明 F.O.


【病室】

化学療法によりほとんど髪が抜けてしまったため、少女はニットキャップをかぶり、ベッドの上で「智恵子抄」を読んでいる。

母『のど渇いたでしょ。ほら、お茶入れたわよ』
少女『うん』
母『ここに置いとくわね』
少女『お母さん』
母『ん?』
少女『今日はもう帰って寝なよ。そうでなかったら、お母さんが病気になっちゃうよ』
母『わかってるわよ』
少女『わかってないよ』

パジャマの乱れを直そうとする母の手を払う少女。
その時、ドアが開き、若い女性カウンセラーが大きな包みを持って入って来る。

カウンセラー『お待たせ!できたわよ。遅くなってごめんね』
母『まあ、できたんですね』
カウンセラー『さあ、早く!』

母、ベッドの周りのカーテンを引く。
しばらくして、カーテンが開く。

カウンセラー『わあ!』

音楽 C.I. 幸せのときU 

オーダーメードのヘアウィッグを付けた少女がうれしそうに笑いながら立っている。

音楽 F.O.してBGM

母『元に戻ったみたい・・・』
少女『ホント』
カウンセラー『よかった・・・喜んでもらえて』

音楽 F.I.してF.O.
照明 F.O.


行貞教授が聞く。
「森下君、こういうことは実際に行われているの?」
「はい、主に女性が脱毛が予想される治療を受ける場合、治療開始前にヘアウィッグを用意しておくのは珍しいことではありません。メーカーのカウンセラーが本人の希望や予算に合わせてプランを作ります。値段は既製品の数千円からオーダーメードならそれこそ数百万まで各種あります。オーダーメードの場合、出来上がるまでには1ヶ月くらいかかるということです」
「そうか」


(続く)
...2004/12/13(Mon) 01:35 ID:HjyoFwAM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
皆さん、おはようございます。

朔五郎さん、続きを拝見しました。
今度の四国編は「何でもあり」で本当に楽しいですよ。

私は「あの歌」が出来た段階まできましたので、次回は廣瀬家でお披露目させようと思っております。

もし余力があれば、廣瀬夫妻と大林一家との触れ合いをもっと書いてみたいと思います。(クリスマスで味をしめてしまいました・・・)
...2004/12/13(Mon) 06:49 ID:bVcwmYao    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その6)
「あの歌」お披露目編1

2月24日午後

廣瀬家の近くの道

律子とマサミがやってくる

マサミ「いよいよ、わたし達が作った歌を聴いてもらうんですね。ちょっとドキドキしてきた。」
律子「マサミちゃんがドキドキしたら私はどうなるのよ、もうっ(笑いながらマサミを小突く)」
マサミ「へー、律子さんでもドキドキするんだ。」
律子「そりゃそうよ、初めて人前で披露する曲なんだから・・・それに、綾子さん、よくわからないこと言うのよ・・・」

********************

数日前

律子と綾子が電話で話している

律子「綾子さん、実は、この前聞かせていただいた話なんですけど・・・」
綾子「うん、なに?」
律子「もの凄く感動しちゃって、マサミちゃんと一緒に亜紀さんの気持ちを歌にしてみたんです。」
綾子「まあ、亜紀のこと、歌にして下さったの?」
律子「あまり出来は良くないと思うんですけど、一度お聴かせしたいと思いまして・・・」
綾子「そう、ありがとう、ちょっと待ってね、主人に話してみるから・・・(奥の方で真と話している様子)・・・・・お待たせ、そうしたらね、24日の午後に来て下さる?亜紀の歌を聴かせていただくのなら、他にも聴かせたい人がいるからって主人が言ってるのよ。」
律子「えっ、他にもどなたかいらっしゃるんですか(ちょっと引き気味)・・・」
綾子「大丈夫よ、別に変な人呼んでるわけじゃないから(笑)、それにマサミちゃんが知ってる人もいるから。」
律子「そうですか、はい、それでは24日の午後にお邪魔させていただきます。」

******************

マサミ「うそっ、他にも誰かいるなんて、ちょっと恥ずかしいわ。でも、あたしの知り合いって誰だろう?」
律子「わからないけど、度胸すえて、行きましょう」

(廣瀬家・門の前)

律子がインターホンを押す
ピンポーン!

(スピーカーから)綾子の声「はーい」
律子「律子です。今、門のところにいるんですけど」
綾子の声「開いてるから、どうぞ、お入りになって」
律子「では、おじゃまします」

律子とマサミは門の中へ入って家へむかって中庭を歩く

廣瀬家の玄関前

律子「さてと、入りますか」
マサミ「そうですね(ちょっと不安顔)」

マサミの背後に人の気配がする

トントン・・・
誰かがマサミの肩をたたく

マサミが振り向くとほっぺに人差し指があたる。
何と、そこにはアキが。

アキ「へへっ、びっくりした?」
マサミ「したよー」
アキ「律子さん、お久しぶりです(ピョコンとお辞儀)クリスマスの時はお世話になりました。」
律子「アキちゃん、今日は。あの日はホントに楽しかったね」
マサミ「でも、何でアキがここにいるの?それに学校行くわけでもないのに何でそんな格好してるの?」

アキは制服姿であった

アキ「今日は亜紀さんの月命日なの。それで、お母さんたちとお墓参り行ってたのよ。」
マサミ「そうだったんだ・・・」
アキ「律子さんと一緒に亜紀さんの歌作ったんだって?」
律子「まあ、綾子さん、しゃべっちゃったの?そんなに出来良くないのに、ちょっと恥ずかしいわ・・・」
アキ「律子さん、おじさんとおばさんがすごく楽しみにしてますよ。どうせなら、亜紀さんのお友達にも聴かせてあげたいって言ってました。」
マサミ「アキのお母さんって、亜紀さんのお友達だったの?」
アキ「うん、他にも二人来てるよ。」
律子「こうなったら、何人いても同じ。腹すえて行くわよ。」
アキ「律子さん、そんなに緊張することないですよ。(マサミに)行こっ!」

廣瀬家へ入る三人

(廣瀬家の居間)

律子・マサミ・アキが入ってくる

智世と綾子が立ち話をしている

アキ「(綾子に)おばさん、お迎えしてきました」
綾子「アキちゃん、ご苦労様ね」
アキ「(智世に)お母さん、担任の大沢先生の奥様の律子さんと、クラスメートの長沢マサミさんです。」
智世「はじめまして、アキの母です。その節はうちのアキがお二人にいろいろご迷惑をおかけしまして、申し訳ございませんでした。」
律子「いいえ、こちらこそ、クリスマスの日にはアキさんいお世話になりました。大沢の家内の律子です。」
マサミ「はじめまして、長沢です。アキさんとはとっても仲良くさせていただいてます。(アキに)ねっ」
アキ「うん」
智世「ちょっと、龍之介、龍之介ってば・・」

龍之介登場

龍之介「うるせーな、人の家でそんなわめくなよ。」
智世「そんなこと、どうでもいいの、ほら、大沢先生の奥様と、ケンちゃんのクラスメートよ」
龍之介「(姿勢を正し、律子とマサミに)ケンザブロウの父の大木龍之介です。いつもお世話になっております。」
律子・マサミ「よろしくお願いします(お辞儀する)」
智世「(龍之介に)それだけ?こちらのお二人にはケンちゃんとうちのアキが散々ご迷惑おかけしたんだからね。よくお詫びしなきゃ。アキ、そんなところに立ってないでこっち来なさい。」
アキ「?(キョトンとして智世の隣に行く)」
智世「本当に、お二人にはご迷惑をおかけしました(律子とマサミにお辞儀)」
龍之介「(智世につられてお辞儀)」
アキ「(智世に頭をつかまれてお辞儀させられる)」
律子・マサミ「(お辞儀を返す)」

律子「すみません、ちょっと用意させていただけますか?」
綾子「どうぞ」

(廊下で)

マサミ「(腹を抱えて笑っている)アキのお母さんって面白い人・・・(笑いすぎて涙をふいている)」
律子「気取ってなくて、感じのいい人じゃない。でも、ケンちゃんのお父さんとはまるで漫才やってるみたいだった・・・ああ、おかしい(腹を抱えて笑う)」

(続く)


※ここでの智世は朔母の富子に近いイメージで書いてみました。

※何でもありの四国編(朔五郎さん作)に刺激されて、私も智世と龍之介を出してしまいました。「あの歌」を聴いてもらうなら、やっぱり亜紀の友人たちも出さなきゃ・・・・残り二人の出番も考え中です。
...2004/12/13(Mon) 20:01 ID:OXDu0Y3U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その7)
「あの歌」お披露目編2

(廣瀬家・廊下)

智世と龍之介の掛け合いにバカ受けして笑い続けている律子・マサミ

二人の横を男性が通り過ぎた

トン!マサミの肩に男性が触れた

男性の声「おっと、失礼」

男性が振り向く

男性「あれ、もしかして、あなたたちが?」
律子・マサミ「??」
男性「そうか、挨拶しなきゃわからないよね。はじめまして、松本朔太郎です。」
律子「!はじめまして、大沢律子です」
マサミ「!長沢マサミです」
律子・マサミ「(この人があの朔太郎さん・・・)」
律子「廣瀬さんとは、老人ホームにボランティアに行った時に知り合いまして、それからはこちらによく遊びに来させていただいてます。」
朔「そうですか、最近新しいお友達が出来たと聞いていたのですが、あなたたちだったんですね。」
律子「お邪魔かもしれませんが、よろしくお願いします。」
朔「お邪魔だなんて、とんでもない。廣瀬さんとお友達なら、僕らとも友達ですよ。」
律子「ありがとうございます」
マサミ「あの・・・」
朔「何?」
マサミ「ケンザブロウ君のお父さんやアキさんのお母さんとは仲良しなんですか?」
朔「うん、子供の頃から大の仲良しだよ。ケンザブロウ君のお父さんはスケちゃん、アキちゃんのお母さんはトモヨって呼んでるよ。僕はサクって呼ばれてるけどね。」
マサミ「さっきのケンザブロウ君のお父さんとアキさんのお母さん見てて、すごく仲良さそうで。どうして夫婦じゃないんだろうって不思議に思いました。」
律子「マサミちゃん、それは大人の話なんだから・・・」
朔「いや、いいですよ。スケちゃんとトモヨは夫婦じゃないから言いたいこと言い合えるのかもしれないよ。一緒に暮らしてると、我慢しなければならないことも出てくるからね。たまに会って、言いたいこと言い合ってストレス発散してるんだよ。スケちゃんたちは。」
マサミ「へー、いいですね、そういうお友達って。」
朔「マサミさんにも、そういう友達が出来るよ、きっと」
マサミ「そうですか?」
朔「そうだとも、それじゃ、また後で」

律子とマサミの背後から男性の声が聞こえる
「あいつ、ちゃんと挨拶できるようになったんだな・・・うん」
律子「あ、廣瀬さん、今日は」
マサミ「今日は、廣瀬のおじさん」
真「今日は。今君たちと話していた彼が昔、挨拶できなかった朔君だ。やつが挨拶していかなかったら、どやしつけてやろうとテグスネ引いて待ってたんだけどな・・・」
律子「どやしつける相手がいなくなって寂しいんじゃありません?」
真「そうかもね、正直言うと、私のところから巣立っていったような気分だよ。ま、今では有名なお医者様だから、どやしつける方も気を使うからね・・・ハハハ・・・」

三人で笑い合う

(続く)
...2004/12/13(Mon) 23:05 ID:OXDu0Y3U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
みなさん、こんばんは

今回のセカ中毒ツアーですが、もともと北海道のニセコに初滑りに行くはずだったのですが、雪不足で、ほとんどのコースが閉鎖しているという情報に、ツアーそのものが中止に。そこで急遽、四国に行ったわけです。
それにしても、木庭子町こと庵治町は、3日目も楽しかったです。桜八幡神社(アキが座っていた石段、赤い橋)、谷商店(ウオークマン)、写真館後など、歩いて20分以内くらいのところに、撮影地が入っていて、まわりやすいです。天気もよくて、いかにも映画版アキが出てきそうな雰囲気が漂ってました。
そして、あんなに晴れていたのに、最後の高松空港は雨。ムードが高まります。これも「あのひと」のイタズラでしょうか(笑)

SATOさんへ
「疑惑の映像」関連ですが、2017年の宮浦高校の女子の制服は、1987年当時と同じセーラー服でしょうか?それとも、ブレザーに変わっているでしょうか?(笑)
...2004/12/14(Tue) 01:52 ID:CvYP/y82    

             Re:宮浦高の制服  Name:にわかマニア
 連ドラの最終回で,主題歌に乗せて登場人物それぞれの17年後を紹介するシーンが流れましたね(確か,その時の上田薬局の表札が,この「続編」のそもそもの発端だったような気もするのですが)。
 その際に,谷田部の「その後」を紹介するシーンで教室風景が出てきましたが,1987年と対比させるという意図からでしょうが,2004年の時点で既にセーラー服ではなくなっていました。夏服だったので普通のブラウスだったのですが,冬服はブレザーでしょう。
 ちなみに,映画は最初から普通のブラウスでした。
...2004/12/14(Tue) 02:09 ID:QCGg4OuM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
おはようございます。
公立の学校はセーラー服じゃなくなりつつあるみたいですね。
でも、私の住む地域の私立の女子高校はいまだにセーラー服が健在です。

「疑惑の映像」についてですが、ハルカには高校時代の制服を着てもらったことにして、その出身高校がセーラー服を制服にしている私立女子高だった、という設定はいかがでしょう?
※余談ですが、私立高校は英語教育に力を入れる学校が多いようです。ハルカは高校時代に培った英語力を武器にしてNYでタカユキを支えてるんでしょうね(笑)

※廣瀬家の墓参りでアキは「制服」を着ますが、セーラー・ブレザーどちらでもいいように「制服」と表現しております。皆様お好きな方をご想像のうえ、お読み下さい。
...2004/12/14(Tue) 07:02 ID:j2qYQV86    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
みなさん申し訳ありません
仕事が急にたてこんできて、なかなか話を進める時間が
取れなくなっておりますm(_ _)m
今週中にはクリスマスのホーム編をなんとかしますので
もう少しお時間を下さい
...2004/12/14(Tue) 08:27 ID:EtPIoLbQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 SATOさんも,片山さんや堤さんを見習って,読者や視聴者に解釈を委ねる書き方をされたのですね(笑)。
 まあ,「あの歌」と結びつけて「あの映像」を持ち出すのであれば,衣装関係も「オリジナル」がいいでしょうね。その説明付けはSATOさんが書かれているとおりでいけるでしょうし,それを見た登場人物たちに,「うち(宮浦)も昔(母の時代)はセーラー服だったそうだけど・・・」なんてやりとりをさせるのも手かもしれません。
...2004/12/14(Tue) 08:34 ID:EtPIoLbQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
SATOさん
めちゃ良い雰囲気の廣瀬家ですね
続きを楽しみしています
ホームのクリスマスはもう少しお待ち下さいねm(_ _)m

朔五郎さん
実は、レンタルで映画版を借りて見ていたんですが
四国編には映画の場面がちりばめられていてまた違った
映画の楽しみ方が出来ましたよ
...2004/12/14(Tue) 12:59 ID:EtPIoLbQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
私も少し忙しくてなかなかアップできないかもしれませんがご了承下さいm(_ _)m

料理系統はyosi様に協力願いたいです。よろしくお願いします。

余談なんですが・・・私の大好きなBUMP OF CHICKENの「ロストマン」という歌がですね、朔を思い出させるような歌詞になっておりまして、自分だけかな〜とも思うんですが・・・是非機会がありましたら聞いてみてくださいw
...2004/12/14(Tue) 15:16 ID:d2rXdDzE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん作「四国編」の続編です

NY編1

(飛行機の中)

機内放送「当機はまもなくNY・JFケネディ空港に到着いたします。現地の時刻は10月28日午後3時50分、天候晴れ、気温は摂氏15度でございます・・・Atention Please・・・」

マサミはシートベルトを締めた。隣の席には誰も座っていない。本当だったらミライが座っているはずだったが・・・つまらなそうな表情のマサミ

(空港の出口)

入国審査を終え、いよいよNYの地に降り立ったマサミ。

マサミ「えーと・・・宮浦トラベルのツアーは・・・ガイドさんが待ってるっていったけど・・・」

ゲート周辺は日本人観光客でごった返しており、お目当てのツアーはなかなか見つからない。一人ぼっちで心細そうなマサミ。

トントン・・・
マサミの肩をたたく者がいた

振り返ると人差し指がほっぺに突き当たる

マサミ「ハルカ!」
ハルカ「びっくりした?」
マサミ「びっくりしたよー、でも何でハルカが?」
ハルカ「あたし、ここでツアーガイドやってるんだ。今度のツアーにマサミたちが来るのわかったから、会社の人に頼んで担当させてもらうことにしたの。」
マサミ「そうなんだ、ハルカがいてくれて心強いよ。」
ハルカ「ところで、ミライ君は?」
マサミ「(ブスっとした顔)それがね・・・あのバカ、パスポート忘れてきたのよ・・・成田で出国審査受けるときに気付いて・・・もう、サクったら・・・折角のバースデイが・・・あたし一人ぼっちじゃないのよ、もうっ」
ハルカ「あら、あたしがいるのに、失礼ね」
マサミ「ごめん、つい出ちゃったんだ・・・」
ハルカ「はいはい、ご馳走さまでした。」
マサミ「ところで、スケジュールは?」
ハルカ「一旦ホテルにチェックインして、ヤンキースタジアムへ向かいます。今日はワールドシリーズの初戦でね、日本人がはじめて監督としてシリーズの采配を振るう記念すべき日よ」
マサミ「それってヤンキースのゴジラ・マツイ監督のことでしょ?」
ハルカ「よく知ってるじゃない」
マサミ「サクがゴジラマツイの現役の頃からのファンでね、今回のツアーもサクが絶対に観戦するんだって張り切って申し込んだのよ。あのバカ、ザマミロ」
ハルカ「まあまあ、そう怒らない、彼の分までしっかり楽しみましょう。」
マサミ「じゃ、ハルカ、お願いします」

(つづく)


朔五郎さんのオリジナル「四国編」の1年後ということで・・・
にわかマニアさんの願望を受けて、ハルカはNYでガイドとして頑張っていることにいたしました。
ついでにヤンキースのゴジラ・マツイ監督は勿論、あの松○秀○選手のパロディーです。
...2004/12/14(Tue) 19:37 ID:H8KS9Lho    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
あだち充氏の漫画が立て続けにドラマ・映画になるそうですね。
「H2」が山田孝之君で、「タッチ」は長澤まさみちゃんですか・・・

そこで、もしもあだち充氏のその他の漫画が実写になるとしたら・・・(セカチューメンバーをキャスティングしてみます)

「みゆき」
鹿島みゆき=綾瀬はるか
若松みゆき=長澤まさみ
若松正人=山田孝之
間崎竜一=田中幸太郎

「陽あたり良好!」
岸本かすみ=本仮屋ユイカ
高杉勇作=山田孝之
水沢千草(下宿のおばさん)=松下由樹
村木克彦(かすみの彼氏)=大沢たかお
...2004/12/15(Wed) 00:28 ID:Zb9FlgbI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-189の続きです

四国編(その11)


【小児科病棟・プレイルーム】

音楽 C.I. ぼくの帰る所T 

少女がピアノを弾き、子供達が周りに座ってそれを聞いている。
子供達のために手品をやってみせ、拍手を浴びる少女。

小児科病棟から、自分の病室に戻る途中、手すりにつかまってやっと歩く老人がいる。
手助けを申し出て感謝される少女。

歩きながら、いろいろ考える少女。

音楽 F.O.


【病室】

病室に戻ると少年が待っていた。

少女『あら来てたの。ごめんね、待たせて』
少年『いいけど・・・あ、レモン買ってきた』
少女『ありがとう』
少年『だけど、なんで毎日?』
少女『いいの。なんとなく』
少年『ふうん、変わってるね』
少女『フフッ』
少年『今日もピアノ弾いてきたの?』
少女『うん、あと手品も覚えてるの。今できるのは、指先の花っていうやつ』
少年『やって見せろよ』
少女『ダメ。○○には見せない』
少年『なんだよ、それ』
少女『私、子供達のところに行くまで、なんで私だけこんな目に遭うのって思ってた。でも私だけじゃないんだ。みんな私より小さいのに、頑張って白血病や癌と闘っている。ここに帰って来る間も、足の不自由なお年寄りが一生懸命歩こうとしていた』
少年『みんな、必死に、自分らしく生きようとしてるんだね』
少女『そう・・・これは、臨床心理士の前原さんに聞いたんだけど、たとえば昔は乳癌の手術の時、乳房ごと大きく切り取ってしまってたんだって。でも今は、できる限り乳房を残すように小さく切るようになったの。一度切り取った乳房を再建することもできるみたいよ』
少年『女性にとっては大問題だもんね』

少女はヘアウィッグに触れながら言う。

少女『たとえば、これだってそう。昔は強い薬を飲むんだから毛が抜けたってしょうがないだろ、命が助かりゃ文句ないだろっていう雰囲気だったって。でも今はね、特に女性が感じる哀しみをできる限り取り除いてあげよう、その分、病気との闘いそのものにエネルギーを回してもらおうって、そういう考えになったんだって。私、なんだかすごくうれしかった』
少年『うん・・・わかるよ』
少女『私、もし、病気が治ったら、福祉の仕事をしたい』
少年『福祉?』
少女『QOLっていう言葉知ってる?』
少年『うん。前に新聞で読んだ。Quality of Lifeだろ?』
少女『そう。QOLを向上させる目的は、ひとりひとりが自分らしく生きられるようにすることなの。子供やお年寄りや病気の人が持っているハンデや苦しみを取り除くことができれば、生きていることが楽しくなるはずよ。たとえ、その人が背負った運命そのものを変えることはできないとしても、限られた人生の充実度は全然違ってくるわ』
少年『すごいね、そんなこと考えてたんだ』
少女『どうして今まで気付かなかったんだろう。こんなことに、自分がこんなことになってから気付くなんて・・・きっと、もう遅いよね』
少年『そんなことねえよ!大丈夫だよ、治るよ。死なねえよ!』

少女は微笑む。

少女『ありがとう・・・最近、よく夢を見るの』

音楽 BGM 大空に続く道T

少女『赤い砂漠の彼方に大きな岩山があって、ものすごく澄んだ青い空が広がっているの。前にテレビで見た。あれは、オーストラリアの先住民族の聖地でウルルっていうところだと思う。なんでそんな夢を見るのかわからないけど、私の魂はいつかあそこに行くような気がする・・・』
少年『おい、どうしたんだよ。なに弱気になってんだよ、しっかりしろよ』
少女『○○に怒られるとは思わなかった』
少年『うるせえ』
少女『大丈夫・・・まだ、もうちょっと先の話だから』

音楽 F.I.してF.O.
照明 F.O.


行貞教授が言う。
「堤君、あのカツラにはそういう意味があったんだね」
「はい。2004年に公開された映画では、少女を襲った残酷な現実を、リアルに抉り出した映像は人々の胸に突き刺さりました。しかし、QOLに対する意識がここまで高まった今の時代では、これもまた一つの真実だと思うんです」
行貞教授は苦笑しながらつぶやく。
「ぼくは、あの映画のほうが断然上だと思うけどね」

律子が思う。
(これ、廣瀬さんのお嬢さんの話とほとんど同じじゃない。マサミちゃん、今どんな気持ちで演じているんだろう)


(続く)
...2004/12/15(Wed) 02:17 ID:rPTfSoLo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさん、にわかマニアさん
制服のこと、了解しました。映像はオリジナルのままということで(^^)

yosiさんへ
この四国編は最初は単なる「言葉あそび」で、内容はあまり考えてませんでした(冷汗)だから、せいぜい4、5回で止めるつもりでした。なぜこうなったかというと、以前から「女優=劇中劇」をやってみたいという構想があったからです。でもこれは、「ハルカ」が主人公で、別スレに出張して書くつもりでした。それが急に気が変わって、ここまで来たら、映画版でやってしまえと思い、こんなことになってしまいました(苦笑)まさか札幌より長くなるとは・・・
というわけで、最初のほうの「遊び過ぎた」部分はいずれ大幅に修正して、もうちょっとマシなものにするつもりです(苦笑)

SATOさん
四国編〜おまけはナイスでした(^^)

たかさん
ゆっくり行きましょう(^^)
...2004/12/15(Wed) 02:59 ID:rPTfSoLo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、

行貞教授が「映画の方が断然上」とコダワルところに笑ってしまいました。2004年公開の映画と結末がどう違うのか、楽しみにしております。
...2004/12/15(Wed) 23:49 ID:UAqSgb2g    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-202の続きです

四国編(その11)


【病室】

少年が入って来ると少女の姿はなく、枕の上には智恵子抄が置いてあった。

少年『レモン買って来たけど・・・いないのか。あれ、なんだこれ』

詩集には栞がはさんであった。

少年『なに・・・レモン哀歌?』

 そんなにもあなたはレモンを待っていた
 かなしく白くあかるい死の床で
 私の手からとった一つのレモンを
 あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
 トパアズいろの香気が立つ
 その数滴の天のものなるレモンの汁は
 ぱっとあなたの意識を正常にした
 あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑う
 わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
 あなたの咽喉に嵐はあるが
 こういう命の瀬戸ぎわに
 智恵子はもとの智恵子となり
 生涯の愛を一瞬にかたむけた
 それからひと時
 昔山巓でしたような深呼吸を一つして
 あなたの機関ははそれなり止まつた
 写真の前に挿した桜の花かげに
 すずしく光るレモンを今日も置こう

少年『おい、冗談じゃねえよ。なんだよこれ』
少女『・・・智恵子はね、死の間際に、欲しくて欲しくてたまらなかったものを愛する人から受け取って、一瞬輝いて死んでいったの』

いつの間にか少女が帰って来ていた。

少女『覚えてる?夢島に泊まった時のこと・・・○○の名前の由来を聞いて、私、《ああ、智恵子抄の?》って間違えちゃったよね。あの時、なんであんなこと言ったのか自分でも不思議で、智恵子ってどんなひとだったのか気になったの・・・』
少年『とにかくもう、こんな不吉なもの読むなよ』
少女『不吉かな?・・・自分らしく生きて最後にこんなふうに逝くのなら、それはそれで幸せかも』

音楽 BGM この愛をみつめてT

少女『薬が効かなくなってきたの・・・ドナーも見つからないんだって・・・でも心配しないで。私は最後まで私であり続けるわ。○○やみんなが支えてくれるから、そうできるの・・・』
少年『嫌だ・・・オレはそんなの認めねえっ』
少女『信じていて・・・そして、その時が来たら、最後まで手を握って見送って』

部屋の中に柔らかな午後の光が差し込んでいる

音楽 F.I.してF.O.
照明 F.O.


少年NA『それからしばらくして、○○の容態が急変した。意識を失い、生死の間をさまよった』


【少女の夢】

音楽 C.I. 大空につづく道V
照明 ベッドに眠る少女にスポット

舞台中央に少年の幻が現れる。
少年は学校に行き、普段と変わらぬ生活をしている。

スクリーン ウルルの風景

少年は影となり、ウルルへ続く道を歩いて行く。
巨大な岩山を見上げ、たたずむ少年の影。
やがて、掌を大空に向けて掲げ、何かを放つ。
空を見上げて見送る影に、いつしかもうひとつの影が近づく。
二つの影は寄り添い、やがて歩み去る。
後には、青い空だけが広がっている・・・

スクリーン 消
音楽 F.O.

部屋の中に朝日が差し込む。
少女が目覚める。


(続く)
...2004/12/16(Thu) 00:25 ID:1uKEAhko    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさんへ
この四国編は《「涼風ホーム」での経験や、廣瀬家との交流から、介護福祉の道を目指すマサミ》という設定を補強する流れになります。そこらへんの説明はどこかでキッチリ入れておこうと思っております。
もし、細かいすりあわせが必要なら修正しますので、遠慮なくお伝えください。
...2004/12/16(Thu) 00:45 ID:1uKEAhko    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、私が書いた中でマサミは福祉の道へ進む決意をしておりますので、特にすり合わせの必要性はないと思いますよ。思うがままに、自由に四国編を続けて下さい。楽しみにしています。
...2004/12/16(Thu) 19:23 ID:7lKrujy6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
NY編〜その2

ヤンキースタジアムにやって来たハルカとマサミ

マサミ「試合は何時開始?」
ハルカ「7時開始だから、あと2時間近くあるよ」
マサミ「えー、あと2時間も・・・退屈・・・」
ハルカ「ミライ君がいなきゃだめ?」
マサミ「いや、そんなことないけど・・・」
ハルカ「うそばっか、顔に出てるぞ(マサミのおでこをチョコンと突く)」

練習をしていたヤンキースの選手が引き上げてくる

ハルカ「ほら、ヤンキースの選手たち、すごくカッコいいでしょ?あ、あの背番号55がゴジラ監督だ、ほら、マサミ見てみて。」
マサミ「ほんとだ、デッカイなー」

ゴジラ監督は日本の報道陣に囲まれて取材を受けている。Wシリーズ初采配の抱負など聞かれてるのでしょうか?

その間にも観客がどんどんスタンドに入って来た。日本人の姿もあちこちに見られる。みんなゴジラ監督目当てのようです。

取材を終えたゴジラ監督が引き上げて来る。

ハルカ「(スタンドを駆け下りる)キャー、ゴジラ監督ー」
マサミ「まってよ、ハルカー(ハルカを追いかける)」
ハルカ「カントクー、カントクー(色紙を振り回している、完全に仕事を忘れている様子)」

ハルカにつられて他の観客も集まってきた

ハルカの黄色い声に気付いたゴジラ監督がやって来て、観客の出す色紙やサイン帳にサインを始める。

ハルカが差し出した色紙にサインをするゴジラ監督。

ハルカ「監督、頑張って下さい(興奮している)」
ゴジラ監督「ありがとう、頑張ります」
ハルカ「ほら、マサミもお願いして・・・」
ゴジラ監督「こちらの方もかな?」
マサミ「お願いします」

サインを終えたゴジラ監督がベンチに下がる

ハルカ「やったー!ゴジラ監督のサインもらえて、もう、サイコー!」
マサミ「これ、サクへのお土産にしよっと、思いっきりウラヤマシがらせてやるんだ〜エヘ!」
ハルカ「そうそう、これは来た人だけしか味わえない特権なんだから・・・」

女性「すみません、日本から観戦に来られたかたですか(マイクを二人に向ける:テレビの取材)」
マサミ「はい、静岡から来ました」
ハルカ「私はNYに住んでまーす、監督からサインもらっちゃいましたー、ヤッター」
女性アナ「よかったですねー、日本にも中継されてますよ。よろしければご家族やお友達に喜びの声など」
マサミ「おーい、サク、見てるかー、お前の欲しかったゴジラ監督のサインだぞー、うらやましいだろー、悔しかったらこっちまで来ーい(思いっきりイタズラっぽい笑顔)」


こちらは日本

(成田空港)

遅れて出発するために待機していたミライ
テレビにインタビューを受けたマサミが映っている。

ミライ「あー、マサミのやつ、ちゃっかりサインもらってやがる、あーあ、パスポート忘れるんじゃなかった(ため息)」

(つづく)
...2004/12/16(Thu) 19:55 ID:7lKrujy6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさん
1年後のミライとマサミ、目に浮かぶようですね。実際には長澤まさみさんより森山未來くんのほうが3つ位年上なんですけど、映画の中では「姉と弟」という感じでしたから(笑)

何かで綾瀬はるかさんの記事を読んだのですが、亜紀の役でダイエットしてやつれていくのと並行して「戦国自衛隊」の濃姫役のために乗馬の練習をしてたとのこと。しかも、映画のほうの監督に「撮影までに太ってこい」と言われたとか。映画監督というのは鬼ですな(笑)
...2004/12/17(Fri) 03:35 ID:2yXcghhM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 「監督というのは鬼ですな」と言えば,某堤監督も「鬼彦」なる呼び名で登場することもあるようです。
 綾瀬君の役作りに取り組む姿勢には頭が下がりますが,一度体重を落とした後に無理して太ると,最初からの肥満以上に身体にはよくない(筋肉と脂肪の関係等で)だけに,ちょっと心配でもあります。
...2004/12/17(Fri) 12:56 ID:zP.GP1kg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 登場人物こそ入れ替わっていますが,北海道,四国,NYと,あちこちを巡り歩きましたね。まるで往年の数寄屋橋発のラジオドラマのように。
 もっとも,「忘れえずして忘却を誓う心の悲しさよ」というナレーションで始まったあのドラマに対して,こちらは「忘れられるのが怖い」でしたが・・・
 続編,ますます楽しみです。
...2004/12/17(Fri) 13:00 ID:zP.GP1kg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、にわかマニアさん、オマケのNY編をお楽しみいただき、ありがとうございます。

私はNYへは野球観戦が主目的で都合3日しか滞在してないので、行った場所はヤンキースタジアム、自由の女神像、エンパイアステートビル、セントラルパークの入り口だけなんですよ。あとは観光バスの中からみる、というだけでして・・・同時テロで消えたWTCビルがまだ健在のころでした。

ヤンキースタジアムで生でメジャーリーガーを見たときは本当に少年の気持ちに帰りましたね(笑)ハルカほどにはハシャギませんでしたけどね・・・
...2004/12/17(Fri) 18:08 ID:rDheOxNo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
いやぁ、ヤンキースタジアム、ゴジラ・マツイ監督はたまりませんなw

といっても私はレッドソックスファン(汗
一度は本場の野球を見てみたいですwww

もうすぐ映画のDVDが発売になりますねw楽しみです。

作品のアップが遅くなって申し訳ありません。大急ぎでアイデアをまとめている途中ですので、もうしばらくお待ちください。
...2004/12/17(Fri) 18:53 ID:V78s26Xk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-205の続きです。

四国編(その12)


【2017年10月28日・病室】

朝方射していた陽も厚い雲に遮られ、雨が降り始めた。

照明 半明
スクリーン 激しく揺れる木々
SE 風雨の音

《鹿児島県枕崎市付近に上陸した、大型で強い台風29号は1時間に30キロの速さで北東に進んでいます。中心の気圧は945ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル・・・》

少女は自分の見た夢を思い返し、すべてを覚る。
枕元のMDプレイヤーの録音ボタンを押し、話し始める。
弱ってはいるが、落ち着いて安らかな声で。

少女『10月28日・・・どうしてかなぁ、怖くないの・・・みんなが支えてくれるから、怖くないの・・・私、もうすぐ死ぬと思う・・・』

少女『あのね、やっぱり最後まで見送ってほしいの・・・あなたと過ごした永遠の何分の1かが私の生涯の宝物です。あなたがいてくれて幸せだった・・・』

少女『いいよね、手を握っていて。あなたが大人になって、結婚して、仕事をして、未来を生き続けることを願いながら私はいきます・・・』

少女『・・・目を閉じるとやっぱりあなたの顔が忘れられない。思い出すのは焼きそばパンを頬ばった大きな口、顔をくしゃくしゃに崩して笑う笑顔、ムキになってふくれるけどすぐに振り返って笑ってくれたときのやさしさ、夢島でのあなたの寝顔、髪が抜けた時にいっしょに流してくれた涙、今もすぐ目の前にあって触れていたいよ。バイクに乗せてくれた時のあなたの背の温もりが一番、大切だった・・・あなたとのたくさんの思い出が私の人生を輝かせてくれた。本当にそばにいてくれてありがとう・・・忘れないよ、あなたと過ごした大切な時間。最後にひとつだけお願いがあります。私の心をウルルの風の中に届けてほしいの。そしてあなたはあなたの今を生きて。あなたに会えてよかった・・・バイバイ』

MDを取り出し、ケースに入れた少女、ベッドに座り、窓の外を見ている。
少年が入ってくる。

少女『こんな雨なのに、来てくれたのね』
少年『当たり前だろ』
少女『すごい音』
少年『近づいてるんだ』
少女『なにが?』
少年『台風』
少女『台風?』
少年『台風29号』
少女『・・・こんな嵐の日に旅立つのはイヤだね。どこかとんでもないところに飛ばされてしまいそう』
少年『やっぱり、いっちゃうのか・・・』
少女『うん、夢を見た。私の心はウルルの青い空にいくの』
少年『・・・そうか』
少女『ねぇ・・・いけるかな、道に迷わないで』
少年『いけるさ。僕が必ず連れていく』
少女『台風が過ぎるまで手を握っていて。飛ばされないように・・・』

少女、少年の手をしっかりと握り、体を預ける。
少年、手を握り返す。

別れの時が近づく。
加賀医師、心理士の前原、家族、友人などが集まる。
少女はひとりひとりに別れを告げ、皆は少年と少女を残し部屋を出て行く。


「あれ、堤君。何か忘れてない?」
慌てた様子で行貞教授が言う。
「は、何か?」
「は、って、君、空港のシーンはどうした?あそこが一番のヤマ場だろう」
「ありません」
キッパリと堤が言う。
「あの二人は周囲に支えられて、運命を受け入れそして乗り越えていく勇気を得たんです。残された時間を1秒たりとも無駄にせず過ごすことだけを考えているので・・・」
「いや、そういうことじゃなくて・・・観客だってみんなアレを期待してるんだから・・・ムリヤリ見せ場を創る、それが芝居ってもんだろう?」
「そんなもんでしょうか」
「ああ、やっぱり倉元さんの台本のほうが良かったかなあ・・・でも、あれは北海道の喫茶店の話だったもんなあ・・・」


(続く)
...2004/12/18(Sat) 04:45 ID:i/DIPMY6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
にわかマニアさんへ
四国編が終わったら、レイコの話を創ろうと思ってますが、その中で、ケンとアキを除く仲間(レイコ、シンジ、ユイ、先輩のヒデとミホ、あと新キャラ)でスキーに行こうと思ってます。宮浦からだと、山梨・長野方面になるでしょう。あれ、大沢夫妻はスキーできるのかな(笑)
札幌も四国も1泊の強行日程でした。ロケ費が少ないもんで(苦笑)
一番長かったのは東京での3週間の駆け落ちですね(苦笑)

SATOさんへ
四国編〜おまけはすごく良いです。どこかでぜひ使ってほしいと思います。

たかさんへ
ボストンのペドロは、メッツに行ってしまいましたね。これは痛いんじゃないかな・・・
...2004/12/18(Sat) 05:12 ID:i/DIPMY6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎様
 いつか出るのではないかと密かに期待していたら,やっぱり登場しましたね。クラモトが。でも,そうなると,5文字追加で,「世界の中心で北の国から愛をさけぶ」なんて「寿限無」みたいなタイトルになってしまいますね。
 スキーツアーですが,大沢夫妻をあえてスキーができない設定にしておいて,いつもと立場を換えて,みんなでスキーを教えるという手もありかもしれませんね。(まさか,自分は滑らずにずっと山荘で雀卓を囲んで汽車賃をちゃっかり稼いで帰るなんてのは,今どき,はやらないですもんね。)
...2004/12/18(Sat) 07:29 ID:4pQ2N8WU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、たかさん、四国編のオマケのつもりで書いたNY編ですが、もう少しやってみたくなっちゃいましたよ・・・私も一泊だけですが・・・ロケ費の問題(笑)もありますが、そもそもネタがないもので。

「その前にすることがあるだろ」
おっと、「あの歌」お披露目をサボり気味でした。


話は替わりますが、山田君の「H2」とまさみちゃんの「優しい時間」は放送時間が同じなんですね。アチャー、どちらかは裏番組録画しなきゃいけませんね。
フジ系列の木曜10時は「白い巨塔」「人間の証明」「大奥」と興味を引くドラマが続きますね。「優しい時間」もこれらの作品に負けない名作になって欲しいです。
...2004/12/18(Sat) 08:00 ID:avLmlrs.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編その8)
「あの歌」お披露目編3

(廣瀬家・居間)

朔が入ってくる

朔「お待たせ」
アキ「あー、やっぱり、松本先生、ネクタイしてるより、そういうラフな格好の方が似合う(笑顔が輝く)」
(注:亜紀の墓参りに行ったのは、朔・龍之介・智世・アキの四人。大人三人は喪服を着て行き、廣瀬家に来てから普段着に着替えたのでした)
朔「おいおい、アキちゃん、それどういう意味だよ、あんまり大人をからかわないでくれよな(苦笑)」
アキ「前、ケンちゃんと一緒に東京から帰ってくるときに亜紀さんの話聞かせて下さったじゃないですか。そのときの先生の顔、とっても素敵でした。それで、着ていた服装も素敵に見えたんです。でも、今日、亜紀さんのお墓参りに行くときに喪服を着てきた先生を見て、違うイメージだったものですから。」
朔「そっか、アキちゃんもいずれわかると思うけど、大人っていうのはね、時と場所によっていろいろ顔つきとか格好を変えなければならないものなんだ。今日は亜紀と僕たちにとって特別な日になるからね、キチンとした格好しなきゃいけないと思ったんだよ。」
アキ「あー、そうか・・・私も亜紀さんの前に出るときは変な格好しちゃいけないと思って、制服着てきたんですよ」
智世「なーにわかったような口きいてんのよ(笑ってアキを小突く)制服着ろって、私が言ったんだからね」

朔、龍之介、綾子が笑顔を見せる

龍之介「アキちゃん、君のお母さんも同じこと言ったんだよ。『龍之介にスーツは似合わない。鉢巻しめて、白いTシャツに腹巻してるのが似合ってる』ってさ」
智世「バカッ、それとこれとは別問題でしょっ」
龍之介「でもさ、俺、結構傷ついたんだぜー。(朔に)おまえさーん、智世に何とか言ってくれよー」
朔「スケちゃん、可愛そうだけど、ここは智世の勝ちだよ」
智世「ほーら、ザマミロ、アッカンベーだ!」
龍之介「そんなー、連れないよ、おまえさーん!」

綾子とアキはそんな三人のやりとりを笑顔で見ている

アキ「(綾子に)おばさん、うちのお母さんって、あんな顔して笑うんですね・・・初めて見た・・・」
綾子「うん・・・よかったね、そんなお母さんの笑うところが見れて・・・家族に見せないこともあるんだよ。」
アキ「へー、そうなんですか?(よく意味がわかっていない様子)」

朔「・・・スケちゃんだからこそ、智世は本当のことが言えたんだよ。船に乗らなくなって、経営に専念するようになって、スケちゃんがスケちゃんじゃなくなったような気がして、寂しかったんじゃないかな、智世は。・・・僕もそうだったけどね。」
龍之介「俺だって、船から下りたくなかった。でも、会社が大きくなってきて、全体を見なければならなくなったし、若い連中も一人前になってきたからね。ここら辺りが潮時かと思ったんだ。」
智世「朔が言ったとおり。前にも言ったけど、散歩で防波堤行くと、仕事から帰ってきて海を見ている龍之介がいた。わたしはそんなあなたを見るのが好きだった。でも、今はいないのよ、そんな龍之介が。だから、防波堤行ってもつまんなくてさ・・・それで、あんなこと言っちゃったんだ、会社の事情とか色々あることわかってんだけどね。」
龍之介「智世、お前・・・」
智世「ケンちゃんっていう跡取り息子もいることだし、頑張れよ、社長さん」
龍之介「お前こそな、頑張れよ、智世。」
智世「オウ!」

龍之介と智世がハイタッチを交わす

(つづく)
...2004/12/19(Sun) 00:04 ID:IvKPzExM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-214の続きです

四国編(その13)

【2017年10月28日・病室】

照明 少年、少女にスポット

夜になり、激しい風雨もおさまった。

少女『・・・静かになったね』
少年『もう、いっちゃうのか?』
少女『うん』

音楽 BGM この愛をみつめてV

少年『福祉の仕事がしたいっていう夢はどうするんだよ』
少女『覚えてる?亡くなった校長先生が <始まりはすべての続きに過ぎない>って言われてたのを・・・私の命が終われば、また誰かが歩き出す・・・人間が自分らしく生きたい、周りの人を助けてあげたいという思いは消えることはないわ・・・だから大丈夫よ』
少年『・・・』
少女『思い出してたの、あの防波堤の上で二人で海を見たときのことを。今、心の中で神様にさけんでた・・・誰よりも傷つき、それでも乗り越えていく○○を<助けてください>って』
少年『・・・バ、バカ、やめろって』
少女『私、とりあえず智恵子のところに行って待ってるから。いつか、私をウルルの風の中に送り届けてね』
少年(言葉が出せず頷く。涙が溢れる)
少女『ねえ・・・ヘアウィッグ曲がってない?』
少年『・・・うん』
少女『・・・キレイ?』
少年『うん』
少女『うれしい・・・』

少年NA『彼女の顔は一杯の笑みで輝いた。そして、いつか防波堤の上でしたように深く息を吸い込んで、それきり彼女の呼吸は止まった。安らかな寝顔。枕元にはMDが遺されていた・・・白い枕の上には長く黒い髪が広がっていた・・・』

音楽 F.I.して終わりまで
照明 C.O.

ミライ(その後の少年)NA『僕はしばらくの間、心を失った。でも、キミが遺したメッセージを聞いて、約束を果たさなければと思った。僕はキミの遺灰をウルルの風の中に撒き、キミの心を送り届けた。一浪した後、東京の大学の英文科に進学した僕は、夢の途中で逝ったキミと同じ夢を持つ女性に出会った』

マサミの声『やっぱりバイクで通ってたんだ・・・』

ミライNA『一瞬、キミとの思い出がよみがえり後ずさりした僕は、背中をドン、と強く押されるのを感じた』

照明 F.I.

【池袋キャンパス】

秋の日、色づくキャンパスのベンチにマサミとミライが座っている。

SE 学生の声、ざわめき

マサミ『ねえ、知ってる?<始まりはすべての続きにすぎない>っていう言葉。人間が自分らしく生きたい、それを助けてあげたいっていう思いは永遠に変わることなく、ずっと受け継がれて行くんだよ』

ミライNA『彼女の名は長沢マサミ。福祉学科で僕と同学年だ。故郷の老人ホームでボランティア活動をするうちに、介護福祉の道を目指すようになった。本当に不思議なことに、彼女の知り合いのお嬢さんが、30年前に夢を残して白血病で亡くなったのだそうだ。そのお嬢さんの話を聞いたとき涙が止まらなかった、だから僕の気持ちもよくわかるとマサミは言った。』

音楽 BGM 大空に続く道V 

マサミ『サクには教えない』

ミライNA『マサミはキミにそっくりだ。イタズラ好きで、ちょっと意地悪で、マジックが得意で、大人っぽくて・・・夢も、思いも、キラキラ輝いているイメージも。・・・だけどマサミはキミじゃない。僕はキミとの思い出に逃げ込むのじゃなく、マサミと一緒に、今を、未来を生きていく。それが、キミがぼくに遺してくれたメッセージだから』

マサミ(髪に触れながらイタズラっぽく)『ねえ、キレイ?』

マサミ『表参道の美容室まで送って。早く・・・早く!』

ミライ、マサミに手を引っ張られて走って行く。

ミライNA『キミは今でも、時々僕の背中を押す。キミはウルルの青い空から僕たちを見て笑っている・・・』

音楽 F.I.してF.O.

照明 C.O.
音楽 かたちあるもの
スクリーン ビデオ映像

 夜空に消えてく星の声
 儚げに光る鈍色の月
 二人で泳いだ海は何故
 束の間に色変えてゆくんだろう

 このまま眠ってしまいたくない
 あなたをまだ感じてたい

 もしもあなたが寂しい時に
 ただそばにいることさえできないけど
 失くす傷みを知ったあなたは
 ほかの愛をつかめるそう信じてる

 いつかあなたが夜に迷い
 ふとあの日を見つめかえすなら
 まぶしすぎる太陽の中で
 微笑む私を思ってね

 重ねあわせてゆく「好き」の強さ
 泣くことさえ愛に変えた

 強がる愛の弱さ両手に
 抱えてもろい絆を確かめてた
 でもこの今(とき)を生きるあなたを
 ずっとずっと見守るmylove その心に

 泣きたいときや苦しいときは
 私を思いだしてくれればいい
 寄り添える場所遠い夏の日
 温もり生きる喜び
 全てのこころに
 (作詞:柴咲コウ・山本成美)


「やっと終わったね、堤君。疲れた・・・。この曲はなかなか良いじゃないか」
「これは、長沢の自作の歌です。故郷で白血病で夭逝した少女の話を聞いて、感銘を受けて創ったんだそうです。この舞台にもピッタリだからぜひ使ってくれと頼まれまして・・・あれ、先生、行貞先生?」
「・・・終わった・・・ぼくはもうお終いだ・・・」
「先生?」
「あ、あの映像は何だ?橋を挟んで向かい合うあの二人、駆け落ちしたヤマダとアヤセじゃないか・・・彼らことでは、教授会でも散々イヤミを言われて、学長からも二度とこんなことのないようにと、厳重に言われていたんだ・・・それをこんな、堂々と人目に触れるところで・・・」
「まあ、8ミリのテスト撮影ですし、観客はみんな泣いてますからわかりゃしませんよ・・・」

曲が終わった。一瞬の静寂の後、パラパラと拍手が起こり、次の瞬間劇場全体が震えるような大歓声に包まれた。
舞台が明るくなり、出演者が出てきては、横一列に並んで行く。最後に列の中央が左右に分かれて、そこから高校の制服に着替えたミライとマサミが手をつないで現れると、観客は皆、立ち上がって拍手を送った。
その後、カーテンコールが3回かかったあと、客席はようやく静かになった。

「やっぱりマサミは生まれながらのヒロインなんだね・・・」
感動したレイコが言った。
「これだけの悲劇の中で、印象に残ったのはマサミの笑顔ばっかり」
「でも、今度ばかりは別の誰かが乗り移ってたような気もしたな」
「やだシンジ、怖いこと言わないでよ・・・でも、レイコ、最後の映像、あやしかったと思わない?」
「私、涙でよく見えなかった」
「まず、あの女の子セーラー服着てたよね・・・この劇の衣装と違う。それに、あの二人やっぱりケンとアキだよ。あの風景も宮浦っぽかったし。この劇の舞台は四国でしょ?でも、宮浦高校の制服は夏はブラウスか・・・」
「俺のお袋、宮浦高校出たんだけど、昔はセーラー服だったみたいだぜ」
「いったいどういうこと?まあ、いいや、この後飲み会の時に聞いてみよう。シンジ、マサミや大沢先生や先生の奥さんも来るんでしょ?」
「おう。それからマサミ、今日19歳のバースデーだってさ。なんかプレゼント用意しとくか?」
「そうだね」

「ああ、やっと落ち着いた。堤君、何にしてもだ、長沢の演技は見事だったな。最期の瞬間に見せた命の輝き、あんなのは誰にでもできるもんじゃないよ」
「あれは・・・長沢の演技だったんでしょうか」
「どういう意味だ?」
「ぼくは思うんです。31年前、四国の小さな街で死んでいった少女の祈りが、同じ女性の森下にこの台本を書かせた。そして長沢の体を借りて、少女自身が舞台に立っていたんじゃないかと・・・」
行貞教授と堤は思わず顔を見合わせる。
「堤君、今夜は飲もうか・・・あの少女のこと思いながらな」
「はい」
二人は夜の街に消えて行った。

(続く)
...2004/12/19(Sun) 02:57 ID:ZVH3Qls.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさん、たかさん
「同窓会」への接続は3-219でOKでしょうか。問題があったら修正いたします。

舞台の上では2017年からさらに2年ほど進んでしまいますが、あくまで劇の中だけのことですので、念のため(笑)
また、ミライには高校時代、彼女はいませんでしたのでこれも念のため(笑)

にわかマニアさんへ
大沢先生にはスキーを覚えてもらいましょう。律子は出来るということにして、一人で悩んでもらおうかな(笑)

SATOさんへ
介と智世は久しぶりに楽しそうですね。

ところで、「優しい時間」には、毎回ゲスト出演があるようですが、1回目はなんと手塚理美さんが出るようです。
長澤まさみさんが演じる皆川梓という役は、結構クセ者のようで、長澤さん自身が「最初はこんな子イヤだと思った」と語ってます。どんな演技になるのか楽しみです。
...2004/12/19(Sun) 03:59 ID:ZVH3Qls.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さんへ

お疲れさまでした。実に感動的な舞台のラストですよ。
ラストの映像を見たユイの突っ込みは彼女らしくて面白かったです。
→たかさん、飲み会はまかせますよ。私はここからつながっても不自然でないと思いますよ。

いやー、私がNYで寄り道してる間に「あの歌」が世の中に流れてしまいました・・・(笑)

「あの歌」のお披露目のために朔・介・智世が廣瀬家に集まりますが、ちょっと同窓会っぽくしてみました。
...2004/12/19(Sun) 08:05 ID:drNl96RA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
多忙というわけで、全然話がつながらないまま来てしまいましたすみません。時間が出来たときにささっと流れだけでもつかめればよかったんですが・・・ご迷惑おかけします。

同窓会ですが、誰が参加するとかいうこと自体理解できていない状態でして・・・よければどなたか教えてください。ご迷惑おかけします
...2004/12/19(Sun) 19:18 ID:/7IYXngc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
たかさん、今晩は。

えー、マサミの演劇が終わったあとの同窓会の参加メンバーは、ユイ・シンジ・レイコ・大沢先生・律子、そしてマサミです。
マサミは演劇の打上げを途中で抜け出して、遅れて来るという想定でしょうか。

たかさんとしては、久しぶりに集まったクラスメートと先生ということで、高校時代の思い出話などに花を咲かせていただくといいと思いますよ。マサミが来たら「ハッピーバースデー」で盛り上げて下さいませ。

それから、私が朔五郎さんやにわかマニアさんと「悪乗り」して考えた「疑惑の映像」ですが、この部分は私がやりますよ。

ユイ「そうそう、マサミにちょっと聞きたいことあるんだよね・・・」
という感じで、私にバトンタッチして下さいませ。
...2004/12/19(Sun) 19:43 ID:4qbNnlDc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
SATO様>わかりましたwどうもありがとうございます。是非ともよき作品にしようと思いますw

でわ、作品の方を・・・

学校にて・・・

もうすぐ冬休みという雰囲気が立ち込める学校。昼休みに、いつものメンバーで話していた

ケン「明日で弁当最後だろ?」

アキ「そうだよ」

ユイ「2学期も終わりかぁ」

シンジ「もう受験モード突入だぜ」

レイコ「でも、クリスマスとかまだじゃん」

ユイ「レイコよ、受験生にクリスマスなんてあるものか・・・」時代劇っぽく言ってみた

レイコ「サンタさんがクリスマスプレゼント届けてくれるんだよ?」一同唖然・・・

ケン「んでよぉ、シンジは大学決めたの?」

レイコ「ちょっとちょっとちょっと」

ケン「ん?」

レイコ「まったく皆分かってないな」

シンジ「何が?」

レイコ「適度な息抜きは大切だよ」

ユイ「それが?」

レイコ「皆でクリスマス会やろうよ」

アキ「いいじゃん」

ユイ「だって受験だよ?」

レイコ「じゃあ勉強会を兼ねたクリスマス会」

シンジ「どんなんだよ」

ケン「いいんじゃないか?」

アキ「ケンちゃんが行くなら私も」

レイコ「はい、参加者2人決定」

シンジ「じゃ、オレも行こうか」

ユイ「シンジが行くんだったら私も行かないとダメでしょ」

レイコ「別にダメって道理は無いけど?」最高の笑顔で答えてみせた

ユイ「とにかく行くのっ」ふてくされて答える

レイコ「全員参加ということで決定!!」
キーンコーンカーンコーン

レイコ「あ、詳しいことはマタ今度決めよう」

ユイ「あいよ」

シンジ「ああ」

アキ「楽しみ」

レイコ「ま、ド派手に盛大にやろうぜ」男気をみせるレイコ

ケン「楽しみにしてるぜ」
皆は各々の教室に帰った・・・

続く・・・
...2004/12/19(Sun) 20:29 ID:/7IYXngc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編そ9)
「あの歌」お披露目編4

(廣瀬家・居間)

真と律子・マサミが入ってくる

真「みんな、そろそろいいかな?」

今までふざけ合っていた朔・龍之介・智世が真の方を向く

真「(三人に向かって)廊下まで君たちの楽しそうな声が聞こえてきたよ、いくつになっても友達同士っていうのはいいもんだね(笑顔)」
智世「あら、おじさん、はしたないところをお聞かせしちゃったかしら・・・オホホホ(口を押さえて笑う)」
龍之介「バカ、お前には似合わないんだよ、オホホホなんて」
智世「言ったわね、あたしだって大人なんだから、時と場所をわきまえてるのよ」
龍之介「お前なー、今更おじさんの前でカッコつけてどうするんだよ。かえって気持ち悪いじゃないかよ・・・」

またまた喧嘩を始める智世と龍之介。しかし二人とも笑っている・・・
そんな二人を笑顔で見守る一同

真「おっと、ここは大木君の勝ちだな。罰ゲームというわけじゃないが、智世さん、亜紀を呼んできてくれないか。」
智世「はい、おじさん、今日は亜紀のためにみんな集まったんですもの、連れてきます」
朔「智世、それなら、僕たち三人で連れてこよう、な、スケちゃん」
龍之介「うん、そうだな」
真「じゃ、頼んだよ」

(亜紀の部屋)

焼香した三人

朔「でも、谷田部先生とボウズがいないのはちょと寂しいな」
智世「谷田部先生、今、NYに行ってるのよ。市民マラソンに出るんだって。みんなによろしくっておっしゃってたわ」
龍之介「ボウズだったら心配ない、奥の手があるんだ。」
朔「何だい、その奥の手って」
龍之介「戻ってからのお楽しみ」
智世「さ、亜紀をお連れしましょう」

(居間)

律子とマサミがピアノの前で準備している

律子「大丈夫かな?」
マサミ「準備OK!」

亜紀の遺影を抱えて智世たちが戻ってくる

真「じゃ、全員揃ったようだね」
龍之介「おじさん、ちょっと待って下さい、ボウズも呼びますので・・・」
真「うん、そうだね、中川君にもいてもらわなきゃね」

龍之介が持ってきたノートPCを操作している

画面にボウズが映し出される

龍之介「ボウズ、わかるか?」
顕良「よ、スケちゃん、よくわかるぞよ」
龍之介「今日は亜紀のことを歌にしてもらったんで、みんなで聴かせてもらうことにしたんだ。だから、ボウズも聴いてくれよ」
顕良「うん、わかったよ」
朔「ボウズ、久しぶり」
顕良「よ、久しぶり、センチメンタルジャーニー(笑)、それから智世、お前、相変わらずスケちゃんに突っかかってるだろう」
智世「悪かったわね、ボウズ(笑)」

律子とマサミがPCの前にやって来る

律子「始めまして、大沢律子です、こちらにいる長沢マサミさんと一緒に亜紀さんの歌を作りました。是非、聴いて下さい。」
マサミ「よろしくお願いします」
顕良「律子さん、マサミさん、はじめまして。亜紀のクラスメートだった中川顕良です。あなたたちが作ってくれた歌を拙僧も楽しみにしております。」

マサミ「では、始めます」

廣瀬家の居間に集まった真・綾子夫妻、朔、龍之介、智世、アキ、PC画面の向こうにはボウズもいる
そして演奏・歌は律子、楽譜めくりはマサミの役目です。
廣瀬家がミニライブの会場と化しました。

マサミ「みなさん、今日は。私たちが作った歌を聴いていただくためにお集まりいただき、ありがとうございます。廣瀬さんから聞かせていただいた亜紀さんのお話にもの凄く感動して、わたしが詞を書き、律子さんが曲をつけてくれました。亜紀さんのことは、皆様のほうがご存知だと思いますので、早速聴いて下さい。」


演奏、そして、歌が始まる
〜30年の時を経て、いま、亜紀の心が蘇る〜

 夜空に消えてく星の声
 儚げに光る鈍色の月
 二人で泳いだ海は何故
 束の間に色変えてゆくんだろう

 このまま眠ってしまいたくない
 あなたをまだ感じてたい

 もしもあなたが寂しい時に
 ただそばにいることさえできないけど
 失くす傷みを知ったあなたは
 ほかの愛をつかめるそう信じてる

 いつかあなたが夜に迷い
 ふとあの日を見つめかえすなら
 まぶしすぎる太陽の中で
 微笑む私を思ってね

 重ねあわせてゆく「好き」の強さ
 泣くことさえ愛に変えた

 強がる愛の弱さ両手に
 抱えてもろい絆を確かめてた
 でもこの今(とき)を生きるあなたを
 ずっとずっと見守るmylove その心に

 泣きたいときや苦しいときは
 私を思いだしてくれればいい
 寄り添える場所遠い夏の日
 温もり生きる喜び
 全てのこころに
 (作詞:柴咲コウ・山本成美)


曲を聴きながら、みんなの脳裏に亜紀の面影やメッセージが浮かんで来る


『智世へ
 智世と初めてしゃべった日
 いまでも覚えてるよ
 陸上部の練習の初日

 タオル貸して

 屈託のない智世の明るさは
 私のあこがれだったんだよ
 智世の笑った顔
 すき
 大きな声もすき
 だから
 いつまでも変わらないでね』

目を潤ませる智世
そんな母にアキがハンカチを差し出す


『大木君
 夢島ありがとう
 わたしと大木君は
 ちょっと似てるかなって思ってます
 かっこつけのところと
 実は小心者のところとか
 もっと
 いろんなこと話したかった
 もっと
 友達になれたよね
 おまえさん』

目を閉じて曲に聴き入る龍之介


『ボウズ 
 一回呼んでみたかったんだ
 怒るかもしれないけど
 お坊さん 向いていると思うよ
 ボウズの明るいお経 いいなぁ
 聞いてみたいよ
 わらわはばっちり聞いておるぞよ』

合掌する顕良


『おとうさん
 あした
 わたし、結婚写真撮るよ
 私のウエディングドレスとか
 興味ないかもしれないけど
 わたし
 がんばってしゃんとするから
 髪の毛にも踏ん張るように指令出したぞよ
 今の私には
 もうこんなことしか頑張れないけど
 おとうさんに見て欲しい』

朔との形だけの結婚式を思い出す真


『おとうさん、おかあさん ごめんね

 頑固で
 負けず嫌いで
 かっこつけで
 泣き虫の
 私の最後のわがまま

 きっと生きたいように生きるために
 生まれてきたから
 最後まで
 そうしたい』

ウルルでの散骨を思い出す綾子


『おまえは最後に聞く
 隣のあの子はどこに行ったの
 すると私は答えるだろう
 もう見えないよ
 なぜならお前の中にいるからさ
 お前の足は
 あのこの足だ

 がんばれ』

うなずく朔


曲が終わる

パチパチパチ・・・(みんなが拍手する)

アキが律子とマサミに花束を渡す

朔が出てきて律子・マサミとガッチリ握手を交わす

朔「律子さん、マサミさん、どうもありがとう、この歌は亜紀の心そのものです。きっと、僕を意識して詞を書いてくれたと思うんだけど、この歌は亜紀のお父さん・お母さん、スケちゃん、ボウズ、智世、そして今日来られなかった谷田部先生みんなに向けたメッセージだと思います。そして、僕たちの次の世代である、マサミさん、ケンザブロウ君、アキちゃんたちにもこの歌で亜紀の生き様を知ってもらい、大切に歌い継がれていくことを願っています。」

感激して涙ぐむ律子・マサミ・・・

綾子が律子の、そして、アキがマサミの肩を抱く

マサミ「・・・あの、朔太郎さん、この歌、まだ題名がないんですけど・・・」
朔「うん、亜紀の心をこうして歌にしてくれたんだ。かたちにして残してくれたんだから、『かたちあるもの』という題名はどう?」
マサミ「『かたちあるもの』?」
智世「朔、それピッタリだよ、『かたちあるもの』、これでいきましょうよ、皆さん」

パチパチパチ・・・

〜こうして、廣瀬家のミニライブは感動のうちに終わりました〜
...2004/12/19(Sun) 22:20 ID:4qbNnlDc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編10)
「あの歌」お披露目編〜エピローグ

ミニライブの翌日

(宮浦高校グランド)

智世とアキが来ている

智世「ここでね、毎日亜紀と走ってたんだ、練習は苦しかったけど、終わったあとに顔洗いながら亜紀とおしゃべりするのが楽しかった・・・」
アキ「そうなんだ、どんな話したの?」
智世「帰りにたこ焼き食べようとか、朔とか龍之介とか、ボウズの噂話とかさ、他愛もない話してたよ・・・」

グランドを見つめる智世

智世「アキ、ごめんね、あんたなら毎日ここ見てるのにさ、昨日、亜紀の歌聴かせてもらって、どうしてもここに来たくなったの。あたしね、あの歌の亜紀の願いどおり、達明さんと出会って、そしてアキが生まれてきてくれて、幸せなんだよ・・・だから、もう、あんな無茶しないでね」
アキ「お母さん・・・」

「センパイ!」(背後から女の子の声)

智世とアキが振り向くと笑顔のマサミが立っていた

智世「あら、マサミちゃん、昨日はお疲れさまでした」
マサミ「先輩こそ、わたし達の歌を聴いて下さってどうもありがとうございました。(智世にピョコンとお辞儀する)」
智世「でも、先輩って呼ばれるとちょっと照れくさいな、おばさんでいいわよ。」
マサミ「(笑顔で)いいえ、亜紀さんと並ぶ宮浦高校陸上部のエースだった方ですもの、智世・亜紀両先輩に追いつけ追い越せで頑張ってきました」
智世「まぁ、うまいわね、悪いけど、何にも出ないわよ(笑)」
アキ「(マサミに)お母さん、本当に何にも持ってないの」
智世「(アキに)あんたは余計なこと言わなくていいの。」
マサミ「(吹き出して笑う)」
智世「それより、マサミちゃん、競走しようか?亜紀が走ったトラックで」
アキ「ちょっと、お母さん、よしてよ、マサミはついこの間まで現役だったんだよ、無茶してケガしたらどうするのよ」
智世「あんた、あたしをなめてるわね(ムキになる)」
マサミ「それじゃ、先輩、お相手お願いします・・・」
智世「アキ、スターターやって」

アキ「位置について、ヨーイ・・・・ドン!」

マサミはグングン智世を引き離す、全く勝負にならない・・・

智世「ハァ・ハァハァ・・・年甲斐もなく・・・ムキになって頑張っちゃった・・・」
マサミ「先輩、大丈夫ですか?」
智世「何の、これしき、まだまだあなたたち若い人には負けないわよ。主人やアキと一緒に頑張っていくから・・・」
マサミ「はい、私も福祉の道に進むことにしました、頑張って勉強したいと思ってます。」
智世「そう、お互い頑張ろうね」
マサミ「はい、先輩」
智世「もうひと勝負する?」

智世とマサミは追いかけっこを始める

二人のはしゃぐ声「キャハハハ・・・」

大沢先生「あの歌の題名、『かたちあるもの』にしたの?」
律子「うん、朔太郎さんがつけて下さったの」
大沢「そう、ピッタリな題名だよ」
グランドにたたずむ大沢先生と律子


アキは遠くにいる智世とマサミを見守っている

(アキの語り)

亜紀さん、マサミと律子さんが作ってくれた歌、聴いていただけましたか?お母さんは、亜紀さんを亡くした傷みを知っているから、お父さんや私がいて幸せって思ってくれてるんでしょうね。
それからわたし、亜紀さんからとっても素敵なプレゼントをいただきました。あんな顔して笑うお母さん見たの初めてです。うるさくて、怖いお母さんだと思ってたけど、やっぱりお母さんが好き。屈託なくて大きな声で笑うお母さんが好き。
亜紀さんが大好きなお母さんの娘でよかった。
だから、わたしもケンちゃんやマサミ、ユイ、シンジ、レイコ、みんなをもっともっと好きになりたい。お母さんみたいに、大人になってもずっと仲良しでいたい。そんなわたしのこと、見てて下さいね。お母さんにも亜紀さんにも胸を張れるように生きていきますから・・・

アキが智世とマサミに向かって走っていく



律子&マサミ廣瀬家訪問編(番外編)
おわり

※これで、「かたちあるもの」制作秘話編を終わります
...2004/12/19(Sun) 23:53 ID:4qbNnlDc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
四国編(その13)

11月3日、金曜日。今日はミライの20歳の誕生日だ。
ミライが待ち合わせ場所の原宿駅前で待っていると、お気に入りの美容室で髪をセットしたマサミが現れた。
「お、今日はまた違う感じだね」
「キレイ?」
「う、うん」
「うれしい・・・あ、そうだ。誕生日のプレゼントありがとう。このケータイの端末、3万2千円もするんだよね。バイト大変だったんじゃない?でも、せっかく《交換メール機能》がついてるんだから、いっぱいメールしようね」
「うん」
「私のプレゼントは後で渡すね・・・あのね、次の公演の役が決まったんだよ」
「へえ、もう」
「うん。行貞教授がね、今度は自分で演出するんだって張り切ってるのよ。長沢、キミも大人の女を演じてみないか、とか言ってね。私も今まで知らなかったんだけど、日系4世の劇作家ミツル・アダチの《ふれあい(タッチ)》っていう作品なんだって」
「なんかタイトルからして、うさん臭いな。やばいシーンが連続するとか・・・」
「かもね」
「かもねって、おい」
「練習相手になってくれるんでしょ?」
「え・・・」
「それとも、また舞台に上がる?」
ミライは激しく首を横に振る。しかし、マサミの口許に浮かぶ謎めいた微笑を見た時、なんとなく自分の運命が予感できた。
「それでは、おまたせ。私からのバースデープレゼント。サク、20歳の誕生日おめでとう」
マサミはかわいい封筒をミライに差し出した。
「ねえ、中を見て」
イタズラっぽく笑うマサミ。
「何かな・・・あっ、こ、これは」
通りかかった女子高生が立ち止まり、目を丸くする。次の瞬間、必死で笑いをこらえながらバタバタと走り去って行った。
「バ、バカ・・・こんなところで」
マサミはミライの耳元でささやく。
「いつまでもこんなことしてたら、私たちプラトニックのままでお別れになっちゃうかもよ。それでもいいの?」
ミライはちからなくうなだれた。
「それにね、それはサクのお姉さんがくれたんだよ、この間お邪魔したときに」
「また、余計なことを・・・」
「男だったら覚悟決めなさいよ。こっちは髪もセットして、お泊りセットも持って勝負してるんだから。今夜はサクの部屋に泊めてもらうからね」
緊張で頭の中が真っ白のまま頷くミライ。
本当はあんまり知らないのに、天才的な演技力のみでリードしていくマサミ。
「さあ、そうと決まったらまずお食事ね。パスタにしようか」
「あ、ああ、あのオープンキッチンになってるところ?」
「そう」
「うん、いいよ。じゃ、予約入れるよ」
ミライは店に電話を入れる。
「OK、空いてるって、20分後に予約しといた」

いつしか、街の灯が輝きだした。
「あなたはあなたの今を生きて。それがあのひとから私へのメッセージ。もう、あのひとを演じることは二度とないと思う。私は自分の道を歩いて行く。今度の劇の中にも、福祉のことについて考えさせられることがいっぱいあったわ。ボランティアを続けて現場の空気を実感することはもちろん、法律や保険制度を勉強したり、やってみたいことがいっぱいある」
「すごいな、そんなこと考えてたんだ。俺、いつか置き去りにされるのかもな」
淋しそうにミライが笑う。
「ううん。サクの存在が私の人生を輝かせてくれるの。サクと過ごす時間が私の宝物なの。あのね、ひとつだけお願いがある・・・私より長生きしてね」
「え、どうして?」
「だって、サクが私より長生きするっていうことは、これからの私の人生でサクがいないことは1秒だってないってことだから・・・」
「マサミ・・・」
マサミはミライのほうに顔を向け目を閉じた。
やわらかく、やさしいキス。

(あ・・・聞こえる?)
(うん・・・)
(アヴェ・マリア・・・)

空から聞こえて来る、静かなピアノのメロディー。
まるで、二人の幸せを祈るかのように。

《好きよ・・・》
《好きよ、サク》


(四国編 完)
...2004/12/20(Mon) 00:44 ID:juX.pDTM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 「廣瀬家訪問編・「あの歌」お披露目編4」でのSATOさんのさりげない一言「谷田部先生、市民マラソンに出るんだって」にドキッとしました。
 ひょっとして,空港から会場まで案内するのは・・・

 朔五郎様
 行貞顧問がこだわった例のセリフですが,堤に語らせているように,「あの二人(少女だけでなく,少年もというところがポイントですね)は、運命を受け入れそして乗り越えていく勇気を得た」のであれば,少女が倒れた時に少年の側が叫ぶ必然性は薄くなりますね。
その意味で,「あなたの未来を生きていく」少年側が「誰よりも傷つき、それでも乗り越えていく」のを少女の側が「助けてください」って祈るのも頷けました。
 ただ,別スレで朔五郎さんが映画版の亜紀の「孤高性」を強調しておられたのとも関連しますが,この使い方をするには,ドラマバージョンよりは映画バージョンの方がフィットしますね(作品そのものの優劣の議論ではなく,調味料A・Bと料理X・Yの組み合わせという意味です)。
 主人公だけでなく,それを取り囲む友人たちの青春群像を描いたドラマ版だと,神様よりは友人に託すという展開が浮かびますし,実際に,亜紀は大木宛のテープの中で「サクちゃんを宜しく」と言っています。その点,ヒロインを孤高の存在として描いた映画の方が,ストレートに神様を持ち出しやすいように感じました。
...2004/12/20(Mon) 00:59 ID:F6vw4xCw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎様
 劇中劇編が終わったのを四国編そのものが終わったと勘違いして書き込んでいるうちに,四国編の本物の最終回がアップされたのですね。
 まあ,これだけリードされまくると,「いつか置き去りにされるんだろうな」という不安を抱くのも,むべなる哉と・・・
 あと,「助けてください」にしても,「これからの人生で○○がいないことは1秒だってない」にしても,発言者を逆にするという発想がすごいですね。ミライは一浪しているので,これまでだって,マサミにとって「ミライがいないことは1秒だってなかった」ことになりますが,ひょっとして,そこまで想定した上でミライは一浪したという設定にされたのですか。
...2004/12/20(Mon) 01:13 ID:F6vw4xCw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
皆様へ
四国編、悪戦苦闘の末、ようやく終わりました。とは言っても、あまりにもヒドイ前半部の修正が残ってますが・・・。この1ヶ月位、イメージ創りのため車の中では映画のサントラを聴いておりました。最近は完全に「パブロフの犬」状態で「大空に続く道V」なんか聴くと悲しくもないのに反射的にウルウルする始末です(苦笑)これでやっと、「朔と亜紀」に戻れます(苦笑)

SATOさんへ
お披露目編、お疲れ様でした。すごいリキの入った作品ですね。顕良も出てきて、楽しかったです。

にわかマニア様
最後に「あの歌」を入れたので、ドラマ版的なニオイもしますが、舞台上の部分はすべて映画版に統一しました(演じてるのがマサミとミライですので・笑)
ただ、映画版はあまりに孤高過ぎて痛々しい、という感想を持ってましたので、少しその色を薄めました。「最後までいっしょにいて欲しい」というところなどです。
ストーリーを離れて、極めて現実的な話になりますが、今の時代では、朔と亜紀のように追い詰められていくのを極力回避するために心理ケアをキッチリ行う、というのが標準的な医療の考え方だと思います。2017年版?ではそこらへんのところを狙って書いてみました
ミライの一浪については、にわかマニア様が言われたところまでは考えてませんでした(白状)
...2004/12/20(Mon) 01:55 ID:juX.pDTM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
朔五郎さん
四国編すごく良かったです
映画のセリフが随所に有ってね
朔五郎さんは最初の部分を書き直す様に言っておたれるけど、私的にはこのままで十分良い作品だと思います

SATOさん
感動的なシーンの連続で思わず会社で涙しそうでした

上司の急な転勤にともない、ぜんぜん時間が取れずにおります
...2004/12/20(Mon) 12:34 ID:XAH3osoA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
にわかマニアさん
谷田部先生のNY市民マラソン出場は特に意味があったわけでなく、ただ、この場にいない説明のためでした(汗)そこまで考えてませんでしたよ。

朔五郎さん
お互いに「あの歌」を出すために競争になっちゃいましたね。タッチの差で負けました(笑)

yosiさん
いやー「あの歌」お披露目が心に響いたようで、うれしいです。
...2004/12/20(Mon) 19:17 ID:/Z7jHrLM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
みなさん、こんばんは。
運転中のBGMを「朔と亜紀」に戻しました。実に新鮮に聞こえました(笑)

さて、世界―2の中では、人が死ぬのはイヤだと思ってましたが、とうとう一人殺めてしまいました(合掌)まあ、舞台の上のことなのでお許しください。
冗談はともかく、以前、SATOさんが言われたように、第3部をオムニバス形式でつなぐとすると、四国編は谷田部先生編のすぐ後になると思います。
谷田部編では、積極的な治療を受けて苦しむより残された時間を穏やかに過ごしたいという先生を、周囲が説得して手術を受けてもらう、という内容だったと思います。
さて、それに続く四国編で「少女はキレイなまま旅立ちました」というのでは、読者が矛盾を感じないかなあ、と心配です。四国の少女も、苛酷な治療で髪が抜けてしまってるんですが、ちょっと淡々としすぎてます。「ベストを尽くしたがやはり治らなかった」ことを強調しておかないと谷田部編とのバランスが悪いかもしれないと考えています。

yosiさんへ
ありがとうございます。「台詞そっくりの言葉をしゃっべってる」というのが、いかにも唐突に出てくるので、少し流れをよくしようかなと思っています。
劇に突入するまでは軽い感じで流す、というのは変えないつもりです。

SATOさん
私のほうは「1年遅れ」なので(笑)

それにしても、公式HPのBBSでは、石丸プロデューサーが「広島出身の女優さん」と打ち合わせをした、という話題で盛り上がってますねえ。
広島出身の女優さんって、誰かいましたっけ(笑)
...2004/12/20(Mon) 22:59 ID:J6cezmXA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、今晩は
劇中劇のことを気になさっているようですが、劇の内容は「フィクション」ですから、脚本の森下さんと演出の堤さんがキレイなまま旅立たせた方が観客の涙を誘えると考えた、ということで良いのでは?
劇に入るまではパロディー精神たっぷりで楽しいですし、このままで充分いけると思いますよ。
...2004/12/20(Mon) 23:39 ID:.wC6cA3.    

             Re:広島  Name:にわかマニア
 眼光の鋭いヒゲの老人が白扇を手に,タバコ(もちろん両切り)をくるらせながら登場。
 「何ッ! 広島出身の著名人だと。
 ゴホン。ワシを知らんようじゃ,朔五郎君もモグリじゃな。」

 廣瀬・父「威張って一席ぶつ前に,まず挨拶をしなさい」
 老人「バカモーン。それがワシに対する態度か。
   ワシゃァ名人に香を引いた唯一の男じゃ!」
 一同「あの〜う,今は,芸能界の話をしているんですけど・・・」
 老人「そんなもん,綾瀬君に決まっておるわぃっ。
   さっき,挨拶しろと生意気ぬかしたオヌシ。
   オヌシの家にも,よく似た娘がおったじゃろ。
   まあ,ワシらの年代じゃったら,何といっても
   杉村春子じゃな。
   監督の新藤兼人もそうじゃろう。
   あと,わしゃ顔も名前も知らんが,加納竜や
   奥菜恵とかいうのがいるらしいの。観戦記者の
   連中が局面の検討そっちのけで雑談しておった」
 乱文・乱筆失礼しました。
...2004/12/21(Tue) 00:24 ID:J2nyTBTU    

             Re:著名人乱入編・その2.  Name:にわかマニア
 「はいはい,久々にご登場の升田幸三センセイ,
 ありがとうございました。
  野球はカープ。司会は木篇にホワイト,柏村武昭です。
  広島出身といえば,私と同業では,ナベツネTVの
 魚住アナもそうですね。文化人では作家の井伏鱒二さん,
 阿川弘之さんや,芸大学長の平山郁夫画伯もそうですね。
 スポーツ界では,ゴルフの倉本昌弘や岡本綾子,それに,
 双葉山の69連勝を止めた安芸乃海関がそうですね。
  あと,大阪府知事の太田房江さんも広島出身ですね。
  歌手・俳優では,奥田民生,世良公則,東ちづる,
 戸田菜穂ほか,結構いますよ。
  でも,はるかちゃんを応援しない奴は反日分子,非国民で・・・」
 
 止めに入るダミ声でメガネの男
 「それは言いすぎだよ。あんたも一言多くてトラブルばかり
 起こしおって・・・。まあ,ワシも人のことは言えんがな。
  まあ,吼えまくっても名前は「静か」ってこともあるから,
 名前は「遥か彼方」でも「いつも身近に」感じるコがいても
 いいんじゃないの」(亀井静香)
...2004/12/21(Tue) 12:55 ID:PLXvulxU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
速度が上がってきましたw

224続き・・・ミーティング

放課後・・・レイコを中心とした、クリスマス会の計画を練りに、タコパパに集合するいつものメンバー

レイコ「まずは何処でやるかだよね・・・」

アキ「ん〜」

レイコ「料理とかは器量のいいマサミ姉さまがやってくれるし・・・」

マサミ「ちょっとちょっと」

レイコ「え?ダメなの?」

マサミ「いや、ダメではないけど・・・」

レイコ「じゃ、みんなでやろう」

アキ「賛成」

ユイ「ここでアタシの腕前がようやくお披露目だね」

シンジ「お前、料理できんのか?」

ユイ「出来るってば、バカにしないでよね」

レイコ「はいはい、ケンカはあとあと」

ケン「やる日は?」

レイコ「決まってるじゃない、12月24日」

マサミ「あ、お昼からにしてもらっていい?」

レイコ「ん〜ちょっと待ってね」

レイコ「皆、何時ぐらいから空いてる?」

マサミ「せっかくだし、夕方からやろうよ」

アキ「皆でご飯も作ろう」

ユイ「そうだね」

レイコ「簡単かつ豪華にいこう」

シンジ「レイコの料理は期待できそうだな」

レイコ「もう、まかせて」胸を叩くレイコ

ユイ「じゃあ・・・12月24日の6時半くらいでどう?」

アキ「いいよ」

ケン「ああ」

マサミ「じゃあ、私の家でやろうか」

レイコ「いいの?」

マサミ「いつもお母さんとお父さん出かけちゃうし、たまについていくんだけど、今年は受験だって家に残れば」

ユイ「頭いいねぇ」

レイコ「じゃ、キマリだね」

アキ「わくわくしてきた」

ケン「やっぱ、プレゼント持っていったほうがいいよな」

レイコ「じゃあプレゼント交換もあり」

ユイ「金額決めないと不公平出るよ」

レイコ「じゃあ・・・まぁ2000〜3000くらいかな?」

ケン「わかった」

ユイ「もう暗くなっちゃった」

アキ「帰ろう」

レイコ「うん」

シンジ「じゃあ、また明日」

アキ「ばいばーい」

皆はそれぞれの家に向けて帰っていった・・・

続く・・・

感想・修正とうあったら申しつけください。
...2004/12/21(Tue) 16:20 ID:3JNVuAMY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
たかさん、エンジンがかかってきましたね・・・
みんなのクリスマスを楽しみにしています。


※ちょっと細かい話でごめんなさい。
パーティーの日は12月24日(クリスマスイブ)でもいいですよね?

yosiさんとの打ち合わせで、クリスマスの日のスケジュールは

朝 律子・マサミ・ケンの3人が準備にかかる
昼前 廣瀬宅からアキが到着(亜紀の墓参りの帰り→24日は亜紀の月命日のため)
昼 ホームでボランティアパーティ
2時〜3時で解散
夕方からそれぞれのクリスマス(ここからはたかさんお願いします)

となってまして、亜紀の墓参りの関係で12月24日と私が書いてしまいました。

日にちを直すだけで、大勢に影響はないと思いますので、すみませんが、お願いします・・・
...2004/12/21(Tue) 18:50 ID:bbKtVozI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
みなさん、こんばんは。
四国編について、ご意見、励まし等ありがとうございました。細かい言い回し等、ごく小さな変更のみしようと思います。

たかさん、テンポ上がってきましたね。楽しそうでいいですよ。

ところで、第2部は、たかさんのテリトリーなのかな、と漠然と思っていましたが、もしお手伝いできることがあったら書きますんで、お伝えくださいませ。

今後はアキの子供時代の「アキと智世」が3回くらい、それからレイコ主演の「海の時計」を準備しております。

にわかマニア様
もしかして、広島のご出身ですか(笑)
それにしても公式HP、更新止まってるようですね。投稿が殺到してるんでしょうか・・・
...2004/12/21(Tue) 21:06 ID:ldvdBDoM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
「あの歌」を「かたちあるもの」として送り出すことが出来て放心状態となっております(笑)

ちょっと、お披露目編の解説をさせていただきます。

話の中で歌を作るというのは、岸田智史さんの「きみの朝」(愛と喝采と)をヒントにしました。

最初は廣瀬夫妻だけに聴いてもらうつもりでしたが、湿っぽくなりそうなので、どうしたものか困っていたのですが、クリスマス編を書いて智世やアキを違和感なく廣瀬家に入れることが出来たので、お披露目のときも登場願いました。智世がいるならやっぱり朔・スケ・ボウズもいなきゃということで、全員集合とあいなりました。

「かたちあるもの」を通じて朔・智世・スケたちセカチュー第一世代とアキ・マサミら第二世代とのエール交換もやってみました。(朔のお礼の言葉、智世とマサミの競走)

「律子&マサミ」とタイトルが付きながら、最後はアキの語りで締めたのは、「かたちあるもの」からの亜紀のメッセージに対するアンサーとしたかったからです。失くす傷みを知った智世(朔・スケもですが)が達明と新たな幸せをつかんで生まれてきたアキは、まさに亜紀の願いが実現した結晶だと考えたのです。(「失くす傷みを知ったあなたは ほかの愛をつかめるそう信じてる」の部分)
アキの「お母さんが好き」は亜紀から智世へのラストメッセージの裏返しにして、アキから亜紀へのアンサーメッセージといたしました。

長々とした解説をお読みいただき、ありがとうございました。

余談ですが、私も12月28日〜30日の2泊3日で「宮浦」へ行ってきます。急に思い立ったのですがよくホテルが取れたな〜
...2004/12/22(Wed) 00:39 ID:WIkc1Meo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 SATO様
 「かたちあるもの」誕生おめでとうございます。
 単なる「いま語る。真相はこうだ」的なエピソードでおしまいにすることなく,第一世代と第二世代のエール交換がうまく表現された力作だったと感じました。

 皆さん
 「なくす痛み」と引き換えに「つかんだ」ものといえば,いささか「アウトソーシング」的に得たとはいえ,一樹もそうですね。最近,続編になかなか一樹が登場しませんが,彼のその後の成長ぶりも気になるところです。

 さて,朔五郎様
 今は過去ログ入りした別のスレにも書いたとおり,私も本籍は広島です。もっとも,進学のため上京してきたのが30年近く前ですから,随分,記憶も薄れてきました。
 それと,父の仕事(国鉄関係の会社)の関係で,瀬戸内海地方を転々としましたので,映画や原作の舞台にも親しみを感じています。でも,さすがに,成田知巳や大平正芳まで登場させるのは悪ノリが過ぎるので自粛しました。なんて言っていると,青木某あたりが「コラッ! 山陰(参院)を無視するんじゃないぞ」ってかみついてきそうですが・・・
 ただ,伊豆でロケしたドラマも,四国の瀬戸内海側という原作に配慮してか,伊豆急の電車の向きを上下逆にとっていましたね。
 注
 第4話で東京に向かう大木が乗ったのは,実は下田行の下りだったのですが,四国の瀬戸内海側という舞台設定にあわせて,上りの進行方向左側に海が見えるように撮ったため,上下逆になっています。
...2004/12/22(Wed) 08:46 ID:txt4bFxk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
SATO様>修正しておきました。

朔五郎様>四国はケン達が卒業後の話ですよね??もしよろしければ、四国でもクリスマスをやっていただけたらと思うのですが、どうでしょうか?
...2004/12/22(Wed) 13:00 ID:CY9nfNlM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
たかさんへ
今、カレンダーを調べたら、2017年は12/23が土曜日(休日)、24が日曜日でした。25日以降は大学も高校も休みでしょうから、ケンとアキ以外の大沢組は長野県のスキー場でホワイトクリスマス、ミライとマサミは東京・お台場で聖夜を過ごした後、バイクを飛ばして宮浦の「涼風ホーム」へ行ってもらいますか。ケンとアキは当然受験勉強です。
実は、レイコのストーリーの中でスキー場のクリスマスのシーンは出てきます。レイコにも彼氏ができてます。マサミはお疲れだと思い、お休みの予定だったのですが、ちょっとだけ出てもらいましょう。
今年中には間に合わないかな(苦笑)
...2004/12/23(Thu) 00:04 ID:U41Q0qzc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 皆さんそれぞれに想像を膨らませながらクリスマス編の構想を練って頂いた結果,登場人物の何人かにダブルブッキングの問題が発生しているようです。
 yosiさんと打ち合わせたSATOさんの書き込みによれば,
「クリスマスの日のスケジュールは
朝  律子・マサミ・ケンの3人が準備にかかる
昼前 廣瀬宅からアキが到着
昼 ホームでボランティアパーティ
夕方からそれぞれのクリスマス」
となっており,宮浦と東京の間は,新幹線を使っても3時間はかかるため,朔五郎さんのご提案のようにマサミをお台場に行かせるのは,かなりの強行軍となります。
 また,スキーの方ですが,新幹線を使っても,宮浦から東京まで3時間,東京から長野まで1時間半,長野から湯田中が1時間ですから,ホームの行事を済ませてから向かって,現地でクリスマスというのは日程的にかなりタイトです。
 そこで提案ですが,
@マサミは,ホームの行事終了後,東京(お台場)へと向かい(5時頃着),ミライと一緒にすごす。
Aその他のメンバーは,当日,宮浦で4時頃からクリスマス・パーティーを始める。冬至の直後ですから,5時前でも真っ暗で,それなりに雰囲気は出るでしょう。
Bそのパーティーを7時くらいで切り上げ,スキーへと出発する。8時までに宮浦を出発すれば,大船を10時頃に出る「スキー臨のシュプール号」には何とか間に合います。
Cマサミたちも,お台場でデートを楽しんだ後,宮浦メンバーとは11時に新宿駅で合流する。
D長野には翌朝早く着きますので,ゲレンデで1日楽しんだ後,夕方,改めて山荘でパーティー(イブではなく,クリスマス当日の)を楽しむ。

 と,まあ,ざっと,こんな流れでどうでしょうか。
...2004/12/23(Thu) 02:43 ID:CCsypI.2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
にわかマニアさん
スケジュール立案ありがとうございます。

実は、私が書こうとしているのは四国編のあと(2017年)のクリスマス、SATOさん、yosiさん、たかさんが書かれているのは2016年のクリスマスでして、今のところダブルブッキングは生じておりません。

あと、レイコの彼氏となる新キャラは、事情によりマサミと対面させることはできません(笑)
したがって、大沢組と入れ替わりに、マサミが宮浦に帰って来て、涼風ホームでマジックをするということにしたいと思います。お年寄りも、マサミに会いたいでしょう。場合によってはケンと「サク」との対面、「サク」と真との対面なども・・・
あ、これだと律子・マサミのコンビができないのか・・・これは考えどころですね・・・
...2004/12/23(Thu) 03:09 ID:SogL8S42    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 1年のズレに気がつきませんでした。
 失礼いたしました。
...2004/12/23(Thu) 05:43 ID:CCsypI.2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
237から続きです。

終業式。

ケン「あーなんで大掃除なんかするんだ?」

シンジ「仕方ねぇだろ、しきたりって奴さ」

アキ「ケンちゃん、サボらないで早く」
大掃除が終了し、終業式に向かう。

わいわいと騒がしい体育館

教頭「静かに」

教頭「これより、第2学期終業式を行います」

教頭「では、校長先生のお話をいただきます」

ケン「あー長いぜこりゃ」

シンジ「おいおい、西田の奴立ったまま寝てるぜ」

ケン「ふらふらしてるぞ」そこへ大沢先生がやって来た

大沢先生「西田、起きろ」

西田「は、はいっ」ものすごく焦った表情

ケン・シンジ「くくく」

大沢先生「ケン、シンジも笑うな」

校長先生「えー本日で2学期も終了となるわけですが・・・・」長々と話された

教頭「生活指導の先生から冬休みの生活についてお話してもらいます」

ケン「いいじゃんよぉ、子供じゃないんだし」

シンジ「この時間を勉強にあてたいよ」

ケン「お前ロクにしてないだろう」

シンジ「ばれたか」

生活指導「くれぐれも、注意して冬休みを過ごしてください。以上です」

ケン「ようやく終了」

シンジ「とっとと帰ろうぜ」

教室に戻った後

大沢先生「それじゃ、皆勉強頑張るように、内定している者も、はめをはずしすぎないようにな」

生徒一同「はーい」

学級委員「起立、礼」

生徒一同「さいなら〜」

下駄箱で・・・

ユイ「あ、シンジ・ケン、今日は5時にタコパパね」

シンジ「了解」

ケン「ああ」

ユイ「用件はそんだけだから、じゃっ」

ケン「おう」

続く・・・
...2004/12/23(Thu) 18:45 ID:KxF/68kk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
NY編〜その3

マサミのNY旅行は二日目を迎えました

ハルカと一緒に自由の女神像を観光したマサミ

(マンハッタンへ戻るフェリーの中)

マンハッタンの摩天楼が迫ってくる

マサミ「ねえ、ハルカ、予定のコースにないんだけど、マンハッタンへ戻ったら、あそこ行ってくれないかな?」
ハルカ「いいけど、どこ?」
マサミ「グランドゼロ」

グランドゼロにやって来たマサミとハルカ

マサミ「ここで私の高校時代の恩師の大切な人が亡くなったの。同時テロが発生したときはまだ3歳だったから、ニュースでやってたことも覚えていない。中学時代の社会科の授業で、同時テロのことを初めて聞いて、飛行機がビルに突っ込む写真を見て、ショックだった。だから、恩師はどんなに悲しかったか、と思うと胸が締めつけられる。でもね、その大切な人への思いがあるから今の自分があるって恩師は言ってたわ。もしも、その人がいなかったら、私は恩師と出会わなかったかもしれない。今の私がいるのは、きっと、その人のおかげだと思うの。だから、来てみたかったんだ・・・」

マサミとハルカが献花する。

グランドゼロをあとにした二人はマンハッタンの中心部に戻り、五番街で買い物三昧・・・・

そして、二日目も夜を迎え・・・

(エンパイアステートビルが見えるラウンジバー)

マサミ「ハルカ、今日はわたしのワガママ聞いてくれてありがとね。あそこ、どうしても行ってみたかったんだ」
ハルカ「そのくらい、お安い御用よ。あのグランドゼロは悲惨な出来事を忘れないと同時に平和を祈るためのモニュメントでもあるの。はじめの頃はテロを起こした民族や宗教に対する憎しみのエネルギーばかり満ち溢れてた。それで、当時の大統領が理不尽な戦争を仕掛けたことを正当化する象徴でもあったの。でもね、いつまでもこんなことを続けていても何の解決にもならないって次の大統領が気付いてね。大統領自らその国に出向いて、そこの国民たちと徹底的に対話をしたわ。そして、ようやくわだかまりがなくなってきたのよ。一度失われた信頼関係を取り戻すのは大変だけど、一歩一歩いい方向に向かっていって欲しい。憎み合って殺しあったり、テロがない世界が来ることを願っている・・・」
マサミ「ハルカ・・・すごくいい話。きっと、世界中の人々が仲良く手をつなげる日が来るよね。わたしもそう信じてる。」

ややアルコールが入った二人

マサミ「・・・本当だったら、今日はサクと一緒にエンパイアステートビルの展望台からNYの夜景を眺める約束してたんだ・・・」
ハルカ「ミライ君、一日遅れの便で来てるはずだよ。会社の方にはキャンセルの報告入ってないから。」
マサミ「本当?」
ハルカ「マサミ、行こう!もしかしたら、彼、あそこで待ってるかもしれないよ。」

(路上)

タクシーを拾って乗り込むハルカとマサミ

ハルカ「(ドライバーに)エンパイアステートビル!急いで!」

ところが、途中で渋滞に引っ掛かり、全然進まなくなる。時計を見ながらイライラするハルカ

ハルカ「これ以上遅くなると閉館になるな・・・しょうがない、ここから走ろう、行くよ」

タクシーから降りた二人はエンパイアステートビルに向かって走る・・・

ハルカ「ハァハァハァ・・・マサミ、急いで、ビルが閉まっちゃう・・」
マサミ「ハァハァハァ・・・サク・・・」

(エンパイアステートビル・ロビー)

ハルカとマサミが駆け込んで来る

ハルカ「展望台へ!」
守衛「今日は終わったんですが…」
ハルカ「お願い。どうしても上まで行きたいの」
守衛「今夜はもうクローズしました」
マサミ「ハァハァ・・・お願い・・・ちょっと見るだけでいいの。人と約束してて、来てないかもしれないけど、でもこのまま帰ったら一生後悔するわ」
守衛「トム・ハンクスですか?」
マサミ「??」
ハルカ「あの映画観たの?」
守衛「(ニッコリ)そう、僕のガールフレンドが大好きでね」
マサミ「(会話の意味がわからず、ハルカの顔を見る)」
ハルカ「(マサミにむかってウインク)」
守衛「どうぞ」

エレベーターに乗り込むハルカとマサミ

(展望台)

エレベーターから二人が降りてくる。
しかし、展望台には誰もいない。
マサミの顔に絶望感が・・・

ハルカ「マサミ、ちょっと来て」

ハルカは男物のナップザックを見つけてマサミに声をかけた

ハルカ「これ、もしかして・・・」
マサミ「!サクの荷物・・・」

ガラガラ・・・・(エレベーターのドアが開く音)

若い男の声「参ったな・・・ここに忘れてきたのかな・・・」

マサミが声の方を振り向く

マサミ「サクッ、サクなの?」
ミライ「マサミ・・・」

マサミとミライが駆け寄り、抱き合う

マサミ「サク・・・サクのバカ(涙)」
ミライ「ゴメンな・・・一日遅れだけど、誕生日おめでとう」
マサミ「もう、わたしのこと、一人ぼっちにしないって約束して・・・」

やや当てられ気味のハルカ

ハルカ「ミライ君、お待ちしてました。はい、これ、忘れ物の荷物。」
ミライ「サンキュー、ハルカ」
ハルカ「今日はもう遅いから、降りよう」
ミライ「行こう、マサミ」
マサミ「うん(涙をぬぐう)」

エレベーターに乗り込むハルカ・マサミ・ミライ
ドアが閉まる

エンパイアステートビルがライトアップされ、ハートマークが浮かび上がる


(おしまい)


※ラストシーンはトム・ハンクスとメグ・ライアン主演の「めぐり逢えたら」をヒントにしました
...2004/12/24(Fri) 00:55 ID:xr0N0P5s    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
たかさんへ
よく雰囲気出てますね。ところで西田って・・・エキストラですか(笑)

SATOさん、NY編感動しました。この日は2018年、マサミの20歳の誕生日。きっと最高の思い出になったでしょう
それにしても、マサミはみんなに可愛がられるなあ(笑)

ずいぶん間が空いてしまいましたが、アキが3歳のときの話の続きです。


アキと智世(その2)

智世は今日もアキの手を引いて港にやって来た。
アキは相変わらず堤防によじ登ろうとしている。
(どうして・・・何がここまで夢中にさせるんだろう・・・)
 
「アキちゃん、また今度にしようね」
智世が声をかけると、アキは一瞬イヤイヤをしたが、智世が歩き出すと手をつないで来た。
「あれ、介じゃない」
「おう、久しぶり。アキちゃん、大きくなったなあ。ほれ、あいさつしな、おまいさん」
介が連れていた男の子に言うと、男の子はピョコンと頭を下げた。
「ケンちゃんだったっけ。こんにちは」
「・・・ケン、俺はちょっとこのオバさんと話があるから、アキちゃんと遊んでな」
ケンはうなずくとアキのほうに近づいていった。
「ちょっとあんた、オバさんってなによ」
「まあまあ、俺だってオジさんになっちまったさ」
智世はフッと笑って言った。
「そうだねえ・・・優子さんは元気にしてる?」
「ああ、おかげさまで」
「あんた、しあわせだろ、あのひとと一緒になって」
「ああ」
「命がけでもらったお嫁さんだもんね・・・」
「まったくな」
「でも、あの時のあんたは、ホント、格好良かったよ・・・」


【1997年・夏】

「助けてください!」
甲高い悲鳴が港に響き渡る。
手に一升瓶を持ったまま、介は立ち上がった。
見ると、いかにもお嬢様といった感じの清楚な女性を漁師の安浦がからかっている。
「しょうがねえなあ・・・」
安浦はなおも執拗にからみ続け、ついに無理やりキスをしようとした。
「おい、ヤス、やめねえか。おめえ、高校の時から全然変わらねえな!」
介は女性から安浦を引き離すと、思い切り地面に叩きつけた。
「バカヤロウ、とっとと失せろ!」
顔面蒼白になった安浦は、転がるように走り去っていった。
「大丈夫かい、おまいさん」
「あ、ありがとうございます」
「おまいさん、ここらじゃ見ない顔だけど何か用事でもあるのかい?」
「はい。父の頼みで漁協の事務所にこの書類を届けに・・・」
「事務所なら、あすこだよ。ここらへんは気の荒いヤツも多いから用事が済んだら早く帰んな」
「は、はい」


【2001年・夏】

「あんたたち、それをキッカケに付き合い始めたんだよね・・・」
「ああ、でも、あっちはお嬢様だから、どこに連れて行っていいかもわかんなくて・・・だけど、あいつは楽しそうに笑っててくれたよ。ある日、船に乗せて海を見に行った時、自然にそんな気分になって船の中で結ばれちまった。今から考えりゃあんな汚ねえとこで、かわいそうなことしたなあ・・・」


【1996年・秋】

「父がね、龍之介さんを家に連れて来いって・・・」
「ああ、俺も挨拶に行こうと思ってたんだ」
「あのね・・・」
顔を赤らめながら優子が言った。
「新しい事業を起こすから、その・・・龍之介さんにも力になって欲しいって。だから、私と結婚・・・」
「新しい事業、か」
「うん、夢島ってあるでしょう?あそこを買収して、産業廃棄物の埋め立て場を造るんだって」
「な、何だって・・・」
突然、鬼のような形相になった介に優子は呆然とした。
介の視線の先にある一枚の写真。
(朔!・・・亜紀!・・・) 
「りゅ、龍之介さん・・・」
「・・・優子、すまねえ・・・おまいさんとは今日でお別れだ・・・それじゃ」
「あ、龍之介さん・・・」
飛び出して行く介の後姿を見ながら、優子はその場に座り込んだ。

「と、智世。大変だ!」
顕良が上田薬局に飛び込んできた。
「どうしたの」
「み、港で・・・ハァハァハァ・・・介が・・・」
「介が?」
「町外れの建設業者のところに、な、殴り込みに行くんだって・・・」
「あ、あのバカ、何だってまた・・・」
「夢島・・・夢島を産廃の捨て場所にしちまうって・・・」
「・・・え!」

「おい、介・・・やめろって・・・」
「ヤス、おまいさんとは長い付き合いだな・・・今まで、ひでえこと言ったりして悪かったな・・・若いモンのこととか、後は頼むわ」
「あっ、介・・・」
網をたぐり寄せる棒を手に介は走り出した・・・

「社長はいるかい!」
高倉建設の事務所に介が乱入する。
「なんだ、オメエは!・・・外出ろ!」
気の荒い連中が周りを取り囲んだ。
奥から社長が姿を現した。その背後には優子が声もなく立ちすくんでいる。
「おめえが大木龍之介かい。大事な一人娘を傷物にして、人の好意も踏みにじりやがって・・・どういうこったい、ええっ!」


(続く)
...2004/12/24(Fri) 06:13 ID:VyCvc/.E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
朔五郎様>西田はエキストラです(笑)

未だにまだ作品が全て読めてませんが、すごく広い世界で話が展開されてるんだなぁと実感しました。
映画等々ではオーストラリアでしたが今回はアメリカなんですね〜。ゴジラ・マツイも出てきましたし。世界でなく、時代の流れもすごく多くて付いていけなくなりそうな時もあります。今改めてこの作品のスケールに驚いています。この作品に携われてよかったと思う今年のイヴであります。あまりコメントとか書くのは上手でないんでこの辺で。

247から続き
「今日はイヴ」

予定通りタコパパに集合するケン達。

ケン「今日はイヴだな」

ユイ「だよねー」

シンジ「ケン、アキは?」

ケン「ん〜来るはずなんだけどな」

マサミ「あ、来たっぽい」

アキ「ごめんごめん」

レイコ「じゃ、明日だけど」

シンジ「6時にマサミ邸に集合だろ?」

マサミ「マサミ邸って・・・そんな凄くないよ」

レイコ「で、各自プレゼントを用意ね」

マサミ「料理は私とレイコがやるから」

アキ「私は料理へたっぴだし、お皿並べとかでもやるね」

ユイ「私もやるよ」

レイコ「え・・・いやー・・・まぁいいか」

ユイ「ちょっとちょっと、何よその期待感0の返事は」ユイの料理は違う意味で神がかり的らしい

マサミ「まぁまぁ」

レイコ「じゃ、6時半〜7時の間にマサミの家に集合」

一同「はーい」

レイコ「じゃあ決定」

シンジ「つーか、メールで話した方が速くなかったか?」素朴に思うことを言ってみるシンジ

レイコ「いやぁ、やっぱ座談会みたいでいいじゃん、世間話とかも出来るし」

アキ「私も皆で集まったほうがなんかいいな」

ケン「だな」

シンジ「まぁ、いっか」

ユイ「でも、今年ももう終わりだね」

レイコ「早かったな」

アキ「そうだね」

ケン「色々あったな」

シンジ「ま、また明日にでもたくさん話せばいいよ、ネタを今日使っちまったらつまらねぇだろう」

ユイ「そうだね」

レイコ「じゃ、今日は解散」

アキ「じゃあねぇ皆」

ユイ「おお」

ケン「ああ」

レイコ「バイバイ」

マサミ「また明日」

シンジ「グッバイ」

続く・・・

yosi様>料理の方でアイデアをいただきたいんですが、よろしくお願いします。

SATO様>ここでいったんマサミを預けますね。よろしくお願いします。
...2004/12/24(Fri) 18:43 ID:uYNK1ySc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 ハリウッド的なつくりが登場した直後に,今度は東映を思わせるシーンと,読んでいて興味は尽きないですね。
 さて,今年も残りあと1週間。そして,レスの件数も250を突破。原作・映画・ドラマそれぞれの感動の余韻を残しながら,新しい年に突入ですが,除夜の鐘が早いか,No4突入が早いか,競争ですね。
 ところで,この物語で除夜の鐘をつくのは,もちろんボウズですよね。
...2004/12/24(Fri) 20:37 ID:4/V1juZ6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、わたしがアメリカのロマンチック・コメディをヒントに甘〜く締めたと思ったら、今度は任侠映画の登場ですか(笑)
夢島を救うために奮闘する介の大活躍編を期待しております。(多少派手目にしてもいいのでは?)
...2004/12/25(Sat) 01:40 ID:Aqzd.kVM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
「イブの日」準備編

午後

「涼風ホーム」でのボランティアパーティーを終えたメンバーたち

律子「みなさん、お疲れさまでした。ケンちゃん、アキちゃん、初めてで大変だったでしょう?」
ケン「ええ、正直、大変でしたけど、みんなと一緒にやれて、楽しかったです。な、アキ」
アキ「うん、とっても楽しかったです、律子さん」
マサミ「律子さん、そう言ってもらえると、声かけてよかったですね」
律子「そうね、嬉しいわ」
大沢先生「まだまだ、時間はたっぷりあるから、それぞれのイブを楽しむことにしようか。君たちもどこかで集まるんだろう?」
マサミ「はい、わたしの家で夕方からみんなでパーティーするんです。」
律子「そう、楽しんでいらっしゃいね」
大沢「じゃ、僕たちはマスターの店でパーティーと洒落こもうか」
マサミ・アキ・ケン「先生、律子さん、どうもありがとうございました」
大沢・律子「じゃあね!」

アキ「マサミ、一人で準備するの大変でしょう?あたしたちに出来ることあったら手伝おうか?」
マサミ「ありがとう、でも、一人で何とか用意できるから、みんなが来たときのお楽しみ」
ケン「そう、それじゃ、楽しみにしてるよ。アキ、それまでどこかで時間潰そう。」
マサミ「じゃ、あとでね」

(マサミの自宅・キッチンにて)

マサミ「フゥー、みんなの前では大見得切ったけど、どうしようかな・・・・」

マサミはチンジャオロースの食材を前に途方に暮れている

マサミ「これだから、ケンとアキには来て欲しくなかったんだよね。律子さんがいたら助けてもらえるけど、今日はいないからな・・・みんなの前で火事出したりしたらカッコ悪いしな・・・今何時だっけ(時計を見る)もう4時半か、ええい、面倒くさい、これは今度にしよっと・・・」

食材をラップに包んで冷蔵庫にしまうマサミ

マサミ「さてと、スーパー行って出来合いのもの買ってくるとするか・・・」

自転車に乗って買い物に出かけるマサミ

マサミ「古い アルバムの中に 隠れて 想い出がいっぱーい 無邪気な笑顔の下の 日付は はるかなメモリー ♪」

自転車に乗ったマサミは鼻歌を歌いながら走り去る


※パーティー本番はたかさん、お願いいたします

※マサミが歌う鼻歌はあだち充氏原作のアニメ「みゆき」のテーマソングだった「想い出がいっぱい」です。同じあだち氏原作の「タッチ」に長澤まさみさんが主演するので、ちょっとお遊びでした。
...2004/12/25(Sat) 11:01 ID:tW2QzgWQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎様
 先日は,1年後の設定を同じ日のことと勘違いして失礼いたしました。
 予定どおりマサミには聖夜をミライと共に過ごして頂きましょう。ところで,マサミが通うのはミッション系の学校ですが,聖夜にミサはやらないのでしょうか。キャンドルに照らされた聖堂の中でミサを済ませた後にデートに繰り出すというのも,なかなかロマンチックではないかと・・・
(実は,連れ合いの出身校がミッション系で,一度付き合わされたことがあって,その印象が鮮烈だったものですから・・・)

 さて,話は変わりますが,朔五郎さんが「ヒロイン像」というタイトルの別スレに書かれたように,映画版のヒロインは孤高性を強調した描かれ方になっていますね。今,謎解きのスレでは,「永遠とは何か」を問いながら,空港で倒れて病院にかつぎこまれた後,なぜ亜紀は自分が「もうすぐ死ぬと思う」と言いながら,同時に「もう会わない方がいいと思う」と言ったのかについても議論しています。映画版ヒロインの孤高性との関連において,朔五郎さんは,この問題をどのように考えていらっしゃいますか。
 たまには,場所を謎解きのスレに移動して,ヒロインの孤高性について皆さんと議論しませんか。
...2004/12/25(Sat) 14:14 ID:1Q7HIQV.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
謎解きのスレッド等々を少し覗かせていただいたのですが、まさに「ちょっと上の方」で話されているので少しついていけません。またうまく自分の考えがうまくまとまれば是非書き込んで見たいと思います。

250から続きで
「今日はクリスマス」

買い物を済ませて帰ってきたマサミ

マサミ「やっぱチキンでしょう」鶏肉を買ってきたマサミ。ソコへ・・・

ピンポーン

マサミ「え、ちょっと待ってって」

マサミ「はい?」

レイコ「レイコだよ〜、ユイもいるけど、入れて〜」

マサミ「ほっ、よかった」胸をなでおろすマサミ

レイコ「お邪魔しまーす」

ユイ「おお、相変わらず広いね〜」

マサミ「とにかく手伝って」

レイコ「ガッテン」

ユイ「ほぉ〜すげ〜、これ」ところ構わず物色するユイ

マサミ「とりあえず、レイコが来たから安心だ」

ユイ「アルバム発見」

マサミ「ちょっと、ユイやめてよ」

ユイ「てへっ」恐らく今日一番のカワイさで言った

レイコ「で、何作るの?」

マサミ「えーと、とりあえず鶏肉があるから」

レイコ「ん〜冷蔵庫の中見てきていい?」

マサミ「いいよ」

ユイ「ねぇ〜テレビつけていい?」

マサミ「ったく、いいよ」

テレビ[さて今日はクリスマスと言うことで、簡単に出来ちゃう料理なんかを紹介しようと思います]

ユイ「お、マサミ、これこれ」

マサミ「え〜?ちょっと待って」

ユイ「マサミ、ペンとメモを借りるぞ」

マサミ「あ〜ドウゾ」

テレビ[鶏肉を使ってね、簡単に出来ちゃうんですよ〜・・・・]メモをとるユイの表情は真剣だった。

レイコ「ユイもちょっと手伝ってよ〜」

マサミ「ユイってば〜」

ユイ「よし、もう調理しちゃった?」

マサミ「いや、まだだけど」

ユイ「ほいっ」自慢げにメモを差し出すユイ

レイコ「おおっ」要点がまとめてあり、わかりやすいメモに脱帽するレイコ

ユイ「まぁ私をなめたらダメってことよ」

マサミ「じゃあ、これを作ってみようか」

レイコ「おし、頑張ろう」

続く・・・

yosi様、と言うわけで、鶏肉を使った料理のメニュー何かありませんか?助けてください・・・
...2004/12/25(Sat) 19:41 ID:fvkmiKYU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
たかさんには高校生諸君のクリスマスをお任せするとして、大人たちのクリスマス編です

廣瀬家のクリスマス4

午後・アキが「涼風ホーム」へ出かけたあと
(高校生がいないので、アルコール類も出ている)

真「毎年、クリスマスになると君たちが来てくれるから、本当に嬉しいよ。孫の顔を見せてもらっているような気分だ。」
綾子「(うなずく)」
達明「亜紀さんの名前を快く私たちの娘につけてくださったのですから、健やかな成長ぶりをお見せできれば、と思いまして・・・私たちもそれが楽しみであり、励みにもなっているんですよ。」
真「うん・・・ありがとう、達明君、智世さん、君たちがいてくれて、私たちは幸せものだ(目が潤む)」
綾子「ちょっと、あなた、アルコールが過ぎてませんこと?」
真「いや、本当に嬉しい気分になってね。ハハハ・・・」
智世「・・・わたし、全てを受け入れてくれた達明さんと一緒になって本当に幸せなんです。亜紀のこともちゃんと聞いてもらえたし・・・アキの名前のことは、彼がおじさんとおばさんにお願いしようって言ってくれたんですよ。」
達明「いきなりそんなこと言うなよ、お父さんやお母さんの前で照れるじゃないか。」
綾子「そう・・・達明さん、智世ちゃんのこと、とても大切にしてあげてるのね。」
智世「(幸せそうにうなずく)達明さん、覚えてる?わたしが亜紀の代理で卒業証書を受け取った話。」
達明「ああ、覚えてるよ。とてもいい話だったよね。」

 ***************

1988年3月

智世「亜紀は卒業式で名前呼ばれることないし、卒業証書ももらえないんだよね。」
龍之介「そうだな。寂しいけどそうなんだよな。」
智世「せめて卒業証書だけでもあげたいんだけど、何かいい方法ないかな・・・」
顕良「映画で見たことあるんだ・・・」
智世「映画って?最後までちゃんと言いなよ。」
顕良「うん、その、やっぱり病気で死んだ女の子がいて、お父さんとお母さんが遺影を抱いて卒業式に出たって話があるんだ。それと同じことすればいい。」
龍之介「ボウズ、いいこと言うじゃん!それでいこう」
智世「亜紀のお父さん・お母さんに来てもらうわけ?」
龍之介「おっと、そういえばそうだな、谷田部先生に相談してみよう。」
顕良「しかし、こんな大事な時にあいつ(朔のこと)何やってんだ・・・」

(職員室にて)

谷田部先生「あなたたちの気持ちはよくわかる。今でも思い続ける友達がいて廣瀬は幸せものだよ。ただ、ご両親のお気持ちを聞いてみないことにはね・・・」

(廣瀬家へ電話をかける谷田部先生)

谷田部先生「さっき、廣瀬のお母さんと話したんだけど、夕方家に来て欲しいって。お父さんにも話しておいて下さるって。だから放課後にみんなで行こう。ところで松本は?」
顕良「あいつ、今日学校に来てないんですよ。」
谷田部先生「そっか・・・最悪松本抜きでも仕方ないか・・・」

(放課後・廣瀬家にて)

真「わざわざお越しいただいて・・・まずは亜紀に会ってやっていただけますか。」

亜紀の部屋にとおされた四人は谷田部先生・龍之介・顕良・智世の順番で焼香する。

真「松本君はどうしました?」
谷田部先生「今日は学校を休んでおりまして・・・受験疲れだと思います。」
真「松本君のお父さんから聞きました。医学部に合格したそうですね。ただ、彼とはウルルに行って以来会ってないんですよ。亜紀の灰もまけなかったみたいで、気になっているんですよ。」
谷田部先生「まあ、あれ以来松本はこちらに来ていないんですか?よく言っておきますわ。」
真「先生、申し訳ありません。ご心配をおかけしまして。ただ、松本君のお父さんがそのことでかなり心配なさっているようですので、近々顔を見せてくれると思いますよ。
ところで、綾子から聞いたんですが、卒業式で亜紀の名を呼んでいただけるとか?」
谷田部先生「ええ、実はここにいる生徒たちが言い出したことなんですが、まずはお父様とお母様のお気持ちをうかがってからと思いまして。」
真「ありがとうございます。(落涙する。隣に座っていた綾子もハンカチで目をぬぐう)是非お願いいたします。今でも気にかけてくださる友達がいて亜紀は幸せ者だ。なあ、綾子。」
綾子「(うなずく)」
真「(龍之介・顕良・智世に)本当にありがとう。」

三人も真と綾子に礼を返す

智世「(顔をあげてから)あの・・・そうしたら、私が亜紀さんの代理で卒業式に出席させていただきます」
真「お願いします。こちらの写真(遺影)をお貸ししますので、当日迎えに来てやって下さい。」


卒業式当日

(廣瀬家・玄関)

智世「亜紀さんのお迎えにあがりました」
綾子「どうぞ、あがって・・・」

(亜紀の部屋)

真・綾子の前で焼香する智世

智世「さあ、亜紀、一緒に卒業しようね」

(廣瀬家・玄関)

亜紀の遺影を抱えた智世

智世「(真と綾子に)では、行って参ります」

智世はペコリとお辞儀し、真と綾子もお辞儀を返す

(卒業式会場)

智世は自分の席で亜紀の遺影を抱えて順番を待っている

谷田部先生「すいません、最後にもう一人名前を呼ばせてください・・・・(涙ぐんで)廣瀬亜紀」

智世は亜紀の遺影を抱えて、代理として壇上へあがった・・・

 ************


真「智世さん、あの時は本当に感激したよ。君たちクラスメートや先生の気持ちにね」
綾子「あの時から、何かあるたびに顔を見せてくれるようになったのよね、智世ちゃん」
智世「・・・わたしが亜紀にしてあげられることって、それしか思いつかなかったものですから。」
達明「智世・・・前に聞かせてもらった時も感動したけど、今日もまた聞かせてもらって、君に惚れ直したよ・・・(涙ぐむ)」
智世「あなた、酔っ払ってない?(苦笑)」
達明「お父さん、お母さん、私が智世と出会う前から亜紀さんは智世の中にいたんです。私はそんな智世を気に入り、一緒になりました。ですから、亜紀さんとも一緒に家族になれたと思っています。そこから生まれてきたアキは亜紀さんの娘でもあるんです。ですから、お父さん、お母さん、これからもアキを実の孫のように可愛がってやって下さい。」
真「達明君、そのひと言気に入った。今日は飲もうじゃないか。(達明に酒をすすめる)」

(こうして廣瀬家での団欒は続くのでした)
...2004/12/25(Sat) 23:48 ID:tW2QzgWQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-249の続きです

アキと智世(その3)

「夢島は、夢島は、ゴミ捨て場なんかにゃさせねえ。あすこには、俺の大切な仲間の思い出が、魂が眠ってるんだ・・・」
「なに言ってんだ、バカかおめえ・・・」
「うるせえ、夢島には指一本触れさせやしねえ」
「おい、こいつを放り出せ!」
男たちが介に襲いかかる。
介は5、6人を地面に転がした。しかし、背後から蹴りを入れられ倒れたところを袋叩きにされる。
その時、悲鳴を上げながら優子が介に覆いかぶさった。
「どけ、優子」
父が怒鳴る。
「おまいさん、いいから俺から離れろ・・・」
「ううん、離れない。だって、私の、私の中にはあなたの赤ちゃんがいるんだもの。龍之介さん、あなたお父さんになるのよ」
「え・・・」
「・・・私、ずっと前から知っていた。龍之介さんの心の中にはいつもあの写・・・」
「優子、その先は言っちゃいけねえ!そのことは、俺が墓場の中まで持って行くんだ・・・」
「だけど、だけど、これからは私と、この赤ちゃんのことだけを考えて、ねえ」
「・・・順番が逆になっちまった・・・ケジメもつけねえうちから、こんなことになっちまって・・・すまねえ」
「おい色男さんよ、いつまで悲劇のヒーローを演じてるつもりだい。それ、優子を連れて行け」
男たちが優子を立たせようとする。
悲痛な叫び声を上げ優子が抵抗した。
「お父さん、龍之介さんを殺すなら、私も一緒に殺して・・・私たちは3人で天国に行きます・・・ううん、やっぱり天国なんて、ない。だってここ、ここ天国だもん・・・好きよ、龍・・・」
「ああ、もう・・・やめろやめろ、人聞きの悪い・・・大事な一人娘と腹ん中の赤ん坊を殺す親がどこにいる・・・俺はな、カタギの建設業者なんだよ。ヤクザの親分みたいに言いやがって・・・優子、おめえドラマの観過ぎじゃねえのか。再放送を観た上にDVDBOXまで買ってたよな・・・」
ようやく優子が立ち上がる。
「おい、色男。いずれ話はさせてもらうぜ。首洗って待ってな」
よろめきながら龍之介が出て行く。
「優子、あの男はあすこまでして一体何を守ろうとしてたんだい」
「私もあまり詳しいことは知らないんだけど・・・」
優子の話を聞き終えた父はニヤリと笑った。
「今時、そんな男が生き残ってたのかい・・・おもしれえじゃねえか、なあ、ムコ殿はよ・・・」


港には重苦しい緊張感が漂っていた。
安浦が口を開いた。
「ヤツらは、来る。出入りになるぜ・・・おい、準備はできたかい」
「準備って、やったことねもんなあ・・・」
介が止めに入る。
「これは俺の問題だ。おまいさんたちはこの場を離れてくれ」
「お、おい、来たぜ」
一台のダンプカーが疾走してきて、漁師たちの前で停まった。荷台から男たちがバラバラと降りてくる。社長と優子が後続の車から現れた。
「大木龍之介はいるかい」
「おう」
「よう、色男。娘と腹ん中のガキはどう落とし前をつけんだよ?ええ?」
「ああ、もちろん一緒に暮らすさ。籍も入れる」
「じゃあ、産廃の事業をやるってことだな」
拳を握り締め下を向き、涙を流す龍之介。
やがて、優子の父の前に土下座して叫んだ。
「それだけは、それだけは勘弁して下さい・・・俺にはできねえ・・・他のことならなんでもやります・・・優子もしあわせにします・・・夢島だけは・・・」
「・・・顔を上げな・・・おめえ、ほんとに今時珍しい古いタイプの男だな。白亜紀の化石みてえだぜ。わかったよ、夢島はあきらめるよ。あすこはあのまま町に寄付するよ。町でもな、あれだけホタルの住んでるところは珍しいから、保全して子供たちの野外学習に役立てたいって言ってたんだよ」
それを聞いて緊張が解けた介は号泣した。
「・・・龍之介さん」
駆け寄った優子が介の肩を抱き、涙を流す。
「ムコ殿よお、さっき他なら何でもやるって言ったな」
「は、はい」
「そんじゃあ魚の養殖のほう、やってもらおうか。まあ、今までどおり漁に出てもらってもいいが、海洋資源にも限りがある。これからは漁と養殖の2本立てでいったほうがいいだろう。おれが資金出してやるから、優子と二人で会社創れや。軌道に乗ったら加工部門も考えりゃいい。町の雇用対策にも貢献できるってわけだ。おい、文句はねえな」
「はい」
「よし、引き上げるぞ・・・優子、おめえは残っていいぞ」
優子ひとり残して、彼らは引き上げていった・・・


【2001年・夏】

「あん時、ひとつ間違えりゃケンちゃんだって、この世に生まれて来なかったかもしれないもんね・・・でも、夢島が残ったのはあんたのおかげだよ。きっと亜紀も感謝してると思うよ・・・」
「でもなあ、いざ会社立ち上げちまうとヤボ用ばっかりでなかなか船にも乗れなくなっちまった・・・」
「そりゃ、淋しいねえ」
二人は子供たちに目を移した。
介が苦笑いしながら言う。
「ケンもだらしねえなあ。全部アキちゃんに仕切られちまってるじゃねえか」
確かに、遊んでいる二人を見るとリードしているのは常にアキのほうだった。
「もし、あいつらが所帯持ったとしたら、ケンは完全に尻に敷かれるな」
「うん。もしかたら朔と亜紀以上かも」
「まあ、そんなこともねえだろうがな」
介と智世は顔を見合わせて笑った。

(続く)
...2004/12/26(Sun) 04:36 ID:aQQ2WLwo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん

優子は本当にドラマの見過ぎですね。(笑)
...2004/12/26(Sun) 08:09 ID:hngpAcUY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
疑惑の映像追及編〜四国編外伝〜

ミニ同窓会の席
マサミの誕生会も一応終わって・・・・

レイコ「あの劇のラストの歌、切ない女心を歌ってて素敵だったわ・・・あぁ、わたしもあんな恋をしてみたい・・・」
ユイ「でも、聞いたことないよね、あの歌」
マサミ「実はね、わたしと律子さんとで作ったオリジナルなんだ。」
シンジ「ほんとか?すげえな」
律子「地元で今日の劇と似た話を聞いて、その話に感動して『泣きながら一気に』作っちゃったのよね、マサミちゃん。あんな感動的なラストで流してもらって、自分たちの曲じゃなかったみたい。」
マサミ「無理矢理演出の人に頼んだんです。」
大沢先生「あのー、僕も作詞に参加したこと、お忘れなく(笑)」
律子「はいはい、わかってるって(笑)」
ユイ「あっ、それで、歌で想い出したんだけど、最後にスクリーンに映ってた二人って、マサミたちじゃなかったような気がしたけど・・・」
レイコ「ユイ、さっきも言ってたよね。わたし、涙でわからなかったんだけど。」
シンジ「何見てたんだよ、ユイ、お前、目がおかしくなったんじゃないの?」
大沢・律子「(顔を見合わせて首をひねる)」
ユイ「何かね、女の子はセーラー服着てたし、風景は宮浦みたいだったし、ほら、紫陽花の丘とか橋とか映ってたから。それで、映っていた二人がケンとアキに見えたのよ。でも、うち(宮浦高校)の制服はセーラーじゃないしな・・・フム(首をひねる)」
マサミ「(苦笑しながら)あーぁ、バレちゃったか・・・」
レイコ・シンジ・ユイ「バレたって?」
マサミ「あの映像に映ってた二人のことなんだけど、わたし達じゃないの。男の子は先輩の山田タカユキさんで女の子はわたしの同級生の綾瀬ハルカ。」
ユイ「なーんだ、他人の空似か。てっきりケンとアキかと思ったよ。」
マサミ「あれ8ミリでテスト撮影したものそのまま使っちゃったからね。映像は粗くなるし、あの二人、背格好がケンとアキに似てるから、そう見えちゃっても仕方ないよね。」
ユイ「でも、何で別人が映し出されたの?(興味津々で取材をはじめる)」
マサミ「順番に答えるね。山田さんと演出の堤さんとで映像のロケハンしてたの。それで、雰囲気が似ているからって私が言って、宮浦で撮影することが決まったの。でも、実習とか入ってなかなか時間が取れなくて、取りあえず、テスト撮影をすることになって、山田さんの相手役をハルカにやってもらうことにしたの。それで、宮浦行って撮影してきたわけ。二人には高校時代の制服着てもらって。」
ユイ「そっかー、ところで、聞いていい?その山田さんっていう先輩は?」
マサミ「わたしの相手役をするはずだった人」
ユイ「『はずだった』ということは何かアクシデントがあって出られなくなった・・・」
マサミ「うん、駆け落ちしてNY行っちゃったの」
一同「えー!カ・ケ・オ・チ?(ビックリ)」
レイコ「駆け落ちって成功することあるんだ。」
マサミ「駆け落ちした相手が映像に映っていた綾瀬ハルカなの。それで、二人は結婚して仲良く暮らしてるみたい。」
ユイ「でも、何で駆け落ちなんかしちゃったのかな・・・」
マサミ「山田さんの実家が代々続いた漁師で、卒業したら家業を継ぐように言われてたらしいの。でも、彼、どうしてもいつかブロードウェイの舞台に立ちたいから、ダンスと演技の勉強をするってNYへ行っちゃったの。それで、ハルカは彼の夢を応援するためについて行くって・・・いきなりわたしのところにメールが来たからびっくりしちゃった。」
シンジ「何か、去年のケンとアキみたいな話じゃないか?」
レイコ「そうだよねー、マサミ、二度も目の前で駆け落ちされて大変だったね・・・」
マサミ「ホント、大変だった。代役探さなきゃならなかったから、もう映像を撮り直す時間もないし、堤さんと相談したら、『みんな泣くから、わかりっこない、このまま使おう』ってことになってね。」
シンジ「・・・おい、この話、ケンとアキには絶対黙ってようぜ。またその気になられたら困るからな。」
大沢「みんな、頼むな。もう、振り回されるのゴメンだよ。」
ユイ「でも、二人は卒業生だから今は無関係じゃないですか?」
大沢「そうだけど、去年の担任として色々聞かれるだろう?なあ、律子。」
律子「そうよね・・・この話はここだけってことにしましょう。」


アキの自宅

食卓を囲む達明・智世・アキ・ケン

智世「ケンちゃん、今日もお疲れさまでした。遠慮なく食べていってね。」
ケン「ご馳走になります。」
アキ「マサミの劇の公演、うまく行ったのかな?ユイたち観に行ってるんでしょ?あたしも行きたかったな・・・」
智世「それは、大学受かってから言おうね。」
アキ「はーい」
ケン「クシュン!」
達明「どうした?」
ケン「ちょっと、鼻がむずむずしまして・・・」
アキ「大丈夫?ケンちゃん・・・クシュン!」
智世「二人とも大丈夫?大事な時期だから、風邪ひいたら大変よ。風邪薬処方してあげようか?」

(おわり)
...2004/12/26(Sun) 12:03 ID:hngpAcUY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
料理のアイデアが浮かばない・・・う〜ん・・・yosi様が来られるまでソコを飛ばしつつ行きましょう。

「宴」

一同「メリー・クリスマス」

ケン「いやぁ、久々に皆でパーティなんかするよ」

シンジ「俺もだなぁ」

レイコ「今日はバリバリ盛り上がろうぜ〜」

アキ「うん!!」

ユイ「いやぁ、今年も色々ありましたな〜」

ケン「そうだなぁ〜入学してもう3年目のクリスマスだよ」

アキ「早いものね」

レイコ「今年のニュースと言えば・・・」

シンジ「こいつらの駆け落ちだろ〜」

ケン「よそうぜ、その話は」

シンジ「あいよ」

アキ「にしてもレイコもマサミも料理が上手だね」

レイコ「まぁね〜」

マサミ「レイコはホントにすごいよ、器用だしねぇ」

ユイ「ちょっと、メモとったのは私なんだから」

シンジ「レイコはええ嫁になるぞ」酒も無いのに酔っているシンジ

ケン「そうだな」

レイコ「いやだなぁ、もう、ちょっと」

ユイ「いやぁ〜やっぱジュースはうまい」

ケン「早く酒が飲みたい」

シンジ「おまいさん、もう飲んでるだろ?」

ケン「飲んでない」

アキ「まぁまぁ」

マサミ「皆は何歳で結婚したい?」

ケン「ん〜自分が自立して生活できるようになったらかな?」

シンジ「ケンと同じだな」

レイコ「ん〜25〜6くらいかな」

アキ「私もそれぐらいかな」

マサミ「やっぱりそんなもんの年かぁ〜」

レイコ「マサミは?」

マサミ「実は、私も25〜6」

シンジ「ま、未来は未来さ」

レイコ「だねぇ〜」
しばらくくだらない話や真剣な話で盛り上がった一同・・・

続く・・・
...2004/12/26(Sun) 18:50 ID:fWORKEsQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
SATOさんへ
そうですよねー、ケンとアキに知られたらまずいですよね(笑)

たかさん
今時の高校生にしては「早婚志向」かも(笑)
...2004/12/27(Mon) 02:42 ID:G7innxo.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:yosi
すいません、22日の忘年会兼歓送迎会の時に酔って
階段から落ちてしまい、昨日やっと復帰してきました
まだ完全ではありませんが、本日から社会復帰(?)しますね
...2004/12/27(Mon) 07:13 ID:Uc6tVvaA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 yosiさん,お大事に。
 いろいろいやな出来事,キナ臭い出来事の多かった2004年ですから,「忘れ」たくもなりますが,映画とドラマの感動は忘れないで取っておきましょう!
 もちろん「原作も」なのですが,ただ,こちらは2001年の作品ですので,本文からはあえてカットしました・・・
...2004/12/27(Mon) 08:40 ID:Uc6tVvaA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
yosiさん、大変でしたね。
お見舞い申し上げます。

しかし、にわかマニアさんではありませんが、今年はいろいろありましたね。よりによって、年の瀬が押し迫った矢先に津波とは・・・正月休みを東南アジアのリゾートで過ごそうとしていた方々が大変お気の毒です・・・
...2004/12/27(Mon) 22:59 ID:rHaUGuqE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
レイコ主演のお話です。


海の時計(その1)

アキは店で留守番をしながら、日本史の問題を解いていた。
「1998年に起こった出来事として誤っているものを選べ、か。私が生まれた年だ・・・どれどれ・・・」

 A.長野で冬季オリンピックが開催された。また、サ
   ッカーW杯フランス大会に日本が初出場した。
 B.和歌山で「毒物混入カレー事件」が起こった。
 C.歌手・松田聖子が歯科医と再婚し、「ビビビッ」
   という言葉が流行した。
 D.誘惑(GLAY)、夜空ノムコウ(SMAP)、
    my graduation(SPEED)などの曲が流行した。
 E.応仁の乱が起こった。

「なにこれ。バカにされてるみたいで気分わるーい」
「こんにちは」
「いらっしゃいませ」
「あの、もしかしてあなた、大林アキさん?」
「はい・・・でも・・・」
「私、宮浦大薬学部3年の城石といいます。バスケ部のマネージャーで大野君や大木君の知り合いなの」
「は、はい」
「大木君からアキさんのこと聞いて、頑張って薬学部に来て欲しいなって。一度お話がしたいと思ってたの」

(大人っぽくて、優しそうなひとだなあ・・・)

「ねえ、もし受験のことや薬学部のことで聞きたいことがあったら、いつでも相談してね。傾向と対策みたいなことだって教えてあげられると思うから」
「は、はいっ。よろしくお願いします」
「たとえば、化学だったら有機化合物の合成のところがヤマだと思うわ。高分子化合物とか・・・あと、分析化学もチェックしておいたほうがいいかも」
アキはあわててメモを取った。
「じゃ、私の携帯の番号書いておくから、何かあったら電話してね」
「は、はい・・・ありがとうございました」

(なんか、すごいラッキーかも・・・)


「ねえレイコ、宮浦プリンセスホテルのそばに新しい喫茶店ができたの知ってる?」
「ううん、ユイはもう行ったの?」
「この間行ってみた。マスターが渋くて、結構いい感じだったよ」
「へえ・・・今度行ってみよう・・・」

ある日、大学の講義を終えたレイコはふと思いついた。
(今日は予定もないし、ユイが言ってた新しい喫茶店に行ってみよう)
「あ、ここだ」
《海の時計》という小さな喫茶店。ドアを開け、中に入ると、大きな窓の向こうには青い海が見渡せた。
「わあ、きれい・・・」
「いらっしゃい」
初老のマスターが出迎えてくれた。
レイコはカウンター席に座った。
「こんにちは、あ、コーヒーください」
「はい」
「初めてなんですけど、とっても素敵なお店ですね」
「そうですか、それはどうも」
コーヒーの良い香りが店内に広がる。
マスターが話しかけた。
「もしかして、宮浦高校の出身ですか?」
「はい、そうですけど・・・」
「そうですか、いや、私の死んだ妻も宮浦高校の出身でね。実は私、北海道の生まれで、この間まで新富良野プリンセスホテルの支配人をやってたんですよ。ちょっと事情があって、妻のふるさとの宮浦で暮らそうと思いましてね・・・コーヒー、お待たせしました」
「わあ、おいしい」
「そうですか、それは良かった・・・」
「居心地が良くて、毎日でも来たくなっちゃう」
「それなら、いっそ、ここでアルバイトしませんか?」
「えっ・・・」
「今日は空いてるけど、おかげさまで結構はやってましてね、アルバイトの子を探してたんですよ」
「私、やってみようかな・・・」
「その気があるなら、ぜひ。できる時だけでいいんだけど」
「はい、喜んで。よろしくお願いします」
「じゃ早速、明日から来てくれるかな」
「はい」
「よかった・・・あ、ぼくはオーナーの寺尾といいます」
「山川レイコです」
その時レイコは、カウンターの上に一枚の写真があるのに気がついた。
「ああ、その写真・・・うちの息子が置いていったんだろう・・・その女の子、アズサっていうんだけど、うちの息子と付き合っててね。見てのとおり、スキーの選手だった。スキーの中でもフリースタイルのモーグルという種目をやってたんですよ」
「コブだらけの急斜面を滑って、途中でジャンプするやつですよね」
「そう・・・アズサは1998年生まれでね」
「私も1998年生まれです」
「同じ年だね・・・その年、長野でオリンピックがあってね。モーグルの女子では日本の里谷選手が金メダルを獲ったんですよ。アズサは里谷の再来、と呼ばれるほどすごいモーグラーでした。スキーだけじゃなく、頭が良くて、スポーツ万能で、こう、キラキラ輝いていて、生まれながらのヒロインという感じだったなあ。富良野中央高校時代はうちの息子が男子スキー部キャプテン、アズサが女子スキー部キャプテンでした。二人は仲が良くて、よくうちにも遊びに来ていました。順調にいけば、将来は結婚まで行ったかもしれない・・・あの事故さえなければ」
その時、別の客が入ってきて、この話は終わりとなった。
「じゃ、明日待ってますから」
「はい、失礼します」
レイコはコーヒー代を払うと席を立った。

(続く)
...2004/12/28(Tue) 04:10 ID:R6NrMCR.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
yosiさん、大変でしたね。お体は大丈夫ですか?

スマトラ沖地震に関わる方がいらっしゃいましたら、心よりお見舞い申し上げます。
...2004/12/28(Tue) 06:50 ID:R6NrMCR.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
おはようございます。
今日から「宮浦」へ行ってきます。

ふーむ、ホテルの近くの喫茶店ですか・・・
渋いマスターや可愛いバイトの女の子はいるかな(笑)

※1月から始まる某8チャンネルの局のドラマと見比べながら続きを楽しみにしております。
...2004/12/28(Tue) 07:31 ID:2r9yxzeM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
みなさん、こんばんは。

再放送の第4話を観ていましたら、既に言われていることですが、介は東京に行くにもかかわらず下り電車に乗り込んでましたね(笑)

SATOさん
宮浦はどうですか?特別展には行かれましたか?

少し早いですが、明日あたりPART4のスレ立てをするかもしれません。
...2004/12/29(Wed) 01:57 ID:nTxihdgI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 ネタバレって言葉がありますが,私たちは,宮浦が松崎であり,あの電車が伊豆急だということを既に知って見ているので,どっちが上りかも判っているため,方向が逆だと感じてしまいます(注)。
 ただ,「ロケ地ガイド」を見ていない状態で原作を読んだだけの人が,あの場面を見たら,逆方向の方がむしろ自然なのです。つまり,東京に向かう大木が乗ったのは実は下田行の下りだったというのは既に指摘されていることなのですが,四国の瀬戸内海側という舞台設定にあわせて,上りの進行方向左側に海が見えるように撮ったため,わざと上下逆に撮ったと考えられるのです。ついでに言えば,直流電化の単線というのも,予讃本線とツジツマが合っています。

 注)
 厳密に言えば,ロケ地がどこかを知らなくても,勾配や起点からの距離を示す標識が下り列車に対して左側に来るように置かれていることや,編成中のパンタグラフの位置等から,どちらが上りかは判読できるのですが,「鉄道マニア」でなければ,その辺はあまり気にする人もいないでしょう。
...2004/12/29(Wed) 06:58 ID:xaoTDHzE    

             Re:議事運営上の投稿  Name:にわかマニア
 スレ主さま
 このパート3も既にレスが270に達し,パート4入りも目前ですが,スレを立てるのはぎりぎりまで引っ張った方がいいかもしれません。
 と言うのは,一昨日あたりから,DVDが届いたり,再放送を見た人からの書き込みが増えており,それぞれが新たなスレを立てているため,実際の書き込みは数日後ということを前提に新スレを立てても,あっという間に過去ログ落ちする危険があるのではないでしょうか。
...2004/12/29(Wed) 07:09 ID:xaoTDHzE    

             Re: おわびと訂正  Name:にわかマニア
 No269の訂正です。
 予讃本線の電化区間は松山(正確には伊予市)以東で,原作の舞台である宇和島は非電化区間でした。
 おわびして訂正いたします。
...2004/12/29(Wed) 08:53 ID:xaoTDHzE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
細かいことになって申し訳ありませんが(^^;;

宮浦は四国の伊予地方という設定になってますでしょうか?
そうだとすると、小学校入学前の一樹が、東京から一人で到達するのはかなり困難なような気がしますし、フェリーに乗っていくというのも、ありえないことではないが、かなりマイナーな手段だと思うのですが・・・
「ナマコ壁」という伊豆地方独特の街並みがよく映されていることからも、「比較的東京に近い伊豆地方」という設定になっているように思いますが、いかがでしょうか。
下り列車に乗った訳は、智世がホームを走るという都合上だと思うのですが・・・。
...2004/12/29(Wed) 10:22 ID:/GCuznag    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 宮浦がどこかはドラマ自身は触れていません。
 さっきの書き込みは,あくまでも,原作を読んだ人がそれをイメージしながら映画やテレビを見るという前提でのコメントです。
...2004/12/29(Wed) 10:36 ID:xaoTDHzE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
にわかマニアさんへ
勘違いしたようです。申し訳ありませんでした。

いま再放送を観ていますが、点滴の「ソリタT3号」がガラス瓶なのを見て、病院勤務の私はおもわず懐かしさに浸ってしまいました。今は平べったいプラボトルで、床に落ちても粉々になったりはしません(笑)
主治医の佐藤先生が、「血液中の尿酸値が高い」と言ってますが、これは薬で白血病細胞が破壊された時にDNAが血液中に放出されるのが原因で、少しは薬の効果が出ているということですね。
...2004/12/29(Wed) 18:02 ID:/GCuznag    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 倒すと割れるガラス瓶の点滴を見て,年代に合わせたものを調達しなければならない小道具さんも大変だなあと思いました。
 東京オリンピックの頃に祖父を見舞いに行った時のかすかな記憶では,今のように上腕ではなく,足から入れていたような印象がありますが,いろいろな映画やテレビに映し出された病院の場面から時代を感じることもありますよね。ガラス製と言えば,注射器をガーゼに巻いて煮沸消毒をして使い回したのも,今は昔の話となってしまいました。
...2004/12/29(Wed) 18:40 ID:xaoTDHzE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-265の続きです


海の時計(その2)

「あった・・・」
閉店後の店内。カズはカウンターの上にアズサの写真を見つけ、ほっとしたように微笑んだ。
(アズサ・・・)
携帯電話の着信音が流れる。
(桜井コーチだ)
「はい」

《ニノ、少しは元気になったか・・・》

「・・・いや」

《たまには富良野に帰って来いよ、松潤や相葉も心配してるぞ・・・いや、まだそんな気にはなれんか・・・》

「・・・」

《おまえ、あの写真・・・まだ・・・毎日見てるのか?・・・》

「・・・」

《それでアズサが喜ぶと思うか?・・・》

「・・・」

《アズサのことを忘れないためにか?》

「・・・アズサがもういないことを忘れないために」

《おまえ、そうやっていつまで自分のことを責め続けるんだ。あの事故はおまえのせいじゃないだろ・・・それに、アズサは別に死んだわけじゃない》

「アズサはいない、もういないんだよ・・・」

《あ、こら、サチコ、いたずらするんじゃない》

「幸子ちゃん、元気そうですね」

《おかげさまでな》

「コーチ、俺のことより、自分のこと考えたほうがいいっすよ」

《まあ、シングルファザーも慣れりゃ結構楽しいものさ。サチコの母親がひどい女だったから、再婚するのもなんか考えちまうんだよ・・・》

「だけど、子供っていうのは母親が欲しいと思うもんですよ」

《おまえが言うと説得力あるよな・・・》

「コーチ、ここはお袋のふるさとなんですけどね、いいところですよ・・・冬でもあったかいらしいしね・・・」

《もう、雪なんか見たくもないか・・・まあわからんでもないがな。でもなニノ、おまえは選ばれた人間なんだぞ。オリンピックに手が届くなんてのは、ほんのひと握りなんだよ。ほとんどのヤツはどんなに努力してもダメなんだ。いつかもう一度、雪の上に帰って来いよ、じゃあな》

ニノ、二宮一成は窓の外の暗い海をいつまでも見つめていた。


バスケ部の練習が終わった。
「シンジ、カラオケ行こうぜ」
新キャプテン・ヒデがシンジに声を掛けた。
「あ、はい。あのユイも連れてっていいですか?」
「おう、大歓迎。ミホも行くだろ?」
「うん」

カラオケスナック「竜の爪」では、大沢先生と律子がマスターと談笑していた。
「タカ、今夜はうれしそうだね」
「わかる?いやさあ、この間、今年卒業したマサミっていう子が大学の演劇部の公演に出るっていうんで観に行ったの。そしたらもう、すっごいキレイになっちゃって、堂々とヒロインを演じてたんで・・・」
「タカ、でもそれはすこしずつ離れていくことでもあるね・・・」
「そうだね・・・」
「律子さん、手品は上達したかい?」
「マスター、もうあんまり刺激しないでくれよ」
「ははは・・・あ、いらっしゃい・・・タカ、教え子さんが来たよ」


(続く)
...2004/12/29(Wed) 23:05 ID:/GCuznag    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
3-257の続きです


アキと智世(その4)

薬局の片隅で、アキは絵を描いていた。
「あら、アキちゃん、上手だね」
智世に声を掛けられて、アキは顔を上げニッコリ笑った。
「おとうさんの顔?似てるね」
アキは首を横に振る。
「おとうさんじゃないの?」
アキが頷く。
「おかあさん・・・」
「え、こ、これ、おかあさん?」
「うん」
「そ、そうなの・・・」
やっぱり、子供の絵なんてこんなもんね。智世は苦笑いしながら立ち上がった。
(あれ、でもよく観ると特徴をとらえているのかなあ・・・)

「アキちゃん、今日は公園に行こうか」
智世の言葉に、アキは元気良く頷く。
公園は、堤防と同じくらい好きな場所だった。
(おねえちゃん・・・)
公園のベンチでウトウトしていると、きれいなおねえちゃんがやって来て、お話ししてくれることがある。そのおねえちゃんは優しくて、とっても良い匂いがした。
「アキちゃん、ここに座ってお絵かきする?」
うん、と言ってアキは絵を描き始めた。
夢中でクレヨンを動かしているアキを見て智世は微笑んだ。
「おかあさんは本を読むね」
しばらく本を読んでアキを見ると、クレヨンを手に持ったまま、眠ってしまっていた。
「しょうがないなあ・・・」
智世は笑いながらクレヨンの箱のふたを閉めた。


(アキちゃん、こんにちは)

そのおねえちゃんは今日もアジサイの木の蔭から出てきた。

(お絵かきしてるの?)

「うん」

(見せて・・・わあ、アキちゃん上手だね。おねえちゃん、絵がヘタだからうらやましいな)

(おねえちゃんね、絵本を創りたかったんだ。自分じゃ描けないから、世界中のいろいろなお話しを集めて、へんしゅう、っていうことをしてね・・・)

(アキちゃん、大きくなったね。アキちゃんのおかあさんはね、アキちゃんのこと大好きなんだよ。おねえちゃんもね、アキちゃんみたいな娘が欲しかったな)

(アキちゃん、ほら、カタツムリのあかちゃん・・・おねえちゃん上手くないけど描いてみるね・・・はは、やっぱりだめだね)

(おねえちゃん、もう行かなくちゃ・・・おかあさんと仲良くしてね・・・)

「アキちゃん・・・もう帰ろうか」
智世の優しい声にアキは目を覚ました。
「あれ、アキちゃん、このカタツムリの絵、いつ描いたの?」
「・・・おねえちゃん」
「あらあら、ねぼけちゃったんだ・・・でも、いつものアキちゃんの絵とはちょっと違うみたいね・・・」


アキが最後におねえちゃんに会ったのは、夏が終わる頃だった。
夜、アキが眠っていると、ふと良い匂いがして目が覚めた。
「おねえちゃん」
おねえちゃんに会えて、アキはうれしかった。
でも、いつもと違っておねえちゃんは泣いていた。

(アキちゃん・・・)

(アキちゃん、世の中がどんどん病気になっていくね。こんな世界でアキちゃんは生きていかなくちゃいけないんだね・・・)

(がんばってね。誰かと手をつないで、どんなことがあっても生きていくんだよ)

(アキちゃん・・・アキちゃん・・・)

髪をなでるやさしい感触とともに、その声は遠ざかっていった。


「大変なことになったな・・・」
「・・・ええ、アキが大人になる頃、世界はどうなっちゃうんだろう」
ビルに激突する飛行機の映像がテレビに映しだされる。

2001年9月11日・・・


(続く)
...2004/12/30(Thu) 05:21 ID:cUleQBwU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎さま
 会話の中での第三人称とはいえ,四国編にクラモトの名前が出た時から予感はあったのですが,ついに,「北の国から」,「嵐」が押し寄せてきましたね。
 舞台上での映画の再現,東映路線に続いて,今度はひょっとして・・・
 それに,マイケル・ムーアあたりも控えていそうな「アキと智世〜その4〜」のラスト。新年に入っても,目が離せそうにありませんね。

 SATO様
 宮浦の雪景色はいかがでしたか。
...2004/12/30(Thu) 08:14 ID:2xj6JS7s    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
皆様、ただ今「宮浦」から帰還しました。2泊3日の旅でありました。

12/28

松崎バスターミナル近くのホテルにチェックイン後、松崎港へ。
若い男女のグループが防波堤の上で遊んでいました。そのうち、「アキー」「サクチャーン」とセカチューゴッコが始まったので、思わず笑ってしまいました。
防波堤の上に登ってみましたが、狭いし、短いですね。この日は風も強かったので、ちょっと怖かったです。こんなところで、走ったり、殴りあったりとよくやったものだと変な感心をしてしまいました。

防波堤の下の広場は朔が亜紀パパに殴り倒された場所ですよね。
ここは朔五郎さんの作品でスケが建設業者と大立ち回りを演じる場所にもなるんでしょうか(笑)
奥にはちゃんと漁協の事務所がありました。優子はここへお使いに行く途中で安浦からチョッカイ出されるんですね。スケと優子の「運命の出会い」の場所でもあります。

この後は神社経由で例の橋二つを渡って中瀬邸へ。朔五郎さんの「教訓」を生かして順路どおり最後に特別展を観ました。ここでロケ地マップを入手。この地図の道は正確なので、大変役立ちました。松本写真館、亜紀の葬儀会場、たこパパ、上田薬局はすんなり見つかりました。
その気になったので、翌日は「廣瀬家」へ行ってみることにしました。


12/29

この日は朝から雨。残念ながら雪景色ではありませんでした。
大沢温泉方面のバスで「廣瀬家」近くまで行きます。まずは「帰一寺」を拝観。ここは第四話で陸上部のトレーニングをやった場所です。お寺自体は14世紀に建てられ、大変由緒があります。つづいて「廣瀬家」を探しに行きましたが、田んぼの向こうに見えました。家の前まで行くと、門の構えといい、家の感じといい、まさにあの「廣瀬家」でした。普通の民家なので、確認だけして早々に帰り道につきました。あまりジロジロ眺めてると、「人の家をのぞく前に、挨拶しなさい」と怒られますよね(笑)

バスで松崎へ戻ってくる途中、「デイケアセンター」を見かけました。ここは「涼風ホーム」のモデルになりそうです(笑)。

街中へ戻って、「上田薬局」近くのうなぎ屋で昼食。地元の人しか来ない店のようですが、その場でうなぎを裁いて出してくれるので、とてもやわらかくて美味しかったです。

雨はシトシト降り続いていましたが、覚悟を決めて「アジサイの丘」登山を敢行しました。車道をエッチラオッチラ、1時間ほどでしょうか。頂上に着くと、あの「宮浦」の光景が眼の前に拡がってしばし感動しました。

ホテルに一旦戻り、風呂に入ってからセカチュー第6話の再放送を観ました。ついさっき見て来たところがテレビに映っていて感慨にふけりました。
その後、再び街中へ出ました。

夕食はバスターミナル近くのスパゲティハウスで取りました。白いヨーロッパ調の可愛らしい建物で、コクのきいたスパゲティが美味しかったです。コーヒー・紅茶も各種出ているようです。ここは「海の時計」のモデルになりそうでした。オーナーの寺尾氏とレイコが活躍する舞台となるのが楽しみです(笑)

お酒もちょっと飲みたくなり、街中で店を探します。そして、「亜紀の葬儀会場」と「たこパパ」の間にあるスナックに入ってみました。気さくなご夫婦がやっている店でした。マスターから聞いた話では、セカチュー目当てで来る観光客が増えているとのこと。それから、これは笑うに笑えない話なのですが、放送期間中は金曜10時から客足がパッタリ途絶えたとのことです。みんなセカチューを観るためだったので、この時期は商売上がったりだったそうです。お店にとっては死活問題なので、笑い事ではありませんね。
これもマスターから聞いた話なのですが、隣の葬儀屋さんは、外観だけ「亜紀の葬儀会場」にしていたのかと思っていたのですが、中も貸してもらって、葬儀のシーンを撮影していたそうです。地元は本当に撮影に協力的だったんですね。
この店は大沢先生の行きつけの「竜の爪」のモデルになりそうですね(笑)

以上、宮浦ロケハンレポートでした。
...2004/12/30(Thu) 19:07 ID:fPTXZGnc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、二本同時進行のお話、楽しみにしております。

アキの3歳の頃の話も描かれていて、これはもう、朝の連続テレビ小説の世界ですよ。
ヒロイン:綾瀬はるか(少女時代は?) 父親:村田雄浩 母親:松下由樹
(こうしてみると、緒形直人・酒井法子ほどではありませんが、両親役が若いですね)

ユイカちゃんの次はこれ・・・ですか(笑)
...2004/12/30(Thu) 19:29 ID:fPTXZGnc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
にわかマニアさん
「優しい時間」には長澤まさみさんが出ますので、やはり外すわけにはいかないでしょう(笑)
綾瀬はるかさんの出演作は「Mr.インクレディブル」や「戦国自衛隊」なのでちょっと難しいかと・・・(笑)

SATOさん
すごく充実したロケハン?でしたね。堤防の上の怖さは上がってみないとわかりませんよね。それにしても雨の中、あの車道を登るとは・・・お疲れ様です。

さて、再放送も今日で終わりましたが、3か月ぶりに我らのヒロイン・大林アキに再会し感激しました(笑)
それにしても、入院後のシーンでは、綾瀬はるかさんはまるで別の女優のように迫力を出してましたね。あの空港のシーンは綾瀬はるかさん以外は考えられないと思いました。
ところで、今日の再放送では「突き飛ばし事件」の時に亜紀は「ありがとう」と言っています。夏の放送では無言だったような気がするのですが・・・
...2004/12/30(Thu) 21:10 ID:vd68W3e6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
こんばんは、皆様。

非常に迷惑をかけるんですが、明日から帰省ということで、自分もノートパソコンなんて文明の利器は持っておりませんので・・・誠に申し訳在りません、クリスマス編が中途半端なままで。初詣にも行くので、初詣のネタ?を少し仕入れてきます。1月のクリスマスというちょっと微妙な時期に書くことになってしまいました。本当に皆様にはご迷惑をおかけします。今年1年、半年かな?皆様と一緒にこの作品に携われて非常によかったなと思います。貴重な経験をさせていただき、皆様、このサイトにも非常に感謝しております。帰り次第、すぐに執筆いたします。恐らく1月・・・2日3日になると思います。


皆様、良いお年を過ごしてください。では。

たか
...2004/12/30(Thu) 21:18 ID:Z72aCask    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
たかさん、この話は約10年後の話ですから、それまでにクリスマスの話を書き終えれば大丈夫ですよ(笑) これはyosiさんにも言えることですが。
...2004/12/30(Thu) 21:37 ID:ZbpCyxhU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
私、今日から1月2日まで、伊豆(宮浦ではありません)に行って参ります。

SATOさん、yosiさん、たかさん、ごろさん、にわかマニアさん、ご寄稿頂いた方々、そして読者のみなさん、今年は本当にお世話になりました。
よいお年をお迎えください。

それでは、また。
...2004/12/31(Fri) 02:06 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
PART3も残り少なくなりましたので、PART4をスレ立てしておきます。

いっぱいになりましたら、PART4へお移り下さい。よろしくお願いします。
...2004/12/31(Fri) 02:12 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
たかさんへ
初詣、楽しんできて下さいね。
年越し編、とても楽しみです。
...2004/12/31(Fri) 02:23 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
四国編のところどころ、修正を加えております。

四国編(その2)

「ねえ、サク」
「その呼び方、やめろって言っただろ!」
「サクの誕生日は11月3日でしょ?」
「ああ、そうだよ」
「私の誕生日が10月28日だから、サクがこの世に生まれてから、私がいなかったことは1秒だってないんだよ」
「・・・いやあ、悪いんだけど、俺、1浪してるから、そうじゃないんだよねー、ははは」
「・・・バカ、つまんないな、もう」

昼休み、マサミが食堂に行こうとすると、ハルカが近づいて来た。
「マサミ、見て見て、夏休みにタカユキとオーストラリアに行った時の写真なんだ」
「へえ、相変わらず仲がいいわね」
「向こうは冬だったんで、ちょっと寒かったんだけど。これがケアンズ、こっちがゴールドコースト。ダイビングもイルカウオッチングも、もう最高!」
「ふーん」
「これがシドニー」
「これだけ?どこか忘れてるような気がするんだけど・・・」
「あ、ごめんごめん。もう1冊あった。これ、コアラちゃんを抱っこしてるところ。あれ、他にも見どころってあったっけ?」
「うーん、あ、ウルルだ」
「ウルルって、どこ?」
「知らないの?」
「うん。ところで、マサミはその後どうなの?ミライ君とデートしてるの?」
「ぼちぼち」
「タカユキも言ってたんだけどさあ、マサミみたいに、一見イケてる女っていうのに限って、実はウブだったりするんだよね」
「な、なによ、ちょっと失礼じゃない?」
ズバリ、痛いところを突かれて動揺するマサミ。
「ご、ごめん。そんなに怒らないでよ・・・」
どうしてだろう、ハルカにだけは負けたくない、そんな思いがマサミの胸に込み上げてくるのだった。

その日の夕方、マサミはミライとデートしていた。
「今日は、俺の知ってる店にいこうぜ」
「うん、いいよ」
ミライは「BAR・竜の髭」という店のドアを開けた。
「さあ、入って。ちわ、リュウさん」
カウンターの中では、40代後半のマスターがグラスを磨いていた。
「おお、サク、久しぶり・・・」
答えながら顔を上げたマスターは、二人の姿を見た瞬間に硬直し、手にしたグラスを床に落とした。
粉々に砕け散るグラス。
「どうしたんすか、リュウさん」
「す、すまん、サク。おまえたちの姿を見たとき、あるカップルを思いだしちまって」
「リュウさん、俺、佐久間っす。あれ、前に俺ソックリの同級生がいたとか言ってましたよね。まさか、マサミがその人の彼女に似ているとか」
「実は・・・そうなんだ。あ、おいサク、こちらのお嬢さんは?」
「あ、大学の同期で長沢まさみ、っす」
「はじめまして、長沢です。一応サクと付きあってます」
「ほう、私は大木、サクの高校の先輩です」
「あの、私ソックリだったというひと・・・」
「あ、ああ、気にせんで下さい。もう30年以上前の話だ」
「リュウさん、その同級生、今はどうしてるんすか?」
「ああ、あいつは結婚して子供もいるよ。ずっと契約社員だったんだが、何年か前に正社員になった」
「俺ソックリの男が、マサミにソックリの奥さんと暮らしているんすか?」
ミライとマサミは思わず顔を見合わせた。
「・・・いや、そうじゃない。あいつは別の女性と結婚したんだ」
「え、じゃ、私によく似たそのひとは、どうしたんですか」
目を閉じて、しばらく沈黙した後、リュウは言った。
「彼女はひとりで死んでいった・・・。1986年10月28日、台風29号が去った後に。彼女の17歳の誕生日だった」
「私と同じ誕生日・・・」
「あ、そうだ、サク。重じいな、今年いっぱいであの写真館閉めるんだと。あそこも取り壊すみたいだから、一度行ってきたらどうだ?」
「そうすね」
「帰ったらな、寺に行ってみろ。おまえ、ジョニー知ってるだろ?」
「和尚さん、すよね?」
「そうだ。あいつなら、昔の話も知っているだろう」
「ウス」
「せっかく来たんだから、まあ何か食ってけ」

「サク、故郷に帰ってくるの?」
「ああ」
「私も行っていい?」
「行くか?」
「うん」
ミライがマサミの手を引っ張り走り出す。
夜の街を疾走する二人。

海を望む石段を駆け下るミライとマサミ。
防波堤の上でミライが転倒する。
立ち上がったミライにマサミが聞く
「大丈夫?」
「あ、ああ」
「ここが木庭子町?」
「うん」

(続く)
...2004/12/31(Fri) 02:32 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
修正です。


四国編(その5)

ミライとマサミが帰ってくると、文子が笑顔で迎えた。
「お帰り・・・」
ただいま戻りました、と笑顔で答えるマサミの目が赤くなっていることを文子は見逃さなかった。
「ミライ、ちょっと」
「なに?」
「あんた、マサミさんに何をしたの?泣いた後だよね、あんな目を赤くして・・・」
「なんもやってねえよ。寺でこういう話を聞いてさ・・・」
ミライは寺での出来事を文子に話した。
「ふうん、不思議な話だねえ。あの子がうちに来たのも、なにかの運命かもしれないねえ・・・」

居間では、既に帰宅していたミライの父が待っていた。
「よくおいで下さいました。ミライの父の直太朗です」
「はじめまして、長沢まさみと申します。佐久間君とは、大学の同期です。突然お邪魔して申し訳ありません」
「いやいや、とんでもない。かあさんが言うとおり、きれいなお嬢さんだ。これからも、ミライをよろしく頼みます」
直太朗はすっかり上機嫌になった。
「はいはい、お待たせしました。ご飯にしますよ」
一同、食卓に移動する。
「マサミさん、せっかく来たんだから、ここらへんの郷土料理を食べていってね。これはね源平鍋といって、海のものをいっぱい入れた寄せ鍋に、うどんを入れたものなの。ここらへんは、なんといっても讃岐うどんだからね」
文子は、鍋の中身をお椀に取り分けてマサミに渡した。
「いただきます」
「どう、マサミさん、お口に合うかしら?」
「はい、とっても美味しいです。上品なお味ですけど、とってもよくおダシが効いて」
「よかったわ、たくさん食べてね」
「お、アジの姿ずし」
好物を見て、ミライがうれしそうな声をあげた。
「マサミさん、これもこの辺りの家庭料理なの。よかったら食べてみて」
「はい、いただきます。わあ、ほどよく馴れていて、とっても美味しいです。私も港町で育ったものですから、お魚は大好きです」
直太朗がマサミに聞く。
「マサミさんは、将来どんな仕事をしたいと思ってますか?」
「はい、いろいろ考えましたが、ふとしたことから介護福祉に興味を持ちまして、できればそちらのほうに」
「まあ、しっかりしてるわねえ。千恵子、少しは見習いなさい」
「はーい」
「あ、ああ、すみませんなあ。マサミさんについでもらうとビールも美味い」
「お父さん、私の時とずいぶん違うじゃない」
「そうか、あはははは」
こうして、楽しい時間は過ぎていった。

「ねえ、マサミさん」
洗い終わった皿をマサミに渡しながら、千恵子が話しかけた。マサミは受け取った皿を乾いたふきんで拭いて並べている。
「もう、ミライとはできちゃってるの?」
マサミはちょっと赤くなってうつむくと、首を横に振った。
「そっか、まだなんだ。じゃ、これ必要じゃないかもしれないけど・・・一応渡しとくね。今夜あいつが客間に忍び込んだら、自分の身は自分で守らないとね。あ、私、一応看護師のタマゴなんで気になるのよ、こういうこと」
「まあ、そんなこともないと思いますけど、はい、頂いておきます」
その時、二人の背後でミライの声がした。
「何やってんの?」
千恵子はあわてて言った。
「な、何でもないわよ」
文子が入って来て、マサミが皿洗いを手伝っているのを見て驚いた。
「まあまあ、マサミさん。後片付けなんかしてもらっちゃってすみませんねえ。でも、家族が一人増えたみたいでなんだかうれしいわ」
「ミライ、明日どこ行くの」
千恵子が聞いた。
「ああ、明日日曜だから、高校に行って来る。マサミがオレが出た高校見たいって言うんで。それから、重じいの写真館に行って来る。あそこ、今年いっぱいで閉まっちゃうんだろ?」
「あんたたち、明日、東京に戻っちゃうの?」
「あ、ああ」
「残念ねえ、ゆっくりしていけばいいのに・・・でも、大学の授業があるから仕方ないか。マサミさん、休みになったら、また遊びに来てね」
「はい、ありがとうございます」
「ねえ、ミライ」
千恵子が思い出したように言った。
「なに?」
「日曜日に高校に行くとさ、誰もいない体育館の中から、ピアノの音が聞こえるんだって。気を付けたほうがいいわよ」
「お、おい、おどかすなよ」

マサミは風呂から上がると、客間で髪にブラシをかけていた。
「あ、痛い。うわ、すごい痛んでる。こんなに抜けちゃった。久しぶりに潮風に当たったからかな・・・」
その時、部屋の外でミライの声がした。
「マサミ、開けていい?」
「うん」
スッ、とふすまが開いて、ミライが顔を出す。
「ロミオ参上」
「・・・」
「まだ起きてたんだ」
「おちおち寝てられないでしょ。こんな夜更けにあんたみたいのが来るから」
「ごめん、ごめん」
「ねえ、サク」
「なに?」
「目覚めた時のジュリエットの気持ちってどんなだったんだろう・・・好きな人が先にいなくなる気持ち」
「どうしたの?」
「私がいなくなったらどうする?あのひとみたいに」
「なんでそんなこと言うんだよ・・・」
ミライは思わず、マサミを抱きしめた。
「何となく、気になるんだよ・・・私、気がついたら、台本の台詞そっくりの言葉をしゃべってるんだ・・・」

(続く)
...2004/12/31(Fri) 02:40 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
修正です。


四国編(その6)

水田が広がる中を、ゆるやかにカーブする道が走っている。朝日を浴びて、ミライとマサミのバイクが疾走する。
ミライが、マサミが叫ぶ。
「ウワァーーー」 
「ワァーーー」

キキキィ。
木庭子高校の正門の前でバイクが止まった。
「着いたよ」
「ふーん、サクは去年の3月までここに通ってたんだ・・・」
「ああ」
「わあ、こんなに下駄箱が並んでる。こういうのは、どこの高校でも同じだね」
「そう?」
「サクの場所はどこだったの?」
「えーと、あ、ここ」
「あれ、MDが入ってる。愛のメッセージ、ってやつかな」
「普通に音楽を入れたやつじゃないの?」
「あーあ、もうちょっとロマンチックになったら?」
二人はスリッパに履き替えて校舎の中に入っていった。
「あのひとも、この校舎に通ってたんだね」
「うん」
「そして、あのひとが愛した、あんたソックリの彼も」
ミライは思わず苦笑いした。
長い廊下の突き当たりに化学実験室があった。
マサミが言う。
「実験室ってさ、なんかどきどきしない?なにか秘密があるみたいな気がして」
「秘密って?なにかヤバイものを合成してたとか?」
「・・・もういい」

ガタン・・・。
体育館のドアを開ける。
だれもいない、音のない室内。
「体育館って好きよ。高い天井、大きな窓から落ちた日差し。ワックスを敷いた板張りの床。きゅっきゅっきゅっと靴音が鳴くの」
二人は、きゅっきゅっと床を鳴らす。
「ねえ、ステージに上がってみない?」
二人はステージに上がる。
「卒業式、思い出しちゃうなあ。今日の日はさようなら、また会う日まで。この歌好きだった」
ミライがマサミのことを見つめる。
「マサミ・・・」
「私のこと好き?」
「あ、ああ」
「目を閉じて。いいと言うまで開けちゃだめよ」
二人は同時に目を閉じ、顔を寄せていく。
と、ピアノの音がひとつ、ぽん、と鳴る。
「!」
二人は驚いてあたりを見回す。
「気のせい、だよね」
「うん」
ミライがマサミを抱き寄せ、キスをする。
・・・演奏が始まる。
ふたりしかいない、広い体育館に響く、ピアノの静かなメロディー。

(ねえサク、アヴェ・マリア)
(うん)
(私たちのために弾いてくれてるんだね・・・)

やがて、ゆっくりと曲が終わる。
見つめ合い、もう一度強く抱き合う二人。

「やっぱり・・・ねえ見て。この台本」
マサミがバッグから演劇部の台本を取り出す。
何気なく読むうちに思わず息を呑み、ページをめくっていくミライ。
「私がここに来たのは、偶然じゃないのかもね。だって、私たち、劇の中の二人とソックリな言葉をしゃべってるじゃない・・・」
ミライも呆然としている。
「これが私の運命なの?同じラストシーンが待っているの?」
「・・・そんなこと、あるわけないよ」
「だって、だって・・・」
何かを思い切るようにミライが言う。
「重じいのところに行ってみよう。きっと何かを知ってるはずだ」

(続く)
...2004/12/31(Fri) 02:52 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
修正です。


四国編(その7)

海が見える交差点の角に、その写真館はあった。
「雨平写真館」と書かれたドアを押して二人は中に入っていった。
ほの暗い写真館の奥に80過ぎの老人が座っていた。
「おう、来たか、サク。リュウやジョニーから話は聞いた。ふ、あんた、なるほどよく似てるな」
少し蒼ざめた顔でマサミが言う。
「初めまして、長沢まさみです。あの・・・」
「そう・・・あんた、もう気付いてんだろ。あんたがここに来たのは偶然じゃねえ」
重蔵が目配せした先には一枚の結婚写真があった。
「はっ・・・」
「どうだい、似てるだろ」
「このひと・・・アヴェ・マリアを弾いて・・・」
「アヴェ・マリアだ?そりゃ間違いねえな。あんた、その子に呼ばれたんだ」
「し、重じい、いい加減なこというなよ。だ、大体、そんな死んだ人間が呼んだなんて・・・」
「サク、わかるんだよ俺には。俺とあの子はこういう仲だからな」
重蔵はポケットに突っ込んだ手を出し、二人の前で広げて見せた。
「何だよ、これ・・・えっ!」
「そうだ、骨だよ、骨。俺の片想いの相手のな」
一瞬逃げ腰になる二人。
「じゃ、いつもポケットに手を入れてたのは・・・」
「こいつを握ってたのさ」
「それじゃ、あのひとに骨を盗むよう頼んだのは」
「俺さ。あの子があんなことになったのも、もしかしたら、こんなことさせたせいかもしれねえ」
遠くを見るように重蔵が続ける。
「あの子はイタズラ好きでなあ。こういう話には結構乗って来たのさ。病気になってからは手品覚えて、よく人を驚かせてたもんだ。ほれ、この写真の男のほう、こいつは今、別の女と所帯持ってるんだが、それだって、この子が縁結びしたようなもんだ」
重蔵はマサミに向かって言った。
「そういうわけで、この子には前科があるんだ。お互いに知らねえ同士の二人をくっつけて喜んだという前科がな。どうやら、おまえたちも気に入られたらしいな。サク、赤い橋のところに神社があるだろう。あの神社の石段に座って、おまえたちを見ながら笑ってるこの子の姿が目に浮かぶよ」
マサミが手にした台本の表紙をちらりと見て重蔵が言う。
「その脚本はな、四国出身の作家が実際に起こったことをもとに書いたもんだよ。つまり、この子の話さ」
「私、故郷でも、この話と似たようなひとがいたと聞いて・・・でも、この台本まで本当の話を・・・私、これに出会ってから、無意識のうちに中の台詞とソックリのことをしゃべってる・・・」
「この子はなあ、あんたに演じて欲しいんだよ、自分のことをな」
思いつめたようにマサミが言う。
「やっぱり私、このひとと同じ運命に・・・」
「・・・え、あっはははは・・・あんた、そんなこと心配してんのかい。安心しな、そうじゃねえよ」
重蔵は昔を懐かしむ目をした。
「この子はなあ、頭が良くて、スポーツ万能で、大人びてて、そりゃもうキラキラしてて・・・きっと、将来だってすばらしい夢があっただろうよ。それがあんな病気になって、髪の毛もみんな抜けて、十七歳の誕生日に死んじまった。人間が死ぬってのは、えらいこった。ましてや若くてキレイな子が死んだりするとなおさらだ。ああ、かわいそうだ、辛かったろう、苦しかったろう、そんな同情みてえなことばっかり残っちまう。この子はそれが悔しいんじゃねえのかあ。夢、思い、輝いていた自分のイメージ、そんなものをこの世に残したいんじゃねえのかなあ」
重蔵が写真を振り返る。
「これを撮った時、この子は言ったんだ。私、忘れられるのが怖い、だから今の自分を撮って欲しいとな。俺は心が重くてなあ、かわいそうでかわいそうで。でもな、この子が着替えてカメラの前に立った時、俺は心が弾んだんだ。見てみな、この幸せそうな顔を。俺はこの一瞬の幸福を祝福せずにはいられなかったのさ」
マサミは言葉を失い、重蔵を見ている。
「間違えんなよ、あんたが演じるのは悲劇なんかじゃねえぞ。あの子が観客に、そしてあんたに伝えたいことは何か、もう一度よく読み直してみな」
「・・・はい」
「おい、サク・・・」
「オレ、佐久間っす」
「俺は、やめたあ」
「え?」
「この店閉めるのやめた。まさか今ごろになって、おまえたちみたいに面白いのが出てくるとは思わなかった。おまえたちがいつか本物の結婚写真を撮りに来るまで、ここは閉めねえ。もうこの世に未練なんかねえと思ったけど、また引きずっちまったよ・・・」

《全日空よりお客様にご案内いたします。東京行き19時20分発640便は、ただ今よりお客様を機内へとご案内いたします・・・》

「マサミさん、ほんとにまた来てね。これ、讃岐うどん。荷物になって悪いけど持って行って」
「ありがとうございます。あとで、静岡の方から何か送らせていただきます」
「いいのよ、そんな・・・ミライのことよろしくね」
「はい、お見送り頂きましてありがとうございました。失礼します」
二人が見えなくなって、文子と千恵子は顔を見合わせた。
「風のようにやって来て、風のように帰っていったね」
「もう少しいて欲しいのに、と惜しまれながら帰るくらいがちょうどいい。そういうこと、ちゃんとわかってるんだよ、マサミさんは。賢いねえ、ほんとに・・・」

二人は並んで席に着いた。シートベルトを締める。
ゆっくりと機体が動き出す。
青い誘導灯が窓の外を流れる。まるで二人を見送る魂のように。

「ねえ、サク。あのひとは、もうこの先には行けなかった・・・」
「うん」

《・・・当機はまもなく離陸いたします》

「ねえ、明日から練習相手になってね・・・」
「うん」

《・・・あなたはあなたの今を生きて》

機体が滑走路に入り、ぐんぐん加速する。
マサミがミライの手を握り、ミライに寄りかかる。

(行きます・・・)
離陸した飛行機の窓の外に向かってマサミはつぶやいた。


(続く)
...2004/12/31(Fri) 03:04 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
修正です。

四国編(その13)

【2017年10月28日・病室】

照明 少年、少女にスポット

夜になり、激しい風雨もおさまった。

少女『・・・静かになったね』
少年『もう、いっちゃうのか?』
少女『うん』

音楽 BGM この愛をみつめてV

少年『福祉の仕事がしたいっていう夢はどうするんだよ』
少女『覚えてる?亡くなった校長先生が <始まりはすべての続きに過ぎない>って言われてたのを・・・私の命が終われば、また誰かが歩き出す・・・人間が自分らしく生きたい、周りの人を助けてあげたいという思いは消えることはないわ・・・だから大丈夫よ』
少年『・・・』
少女『思い出してたの、あの防波堤の上で二人で海を見たときのことを。今、心の中で神様にさけんでた・・・誰よりも傷つき、それでも乗り越えていく○○を<助けてください>って』
少年『・・・バ、バカ、やめろって』
少女『私、とりあえず智恵子のところに行って待ってるから。いつか、私をウルルの風の中に送り届けてね』
少年(言葉が出せず頷く。涙が溢れる)
少女『ねえ・・・ヘアウィッグ曲がってない?』
少年『・・・うん』
少女『・・・キレイ?』
少年『うん』
少女『うれしい・・・』

少年NA『彼女の顔は一杯の笑みで輝いた。そして、いつか防波堤の上でしたように深く息を吸い込んで、それきり彼女の呼吸は止まった。安らかな寝顔。枕元にはMDが遺されていた・・・白い枕の上には長く黒い髪が広がっていた・・・』

音楽 F.I.して終わりまで
照明 C.O.

ミライ(その後の少年)NA『僕はしばらくの間、心を失った。でも、キミが遺したメッセージを聞いて、約束を果たさなければと思った。僕はキミの遺灰をウルルの風の中に撒き、キミの心を送り届けた。一浪した後、東京の大学の英文科に進学した僕は、夢の途中で逝ったキミと同じ夢を持つ女性に出会った』

マサミの声『やっぱりバイクで通ってたんだ・・・』

ミライNA『一瞬、キミとの思い出がよみがえり後ずさりした僕は、背中をドン、と強く押されるのを感じた』

照明 F.I.

【池袋キャンパス】

秋の日、色づくキャンパスのベンチにマサミとミライが座っている。

SE 学生の声、ざわめき

マサミ『ねえ、知ってる?<始まりはすべての続きにすぎない>っていう言葉。人間が自分らしく生きたい、それを助けてあげたいっていう思いは永遠に変わることなく、ずっと受け継がれて行くんだよ』

ミライNA『彼女の名は長沢マサミ。福祉学科で僕と同学年だ。故郷の老人ホームでボランティア活動をするうちに、介護福祉の道を目指すようになった。本当に不思議なことに、彼女の知り合いのお嬢さんが、30年前に夢を残して白血病で亡くなったのだそうだ。そのお嬢さんの話を聞いたとき涙が止まらなかった、だから僕の気持ちもよくわかるとマサミは言った。』

音楽 BGM 大空に続く道V 

マサミ『サクには教えない』

ミライNA『マサミはキミにそっくりだ。イタズラ好きで、ちょっと意地悪で、マジックが得意で、大人っぽくて・・・夢も、思いも、キラキラ輝いているイメージも。・・・だけどマサミはキミじゃない。僕はキミとの思い出に逃げ込むのじゃなく、マサミと一緒に、今を、未来を生きていく。それが、キミがぼくに遺してくれたメッセージだから』

マサミ(髪に触れながらイタズラっぽく)『ねえ、キレイ?』

マサミ『表参道の美容室まで送って。早く・・・早く!』

ミライ、マサミに手を引っ張られて走って行く。

ミライNA『キミは今でも、時々僕の背中を押す。キミはウルルの青い空から僕たちを見て笑っている・・・』

音楽 F.I.してF.O.

照明 C.O.
音楽 かたちあるもの
スクリーン ビデオ映像

 夜空に消えてく星の声
 儚げに光る鈍色の月
 二人で泳いだ海は何故
 束の間に色変えてゆくんだろう

 このまま眠ってしまいたくない
 あなたをまだ感じてたい

 もしもあなたが寂しい時に
 ただそばにいることさえできないけど
 失くす傷みを知ったあなたは
 ほかの愛をつかめるそう信じてる

 いつかあなたが夜に迷い
 ふとあの日を見つめかえすなら
 まぶしすぎる太陽の中で
 微笑む私を思ってね

 重ねあわせてゆく「好き」の強さ
 泣くことさえ愛に変えた

 強がる愛の弱さ両手に
 抱えてもろい絆を確かめてた
 でもこの今(とき)を生きるあなたを
 ずっとずっと見守るmylove その心に

 泣きたいときや苦しいときは
 私を思いだしてくれればいい
 寄り添える場所遠い夏の日
 温もり生きる喜び
 全てのこころに
 (作詞:柴咲コウ・山本成美)


「やっと終わったね、堤君。疲れた・・・。この曲はなかなか良いじゃないか」
「これは、長沢の自作の歌です。故郷で白血病で夭逝した少女の話を聞いて、感銘を受けて創ったんだそうです。この舞台にもピッタリだからぜひ使ってくれと頼まれまして・・・あれ、先生、行貞先生?」
「・・・終わった・・・ぼくはもうお終いだ・・・」
「先生?」
「あ、あの映像は何だ?橋を挟んで向かい合うあの二人、駆け落ちしたヤマダとアヤセじゃないか・・・彼らことでは、教授会でも散々イヤミを言われて、学長からも二度とこんなことのないようにと、厳重に言われていたんだ・・・それをこんな、堂々と人目に触れるところで・・・」
「まあ、8ミリのテスト撮影ですし、観客はみんな泣いてますからわかりゃしませんよ・・・」

曲が終わった。一瞬の静寂の後、パラパラと拍手が起こり、次の瞬間劇場全体が震えるような大歓声に包まれた。
舞台が明るくなり、出演者が出てきては、横一列に並んで行く。最後に列の中央が左右に分かれて、そこから高校の制服に着替えたミライとマサミが手をつないで現れると、観客は皆、立ち上がって拍手を送った。
その後、カーテンコールが3回かかったあと、客席はようやく静かになった。

「やっぱりマサミは生まれながらのヒロインなんだね・・・」
感動したレイコが言った。
「これだけの悲劇の中で、印象に残ったのはマサミの笑顔ばっかり」
「でも、今度ばかりは別の誰かが乗り移ってたような気もしたな」
「やだシンジ、怖いこと言わないでよ・・・でも、レイコ、最後の映像、あやしかったと思わない?」
「私、涙でよく見えなかった」
「まず、あの女の子セーラー服着てたよね・・・この劇の衣装と違う。それに、あの二人やっぱりケンとアキだよ。あの風景も宮浦っぽかったし。この劇の舞台は四国でしょ?でも、宮浦高校の制服は夏はブラウスか・・・」
「俺のお袋、宮浦高校出たんだけど、昔はセーラー服だったみたいだぜ」
「いったいどういうこと?まあ、いいや、この後飲み会の時に聞いてみよう。シンジ、マサミや大沢先生や先生の奥さんも来るんでしょ?」
「おう。それからマサミ、今日19歳のバースデーだってさ。なんかプレゼント用意しとくか?」
「そうだね」

「ああ、やっと落ち着いた。堤君、何にしてもだ、長沢の演技は見事だったな。最期の瞬間に見せた命の輝き、あんなのは誰にでもできるもんじゃないよ」
「あれは・・・長沢の演技だったんでしょうか」
「どういう意味だ?」
「ぼくは思うんです。31年前、四国の小さな街で死んでいった少女の祈りが、同じ女性の森下にこの台本を書かせた。そして長沢の体を借りて、少女自身が舞台に立っていたんじゃないかと・・・」
行貞教授と堤は思わず顔を見合わせる。
「堤君、今夜は飲もうか・・・あの少女のこと思いながらな」
「はい」
二人は夜の街に消えて行った。

(続く)

...2004/12/31(Fri) 03:25 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
四国編の修正がアップされてますので、お遊びさせて下さい(ペコリ)

四国編〜思いっきりパロディー編


(大学の廊下)

タカユキとマサミが劇の打ち合わせのため、図書館へ向かっている

マサミ「山田さん、エンディングの映像どうします?実習が入ってなかなか時間とれないんですけど」
タカユキ「宮浦がいいって言ってたよね。取りあえず今度の日曜日にロケハンも兼ねてテスト撮影して来るよ。堤さんたちと」
マサミ「テスト撮影ってことは、誰かに相手役頼むんですよね。まさか堤さんと?」
タカユキ「オー、ノー、ハルカに頼んじゃった。」
マサミ「あらまー、あたしより、ハルカの方がいいんじゃなくって? 相手役、ハルカに替わってもらいましょうか?(イタズラっぽく笑う)」
タカユキ「おい、そんな突っ込むなよ(苦笑)でも、あいつ、高校時代の制服着るって張り切ってたな。広島の女子高出身で、今どき珍しくセーラー服が制服なんだってさ。」
マサミ「ハルカのセーラー服姿か・・・ハイハイ、ご馳走様です、山田センパイ!」

(図書館の前)

安浦「綾瀬って山田とつきあってんの?」
ハルカ「何で?」
安浦「俺も、綾瀬のこと・・・」

そこへ席取りのために先にやって来たマサミ
この様子を見てしまう

マサミ「あっ・・・」

タカユキもやって来る

マサミ「山田さん、あれ・・・(ハルカたちの方を指さす)」
タカユキ「!」

ハルカ「あたし、タカ・・・」

安浦が無理矢理ハルカの唇を奪う
それもタカユキとマサミが見ている前で!

ハルカ「安浦さんっ(びっくりして安浦を突き飛ばす)」
安浦「ごめん・・・」

タカユキ、持っていた資料を投げ飛ばして安浦につかみかかる

タカユキ「なにやってるんだよ!」
ハルカ「やめて!」
マサミ「山田さん!」
タカユキ「なにやってるんだよ!おい!」

(行貞教授室)

タカユキ・ハルカ・マサミ・安浦の4人が呼ばれている。誰もしゃべろうとしない

行貞教授「4人とも黙ってちゃわからんだろう?だいたい、山田・安浦、君たちはもう成人なんだから、暴力事件として警察に突き出すことだって出来るんだぞ。高校生じゃあるまいし、大学の構内で殴りあいの喧嘩をするとはナニゴトだ・・・(ため息)」
ハルカ「・・・実はちょっとした勘違いがあって、
山田さんが安浦さんの自転車間違えたのを盗られたと誤解して・・・」
行貞教授「そうなのか?」
タカユキ「・・・はい・・・」


(廊下)

トボトボ歩き去っていく安浦

タカユキ「なんで、ほんとのこと言わないの?」
ハルカ「タカユキならわかってくれる・・・」
タカユキ「わかんねえよ!ハルカが何考えているか全然わかんねえよ」
ハルカ「ちょっと、聞いて」
タカユキ「心が狭いんだよ、俺は!ハルカが他のやつに触られんのも!他のやつと楽しそうにしてんのも! 俺の気持ちも考えてくれよ・・・」

廊下を走り去っていくタカユキ
呆然と見送るハルカ・マサミ

ハルカ「・・・・(泣きそうになる)」
マサミ「ハルカ、ここはあたしに任せて」


(学内のカフェ)

ミライ「何考えてるんだよ、やだよ、そんなの」
マサミ「親友がピンチなんだ、サク、お願い・・・お礼は何倍にもして返すから・・・」


(BAR・竜の髭)

タカユキ・マサミ・ミライが来ている

リュウ「サク・・・あのお客さん(タカユキのこと)ちょっと、荒れてないか?」
ミライ「それでね、リュウさん、俺に一芝居やれっていうんですよ・・・マサミが。気が進まないんですけどね・・・」

ミライ「タカユキ先輩、今日の話聞いて負けたって思いましたよ。俺だったらマサミのためには喧嘩できませんよ」
タカユキ「(黙ってグラスを空ける)」

黙っているタカユキにいきなりミライがキスする

タカユキ「(びっくりして)何するんだ、お前!」
ミライ「先輩、こんなキスに何の意味があるんですか?」
タカユキ「・・・・」
ミライ「ハルカ狙ってるやつ、沢山いましたよ。正々堂々と持っていかれたやつらの悔しさを考えてみて下さいよ」


(道)

マサミ「サク、上出来、上出来(パチパチパチ)」
ミライ「いくらマサミの頼みでも、やりたくないことだってあるんだからな。お礼は高いぞ!」
マサミ「わかってるって、マサミ特製のチンジャオロースとカニクリームコロッケをご馳走して進ぜよう!今からあたしの部屋おいで!」
ミライ「(一瞬躊躇する)」
マサミ「ハルカに食材の買出し頼んであるんだ。今の成果をハルカに報告しなきゃならないからね」
ミライ「(なーんだ)」


数日後

(宮浦のアジサイの丘)

タカユキとハルカが来ている

ハルカ「(タカユキに)私のこと、嫌いにならないでね・・・」

タカユキがハルカを抱きしめ、キスする


マサミとミライの計らいでタカユキ・ハルカはメデタシメデタシとなったわけですが・・・・この後、大ドンデン返しが待っているとは・・・マサミもミライも知る由もありませんでした。



※挿入するとしたらタカユキとハルカの駆け落ちが発覚する話の直前がいいと思います

※「疑惑の映像」のネタを一部バラしてしまいましたが、この時点では誰もそのまま使うとは思っていませんでしたから・・・(笑)

※タカユキとハルカは夏休み中にオーストラリア旅行に行く仲ですから、安浦ごときにキスされたくらいで怒り狂うのもどうかな?と思いましたが、ここは第二話のパロディーですので、どうか大目に見て下さい(ペコリ)
...2004/12/31(Fri) 11:12 ID:yHOoOjKA    

             お遊び 四国・宮浦編  Name:にわかマニア
 2017年の秋のある夜9時過ぎ。
 木庭子町からの琴電バスを降り立った一人の老人が高松駅の改札口をくぐって行った。手には,額縁とおぼしき荷物を入れたバッグを大事そうに抱えている。
 「ええっと,11号車21番。ここか」
 荷物を置き,備え付けの浴衣に着替えている間に,列車はすべるように動き始めた。
 チャイムの音に続いてアナウンスが流れる。
 「本日もご利用いただき,有難うございます。21時26分,定刻に高松を発車いたしました。本四備讃線東京行き,特急・瀬戸号でございます。坂出,児島,岡山,姫路,三ノ宮,大阪,静岡,富士,沼津,熱海,横浜,東京の順に停まってまいります・・・」
 「熱海・・・。熱海にも停まるのか・・・」
 程なく,車掌が検札にやってきた。
 「あのう,これ,熱海にも停まるんですか。だったら,途中下車して宮浦まで行きたいんですけど」
 「熱海ですか。5時42分の到着になります。宮浦ですと,8分の待ち合わせで,宮浦着は7時36分になりますね」

 列車の走行音が変わった。どうやら,瀬戸大橋に差し掛かったらしい。高松駅の売店で仕入れた「あなごめし」を広げ,缶ビールの栓を抜くと,窓の外の真っ暗な海に向かって呟いた。
 「義兄さん。こんな巡りあわせって,あるんだろうか。信じられないよ」
 そして,列車の心地よい振動に身を任せながら,30年も昔のことを思い浮かべているうちに,いつしか眠りに落ちていった。

 翌朝,宮浦駅に降り立ったその老人は,駅前でタクシーを拾うと,ある寺へと向かった。
 「松本・・・,あった。ここだ」
 水を汲んで墓を洗い,両手を合わせるその老人の名は重蔵。高松の近くにある小さな町,木庭子町で写真館を営んでいる。そして,墓の中に眠るのは松本謙太郎。やはり写真館をこの宮浦で営んでいた人物だ。
 2人は,1972年に写真屋仲間の劇団で平家物語をやった際に,平清盛と平時忠(清盛の妻・二位の尼の弟)を演じた間柄で,それ以来,重蔵は謙太郎のことを「義兄さん」と呼ぶようになっていた。

 「義兄さん。義兄さんが亡くなって,もう30年か。もう,そんなに経つんだねえ。
 この前,義兄さんの町からマサミって子が訪ねてきてね。うちの町に住んでいて,うちの店で結婚写真を撮った子の物語を舞台でやるって言ってたよ。
 もっとも,その結婚写真ってのは,不治の病にかかったその子が,忘れられるのが怖いと言って,恋人と一緒の姿を刻印するためのものだった。あの時は,ファインダーをのぞきながら,涙をこらえきれなかったよ。やがて,その話は映画にもなり,しばらくは,うちの小さな店も,「これがあの写真館か」って訪ねてくる人でひっきりなしじゃったよ。
 でも,義兄さん。不思議な巡りあわせってのもあるもんだねえ。その義兄さんの町のマサミって子の話じゃ,同じような話がここでもあったんだってね。もう,びっくりしたよ。しかも,その一方の当事者ってのが,義兄さんの孫だって言うじゃないか。義兄さんとこの方はテレビドラマになったけど,何という奇遇なんだろうね。
 いくら,ワシらは添い遂げられなかった恋人の墓を暴いて遺灰を持ち歩いている者同士だからって,ここまで似た話があるとはなあ。
 実はな。今日,そのマサミって子が演じる舞台があるってんで,31年前に亡くなった子にも観てもらおうと,写真を持ってやってきたんだよ。義兄さんとこの方の物語も,最後のタイトルバックで流れるそうだから,義兄さんも応援してやってくれよな・・・」
 
 そう言って,もう一度掌を合わせると,重蔵は待たせていたタクシーに戻り,再び宮浦駅へと向かった。もちろん,マサミたちの公演にかけつけるためである。

 数時間後,客席後方の目立たない場所に,その子を写真を抱いた重蔵の姿があった。まるで,その子が乗り移ったかのような迫真の演技を続けるマサミ。そして,独り寂しく逝ったその子を癒し,慰めるかのように,苦しみと悲しみの中にも希望の灯を点し続け,後の者に引き継いでいくという新しい視点での脚本。
 感動に包まれて舞台の幕が降りた時,重蔵の顔もまた,涙でクシャクシャになっていた。
 「こんな泣き崩れた顔じゃ,ミライやマサミに見せられねえや」
 重蔵はそう呟くと,一度は楽屋の方に向けた足を翻し,宿へと向かった。
...2004/12/31(Fri) 20:55 ID:bZtqmoD2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:Wolfy
はじめまして、にわかマニアさん。いわれてみれば、謙太郎と重蔵はそういう関係だったのですね。大河ドラマ「新平家物語」を御覧になっていたとは。大体の年代が分かり、親近感をおぼえます。
...2004/12/31(Fri) 21:43 ID:8vIhR.N.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 大晦日の夜も10時半を過ぎました。
 顕良上人さま
 年越し参詣の善男善女の皆さんにご法話の時間です。
...2004/12/31(Fri) 22:32 ID:bZtqmoD2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
朔五郎さん、読者の皆さん

「龍之介大立ち回り編」には鳥羽一郎さんの歌がBGMにピッタリだと思いました(笑)
紅白で鳥羽さんが漁師の心を歌っているのを聴いていて、スケが止める仲間を振り切って建設事務所に乗り込む場面が浮かんでしまいました・・・これはもう重症ですな(笑)
...2005/01/01(Sat) 11:04 ID:H0mCf6T6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:SATO
謹賀新年

皆様、本年もよろしくお願いいたします。
(このスレも残り少なくなりましたので、新スレへの引越しのタイミングもそろそろ考えなければ・・・)


マサミ編につづいてレイコ編が立ち上がったので、私は今度はユイ編をやってみます


ユイ特別編〜プロローグ

高校3年の秋

ユイが帰ってくる

「仮屋電気店」の看板

ユイ「ただいま」
ユイ母・ノリコ(38歳)「お帰り、さっき、じっちゃんから電話あってね、お店のカラオケの調子が悪いんだって、今から見てくる」
ユイ「お留守番してろってことでしょ、お安い御用よ、行ってらっしゃい」

店で留守番中のユイ

レイコがやって来る

ユイ「おう、レイコどうした?」
レイコ「おばさんは?」
ユイ「今出かけてる」
レイコ「そっか・・・じゃ、ユイに見てもらおうかな。携帯DVDプレーヤーの調子が悪いのよ。」
ユイ「どれ、見せて・・・」

ユイはプレーヤーの中を調べる

ユイ「あっ、ここのコードが切れてる。取り替えてあげるよ」
レイコ「(ユイの手際のよさに見とれている)」
ユイ「はい、出来た。ちょっとテストしてみる?」
レイコ「うん、じゃ、これでやってみて(DVDを渡す)」

DVDからの音
「ここ、天国だもん、好きよ・・・」
「助けてください・・・助けてください・・・」

レイコ「(DVDを観ながら涙を浮かべる)」
ユイ「レイコ!」
レイコ「は?」
ユイ「どうしたの?」
レイコ「ごめん、DVDに見とれてた。さっき、一番大事な場面で動かなくなったんだもんっ
でも、ユイ、ホントにすごいね。簡単に直せちゃうんだもん(ユイに尊敬の目を向ける)」
ユイ「小さいころから機械いじりが好きだったんだ・・」
レイコ「そうだったね」
ユイ「毎度あり、500円」
レイコ「ユイ、ありがと(お金を渡す)」


(カラオケスナック「竜の爪」)

ノリコ「じっちゃん、今日は」
マスター「ノリちゃん、待ってたよ」
ノリコ「カラオケの調子悪いんでしょ?早速見せて」
マスター「頼んだよ。開店までに直ってないとお客さんに怒られるからな」
ノリコ「任せて!」

ノリコは持って来た工具を使いながら、カラオケ機器の修理を始める
そんなノリコを頼もしそうに見つめるマスター

マスター「(心の中で:ノリちゃん、今までよく頑張ってきたよな・・・女手ひとつでユイちゃんを育ててきたしな、大変だったろう・・・)」

(つづく)


※これまでユイの家庭が具体的に描かれていなかったので、「勝手に」電気店の娘といたしました。
ユイ母もこれまで具体的イメージがなかったので、名前からご想像のとおり、のりピーをイメージしております。
...2005/01/02(Sun) 12:04 ID:lXIbEajg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:朔五郎
あけましておめでとうございます。

帰って来てみましたら、極上の特別編の数々が・・・(笑)

にわかマニアさん
いやあ、ありがとうございます。自分も(あれだけの人気キャラの)重蔵の出番が少なかったかな、と思っていたものですから(笑)

SATOさん
「鳥羽一郎」漁師といえばやはりこの人で決まり(笑)

「四国エンディング編」やっぱりミライはかわいそうな運命ですねえ(笑)

「ユイ編」そうすると父親の名は「ナオヒト」or「ナオト」ですか?(^^;;

今回、東伊豆の稲取の近くに泊まりましたので
 片瀬白田駅(宮浦駅)
 アスド会館(稲代総合病院)
に行って参りました。

アスド会館は、休日のため道の途中でゲートが閉まっていて途中までしか行けませんでしたが、外観はしっかり確認できました。ちなみにゲートがあるのはちょうど「突き飛ばし事件」の現場です(笑)
これで、原作、映画、テレビと「病院」はすべて制覇しました(なんとマニアックな・・・それも元日の朝から・・・)

さあ、どなたか、あと2つレスをつけて、Part.3を成仏させてくださいませ(笑)
...2005/01/02(Sun) 18:52 ID:wOdYnvME    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:にわかマニア
 朔五郎様,皆様
 申し訳ありません。
 本当は,重蔵があの後,寝酒を求めて立ち寄った店に行貞教授と堤演劇部OBがいて,そこに堤・父(鬼彦監督)と石丸が訪ねて来て,セカチュー談議に花が咲くという展開を思い浮かべていたのですが,あそこまでで力尽きました。
 あと,デッサン的には,マサミたちから話を聞いた朔太郎が四国に帰る重蔵を追って東京駅に駆けつけ,ドラマ第4話さながらのシーンを展開するということも考えてはいるのですが,文才のなさゆえ,思うように筆が進みません。
 申し訳ありません。
 ともあれ,今年も宜しくお願いいたします。
...2005/01/02(Sun) 19:15 ID:xqZKGbBI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ 2...  Name:たか
念願のキリ番号ゲットw

皆様、あけましておめでとうございます。
今年もセカチューとたかをよろしくお願いします。

2005年になっても、セカチュー熱は冷めませんねぇ〜これぞ社会現象ですかな?

ドラマ版のDVD−BOXはお年玉を使い購入いたしました。特典映像もなかなかのものでした。
キリ番号が欲しいあまりに、ストーリーをまとめてないままパソコンの前に座ってしまいました(汗
ともあれ、また皆さんと楽しく交流、執筆が出来ればいいと思います。それでは、パート4でお会いしましょう。さようなら、パート3よ
...2005/01/02(Sun) 19:48 ID:J0J7fMDU    

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