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過去ログNo1
「世界の中心で、愛をさけぶ2」Part2  Name:管理人
もうすぐ投稿が300件を越えますが、1スレッドの最大投稿数が300までなのでお知らせしておきます。
それで新しくスレッドを立てておきますので、使い切った後はこちらをお使いください。

[Part1はこちら]
http://www.alived.com/cgi/yyai/yyplus.cgi?mode=past_one&no=4233&pastlog=7

[ごろさんによる整理サイト]
http://sekai.cure.to/pc/
...2004/10/19(Tue) 23:46 ID:ArHBu8xs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:にわかマニア
 議論を呼びかける形で300番目の投稿をした責任上,管理人さんが作ってくださった新スレッドが埋もれないよう,上に上げておきます。
...2004/10/20(Wed) 01:32 ID:F6vw4xCw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
一樹役として
私は吉岡秀隆さん(Dr.コトー)を推薦しておきます。
もう、メチャクチャだあ(笑)

一応スレ主の意見を
ここは、創作をメインに考えているスレですので、まず作品を出して頂いて、それから議論すべきは議論する、というのがよいと思いますが、いかがでしょうか?
...2004/10/20(Wed) 03:08 ID:J6cezmXA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
賛成ですねwいやぁ、300レス突破はすごいですねw

一樹役はですねぇ・・・いいお方が考え付かないので、皆さんにお任せしますw
...2004/10/20(Wed) 13:07 ID:Mmd4y8OI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:A☆H
みなさんの作品、見させていただいてます。
すごくいいですね!!
一樹役は玉木宏がいいです!!
...2004/10/20(Wed) 13:20 ID:A/bJ2fKk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
ご無沙汰です。パソコンが故障していたもので・・・。
禁断症状に苛まれ、ようやくネットにアクセスできるまでになりました。やってきたらPART2のスレになっていたんですね。なんか浦島太郎の気分です(笑)
この間にも、みなさん精力的に作品をUPしていらっしゃるようで、HPも更新作業をしなければなりませんね。早く環境を再構築しないと・・・。

Apo.さん、サクへの遺言テープですが、一つの仮定として、実はカセットデッキに残っていたなんて・・・。みんなのテープを作成後、最後にサクへの遺言を吹き込み、ラベルなどを作ろうとしたところ両親がやってきて、そのままになり、逝去後、真が自分たちのテープを聞こうと、そのまま残っていたテープは何も考えず取替え、そのままになっていたとか・・・。

一樹役が混戦模様のようですね。ふむ〜悩むところです。
...2004/10/20(Wed) 18:05 ID:ggjDb71Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:くれい
>Apoさん

いいと思いますよ。俺は映画の亜紀の最期のテ−プで泣きそうになりましたから、そのイメ−ジは強く、ドラマで朔宛てがなかったときは「何故?」と強く疑いましたので。

だからもし朔宛てにテープがあったら亜紀は何を吹き込んだのだろうと思いますし。
...2004/10/20(Wed) 19:24 ID:RjKUiwiE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
管理人さま
番組終了後もBBSを続けて頂き、新しいスレッドまで用意していただきまして、ありがとうございました。
遅くなりましたが、お礼申し上げます。

朔宛てのテープについて
残っていても、特に不思議はないと思います。ドラマでも、家族宛てにテープやビデオレターを遺す、というようなものはたくさんあります。
内容によっては、面と向かって言うより、テープに遺して後で聞いてもらいたいこともあるかもしれません。
「朔とは最後まで一緒のつもりだったから、テープはない」というのは、母親の推測に過ぎなかったわけですし。

絵本作家について
最近は、詩を創る人と絵を描く人が組んで、1冊の絵本を創るという例もあると聞きますが、アキの場合はどうしましょうか。
1、一人で絵も詩も創る
2、「ソラノウタ」のリメイク、あるいは亜紀の生前の詩が発見され、それに絵をつける
3、真島青年のような人物(詩人)を登場させる

3だと三角関係ぽくて、ややこしくなるかな(笑)

後半の流れは、ごろさん、SATOさん、たかさんが主に創って来られたので、プランをお願いしたいのですが。
Apo.さんはどう思われますか?
...2004/10/20(Wed) 19:52 ID:J6cezmXA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
悲劇のマサミを書き始めましょう(笑
SATO殿に救出されるまでいじめ倒してしまうかも知れませんがすみません



その後、マサミとケンの関係は、一向に回復の兆しを見せなかった・・・ある日のHR・・・

大沢先生「今日は席替えをしようと思うが、異論はないな?」

生徒「(大声で)はーい」

大沢先生「ベタだけどくじ引きでいいか?」

生徒「何でもいいでーす」

大沢先生「じゃ、こっちから順番に引いてってくれ」

ケン(語り・・・このとき俺は、大沢先生を恨んだ・・・俺はひとつしか考えていなかった・・・アキの横になることより、マサミの横にならないよう祈っていた・・・

しかし・・・ケンの悪運は人の何倍強いだろうか・・・見事マサミの横を引き当てた・・・

ケン「うわ・・・やっちまった・・・」
つい2,3ヶ月前なら許せたことなんだろう・・・

ケンとマサミは真ん中の列の一番後ろだった・・・

大沢先生「とりあえず、2学期終了まではこの席でいこうと思う」
そういうと先生は真ん中の列の最後尾を見た・・・

大沢先生「それでは、仲の良い人と隣になった奴も、ちゃんと授業は聞くんだぞ」

生徒「はーい」

大沢先生「ではHRを終了する、学級委員」

学級委員「起立、礼」

生徒「ありがとうございましたぁ〜」

ケン(語り・・・どうして?あいつはどこまで俺について来るんだ?何か恨みでもあるんだろうか?

マサミ(心境)「これから・・・どうしよう・・・」

続きますよ
...2004/10/20(Wed) 20:09 ID:ct1oy2Ps    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
Apo.さん、「残されたテープ」いいですね。映画では(実は私は観ていません)亜紀の最後のテープを律子が朔に聴かせたんですよね。映画の律子の役回りが両親に・・・というのは素晴らしい感性だと思います。この話はごろさんの「空と海」の続きに挿入すればいいのではないでしょうか。

※登場人物はそれぞれ生きています。ここではメインはケンとアキですが、それを取り巻く人々のドラマもあってよいと思います。

たかさん、続き楽しみにしてます。こういう男子高校生の心理描写は同年代のあなたにまかせます。私などはるか昔のことなので、どうしても大人の目線になってしまいます。そういう意味ではスナックでの大沢先生・律子・マスターの話は書きやすかたですね。
...2004/10/20(Wed) 20:26 ID:VvSca7cs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
Apo.さん、続き楽しみにしています。
私だってゼロからスタートというのは得意ではありません。やっぱり誰かが作りかけたものに乗っかるほうがいいですよ。
そういう意味では言いだしっぺの朔五郎さん、素敵です。それでこの話に乗っかってきた皆さんもいつの間にか朔五郎さんが開いた世界から抜けられなくなってしまいました。この調子だと話が終わるまで辞められそうもありません。
...2004/10/20(Wed) 21:21 ID:VvSca7cs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
たかさん、悲劇のマサミ編でのケンは悪役ですか?
アキには嫌われないようにしてあげてね。
...2004/10/20(Wed) 21:24 ID:VvSca7cs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
ごろさん、このスレのパート1のコピペは順調ですか?私はすべてプリントアウトしました。もはや永久保存版ですね。
...2004/10/20(Wed) 21:53 ID:VvSca7cs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
私も亜紀の朔宛のテープが有っても良いと思いますよ>Apoさん
続きを期待しております

それで私も発作が出ました・・・(^^;
たかさんの1−220、家庭教師決心編の続きを書いてみました


次の日もアキの携帯が鳴った。
アキ「また、ケンちゃんからだ。はい!ケンちゃん何?」
ケン「今、大丈夫?」
アキ「うん!平気だよ」
ケン「昨日のアキの家庭教師の件なんだけど・・・」
アキ「なあに?」
ケン「直接アキともう少し話を詰めたいんだけど、今日の夕方防波堤にこれる?」
アキ「うん!今日は図書館で勉強するつもりだったから少し早めに切り上げるよ」
ケン「それじゃそうして。堤防に来れる時間決まったら、mailしてね」
アキ「了解」

(語り)アキからのmailが来たのは4時を過ぎてからだった。堤防での待ち合わせは5時になった。

ケンは少し早めに堤防に来て座って海を見ていた・・・
座っているケンを見つけたアキは足音を忍ばせてそっと近づいて行った。
心地よい潮風がケンの頬を包んでいた。アキは何時もの肩をトントンと叩き指つっかえをした。
アキ「毎回よくひっかかるね。ケンちゃんって学習能力無いの?」
ケン「そ、そんな事ないよ」
内心ケンはアキが指つっかえをする事は分かっていたが、今のアキにはそんなたわいの無い事がきっと心の支えになっている様に感じていたのだった。
ケンの隣に座ったアキは
アキ「家庭教師の話ってなに?」
ケン「昨晩アキと別れてから、どうしたらアキのお父さんを説得出来るか考えてみたんだ」
アキ「うん」
ケン「まずは明日から二人だけで会うのは、アキの家か図書館だけにしようと思うんだ」
アキ「何で?何で二人で会っちゃいけないの?」
アキは口をとんがらかせてケンに迫る。
ケン「そう、せかさないで、今からちゃんと説明するから・・・
   まずはアキのお父さんとお母さんに対してなんだけどね」
アキ「うん、」
ケン「俺達って東京行きでみんなに迷惑かけたろ?
   特にアキの所のお父さんお母さんにはね」
アキ「でも、もうみんな分かってくれているけど・・・」
ケン「それはアキや俺がそう思っているだけで、アキの両親は俺の事まだきっと
   許していないと思うんだ」
アキ「そうなのかなぁ」
ケン「帰りの電車の中での松本先生の言葉覚えている?」
アキ「どんな言葉?」
ケン「『何かを得ることは何かを失うことでもあるんだよ』って言葉なんだけど」
アキ「うん、覚えているよ」
ケン「あの時はそれなりに分かったつもりでいたんだけど、昨晩いろいろ考えていたら
   松本先生の言葉が重たく成って来たんだ」
アキ「どういう事?」
ケン「俺はアキの夢をかなえてやりたい、だからアキの大学受験の手助けをしたいんだよ。
   でも、アキの両親から見れば俺が単にアキと会う時間が欲しいからだって思って
   しまうかもしれないってね」
アキ「そうなのかなぁ?考え過ぎじゃない?」
ケン「違うかもしれない、でも少しはそんな気持ちも有る可能性はあると思うんだ。
   だからアキのお父さんに家庭教師の話をする時にちゃんとけじめを付けておかな
   いと、いけないと思うんだ。」
アキ「だから二人っきりでは会わないの?」
ケン「そうだよ。アキが大学に合格するまではアキと俺はアキのご両親の目の届く所
   でしか会わない様にする。これでアキのお父さんにお願いしてみようと思うんだ」
アキ「なんか寂しいなぁ」
ケン「それは俺だって同じだよ、でもアキのお父さんに家庭教師の事を認めて貰うには
   これが一番良いんじゃないかななぁって思うんだ」
アキ「本当にデートもしないの?」
ケン「そのつもりだけど・・・」
アキ「ケンちゃんって案外冷たいんだね、私とデート出来なくても平気なんだ・・・
   そうだね、ケンちゃんは大学で新しい女の子とも出会えるしね」
ケン「アキ怒るぞ!俺がアキ以外の人を好きになると思っているのかよ!」
アキ「だってケンちゃんは一人で大学に行ってさ・・・
   なんだかそのままケンちゃんが離れて行ってしまう気がしてしまうの・・・」
涙ぐむアキ。ケンはそんなアキの肩をそっと抱き寄せる。
ケン「そんな事ないよ、話を元に戻そうよ、ね!」
アキ「うん」
ケン「今はアキの家庭教師をアキのお父さんに認めてもらう話しだよ」
アキ「うん」
ケン「だからさっきの松本先生の言葉なんだけどね」
アキ「『何かを得ることは何かを失うことでもあるんだよ』って言葉?」
ケン「そうだよ、だからこれが二人のわがままで無く、本当にアキが合格する為の事
   だって分かってもらうには、やはり俺もアキも何かを我慢しないといけないと
   思うんだ」
アキ「・・・・うん」力無く答える。
ケン「そんなに落ち込むなよ。デートは出来ないけど家庭教師認めてもらえれば週に
   2〜3日は会えるんだからね」
アキ「でも、その時は勉強だけなんでしょ?」
ケン「それはそうだけど・・・でも二人で会える事には変わりないじゃないか?
   会えない事を考えれば、ずっとましだと思わないかい?」
アキ「・・・」
ケン、アキの肩を抱き寄せキスをする。
ケン「とにかく今はアキのお父さんを説得する事を考えよう」
アキ「ケンちゃん大学に行っても私の事嫌いに成らないでね」
ケン「当たり前じゃないか」
再びキスをする二人・・・辺りはすっかり闇に包まれていた。
アキ「そろそろ帰らないと・・・」
ケン「あ!ごめん。とにかく今の話し考えてみてよ」
アキ「うん、わかった」

堤防を離れて家に帰る二人を鈍色の月が照らしていた。


ふ〜、書いてみると結構大変ですね、みなさんの苦労が分かります
...2004/10/20(Wed) 21:57 ID:XAH3osoA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
Apo.さんにつづき、yosiさんもとうとうセカ中毒患者になってしまいましたね。この世界に入り込んだら最後、もう抜けられませんよ〜(笑)
朔五郎さん、新たな中毒患者に何か処方してくださいな。(笑)
...2004/10/20(Wed) 23:03 ID:VvSca7cs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
SATOさん
 いや〜参りました。うちのパソコン、以前から調子が悪いなと思っていましたが、ついに起動しなくなりましてね(これで2回目、今度は完全にアウトの模様・・・)。とほほです。
 完全な中毒患者なので、この「世界の・・・2」に関する作業ができないのは苦痛です。やむなく台風の大雨の中、安物のパソコンを調達してきて、ようやく環境整備が復旧しつつあります。データはバックアップを取っていたので大丈夫です。ご安心を!

Apo.さん
 まさか「空と海」の続きを書いていただけるなんて嬉しいです。それも「失われたテープ」がテーマとは!頑張って書いてくださいね。テープの内容、興味津々ですね。

yosiさん
 「帰郷」のシーンを前提にしてもらって感涙です。うううっ・・・。

 お二方とも、ついに感染しちゃいましたね(笑)
今後ともよろしくお願いします。

 ちょっと留守にしている間に、結構進んでいるので、こちらも頑張って作業をしなければ!でも、今のサーバー、ファイル転送がいまいち相性が悪いのか、つながらないことが多くて苦労しています。執筆作業のほうも中断しており、こちらも禁断症状で苦痛を感じています。はやくカムバックして、さけびたい!です(笑)
...2004/10/20(Wed) 23:23 ID:ggjDb71Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
ごろさん、どうも。この台風の中、パソコンをゲットするとは恐るべき執念!編集作業などという大変な作業をお願いしてしまい、感謝感謝です。
...2004/10/20(Wed) 23:32 ID:VvSca7cs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
いや〜ほんとですよね、SATOさん。機械ものは、それがあるから怖いですね。プリントアウトもさぞ大変だったでしょう!やはり昔ながらの紙が記録媒体としては確かかも・・・。

言い忘れましたが、Apo.さん、ぼくが書ききれなかった芙美子ちゃんを出してくれてありがとう。これで松本家勢ぞろいですね(笑)

朔五郎さん
 以前、書いておられましたが、アキをN.Yの自由の女神でさけばしたいって件、ぼくもアキにはN.Yへ行ってもらいたいですね。
 ケンは水産学部なので実習航海とかあるだろうし、その間、ケンとアキはちょっとした冷却期間があると思います。あるいはケンが就職後(性格的にまずはよその会社へ就職って線が考えられる)新入社員の研修航海とかってのも有り得ますよね。
 その間、成長したアキは、二人では失敗したN.Y行きを一人でやり遂げてほしいものです。そして、一人でN.Yのいろいろなところを巡り、そこでいろいろな出会いや想いを抱き(ここで絵本を書き上げる=とりあえず最初の絵本はアキが文章と絵を一人でする)、自由の女神でさけぶ、そして帰国、ケンとの再会、エンディングのSATOさんの墓前報告へとなだれ込むってのはいかがでしょうか?
...2004/10/20(Wed) 23:59 ID:ggjDb71Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
Apoさん、yosiさん
原稿ありがとうございました。ようこそ、セカ中毒ワールドへ(笑)



たかさん
マサミをよろしく(笑)

ごろさん
うーむ、アキが叫ぶのですね。いや、でもこのストーリー、すごく面白そうです。感動いたしました。

ドラマ化(!?)の際のオープニングシーンは、1987年ウルルで叫ぶ朔なのか、NYで叫ぶアキなのか、妄想は尽きません(笑)
...2004/10/21(Thu) 01:30 ID:ldvdBDoM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
SATO殿>ケンを悪役にしますwアキちゃんには嫌われない程度にw

朔五郎殿>大切なマサミを預からせていただきます(笑

yosi殿>続きありがとうございますw発作に効く薬は朔や智世でも発見できません(笑

ごろ殿>サイトの方の配役、ナイスですねw後は残りも決めなくては、一樹に至っては結構意見出てますからねぇ、迷いどころです
...2004/10/21(Thu) 16:29 ID:SHtvOSlw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
Apo.さん、どんどん書いてくださいよ!
ところで、主治医は確か佐藤先生だったと思う。
...2004/10/21(Thu) 19:06 ID:sd7JPAmU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
Apo.さん、また難解な・・・(笑)
どうぞ好きなだけ利用してください。
ちなみに、片山氏が当初予定した題名は「恋するソクラテス」ではなかったでしょうか?
...2004/10/21(Thu) 20:04 ID:ldvdBDoM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
久しぶりに大発作を起こしております。
ただいま、ケンが水産学部に入学して、ある人物に出会ったことから、札幌に旅することになる「札幌篇」を製作中です。受験生・アキはお留守番です。なお、メインストーリーからは外れたエピソードにするつもりです。
後半部は、流れに乗れずにハズしたりすると、みなさんに迷惑をかけることになりそうなので、主にサイド系を担当させて頂きたいと思います。あしからず。
...2004/10/21(Thu) 20:30 ID:ldvdBDoM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:くれい
自称配役探しADです(笑)

一樹役色々候補の方があがっていますね。
改めて適役はいないかなあと調べましたが、
平岡祐太さんなんてどうでしょうか?
30日公開の「いま、会いにゆきます」にも出ますし、年齢も山田君あたりとそう変わりないようです。
一樹とケンたちはおそらく5・6歳違いがあると思うのですが、まあその辺は気にせず・・・。
(田中幸太郎君と黒木瞳さんが夫婦をやるくらいですから)
...2004/10/21(Thu) 21:57 ID:4myDXb3M    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
お、朔五郎殿、札幌の旅に同行させてはいただけませんか?もちろんマサミも一緒に(笑

私は結構サイド書くの好きなんでどうか是非お願いしますw ADといった形も何でも構いませんので


Apo.殿お疲れ様です、上手ですね、すばらしい感性を持っておられるようで、いいですね。これからもよろしくお願いしますねw


くれい殿、平岡君もいいですね、平岡君はかなり見てますよ、「スゥイングガールズ」「めだか」「ピザハットのCM」「いま、会いにゆきます」も見に行く予定ですwいやぁ、一樹は誰にするか迷いますね。

ごろ殿、いやぁ、なんかプロデュースなんて恥ずかしいですよ、たいしたことはしてないはずなのにw
...2004/10/21(Thu) 22:34 ID:SHtvOSlw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
連続になってすみませんが、マサミ関連を書きます

マサミ(語り)「大木君と隣になった私・・・毎日が地獄のように思えてきてしまいます・・誰か、私を助けて・・・」

ある日・・・

ガチャガチャ・・・

ケン「あ、落ちちまった」
ケンは筆箱を落とした、マサミが椅子から離れ、拾おうとする・・・

ケン「いいよ、拾わなくて、授業聞いてたほうがいいよ」
マサミはあまりの冷徹さに手を引っ込めてしまった

マサミ「・・・」黙ってうつむいた・・・

数学教師「はいではこの問題をですね・・・長沢」

マサミ「・・・」

数学教師「長沢?おい?」

マサミ「・・・あ、はい。すみません。32です」

数学教師「おいおい、長澤、お前ならこのくらい当ててくれ」

クラス中からクスクスと笑い声が聞こえた・・・
マサミは顔を真っ赤にして座った

ケン「・・・・」ケンは黙って一枚の紙を差し出した

マサミ「あ・・・ありがとう」それはその問題の答えだった

ケン「・・・・・・」うなずいたのも分からないくらい小さくうなずいた・・・

またある日は・・・

マサミ「あ、あの・・・大木君・・・消しゴム貸してくれないかな・・・」

ケン「そっちに借りて」と言うと、ケンはマサミの逆隣の人を指差した

マサミ「そ、そうだよね・・・あはは・・・」

ケン「何がおかしいの?」

マサミ「え・・・あ・・・ごめん・・・」

ケン「最近変だよ」

マサミ「なんでもないから・・・」
言えるはずが無かった・・・「大木君のせいだよ・・・」だなんて・・・

まだ続けます、結構難しいですよこれ
...2004/10/21(Thu) 22:56 ID:SHtvOSlw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
↑マサミがだんだん壊れてきましたね・・・

あのですね、たかさん、前スレッドに書き込んだマサミと大沢先生のやりとりですが、たかさんの流れを受けてまたまた変えてみます。

1.面談については、アキと一緒に学校に来たことだけ話して淡々と終了
2.マサミに冷たいケン(たかさん執筆中)
3.見かねた大沢先生がマサミを呼ぶ。律子に手品を教えるよう頼もうとしたところ、ケンのことでマサミが泣き出す。

という感じにしてみます。当初の私の作では面談中にマサミが泣き出しているのですが、やはり、たかさんの作品中でマサミがつらい目に逢ってから大沢先生に泣きつく方が自然だと思いました。
...2004/10/22(Fri) 00:42 ID:N4NoO0Rc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
札幌篇、スタートします

四月、出発の時。新しい季節。アキより一足先に大学生となったケンは、入学からニ週間ほどたち、そろそろ新しい環境にも慣れ初めていた。
そんなケンをいつも遠くから見ている女子学生がいた。話しかけたいのだが、それがなかなかできない。勇気を持って一歩踏み出そうとすると、ケンは仲間に声をかけられて、どこかに行ってしまう。内気な自分がつくづく恨めしかった。
ある日、学生食堂で、彼女独りお昼を食べていると、偶然ケンが声をかけてきた。
「ここ、空いてる?」
あまりのことに緊張し、透きとおるような白い頬を真っ赤にしてやっと答えた。
「は、はい、どうぞ」
うつむいたまま、顔を上げることができない。
「水産学部の高野小百合さんだよね」
「はい」
「オレは同じ水産学部の大木健三郎、よろしく」
ようやく顔をあげた小百合は、思わずクスリと笑った。
「え、何かおかしい?」
「あ、ごめんなさい。お昼から、カツカレーの大盛りなんて元気だな、男の子はいいな、って思ったの」
「ハハ、水産学部でやっていくには、まず体力、だからね」
「そうよね」
「だけど、サユリ、あ、サユリでいいよね?サユリはさあ、水産学部には珍しいタイプだね」
「どうして?」
「うん、こう言っちゃなんだけど、水産学部の女子って、みんな元気が良くて、男なんかにゃ負けないよっていう感じじゃない?サユリは色が白くて、おとなしくて、どちらかといえば文系の雰囲気かなあ、って」
「ごめんね、私、場違いかな・・・」
「あ、そんなことないよ」
あわてて、否定するケン。
「私の家はね、北海道でマスの養殖をやっているの」
「マスっていうと、ニジマスとか?」
「ううん、ヤマメとかアメマス。お兄ちゃんが後を継いでるんだけど、私も何か手伝おうと思って、ここに入学したの」
「そうか、北海道のどこ?」
「サルル、っていうところ。漢字で書くと沙留」
サユリはテーブルの上に指で字を書いて見せた。
「沙留かあ、きれいな名前だね」
サユリはサルルのことを話し始めた。
「サルルはね、空と、オホーツクの青い海がどこまでもどこまでも広がっているところなの。波打ち際に立つと、地球が丸いことが実感できるわ。冬になると、すべてが色を失って、白一色の世界になる。海は流氷で閉ざされて波の音も聞こえなくなるの。ただ流氷の軋む音が聞こえるだけ」
「ふーん」
「時々、氷の上をキタキツネが歩いていたり、アザラシが顔を見せたり」
「静かなところなんだね」
「うん。それでね、私が小さい頃、いつも三つ年上の祐平くんと遊んでいたの。祐平くんはとっても絵が上手で、よく空の絵を描いてくれた。不思議なことに祐平くんが近づいてもキツネやカモメみたいな動物たちは全然逃げないの。まるで心が通じてるようだったわ。私は、祐平くんの絵を観るのが好きだった」
「だからサユリの目はきれいなんだね」
「えっ」
思わずはにかむサユリ。
「オレの知ってる女の子が、子供にカタツムリの絵を描いてあげたことがあってね。その時、その子供がとても喜んでくれて、目を輝かせていた、その目はどんなに青い空より澄んでいた、って言ったことがあるんだ」
「大木君の彼女?」
「うん」
「やっぱり、彼女いるんだ・・・」
「まあ、ね。一応」
「そうか」
サユリは話題を換えた。
「新歓コンパの時、隣りに座った人が、水産学部の大木は面倒見が良くてとても頼りになるヤツだから、って言ってたの。だから、ずっと大木君と話したいと思っていたけど、なかなかチャンスがなかったの」
「誰がそんなこと言ったの?」
「その人、すぐにほかの女の子の方へ行っちゃったんで、名前はわからないの。あ、そろそろ時間だわ、大木君、これから何かあったら相談に乗ってくれる?」
「うん。それから、オレ、ケンでいいよ」
「ありがとう、でも恥ずかしいから」
ぴょこんと頭を下げてサユリは歩いて行った。

サユリか、あれ、タイプは全然違うけど、何となくアキに似ていたような。気のせいかな・・・。それにしても、ずいぶん長く話し込んでいたな。こんなところをアキが見たら、絶対に誤解するよな。そしたら、あの親父が怒り狂って・・・。
誰かがケンの肩を、トントンとたたいた。思わず振り返ろうとすると、指が頬に当たった。
「あっ」
見られたのか。冷たいものがケンの背中を走り抜けた。あの拳が目前まで迫ってきている・・・。

「よお、色男。駆け落ちの相談かい」
「ああっ、てめぇ」
そこには、ニヤニヤ笑うシンジがいた。
「おまえか、サユリにいい加減なこと吹き込んだのは」
「さあ、そうかもしれんなあ」
シンジは同じ大学の工学部に入っていた。
「なあ、ケンザブロウくん、アキにどう説明するのかな?マサミがいなくなったらすぐこれだもんなあ。キミの浮気を知ったら、アキの親父さんも、さぞ・・・」
「お前、悪魔か・・・」
「まあ、港町のアイスコーヒーとホットドッグで手を打とうか」
悔しかったが仕方がない。ケンは渋々条件を飲んだ。
「なあ、ケン。またバスケやらないか。バスケ部の先輩も待ってるぜ」
「うん。でもオレ、家庭教師やらなきゃならんから」
「そうか、やっぱりアキがイチバンか」
「まあな」
「ハハハ、幸せを祈ってるぜ」
その時、午後の講義の始まりをしらせるチャイムが流れた。
「じゃあな、ケン」
シンジは、工学部棟の方へ走っていった。

(続く)

サルルは実在する地名です
「北海道紋別郡興部(おこっぺ)町字沙留」だったと思います。
...2004/10/22(Fri) 02:58 ID:AUZ51T2M    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
朔五郎殿>ご苦労様です。いい感じですね、大学というと、少し世代が離れてしまいますかね。まぁいいのですが。まぁ、私の好きな、プロフィール作りを・・・朔五郎殿、勝手にプロフ作りますがお許しください

高野小百合・・・ケンと同じ大学で、同じ学部。ケンに好意を抱いている。引っ込み思案で、おっとりしている。実家は北海道。マスの養殖をしている。

誰に演じてもらおうかな・・・

〜余談〜

綾瀬はるかちゃんの出演する「雨鱒の川」でしたっけ?も北海道を舞台としていますねぇ〜
...2004/10/22(Fri) 16:02 ID:sjGA1cLs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:くれい
>たかさん
高野小百合って綾瀬さんの出演映画の役名でしたよね?

さて役ですが、北海道出身者がいいかなということで、安倍なつみさんなんてどうでしょう?

朔五郎さん的には綾瀬はるかさんが二役という感じでしょうか?
...2004/10/22(Fri) 17:23 ID:ZXRsGzBw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
あ、そうなんですか(笑)全くチェックしてませんでした・・・

なっちかぁ・・・いいですね・・・演じ手は朔五郎殿に任せようかと・・・
...2004/10/22(Fri) 17:39 ID:mHTGW2D.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
たかさん
 配役のレスも捨てがたいので、サイトに入れておきました。やはり、このスレがここまで続いたのも、朔五郎さん不在時に維持しようと作品をUPされたSATOさん、たかさんのおかげだと思います。そういう意味でプロデューサーですよ。

朔五郎さん
 ついにサルルが出る物語を始めましたね!いつか必ずやと思ってました。この「札幌編」もサイトに保存させていただきます。
...2004/10/22(Fri) 17:52 ID:HYQH1RaM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
ごろ殿、ありがとうございますwいやぁ、ここまでくれば、やはりTVやDVDにといった願望が出てきちゃいますよねw
...2004/10/22(Fri) 17:57 ID:mHTGW2D.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
たかさん、妄想してしまいますよね。
制作組織名を「世界の中心で、愛をさけぶ 2」制作空想委員会 とさせていただいております(笑)
...2004/10/22(Fri) 18:07 ID:HYQH1RaM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
くれいさんへ

実は、映画では「高倉」小百合なんです。
朔五郎的には、大林亜紀、廣瀬亜紀、高野小百合の3役で(笑)

うーむ、なっちも捨てがたいですねえ。
では、祐平くんの婚約者ということで(ネタバレ)
朔五郎的には、祐平は映画のまんま玉木宏さんで。
...2004/10/22(Fri) 20:36 ID:niZjhlcc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
そろそろ、ぼくも続きをあげときます。「PART1」の218、223の続きです。PART1のスレは・・・はるか下のほうへ行っちゃいましたね・・・。少し寂しい気がします。

ー 夕食 ー

達明は、箸を持つ手を止め、改めて台所を見回した。
さして広くない台所・・・。
智世は、近所の奥さんとの会話の様子などを話している・・・。
ようやく同じテーブルで夕食を共にするようになった娘のアキは、時折、テレビに目をやりながら、黙々と箸を動かしている・・・。
テレビでは、秋の味覚の特集をしているようだった。
ありふれた風景・・・。
見慣れた風景・・・。
達明は、思った。幸せとは、このような、些細な、ありふれた日常の積み重ねの中にあるものかもしれない・・・。智世は、この「ありふれた風景」を守ろうとしている。そして、アキは、この「ありふれた風景」から飛び出そうとした。俺は・・・俺は、どうなのだろうか・・・。果たして、俺は・・・。

達明は口を開いた。
「今日、大木さんがご挨拶にこられた。」
智世は話をやめ、アキは箸をとめた。二人とも、達明の顔をみた。
「今日って、いつ?」
智世が聞いた。
「ちょうど、お前が薬を届けに店を空けたときだよ。」
アキが心配そうに言った。
「お父さん、また追い返したんじゃないでしょうね」
達明は照れくさそうに言った。
「大丈夫だ。今回はきちんとお話をお聞きしたよ。」
アキは達明の方へ身を乗り出した。
「それで、どうなったの?」
「それでって・・・。まぁ、俺自身、ちょっとやりすぎたかなって反省する点もあったしね。大木さんは、きちんと心から謝罪してくれた。今回の件は、これで決着だ。」
「よかったー」
アキは席を立とうとした。
「アキ、どこ行くの?」
智世がアキを呼びとめた。
「どこって、ケンちゃんに電話するのよ」
達明は表情を改めた。
「アキ、ちょっと座りなさい。」
「なによ」
アキは仕方なく席に座った。
「決着したと言っても、あくまでも、俺と大木さんとの間でのことだ。俺やお母さんとお前たちとの間ではないんだよ。」
「どういうこと?」
「つまりだ。けじめをつけなさいと言っているのだよ。」
「けじめって言われても・・・」
「古いといわれるかもしれないが、お前たちは、まだ高校生だ。未成年でもあるしな。何かあったときは、大木さんのように、お前たちに代わって、謝罪や責任を取るということをしなければいけないんだよ。俺も明日にでも学校へ行って校長先生や担任の大沢先生のところへ行って、ご報告とお詫びを改めてしようと思っている。」
「・・・」
「そして、お前たちはお前たちのやるべきことをしなければいけない。もう高校生活も残りわずかだ。健三郎君にしても将来のことを決める大切なときだ。そして、アキも同じだ。薬学部へ行くためには相当の努力が必要だろう。だから、しばらくは受験勉強に専念してほしい。それが、お前たちが示せるけじめだと思う。」
「でも・・・」
アキはうなだれた。
「それともなにか。お前は健三郎君のお荷物になりたいのか?健三郎君が進学できなくてもいいと思っているのか?」
アキは顔をあげた。
「そんなことないよ!私はケンちゃんに大学にちゃんと行ってほしいと思ってるよ!」
「そうだろう。アキ。会いたいっていう気持ちは良く分かる。でも、時には、我慢することも相手を思いやることだ。今がそのときだと思うよ。それにしばらく冷却期間というものを置いて、お互い、冷静になって考えることも必要だろう。二人がきちんとけじめを示してくれて、それでもお互いの気持ちが変わらないのであれば、それはそれでいいと俺は思ってるよ。」
「ほんと!お父さん。」
「あなた・・・」
口を開きかけた智世を達明は目で制した。
「とにかく、卒業までの期間、けじめをみせてほしい。」
「分かったわ、お父さん。私頑張るから!」
達明は、再び箸を動かし始めた。

夕食後、アキは自分の部屋へ引き上げていった。
お茶を飲みながら達明は智世に言った。
「大木さんからお話があったのだが、どうやら町といくつかの企業が共同出資してショッピングセンターを作る計画が持ち上がっているらしい。」
智世は食器を洗いながら智世は相槌をうった。
「へえーそうなの。」
「ああ、それで、大木さんはうちを推薦してくれたようだ。」
智世は振り返った。
「推薦って・・・。うちにお店を出せってことなの?ショッピングセンターに?」
「ああ、そうらしい。ただ、この話はずいぶん以前からのようだ。今回のアキと健三郎君とのことがある以前からな。だから、誤解はしないでほしいとも言われたよ」
「そうなの・・・。あなたはどう思ってるの?」
「うーん・・・。まだ正式な話があったわけではないしな・・・。でも、正式に話があれば、乗ってもいいと思ってる。」
「そんな・・・。このお店はどうするのよ。」
「当然、この店はこの店でやるよ。大林薬局2号店としてやればいい」
「お金なんて無いわよ。」
「もちろん町や第三セクターから融資が受けられるはずだ。だから、当面は資金の心配もいらないだろう。」
「私はこの店だけで十分よ。当然、人も雇わないといけないし、経営面でも不安だわ。」
「でも、もし、うちが出店せずに、ほかの大手のチェーン店が進出してきてみろ。うちはどうなる?」
「どうなるって・・・」
「何年間かは大丈夫だろうが、そのうち大手に押されて、うちのような店はジリ貧状態になるだろうな。おそらく大木さんは、地元商店の保護という面からも、うちを推薦してくださったと思う。」
「私は、今のままで十分よ。」
「うん、確かに俺も大木さんから話を聞くまではそうだった。でも、この計画が実際に動き始めたらそうも言っていられない。」
「今の生活を守ることがそんなにいけない事なの?」
「いや、俺はそんなことは言ってないだろう!」
「さっきも、そうよ!アキにあんな希望を持たせるようなことを言って!あなたがアキに甘いから、アキもああなるのよ!」
「今は、アキの話をしているんじゃないだろう!」
「私は、今のままでいいわ!」
智世は、そう言うと、台所から出て行った。
残された達明は、ひとつ、大きな溜め息をついた。
...2004/10/22(Fri) 20:36 ID:HYQH1RaM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
私もUPしていこうかとw

マサミ宅・・・

マサミ母「マサミ、起きなさいよ。マサミ」

マサミ「・・・・」

マサミ母「学校遅れるよ」

マサミ「いい・・・休む・・・」

マサミ母「何言ってるの、早く降りてらっしゃい」

マサミ「・・・うん」マサミはしぶしぶ部屋から出てきた

マサミ母「はいはい、早くご飯食べて」

マサミ「・・・」黙々と箸を動かし続ける・・・

マサミ母「学校で何かあったの?」

マサミ「ううん・・・最近遅くまでやってるから・・・寝不足なだけ・・・」

マサミ母「たまには早く寝なさいよ、休養も大事よ」

マサミ「うん・・・ごちそうさま・・・」

マサミ母「はい、お弁当」

マサミ「いつもありがとう、じゃ、行ってきます」

マサミ母「いってらっしゃい」

マサミ「はぁ・・・」

アキ「おはよう、マサミ」

マサミ「あ・・アキ・・・おはよう」

アキ「顔色悪いよ?」

マサミ「ただの寝不足だよ・・・」

アキ「・・・・そっか」

マサミ「早く学校行こっ」マサミは作り笑いをした・・・

マサミ(語り)「本当は・・・学校なんて行きたくない・・・大木君に会いたくない・・・はぁ・・・なんで学校なんてあるのだろう・・・」
下駄箱で・・・

アキ「あ、ケンちゃんおはよう」

ケン「お、アキおはよ・・・」マサミが視界に入ったとたん、態度が豹変した・・・

マサミ「大木君・・・おはよう・・・」

ケン「アキ、行こうぜ」

アキ「え?え?あ、うん・・・」マサミは「まただ」と思った・・・その場で泣きそうになっていた・・・

まだ続けますねw
...2004/10/22(Fri) 21:01 ID:tHaLbJZc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:くれい
そうでした、高倉でした。漢字一文字しか違わなかったので、気付きませんでした。
でもあの映画繫がりのようですね。楽しみです。

みなさんの脚本を読んでいると、それぞれの配役の方々が実際に台詞を話しているシ−ンを思い浮かべます。
ほんと、ドラマできそうですね。
...2004/10/22(Fri) 21:28 ID:ZXRsGzBw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
ちなみにマサミ母は高橋めぐみさんにやっていただこうかとw
...2004/10/22(Fri) 21:29 ID:tHaLbJZc    

             ごろさんにお願い  Name:にわかマニア
 好評につき,めでたく書き込みが300を突破し,このスレも「パート2」に移行しました。したがって,空投稿で過去ログから当初のスレを呼び戻すという裏技も使えなくなってしまいました。
 そこで,ごろさんにお願いがあります。
 当初のスレに書かれていたサイドストーリー集の呼び出し方法(確か家のマークがついていたと思います)をこちらのスレにも載せて頂けないでしょうか。あれは整理・検索に非常に便利だったものですから。
 よろしくお願いいたします。
...2004/10/23(Sat) 06:29 ID:CCsypI.2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
31の続きです

札幌篇(その2)

「そう、それを0から2πまで積分して、よし、それで正解」
「そうか・・・。やっぱりケンちゃんすごいね」
世間はゴールデンウイークの真っ最中で、ニュースでは高速道路の渋滞情報を繰り返し報道している。しかし、受験生の悲しさで、楽しいレジャーなどアキに許されるはずもなかった。

アキの部屋の前で、智世が言った。
「入るわよ」
入ってきた智世は、水ようかんと麦茶を机の上に置く。
「お疲れ様、ケンちゃん。悪いわねえ、連休なのに。ちょっと一休みして。」
「いえ、出かける予定はないし、それに、アキ、いやアキさんに合格してもらわないとオレも困るんで」
ケンが思わず本音をもらす。
「そうね。この間の模試では、成績もだいぶ良くなってきて、東京の私立ならなんとかなりそうなのよ。ケンちゃんのおかげだわ。でも、親としては、できれば家から通える県立大学に入ってほしいの。そのほうがあんたたちも、なにかと都合がいいでしょ。じゃ、頑張ってね」
意味深な言葉を残して智世は出て行った。
「県立大は難しいからなあ。でも、私立じゃ遠恋になっちゃうし」
麦茶の入ったグラスを、ピン、と弾いてアキが言う。
「アキの、アキの将来のためなら、遠恋も仕方ないよ」
その言葉に、アキはケンのほうに顔を向けて言った。
「ねえ、ケンちゃん。浮気してない?」
ケンは一瞬言葉を失った。背中一面に汗が出て、シャツが貼りついてくる。
「ちょっと冷静すぎるよなあ。大学にはかわいい子もいるんでしょ?」

連休が終わって、キャンパスにも賑やかさが戻ってきた。講義の後、ケンが自販機コーナーでくつろいでいると、サユリがためらいがちに近づいてきた。
「あ、あの大木君」
「おう、サユリ、久しぶり。休みの間は実家に帰ってたの?」
「そうなの。今年は桜が見られなくて淋しいな。北海道では、桜は5月に咲くのよ。今は札幌のあたり。サルルだと中旬頃かな」
二人は芝生のほうへ歩いて行った。
「あの、これ、うちの実家で製造してるものなんだけど」
「へえ、アメマスの燻製かあ」
「商売ものでごめんね。家で大木君の話をしたら、ぜひ試食してもらいたいって。よかったら、お家で味見して欲しいんだけど」
「ありがとう、親父、喜ぶと思うよ。うちは海のものだから、燻製はないんだ」
そのとき、芝生の上を走り廻っていた学生の一人が、サユリにぶつかった。その衝撃で、サユリのバッグから小さな瓶がこぼれ落ちた。
「あっ、どうしよう。ああよかった、割れないで」
「芝生の上でラッキーだったね」
サユリはケンに、少し青みがかった瓶を見せた。
「これ、サルルの砂なの」
「ふーん。大事なものなんだね、きっと」
「うん、祐平くんが札幌に出発する日に、二人で瓶に入れたの」
「初恋の思い出、だね」
「そう、初恋そのもの」
サユリは思い出を話し始めた。
「小さな町では、他に遊ぶ子もあまりいなくて、私と祐平くんは小学校の頃からいつも二人で遊んでいたの。私が小学校3年の時、浜辺にキタキツネの親子がいて、私たちは毎日会いに行った。子連れのキツネは警戒心が強くて、普通なら絶対出てこないけど、なぜか祐平くんが呼ぶと出てきたわ。手を伸ばせば届きそうなところで、子ギツネたちがじゃれあってて、祐平くんはいつも、その絵を描いて私に見せてくれた。その子たちもだんだん大きくなって、一匹ずつどこかに行ってしまったの。淋しいね、って言ってたら、何日かして、そのうちの一匹が戻ってきた。よく見ると、その子の後ろに少し小さなキツネがいたの。その子たちは、しばらく私たちのほうを見ていて、やがて、山の中に消えていったわ。私と祐平くんは、あの子は彼女を見つけたんで、見せに来てくれたんだ、きっと結婚するんだねって、話したの。祐平くんは、サユリ、ぼくたちもずっと仲良しでいようね。ぼくが二十歳になったら結婚しようって言ってくれた。小学生同士のままごとのようなおしゃべりだけど、私は今でも忘れられない」
「なにか、目に浮かぶような気がする」
「祐平くんの絵の才能は、いつの間にか有名になっていった。中学校の先生が祐平くんの絵を、札幌で開かれたコンクールに出品したら、一位になったの。祐平くんは、札幌の高校に特待生で行くことになった。祐平くんが出発する日、二人でこの砂を拾ったの」
「そうか。ほんとに大事なものなんだね」
「ごめんね、こんな話をして。聞いてくれてありがとう、じゃあ、また明日ね」
「うん」

「ほう、次の潜伏先は北海道かな?」
あっ、イヤなヤツ・・・。
「あまえ、工学部だろ?もうこっち来んなよ」
「冷たいなあ、そんな冷たい態度をとって後悔しないかな?」
「おい、シンジ。ユイはどうしたんだよ。ユイと遊んでればいいだろ?」
シンジは淋しそうな顔をした。
「ユイのヤツ、花嫁修業とかなんとか言って、料理教室とか行ってたんだけどさあ、ヒマだろ?時間つぶしにエステのお試しコースに行ったんだよ。そしたら、すっかりハマっちまってさあ、最近、全然遊んでくれないんだよ」
「そうか」
「まあ、ケンザブロウくんまで、つれない態度をとるなら仕方ない、アキのところに遊びに行こう。二人で、ケンはひどいねって・・・」
「わかった、わかったよ。今度はたこパパか?コーラもつけるよ」
「コーラ、ご冗談でしょう。ボクたちはもう大学生だよ、大人だよ。たこやきには、やっぱ冷たいビールでしょう」
ケン、ため息をつく。

ケン、夜中にラジオをつける。
「ミッドナイトウエーブ、こんばんは。まず、リスナーのみなさんからのEメールの紹介です。静岡県にお住まいのラジオネーム、シンコさん。今日は私の元カレの話をします。彼は私を捨て、別の女に走ったのですが、そこでも浮気が発覚。その女の父親にボコボコに殴られ、意識不明・・・」
ケンはあわててラジオを切った。

(続く)
...2004/10/23(Sat) 06:47 ID:U41Q0qzc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:にわかマニア
 Apo.さん,サクあての幻のテープ,いいですね。それなのに,先日は失礼しました。
 ところで,最初は,サクあてにテープを用意するとしたら,いの一番に吹き込むはずだから,付け足しみたいにするのはいかがなものかと思い,あったという設定にするなら,絵本と一緒に渡すつもりでいたのが遺品の中から出てきたことにしてはと思っていました。でも,この内容ですと,遺言として届ける他の人へのテープと違って,サクに対してだけは長い歳月を経て届けるというのが亜紀の意図ですから,誰か仲介者を必要とします。その意味で,サクの家族あてのテープに,サクへの伝言として吹き込まれていても,何の違和感もありませんし,むしろ,こういう設定なら,その方が自然です。しかも,テープのラベルに「家族」とだけあって「サクへ」と書かなかった理由も判ります(書いてあれば,その場で聴かれてしまうから)。
 ただ一つだけ気になるのは,50年後となると,サクですら古希を前にした年代です。サクの両親がそれまで健在でいられる保証もありません。50年というのは,確かに区切りのいい数字ではありますが,そういう意味で,もっと繰り上げたらということも考えたのですが,いかがでしょうか。例えば,サクが50歳になったらとか,3回目の17年という意味で51歳になったらとか・・・
...2004/10/23(Sat) 06:55 ID:CCsypI.2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:にわかマニア
 Apo様。そういう含みであれば,了解しました。失礼いたしました。
...2004/10/23(Sat) 08:32 ID:CCsypI.2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
たかさんへ
たかさんも、あと何年かすると経験することになると思いますが、高校を卒業して大学生になる(あるいは社会人になる)って、人生のなかでも、劇的な転換期のひとつなんですよ。ぼくは、高校生の頃、大学生達がすごく大人に見えて、憧れたもんです。
それだけに、乗り遅れたアキは、平井堅風にいえば「季節が自分の心を置き去りにした」というような気持ちを味わっているでしょう。ここらへん、自分の近未来と重ね合わせて、たかさんの味がだせるところじゃないかあ、と思いますが、どうでしょうか。

Apo.さん、次は「突き飛ばし事件」の謎なんていうのはいかがですか(笑)

ごろさん、HPの管理お疲れ様です。作品の中の、落ち着いた文章の運びも大変勉強になります。
...2004/10/23(Sat) 11:09 ID:U41Q0qzc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
朔五郎殿>うれしいことを言ってくださるwいやぁ、頑張ります。勉強もw
...2004/10/23(Sat) 11:27 ID:s3AWNIGs    

             皆様へお詫び  Name:ごろ
誠に心苦しいのですが、再度、サイトの移転をご連絡いたします。

今までお借りしていたサーバーは条件もよくて、良かったのですが、ただ、ファイルの転送に関して
ぼくの環境と相性が悪いようで、うまくファイル転送ができないという状況でした。なんとか繋がったときにファイルを転送して更新するという状況でした。このままではサイトの更新がままならず、皆様にもご迷惑をおかけすることになってしまいます。

そこで、別のサーバーをレンタルすることにした次第です。現在は、まだ、お試し期間ですが、ここを安住の地として利用するつもりです。

もし、ブックマークなどにご登録されておられる方がいらっしゃいましたら、ご面倒ですが、ご変更をお願いいたします。今後ともよろしくお願いいたします。

今までのところは更新作業は行わず、自動消滅をまつことになります。今後は、新しいURLへ来てください。

さすらいの編集者 ごろ より
(にわかマニア さん ↑家のアイコンでよろしいでしょうか?)
...2004/10/23(Sat) 13:12 ID:b9EEfu12 <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
↑家のアイコンクリックで当スレの整理サイトへ行けます。

現在、サイトでは特別企画として「一樹は誰だ!」アンケートを実施しております。どうぞ、これは!と思う俳優さんに投票して下さい。
(今まで、PART1&PART2で候補にあがった名前は初期登録しております)
...2004/10/23(Sat) 16:13 ID:b9EEfu12 <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
こんにちはw「一樹は誰だ!」いいですねぇw個人的に平岡君を推してしまいますねw

作品UPですw
41の続きです

アキ「ケンちゃん、マサミ・・・」

ケン「今日の一時間目なんだっけ?」

アキ「え・・・あ・・・多分数学・・・」

ケン「数学かぁ・・・めんどくせぇ・・・」

アキ「ケンちゃん?」

ケン「ん?何?」

アキ「なんでもない」

ケン「変なアキ」

アキ「どうせ変ですよ」アキは笑った

その光景はマサミの目にはっきり映った・・・
肩を落とし、溜め息を付くマサミの後ろから明るい声がする・・・

ユイ「おはよう、マサミ」

マサミ「あ・・・おはよ・・・」

ユイ「元気ないぞ?どうした?」笑顔で話しかけるユイ

マサミ「ちょっと寝不足で・・・はは・・・」マサミは作り笑いをした

ユイ「んならいいんだけど。自分の体いたわりなよ」

マサミ「うん・・・」マサミは今にも倒れそうな歩き方だった

マサミ「じゃあ、先行ってるね・・・」

ユイ「おう!」

ガラガラ・・・

アキ「マサミ、顔色悪いよ?」

マサミ「大丈夫・・・」

アキ「無理しちゃだめだよ」

マサミ「もう、大丈夫って言ってるでしょ、私のことはほっといて・・・」もう泣きそうだった

アキ「マサミ・・・」アキもユイも疑問に思いだした・・・ただの寝不足ではこうはならないだろうと。少し監視してみることにした。

続く・・・
...2004/10/23(Sat) 16:32 ID:9lCa3G3w    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
Apo.殿は上手ですよねぇ〜。いや、すばらしいですよwあまりApo.殿とは話したことがないですねwまたよければコメントなど待ってるぞよ。

ちなみに私は平岡君に入れようかと思いますw
...2004/10/23(Sat) 16:47 ID:9lCa3G3w    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
(↑家のアイコンクリックでこのスレの整理サイトへ行けます。)

Apo.さん
 早く日曜の深夜が来ないかな・・・(笑)放送終了後もいろいろ想像できて、ほんといいドラマでしたね。
投票後の表示は、いちおー連続投票を避けようという意図です。コメントも書いていただけたらと思います。(あっ、もう遅いですよね)

たかさん
 マサミ見ていて痛ましいです(笑)SATOさん、マサミをよろしくお願いします。

朔五郎さん
 第2話の最後、思わず笑ってしまいました。続きも楽しみですね。ぼくも何かサイドっぽいの書きたくなってきましたよ。
...2004/10/23(Sat) 17:50 ID:b9EEfu12 <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:にわかマニア
 皆さんの中に新潟をはじめ北陸地方の皆さんがいらっしゃいましたら,この場をお借りして,震度6の断続的な地震(新幹線も脱線したようです)のお見舞いを申し上げます。

 ごろ様
 整理サイトの管理では,いろいろお世話になります。自分ではストーリーを作らない(作れない)くせに,書かれたものの論評ばかりで申し訳ありませんが,今後ともよろしくお願いいたします。
 
...2004/10/23(Sat) 20:08 ID:CCsypI.2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
地震に遭われた方がいらっしゃいましたら、お見舞い申し上げます。

映画「雨鱒の川」はまだ関東地方では公開されていませんが、公式HPによれば
下のような話です

************************************************
(公式HPより抜粋)
絵を描くことが大好きで授業中も絵に夢中になっている心平は、授業が終わるとすぐに教室を飛び出し大好きな<川>へ向かう。優しい母に魚をたくさん食べてもらう為に、魚捕りに行っているのだ。幼なじみの小百合(志田未来)は、耳が聞こえないが不思議と心平とだけは心が通じ合い、いつも二人で遊んでいた。
ある日、川に潜っていた心平は、大きくてきれいな魚・雨鱒に出会う。ヤスで突こうとするが雨鱒は逃げずにじーと心平を見つめている。そして雨鱒は突然心平に語りかけてきた。すぐに友達になった心平は、雨鱒と毎日川で遊ぶようになる。もちろん小百合も一緒だ。 そんなある日、オスの雨鱒がメスの雨鱒を連れてやってきた。結婚して上流の方に行くというのだ。小百合は「あたしも大きくなったら心平のお嫁さんになる」と雨鱒たちに約束する。寂しいながらにさよならをする二人。
 ある日、心平の雨鱒の絵がパリ児童絵画展で特賞を獲った!という大ニュースが飛び込んでくる。
それから12年後、20歳になった心平(玉木宏)と小百合(綾瀬はるか)は故郷で相変わらず仲よく過ごしていた。心平は、絵に熱中し魚を捕って過ごしていた。東京に行って画家になれと強く勧められる心平だったが、大好きな故郷と、そして何よりも小百合と離れて暮らすことに不安を感じていた。心平には、今の生活が限りなく幸せだった。しかし、小百合の「ず−っと待ってる」という言葉に背中を押されて東京で働くことを決意する。
東京に来た心平は、慣れない都会での生活と、小百合がそばにいない寂しさから、大好きなはずの絵を描くことが出来なくなっていた。一方故郷では、優秀な英蔵が子供の頃から一途に小百合のことを愛していることを知った高倉が、二人を結婚させようとしていた。小百合の祖母の手紙で状況を知った心平は動揺し、悪夢を振り払うかのごとく絵を夢中で描き始める。
そして、絵を描き上げたとき、心平は故郷に戻る決意を固める。ただただ純粋に生きてきた二人の愛の行方は・・・!?
************************************************


また、川上健一氏の原作では、小学校時代の二人は下のようでした。

************************************************
・・・新平と小百合はスケッチブックに絵を描き始めた。新平は雨鱒の絵だった。
雨鱒は笑っていた。小百合は花の絵を描いた。二人とも、いっぱい描き、時々絵をみせあってはしゃべり、幸せそうに笑いあった。とても楽しそうだった。
(「雨鱒の川」より抜粋)
************************************************

また、原作によれば、新平は小学2年生の時すでに、小百合の顔を、デフォルメされたものから写実的なものまで、何通りにも描きわけることができたようなので、実力はアキより遥かに上と思われます(笑)

新平少年については
◎ロクに勉強もしないで絵ばかり描いている。
◎足は速い。
◎リレーの選手になるが(バトンタッチの練習に出ず)ヒンシュクをかう。

というように、どこかで聞いたようなエピソードが次々出てきます。
他にも「破り捨てられたスケッチブック」だの「ヘンな絵」だの、「セカ中2」と「小説・雨鱒の川」は、パラレルワールドなんじゃないの?と言いたくなるほどです(笑)
もうひとつ、大きな共通点があるのですが、これは小説のネタばらしになるので書けません(笑)

で、札幌篇では、サユリ≒小百合、祐平≒新平のイメージで書いていきますので、よろしくお願いします。
...2004/10/23(Sat) 20:28 ID:SogL8S42    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
新潟で大きな地震があったようですね。
被害にあわれた方へ、この場をお借りしてお見舞い申し上げます。神戸在住の者としては他人事とは思えません。二次災害も心配です。被災地の皆様、どうぞお気をつけ下さい。

にわかマニアさん(さん、でお呼びしてよろしいでしょうか?)こちらこそ、引越しを繰り返し申し訳ありません。今後ともよろしくお願いします。
...2004/10/23(Sat) 20:52 ID:b9EEfu12 <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
たかさんの「悲劇のマサミ」編を受けて大沢先生・律子との触れ合い編をこのように書き直します。

まずはケン&アキ復帰日の面談から・・・

(放課後・美術室)

ケンとアキの復帰初日。
マサミたち5人は大沢先生から話があるからと、個別に呼ばれていたのです。アキ・ケン・ユイ・シンジが終わり、今度はマサミの番です。

大沢「それでどうだ?アキは怒ってたか?」
マサミ「今日、学校来るときに思い切って声かけてみました。わたしがぶったこと、全然怒ってませんでした。逆に迷惑かけてゴメンって謝ってきたんです。お互いに割り切ろうって言ってくれました。」
大沢「そうか」
マサミ「それで、すごく安心できて、アキさんって全然屈託のない人なんだなって嬉しくなってきて、学校まで競走しました。」
大沢「うん、よかったな」
マサミ「あの・・・(何か言いたげ)」
大沢「ん?」
マサミ「いえ、いいです。(ソワソワし始める)」
大沢「別にいいんだったら、構わないけど?」
マサミ「みんなでタコ焼き食べようって約束してるんです。終わった順番で集合することになってるんです。」
大沢「それなら、引き留めちゃ悪いな。ここまでにしよう。」
マサミ「では、失礼します」
大沢「ご苦労さん」

大沢先生はマサミを見送りながら、心に引っ掛かるものを感じていました。ケンとの間に何かあったのではないかと。そこで、しばらく様子を見ることにしたのでした。

(ここから、たかさん作「悲劇のマサミ」編が始まります。)

※ごろさん、後編冒頭のマサミの面談はこれをお使い下さい。

たかさん、大沢先生も面談の段階でマサミが変だと直感しています。あなたの書き込みではマサミの様子がおかしいとアキとユイが「監視」を始めることになってますよね。そこで、大沢先生とアキ・ユイがマサミのことで話し合うという展開はいかがですか?
...2004/10/23(Sat) 22:19 ID:fOoQu4Ao    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
こんばんわ。地震に遭われたセカチューファンの方々へ心からお見舞い申し上げます

SATO殿、了解しました、相談のシーンはSATO殿に任せようと思います。よろしくお願いしますね。これで、先生、ユイ、アキのマサミ救出委員会が結成されましたね(笑

私の方にも少しサイドの案が浮かんでおりまして(笑)
料理教室のユイなんか描こうと思いますが、朔五郎殿、引用しても構わないでしょうか?
...2004/10/23(Sat) 22:25 ID:xw8hoNO6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
地震に逢われた新潟地方の皆様、お見舞い申し上げます。テレビで安否情報の名前が挙がっている方々のご無事をお祈りいたします。

たかさん、それでは先生・アキ・ユイの相談場面からとりかかります。そして、大沢先生がマサミを呼び、律子と引き合わせるという展開にします。

そこに至るまでの「悲劇のマサミ」編を楽しみにしています。

ちなみに、ユイの外見は「スイングガールズ」の関口香織のように眼鏡をかけているというのはどうですか?どなたが書き込まれたか失念しましたが、プロフィールで吹奏楽部とあったもので、連想してしまいました。しかし、内面は香織とは全然違いますね。
...2004/10/23(Sat) 22:55 ID:fOoQu4Ao    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
あ、吹奏楽と書いたのは私だった覚えが・・・・・・メガネ案、いいですね。やっぱ内面は全然違いますが。私、ユイカちゃんの大ファンになってます(笑

早く来春の朝の連ドラが見たくて見たくて仕方ありません(笑

私も少し外れますが、サイドストーリーをw

ケンの家庭教師といった感じでw
ある日の夕方

ケン「アキ、だいぶ賢くなってんじゃん。びっくりしたよ」

アキ「まぁね、ケンちゃんにそういわれるとうれしい」
そこへ・・・コンコン・・・

達明「アキ、ちょっといいか?ケン君も」

アキ「うん、どうぞ」
ガチャ

達明「アキ、頑張ってるな、ケン君もいつもありがとな」

ケン「いえいえ、罪滅ぼしですし」

達明「まぁ、それでだな・・・なんというか・・・・・」

アキ「お父さん、はっきりしてよ」

達明「その・・・なんだ、1度くらいデートしてもいいぞ」

ケン「え・・・でも・・・」

アキ「いいの・・・?お父さん・・・」

達明「今のアキの頑張りなら・・・と思ってな・・・1度くらいな」

アキ「お母さんには?」

達明「何とかごまかしてやろう」

ケン「ホントにいいんですか?」

達明「俺は嘘はつかん」
ブスッとした顔で言った

アキ「お父さん、ありがとう」

達明「ただ、その後もちゃんと頑張るんだぞ?これで成績が落ちるなら、今後は一切無しだ」

ケン「ありがとうございます」

達明「ああ、まぁご褒美みたいなもんだ、2人で楽しんできなさい」

ケン「お、アキ、時間だ。俺帰るな」

アキ「うん、またねケンちゃん」

達明「また来てくれ」

ケン「はい、それでは失礼します」

達明「いい奴なんじゃないか?」

アキ「へ?」

達明「何でもない、邪魔して悪かったな」
そう言って達明は部屋を出た・・・

もう少し続けようかとw
...2004/10/23(Sat) 23:16 ID:xw8hoNO6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
たかさんへ
料理教室の件、了解しました
...2004/10/23(Sat) 23:42 ID:U41Q0qzc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
マサミ&律子編(その1)




大沢先生はマサミの様子がおかしいことに気付きました。大沢先生が考えたこととは・・・

(ある日の放課後・美術室)

大沢先生に呼ばれたマサミが入って来る。

大沢「どうだ、受験勉強は順調か?」
マサミ「ええ、何とか」
大沢「それならいいが、あまり根を詰めずに、たまには息抜きもした方がいいぞ。最近、疲れ気味じゃないか?」
マサミ「・・・・」
大沢「ところで、マサミは手品が得意だったよな?それでちょっと頼みたいことが・・・」
マサミ「あの・・・先生・・・」
大沢「ん?どうした?」
マサミ「あの・・・大木君が・・・この間、大木君の家に様子を見に行ったんです。休んでる間のノートを貸してあげるってことで。あわよくば・・・って思ったんですけど・・・わたしが来たこと、迷惑そうな顔してて・・・(涙ぐむ)やっぱりアキさんだけだったんです・・・もう、わたしは入り込めないって・・・だから、大木君には、自分自身のこれからのことも考えてって・・・わたしだって、大木君のこと思ってるんだよって・・・伝えたかった・・・(しゃくり上げる)」
大沢「そうか・・・」
マサミ「それで・・・大木君が学校に来るようになってから、私のこと見ると露骨に嫌な顔するんです。話かけても素っ気ないし・・・・大木君、そんなに私のことが嫌いなのかしら・・・ウゥ・・・(しゃくりあげる)何か、最近学校来るのがユウウツで・・・・アキさんには負けました・・・・私の様子を見て、心配して声をかけてくれるんです。でも、本当のことなんか言えない・・・大木君を奪った憎い恋敵のはずなのに、屈託のないアキさん見てると・・・嫌いになりたくてもなれない・・・(涙)」
大沢「いいじゃないか、嫌いにならなくても。そのほうが余計なエネルギー使わなくて済むぞ。」
マサミ「(涙をふきながら、コクリとうなずく)」
大沢「しかし、ケンも困ったもんだな。俺が直接口を出すわけにもいかないし・・・(独り言・小声で)ユイとシンジあたりに動いてもらおうかな・・・」
マサミ「(涙をふいている)」
大沢「ま、こういうことは時が解決してくれるさ。それに、今回思いっ切り泣いたことがこれからの人生の転機になるかも知れないぞ。俺もマサミくらいの頃にそういうことあったからな」
マサミ「先生も失恋したんですか?」
大沢「失恋じゃないけど、悲しい思い出があってな、今の仕事に就こうと思ったのはそれがキッカケだったんだ・・・実は、ケンとアキにも話したんだけどな・・・・」

といって大沢先生はあの「9.11」の話をマサミに聞かせました。

マサミ「(感慨深そうに)そうだったんですか・・・・ところで先生、わたしに話って何でしたっけ?」
大沢「ああ、そうだ、だいぶ脱線したな。本題なんだが、マサミは手品が得意だったよな?」
マサミ「ええ・・・」
大沢「実はな、うちの女房なんだが、手品が趣味なんだ。でも、ちっとも上達しないんだよ。毎回同じ手品ばかり見せられて俺もウンザリしてるんだ。そこで頼みなんだが、マサミ、うちの女房に手品を教えてやってくれないかな?」
マサミ「えっ、わたしがですか?」
大沢「(頭をかきながら)ここはひとつ頼むよ。夫婦仲のピンチなんだ、俺を助けると思って・・・なっ、頼むよ(手を合わせる)」
マサミ「(クスッと笑う)わたしでよろしければ、お引き受けしますけど」
大沢「よし、決まりだ」
...2004/10/24(Sun) 00:02 ID:IWx1.hc.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
Apo.殿、む、難しいですね・・・すごいです・・・

それでは私も作品UPですw


監視

アキ「ん〜」

ユイ「どったの?」

アキ「ん?いや、なんでもないよ」

ユイ「そっか」

アキはちょこちょことマサミの方に視線を送った、ユイも送っていた

アキ「さっきから、何をきょろきょろしてるの?」

ユイ「アキこそ、きょろきょろしてるよ?」

アキ「もしかしてさ、同じことかもよ」

ユイ「せーので言ってみる?」

アキ「せーの」

ユイ・アキ「マサミ最近へんだよね」

ユイ「あ、あはははは」

アキ「あはははは、やっぱ考えることは同じだ」

ユイ「だね、ねぇ、ちょっと監視しない?」

アキ「何を?」

ユイ「何をって、マサミを」

アキ「ああ、そうしようか」

ユイ「よし、決まり」

アキ「でも、おかしくなったのは・・・いつから?」

ユイ「ん〜何か・・・あったっけ?」

アキ「ん〜」

キーンコーンカーンコーン

ユイ「あ、続きは昼休みね、屋上でどう?」

アキ「わかった」

続く・・・
...2004/10/24(Sun) 11:57 ID:y35leuqU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
只今、当直業務中

また明日UPします(ペコリ)
...2004/10/24(Sun) 14:24 ID:2jtdP3.E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
みなさんすごいペースですね

2−15の決心編の続きです

夕食を終えて、自分の部屋で考えこむアキ・・・
アキ「やっぱり、ケンの言う通りかなぁ・・・
   ケンに勉強を教えてもらえるのはお父さんやお母さんにはただ二人が一緒に
   いたいだけだって思ってしまうんだうか・・・?
   やっぱりお父さんにとってはこの前の件がひっかかるのかなぁ・・・
   私はケンには毎日会いたいけど・・」
そうは独り言を言いながらも参考書を見ているアキ。
そこに達明がアキの部屋にやって来てノックをする。
トントン
達明「アキ入ってもいいかな?」
アキ「どうぞ」
達明「少し話があるんだけど・・・」
アキ「話しって何?」
達明「アキの進路やこの1年間の過ごし方なんかをね・・・
   予備校には行くのかい?」
アキ「模試は受けるけど・・・行かないで自分でやってみようと
   思っているの」
達明「お金の事は気にしなくていいんだよ」
アキ「うん、そうじゃ無くて自分の力でやってみようと思うの・・・」
そう言ったアキを達明は内心「少し成長したなぁ」と感じていた。
達明「そうか・・・でも薬学部は結構難しいぞ」
アキ「うん、それでお父さんにお願いが有るんだけど・・・」
ちょっと言いにくそうにアキが尋ねる。
達明「何だい?」
アキ「ケンちゃんが家庭教師をしてくれるって言ってくれているの」
達明「大木さんの息子さんか・・・」
アキ「それでお父さん、ケンちゃんと会って話を聞いて欲しいんだけど・・・」
しばらく何かを考え込む達明・・・
達明の中ではケンに対してアキをさらって行った憎む自分とあの時ひどく殴って
しまってすまないと重う自戒の念が同居していた
そんな達明の答えをじっと待つアキ・・・やがて・・・
達明「よし、明日は会合が有るから明後日の晩に来てもらいなさい」
アキ「ありがとうお父さん、ケンちゃんの話ちゃんと聞いてあげてね」


二日後の6時50分にケンはアキの家に到着していた。アキとの約束は7時だった。
ケン「ごめん下さい」
ケンの声にアキが飛び出して来た。
アキ「ケンちゃん・・・入って・・・」
ケンの顔は緊張で少しこわばっていた。
あの日東京から戻ったケンはアキの父親からこっぴどく殴られたのだった。
アキ「ケンちゃん。すごく緊張しているみたいだね」
ケン「うん、めちゃめちゃ緊張しまくっているよ・・
   今回は何発殴られるのかなぁ・・・」
アキ「そんな事無いよ。お父さんも今日は落ち着いているから・・・」
居間に入って来た二人をアキの両親が迎えた。
ケン「今晩は・・・」
達明「まぁ座りなさい」
ケン「はい」正座するケン。横にはアキも正座している。
ケン「今日は話を聞いていただきありがとうございます。
   単刀直入に申します。
   私にアキの・・いや、アキさんの家庭教師をさせて欲しいんです」
アキの両親は黙っているだけだった。
ケンは内心どう説明したらいいか迷っていたが、ここは変にかっこを付けるより
自分の気持ちを素直に伝えた方が良いと感じたのだった。
ケン「私の夢はアキさんの夢を現実にしたいと言う事です。その第一歩が
   アキさんの薬学部への合格なんです。それで今アキさんの為に何が出来るか
   考えて見つけたのがアキさんの家庭教師をする事なのです」
達明も智世も黙ってケンの言葉を聞いているだけだった。
次第にケンは焦りを感じて来ていた。
ケン「勉強するのはおじさんかおばさんが家にいる時のアキの部屋か図書館だけにします」
アキ「お父さん、お願い・・・」
ケン「それ以外の場所では会わないとお約束いたします。」
ケンは頭を下げてお願いをした。隣でアキも必死で頼んでいた。
智世「私は反対です。家庭教師なら別の人を探します」
智世が初めて発した言葉はケンを否定する言葉だった。
アキ「お母さん・・・何でケンちゃんじゃダメなの?」
智世「それは・・・」(それは智世自身にも説明出来ないものだった)
それまでじっと考えていた達明が言葉を発した。
達明「私は健三郎君にやってもらって構わないと思うよ」
智世「あなたはこの前この二人が駆け落ちしたのを忘れたのですか・・・」
達明「その事は忘れていないよ」
そう言って達明は厳しい視線を二人に向けた。
達明「しかしこの前の事は二人とも反省をしたようだし、アキも健三郎君の方が
   知らない人から教わるより、熱心になれるだろ?」
アキ「うん、私絶対に合格してみせるよ」
達明「しかしこれは二人の間を認めたと言う訳ではないぞ」
ケン「はい、理解しているつもりです」
達明「分かっているならいいんだ。二人とももう大人なんだから自分たちの言った
   言葉には責任を持ちなさい。いいかね?」
アキ・ケン「はい!」
二人は同時に返事をした。
智世「お父さん!本当に良いですか?」
達明「智世、私は二人が付き合うのを認めたのではないんだよ。
   アキが大学に合格するには健三郎君のサポートが有った方がアキも
   頑張れると思うんだ」
智世「分かりました、二人とも約束はちゃんと守る事、それからアキ!
   絵を描くのもしばらくは我慢しなさい」
アキ「え〜!絵を描いちゃダメなの」
智世「当たり前でしょ!あんたは浪人生なんだからね、絵を描く暇があったら
   勉強する、分かった?」
アキ「・・・・はい」
力無くアキが答えた。
ケン「早速明日から図書館で始めたいのですが、宜しいでしょうか?」
達明「娘をよろしく頼む」
達明はケンに向かって頭を下げるのだった。


続く・・・
もう少しアキと達明の会話を書きたいので・・・
...2004/10/24(Sun) 15:10 ID:yEs/kXnk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
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yosiさん
 ぼくの代わりにケンと達明書いてくれたんですね。ありがとうございます。ちょっと作品執筆までなかなか手が回らなくて・・・。いい雰囲気が出ていて、これからも楽しみです。

Apo.さん
 どうやら11話を待つしかないようです。待ってます。ところで、このシリーズ、独立のサイドストーリーとして整理サイトには載せようと思うのですが、Apo.さんはいかがですか?

「世界の中心で、愛をさけぶ2」ケータイ化プロジェクト発足!

 整理サイトをぼちぼちやっていて、ふと思ったのですが、これを携帯からでも見られたらいいかなと・・・。特に重症の中毒患者さんには特効薬になるかも(笑)
 当面、大量のページ(今後も増えそう・・・)にいかにアクセスしやすくするかが課題です。もしかしたらファイルサイズの関係で1つの作品を2つに分割したりする場合もあるかと思いますが、執筆者の方々、ご了承のほどをお願いします。どこまで出来るかわかりませんが、チャレンジしてみます。
...2004/10/24(Sun) 15:49 ID:KYNB.cOQ <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>ごろさん
書き始めたら面白くなっております
仕事中に運転しながら考えたりしてね
みなさんのじゃまにならない程度に書いて行きますね
携帯サイトいいですね、楽しみにしております
...2004/10/24(Sun) 16:00 ID:yEs/kXnk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
前スレッドでごろさんが書かれた「空と海」シリーズですが、達明が認めてくれたご褒美デート(たかさん作No67)での出来事として扱えば自然な流れになると思いますが、いかがでしょうか?
...2004/10/24(Sun) 16:12 ID:C6WM/euM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
ごろ殿>ケータイサイト期待してるぞよw

SATO殿>いいですね、ごろ殿とも相談し、決定したいと思いますw

Apo.殿>自己中心的だなんてとんでもない。何回に変わりありませんが(汗

yosi殿>お上手です、私の案を膨らませていただき光栄ですよw
...2004/10/24(Sun) 16:45 ID:y35leuqU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
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yosiさん、中毒症状としては中期から末期への移行期と思われます(笑)安全運転でお願いしますよ!

SATOさん、「空と海」は、たかさん作の不合格(1-85)の後くらいでも、と考えてました。ちょうど3月のお彼岸で朔一家が帰省中の出来事というかんじでしょうか。一応、どこでも入れるように季節感描写などはしていませんので、たかさん作ご褒美デート(2-67)の後でもかまいませんが、これは、たかさんがサイドストーリーとして書き始めており、今のところ様子見の状態ですね。
...2004/10/24(Sun) 16:46 ID:KYNB.cOQ <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
ごろ殿>はっきり言わせていただきますが、どこへデートするかは、未定だったのです(汗

そこへ転がり込んだ、SATO殿の案が出てまいりました、私は別にご褒美デートのところで使ってくださっても構いませんので。
...2004/10/24(Sun) 16:50 ID:y35leuqU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
(家のアイコンクリックで整理サイトへ↑)

Apo.さんの「残されたテープ」シリーズは、書き出しが、ぼくの「空と海」の後というかんじですので、本編に組み込んでもいいですし、朔五郎さんの「札幌編」のように、1つの独立したサイドストーリーとしても十分成立すると思います。そこで、どちらでもOKかなと思ってお聞きしました。あと1時間くらいですね。

たかさん>たかさんのいいと思うような場所へ二人をデートさせてあげて下さい。毎度毎度、堤防っていうのもね。お金がかからなくていいですが(笑)。後編はまだまだシーンの挿入や変更などがあるはずですからね。
ケータイサイトも頑張ってみます。
...2004/10/24(Sun) 17:04 ID:KYNB.cOQ <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
73の続きを・・・これで決心編は完結です


翌日から二人はアキの大学合格を目指して勉強を始めたのだった。

デートは出来ないものの、少しでも長く会っていたい二人は図書館からの帰り道は
自転車には乗らずに歩くようになっていた。

ケン「アキのお父さんが認めてくれて良かったね」
アキ「うん!お母さんが反対した時にはどうなるかと思ったけどね」
ケン「そうだね、俺も内心、冷や汗もんだったんだ」
アキ「あ〜あでも絵が描けなくなるとは思わなかったなぁ」
がっかりするアキをケンがなだめる。
ケン「仕方ないよ、アキは絵を描き始めると夢中になって時間が経つのも
   忘れるからなぁ・・・その集中力を勉強にも生かせばなぁ」
アキ「あ!ひどい!まるで私が集中して無いみたいじゃない」
ふくれるアキ・・・そしていつもの様にケンの腕をつねった。
ケン「痛てえ!」
アキ「ケンちゃんが悪いのよ!」
ケン「そんなご無体な・・・だいたいアキは加減ってものを・・・」
再びアキはケンの腕をつねった。
ケン「おい!もう勘弁してくれよ」
ケンはアキの手の届かない所へ逃げた・・・
アキ「意地悪言うケンちゃんが悪いのよ!」
ケン「あ〜痛てえ・・」
腕をさすりながらケンは話を変える事にした。
ケン「アキはどこの大学を目指すのかな?」
アキ「私立は高いし東京だしね。やっぱり県立大学がいいんだけど・・・
   (小さい声で)ケンちゃんもいるし・・・」
ケン「県立かぁ・・・これは相当頑張らないと・・・」
ケンは聞こえないふりをしてとぼける。
アキ「だから頼りにしてます!」


夕食後アキはテレビも見ずに部屋で勉強を初めていた。
トントン!
達明「入ってもいいかな?」
アキ「どうぞ」
達明はなにやら包みを持って入って来た。
達明「どうだい、進んでいるか?」
アキ「うん、ケンちゃんのおかげで順調だよ」
達明「そうか、それならいいんだ・・・県立大学はいけそうか?」
アキ「まだ難しいかもしれないけど、目標は県立大にするよ」
達明「そうか自分に悔いを残さない様にしなさい」
アキ「うん!私が落ちるとせっかく教えてくれているケンちゃんにも悪いしね
   ねえお父さん、大学に受かっても絵の勉強しちゃダメ?」
達明「それはまず受かってから言いなさい」
アキ「・・・」
達明は包みをアキに手渡した。アキがあけて見るとそこには小さめな1冊のスケッチ
ブックが入っていた。
アキ「お父さんこれ・・・」
達明「母さんには見つからない様にしなさい」
アキ「うん!でもこれじゃ約束をやぶる事になっちゃうよ」
達明「スケッチくらいなら構わないだろう
   お前はあの抽象画を描き始めると夢中になって周りが見えなくなるからな」
アキ「お父さんまで」
達明「お父さんまでって?」
アキ「今日ケンちゃんにも同じ事言われたんだ」
達明「ほ〜」
アキ「私が絵を描き始めると夢中になって時間が経つのも忘れるって」
達明「よくアキの事見ているじゃないか」
アキ「ひどいお父さんまで」
達明「だから息抜き程度のスケッチだけにするんだぞ」
アキ「うん分かった、ちゃんと約束は守るから
   でも何でこれを・・・」
達明「俺はお前の親だぞ、何年お前を見て来たと思っているんだ。
   アキは小さい頃から絵を描き始めると何時間でもおとなしく一人で
   書いていたもんだよ」

達明はアキが幼稚園の頃に夢中でクレヨンを走らせていた頃を思い出していた。
アキが初めて家に持って帰って来たのは幼稚園で書いた『お父さんの顔』と言う絵だった。
達明は今でもそれを大事にしまっていた。

達明「それに何でも禁止するのは逆効果なんだよ。人間はそんなに何でもかんでも
   禁止されるとやる気を無くなってしまうもんなんだ。
アキは黙って達明の言葉を聞いていた。
達明「アキ、世の中に偶然と言うものは無いんだよ。アキが大学に落ちたのも
   きっと何か意味が有るはずなんだ。今はその答えが見つからなくてもね・・・」

そう言うと達明はアキの部屋を出て行ったのだった。



決心編はこれで終わりにします。達明のイメージが壊れていないか心配ですが・・・
...2004/10/24(Sun) 17:06 ID:yEs/kXnk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
えー皆さんこんばんわw

先程、映画版セカチューの予告編ビデオみたいなのを見ましたよ。

長澤まさみちゃんは大きいですね、びっくりしました(汗)未来君と身長変わってませんよw

Apo.殿>いやぁ、すっきりですよwすばらしいですね。私には到底書けませんよ。これからもその腕を存分に発揮してくださいねw

ごろ殿>分かりました、好きなとこへデートさせてあげます。

yosi殿>ご苦労様ですwいい作品ですね。これからも期待してます&これからもよろしくお願いしますねw
...2004/10/24(Sun) 21:37 ID:y35leuqU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
では、デート編をw

デート

ケンとアキは達明から、1日自由に使いなさいと言われ、どうするか考えていた。

図書館の帰り・・・

アキ「どうしようね、デート」

ケン「ああ、そうだね」

アキ「ケンちゃん行きたいとことかある?」

ケン「んんん・・・アキは?」

アキ「あのね・・・デートって言うか・・・」

ケン「はっきりしろよ」

アキ「どこか、景色のいいところでね、絵を描きたい・・・ダメだよね、せっかくのデートなのにそんなことじゃ・・・はは・・・」

ケン「いいじゃん」

アキ「へ?」

ケン「そうしようよ、それがいいよ」

アキ「え・・・でも・・・せっかくの・・・」

ケン「俺はいいよ、アキがそうしたいなら、それで文句はないし」

アキ「ケンちゃん・・・」

ケン「最高の1日にしような」

アキ「うん!」

ケン「おっと、俺はこっちだから」

アキ「ケンちゃん」

ケン「何?」

アキ「これ、いつものお礼」アキはお守りをケンに渡した・・・

ケン「サンキュ」

アキ「これでどんなことからも救われる」

ケン「そう信じるよ」

アキ「じゃあ、また」

ケン「じゃあな」

続きますよw
...2004/10/24(Sun) 21:49 ID:y35leuqU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
私も皆さんに相談が有ります
ケンとアキは1年後に同じ大学に行くと考えて
良いのでしょうか?
私はこれからはアキとケンの浪人時代&大学時代を
書いて行こうと思っています
と言うか・・・もう30年近く前の話ですが・・私も大学に行っておりましたので・・・
ちなみに娘はもう少しでアキと同じ年齢になります・・・

Apoさんの言うように水産学部が有っていかにも有りそうな名前の大学名って何が良いでしょうかね?

それと大学に行ったケンは何かサークルには入るのでしょうか?
...2004/10/24(Sun) 23:15 ID:yEs/kXnk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさん、ケンとアキは同じ大学でいいと思いますよ。めでたく薬学部に入学したアキは達明から絵の勉強もしていいと許可を受け(智世はあまりいい顔しないかな?)、ダブルスクール族になる。今度はアキが忙しくなり、ケンはヤキモキという展開はいかが?朔五郎さんが出した小百合さんとアキとのかかわりも楽しみですね。

大学名ですか・・・
えーい!!「県立宮浦大学」でどうです??「浦」という字は海を連想させますから、水産学部がありそう。水産学部:ケン、工学部:シンジ、薬学部:アキ・・・なんか理系の総合大学みたいですね・・・

ケンは少なくとも1年のときはサークルやってる暇はなさそうですね。アキの家庭教師を週3日(でしたっけ?)もやるとなると、他の日は自分の勉強にあてなければなりませんものね。

私の意見は以上ですが、他の皆さん、いかがでしょう?
...2004/10/25(Mon) 00:18 ID:4VaG/3no    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
Apo.さん、なかなか深い内容でしたね。お疲れ様です。50年っていうのは、やっぱり長くないですか?果たして亜紀にそういう意思があったかどうかの解釈で分かれるところですよね。Apo.流解釈、面白かったです。

yosiさん、いい雰囲気です。父親の愛情が滲み出てますね。ぼくが書こうとしていたイメージもyosiさんのと同じかんじです。達明は理解は示すがけじめも重んじるってかんじです。スケッチブックはよかったです。たかさんが書いた智世が破り捨てたシーンとのつながりもあり、智世とのスタンスの違いが浮き彫りになったかんじですね。

静岡県の大学で水産学部に近いのが、東海大学海洋学部水産学科ですね。もちろん、私立ですけど。
もちろん架空の大学でもいいと思います。
サークル・・・そういえば、朔五郎さんの「札幌編」ではシンジにバスケ部を誘われて、アキの家庭教師があるからと断っているシーンがありましたね。とりあえず無所属なのかな?
...2004/10/25(Mon) 00:28 ID:xIsNWIDM <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
ごろさんとたかさんへ、
「空と海」シリーズの扱いですが、ご褒美デートとすれば、大っぴらに会えると考えていました。
ただ、先ほどyosiさんが「発作に陥って書かれた」家庭教師決意の話を読み返してみると、これまで結構二人で会ってるようですね。なので、ごろさんの考えどおり、アキの浪人決定直後でも不自然ではないことに気付きました。まあ、達明や智世が知ったら目がつり上がるでしょうが、携帯やメールで連絡を取り合って、適当に言いつくろって出かけることは充分考えられますしね。シンジやユイに頼んでうまく口裏を合わせているってこともあり得ますよね。
...2004/10/25(Mon) 00:39 ID:4VaG/3no    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
余談です。

昨日会社の運動会(有志参加で強制ではないのですが)があり、その帰りに仲間とカラオケに行きました。女子社員にリクエストして「かたちあるもの」を歌ってもらい、続けて私が「瞳を閉じて」を歌ってしばしセカチューの世界にひたりました。

ちなみに、「思いがかさなるその前に」はまだ完全に覚えてないので、昨日は歌いませんでした。CD買ってきて聴き込まなくちゃ。
...2004/10/25(Mon) 01:03 ID:4VaG/3no    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
当直明けです。

1.サユリ
一応、サイド限定と考えておりました。受験生・アキの「分身」という感じで、これからキャラが重なってきます。
もし、流れの中で使って頂くなら、恋愛ではなく、絵のほうでアキの理解者でありライバルでもある(亜紀と智世のような)関係になると思います。マサミのように、奪ってでも、という強さはありません。

2.大学
大学名はSATOさんに賛成します。サークルについては、ケンは1年目は家庭教師のためバスケはできず、2年から入部というのが自然だと思います。
...2004/10/25(Mon) 11:37 ID:PvSh0T4I    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.2
朔五郎さんへ
お仕事お疲れ様です。

SATOさんへ
県立宮浦総合大学でいいと思います。(全ての学部がありそうですね。)
女子社員に囲まれて青春しちゃってるシーンが目に浮かびます。まさか、自分がセカチュウ世界で活躍中なんて自慢していないでしょうね? 言わぬが華だと思いますよ。 ミステリーな男性(SATOさんは男性だとします)の方が若い女性に興味を持たれます。

ごろさんへ
感想ありがとうございました。私の亜紀への思い入れが強すぎたものですから50年に固執しちゃいました。
亜紀の気持ちになって。
1.自分のことを直ぐに忘れてしまわれたくない。覚えておいて欲しい、せめて50年くらいは!の叫びが聞こえてきました。若くして亡くなって直ぐに忘れられるのは悲しいじゃないですか。(熱狂的、亜紀ファンの私には。それで、一方的ですが私の優しさが込められています。)
2.50年とは、人生の一区切りではないですか。欧州では埋葬さてた遺体は50年で墓地の権利が消滅し、その上に新たな遺体が埋葬されるそうです。
他方、廣瀬、松本夫婦の気持ちになって。
1.そんなに長くは生きていられない。この寂しさを埋めてもらいたくて朔と速く親子関係を結びたい。
2.松本夫婦からのアクションをずーっと待っていた。そのチャンスがやっと訪れた。
3.松本夫婦にとっては、自分らだけ朔を独占していいのか。明希がいるではないか、明希と真の親子関係になりたい。
作者のApo.の心情は。
1.50年でも、40年でも、30年でもよかった。でも、速く亜紀に望みを全て達成したことを知らせたい。
2.でも、形式的に亜紀の空想の世界を優先させた。その狭間で苦悩する日々、結局は30年後にハッピィエンドになった。
と、いった心情を御理解していただければ、「助かります。」

目下、新ネタを考えています。
智世の不安を朔が取り除いてあげるという、ストーリーです。アキの薬学部合格前がいいですか?それとも合格後が?
ご意見をください。 (これは、職場のLANを使用しています。バレませんように!)
...2004/10/25(Mon) 11:46 ID:3FTicvPI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
今日は会社の創立記念日でお休み中です。

Apo.2さん、そんな、自慢なんかしてませんよ〜(笑)!ミステリーに徹してるつもりですのでご安心を。あと、大学名はそうしましょうか?「県立宮浦総合大学」ということで。
...2004/10/25(Mon) 15:10 ID:hDmoGgr.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
こんにちわw皆さん会社の運動会とか創設記念日とか多いですねw

学校も休みにならないかな・・・

気付けばもうすぐ100レスですね。早いっ


デートの件ですが、私が考えますねw「空と海」
は浪人決定後でも構いませんお任せしますw
...2004/10/25(Mon) 16:01 ID:wzTzrC3E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
大学はSATOさん案の「県立宮浦大学」でいいと思います。

Apo.2さん、そこまで亜紀に思い入れがあるから、あのシリーズが生まれたんですね。
ぼくはどうしても男性の視点から見てしまうので、サクとか真の方へ感情移入してしまいます。真にしてもApo.2さんが抱いているイメージより、もっと強いかんじの真ですね。亜紀逝去後も悲しみを胸に秘め、妻を守り、サクたちにも笑顔で接するような、そんなかんじです。ドラマで亜紀が結婚式の写真をとるからとテープで伝えた後の真や最終回での真とサクの場面など、悲しみを内に秘め、なおかつ毅然とした態度をとる真にはしびれました。名場面だと思います。三浦友和さんもいい演技をする俳優さんになったものです。やはり人それぞれですね。
 智世に関しては、ぼくも達明を書いている流れで智世も救ってあげねばと思っていました。そのために智世の不安をより大きくするためショッピングセンターなどの話を出してみました。スケではなく達明と結婚した智世は、愛よりも安心を選択したってかんじです。それだけに現状維持をしようという思いが強くなり、ケンとアキとのこともいい顔をしません。そういう流れからもケンとアキとの動向も踏まえないといけないと思います。そういう意味では、大学合格後でしょうかね。
 一応、ぼくの構想ですが、新たな出店に奔走する達明→PART1で朔五郎さんがちょこと出した達明の従兄弟の登場(彼に経営面などで助力を願う=アキがお店を継ぐ意味が自然と薄れる=達明の中ではアキの絵本作家への理解も出てくる)→不安になる智世→智世の救済(やはり朔太郎あたりが適任か)というかんじで考えていました。ご参考ください。

ケータイ化計画ですが、一応、ケータイで見られるサイトを設けました(前編のみ)。まだ、動作確認などの段階ですが、詳細は整理サイトのBBSをご覧下さい。特に、パケホーダイやパケット定額制の方などに動作確認などしていただけたらと思います。
...2004/10/25(Mon) 19:40 ID:xIsNWIDM <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
それでは大学名は「県立宮浦総合大学」で決まりですね
サークルは2年生からと言う事で

今、アキの浪人時代と合格編を考えておりますが・・・

私ごとなんですが、現在阪神道路公団発注の
池田線リフレッシュ工事の苦情係をしていますので
ROMがやっとの状態です
1週間は昼夜関係無く苦情が来ますのでなかなか次が
書けない状態ですが、時間の許す限りここには遊びに来ますね(^○^)
...2004/10/25(Mon) 20:01 ID:NG4wl2O.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
ごろ殿>叱咤激励ありがとうございます。頑張って勉強しますwケータイサイト、私のもいけましたよw

お忙しい中ご苦労様です。私もどんどんUPしていこうと思いますのでよろしくお願いしますw
...2004/10/25(Mon) 20:47 ID:wzTzrC3E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
あっ、いや・・・叱咤激励はぼくではないと思いますが・・・(笑)

ケイタイサイトの確認ありがとうございます。たかさんのはi-modeですか?auかな?

yosiさん、お仕事お疲れ様です。時間が出来たら、また書いてください。お待ちしています。

今回も100レス目をいただきます。
...2004/10/25(Mon) 21:49 ID:xIsNWIDM <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
ごろ殿、失礼しました、Apo.殿でした・・・
恥ずかしい・・・Apo.殿申し訳ありません・・・ありがとうございます


話題は変わりまして私はauですw

もう100レスですか・・・早いですね・・・
...2004/10/25(Mon) 22:08 ID:wzTzrC3E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
浪人編のうちアキが勉強に対して真剣になるきっかけを考えてみました。
時期はアキが浪人してケンのおかげで成績も上がりだした夏休みが始まった位を
想定していますが、変更は可能ですのでご意見不具合はご指摘下さい。お願いします。


<アキと谷田部先生1>

アキは受験勉強の合間に大沢先生から連絡をもらい宮浦高校に来ていた。
「先生頼みってなんですか?」
久しぶりに見るアキは大沢の目から見ても大きく変わっているのがよく分かった。
「浪人中の大林に頼んで悪いんだけど、実は私が明日から学会の研修でヨーロッパに
 行ってしまうから律子と一緒に谷田部先生のお見舞いに行って欲しいだ。」
「谷田部先生って私やケンのお母さんやお父さんの担任だった先生ですよね?」
「そうだよ、君たちのご両親や大林を助けてくれた松本先生も先生の教え子だよ」
「先生、私、母や松本先生からいろいろ聞いていますよ」
「そうだろうね、それで頼みって言うのは・・・」
大沢は言いづらそうに後の言葉を発した。
「これは律子も知っているんだが・・・谷田部先生は癌でもう長くはないんだ・・・」
「え!そうなんですか?」
「うん!谷田部先生は、まだ知らないが、進行が早いみたんなんだよ。律子は一見
 気丈なんだけどごまかすのが下手でね、しかも今回の私の研修は夏休いっぱい
 かかってしまうんだよ。律子一人に任せるのが私は不安だんだ・・・」
「先生、それじゃ私は何をすれば良いのですか?」
「律子と一緒にこれを持って行って欲しいんだ」
そう言って大沢先生は一枚の絵をアキに見せた。
「これは私が新人教師時代に書いた絵なんだけどね・・・
 谷田部先生が以前からこの絵をすごく気に入ってくれていねて・・・
 病室に飾って頂こうと思っているんだ」
大沢が取り出した絵『青い空』『白い雲』『赤い大地』が描かれた風景画で有った。
「先生この絵のモチーフはどこなんですか?」
「これはウルルと言ってオーストラリアに有るアボリジニの聖地なんだ」
「先生ってここに行った事はあるですか?」
「大学時代にね・・・あちこち放浪したから・・・」
「その時の思い出を書いたのがこの絵なんだ・・・」
「先生、谷田部先生はなんでこの絵が気に入ったんですか?」
「それは・・・確か教え子の中にこの絵に関わる子と聞いているよ・・・」
「それってもしかして、私のお母さんですか・・・」
「いや、私が聞いているのは大林のお母さんの高校時代の親友だった広瀬亜紀さん
 なんだよ」
「広瀬亜紀さん・・・母や松本先生から聞いた事が有ります」
「そう君のお母さんの親友で松本朔太郎先生の恋人・・・不治の病で亡くなった・・・」


今日はここまでが限界です。明日朝5時起き予定です・・明日から1週間はROMります
みなさんお願いします
...2004/10/25(Mon) 23:22 ID:NG4wl2O.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
2-47の続きです。

札幌編(その3)

「君が水産学部の大木か?」
突然話し掛けられて、ケンは振り向いた。たぶん先輩だろう。精悍な感じの学生が立っていた。
「大野から聞いたよ。俺は工学部3年の仲田だ。バスケ部の次期キャプテンをやることになっている」
「仲田先輩、ですね」
「そうだ、みんなからはヒデと呼ばれている。それから、彼女はバスケ部マネージャーの城石美帆だ」
「こんにちは、薬学部3年の城石です。ミホと呼んでください」
ミホは、優しく微笑みながら自己紹介した。エクボが印象的だ。
「は、はい、大木健三郎です。よろしくお願いします」
「大木、君は事情があってバスケができないそうだが、もったいないじゃないか。
秋からは新チームになる。俺に力を貸してくれないか?」
「大木君、私たちと一緒にやろうよ」
「ありがとうございます、実は・・・」
ケンはアキのこと、アキの両親との約束について説明した。
聞き終えたヒデはため息をつきながら言った。
「そうか、残念だな・・・。じゃ、そのアキちゃんが薬学部に合格したら、入部してくれ。頼む」
「・・・はい」
「でも、アキちゃん、薬学部に来るんじゃ楽しみだな。ぜひお会いしたいと伝えてくださいね」
「ありがとうございます。アキ、きっと喜びます」
「じゃ、大木、来年待ってるぞ」
「はい」

離れていく二人を見送りながら、ケンは思っていた。
・・・ヒデ先輩、格好いいな。ミホさんと付き合ってるのかな。そうだよなあ、お似合いだもんな。でも、ミホさん、イイ感じだな。大人っぽいんだけど、笑うと可愛いし・・・。あ、いかんいかん、先輩の彼女を想像してニヤけててどうするんだ?こんなとこ見られたら・・・

その時ケンは、トントンと肩を叩かれた。
「ひっ」
一瞬にして身動きができなくなる。
「大木君、どうしたの?急に固まっちゃって」
不思議そうな顔をしながら、サユリが立っていた。
「い、いや、オレが知ってる子がよくそういうことをするんだ。それで振り向くと、指でつっかえ棒をされて・・・。こんなところにいるはずないのに、と思ってビックリしたんだ・・・」
「もしかして、彼女?」
首をかしげながらサユリは聞いた。
「実は」
「そうか。それで、大木君はいつも、ひっかかっちゃうの?」
「そうなんだ、まいっちゃうよ、まったく」
クスクス笑いながらサユリは言った。
「今度、私もやってみようかな・・・」

「サユリ、聞いてもいいかな・・・」
「なに?」
「サユリは、どうしてこんな田舎の大学に来たの?」
うつむきながら、サユリは答える。
「東京は、苦手だから」
「でも、確か、函館にも水産学部があるじゃない?」
サユリはうつむいたまま、黙り込んだ。
「ごめん。悪いこと聞いちゃったみたいだね・・・」
サユリは重い口を開いた。
「・・・札幌で暮らすのが、こわかったの」
「ああそうか、一年半は札幌のキャンパスだよね」
「札幌には、祐平くんがいる。でも、新しい恋人ができたみたいなの。友達が見たんだって。二人でお店を出したのを」
「お店を?」
「お花屋さんなんだって。彼女は年上のひとで、フラワーアレンジメントの先生らしいの。そのお店のなかに、祐平くんの絵がいっぱい飾ってあるんだって」
「そう・・・」
「私、偶然、出遭ってしまうのがこわかった。そのひとと祐平くんが二人でいるところに、ぶつかってしまったらどうしようって」
ひとこと、ひとこと、噛み締めるようにサユリは話した。
「もし、大木君に、お付き合いしてるひとがいなかったら、お願いしたいことがあったの」
「なに?」
「前期のテストが終わって休みになったら、一緒に札幌に行って欲しかったの」
「えっ!?」
あまりのことに、ケンの頭は大混乱した。
「二人のお店に行ってみたかった。大木君に恋人のフリをしてもらいたかったの。そうすれば、祐平くんと会っても大丈夫な気がして。でも、彼女がいるんじゃ悪くて頼めない・・・」
その時、シンジが近づいてきた。
「ケン、行ってやれよ」
いつになく真顔でシンジは言った。
「お、おい、シンジ」
「ケン、頼られてるんだぜ。ケンはカレ氏のフリをするだけでいいんだろ、サユリ?」
「・・・うん」
サユリは縋るような目をケンに向けた。
「航空券もホテルのお部屋も、私が用意するから・・・」

その日、アキに勉強を教えている間、鉛の塊を飲み込んだように、胸が重かった。
「ねえケンちゃん、どうかしたの?」
「いや・・・、なんでもない」
「なんか、あやしいなあ」
アキの目を見ることができない・・・。

「おばさん、終わりました。帰ります」
ケンは店にいた智世に声を掛けた。
「あら、ケンちゃん、お疲れさま、いつもありがとう」
「あの、すいません。前期テストが終わった後、一回だけ休ませて欲しいんですけど。大学の先輩が、休みに入ったら札幌の実家に遊びに来いって言ってくれた
んです」
驚いたアキがケンに目を向ける。
「大学生になれば、いろいろお付き合いもあるわね。アキ、淋しいだろうけど、その日は一人で勉強しなさい」
「札幌か、いいな・・・」
アキは救いを求めるように智世を見るが、とりあってもらえない。
「ケンちゃん、誰と行くの?」
ケンの心臓は、気が遠くなるほどドキドキする。
「だから、先輩と・・・」
「もしかして、女の子じゃないの?」
棚のクスリを整理していた達明がゆっくりと振り向いた。
「まさか、駆け落ちとかじゃないよね・・・」
「ア、アキ、なんてこと言うの・・・」
智世は、あわててアキを叱った。

(続く)


ごろさんへ
ケイタイ、確認しようとしたら、バッテリー上がってました(涙)すみません。

yosiさんへ
ガン、ですか・・・
...2004/10/26(Tue) 00:29 ID:aQQ2WLwo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:にわかマニア
 yosi様,皆様
 いつも楽しみに拝見しております。
 まず最初に,自分自身が執筆には参加しない(それだけの文才がない)くせに,文句ばかり言うご無礼をお詫びいたします。
 実は,谷田部先生まで癌という設定にしたことが,どうしてもひっかかるのです。
 過去ログ入りしたどなたかの投稿に「TVによく使われる白血病。たまには死んでしまう結果にしないで、直った場合も放送して下さい。同じ病気でがんばっているのに、また・・と治療にがんばる気持ちがなくなってしまうから」というのがありました。元のドラマの中で既に,生物の先生,サクの祖父,亜紀と3人も殺しているのです。その意味では,続編はゼロからのスタートではなく,ハンディ3を背負ってのスタートですから,これ以上,登場人物を殺して欲しくないのです。
 ドラマでは,サクたちは1970年生まれという設定になっていますが,大阪万博のあったこの年,寅さんでおなじみの山田監督は,九州の炭鉱を離れた一家が新天地を求めて北海道に移住する物語を撮っています。
 目的地に着いた直後に祖父が亡くなるという展開について,山田監督は自著(確か,大月書店刊行の「映画をつくる」だったと思います)の中で「安易に感動を呼ぶために必然性なしに登場人物を死なせてしまった」ことへの反省の弁を述べておられますが,ちょっとそんなことを思い出しました。
...2004/10/26(Tue) 00:34 ID:nCIniha6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
朔五郎さん、ヒデも登場とは!今後の展開、どうなるか期待しています。

Apo.さん、ROMってパソコン通信の時代に使われていた用語でRead Only Memberってことです。発言をせずに「読むだけの人」です。パソコンのメモリにROMってあります。読み込み専用のメモリですが、それにひっかけて作られたんでしょうかね。今ではあまり使わないのかな・・・。

yosiさん、お忙しい中、新作UPご苦労様です。
にわかマニアさんのご意見も良く分かります。やはり、2ではあまり登場人物の死というものを描きたくないのは、ぼくも同じで「朔と真」のときも真の病状はぼかしましたから。でも、死というものは誰しも避けられないものですから必然があればいいかなとも思います。第一世代の登場人物も70歳を過ぎた高齢の方々もおりますので、いかにひとつの生を終わらすか、それに、第二世代のケンやアキや大沢先生がどうかかわっていくのか、というのを描くのも、有り かな?とは思います。もし、そういう展開になった場合、注目されるのは「マサミ」かな、と思ったりします。このへん、皆さんいかがでしょうか?
...2004/10/26(Tue) 19:34 ID:FjfAGj8E <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>Apoさん
ROMはごろさんの説明の通りです
私がパソコン通信時代に使っていた用語です
もう使われなくなっているんですね(^^;

>皆さん
私はアキが真剣に生きようとするきっかけのつもりで
谷田部先生に登場して頂きましたが
拒否反応が強いようなので少し設定を変えます
内容はこれから苦情係のお仕事をしながらもう少し
練りますね
今日は雨で苦情が少なくこんな早くに家に帰ってこれました(^○^)
...2004/10/26(Tue) 20:05 ID:U8S3EyZI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
今、設定変更をお風呂の中で考えていました
皆さんにまた設定の質問です
大沢先生がアキやケンに律子と一緒にいってもらう為の必然性として
ケンが春休み中に免許を取ったとしたいのですが
いかがでしょうか?
皆さんの執筆に問題が発生しなければケンが免許を持っている
と言うことで話を変更したいのですが・・・

>Apoさん
実はドクターコトー先生に登場して頂いて
谷田部先生を手術して助けると言うストーリーも考えたんですよ(^^;
ただこれだとあまりにセオリー無視になるよで没にしましたが・・・
...2004/10/26(Tue) 20:34 ID:U8S3EyZI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさん、今晩は。みんなから谷田部先生の助命嘆願が出てしまい、大変なことになってしまいました。
私もですね、やはり谷田部先生を助けたいです。
で、設定を替えるとすると・・・・
1.谷田部先生は癌を患う
2.検査の結果、手術すれば助かることが判明
3.しかし、医療事故等、万一のことを考えると、谷田部先生は手術をためらってしまう。
4.このまま放置すれば命にかかわるので、周囲が手術を説得する
5.大沢先生・律子・アキも説得に加わる
6.ウルルの絵を見て、懸命に生きた廣瀬亜紀のことを思い出した谷田部先生は、自分も強く生きなければと気付き、手術を決意する

という感じはいかがでしょう?
...2004/10/26(Tue) 22:01 ID:dVXw8r/A    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>SATOさん
実は私の考えていた変更設定もSATOさんと近いものですよ
それではSATOさんの設定に基づいて
変更を進めて行きますね
ただ、先も言いましたがこの1〜2週は何時に仕事が終わるか未定なので、その間にイメージをふくらませて起きます
SATOさんに感謝です
...2004/10/26(Tue) 22:14 ID:U8S3EyZI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
ごろさんへ
ケイタイサイトは、DoCoMo(FOMA)で見ることができました。

yosiさんへ
私がこのストーリーを立ち上げた時の根本的なテーマは「人間が生きている理由」でした。廣瀬亜紀は自分が死んでいく理由や意味を「生きていくあなたへ」という形で示してくれました。だから、今度は生きていく者たちが、生きている理由を示さなくてはならない。このストーリーは、廣瀬亜紀へのアンサーだと、私はそう思って創ってきました。その意味で今回の変更には感謝いたします。
...2004/10/26(Tue) 22:45 ID:hwNqDcfo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
うーん、ぼくとしては、谷田部先生に関しては、大沢先生&律子→ケン・アキってラインがいまいち結びつかないんですよ。何故、大沢先生は矢田部先生についてアキなのかピンときません。
 むしろ、律子ときたらマサミの方かなと思うのです。谷田部先生が病気となった時点では、マサミは律子によって再生を遂げており、介護福祉への道を歩みつつあると思うのです。SATOさん作「律子とマサミ」の流れを踏まえると、ここはマサミをワンクッションおいたほうが自然な流れかなって思えるのですか、いかがですか?

SATOさん案+
1.谷田部先生は癌を患う
2.検査の結果、手術すれば助かることが判明
3.しかし、医療事故等、万一のことを考えると、谷田部先生は手術をためらってしまう。
4.このまま放置すれば命にかかわるので、周囲が手術を説得する
5.大沢先生・律子も説得に加わる。
(5+).介護福祉の勉強をしているマサミも
大沢先生・律子に助力を頼まれ、説得に参加
(マサミ再登場!)
(5++)自分だけの力じゃ無理と悟ったマサミは、お互い認め合ったアキにも助力を願う。
6.ウルルの絵を見て、懸命に生きた廣瀬亜紀のことを思い出した谷田部先生は、自分も強く生きなければと気付き、手術を決意する
(6+)谷田部先生の新たな挑戦に向かう姿勢を見て、マサミ、アキもそれぞれ影響を受ける

卒業式でさよならするには、マサミは惜しいキャラかなと思うのですが・・・。yosiさん、SATOさん、いかがですか? 
...2004/10/26(Tue) 22:50 ID:FjfAGj8E <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
ごろさん、マサミを再度使っていただき、ありがとうございます。yosiさんが多忙で書けない間にマサミの紹介を兼ねて「律子とマサミ」を書いて行こうと思います。それで、マサミのキャラを把握していただいてyosiさんにマサミを使っていただけたら、嬉しいです。
逆にyosiさんがマサミのキャラを使いにくいと判断されたら、マサミ抜きでも何とかなるように思います。手術を受けたがらない谷田部先生の説得メンバーに智世・介・朔・ボウズも加わることが考えられるので、その娘であるアキもメンバー入りすることは不自然ではないと思います。ただ、いきなり大沢先生から説得を頼むより、智世から言われた形で大沢先生に合流するほうが自然な流れになりそうです。アキは智世と一緒に何度か谷田部先生に会ったことがある、という裏設定をしておけば良いと思います。

あとはyosiさんにお任せします。
...2004/10/26(Tue) 23:01 ID:dVXw8r/A    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
すみません、私の考えでは、谷田部先生を説得するとすれば、直接の教え子であった、朔、介、智世、顕良が自然ではないかと。特に朔の言葉には、強い説得力があると思うのですが(医学的な面からも、亜紀との関係からも)いかがでしょうか。
もちろん、その後、マサミの再登場となるのですが。
...2004/10/26(Tue) 23:07 ID:hwNqDcfo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
これはもしかしたら、後編の重要場面になりそうな予感!

(4)スケや智世がお見舞い&説得
(5)大沢先生&律子もお見舞い&説得
(5+)大沢&律子に「介護福祉を専門に勉強してるし、そういう患者さんの心理面にも詳しいだろう」と頼まれ、マサミ登場!マサミ説得失敗
(5++)自分ひとりの力では不安を感じたマサミは、アキにも一緒に来てほしいと頼む。母やケンの父の元担任と知ったアキも一緒にお見舞いへ
(5+++)
アキが抱えているスケッチブックを見た谷田部は見せてもらう。ここに不思議と廣瀬亜紀のイメージが・・・。それに気づいた大沢もクルマに積んであったウルルの絵を急いで病室へ。「どう生きるかだよ、廣瀬」といったあの場面がよみがえる谷田部。アキは、思わずソラノウタを口ずさむ。谷田部、手術を決意
(6+)マサミは谷田部の姿を見て、介護福祉の大切さを改めて認識、アキも改めて絵と言葉の力を実感。二人は、それぞれの道を頑張って歩いていこうと言って、再び別々の道へ・・・。

ラフスケッチ的に書きましたが、いかがでしょうか?yosiさんの着想+SATOさん案に、マサミとアキのさらなる飛躍をつけるという欲張った設定です(笑)

SATOさん、実は隠れマサミファンなんです(笑)
マサミ!今はつらいけど、頑張れ!
...2004/10/26(Tue) 23:23 ID:FjfAGj8E <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
朔五郎さん、私もそう思ってました。
説得は朔たち「かつての教え子組」と、大沢先生を中心とした「大沢先生&その仲間組(アキやマサミはこちらに入れる)」との二手に分かれてやればいいと思います。yosiさんには大沢先生組のアイデアをふくらませていただき、「かつての教え子組」についてはどなたか手を上げた方にお願いするのはいかがでしょうか?
...2004/10/26(Tue) 23:29 ID:dVXw8r/A    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
朔五郎さん、SATOさんのおっしゃるように朔が出てくると、これはもう最終兵器なみの威力があると思うのです。そうなると、大沢組の出番っていうのが必然的に消えてしまうような気がします。でも、大沢組は2の主役たちですし、どうしても絡ませてあげたい(笑)

すけ・智世・ぼうずの元教え子・地元組みと大沢組が同時並行的に説得をして、最終的に朔を呼ぶって言う流れはいかがですか?そのときは、狭い病室に人あふれかえる可能性がありますが・・・。朔を呼ぶのは、アキか元教え子・地元組みかのどちらでもいいとは思います。

後は、yosiさんのご判断ですね。
...2004/10/26(Tue) 23:39 ID:FjfAGj8E <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
ごろさんへ
朔については全く同じ思いです。朔が先に出てしまえば大沢組の出番はなくなってしまいますよね。仕事が忙しく、なかなか見舞いに来れなかったが、大沢組の説得が成功したと聞き「そうか、それは良かった。亜紀も喜ぶだろう」という流れでしょうかね?
...2004/10/27(Wed) 00:05 ID:G7innxo.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
ふむふむ、ごろさん、そうですね。

朔は普段は地元にいないので、地元に残った三人がまず説得するのがいいですね。
やはりこちらの主役は大沢組ですから、元教え子組の説得場面は極力押さえ、例えば、智世の口からアキに対して「説得してるんだけど・・・」などと語らせる方法もありますね。つまり、アキの視点から見れば、智世が説得に行っているらしいことは判りますが、実際の説得場面は見ておらず、聞いた話になっている、ということです。

yosiさんには発想どおり書いていただいて、元教え子も裏で説得工作をやっている、という説明を加えていただければいいと思いました。
...2004/10/27(Wed) 00:06 ID:O/sMkasA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:にわかマニア
 サクには説得役ではなく,大沢組と教え子組の説得の結果,手術を決断した先生がその条件として「サクに執刀して欲しい」という展開も浮かんだのですが,内科という設定だから無理ですかね。
...2004/10/27(Wed) 00:20 ID:pCbWj1wo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
話は変わりますが、朔五郎の予定を

札幌編があと3〜4回で、その後、シンジとユイのストーリーを1本予定しております。
高校を卒業し、開放感にひたるユイは自分を見失ってゆく。それを見て気が気でないシンジは、なんとかユイを救おうとする。後輩思いのヒデも加わって、ユイの救済が始まる・・・、という感じです。
これまで(朔五郎は)軟弱系?が多かったので(苦笑)、アツい青春ストーリーを目指します(笑)
...2004/10/27(Wed) 00:23 ID:G7innxo.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
Apo.さん、確かにマサミに対するケンの対応はやり過ぎかな、とも思いますが、ここは年齢の近いたかさんの感性に任せようと思っています。
それに続ける形でマサミを律子に引き合わせて再生させるつもりです。
ただ、このままだとケンの方は何も見えない状態になりかねないので、シンジ・ユイに荒療治をしてもらおうと考えています。この荒療治は私がやってみましょう。
...2004/10/27(Wed) 08:52 ID:TkT6N162    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
はーい、こんにちは。

まぁ、多少いじめですかね(汗

荒治療はSATO殿に任せますwマサミが壊れるのでそろそろ終わりにしますね

なんか、ヒデまで出てきちゃってますねぇ・・・すごいですよ。

久々にUP。

もうだめ・・・

ケンは、マサミにやつ当たる日々を繰り返していた。しかし、アキとユイが監視しだしてからケンは気付いたのか、あまりシビアなことはしなくなった。会話をしないだけ、と言った感じになっていた。

大沢先生「今日はこれで終わりだ。帰ってしっかり勉強するように」

学級委員「起立、礼」


ケン「・・・」

マサミ「・・・」

ユイ「あっちゃー、今日も喋んなかったか」

アキ「うん・・・なんか、辛そう・・・」

ユイ「ケンもケンよねぇ」

アキ「ケンちゃんは・・・そんなんじゃ・・・」

ユイ「アキは優しいね」

アキ「ケンちゃんだって何かあるんだから」
少し怒った感じだった

ユイ「ごめんごめん」


アキ「ケンちゃん、一緒に帰ろ」

ケン「ああ、いいよ」

帰り道


アキ「ケンちゃん」

ケン「何?」

アキ「最近何か思いつめてる?」

ケン「いや、別に」

アキ「・・・」

ケン「なんで?」

アキ「ほんとーに思いつめてない?」

ケン「ああ、大丈夫だよ」

アキ「・・・・・そっか、それならいいよ」

ケン「うん」

アキ「じゃ、ケンちゃんまた明日ね」

ケン「ああ、ばいばい」



ここから、荒治療に繋げてください。よろしくお願いします
...2004/10/27(Wed) 15:50 ID:Ok81GL1U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
綾瀬はるかちゃんの舞台挨拶(映画「雨鱒の川」)が見られるようですね。

↑家アイコンは今回はそのページへのリンクとなってます
...2004/10/27(Wed) 17:45 ID:oRcvcgnE <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
あー・・・はるかちゃんかわいいですね・・・・・

雨鱒の川見に行きますw今、決めましたよw
一樹役はなかなかアンケートも取れませんねぇ。悩みどころですね
...2004/10/27(Wed) 18:12 ID:Ok81GL1U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
↑家アイコンは綾瀬はるかちゃんの舞台挨拶映像ページリンクとなってます。

風邪気味で早々に帰宅して、いいものが見られて良かった(笑)

たかさん、一樹なんですが、年齢詐称疑惑発覚!なんです・・・。一樹って、もしかして、ケンやアキと同い年かな?ふむ〜どう思います?
...2004/10/27(Wed) 18:17 ID:oRcvcgnE <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
う〜ん・・・どうしましょう・・・困ったぞ・・・

同い年なら・・・ん〜他の方の意見も聞きましょうよ
...2004/10/27(Wed) 18:30 ID:Ok81GL1U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
サイトの更新作業をしようと、朔五郎さんの書かれた時系列を確認してたら・・・

1987年 廣瀬亜紀逝去
2001年 同時多発テロ発生 大沢17歳(帰国)
2004年 大林亜紀6歳 大木健三郎6歳
2016年 大林亜紀18歳 大木健三郎18歳 大沢32歳

となっておりました。2004年時点で一樹は確か6歳ですね・・・。なんか普通に年上と思ってましたが、同い年ですね。

ドラマの最終回を思い出すと、智世は学校へいく子供(アキ)に向かって叫んでましたね。ふむー、そうするとアキたちの生まれた年を後へズラす(例えば、2010年など)っていう手も使えません。
やはり、一樹に関しては、書き直すしかないですね。これは・・・。
...2004/10/27(Wed) 18:52 ID:oRcvcgnE <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
ごろさんへ
一樹の年齢について
他のドラマでも、続編を創るときは便宜上若干の設定変更をすることがありますので、このくらいは許容範囲かとも思いますが・・・。
...2004/10/27(Wed) 19:18 ID:ZaF3A5rU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
こんばんわ!
今日はへとへとになりました。延べ、20kmは歩いたかな?
まだ会社なんですよ(^^;
そろそろ帰りますが・・・今日はそのまま寝てしまいそうなので
今アップしておきます

私がマサミを考えなかったのは単に卒業して東京に
行ってしまっていると考えたからなんですよ
確かにマサミの再登場は良いかもしれませんね

>朔五郎さん
私も最初のアップ後考えて何とか助ける方向で考えていたんです

>ごろさん・SATOさん
SATOさんごろさん案で行きたいと思います
(110、113、116)で話を練り直しますね

しかし皆さんの発想は素晴らしいですね
それでは大沢先生組の方を考えて行きます
かつての教え子の方はどなたかお願いします
...2004/10/27(Wed) 20:52 ID:Gsa85HN2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
そうです、そうです、ごろさん、固いことは考えっこなしですよ。このままどーん!と行きましょう。

さて、それでは、予告していたシンジ&ユイによるケン荒療治編です。たかさんの125の直後の出来事で、私が書いた69(律子とマサミその1)と同時進行です。


(放課後)

アキと別れたユイが帰ってくる。

シンジ「おい、ちょっと、ユイ」
ユイ「おう、なんだよ?」
シンジ「ちょっと付合ってくれ」

二人は「たこ焼きパパさん」にやって来ました。
コーラを飲みながらたこ焼きをパクツク二人。

シンジ「おい、何か変だと思わないか?」
ユイ「変って?」
シンジ「ほら、ケンとマサミだよ。あいつら最近口きいてないだろ。」
ユイ「あんたもそう思った?あたしも変だってさっきアキと話したところ。マサミ、元気ないよね。」
シンジ「何かさ、マサミは普通に話しかけてるのに、ケンがシカトしてるみたいなんだよな。」
ユイ「何で?あの駆け落ち騒ぎのことがまだ尾を引いてるのかな?」
シンジ「いや、それはわからんよ」
ユイ「でも、やだな、せっかく仲間になれたと思ったのに、気まずくなってきて・・・そんなの絶対やだ!!」
シンジ「そうだような。何かヤーな感じだよな。」

話が暗くなってきて、しばし無言でタコ焼きをパクツク二人。食べ終わって帰り道につく。

シンジ「よし、ここはケンを問いただそう。ユイ、呼び出してくれ」
ユイ「オーケー!(ケンの携帯を呼び出す)あっ、ケン?あたし。ちょっと話があるんだ、シンジと一緒なんだけど・・・(シンジを見る)」
シンジ「防波堤」
ユイ「それでさ、防波堤まで来てくれない?」

(防波堤)

シンジとユイが待っている。
ケンがやって来た。着替えて私服姿である。

ケン「悪いな、待たせて・・・」

ケンはシンジがいつもと違って真剣な表情をしているのに驚く。

ケン「で、話って?」
シンジ「ちょっと、聞きたいことがあるんだ。お前とマサミ、どうなってるんだ?」
ケン「どうなってるって、別になんにもないけど・・・」
シンジ「そんなわけないだろ?お前が意識的にマサミを避けてるんじゃないか?避けてるっていうよりシカトしてるみたいなんだけどな?」
ケン「それは・・・あいつがウロチョロ付きまとってくるのがうるさいから・・」

ボコ!!シンジのパンチがケンの顔を直撃!ケンはもんどり打って倒れた。シンジはケンの上に馬乗りになり、胸倉を掴む。

ユイ「ちょっと、シンジ!!(止めに入る)」
シンジ「お前は黙ってろ!」

シンジ「(ケンに向かって)オイ!!お前、マサミの気持ち考えたことあるのかよ!・・・お前らが駆け落ちした次の日、止められなかったって泣いてたんだぞ!一人で責任しょい込んで、もしものことがあったらどうしようって心配してたんだぞ!それをお前って奴は・・・アキさえいればそれでいいのかよ!他の奴はどうなってもいいっていうのかよ!お前はそんなジコチューな奴だったのかよ!!目を覚ませ!!(ケンの胸倉をつかんだまま揺さぶる。半泣き状態)」
ケン「・・・・・」
シンジ「俺たちは仲間だろう?何でこんなヤナ雰囲気にするんだよ!!」
ユイ「アキもマサミのこと、心配してたわ。ケンがマサミに意地悪してるって知ったら、アキはどう思うかな?」
シンジ「そうだよ、アキだっていい気持ちしないと思うぜ」
ケン「・・・・マサミが俺を見る顔が暗いんだ、まだ、俺とアキの邪魔をしようとしてるのかと思って・・・」
ユイ「考えすぎだよ、アキはそんなこと全然思ってないよ。マサミだってこれ以上あんた達を引っかき回そうなんて考えてないと思うよ。」
シンジ「ちょと頭冷やせよ。(普通の状態に戻っている。さっきの物凄いケンマクがウソのよう)俺たちは仲間じゃないか。困ったり悩んでることがあったら先に言えよ。マサミとのことなんかさ・・・」
ユイ「アキには隠しごとしない方がいいよ。正直に話しちゃいな。その方がすっきりするよ」
ケン「アキ、怒るかな?」
シンジ「そんなの俺の知ったことじゃないぜ。お前らの愛の深さがきめるんじゃないのかい?ハハハ・・・(笑う)」
ユイ・ケンも笑顔を見せる。

シンジ「ユイ、ちょっと買い物に付合ってくれよ」
ユイ「買い物って?」
シンジ「アキの店行って赤チンや湿布薬を買うのさ。このままの顔でケンを帰したら可愛そうだからな。行こうぜ!」
ユイ「ちょっと待っててね」

シンジとユイが立ち去る。

あとに残されたケン。
今度はシンジに殴られた。しかし殴られた場所にどういうわけか温もりを感じているケンでした。

・・・・ということでシンジとユイの荒療治は終わりました。
...2004/10/27(Wed) 21:26 ID:JtWI/uXs    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
一樹については、皆さんのお言葉に甘えることにします。お手数をおかけして申し訳ありません。あまり考えもせず一樹は二人より年上って思っていました。不思議ですね。

Apo.さん、役場の一室、すごくリアルですね。これが取材の威力なんですね。どこかで使いたいです。また、智世とアキの出会いのシーンも智世の回想シーンってかんじで使えそうですね。

yosiさん、お仕事お疲れ様です。書き手のyosiが不在の間に、あれこれとかってなことばかり言わせていただいて恐縮です。でも、yosiさんの手がけた谷田部→アキっていう場面は重要なシーンとなりそうな気がしました。
「元教え子・地元組説得編」は、ぼくがやってみてよろしいでしょうか?
...2004/10/27(Wed) 23:27 ID:oRcvcgnE <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
SATO殿、治療ご苦労さまです。
続きは少し私が書きましょう。ようやくテストも終わりますので全力投球でUPしていきますのでよろしくお願いします
...2004/10/28(Thu) 12:18 ID:nMlsWNok    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
Apo.さん、朔が宮浦大学の教授として迎えられ付属病院で勤めるっていう設定はいいと思いますね。朔はいずれは故郷へ帰ってくるだろうなって思っていました。
 東京の警官っていましたね。うーむ、どの場面だっけ。確か、たかさんかSATOさんの案だったと思うのですが、よく考えぬままコピペしました。漠然と「助けて!」でケンたちを救う人かなと思ってましたが違いますかね?>たかさん&SATOさん。
...2004/10/28(Thu) 18:08 ID:cFzmcplY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
私はそうだと思うんですが・・・ショムニのような少しヒョロい感じで、でも頼りになるといった感じで。SATO殿、いかがでしょうか?
...2004/10/28(Thu) 19:08 ID:nMlsWNok    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
134のSATO殿の続きを書かせていただきますよ。SATO殿、すみません。

上田薬局から少し歩いたところにある公園・・・買い物した後、シンジとユイだけが向かう予定だったが、やはりアキもついてきた

ケン「あいつつつつ・・・」

アキ「ケンちゃん、動いちゃダメ」

ケン「ったく、あんだけ強く殴らなくたって」

シンジ「神の鉄槌だ」

ケン「まったく、あいてててて」

アキ「ほら、できた」

シンジ「バンソコも似合ってるぜ、大将」

ユイ「いかにも、勲章みたいな感じでいいんじゃない」

ケン「何が勲章だか」

アキ「ケンちゃん、かっこいいよ」アキが真っ直ぐな瞳でケンを見て言った

シンジ「それじゃあ、俺たちは」

ユイ「ケン、ちゃんと話すのよ」

ケン「分かってる」

シンジ「じゃな」

ケン「おう」

アキ「なんなの?話すって?」

ケン「アキ、ごめん」

ケン「俺、隠してたことがあって・・・」

続きます
...2004/10/28(Thu) 19:26 ID:nMlsWNok    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
たかさん、荒療治の続きよろしくお願いします。
ここはケンに意地悪させたあなたに責任とってもらいますよ(笑)

それからですね、東京の警官ですが、私の「助けて!」でケンたちを襲った不良グループを追い払った人物のことでしょうか?一応解説しますと、あの人物は「ガーディアンエンジェル」という実在する自警団をモデルにしています。(東京の繁華街を警備しているグループで、何度かテレビ番組で取り上げられました)私が想定した登場シーンはここのみなんですけど・・・・
うーん、沢村氏はどうしましょうかね?例えば、ごろさん、Apo.さんの構想にある、ショッピングセンターのプロジェクトメンバーに抜擢すれば今後出番が増えると思いますけど。
...2004/10/28(Thu) 20:36 ID:ZIvjwnXo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
SATOさん・ごろさん・たかさん・Apoさん

いろいろありがとうございます

今日は現場を歩きながらいろいろと設定を考えてみました
SATOさん・ごろさんマサミの登場を少し早めてみました

1 谷田部先生入院
2 律子・マサミが大沢の代理でお見舞い
  (マサミは夏休みの帰省中と言う事で)
3 検査の結果癌が分かるが谷田部先生は手術をためらう
4 元教え子の説得(ごろさんお願いします)
5 マサミ・アキ・ケン達が説得
6 116のごろさんのスケッチブック
7 谷田部先生の決心
8 その姿を見てアキ・マサミが新たなやる気を出す
9 朔の登場・・

いかがでしょうか?

ただ今日一日考えていたのですが3で何故谷田部先生
が手術をためらうのかが、いまいち納得いかないのですよ
医療過誤だとなんか朔太郎を否定している様に感じますし・・・
オリジナルでの谷田部先生はさばさばした性格の様に
思うんです
明日も良い案が無いか考えてみます
...2004/10/28(Thu) 21:09 ID:VylOx6lM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさん、そうですね、手術すれば助かるといえば普通は躊躇うことなく手術を受けますよね。
それなら、これならいかが?
早期発見だが、場所が難しい部分なので、手術を失敗する危険性も大きい。谷田部先生の年齢(このころだと65歳くらい?)からすると、危険な手術を受けて万一のことがあるくらいなら、残りの人生を有意義に過ごしたい、と天秤に掛けて躊躇する、というのはどうでしょう?

Apo.さん、とりあえず、沢村氏のことは意識せずに話を作っていきましょうよ。そのうちいい役が見つかるかもしれませんよ。(先に出演者ありきだと話が作りにくくなると思いますので)
...2004/10/28(Thu) 21:25 ID:ZIvjwnXo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
Apo.さん
 あの配役表は、過去ログから、みなさんが出したものをピックアップしてまとめたものです。だから、ぼく自身、警官もいつか出てくるだろうなってかんじで軽く考えてました。ですから、SATOさんもおっしゃったように、あまり気を使わずにお気軽にお考え下さい。

yosiさん
 ストーリーの構築お疲れ様です。確かに、SATOさん案も納得のいく理由付けだと思います。もう一つの案としては、精神的な面から考えるというのもありだと思います。燃え尽き症候群みたいなかんじです。谷田部先生の性格として、常に生徒のことを考え頑張ってきたはずです。それで気がついたときは、自分ひとりぼっちで、医者からもガンと言われてしまう。まだ早期だから手術をすれば十分回復の可能性があると言われても、なんだかどうでも良くなったっていうかんじです。病気になったのも運命と考え、そのまま受け入れようという方に流される。
 SATOさん案にプラスアルファとしても十分説得力がでるかなと思いますが、いかがでしょう? 
...2004/10/28(Thu) 21:47 ID:cFzmcplY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
さすがSATOさん・ごろさん
お二人の案を元に明日は考えてみますね

明日は現場を歩きならがまた楽しみが出来ました

>Apoさん
実は私も今日の月を見ながら運転していましたよ
なんか引き込まれそうなほど綺麗な月でしたね
思わず亜紀と朔を思いしていました
...2004/10/28(Thu) 21:53 ID:VylOx6lM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
2-104の続きです

札幌編(その4)

龍之介が仕事を終え帰ってきたのは夜8時過ぎだった。すでに夕食の支度を終えて、夫の帰りを待っていた優子は、ケンに声をかけた。
「健三郎、ご飯にするから、お皿運ぶの手伝ってちょうだい」
「あ、今行くよ」
「おい、この刺身、美味そうだな」
「ああ、それね、健三郎が三枚におろしてくれたの。やっぱりあなたの息子だわ」
ケンが二階から降りてきて、茶碗などを運び、父のためにビールを出してきた。
「ああ、すまんな。前期テストはどうだ?」
「うん、あと二科目で終わり」
「そうか、頑張れよ」
「あ、あの、テストが終わって休みに入ったら、札幌に行って来たいんだけど・・・」
「ちょっと、健三郎、札幌って・・・」
優子が心配そうな顔をする。
「先輩の実家が札幌にあって、遊びに来いって言ってくれたんだ」
ケンの顔をチラリと見て龍之介は言う。
「まあ、いいだろう。もう大学生だしな」
「あなた・・・。健三郎、まさかアキちゃんと一緒じゃないわよね」
「ちがうよ」
「もう、あんまり言いたくはないんだけど・・・。ショッピングセンターの計画のこともあるし、これ以上、人様の噂になるようなことは・・・」
「そんなんじゃないよ」
「なら、いいけど・・・」
龍之介が口を開いた。
「お前さん、金は持ってるのかい?アキちゃんの勉強見ててバイトもしてないんだろ?」
「うん、先輩が、招待だから航空券もくれるって・・・」
「そりゃ、だめだ」
龍之介は、バッグを引き寄せ、財布から一万円札を十枚ほど出すと、ケンの前に置いた。
「自分の分は自分で払え。その金はくれてやるわけじゃない。出世払いだ。あとで給料からさっ引く」
「あ、あなた・・・」
ケンの顔をじっと見ながら龍之介が言った。
「なにをやらかそうとしてるか知らんが、アキちゃんを裏切るようなことをしたら、わかってるな、お前さん」
「う、うん」

二日後、テストの最終日。最後の科目が終わると、サユリが近寄って来た。
「大木君、これ航空券。あさっての朝の便。あの、ご両親は、許してくださったの?」
「うん、行ってもいいって。でも、自分の分は自分で払えって言われた。じゃ、これ、払っとくね」
「無理して行ってもらうのに、悪いわ」
「オレも行ってみたかったから。・・・あれ、スケッチブック?」
「うん、芝生のところにアジサイが咲いていたから。ピンクのアジサイって珍しいから、テストが終わったら描こうと思ってたの」
元々、なんとなくアキに似ているうえに、スケッチブックまで持っていると、ドキリとしてしまう。
「ちょっと、見せてもらっていい?」
「うん」
「小学生の頃は、祐平さんといっしょに描いたの?」
「うん」
「あ、これはハマナスの花だね」
「そう、サルルにはいっぱい咲いているの」
「へえ、サユリ、上手いね」
しばらく観た後、ケンはスケッチブックをサユリに返した。
「大木君、それじゃ、あさっての朝、空港で待ってる。よろしくお願いします」
「うん、わかった」 

その日の午後、ケンはアキの部屋に来ていた。
「アキ、これが最後の問題」
「下線部を英訳せよ、か。えー、むずかしい・・・、これでいいの?」
「I love you, Saku-chan. OK、正解」
「やっぱり、ケンちゃんはすごいね」
智世が持ってきてくれた、せんべいをかじりながら、他愛のない話をした後、ケンが言った。
「・・・それじゃ、悪いけど次は一回休むから」
アキはたちまち淋しそうな顔になった。上目がちにケンを見ながら、アキが言う。
「シンジ君に聞いたの。一緒に行くの、女の子なんだって?」
「アキ、カマかけたって無駄だよ。シンジがそんなこと言うはずがない」
「バレたか」
でも、ウソつくなら最後までつきとおしてね、アキはつぶやいた。

出発の日、宮浦には霧雨が降っていた。朝もやの中、始発電車のヘッドライトが近づいて来て、静かに停まった。ドアが開き、ケンが乗り込むとすぐに動き始めた。
・・・あの日はふたりで電車に乗った。マサミが止めるのを振り切って。
小さな踏切の警報音に窓の外を見ると、赤い傘をさしたアキが立っているのが見えた。

(続く)
...2004/10/29(Fri) 02:26 ID:nTxihdgI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
140の続きを・・・
2人は防波堤へ移動

アキ「ケンちゃんの言いたいこと・・・なんとなく分かる」

ケン「なんで?」

アキ「顔に出てるよ」

ケン「・・・・」

アキ「マサミのことでしょ、バカな私でもわかるよ、ケンちゃん」

ケン「・・・・」

アキ「ちょっと前から、気付いてたよ」

ケン「ケンちゃんて、こんなんだったんだって」

ケン「・・・・・」

アキ「さ、ケンちゃん、全部話して」

ケン「謹慎中にあいつ、ノート持ってきた」

ケン「俺は何故だか腹が立った」

ケン「何故だろうか・・・」


ケン「あいつは・・・また俺らを引っかきまわしたりするんじゃないかって」

ケン「けど、あいつは、俺たちが出発した翌日、俺たちのために泣いてくれて、心配してくれて・・・」目に涙をうかべた

ケン「それなのに・・・俺は・・・あいつを・・・避けて・・・遠ざけて・・・かかわりたくないとも思った・・・」

アキ「ケンちゃん・・・」

ケン「俺は・・・アキがいれば・・・それでよかったんだ・・・」完全に泣き出した・・・

ケン「アキがいれば・・・世の中完璧だって思って・・・周りが見えなくなって・・・」

アキ「ケンちゃん・・・」

ケン「結果・・・あいつをひどく傷つけて・・・・・俺は・・・」

ケンはアキに土下座した

ケン「アキ・・・ごめん・・・」

アキ「ケンちゃん、止めて・・・」

ケン「マサミにも・・・ちゃんと頭を下げる」

アキ「ケンちゃん・・・」アキはケンのそばで大きく両手を広げた・・・

ケン「・・・・」

アキ「ケンちゃん」ケンはアキの両手に包まれた

ケン「アキ・・・」

アキ「こうやって・・・私が抱きしめるのは初めて・・・」

ケン「アキ・・・・アキ・・・・」もう何を言ってるか聞き取れないくらいボロ泣きのケン

アキ「ケンちゃんは偉い」

ケン「えらく・・・なんか・・・ないよ」

アキ「ケンちゃん・・・・大好き」

ケン「アキ・・・」

アキ「ケンちゃん・・・」一通り泣いた後、なみだを拭い

ケン「あーみっともねぇ」

アキ「みっともなくないよ」

ケン「ありがとう、アキ」

アキ「ちゃんと、マサミにも謝って和解するんだよ」

ケン「分かってる」

アキ「良かった、あ、もうこんな時間。帰らなきゃ」

ケン「悪かったな、時間とって」

アキ「全然、じゃね」

ケン「バイバイ」

と、ケンは反省いたしましたwごめんなさい、アキがケンを抱くシーンは、お分かりかと思いますが、ドラマからいただきました。ドラマ制作者の皆様すみません
...2004/10/29(Fri) 19:03 ID:k6zjvap2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
たかさん、ちゃんと責任とってくれましたね(笑)

ドラマからもらうのは私も一緒ですよ。
シンジがケンを殴ったのも最終回をヒントにしました。
例の「助けてください」にいたっては言わなくてもおわかりでしょ?
...2004/10/29(Fri) 21:28 ID:qC9nrf/2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
そうでしたねぇ、最近気付いたのですが、ユイ、シンジは付き合ってたんですね・・・知りませんでしたすみません。後は、マサミと雪解けのみです。頑張りまーす
...2004/10/29(Fri) 21:36 ID:k6zjvap2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
皆さんのおかげで<アキと谷田部先生>の構想がまとまりましたので少しずつですがアップしてゆきますね。
昨日の設定とは少し違いかもしれませんが・・・(^^;)

<アキと谷田部先生>
1(入 院1)

宮浦駅に各駅停車の電車が入って来た。
開いたドアからショートカットの可愛い女性が降り立った。(女性と言うよりはまだ
少女と言っていいかもしれない・・)
長旅の疲れを吹き飛ばす様に伸びをして、大きく息を吸い込んだ。
「やっぱり宮浦の空気は美味しいなぁ」
爽やかな初夏の風が潮の香りを運んで来る。
「明日は日曜だから律子さんに連絡して『涼風ホーム』に一緒に行こうかな?
 新作の手品も覚えたし・・・」
笑顔の中に愛くるしい瞳を輝かせたのは東京の大学に合格したマサミだった。


アキは模試の結果を達明に見せていた。
「どれどれ・・・私立聖マリア学園大学薬学部はABか・・・県立宮浦は・・・
 BCか・・・4月に比べるとだいぶ良くなったな。よく頑張ったな、アキ」
総合順位も偏差値も4月の模試に比べると大きな躍進をしていた。
「うん、ケンちゃん教えるの上手だから」
「問題は歴史と・・国語か・・・特に悪いのは古文だな」
「ケンちゃん理数系は得意だけど国語はいまいちみたいなんだ」
「そうなんだ・・・」


「いらっしゃいまで、どんなお薬をお探しですか?」
買い物帰りの主婦らしき人がお店に入って来たので達明はお客さんの相手を始めた。
そこに大林家の電話が鳴る。ルゥルゥルゥ・・・
「はい!大林薬局でございます。」
「お!その声はアキだな、元気にしているか?」
「あ!大沢先生!お久しぶりです!もちろん元気ですよ!」
アキは明るい答えた。
「そうか!明日の日曜は昼から夕方まであいているかな?」
「はい、私は浪人生なので時間は自由ですよ」
「そうだったな、その浪人に頼んで悪いけど律子と一緒に私の代理で谷田部先生の
 お見舞いに行って欲しいんだ」
「それは構いませんが・・・何で私が・・・」
「私は明日の朝早くから研修でヨーロッパに行く事になっているんだ。アキも知って
 いる通り律子はもの凄い方向音痴だろ?出来ればケンも誘って3人で行ってくれる
 と有難いんだけど・・・確か大木はこの春、免許を取っただろ?」
「そうみたいです・・・」
力無く答えるアキ。
「私の車を使っていいから・・・」
「でもまだ私はケンちゃんには一度も乗せてもらっていないんですよ・・・」
「それは仕方ないだろ、アキは浪人中だからドライブをしている暇は無いはずだよ」
「やはりそうですよね・・・でも寂しいなぁ・・・ それで先生、谷田部先生は
 何の病気で入院されているのですか?」
「いや詳しい事は知らないだ・・・検査入院と聞いているだが・・・」
「そうなんですか?・・・悪い病気じゃないといいですけど・・・」
「私も、検査の結果が良いことを願っているだよ」
「ねえ先生!話は変わりますけ・・・私とケンちゃんはいつもワンセットなんですか?」
「ん!あれ?違うのかな?」
「ひっどい〜!そんな事無いですよ!それに父と約束して大学に合格するまでは
 ケンちゃんとは図書館か私の家でしか会わない様にしているんです」
「そうか・・・それなら今回の件は私からお父さんに話そうか?」
「いえ、今、父は接客中なので終わってから私から話します」
「そうかそれじゃ後で、電話でで結果を知らせてくれ!」
「はい!分かりました。先生ちゃんと電話しますね」
アキの答えを聞いてアキの成長を大沢は感じていた。

お客さんが帰ったあとで。
「お父さんさっきの電話、大沢先生からだったんだ」
「ん!そうか、大沢先生は何だって?」
「明日の日曜なんだけどね、大沢先生、朝から研修でヨーロッパに行ってしまうから
 昼から大沢先生の奥さんと一緒に谷田部先生のお見舞いに行って欲しいって・・・
 それでケンちゃんも一緒にって・・・」
「そうか・・・谷田部先生の入院は・・・どうなんだい?」
「今回の入院は検査入院だって先生は言っていたけど・・・やっぱりケンちゃん
 と一緒じゃまずいよね・・」
肩を落とすアキ。
「何で大沢先生は健三郎君を?」
「ケンちゃん3月に車の免許取ったから大沢先生の車で律子さんと一緒に行って
 欲しいんだって」
「そうか・・・今回は行って来なさい。」
「え!お父さん、ケンと一緒に行っていいの?」
「今回のは大沢先生の代理だし、健三郎君のおかげでアキの成績も上がっているからね。
 智世には私から言っておくから・・・安心して行きなさい!」
「お父さん!ありがとう」



今日は仕事をしながら、谷田部先生の事が解決したので、いろんなシーンが浮かんで
書き留めるのが大変でしたよ(^^;)

一緒にお見舞いに行くまで書きたかったですが、明日も5時半起きなのでここ力つきました
...2004/10/29(Fri) 22:59 ID:4mnfCiXI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
物すごい勢いでレスが増えてますね。
ついこの間パート2が立ち上がったと思ったらもう150を超えている・・・
ここもあっという間に300レスになって更にパート3、ということでしょうか。
...2004/10/30(Sat) 12:04 ID:bK1fNfnc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
現時点で印刷すると、101枚にも及びます。

いや、尋常ではないですね、このスピードは。
...2004/10/30(Sat) 12:10 ID:z2RRGqCQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
うかうかしてると、忘れ去れそうですね。
2-40の続きです。

智世は2階の寝室へ駆け込んだ。部屋の電気をつけると、見慣れた部屋の様子が目に映った。
一面の壁に並べられたタンスや鏡台、本棚、そして、小さな座卓、それだけの部屋だった。寝室とは名ばかりで夫婦で使っている部屋だった。
智世は、座卓の前に座り込んだ。
「何がいけないのよ・・・。私は、今の生活さえ出来ればいいだけなのに・・・。・・・亜紀・・・、私、間違ってないわよね・・・」
智世は、思い出したかのように本棚からアルバムを取り出した。1枚1枚、アルバムのページをめくっていく。そのたびに、智世の顔に笑みが浮かんだり、眉をひそめたりと、その表情が変わった。1枚の写真の上で智世の手が止まった。亜紀のウェディングドレスの写真・・・。
「ねぇ、亜紀、あなたが一番幸せなのかもしれないね・・・」
智世はいとおしそうに、写真の亜紀の顔を撫でた。

「お母さん、入っていい?」
智世が顔を上げると、襖が少しだけ開けられアキが顔を覗かせていた。
「いいわよ、なにかしら?」
アキは智世の横に座ると、申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさい。私のせいでお父さんと喧嘩したんでしょ?」
「ああ・・・、違うわよ。あなたのことじゃないわ。」
「えっ!そうなの?よかったー」
アキの顔から不安そうな表情が消えた。
「でも、少しはアキにも原因はあるからね」
アキの顔が少し曇った。
「少しってどれくらい?」
「どれくらいって言われてもね・・・これくらいかな」
智世は両手を大きく広げた。
「えーっ、そんなに!うそ!」
「うふふ、これくらいかな」
智世は、右手の親指と人差し指をわずかに広げた。
「もー、やだー。」
アキの頬が膨らんだ。智世は追い討ちをかけるように言った。
「でも、さっきお父さんが言ったことは忘れないでちょうだい。け・じ・め、よ!」
「はーい・・・。あっ、亜紀さんだ!」
アキは座卓の上に広げられているアルバムの写真に気がついた。
「亜紀さんって、ほんと綺麗ね・・・。幸せそう・・・。あっ、もちろん、お母さんも可愛いよ!二人とも男の子がほっておかなかったでしょ!」
「そんなこと言っても何も出ないわよ。」
智世は人差し指で、アキのおでこを軽くはじいた。アキはわずかに可愛らしい舌をのぞかせた。
「でも、この写真の亜紀って、本当に幸せそうね・・・。」
アキも頷きながら言った。
「うん、やっぱりウェディングドレスを着て好きな人と並べられるなんてステキね。ね、お母さん。お母さんは、なんでお父さんと結婚したの?」
智世は、アキの問いに答えを探すかのようにアルバムをめくった。
「うーん、そうね。・・・大事にしてくれそうだったからかな・・・」
「お母さんは、ケンちゃんのお父さんと付き合ってたことあるんでしょう?ケンちゃんのお父さんは、ダメだったの?」
「ダメとか、そういうものじゃないわ。女ってね、好きな人と一緒になるのが一番幸せかもしれないわ。でも、愛してくれる人と一緒になることも幸せなのよ。」
アキはあきれたように言った。
「もー、それって、のろけてるわけ?」
「そんなんじゃないわよ。アキが急に変なこと聞くからよ。」
「もー照れちゃって!正直に言いなさい!お父さんから愛されてるって」
「なにバカなこと言ってるの!」
「あははっ。・・・でも、お互いが好きなら、それが一番ってことね。」
アキの言葉に、智世は再びアルバムに目をやった。龍之介が微笑んでいた。
「そりゃそうよ。でも、そう単純なものでもないわ・・・。アキにはまだ分からないかもしれないな・・・」
「ふーん、でもね、私、お父さんとお母さんの子で良かったよ!」
無邪気に笑うアキを見て、智世はアキを抱きしめたくなった。抱きしめて、思いっきり泣きたくなった。しかし、口から出た言葉は全く違うものだった。
「さあ、アキ。宿題は終わったの?休んだ分、取り返すのは大変だからね。」
「はーい」
アキは、自分の部屋へと引き上げていった。智世は、アルバムを閉じて本棚に戻した。
...2004/10/30(Sat) 14:07 ID:1fPK3pBQ <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
148の続きで
翌日の学校で・・

ケン「アキ、あの・・・・」

アキ「ん?何?」

ケン「マサミを、呼んどいてくれないかな」

アキ「えーそこも自分でやらなきゃ」

ケン「頼むよ」

アキ(ため息まじりに)「どこへ?」

ケン「5時に防波堤」

アキ「はいはい」

ケン「頼むよ」

アキ「分かってますよ」

昼休み

アキ「マサミ、今日の5時に防波堤に来てくれない?」

マサミ「いいけど、なんで?」

アキ「だーいじなお話があるから」

マサミ「わかった、5時だね」

アキ「待ってるよ」アキはケンに向かって親指を立てた。ケンの目は、「サンキュー」と言っていた

そして、運命の5時・・・

ケンがたたずんでいるところに・・・

マサミ「あれ?おかしいな」マサミの声がするとケンが振り向いた

ケン「待ってたよ」

マサミ「へ?あれ?」マサミは状況が飲み込めない

ケン「話があるんだけど、いい?」

マサミ「え・・・あ・・・うん・・・」
マサミはケンから少し離れこしかけた

ケン「マサミ・・・ごめん」ケンは唐突に土下座した

マサミ「え、ちょ、大木君・・・やめて」

ケン「ごめん・・・俺はお前を・・・」

マサミ「お願いだから頭を上げて・・・」

ケン「俺は・・・お前を信じれなかったんだ」

マサミ「大木君・・・」

ケン「俺は・・・またお前が俺らをひっかきまわすと思った・・・」

マサミ「・・・・」

ケン「だけど・・・シンジと、ユイから聞いた・・・」

マサミ「・・・」

ケン「お前は・・・俺たちを一番心配してくれて・・・一人で抱え込んで・・・」

マサミ「・・・・」マサミは泣いていた

ケン「お前は、謹慎中ノート持ってきてくれて・・・」

マサミ「・・・」

ケン「俺は、こんなもんいらないと思った・・・授業くらいわかる・・・と思って」

マサミ「ごめん・・・」

ケン「お前が謝ることなんてない・・・すべては俺のジコチューで・・・」

マサミ「大木君・・」

ケン「俺はさ、アキがいればいいって思ってた」

ケン「それだけで世界は出来てるって思って・・・周りが見えなくなって・・・お前をひどく傷つけてしまって・・・・」

マサミ「大木君・・・私・・・」

ケン「ホントごめん・・・」

マサミ「ううん、いいの」

ケン「ごめん」

マサミ「私、社会の年号とか覚えるの得意だけど、1分前のことはわすれちゃう」

ケン「マサミ・・・」

マサミは立ち上がり、海に向かい叫んだ

マサミ「大木君の、バカヤロォォォ」

ケン「なんだよいきなり」

マサミ「はーすっきりした」

ケン「ごめんな、ホントに」

マサミ「はい、もう謝らない」

ケン「マサミ・・・」

マサミ「さ、帰るぞ」

ケン「あ、ああ」

マサミ「しゅっぱーつ」ケンの鞄をとって走り出した

ケン「あ、おいこらマサミ、待て」

マサミ「あはははは、追いついてみやがれ」

ケン「くそ、あいつ」

マサミは以前のように、小憎らしい笑顔を作った・・・


...2004/10/30(Sat) 22:57 ID:z2RRGqCQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
皆さん今日は。
いやー、間もなく引越しするので、その準備でバタバタ(汗・・・)
作品は考え中ではありますが、書き込み出来るかちょっと自信ありません。
どうか、私もお忘れなく。
...2004/10/31(Sun) 14:17 ID:5xb.AQTU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
2-147の続きです

札幌編(その5)

水色に澄み渡った空に、光が溢れている。歌壇には、色とりどりの花が咲き、噴水の水しぶきに虹ができる。芝生では家族連れや恋人たちが思い思いに過ごしている。
「大通公園かあ、テレビではよく観るけど、来るのは初めてだよ。ハトがいっぱいいるね」
クスリと笑ってサユリが言う。
「大木君、ここのハトは凶暴だから気をつけたほうがいいわよ」
小さな男の子が、手に持った袋からお菓子を撒いている。男の子の足元にはハトが集まってくる。最初はおとなしくエサを拾っていたハトが、まるで仲間に目配せするように首を傾げ、次の瞬間男の子の手元の袋めがけて飛びついた。
ビックリした男の子が落とした袋めがけて、無数のハトが殺到する。可哀想な男の子は母親にしがみついてワアワア泣いている。
「とても、平和の使者には思えないよな・・・」
「そうでしょう?」

「ああ、あそこで、みんな写真を撮ってるね。あれは・・・」
「あれが時計台よ」
「え、なにかイメージ違うなあ。だってビルの間に埋もれてるじゃない」
「そう。みんなそう言うわ。もっと広々したところにあると思ったって。でもね、冬の朝、澄んだ空気を通して、カン、カンって鐘の音が響くと、ああ、札幌にいるなあって思うわよ」
「ふうん」
「それから、雪の降る夜に、この時計台の前で午前零時の鐘の音を聞きながら、彼女にプロポーズすると、必ず思いがかなうとか」
「ほんとに?」
「大木君も、いつか彼女、アキさんていったっけ、アキさんといっしょに来られたらいいね」
アキの名前を聞いたケンはふとあることを思いついた。
「サユリ、写真撮ってくれる?」
ケンは自分の携帯電話をサユリに渡し、そこにいた観光客に声をかけた。
「あの、すみません、写真に入ってもらいたいんですけど・・・」
声をかけられた男は、ケンとサユリの写真を撮るものと思い、言った。
「いいですよ、じゃそこに並んで」
「あ、いえ、違うんです。ぼくと肩を組んで、あなたが写って欲しいんです」
男は薄気味悪そうな顔をして言った。
「え、なに、もしかして、いや、オレ、そういう趣味はないんだけど・・・」
「あ、そういうんじゃなくて・・・」
「ま、まあいいや、これでいいの?」
「あ、はい。ありがとうございます。サユリ、早く写して」
「う、うん、はい撮れました」
「あ、すみません、ありがとうございました」
男は、連れの女性とヒソヒソ話しながら、逃げるように立ち去って行った。
不審そうな顔をして、携帯をケンに返しながらサユリが言う。
「ねえ、これでいいの?」
「どれ、よし、これでいい」
ケンはその画像を添付して、アキにメールを送った。
「いや、実はアキに、札幌に先輩の実家があるって言ってきたもんだから、これがその先輩だよって・・・」
「もしかして、アリバイ工作?」
「うん」
「・・・ごめんね、私、こんなこと言える立場じゃないってわかってるけど、それってもしかして逆効果かも」
「えっ・・・」
「女の子って、そういうことには、すごく勘が働くのよ。ちょっとでも不自然なことがあると、すぐに見破ってしまうわ」
「どうしよう、もう送っちゃった・・・」
鈍いのねえ、サユリは思わず苦笑いした。

部屋の窓から、梅雨空を見上げてアキがつぶやく。
「うっとうしい・・・」
アキは店に降りて行った。智世が処方箋を見ながら粉薬を量っている。
「ねえ、お母さん。今日もうっとうしい空だね。なんか、気が滅入っちゃう。はあ、世界で一番青い空が見てみたいわ」
「なに、言ってる・・・」
途中まで言いかけた智世は、次の瞬間、ハッと息を呑んだ。
「世界で一番青い空、?」
愕然として、思わず持っていた乳鉢を床に落としてしまった。乳鉢が粉々に砕け散り、粉薬が舞い上がる。
「亜、亜紀・・・」
その時、メールの着信音が鳴った。新しく買ってもらったアキの携帯電話だ。
「あれ、ケンちゃんからだ」
「ア、アキ、ちょっと待ちなさい、アキ・・・」
「何やってるんだ、智世」
達明がいぶかしげに問いかけた。
「う、うん、アキが変な事言うもんだから。ごめんなさい、すぐ片付けるわ」
最近、ますます似てきた・・・。智世の動悸はいつまでもおさまらなかった。

「アキ、元気か?これ、世話になってる先輩」
送られて来た画像には、作り笑いを浮かべたケンと、迷惑そうな顔をした男が写っていた。
「・・・バカ」
怒った顔をして、アキはそのメールを削除しようとした。が、ふと手を止めて、顔をほころばせる。
「ケンちゃん、・・・かわいい」

札幌の街も暮れようとしていた。
「サユリ、間違ってたら悪いんだけど・・・」
「なに?」
「今日歩いたところは、本当は彼と行きたかったところばかりだよね」
「・・・」
「やっぱり、オレはキミの彼氏の代わりにはなれないよ」
「わかってる、明日にはお店に行くから」
サユリはケンの顔を見て言った。
「今夜、もう一箇所だけ付き合って・・・」

(続く)
...2004/10/31(Sun) 16:37 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
デート編を書きます。

アキ「じゃあ、来週の日曜日にしよう」

ケン「了解」

アキ「お弁当とか作るとばれちゃうから」

ケン「いいよいいよ」

アキ「うん、ごめんね」

ケン「じゃ、楽しみにしてる」

アキ「バイバーイ」プツっ・・・ツーツー

食卓で・・・

アキ「お父さん、どうしても分からないところがあるから教えて」

達明「構わんぞ」

智世「アキ、頑張ってるわね」

アキ「ご馳走様」

アキ「勉強してきます」パタパタパタと2階へ駆け上がった

智世「1年で済みそうね」

達明「大木君にも感謝しなきゃな」

智世「・・・」

達明「そいじゃ、教えてくるとしますか」

智世「はぁ・・・」

達明「ほれ、どこがわからんのだ」

アキ「実はそうじゃなくて」達明は悟った

達明「いつ行くんだ?」

アキ「来週の日曜日」

達明「うまくやってやる」

アキ「ありがと、お父さん」

達明「しっかり息抜きするんだ」

アキ「うん」

続く・・・
...2004/10/31(Sun) 17:48 ID:VAA.iOY6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
今日はカラオケに行ってきました。「かたちあるもの」歌っていただいたところ、天才的でした。
僕は、「瞳をとじて」に挑戦しましたが、イマイチでした(汗)

余談ですが、明日は萩原朔太郎の誕生日らしいです
...2004/10/31(Sun) 20:29 ID:VAA.iOY6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
たかさん、Apo.さん
私も「自爆」しました(笑)

土曜日、仙台に泊まりで、例によって原作を読んでおりました。「おまいさん」というのは、原作では介ではなく、朔の口癖なんですよね。なんだか混乱してきます(笑)でも、図書館で受験勉強というのは、原作っぽくて、自分では気にいってます。原作では高校受験でしたが。

ごろさん、Apo.さんへ
智世の苦悩、よく出てますね。感動しました。
...2004/10/31(Sun) 20:54 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
平井様の歌は非常に難しい・・・高音部なんか声ひっくり返さなければむりですよねぇ・・・

また余談で悪いんですが、私の学校にも長澤まさみちゃんの防火ポスターが貼ってありますwかわいいですねぇ。
...2004/10/31(Sun) 21:02 ID:VAA.iOY6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
たかさん、今発売中の、+act(プラスアクト)という雑誌見ました?
綾瀬はるかさんのグラビア特集があって、背表紙は長澤まさみさんの「南天のど飴」の広告です。
はるかさん、すごくキレイなんですが、大人っぽくて、もう高校生の役は苦しいかも、とか思います(笑)
一見の価値はあるので、書店で見かけたら、見てみてください。
...2004/10/31(Sun) 21:27 ID:yPhKFGcQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
了解いたしましたw明日、早速見てきます。ホント、お二方ともにかわいいですね。セカチュウに出会い、まさみちゃんやはるかちゃんに出会えた。そして、ファンサイトを通じて、朔五郎殿、SATO殿、ごろ殿、Apo.殿、yosi殿、他の方々、たくさんの方に出会えました。この出会いに感謝ですw
...2004/10/31(Sun) 21:38 ID:VAA.iOY6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
今日はごろさんの携帯サイトをずっと読んでいました(^○^)
それでは続きを・・・

<アキと谷田部先生>
(お見舞い)
昨日アキから電話があり、ケンはアキの家に迎えに来ていた。
「おはようございます!」
お店に入って来たケンの姿を智世が見つけた。
「おはようケンちゃん。ん?今日はケンちゃんも一緒なの?」
「はい!今日は運転手なんです」
「ちょっと!あんた・・・健三郎君の事は聞いていたの?」
達明に問いただす智世。
「ああ、今日は大沢先生の奥さんのお供で健三郎君が病院までの運転手なんだよ」
やや納得しないような智世だが、谷田部先生の事は気になっていたのだった。
「まぁ今回は谷田部先生のお見舞いだからいっか?それよりアキ!」
アキはもうお店に降りて来ていた。
「なに?」
「ちゃんと先生の容態を聞いて来るんだよ」
「うん!分かっているって、それじゃケンちゃん行こ!」
アキはケンの自転車の後ろに乗って大沢先生の家に向かった。

ピンポン!大沢のマンションの呼び鈴をアキが鳴らした。
「は〜い!大木君・大林さん入って」
「おじゃまします」二人が同時に言った。
「今日はもう一人増えて4人で行くことになったのよ」
「え!誰ですか?」
たずねるケン。
「もうじき来るから楽しみにしておいて!」
しばらくしてチャイムが鳴った。
「ごめんくだい!」
「はい!どうぞ!入って」
部屋に入って来たのはマサミだった。マサミを見つけたアキはマサミに飛びついた。
「マサミ〜!久しぶり、元気してた?」
「うん元気!アキは?」
「元気は元気なんだけど・・勉強の方がね・・・」
「そうなんだ」
「ケンちゃんのおかげでだいぶ良くはなっているだけどね、もう少しね・・・」
「大木く・・・・・ケンも元気だよね?」
「おう!バリバリだぜ!・・・それより・・・マサミ・・・」
少し言いづらそうなケンの言葉をさえぎりマサミが言った。
「あの事なら謝ってもらったから、もう気にしないで・・・」
ケンはマサミにした事がどれだけマサミを傷つけたかをアキやシンジ達から知らされて
いたので安堵のため息をした。
「マサミ!本当にごめんな!いくら謝ったとは言え俺はマサミにひどい事をしたからなぁ」
アキは黙って二人のやりとりを聞いていた。
「はい!ケン!もうこの話は終わりだよ!何回も言わせると逆ギレするよ!」
「うん!わかったよ・・・(小声で)さわらぬマサミに祟りなしか・・・」
「ん?何か言った?」
「いや・・・」
必死でごまかすケン、アキは二人のやりとりをニヤニヤして見ていた。

「は〜い!懐かしい話の続きはこっちでやってね!さあ召し上がれ!」
律子がみんなをテーブルの方に呼んだのだった。
テーブルの上にはサラダとペペロンチーノと切って焼いたフランスパンが置かれていた。
ペペロンチーノを一口食べたケンは・・・
「美味しいですね」
「ほんと!美味しいですね」アキとマサミも同時に言った。
「まじにこんな美味しいサラダやパスタは初めて食べましたよ」
まるで欠食児童の様にむさぼるケン。そんなケンをみてアキが言った。
「ケンちゃん、もっとゆっくり!ちゃんと味わって!律子さんに失礼だよ。
 美味しいものはおしゃべりしながら味わうもんだよ!」
「う!うん!ごめんアキ・・・俺こんなに美味しいパスタ初めてだったから・・・」
「大木君、たくさん有るからいっぱい食べてね」
そんなケンやアキ・マサミの会話を律子は楽しそうに見ていた。

食事を終えた4人は県立宮浦大学付属病院に向かった。
車の中でも料理の話で盛り上がっていた。
「ねぇ律子さん!あのパスタは何であんなに美味しいのですか?」マサミが尋ねた。
「料理はねちょっとした事で味が大きく変わってしまうのよ。パスタはね麺の茹で方に
 ちょっとしたコツが有るのよ」答える律子。
「どんなコツなんですか?」尋ねるアキ。
「あの茹で方はアルデンテって言ってね麺の中心に髪の毛1本ほど芯が残っているのよ」
「それって難かしいって聞いていますが・・・?」
今度はマサミ。二人とも熱心に律子の話を聞いていた。
「覚えると結構簡単なのよ。パスタの種類にもよるけど、目安はその袋に茹で時間が
 書いてあるでしょ?5分とか7分とかね、ペペロンチーノの様にもう一度加熱する
 のは2分前、ミートソースみたいにそのままのは1分前にお湯から上げるのよ」
「へ〜そうなんですか・・・メモメモ・・と・・・」今度はケンが言う。
「それと加熱する時には麺を炒める時に茹煮汁を入れる事かな?」
律子の料理講座は病院に着くまで続いた。

駐車場に車を止めた4人は谷田部の病室に向かった。
「こんにちわ!谷田部先生」
「いらっしゃい、律子さん、今日はどうも・・」
どこか疲れた様な谷田部が答えた。
「今日から大沢がヨーロッパ研修なので大沢の教え子に助っ人に来てもらいました」
まずはマサミが挨拶した。
「初めまして、長沢と申します」
「谷田部です、今日はありがとう」
続いてケンが挨拶した。
「大木健三郎です」
「ん?大木って・・・竜之介の息子さん?」
「はい!そうです」
次はアキの番だった。
「大林亜紀です」
ぴこんと頭を下げるアキ。
「と言うことは上田の娘さん?」
「はい、母の旧姓は上田です、初めまして」
3人を見ながら谷田部の顔は明るい笑顔になって来た。
「初めてじゃないわよ、私はねアキさんのおむつを替えた事もあるのよ」
ひとしきり、そんな会話が弾んでいた。3人が落ち着いた所で律子が尋ねた。
「谷田部先生、何か足りないものが有りましたが遠慮無く言って下さいね。
 これは私の携帯の番号とメルアドです。」
そう言って律子は名詞を渡した。
「有り難う律子さん、私は一人なので助かるわ。」
「ところで今回の入院は・・・」
「検査入院なんですよ。少し前から背中が痛くてね。それ以外にもあちこち、いろいろ
 ガタがね・・・それでこの際一度ちゃんとチェックしてもらおうと思って思い切って
 入院したのよ」
しかし谷田部の顔はさっきまでの弾んだ様子は無くなっていた。


家に帰って来たアキに智世が尋ねた。
「アキ、谷田部先生はどうだった?」
「案外元気そうだったよ」
「そっか、良かった・・・それで入院の原因は何だったの?」
「検査入院って先生は言っていたよ・・・ただ・・・」
「ん?ただどうしたのかい?」
「うん!ただそう言った時の谷田部先生の顔が少し元気無く感じたの・・・」
アキは直感的に何かを感じていた。
「それでその検査の結果は?」
「1週間はかかるって先生言っていたよ、その頃には大沢先生も帰って来ているって
 律子さんも言っていたから」
「結果待ちなんだね・・・、アキ、谷田部先生のお見舞い有り難うね」
そこには不安を取り除けない智世がいたのだった。
...2004/10/31(Sun) 22:56 ID:mJ4cW3OU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
yosiさん、みんなの作品のフォローからパスタの薀蓄まであって、なかなか味わい深い一品ですね!
ケータイサイトの方も支障なくご覧になれたようで嬉しいです。「あそこはどうだったっけ?」と思ったときに確認できていいかなと作りました。中毒症状が多少は緩和されるかなと・・・(笑)

みなさんの作品UPすごい勢いですね。このままでは前・中・後と三部くらいに分けないといけないかもしれませんね(笑)
...2004/11/01(Mon) 01:44 ID:k2yLrzRE <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさんのパスタの薀蓄を参考にして、作ってみようかな(笑、ちなみに私は男です)
私も律子&マサミ編を書くために手品のことを色々ネットで調査中です。
...2004/11/01(Mon) 12:58 ID:9EHXQp2.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
実は私、料理が趣味なんですよ
律子の設定の中で料理が上手と確か合ったので
直接本編には関係ないけど書いてしまいました(^^;
まぁお遊びと言うことで許して下さいね
...2004/11/01(Mon) 13:51 ID:1FbFtQNc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
朔五郎殿>早速、貯めてあったお小遣いを使用しましたw立ち読みした瞬間、買いだと思いましてww

凄く大人のはるかちゃんに出会いました、役柄的には、大学生なんかよさそうでした、まさみちゃんもかわいかったですw

ちなみに、ユイカちゃんも大ファンですよw3月末から朝ドラチェックしなければ
...2004/11/01(Mon) 17:51 ID:XkQ9ipJg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:くれい
みなさん、ご無沙汰しております。
実はこの度の新潟県中越地震に被災してしまいまして、しばらく避難生活をしていました。
およそ一週間パソコンをいじることができず、このHPも観れなかったのですが、久々に訪れてみて、びっくり!このスレはいつの間にか100越えしてるじゃないですか!
でも一樹役は決まっていないようで・・・。
いや〜戻ってこれてよかったです!
...2004/11/01(Mon) 18:08 ID:tMMgmXPQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
くれいさん、お帰りなさい。
心よりお見舞い申し上げます。
くじけそうなときは、このスレとごろさんのサイトでパワーを充填していただければ、と思います。

頑張って!!
...2004/11/01(Mon) 18:24 ID:84OaB396    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
くれいさん
 新潟中越地震で被災されたとは・・・。心からお見舞い申し上げます。
 余震の規模や回数もすごいようなので、お気をつけ下さい。また、新潟は豪雪地帯なので、これからの季節も油断できません。地盤のゆるみなど、くれぐれもお気をつけ下さい。阪神淡路大震災とは違った被害の様子に言葉もありません。
 なんとかPCでネットが見られるまでに回復されたご様子、嬉しく思います。やはり、ADのくれいさんがいないと、一樹役すら決められません(笑)どうか完全復帰をされることをお祈りしております。
 この場をお借りして・・・今回の台風や地震などの災害で犠牲となられた方々へ心から哀悼の意をささげるとともに、被災された方々へ、重ねて、お見舞い申し上げます。

 SATOさんと同じですが、

 頑張れ!
...2004/11/01(Mon) 18:45 ID:k2yLrzRE <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
おかえりなさい>ぐれいさん

心よりお見舞い申し上げます

ちょっと遅くなりましたが 感想を少し書きます
>SATOさんたかさんのケンへの荒療治&マサミとの和解の話し良かったです
 まさに青春ドラマ、こんな展開好きです
>ごろさん
サイト立ち上げ有り難うございます。中毒患者の私には仕事をしながら携帯サイトが
みれて楽しかったです
2−156は智世のアキに対する優しさや不安が出ていますね
>Apoさんの描く智世の苦悩がよく出ていますね
朔五郎さんの札幌編はどう展開しているか先が楽しみですね
シンジ・ユイ編も楽しみにの待っています

阪神高速の仕事も無事昨晩終了して、今日からまた通常業務に復帰していますので
ペースが遅くなりますが、ぼちぼち仕上げて行きます
...2004/11/02(Tue) 06:58 ID:dEwq.iRo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
夜勤明けです。

くれいさんへ
今回のことは、心からお見舞い申し上げます。私のような関東在住の不良中年スキーヤーにとっては、中越地方はとても馴染みの場所です。去年の暮れ、長岡〜小千谷〜十日町と、まさに今回の断層の上を通ったことがあります。小千谷の街では年越しの準備をする人たちの姿をたくさん見ました。あの方たちも被災したのだと思うと心が痛みます。一日も早い復興をお祈りいたします。

たかさんへ
プラスアクトの綾瀬はるかさんは綺麗だったでしょう?あれ、神社の境内みたいな感じですよね。神秘的な感じで、「アキの夢」の中に出てくる廣瀬亜紀のイメージにピッタリです。もう、オジさんの妄想はとまりません・・(笑)

ちなみにサルルとは、こんなところです。流氷見物や海水浴で、あの付近では結構有名らしいです。
http://www.fbc.keio.ac.jp/~endoh/hokkaido/abashiri-shicho/okoppe/okoppe.htm
http://www.ohotuku26.or.jp/o.rakuno/okoppe/today/01/0101/010116.html
...2004/11/02(Tue) 11:47 ID:wOdYnvME    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
今日の社員食堂の献立に「カニクリームコロッケ」があったので、迷わず注文しました。
廣瀬家とどちらが美味しいか、想像しながら食べました。
以上、余談でした。
...2004/11/02(Tue) 12:24 ID:YX0ShMLc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
いやぁ、かわいかったですよw

今日のお弁当のおかずに、カニクリームコロッケが入っていました。私も想像しながら食べさせていただきました。亜紀ちゃんの気持ちが少し分かったような気がしました
...2004/11/02(Tue) 15:22 ID:Q6rxRusA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
カニクリームってなわけで、本編から少しずれてみます。短編です

カニクリームコロッケ

ある日・・・学校でのお弁当・・・

アキ「いただきまーす」

ユイ「いただきます」

マサミ「あ」

ユイ「どしたの?」

マサミ「今日皆コロッケ入ってない?」

ユイ「あ、私のはカニクリームだよ」

アキ「私も」

マサミ「私もだ、なんかすごいね」

ユイ「そだ、皆で交換しようか」

マサミ「いいね」

ユイ「マサミのすごくおいしい」

アキ「ほんとだ、お母さんが作ったの?」

マサミ「そうだよ、ユイのもおいしい」

ユイ「うちも母ちゃん特製」

アキ「ほんとおいしい」

ユイ「アキのはあんましトロッとしてないね」

アキ「ええ?うそ」

マサミ「あ、んー失礼だけど、確かに」

アキ「くそー、悔しい」

マサミ「あはは」

ユイ「ふふ、負けず嫌いだね、アキは」
そういうとアキは頬を膨らました

続く。デート編もまだなのにアップしてしまいすみません(ペコリ
...2004/11/02(Tue) 18:40 ID:Q6rxRusA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
(↑家アイコンは整理サイトへの入り口です。)

2-158のマサミの笑顔が戻った後くらいです。
これでケンとアキは放課後なかなか会えなくなります。

ー 図書館 −

ケンは薄暗くなった図書館へ続く道を足早に歩いた。

遅くなったな・・・。
どうせアキのことだ。勉強もしないで、どこかでスケッチでもしてるかもしれない・・・。

ケンは図書館の入り口付近を見回したが、アキの姿は見えなかった。ケンは、自習室へと足を運んだ。ほとんどの人は黙々と机に向かい勉強していた。携帯電話を操作している人や机にうつぶせになって寝ている人もいる。ケンはアキの姿を探した。

遅くなったので、もう帰ったかな・・・。それならメールを送ってくれるはずだし・・・。怒ったのかもしれないなぁ・・・。

自習室から出ようとしたケンは、目の端にアキらしき姿をとらえた。部屋の隅で机に向かっている後姿は、見覚えのあるものだった。ケンはゆっくりと近づいた。

やっぱり、アキだ・・・。

ケンは、右手をそっとアキの肩に置き、人差し指を立てた。アキは振り返ろうとしたが、途中でやめ、左手を右肩に置かれたケンの右手の上に重ねた。ケンは少し拍子抜けした。

「・・・アキ」

アキは、そのままケンの右手を引き寄せ頬につけた。

「ケンちゃん、冷たい手ね・・・。外は寒かった?」
「うん、夜は少し冷えるようになったからね。勉強してたんだ。」
「そうよ。ケンちゃんが遅くなった分、たっぷり勉強できたよ。」
「ごめん。」

その時、アキの隣の席で勉強していた学生が咳払いをした。ケンは、その学生に軽く頭を下げると、アキに向かって目で合図を送った。アキは握っていたケンの右手を放して、机の上にひろげていたテキストやノートをカバンに片付けた。図書館を出ると、すっかり暗くなっていた。

「英語の勉強してたんだ。」
「うん、受験で大事な科目だし、それに、いろいろと将来役に立つと思うから。」
「でも、意外だったな。アキが勉強してたなんて。また、絵でも描いているのかと思ってた。」
「・・・ケンちゃん。私ね、勉強頑張ってみるよ。だから、ケンちゃんも頑張ってね。」
「・・・どうしたの急に?」
「・・・うん、親に言われちゃってね。けじめを見せろって。」
「・・・」
「残り少なくなった高校生活でけじめを見せろってね。要するに、受験勉強に専念しろってことね。」
「・・・そっか。俺もさ、アキのご両親や俺の両親に、自分なりにけじめをつけるつもりだったけど」
「うん、ケンちゃんは頑張って宮大の水産学部に合格すること。私は薬学部に合格すること。それだよね。」
「やっぱり、そうなるか・・・。確かに、そうだよな。俺たち、ちゃんと勉強して大学受かって、それで、もう一度、アキのお父さんに話ができる、ってことだよな。」
「うん・・・。だから、今日みたいに学校終わっても、あまり会えなくなるよ。」
「えっ・・・」
ケンはアキの顔を見た。アキは真剣な目でケンを見つめ返した。
「やっぱり、そのへんもね。ちゃんと、けじめをつけた方がいいと思うよ。」
「お父さんに門限とか言われたの?」
「ううん、門限とか、そんな具体的なことは言われなかった。でも、私なりに考えてね。そのへんもきちんとした方がいいと思って・・・。」
「・・・そっか。」
「もー、ケンちゃん、そんな顔しないでよ。今まで通り、学校で会えるしさ。」
「そりゃそうだけどさ。学校で会うのと、こうして二人っきりで会うのは、やっぱり違うよ・・・。」
「うふふ、例えば、こういうことが出来るってこと?」
アキは、ケンの胸に顔をうずめた。
「おい・・・アキ・・・ちょっと恥ずかしいよ。」
「大丈夫よ。誰も見ていないよ。」
「でも・・・やっぱり、こんな道の真ん中でさ・・・」
「しょうがないな。許してしんぜよう」

二人は、再び、肩を並べて歩き始めた。
「分かったよ。俺も我慢するよ。二人そろって大学に合格して、もう一度、二人のことを親たちに認めてもらおう。」
「うん、私も頑張るから。・・・あっ、そうだ。さっき、図書館で英語の勉強してたんだけど、難しい単語があってね。それで、覚えるために手のひらに書きとめたんだけど、ケンちゃん、分かる?」
アキは、手のひらをケンの前に差し出した。ケンはよく見ようと顔を近づけた。
「どこに書いてるの?暗くて見えな・・・うっ」
ケンは唇にアキを感じた。目を開けるとアキが笑っていた。
「ご褒美よ、ケンちゃん。それじゃ、私はこっちだから。もう、ここでいいよ。」
「・・・アキ」
「それじゃね、ケンちゃん。また明日!」

そう言うと、アキは振り向きもせずに走っていった。ケンは、まだ唇に残っているアキの感触を感じ、後を追いかけたくなった。追いかけて、その細い肩を抱きしめ、もう一度キスをしたかった。でも、右手に残っているアキのか細い肩の感触がそれを押しとどめた。ケンは右手を口元にもっていき、アキを想った。

アキだって辛いのに頑張ろうとしてんだよな・・・。俺も負けずに頑張らなきゃな・・・。
...2004/11/02(Tue) 22:17 ID:X209Fl1o <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
大沢先生とシンジ・ユイ

シンジがケンを殴った翌日、つまり、大沢先生がマサミに律子に手品を教えるよう頼んだ翌日のことです。同じ時間にケンはマサミに土下座して謝っていました。

(放課後・廊下にて)

大沢「シンジ・ユイ、ちょっといいか?」
シンジ「はい、なんすか?」
大沢「美術室まで来てくれ」

(美術室)

大沢「・・・ケンとマサミのことなんだけどな、あいつら何かオカシクないか?席が隣同士なのに口きいたところを見たことないんだ。」
ユイ「ウッフフフ・・・・」
大沢「ユイ、何だよ。いきなり笑って・・・」
シンジ「それなら、先生、昨日この手で神の鉄槌がくだりましたよ。」
大沢「何だそれ?」
ユイ「昨日、あたし達がケンに問いただしたんです。マサミのことで。」
シンジ「マサミの気持ち少しは考えろって言ってやりました。これで奴も反省するでしょう。」
ユイ「先生、困ってあたし達に何とかしてくれって頼むつもりだったんでしょ?エヘッ、もう解決ずみでーす!!」
大沢「そ、そうか、それならいいんだ。アリガトな。」
シンジ「お礼はいいですよ。俺たちは先生から頼まれたことを忠実に守っているだけですから。ちゃんとケンのこと見てたでしょ?」
大沢「そうだな、感謝してるよ」
ユイ「それでは、私たちは失礼します」
大沢「ご苦労さん」
...2004/11/02(Tue) 23:41 ID:67vCukAc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>たかさん
どこにでも有るような昼休みの光景ですね
時期はケンとマサミが仲直りした後位の昼休みですか?
>ごろさん
甘えん坊だったアキが東京行きをきっかけに少し大人に成ってきた雰囲気が出ていいですね
>SATOさん
またジグソーパズルの一つが埋まって行きましたね
...2004/11/03(Wed) 10:33 ID:xDW6IyuQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
yosi殿、そうですよ。仲直りした後です。

ケータイサイトにも書きましたが、柴咲コウさんが紅白出場辞退したらしいです。残念です。ちなみに理由は「女優だから」だそうです
...2004/11/03(Wed) 13:08 ID:7GgeoxYM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
それでは<アキと谷田部先生>の続きを・・・

(谷田部の不安そして・・・)

谷田部は宮浦高校を定年退職してからはのんびりと一人暮らしを満喫していた。
教師時代には考えられない位ゆったりとした時の流れ・・・
「私の人生って何だったのだろう?」
「私は全力で走り続けて来た・・・」
「子供達の声が懐かしいなぁ・・・」
砂浜を一人散歩しながら宮浦高校陸上部のランニングする姿を遠くから眺めていた。

谷田部は1年ほど前から背中に妙な痛みを覚えていた。やがて自分でも実感出来る
ほど食欲も落ちて来ていた。
「定期検診ではどこも異常はなかったんだけど・・・やっぱり年かなぁ?」

そして周りの勧めもあり、また背中の痛みも不安に成って来ていたので県立宮浦大学
付属病院に検査の為入院する事になった。

検査入院の2日目、律子・マサミ・ケン・アキは谷田部のお見舞いに来たのだった。
みんなが帰った病室はさっきまでの明るさが嘘の様な静けさが包んでいた。
「さっきは久しぶりに笑ったわ・・・検査結果を待つのってやはり嫌なもんね
 さっさと結果が出れば良いのに・・・」

入院から8日目・・・担当医から結果を知らされた・・・

背中の痛みは膵臓に有った悪性の腫瘍が原因と分かったのだった。また心臓にも
不整脈が出ているとも言われた・・・

谷田部が結果を知った翌日、ヨーロッパから帰って来た大沢がお見舞いにやって来た。
「谷田部先生お加減はいかがですか?」
「いらっしゃい大沢先生・・・」
力無く答える谷田部・・・現役時代の谷田部を良く知っている大沢には谷田部の
落胆ぶりが手に取るように分かった。
「検査の結果は・・・」
「それが・・・大沢先生・・・私・・・膵臓ガンなのよ・・・」
絶句する大沢・・・しばらくして
「そうですか・・・それで手術は何時されるのですか?」
谷田部は窓の外を眺めながらつぶやく様に言った。
「迷っているのよ・・・と言うか・・・手術はしないかもしれない?」
「え!何故ですか?」
「私は30年以上も教師として生徒と一緒に全力で走って来たわ・・・
 あの子は今頃どうしているのか?・・・あいつは今何をしているんだろう?・・・
 定年後はそんな事を考える毎日だったのよ。
 そして・・・こうして病気になってみて・・・これもまた私の人生なのかな?って
 思ってしまうのよ・・・それに手術しても成功の確立はあまり高くないし・・」
「それはどう言う事なんですか?」
「担当した先生の話ではね、ガンの方は早期の発見だったので、手術すれば完治する
 のは、まず間違い無い様なのよ・・・でもねその手術に私の心臓が耐えられるか
 どうかの方が問題なんですって・・・」
「そうなんですか・・・」
「それなら危険な手術をしないで残りの人生を生きるのも、また良いかなとも思って
 しうのよ・・それに私を必要としている生徒も今はいないし・・・」
「谷田部先生何をおっしゃるんですか、先生には沢山の教え子がいるじゃないですか?
 みんなが先生の回復を待っているはずですよ」
「・・・」
谷田部は無言のまま窓の外を見ていた。



SATOさんごろさんの案の「危険な手術」「燃え尽き症候群」を参考に話をふくらませてみました。
なんか今回は暗い話しになってしまったなぁ・・・やはり楽しい話が良いですね

続きはアキとケンがお見舞いに来る所あたりを書く予定です
...2004/11/03(Wed) 14:41 ID:xDW6IyuQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
「Mr.インクレティブル」を日本語吹き替え版で見に行こうかと考え中ですw

カニクリーム続編

帰宅後・・・

アキ「お母さん、カニクリームコロッケ」

智世「はぁ?」

アキ「トロッしてない」

智世「いいじゃないの」

アキ「マサミとかユイのはすごくトロっとしてたの」

智世「人は人うちはうち・・・あ」

アキ「どうしたの?」

智世「よし、練習してやる」智世はあの時を思い出した・・・数年前、亜紀の家を訪れたとき・・・

〜過去〜
ある日の夕方

ピンポーン・・・

真「はい」

智世「あの、上田ですけれども」

真「おお、上田さんか。どうぞあがってください」

智世「お邪魔します」

真「大きくなったなぁ」

智世「いえいえ、まだまだ」

真「今日は何か」

智世「亜紀さんに会いたくなって」

真「そういうことか、来なさい」

智世「はい、ありがとうございます」
亜紀の部屋へ

真「ほら、亜紀、上田さんが来られたぞ」

智世「亜紀、久しぶり」チーン・・・パンパン・・・智世は手をあわせた

真「そうだ、飯でも食べていかんかね」

智世「いえいえ」

真「まぁ断りなさるな」

智世「え、じゃあお言葉に甘えて」

真「今日はいいものが食えるぞ」笑顔でこう言った

智世「???」キョトンとした顔だった

綾子「ただいま」靴が一足多いのに気付く

綾子「お父さん、誰かお客様?」二階から降りてくる二人

真「上田さんがおこしになってな」

智世「あ、こんにちは。お邪魔してます」

真「上田さんの分もご飯作れるかな」

綾子「構いませんよ」

真「少しくつろいでてくれ」

智世「あ、はい」ソファに座る智世

続く・・・
...2004/11/03(Wed) 15:22 ID:1OvjADkY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
今日は一人で会社でお留守番しているのでそれ・・・
では続きを・・・今回は明るくします

<アキと谷田部先生>

(お見舞い2)
「ねぇお母さん、今日図書館の帰りに谷田部先生のお見舞いに行ってもいい?・・・
 (小声で)ケンちゃんも一緒なんだけど・・・」
「え!何?声が小さくて聞こえないよ」
「せ!ん!せ!い!の!お!み!ま!い!」
智世の耳元で怒鳴るアキ。
「何も怒鳴る事ないだろう?どうせ健三郎君も一緒なんだろ?」
「うん!そうだよ、でもデートじゃないよ」
「分かってるわよ、そうね検査の結果も出た頃よね。先生に結果も聞いて来なさいよ」
「は〜い」
明るく返事をしてアキは自分の部屋に上がって行った。


図書館でアキの受験勉強をした帰り、アキとケンは谷田部の病室に顔を出していた。
二人の顔を見た谷田部は以前の明るい笑顔をしていた。
「谷田部先生って確か国語の先生をなさっていたんですよね?」尋ねるアキ。
「そうよ、古文が専門」
二人は顔を見合わせてうなずいた。
「やっぱり・・以前父から聞いた事がありまして・・・」
「ん、それがどうかした?」
ケンは谷田部にアキの受験の経過を説明し始めた。
「この前もお話しましたが、実は今アキの受験勉強の手伝いをしているんですが・・
 理数系は得意なんでアキにうまく教えてあげられるんですが、国語や古文はあまり
 得意じゃないんですよ、それに歴史も・・・」
「そうよね、人に教えるにはその人の3倍は理解していないと難しいからね」
「そうなんですか?」
「そうよ、だから教師もちゃんと勉強しているのよ」
「へ〜知りませんでした」
それまで黙って聞いていたアキも会話に参加してきた。
「そおなんですよ、谷田部先生、ケンちゃん古文なんてからきしダメで・・」
「おいおい!家庭教師に向かってその言葉かい?」
「だって事実じゃない!ケンちゃん古文教えるのへたくそだもん!」
「はいはい!話は分かったわ。それで何なの?」
「谷田部先生、私に古文を教えて下さい!」
ぺこりとアキは頭を下げた。しばらく考えてから谷田部が答えた。
「そうね・・・入院も長引きそうだし・・・時間も有るから、いいわよ・・・
 でももう私も現役じゃないから学校の授業の様には行かないわよ、それでもいい?」
「有り難うございます!谷田部先生の時間のあいた時で構いません」
「よかったなアキ!」
「うんケンちゃん」
「良かった、良かったこれで俺も苦手な古文の勉強をしなくても済むってもんんだ」
「あ!そっちが嬉しいだ!」
「しまった!ばれた!」
そんな二人の会話を谷田部は微笑んで見ていた。
「ところでアキさんは苦手な科目は何なの?」
「え〜と」考え込むアキ
「先生、こいつは美術以外はからきしダメで・・・」
「ひっど〜い!この前の模試ではだいぶ成績上がって来ているよ」
「誰のおかげかな?」
「ケンちゃん・・・って谷田部先生の質問の答えになってないよ」
少し真顔になってケンが答えた。
「さっきも言いましたが理数系は僕が何とか教える事が出来たから良くなって来て
 います、でも歴史や古文の伸びがいまいちなんです」
「そっか・・・それはきっと読解力不足が原因かもしれないね」
「そうなんですか?」
「アキさん本や新聞は読む?」
「いえ、あまり好きじゃありません・・・文字見ていると眠く成って来るんです」
「やっぱりね・・・それじゃ今日からまずは2つの事を初めてみましょうか」
「はい」
「1つは新聞のコラム有るでしょ?あれを毎日ノートに写す。2つ目は歴史の教科書を
 毎日10ページくらいでいいわ、区切りの良い所まで声を出して10回読む。どう?
 出来そう?」
「それだけですか?」
「そうよ、それだけ」
「それで古文や歴史が良く成るんですか?」
「なるわよ、騙された思ってやってみて」
「わかりました、毎日やってみます」

二人と話をしている時の谷田部の顔は現役の頃の輝きをとりもどしていた。が・・・
アキとケンはお礼を言って病室を出て行ったのだった。
一人になった谷田部は・・・もとの寂しそうな顔に戻っていた

大林家の夕食後
「アキ、先生の病気どうだった?検査の結果は何て言っていたの?」
「あ!聞くの忘れた・・・」
「も〜この子は肝心なとこ忘れるわね、それじゃ今日はどんな話をしたんだい?」
「先生に古文を教えてもらう事にしちゃった」
「ちょっと、それって先生の迷惑にならないのかい?」
「入院が長引いて時間が有るから構わない・・・って言っていたよ」
アキの言葉を聞いて考え込む智世。
(智世の語り)
(長引くって谷田部先生、どこか具合がお悪いのかしら・・・明日お見舞いに行って
 みよう)
「アキ、先生がいいと言っても先生の負担ならない様にするんだよ」
「は〜い、それにしばらくは自習みたいなもんだし」
「それってどういう事?」
アキは谷田部から言われた内容を智世に伝えた。アキの話を聞いた智世は納得した顔をしていた。アキが谷田部から言われた勉強方法は高校3年生の時に智世自身が当時の谷田部から教えられた勉強方法にほかならなかった。


ふ〜疲れた・・・
今日はお仕事しているふりしてずっとこれを書いていまいした
...2004/11/03(Wed) 16:22 ID:xDW6IyuQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
たかさん、ごろさん、SATOさん、Apo.さん、yosiさん
みなさん、絶好調ですね。私の札幌編、一応ヤマ場でして、全然進みません。たいしたヤマじゃないんですが(苦笑)
こういう時は、朔と亜紀に会いに行くのが一番、というわけで、また映画を観に行っちまいました。いいものは何度観てもいい!改めて長澤アキに惚れ直しました・・・
さて、今回気付いたことは、
1、映画では朔ママの名前は「綾子」だった。
2、映画ではロミオ役は「大木」だった。
3、映画ではジョニー(ドラマではボウズ)の彼女の名前は「中川さん」だった。

で、結構ニヤリとできました。

では、頑張って書きます。
...2004/11/03(Wed) 19:12 ID:E/k0Q59E    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
それでは<アキと谷田部先生>の大沢組説得編を・・・
この話の前に元教え子の説得が入る予定です
>ごろさん 宜しくお願いしますm(_ _)m
予定では2〜3回で大沢組説得編が終わる予定です。

(大沢組説得編1)
アキは智代が達明と谷田部先生の病状を話しているのを聞いてしまった。
その内容は智世や竜之介・顕良は谷田部先生の説得をしているがまだ手術をするのを拒んでいる様だった。

図書館の帰り道で
「アキ元気ないけど、どうかしたのか?」
「うん・・・」
「言えよ、一人で抱え込むなよ」
「うん、あのね谷田部先生なんだけど・・・先生の病気ガンなんだって」
「え!・・・やっぱり」
「やっぱりって?」
「この前から親父がアキのお母さんとちょくちょく連絡を取っているみたいなんだよ。
 それに病院にも行っているみたいなんだ。」
「そうだったの・・うちもお母さんが出かけるのが増えているよ・・・」
突然アキが話しを変えた。
「確かマサミは医療関係だったよね?」
「いや介護福祉だと思うけど・・・」
「ねえ、どうもお母さんの話の内容では谷田部先生、手術を受けるのを拒んでいる
 みたいなのよ。マサミってそういう患者さんの説得出来ないかなぁ」
「どうだろう?でもせっかく宮浦に戻って来ているからちょっと相談してみるか?」
「うん!そうしよう!」

防波堤で待つこと10分・・マサミがやって来た。
「アキ・ケン、相談ってなあに?」
「この前律子さんと一緒に谷田部先生のお見舞いにいったろ?
 実は谷田部先生の病名が分かったんだ」
「病名?」
「マサミ、谷田部先生はガンなのよ・・・」答えるアキ
絶句するマサミ・・・そして静かに言った。
「どうな状況なの?」
「俺達もまだ詳しい事は分からないけど、どうも手術を受けるのを拒んでいるようなんだ」
「何で谷田部先生は手術を受けたがらないの?」
「それは私も分からないのよ・・・あ!大沢先生なら何か知っているかも?」
「そうよね、私ちょうど今日、律子さんの所に遊びに行くつもりだったから
 3人で行きましょうよ。まずは状況の把握、拒む理由を見つけましょう」
「そうだね、それじゃアキまず家に連絡をして」
「え、何で・・・」
「お父さんとの約束・・・」
「そうだね、分かった。今から電話入れるね」
「原因が分かればおのずと対処方法もみつかるわ」
「さすがだね!マサミ」

その後無言で大沢の家に向かう3人・・・そんな重苦しい空気をマサミやぶった。
「ありがとう・・・」
「ん?何が?」とまどうアキとケン。
「何が?って私に相談してくれた事よ」
「ん?」
「これで本当の仲間になれた気がするの・・・アキ安心していいからね
 私にとってケンはもう過去の男だからね」
「それってひどくない」
「女は過去は引きずらないの!私は新しい道を見つけたんだから」
「へ〜女の子ってそんなにあっさり過去を捨てれるもんなの?」
「そうよ、過去の思いでなんてまとめてポイ!よ!・・・アキもそうかもよ〜」
「出た〜小悪魔マサミ!」
ハッとするケン・・・そしておそるおそるたずねる
「本当にアキもそうなの・・・?」
「そうかもよん・・ケンちゃん・・・ケンちゃんは私の第1ステップ!」
「げ!マサミが帰って来たとたんアキまで・・・」
「え!なに?私が帰って来たらアキがどうなったって?」
「いえ、何でもございません・・・触らぬマサミにたたり無しか・・・」
「聞こえてるぞ!」
一見怒った様に見えるマサミだったが瞳は優しさに満ちていた。

大沢の家の到着した3人はさっそく谷田部先生の事をたずねた。
「先生!谷田部先生ってガンなんでしょ?私父と母が話しているのを聞いちゃったんです」
大沢も何度か谷田部の説得に行ったがまだ谷田部の決心は変わっていなかった。
「そうか3人とも知っているんだね?」
うなずく3人
「それなら話が早い、みんなの知恵をかして欲しい、律子も一緒に考えてくれ」
律子も加わった4人に大沢は先日谷田部から聞かされた話をした。
大沢の話を聞き終えたマサミは
「先生の話からすると問題は2つ、1つ手術の成功率が低い、2つ今の生活に張り合い
 が無い・・・燃え尽き症候群ってとこね」
「さすがにマサミさんね、私もその二つが問題の根っこだと思うわ」答える律子。





なんか皆さんの様にマサミがうまく描けないんですよ
>SATOさん・たかさん
良きアドバイスを・・・

今週は私もこれで打ち止めです、明日から6日までは・・お仕事ぎっしりです
...2004/11/03(Wed) 20:37 ID:xDW6IyuQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさんに触発されて、マサミと律子との触れ合い編をそろそろアップしなければ・・・

話は高校三年生の秋に戻りまして・・・・
シンジがケンを殴った次の日
ケンがマサミに土下座した場面の続きです
(No186より続く)

(夕方・神社の前)
※本家第六話でメソメソ泣く朔に谷田部先生が喝!を入れたあの神社です。

ケンと別れたマサミが走ってくる。
今日から律子の手品のコーチを始めることになっているのです。ここで大沢先生と待ち合わせることになっていたのでした。
大沢先生も走ってくる。

大沢「悪い悪い、待たせたな」
マサミ「先生、遅い!てっきり遅刻だと思って走ってきたんですよー(いたずらっぽく笑う)」
大沢「いや、ちょっとな、生徒につかまって・・・(ウソばっかっ、シンジとユイをつかまえてマサミたちのことを聞き出してたくせに・・・)」

大沢先生のマンションへ向かって歩き出す二人

マサミ「わたしも寄り道してましたから。大木君つかまえてバカヤロウ!って言ってやりました。」
大沢「おい、ケンカしたのか?」
マサミ「いえ、大木君が今までのことゴメンって謝ってくれたんです。それで、その返事をしたんです。」
大沢「そういうことだったのか・・・」
マサミ「そしたら、気持ちが軽くなって、今まで忘れていたものを想い出してきて。しばらく手品をするのもオックウだったんですけど、もう一度手品の面白さを味わってみたい。そう思えてきたんです。だいたい手品っていうのはですね・・・(目を輝かせて薀蓄を語り始めるマサミ)」
大沢「俺に言われてもわからないよ。悪いけど。律子に思いっきり話してやってくれ。」
マサミ「あっ、そうですよね。大沢先生に教えるわけじゃないんですよね。失礼しましたっ!」

大沢家に着いた二人
律子が出迎える

大沢「律子、こちらが僕が担任している生徒の長沢君だ。今日から手品を教えてくれることになる。(マサミに)家内の律子だ。」
マサミ「はじめまして。長沢マサミです。よろしくお願いいたします。」
律子「はじめまして、マサミさん。いろいろ教えて下さいね。」

居間に移動

律子「でも、マサミさん、受験も近いんでしょう?ちょっと申し訳ないわ」
大沢「いや、いいんだ。マサミの成績だったら油断しなければ大丈夫。それに根を詰めて勉強ばかりするより好きな手品をやって気分転換したほうがいいよ。その方が勉強の能率も上がるだろう。」
マサミ「わたしも最近手品をやるチャンスがなくて、ウズウズしてたところなんです。先生、ありがとうございます。」
大沢「ただし、成績が下がったら即刻中止だからな。」
マサミ「えー、先生、自分から頼んでおいてそんな言い方ひどーい!!」
三人「ハハハ・・・(笑いあう)」

大沢「じゃ、邪魔にならないように、ちょっと外すよ」(別室に引っ込む)

マサミ「ところで奥さん、手品はどんなレパートリーがあるんですか?新しいものを覚えるより、今までのレパートリーを完璧に覚えるようにした方がいいと思うんですけど」
律子「コインを使った手品では「フレンチ・ドロップ」と「ドロップ・バニッシュ」。カードマジックだったら「シカゴ・オープナー」「カードアクロス」「ハートのエースはどこ?」といったところかしら。まだまだ沢山あるんだけど。」
マサミ「うわー、いっぱいご存知なんですね。」
律子「でも今はね、最近の映画の中に出てきたんだけど、「指先の花」を練習中なの。」
マサミ「もしかして、その映画って「セカチュー」のことじゃないですか?私も観ましたよ。」
律子「そう、あの映画よかったわよね。主人と一緒に観たけど、彼、「オータム・イン・ニューヨーク」を想い出したって言ってたわ。」
マサミ「難病を抱えた少女のピュアな恋。結末は悲しかったけど、心が綺麗になる映画でしたよね。どちらも。」
律子「あら、「オータム〜」も観たの?」
マサミ「ええ、わたし、リチャード・ギアの大ファンなんです。DVD全部揃えてるんですよ。「愛と青春の旅立ち」や「プリティ・ウーマン」も好きですよ。 (ケンのお母さんもリチャード・ギアのファンでしたよね。趣味が同じ。道理で気に入られるわけだ)」
律子「まあ、そうなの。わたしはジュリア・ロバーツが好きよ。「ベストフレンズ・ウェディング」がよかったな。」
マサミ「あ、キャメロン・ディアスが出てました。可愛かった〜。」

手品のはずが何故か映画談義に花が咲いてしまった二人・・・

マサミ「あ、肝心の手品をやらなくちゃ。それじゃ、奥さん、「指先の花」を練習しましょう。」
律子「そうよね。お願いするわ」

「指先の花」を実演するマサミ、熱心にそれを真似る律子。マサミの目が輝いている。
大沢先生が別室から居間の様子を見ている。

大沢先生の独白「いつ以来だろう、マサミがああやって目を輝かせているのは。手品に誘ってよかった。マサミの人生はまだまだこれからだ。その輝きを忘れずに、頑張れよ。」

こうして、マサミのコーチ初日が過ぎていきます。
このあと、律子の手料理がふるまわれたことは言うまでもありません。

(続く)

※手品の名前は以下のサイトを参考にしました。
http://plaza.harmonix.ne.jp/~k-miwa/magic/biginner/biginnercover.html
http://www.kawachi.zaq.ne.jp/attoodoroku/kardmajikku.htm
...2004/11/03(Wed) 23:03 ID:sQ.kdiU2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
考えてみれば、昨日11/3は映画版サクの誕生日でした。そんな日に、ふらふらと映画館に行ったというのは、やはり、大沢サクに呼ばれたのでしょうか(笑)

Apo.さんへ
アキの受験について
(難しい)県立宮大一本に絞ったということは、親子とも、浪人は覚悟の上という設定になるのでしょうか?

SATOさんへ
フォロー(リチャード・ギア)ありがとうございます(笑)

yosiさんへ
マサミの味、よく出てますねえ。

2-161の続きです

札幌編(その6)

「アキ、アキーーーーー」
ケンは自分の叫び声に目を覚ますと、闇の底に一人横たわる自分に気付いた。見たことのない空間にいることに驚き、思わず飛び起きる。
「そうか・・・、ホテルに泊まってたんだ」
枕元の灯りをつけると、部屋の中がぼんやりと浮かび上がる。改めて一人だと感じた。

「アキの、いない世界・・・」

いま見ていた夢は自分の未来なのだろうか。

「・・・サユリ」
サユリは空を見たまま、動かない。
「サユリ」
ケンはサユリのすぐ後ろまで近づいてもう一度呼んだ。
「私、サユリじゃないわ」
「なに言ってるんだよ」
「私が誰か、そんなこともわからないの、ケン」
「えっ」
彼女はゆっくりと振り向いた。
「ア、アキ」
「そう、私はアキ」
「ど、どうして」
アキは唇の端に笑みを浮かべた。
「アキ・・・」
その時、ケンは気付いた。アキの澄みきった美しい瞳に、ケンの姿はもう映っていないことを。そしてアキは、真っ直ぐ前を見据えながらケンの横を通り過ぎていった。
「待てよ、おい、アキ・・・」
後姿に必死で呼びかけるが、アキは振り向かない。やがて、人の波の間にアキは消えていった。
「アキ、アキーーーーー」

全身に汗をかいて、まだ呼吸が乱れている。
アキのいない世界。アキの心が存在しない世界・・・。

異変は、日が暮れた頃から既に始まっていた。
「もう一箇所だけ付き合って」
サユリに言われて、ケンは、あいまいにうなづいた。
ふたりは、市電の乗り場まで歩く。
「へえ、札幌にも市電が走ってるんだ」
「うん、これ結構便利なのよ」
市電には、観光客の姿はあまりなく、いかにも地元の人の足、という感じだった。
二人が降りたのは、藻岩山のふもとに近い停留所だった。
「明日行くお店はこの近くにあるの。でも、私、まだ気持ちの整理がつかない」
やがて二人はロープウエイの駅に着いた。
「このゴンドラに5分位乗って、そのあとリフトで展望台まで行くの。夜景がすごくきれいよ」
静かに動き出したゴンドラの窓の外に、札幌の街の灯が輝き始めた。

アキはセンター試験の過去問と格闘していた。
「主人公が下線部のような行動をとった理由として、もっとも適切と思われるものを選べ、か。むずかしいな。でもケンちゃん、国語は苦手だから、帰ってきてから聞いてもしょうがないよね。自分で考えよっと。なになに、

A.これ以上迷惑をかけたくなかったから
B.あらかじめタクシーを待たせておかなかった不手際に腹がたったから
C.体調が悪く情緒不安定になったから
D.自分の逃げ足が速いことを示したかったから
E.自分がこうなったのは相手のせいだと、以前から恨んでいたから

こんなの、わかるわけないよ。ヤダヤダ・・・。コンビニでも行くか」

アキは店にいた達明に、ちょっとコンビニまで行って来る、と言って外に出た。
雑誌をいくつか立ち読みし、ジュースを買って外に出ると日が暮れていた。道沿いの家の庭に目を向けると、アジサイの花のシルエットが揺れている。
「アジサイの季節も、もうすぐ終わりね。また来年も咲いてね」
その時、暗い空から、白いものが舞い降りてきた。小さな貝のような形をした花びらだった。
アキの肩に、髪に、ひとひら、ふたひら、花びらが乗っている。しかし、そのことにアキは気付いていなかった。

街の灯を見て、サユリが言った。
「ねえ、ホタルみたい。あの光は人間が生きている証拠だね。だからあんなにきれいなんだね」
ゴンドラのガラスに二人の姿が映っている。
耳のすぐそばで、そのひとは喋っていた。どこか懐かしい、はにかむような声で。
「幸せってすごく単純なことだね。・・・・・がいて、私がいることなんだよね。きっとそういう毎日のことで・・・」

あなたは、あなたは、いったい誰なんです?ガラスに映るそのひとにケンは問いかけた。
サユリのようでもあり、アキのようでもある。でも、そのどちらでもないようにも見えた。
こうして見ているうちにも、窓に映る二人の姿は光の海に紛れてしまいそうだ。
いつか、このひとを見ていた。闇の中、ホタルの光が乱れ舞う中で。
もう、夢なのか現実なのかさえ、わからなかった。ガラスに映る自分が誰なのかさえも。

(続く)
...2004/11/04(Thu) 01:36 ID:MLa.efXg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
yosiさん、マサミらしさが出ておりますよ!「元教え子・地元組説得編」考えておきます(汗)

SATOさん、「愛と青春の旅立ち」は名作ですね。ぼくも好きです。

朔五郎さん、気になる終わり方ですね。続き、待ってます。

いや〜皆さんの早いペース、ついていくのがやっとです(笑)いつの間にかレスも200目前ですしね。
...2004/11/04(Thu) 05:05 ID:DNlkjlzg <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>SATOさん
良い雰囲気ですね、続きが楽しみですね
「愛と青春の旅立ち」私も大好きな作品ですよ
料理の部分だけ必要なら何か書きましょうか?(^v^)

>朔五郎さん
幻想的な内容ですね、続きが楽しみです
国語の問題の答えはAですか(^^)v
朔五郎さんにマサミを認めてもらえて幸いです

>ごろさん
hp作りもあり大変ですが宜しくお願いします
マサミらしさって難しいですね・・・
何とか雰囲気が出せて良かった(^^;
...2004/11/04(Thu) 10:38 ID:Dho0oYSc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさん、料理の部分お願いします。割り込み大歓迎ですよ。
...2004/11/04(Thu) 12:29 ID:ywNkFDjM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
カニクリーム続きです

真「卒業式の時はどうもありがとうございました」深々と頭を下げる真

智世「いえいえ、こちらこそ無理を言って申し訳ありませんでした」

真「あなたのおかげで、亜紀も卒業することができました」

智世「はい」

真「もう昔の話だがな」真は笑った

智世「そうですね」

綾子「お父さん、お箸並べてください」

真「ああ、わかった」

智世「あ、私も手伝います」

真「ああ、構わん構わん、座っててくれ」

智世「あ、はい」

綾子「もうすぐ出来ますから」

智世「なんだろうなぁ」と心の中で思った

綾子「できましたよ、お父さん並べるの手伝って」

真「おお、はいはい。上田さん、座ってください」

智世「あ、はい」智世は食卓に目をやった。コロッケが並んでいた

智世「コロッケですか?いいですね」真と綾子が目を見合った

綾子「カニクリームコロッケですよ」

真「ささ、食べようじゃないか」

智世「いただきます」早速コロッケに手を伸ばす智世

智世「おいしい!」

綾子「まぁ、うれしいこと言ってくれるじゃない」

真「これはな、亜紀の大好物だったんだ」

智世「へぇ〜そうなんですか、でもなんで?」

綾子「あの子が幼稚園の時、友達と交換したのカニクリームコロッケ。そしたら、亜紀の家のはトロッしてないって言われたらしくて」

智世「亜紀らしいですね」

綾子「で、帰ってきたら泣きついてきてね、お母さんもっと上手にカニクリームコロッケ作ってって」

智世「あはははは」

真「今では家内とよく食べるんだ、これをな」

智世「そうなんですかぁ」色々な話をしているうちに・・・

真「ご馳走様でした」

智世「ご馳走様でした、ありがとうございます」

真「送って行こうか?」

智世「全然大丈夫です」玄関まで来た綾子と真

智世「本当にありがとうございました、とてもおいしかったです」

真「またいつでも来なさい」

綾子「ご飯用意してますから」

智世「ありがとうございます、では失礼します」軽く頭を下げ、出て行った・・・

真「娘が帰ってきたみたいだったな」

綾子「本当によく笑うお嬢さんね」

真「亜紀にはいい友達がいたんだな」

綾子「ええ」そういうと二人は家の中へ入った・・・

続く。

後1話か2話で完結です
...2004/11/04(Thu) 18:14 ID:5XHOfM6Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
たかさん
 すみません。今は見られるはずです。

Apo.2さん
 たかさんのケンとマサミも落ち着きを取り戻し、SATOさんの律子マサミ編も始まったわけですが、たかさん作の「1-85不合格」までの間を埋めないといけないと思い、2-184のシーンを書いたわけです。
まぁ、ケンとアキの表のストーリーですね。同時並行的にSATOさんの律子マサミ編が進行すると思います。
 2-184の帰り道でアキが受験専念シーンから1-85の不合格シーンまでの空白をApo2さんの構想を元に埋めていきましょう。ただ、ケンが推薦で大学というのは、ケンの性格上、彼は納得しないと思いますが、いかがでしょう?そのあたりは、ぼくが書いてよろしいでしょうか?
...2004/11/04(Thu) 19:06 ID:DNlkjlzg <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
大奥・第一章を観ていました。
春日局役の松下さん、ますます迫力が出てきました。目だけの演技でギロッとにらむところなど、思わずのけぞってしまいましたよ。
松下さんにはこれからも演技で魅せる女優に成長して欲しいですね。
...2004/11/04(Thu) 23:01 ID:P0eNIQ4c    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>SATOさん
了解です 2−195の後に挿入出来るように
料理編を考えてみますね

>ごろさん
私もケンは推薦入学よりは一般の入試の方がすっきり出来ると思うんです
それにその方が二人が一緒に目標に向かって勉強するって感じになるのではないでしょうか?

実はまだ会社でお仕事しているんですよ・・・
今日は何時になったら帰れるやら・・・
...2004/11/04(Thu) 23:13 ID:Dho0oYSc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
ごろさん、yosiさん
札幌編(その6)について
ちょっとやりすぎましたかね(苦笑)これを、どう収束させるか、多少蒼ざめております(笑)

Apo2さん
お答え、ありがとうございました。
...2004/11/05(Fri) 05:58 ID:7U9Po0TU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
とりあえず、アキ達を卒業まで連れて行かなければならないので、色々な出来事を細かいところまで書いていこうと思いますwデート編と並行させて進めますので。ドウゾよろしくお願いしますね。季節なんかはちょうど今の時期辺りから進めてゆきます。
11月〜卒業まで見たいな感じでw
...2004/11/05(Fri) 18:01 ID:wG3kj0oM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
朔五郎さん
 いえいえ、思いのまま書くのが一番ですよ!

たかさん
 マサミも落ち着いたので、SATOさんにお任せ(笑)して、ケンとアキの卒業までを書いて行きましょう。
...2004/11/05(Fri) 18:17 ID:cU59oyAo <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
Apo2さん 一応、推薦を断る方向で書いてみました。ご意見などどうぞ。

ー 推薦その1 −

「・・・それから、あまり口やかましく言いたくないが・・・」
大沢は、そう言うとクラスの生徒の顔を一通り見渡した。
「就職するものは、就職後に備えていろいろ準備も必要だろう。就職が決まったからといって遊んでばかりじゃダメだぞ。進学するものは、言うまでもないが、今が大事な時期だ。気を抜かず受験勉強に専念するように。いいか、受験勉強と言っても一過性のものじゃないぞ。将来、君たちが大学へ行ったときの基礎となるものだ。そのへんのことも考えて・・・大野!分かってるか」
「ひゃぁい」
大沢に急に当てられたシンジは妙な声で返事をした。クラス中が爆笑した。
「あのな・・・大野、変な声だすんじゃないよ」
「先生、ひどいよ。欠伸をしかけのときに当てるから」
「だから当てたんだ。そう言えば、お前は昨日も、放課後、ふらふらと町を歩いていたな」
「俺だって町くらい歩きますよ」
「まあな、歩くだけならいいんだが・・・。お前は宮大の工学部だろう。しっかり勉強しないと難しいぞ。」
「はーい」
シンジは、ケンの方を見て肩をすくめた。大沢は学級委員に挨拶をうながした。
「よし、今日はこれで終わりだ。学級委員」
挨拶が済んで、教室を出ようとした大沢は、ケンに向かって言った。
「そうだ。大木。後で美術室まで来てくれないか。話があるから」
「えっ、おれ・・・あっ、はい」
ケンは戸惑って返事をしたが、大沢は満足そうに頷くと教室を出て行った。

「おい、どうした。また、何かやらかしたのか?」
シンジがニヤニヤしながらケンに聞いた。
「どうしたの?何したの?」
アキも心配そうにケンの顔を覗き込んだ。
「・・・どうしたも、こうしたも、俺、全く心当たりがないけど」
シンジは追い討ちをかけるように言った。
「ケン、自分の胸に手を当てて、よーく考えてみろ。たたけばホコリがでるはずだ」
ケンは素直に胸に手を当てた。
「いやー。ホコリなんて、これっぽちもでないよ」
「おかしーなー。自分の胸がだめなら、こうして人の胸でもいいぞ」
シンジはそう言うと、ユイの胸へ手を伸ばしかけた。ユイは素早く、その手を叩いた。
「痛てぇ」
ユイはシンジを睨みつけた。
「もーエッチ!何考えてんのよ。」
笑いながらアキが言った。
「ケンちゃん、ここで考えても仕方ないから、早く大沢先生のことへ行った方がいいよ。」
「うん、行ってくるよ」
「それじゃ、私たち先に帰ってるから。」
シンジとユイは、顔を見合わせた。シンジがケンとアキの顔を交互に見ながら言った。
「何なら、たこ焼きぱぱさんで待ってよか?」
「いいよ。私たちが待ってると、ケンちゃんもゆっくりお話できないだろうから。行こう、ユイ」
ケンも仕方なく言った。
「大丈夫だよ、先、帰ってて。」
シンジとユイの背中を押しながら、アキは振り返ると、声を出さずに口を開いた。
(メール・す・る・ね)
ケンは笑って頷いた。

ケンは、美術準備室のドアをノックした。
「大木です。失礼します。」
中から大沢の声がした。
「どうぞ」
ケンは、部屋の中を見回した。正面に描きかけの大きなキャンバスがあった。
「先生、今はこの絵を描いてるんですか?」
「ああっ、そうだよ。ケン、コーヒーでも飲むか?インスタントだけど」
「あっ、俺はいいです。」
「そっか、悪いな。」
大沢は、そう言うと、大きなマグカップにお湯を注いだ。コーヒーを飲みながら、大沢は、キャンバスを見ている。
「すごい大作みたいですね、これは」
「うーん、大作といえるかどうか・・・。まぁ、これが出来たら個展を開こうと思ってる。」
「へえー、先生はそんなことやってるんですか?」
「そうだよ、おかしいか?」
「あっ、いえ、おかしいとかそう言うんじゃないですけど・・・。もし、その個展を開いて認められたら、学校辞めたりとかするのかなって・・・」
「それは分からんよ。でも、俺だって、君たちと同じように夢はもってる」
ケンは、大沢の新たな一面を知って新鮮な気がした。
「あっ、そうだ。ケン、お前は宮大の水産だったな、第一志望は」
「はい、そうですけど・・・」
「どうだ、推薦で行く気はないか?」
「推薦・・・?」
大沢は、マグカップを机の上に置くと、封筒から書類を取り出した。
「そうだ。推薦入学の枠があってな。それで、お前のこれまでの成績なら十分受かると思ってな。・・・えーっと、ケンの1年、2年の成績は・・・と。これだ。まぁ、常にトップクラスに入ってる。これなら大丈夫だ。」
「・・・しかし、俺はこの前、アキと東京へ駆け落ちして、ご迷惑をお掛けしたし・・・」
「その点なら大丈夫だ。校長先生とも相談して、一応、記録上は、長期の病欠扱いとなっている。」
「そうなんですか・・・。でも、俺、いいです。推薦では行きません。」
大沢はケンの顔を見つめた。
「・・・アキのことか?」
ケンは頷いた。
「はい。やっぱり、俺だけ楽な目をするわけにはいきませんから。」
「・・・うーん」
大沢は、しばらくキャンバスを見ていたが、ケンの方に向き直った。
「なあ、ケン。お前が推薦で先に大学に受かってだな。それから、十分にアキの勉強のサポートをするっていうのも一つの方法だと思うぞ。」
「でも、俺は、そんな小ざかしい真似はしたくないです。アキといっしょに苦しんで、不安を感じて、そして、受験して、一緒に大学に行きたいです。」
「しかし、これは、お前の将来のことだ。ご両親ともよく相談を・・・」
「いや、先生。その推薦枠は、ほかの奴に声をかけてあげて下さい。俺はいいです。失礼します。」
「おい、ケン・・・」
大沢は、立ち上がりかけたが、再び椅子に腰をおろした。大沢の顔に苦笑が浮かんだ。
「小ざかしい・・・か・・・」
大沢は、筆をとり、キャンバスに向かった。
...2004/11/05(Fri) 18:58 ID:cU59oyAo <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
yosiさんへ
国語の問題の解答は、私はAだと思いますが、詳しくは他のスレッドを参照してください(笑)
...2004/11/05(Fri) 20:31 ID:7U9Po0TU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
208の続きです。

ー 推薦その2 −

「ケンちゃん、ちょっとお話があるの。」
夕食後、自分の部屋へ引き上げようとしたケンは、母の優子に呼び止められた。
「何?話って。」
「お掛けなさい。」
優子にうながされ、ケンはダイニングルームの、いつもの自分の席に着いた。
「勉強しないといけないから手短にしてよ。」
優子は、そんなケンの言葉を聞いてないかのようにコーヒードリッパーにペーパーをセットした。
「コーヒー飲むでしょう?」
「あっ・・・うん。」
優子はお湯を注ぎながら、ケンに聞いた。
「ねえ、学校はどう?」
「どうって、別に変わったことないよ。」
「そう・・・」
その時、玄関のほうで音がした。どうやら龍之介も帰ってきたらしい。ケンは、それをきっかけに立ち上がろうとしたが、優子がケンの前にコーヒーカップを置いた。
「ちょっと待っててね。」
優子は龍之介を迎えに玄関の方へ行こうとしたが、龍之介がダイニングルームへ入ってきた。自分の部屋へ引き上げるタイミングを逃したケンは、仕方なくコーヒーカップに口をつけた。
「お帰りなさい。あなた、お食事は?」
「ただいま。食べてきたからいいよ。」
「それじゃ、コーヒーはどう?」
「うーん・・・ビールがいいな。」
龍之介は、そう言いながらスーツの上着を脱ぎ、椅子へ置いた。優子は、その上着を持ってハンガーに掛けにいった。龍之介は、ケンに言った。
「どうだ?学校のほうは」
「お帰りなさい。別に相変わらずだよ。」
「そうか。」
どうして親たちはこうも同じ事を聞くのだろうか・・・。ケンはそう思いながら、ダイニングを見渡した。広いダイニングルームだが、こうして親父と顔を突き合わせていると、なんとなく圧迫感を覚えた。
戻ってきた優子は、手早くビールの栓を抜くとグラスに注ぎ、龍之介の前に置いた。龍之介は、うまそうに喉を鳴らしながら一気にビールを飲んだ。優子は、おつまみを作りながら言った。
「今日ね、大沢先生からお電話をいただいたのよ。」
龍之介は、優子の方を見た。
「大沢先生・・・何かあったのか?」
優子は乱切りにしたゲソをフライパンで炒めながら言った。
「ケンを宮浦大学の水産学部に推薦してくださるって。」
「へえー、良かったじゃないか。」
「それが良くないのよ。ケンちゃんが断ったらしいの」
そう言いながら、優子は、炒めたゲソにみじん切りにしたキムチを和え、すりゴマをかけてお皿に盛り付け、テーブルに出した。
「断った?どうして」
ケンは、龍之介に言った。
「やっぱり、俺、ちゃんと試験を受けて大学行きたいし・・・」
「推薦って言っても、立派な合格だろう。そんなにこだわることはないと思うが・・・。それに一般の入試じゃ通るとは限らんだろう?」
「そうだけど・・・」
優子も口を添えた。
「ねえ、ケンちゃん。せっかく推薦でいけるって大沢先生も太鼓判押して下さってるのだから、お断りする理由なんてないでしょう。先生も『もう一度よくご相談なさって下さい』ってわざわざお電話して下さったのよ。」
ケンは龍之介をまっすぐ見た。
「お父さんは、俺に『自分なりにケリをつけろ』って言ったよね。」
龍之介は頷いた。
「ああ、言ったよ。」
「これが俺なりのケリのつけ方だよ。」
「・・・推薦を断ることがか?」
「うん、俺だけが推薦で楽して大学に行くわけにはいかないよ。」
「・・・アキさんのことか?」
「そうだよ。アキのご両親もアキが宮大の薬学部に行くことを望んでる。アキもそれに応えようと決心したんだ。そんなアキを東京まで引っ張りまわした俺だけが推薦で大学に行くことは出来ないよ。」
優子が口をはさんだ。
「でもね、ケンちゃん。あなたが推薦で大学に行くことを先に決めて、アキさんの勉強を見てあげてもいいじゃないの?」
「先生も同じ事を言ったけど、やっぱり、俺だけ安全地帯にいて、アキを応援するなんてことは出来ないよ。一緒に苦しんで、一緒に不安を感じて、一緒に試験を受けて、一緒に大学にいかなきゃいけないと思う。」
「あなた・・・」
優子は龍之介に助けを求めた。龍之介はケンに言った。
「分かった。それがお前なりのけじめのつけ方なら、そうすればいい。」
「ありがとう。お父さん。俺、頑張るよ。」
「それじゃ、明日、大沢先生にもう一度、自分で推薦を断るんだな。」
「うん、そうするよ。」
ケンは、そう言うとダイニングルームを出て行った。
「ケンちゃん・・・。あなた・・・」
優子は納得がいかない顔で龍之介を見た。
「まっ、仕方ないさ。あいつの言うことはもっともなことだ。」
優子は、テーブルに置いてあるビール瓶を取り上げ、残っているビールを流しに捨てた。
「あっ、おい。まだ残ってるけど・・・」
龍之介は、空になったグラスとゲソのキムチ和えが盛られたお皿を惜しそうに見た。
...2004/11/05(Fri) 22:05 ID:cU59oyAo <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
調子に乗って連続投稿です(笑)

ー 推薦その3 ー

「ふー・・・」
ケンは疲れた体をベッドに投げ出した。机の上には、今さっきまで取り組んでいた数学の問題集とノートがひろげられている。

父親にああ言った手前、大学はなんとしても合格しなければならない・・・。アキは今どうしているだろうか?勉強しているだろうか?

携帯電話のメールの着信音が響いた。着信ランプが点滅してノートの数式を照らしている。ケンは机の上の携帯電話を取り上げた。アキだ・・・。

(ケンちゃん、先生の話何だったの?私は帰ってから勉強頑張ってるよ!)

ケンはすぐ返事を打った。

(宮大水産へ推薦入学の話だったよ。)送信・・・。

着信(へえーよかったじゃん!おめでとう!)

(断ったよ。一般入試を受けるよ。)送信・・・。

着信(なんでー?もったいないよ。)

(俺だけ楽できないよ。)送信・・・。

着信(楽って、それは違うよ。今まで頑張ってきたご褒美だと思うよ。まだ正式に断ったわけじゃないんでしょ?)

(明日、ちゃんと断るよ。)送信・・・。

着信(なんで断るのよ!)

(アキと一緒に頑張りたいから)送信・・・

着信(私のことはいいよ。)

(アキは言っただろ。二人で頑張って大学合格して、親たちに認めてもらおうって。それが俺たちのけじめだって)送信・・・。

着信(確かに言ったけど、あの時は推薦なんて話なかったし、せっかくのチャンスだよ)

(俺はアキと同じ不安を感じていたい。それだけだよ。一緒に頑張ろうよ!)送信・・・。

着信(ケンちゃん、バカだよ・・・でも、ありがとう)

ケンは机に向かって問題集の続きをやろうとした。携帯電話の着信音がした。

着信(ねぇ、ケンちゃん。窓の外を見て。星がキレイだよ)

ケンは、窓を開けてベランダへ出た。冷たい空気が心地よかった。空を見上げると、星が瞬いていた。

(ほんとだ。キレイな星空だ)送信・・・。

着信(ねぇ、抱きしめて・・・)

(・・・こうでいい?)送信・・・。

着信(今、ベランダに出てる?)

(なんで分かるの?)送信・・・。

着信(だって、ケンちゃんの手冷たいもん)

(あっためてよ)送信・・・。

着信(手をかして。あっためてあげる)

(あっ、でもメール打てなくなるからいいよ)送信・・・。

着信(あはは。ね、ケンちゃん、今、同じ星空見てるんだね)

(うん、同じ空の下にいる)送信・・・。

着信(この星空の中、メールが飛び交ってるだよね。なんか不思議)

(いろんなメールがあちこち行ったり来たりしてんだろうな)送信・・・。

着信(迷わずにちゃんと相手の元へ行くんだよね)

(うん、俺とアキみたいだ)送信・・・。

着信(あはは、照れるよ。ケンちゃん、そろそろ中へ入ったら?風邪ひくよ)

(うん。それじゃまた明日学校で)送信・・・。

着信(またね。おやすみ。)

(おやすみ。)送信・・・。

ケンは、静かになった携帯電話をポケットに入れた。空を見上げると、星たちは相変わらず綺麗に瞬いていた。その瞬きは、見上げる人たちに何かのメッセージを伝えているようだった。

(了)

・・・カセットテープに対抗してメールでのやり取りに挑戦してみました。しかし、どう書いていいか分からないし、この年代の恋人たちがどういうメールのやり取りをしているか全く分かりません。
無謀なチャレンジでした・・・。
...2004/11/05(Fri) 22:15 ID:cU59oyAo <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
シンジ、ユイの進路・・・あんまり題名とマッチしませんが、ラブシーンを書きましょうか。ありきたりですが・・・(笑

11月・・・夕方はもうずいぶん寒い、受験生は進路決定で忙しい時期・・・そんなある日の夕方

下校途中のシンジとユイ

ユイ「進路決めた?」

シンジ「とりあえず・・・かな」

ユイ「そっか」

シンジ「お前はどうなんだよ?」

ユイ「あたし?あたしは・・・あんたについてくから」顔を赤らめた

シンジ「へーへー」まんざらでもない様子

二人っきりでいるときは結構ラブラブな二人であった

シンジ「ケンはもう決まってんだろ」

ユイ「まぁ、ほぼ確定的よね。アキはどうするんだろ」

シンジ「ケン様についていくんだろうよ」

ユイ「そうね、あ、息が白いよ」

シンジ「もう、11月か」

ユイ「寒いね」ユイはシンジの手を握った

シンジ「あー寒い寒い」知らんぷりしたかのように言った

ユイ「最近は、異常気象だね。昨日は暖かかったのに」

シンジ「そうだな、風邪ひいちまうよ」

ユイ「あんたはバカだから風邪なんてひかないでしょう」

シンジ「その台詞そっくりお前さんに返すよ」

ユイ「すっかり暗くなっちゃった」

シンジ「日が落ちるのが早いんだよ」

ユイ「言われなくとも分かってます」

シンジ「・・・」

ユイ「・・・」

微妙な沈黙・・・それを破るかのように・・・

ユイ「シンジ、ちょっと」そういうとユイはシンジにキスをした。シンジはかなりあせっていた

シンジ「なんだよ、急に」顔を赤らめて言った

ユイ「寒くなると、人恋しいって言うじゃない」
ユイも真っ赤だった

ユイ「シンジ・・・大好き」

シンジ「ユイ・・・」シンジは自分の気持ちを整理し・・・

シンジ「俺も・・・」

ユイ「俺も・・・何?」何かを期待するような瞳だった

シンジ「俺も・・・その」

ユイ「ん?」

シンジ「・・・・・・・好き」小さな声で言った

ユイ「あ、今好きっていったでしょ?」

シンジ「言ってないぞ」

ユイ「きゃは、初めて言ったよ、好きって」ユイは飛び跳ねた

シンジ「ったく」

ユイ「おっと、アタシはこっちだから」

シンジ「ああ、じゃ」

ユイ「ありがとっ」

シンジ「何が?」

ユイ「なんでもない、バイバイ」ユイはスキップして帰っていった

シンジ「変な奴」

完・・・めったにないシーンを書きましたw感想なんかも待ってます
...2004/11/05(Fri) 22:39 ID:vEPbA7Ag    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
ごろさんへ
なにしろ、2016年ですからねえ(笑)

さて、待望の「雨鱒の川・撮影日記」のDVDが届きました。「動く小百合」を観るのは初めてなので、これでだいぶイメージが出来てきました。
面白かったのは、綾瀬はるかさんと共演者のインタビューの部分で、これによるとはるかさんは「天然系」のようです。「現場は笑いっぱなし」「現場までホテルのスリッパを履いて来てしまった」などなど。
共演の玉木宏さんとのインタビューでは「早くまともにやってくれよ(笑)」と言われ、「物静かな好青年(こうせいねん)」というべきところを「せいこうねん」と言ってしまい、一同大爆笑。
はっきり言って、大林亜紀のイメージに限りなく近いです。廣瀬亜紀をしのぐハマリ役になるかも(笑)
綾瀬はるかファンにとっては、こたえられない逸品?でしょう(笑)
...2004/11/05(Fri) 22:48 ID:0vcZ9Sgo    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>ごろさん
ケンのアキに対する愛情・けじめがしっかり出ていますね
さりげなく優子の怒った所もいいですね、マジに有りそうなシーンですよね
実は私も同じ様なシーンを考えておりました(^v^)
内容も似ていたのでもっとびっくりです

>たかさん
やっとシンジが告白しましたね(^^)v
やっぱりたかさんが描くユイとシンジは生き生きしてますね、続きを楽しみにしていますよ

>朔五郎さん
やっぱり、Aですね(^^ゞ
あのシーンは賛否両論ありますが私的には素直に受入られたんですよ、あれも廣瀬亜紀だってね
まずい思い出すと涙が・・・

雨鱒の川は私も期待して待っている一人なんです
はるかさんは漢字苦手みたいですしね


みなさんに提案なんですが・・
これからごろさんが書かれたようにメールでのシーンが
増えると思うのです
そこでメールでの会話を普通の会話と区別するのに
()<>や『』・[]・〔〕などの有る特定の括弧で
くくったらわかりやすいと思うんのですがどうでしょうか?
...2004/11/06(Sat) 07:42 ID:nLIQm5zM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
メールでの会話について
yosiさんに賛成です。
2-211でごろさんが書かれた形が良いと思いますが、いかがでしょうか?
...2004/11/06(Sat) 11:22 ID:CMCE/OxY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
たかさん
 シンジとユイは、松本写真館でペアでヌード写真を撮っている(朔五郎さんの1-104)様子なので、もう少し大胆な描写(笑)でもいいかなと思いますよ。(それを期待してたりして・・・汗)こういう物語で、ラブシーンって一番難しいですよね。やはり、さわやかに描きたいですからね。根は意外に純情なシンジとユイというのもいいかもしれません。だいたい、わーわー騒いでる人ほど奥手だったりするものですから(笑)

yosiさん
 母の優子としては、息子が苦労せずに大学にいけるのであれば、その道を勧めるのが当然ですよね。でも、それを蹴ったケン、理解を示したスケ、お嬢様育ちの優子としては精一杯の怒りの表現でした(笑)おそらく、優子はアキよりもマサミの方を気に入ってると思われます。そのあたりも、きっと、気に入らない理由なのでしょう。
 この3篇はスラスラと書けてしまいました。出来の良し悪しはともかく、こういう時ってありますね。お仕事お忙しそうですが、「谷田部説得編」も頑張っていきましょう!

朔五郎さん
 そうなんですよね。近未来の高校3年のカップルのメールのやり取りなど、おじさん系専門のぼくには想像を絶していて、難しいですわ。リアルに書こうとすれば、解読不能な会話になったりして・・・。でも、書いてて楽しかったです(笑)

メールでの会話の形式ですが、()は、心理状態や状況説明時に使われている方もいらっしゃるようなので<>の方がいいかもしれませんね。なんせ、分かりやすければいいかなと思います。
...2004/11/06(Sat) 14:18 ID:P0EMHV.o <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
それでは2−195・SATOさんの続きのお料理編を書いてみますね

マサミと律子は何度も繰り返し「指先の花」の練習をしていた。律子とマサミは今日初めて会ったのだがまるで昔からの友人同士みたいにうち解けていた。
特にマサミはケンとの事が吹っ切れたようで久しぶりに見せる笑顔が輝いていた。

時を忘れて手品に興じる二人に孝夫が声をかけた。

大沢「あの〜そろそろお腹がすいてきたんだけど・・・」
律子「わ!もうこんな時間なの?」
時計の針は7時近くを指していた。
律子「ごめんね、すぐ用意するから」
マサミ「ごめんさい。私、夢中になっちゃって」
大沢「こっちこそ、じゃましちゃったね。でも俺今日はろくに昼飯も食べていなくてね」
律子「それならもっと早く言ってくれれば良かったのに・・・」
大沢「二人ともあんまり夢中に成っているから・・・
   そうだマサミも一緒にどうだい?」
マサミ「いいえ・・・それじゃ・・・」
大沢「遠慮するなよ、食べ終わったら家まで送るから、家の方はいいのかな?」
マサミ「はい!今日は大沢先生の家に行くと母に言ってありますから平気ですよ」
大沢「それなら是非食べて行ってくれよ。律子の料理はちょっとしたもんだからね」
律子「そんな事ないわよ」照れる律子。
マサミ「それではお言葉に甘えてごちそうになります」

台所に立った律子は冷蔵庫から材料を出すと、手際良く下ごしらえをして行った。
大沢「今晩のメニューはなんだい?」
律子「今日はチンジャオロースよ」
マサミ「あの〜お手伝いしたいのですが・・・」
律子「それじゃ中華スープをお願いしようかしら」
マサミがちょっと赤くなって小声で言った。
マサミ「スミマセン・・・どうやるんでしょうか?・・・」
思わず顔を見合わせる大沢と律子。その笑顔は自分の子供を見ているようだ。
律子「それじゃ流しの下に手鍋があるから3人分の水を入れて火にかけて・・・」
またまた小声で・・・
マサミ「あの〜3人分って何CC位なんですか・・・」
律子「そうね〜その計量カップで4杯入れてね」
マサミ「はい」
律子「マサミさん料理は?」
マサミ「実は・・・あまりやったことが無いんです・・・すいません・・・」
律子「別に謝る事なんて無いわよ、最初はみんな同じよ」
その間に律子は手早くタマネギをスライスしてお湯の沸いて来た手鍋に入れて行った。
律子「それじゃ今日は説明しながら作るから見ていてね」
マサミ「はい!有り難うございます」
律子「牛肉は赤身のスライスを使うのよ、それをこうやって5mm幅位に縦に切って
   ね、なるべく同じ位の幅と長さになる様にね。」
律子は細く切った牛肉をボールに入れ醤油と酒で下味を付けた。
律子「下味は醤油とお酒ね」
適当にささっと入れる律子。それを見てマサミが質問した。
マサミ「あの〜醤油とお酒の量は・・・?」
律子「私は適当にしているのよ。でもマサミさんにはまだ無理ね・・・これくらいの量だと・・・
   う〜んお醤油が小さじ1杯位お酒は大さじ1〜2杯かな?
   下味が終わったら味をなじませる間に今度は野菜を切るのよ」
マサミはノートを出して来て律子の言葉をメモしだした。
律子「そんなノートに取らなくても・・・」
マサミ「私って書かないと覚えられないんですよ・・・ご迷惑ですか?」
律子「そんな迷惑だなんて・・・そんなに杓子定規に考えないでいいのよ
   料理はアバウトで良いんだから」
マサミ「アバウト?ですか・・・?」
大沢「律子、マサミにはまだアバウトは無理だよ」
律子「そうね、今日は出来るだけ分かりやすくするわね」
そう言いながらも律子の手は止まらない。ピーマン・タケノコをお肉と同じ長さ幅で
手際よく切って行く。その間にも手鍋にガラスープの素を入れて、最後にニンニクを
みじん切りにした。
律子「野菜が切り終わったらお肉に片栗粉をまぶすのよ。これで下準備はお終いね。」
マサミ「何で片栗粉をお肉にまぶすんですか?」
律子「それはお肉を炒めた時に肉の周りに片栗の膜が出来てお肉のうま味が外に
   逃げないようにするからなのよ。
   それでは炒め初めますか。最初にお肉にだけを炒めるのよ」
そう言いながら律子はよく熱した中華鍋にごま油を入れ牛肉を炒め始めた。
律子「まずよ〜く中華鍋を熱してから炒めるのよ
   でも、この時にあまり炒め過ぎはダメよ」
マサミ「何でですか?」
またまた質問をするマサミに笑顔で答える律子。そんな二人のやりとりを大沢は黙って
見ていた。
律子「それはお肉って火が通るほど堅くなってしまうからなのよ。そして軽く火が
   通った所でいちど別のお皿に出すのよ」
今炒めたお肉を一度別皿に移し手際よく中華鍋を洗った律子はキッチンペーパーで水分を取り再度加熱を始めた。
律子「次に野菜ね、最初にみじん切りのニンニクを入れて油に香りを付けるのよ。
   ニンニクが薄いきつね色に変わったら次はピーマンとタケノコを入れて手早く
   炒める、この時も炒め過ぎないように手早くね、炒め過ぎると野菜の
   シャキシャキ感が無くなってしまうのでね、野菜に火が通ったらお肉を加えて
   なじんだ所で味付けよ。」
律子は塩・胡椒少々・酒・醤油・オイスターソース・中華だしを入れて再度なじませる
為に炒めた。味見をして味の調整をしたら上げぎわにゴマ油を垂らして香り付けをした。
中華スープの方も塩・醤油で味を調えてこっちにもごま油を垂らして完成。

大きめのお皿に盛られたチンジャオロースが大沢家の食卓に出てきた。
早速食べ始める3人・・・
マサミ「おっいっし〜!!まるで何とか飯店とか言う本格中華のお店で食べている
    みたいですね、とっても柔らかくてジューシー・・・」
大沢「な!律子の料理はいけるだろ?」
マサミ「はい!そこら辺の中華屋さんなんて完全にノックアウトですね」
律子「そんなお世辞言っても何も出ないわよ」
マサミ「お世辞じゃないですよ!本当に美味しいですから。毎日こんなに美味しい
    晩ご飯が食べられる大沢先生って幸せですね!それに私の家って料理は
    最初から一人分毎に分けてあるから、こうしてわいわいして食べる事って
    お鍋くらいなんです」
律子「中華料理ってね、こうして大皿で出てくる事が多いでしょ?」
マサミ「そうですね、テーブルを回して取りますよね」
律子「あれって『私はあなたと同じ物を食べるからあなたを暗殺するつもりは
   ありません』って意味もあるそうよ」
マサミ「そうなんですか?」
律子「そう何かの本で読んだ事が有るわ」

秋の夜長に3人の会話はまだまだ続くのだった。

お料理編(完)
...2004/11/06(Sat) 15:32 ID:nLIQm5zM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
それにしても、NHK朝ドラのヒロインがモトカリさんなのは知ってたが、その父親役が緒形直人さんとは(絶句)今度は、緒形氏の経営する工場が倒産し、娘は高校中退を余儀なくされ、一家離散・・・。また、同じような演技になるんでしょうか(笑)

「いま、会いにゆきます」を観てきましたが、ある意味非常に楽しめます。だって、これでもかというくらい「セカチュー」(特にドラマ版)との類似点が出てきますから。でも、映像・心理描写とも、とても美しい映画でした。子役がかわいいです。

「Mr.インクレディブル」のポスターが映画館に貼ってあって、綾瀬はるかさんが声を担当する長女バイオレットのキャッチコピーは「パパ、私だって普通の恋がしたいの・・・」思わず笑ってしまいました。はるかさん、フツーではない恋ばかり演じているので。ちなみにパパ役は三浦友和さんだそうです。
...2004/11/06(Sat) 19:49 ID:CMCE/OxY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさん、楽しい場面をありがとうございます。
マサミと律子はお互いに教えあいっこでいいコンビになっていくんでしょうね。というかそうしちゃいましょう。

朔五郎さん、そうなんですか、偶然なのかわかりませんが、セカチューメンバーが再共演なんですね。
(ユイカちゃんと緒形さんは厳密に言えば共演してませんでしたが)特に三浦パパとはるかちゃんがまた父娘役とは・・・嬉しいですね。
...2004/11/06(Sat) 20:55 ID:uGzu3K0s    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:くれい
そうなんですよね、綾瀬さんと三浦さんが共演なんですよね。
これは何かの演出か?と思ってしまいました。
映画でもドラマでもそうでしょうけど、共演される方はとことん同じドラマや映画で共演されますよね。
...2004/11/06(Sat) 21:08 ID:IPpce30.    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
今日、ようやく、綾瀬はるかちゃんの2005年カレンダーをゲットいたしました。いやぁ、かわいいですね。早速壁に掛けてありますよ、1枚目でww

長澤まさみちゃんは1月からドラマで嵐の二宮和也君と共演されますね。NHKの朝ドラは毎日チェックしますよ。皆さん活躍してますね。綾瀬はるかちゃんは大活躍ですねー。うれしいです
...2004/11/06(Sat) 22:19 ID:iDyB9tjE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
律子とマサミ(第3回・・・でしたっけ?)

その後、マサミは週一ペースで大沢家を訪れ、律子に手品を教えるようになっていました。今日もマサミは大沢家に来ていました。

(大沢家・居間)

律子が「指先の花」を実演している

マサミ「奥さん、上達しましたね。もう人前でやっても恥ずかしくないですよ。」
律子「マサミちゃんのおかげよ。どうもありがとう。ところでね、その奥さんっていうの、もうやめにしない?手品を教えてもらう替わりにお料理を教えてあげてる仲だし、マサミちゃんとはいいお友達になれた思っているのよ。だから、これからは、名前で呼んでくれない?」
マサミ「えっ・・・それじゃ、律子さんって呼んでいいんですか?」
律子「そうよ、それでいいのよ、ありがとう。」
マサミ「でも、律子さんって、わたしにとっては友達というより、お姉さんみたいで・・・ごめんなさい、わたし、一人っ子だから、こういうの憧れていたんですよ。お姉さんがいるっていうのが。」
律子「そっか。別に謝ることないわよ。それじゃ、とっても仲がよくて、親友みたいな姉妹になろうよ。姉妹の契りを交わしたしるしに今日は料理を作らせてあげる。」
マサミ「えっ、でも私が作るとモタモタして大沢先生待たせちゃうんじゃ・・・」
律子「それなら大丈夫。今日はうちの人、父母会との懇親会でいないのよ。わたしたちだけだから、たっぷり時間かけて美味しいものを作りましょう。」
マサミ「あっそうなんですか。大沢先生にご予定があるとは知りませんでした。(※マサミは何度も大沢家に来ているので、道を覚えているのです。今日も一人で大沢家に来ました)」
律子「今日はマサミちゃんが来てくれる日でよかったわ。一人だったら料理作っても食べてくれる人がいなくて、つまらないところだったから。」
マサミ「あら、それなら、先生がいない日はわたしが来てお相手しましょうか?(笑)」
律子「本当?それ、最高!でも勉強おろそかになったらダメよ。成績下がったら出入り禁止になっちゃうからね。彼がそう言ってたでしょ?」
マサミ「あっ、そうでしたよね。でも、あらかじめ予定がわかってれば、他の日に埋め合わせしますから。律子さんと会えるんだったら、頑張って勉強しますよ。」
律子「いい心がけだ。よしよし。では、始めましょう」

二人、台所へ移動

マサミが来た初日に出たチンジャオロースを今日はマサミが料理することになりました。律子はアドバイスを送りながら今日は手伝いに徹します。マサミが困った顔をして助けを求めるたびに律子は優しい笑顔で味見をしたり、料理の手助けをしてマサミを励まします。悪戦苦闘のすえ、チンジャオロースが出来ました。

食卓につく二人

マサミ・律子「いただきます」
マサミ「あれーやっぱりこの前みたいなジューシーさがないなー。ちょっと悔しい。」
律子「そんなことないよ。ちゃんと中華の味してるわ。わたしは造り慣れてるから、この間のは別格だと思って。今日ぐらい出来れば充分おいしいわよ。」
マサミ「すみません、ありがとうございます。でも、料理してるとき、楽しかったです。わたしの造った料理を食べてもらえるかと思うと嬉しくて。わたし、人が喜ぶ顔みるのが好きなんですよ。だから、律子さんが美味しいって言ってくれたときは嬉しかったです。」
律子「へー、そうなんだ。」
マサミ「手品やってるときもそうなんです。観ている人が喜んでいる顔みると、もっと面白い手品を見せてあげたいってワクワクしてくるんですよ。」
律子「わたしも人が喜ぶ顔を見るのが好き。それでね、ボランティアで月一回老人ホームに行っているの。そこで歌うたったり、ピアノを弾いてるんだけど、集まったお年寄りの方たちが目を輝かせて聴いてくださってると、もっと上手な歌やピアノを聴かせてあげたいって思う。」
マサミ「律子さん、音楽やられてるんですか?」
律子「ピアノが好きでずっとやってたの。音楽の道に進もうかどうしようか迷ったんだけど、高校の時の担任の先生にね、『好きなだけじゃ食べていけないぞ』と言われて、結局デザインの道に進んだんだけど、趣味でピアノは続けていたの。それで、アマチュアのコンクールや演奏会には出ていたわ。音楽の道に進まなかったことを後悔していて、欲求不満の解消のためだったんだけどね。でも、演奏していて思ったの。自分の思ったとおりに演奏できて、それに観客が共感してくれる。お金にはならないけどもの凄く充実感があった。ピアノを弾くのがとても楽しいと思った。その時にね、もしプロだったらこんなに楽しく演奏できるかな、弾きたくなくても弾かなければならないのは苦しいだろうなって思って、気持ちが吹っ切れた。」
マサミ「そうだったんですか」
律子「でも、ピアノ続けててよかった。こうして今でもお年寄りの前で演奏できるから。それに、主人が理解してくれてるんだけど、年1回アマチュアのコンサートに出演してるの。」
マサミ「是非、聴きたいです。コンサートはいつですか?」
律子「ごめんね。毎年夏にやってるので、今年は終わったの。来年のスケジュールが決まったらチラシを渡すわ。」
マサミ「お願いします。」
律子「そうそう、マサミちゃん、手品を観ている人が喜ぶ顔を見るのが好きって言ってたわよね。来週の日曜日にホームへ行くんだけど、一緒に行かない?ホームの皆さんの前で手品を披露してみない?」
マサミ「うわー!(目が輝く)是非やってみたいです。でも、この日は午前中に模擬試験があるから、午後しか自由にならないんですけど・・・」
律子「大丈夫よ。ホームの管理人さんにそう言っておくから。それじゃ、試験が終わったらうちにいらっしゃい。それから一緒に行きましょう。」
マサミ「ええ、楽しみにしてます。」
律子「それまで、勉強しっかりね。」
マサミ「はーい!」

(続く)


※編集のごろさんへ、律子とマサミの場面はケン・アキのメインストーリーの隙間にところどころ入れていただく形でお願いいたします。
...2004/11/06(Sat) 23:56 ID:uGzu3K0s    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>SATOさん
あの料理の所はそのまま実際にやってもらっても
きっと美味しいチンジャオロースが来ますよ(^○^)

さっそくチンジャオロースのシーンを使って頂き有り難うございます
それでは律子とマサミはお互いに教えあいっこの予定で行きましょうね
(私はそんなにレパートリーが有りませんが・・・)
マサミが受験勉強の合間にホームの訪問をしたり
律子と手品&料理を覚えるシーンをこれから一緒に書いて行きましょう

SATOさんが書いたシーンで律子やマサミが食事を作るシーンが有ればその都度言って頂ければ挿入する格好で書いて行きますね

しかしSATOさんが書いた
>>料理の手助けをしてマサミを励まします。悪戦苦>>闘のすえ、チンジャオロースが出来ました。
ってこれって少し前、実際に私が私の友人の奥さんにまさに
このチンジャオロースを教えた時と一緒だったので
思わず笑ってしまいましたよ


>作者の皆様
料理のシーンが必要な時は言って下さいね
出来る限り希望にそう形で協力します
...2004/11/07(Sun) 00:23 ID:v7vaYQSc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
2-196の続きです

札幌編(その7)

夜中に飛び起きてから、一睡もできなかった。一人で暗い部屋にいるのが怖くて部屋中の灯りをつけた。しかしそれは、自分が独りだということを、余計に浮かび上がらせる。

ラジオをつけてみた。

「今夜も朝までミッドナイトウエーブ、さあ続いてリクエストにお応えします。静岡県にお住まいのジュリエットさん。私の彼は、受験生の私を放り出して旅行に行ってしまいました。たぶん、他の女の子と一緒です。どうしてかなぁ、眠れないの・・・、明日が来るのが怖くて眠れないの・・・私たち、もうすぐ別れると思う・・・あなたが、他のひとと恋をして、楽しく過ごしていることを想像しながら今夜は眠ります。いやあ、切ないですねえ。ジュリエットさんの思いが彼に届きますように。リクエスト曲は2004年、今から13年前のナンバーで、大塚愛の『愛してるよ。』それでは、どうぞ」

 あなたが
 恋しくて
 恋しくて
 これ以上、どうしようもなくて・・・

アキ。

・・・時計を見ると、朝の6時を過ぎていた。
重いカーテンを開けると、まぶし過ぎる朝日が部屋に満ち溢れた。
シャワーを浴びてロビーに降りて行くと、サユリの姿があった。
「・・・サユリ」
「あ、大木君、おはよう。ずいぶん早いね」
「う、うん。ちょっと目がさめちゃって・・・」
「私も緊張して眠れなかった。朝ごはん食べた?」
「いや、まだ」
「じゃ、食べに行く?」
「うん」

「サユリ」
「なに?あ、はい、コーヒー置くね」
「ありがとう。あのさ、サユリって、宮浦のあたりに親戚とかいるの?」
「ううん、いない。入試の時まで一度も行ったことなかったし、知っている人もいないわ」
「そうか・・・」
それなら、なぜサユリが、アキや他のひとと重なって見えるのだろう。「他人の空似」に過ぎないのかな。
「知り合いの人はいないんだけど・・・」
「うん」
「キャンパスの中にピンクのアジサイが咲いていたでしょう?」
「ああ、咲いてた」
「あの花の前を通ると、いつも話しかけられるような気がした。最初のうちは友達もいなかったから、なんだか心が温かくなったわ」
「そうだ、スケッチするって言ってたよね」
「そう、とても懐かしい気がしたの」
ケンが話題を換えた。
「・・・そうだ、昨夜、藻岩山に行った時、何か変わったことなかった?」
「ううん、別に。展望台からの夜景、きれいだったでしょう?」
「うん・・・」
「あ、大木君、疲れてたみたいでゴンドラの中でウトウトしてた。ガラスに頭ぶつけてたわ」
やっぱり、夢だったのか。

「・・・ごちそうさま」
「ごちそうさま。じゃ、大木君、十時にロビーで待ち合わせでいい?」
「うん」

いよいよ、サユリの初恋の人に会いに行く。
朝の光の中、また市電に乗った。
昨夜と同じところを走っているのに、全然違う気がする。
サユリは席に座って目を閉じている。サユリの顔に陽が当たったり、建物の影が落ちたりしている。彼女の心を表しているように。
ガタン、ゴロゴロゴロ・・・ギギギィ。
動いたり、止まったりする音が、やけに大きく聞こえる。
ケンはなぜか思った。これから行く場所に答えがある。すべてが分かる。サユリとアキ、そしてあのひととのつながり。もしかしたら、ケン自身の運命さえも。

(続く)

SATOさん、yosiさん
律子とマサミ、相性良さそうですね。とても楽しく読ませて頂いてます。

くれいさん、SATOさん
共演が続くことが多いのは、「事務所つながり」なんてこともあるのでしょうか。
いずれにせよ、あの親子の再現は楽しみです。パロディで「まず挨拶しなさい」とか入れてくれませんかね(笑)
...2004/11/07(Sun) 04:28 ID:q8qqeiT2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:にわかマニア
 最初の書き込みからレスが50件に達するまで2週間かかりましたが,その後はほぼ3日で50件というペースで進んでいます。当初のスレが満杯となって「パート2」に移行した後も,このハイペースは続いており,50〜100(通算350〜400)に至っては2日間という区間記録をマークしています。
 いよいよ物語も佳境に入ってきましたし,この調子だと,来週中には「パート3」が立ち上がるのかもしれませんね。原作本をもじって「泣きながら一気に書き上げました」というキャッチコピーでもつけますか。
...2004/11/07(Sun) 07:32 ID:UyXUH46c    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさん、それでは経験にもとづいてマサミの悪戦苦闘場面をお願いいたします。(今後も料理の場面はあけますので、都度お願いします)

※編集のごろさんが大変になるので、料理の前と食卓の会話とを切り離します。
ごろさん、こちらをお使い下さい。

律子とマサミ(第3回・・・でしたっけ?)

その後、マサミは週一ペースで大沢家を訪れ、律子に手品を教えるようになっていました。今日もマサミは大沢家に来ていました。

(大沢家・居間)

律子が「指先の花」を実演している

マサミ「奥さん、上達しましたね。もう人前でやっても恥ずかしくないですよ。」
律子「マサミちゃんのおかげよ。どうもありがとう。ところでね、その奥さんっていうの、もうやめにしない?手品を教えてもらう替わりにお料理を教えてあげてる仲だし、マサミちゃんとはいいお友達になれた思っているのよ。だから、これからは、名前で呼んでくれない?」
マサミ「えっ・・・それじゃ、律子さんって呼んでいいんですか?」
律子「そうよ、それでいいのよ、ありがとう。」
マサミ「でも、律子さんって、わたしにとっては友達というより、お姉さんみたいで・・・ごめんなさい、わたし、一人っ子だから、こういうの憧れていたんですよ。お姉さんがいるっていうのが。」
律子「そっか。別に謝ることないわよ。それじゃ、とっても仲がよくて、親友みたいな姉妹になろうよ。姉妹の契りを交わしたしるしに今日は料理を作らせてあげる。」
マサミ「えっ、でも私が作るとモタモタして大沢先生待たせちゃうんじゃ・・・」
律子「それなら大丈夫。今日はうちの人、父母会との懇親会でいないのよ。わたしたちだけだから、たっぷり時間かけて美味しいものを作りましょう。」
マサミ「あっそうなんですか。大沢先生にご予定があるとは知りませんでした。(※マサミは何度も大沢家に来ているので、道を覚えているのです。今日も一人で大沢家に来ました)」
律子「今日はマサミちゃんが来てくれる日でよかったわ。一人だったら料理作っても食べてくれる人がいなくて、つまらないところだったから。」
マサミ「あら、それなら、先生がいない日はわたしが来てお相手しましょうか?(笑)」
律子「本当?それ、最高!でも勉強おろそかになったらダメよ。成績下がったら出入り禁止になっちゃうからね。彼がそう言ってたでしょ?」
マサミ「あっ、そうでしたよね。でも、あらかじめ予定がわかってれば、他の日に埋め合わせしますから。律子さんと会えるんだったら、頑張って勉強しますよ。」
律子「いい心がけだ。よしよし。では、始めましょう」

二人、台所へ移動

(マサミが来た初日に出たチンジャオロースを今日はマサミが料理することになりました。律子はアドバイスを送りながら今日は手伝いに徹します。マサミが困った顔をして助けを求めるたびに律子は優しい笑顔で味見をしたり、料理の手助けをしてマサミを励まします。悪戦苦闘のすえ、チンジャオロースが出来ました。→yosiさんお願いします)

(続く)
...2004/11/07(Sun) 07:57 ID:kPEeFxKw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさん作・マサミの悪戦苦闘場面からの続きです。ごろさん、こちらをお使い下さい。


食卓につく二人

マサミ・律子「いただきます」
マサミ「あれーやっぱりこの前みたいなジューシーさがないなー。ちょっと悔しい。」
律子「そんなことないよ。ちゃんと中華の味してるわ。わたしは造り慣れてるから、この間のは別格だと思って。今日ぐらい出来れば充分おいしいわよ。」
マサミ「すみません、ありがとうございます。でも、料理してるとき、楽しかったです。わたしの造った料理を食べてもらえるかと思うと嬉しくて。わたし、人が喜ぶ顔みるのが好きなんですよ。だから、律子さんが美味しいって言ってくれたときは嬉しかったです。」
律子「へー、そうなんだ。」
マサミ「手品やってるときもそうなんです。観ている人が喜んでいる顔みると、もっと面白い手品を見せてあげたいってワクワクしてくるんですよ。」
律子「わたしも人が喜ぶ顔を見るのが好き。それでね、ボランティアで月一回老人ホームに行っているの。そこで歌うたったり、ピアノを弾いてるんだけど、集まったお年寄りの方たちが目を輝かせて聴いてくださってると、もっと上手な歌やピアノを聴かせてあげたいって思う。」
マサミ「律子さん、音楽やられてるんですか?」
律子「ピアノが好きでずっとやってたの。音楽の道に進もうかどうしようか迷ったんだけど、高校の時の担任の先生にね、『好きなだけじゃ食べていけないぞ』と言われて、結局デザインの道に進んだんだけど、趣味でピアノは続けていたの。それで、アマチュアのコンクールや演奏会には出ていたわ。音楽の道に進まなかったことを後悔していて、欲求不満の解消のためだったんだけどね。でも、演奏していて思ったの。自分の思ったとおりに演奏できて、それに観客が共感してくれる。お金にはならないけどもの凄く充実感があった。ピアノを弾くのがとても楽しいと思った。その時にね、もしプロだったらこんなに楽しく演奏できるかな、弾きたくなくても弾かなければならないのは苦しいだろうなって思って、気持ちが吹っ切れた。」
マサミ「そうだったんですか」
律子「でも、ピアノ続けててよかった。こうして今でもお年寄りの前で演奏できるから。それに、主人が理解してくれてるんだけど、年1回アマチュアのコンサートに出演してるの。」
マサミ「是非、聴きたいです。コンサートはいつですか?」
律子「ごめんね。毎年夏にやってるので、今年は終わったの。来年のスケジュールが決まったらチラシを渡すわ。」
マサミ「お願いします。」
律子「そうそう、マサミちゃん、手品を観ている人が喜ぶ顔を見るのが好きって言ってたわよね。来週の日曜日にホームへ行くんだけど、一緒に行かない?ホームの皆さんの前で手品を披露してみない?」
マサミ「うわー!(目が輝く)是非やってみたいです。でも、この日は午前中に模擬試験があるから、午後しか自由にならないんですけど・・・」
律子「大丈夫よ。ホームの管理人さんにそう言っておくから。それじゃ、試験が終わったらうちにいらっしゃい。それから一緒に行きましょう。」
マサミ「ええ、楽しみにしてます。」
律子「それまで、勉強しっかりね。」
マサミ「はーい!」

(続く)
...2004/11/07(Sun) 08:01 ID:kPEeFxKw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
SATOさん
 ご配慮ありがとうございます。
律子マサミ編は、ご指示どおり所々に挿入するかたちで編集します。引越し作業も落ち着かれたのでしょうか?まさか段ボール箱山積み状態で執筆されているとか・・・(笑)

朔五郎さん
 大沢先生は幼少期に文化と芸術の都N.Yで過ごし、9.11という悲惨な出来事を身近で体験しているので、やはり、絵画に対する想いは相当のものがあると思います。内に秘めた芸術家志向というのもちょっと出してみました。ぼくの高校時代の美術の先生がそういうタイプでして、今ではどっかの大学の教授か助教授をしながら精力的に活動されているようで、参考にしてみました。大沢の絵画と律子のピアノによる「音と絵画の個展」なんてのもいいかもしれませんね。(+マサミの手品もありとか・・・)
 「札幌編」続きが気になりますね。サルルで何が起きるのか・・・。

にわかマニアさん
 後編の作品数もすでに前編を上回っております。このままでは、前・後編と分割するより、第1部・第2部・第3部としたほうがいいかもしれません。それに、朔五郎さんやApo.さんのサイドストーリーもありますし、他の方も発作が起きてサイドストーリーに取り掛かるかもしれません。
(終了したドラマのサイドというのは分かりますが、終わっていない「世界の中心で、愛をさけぶ2」のサイドまで登場するなんて(笑)、それだけ皆さんのドラマやこの「2」に対する思い入れがあるということなんですね。)
どこまで続くか、編集していて呆然とする今日この頃です(笑)。もしかして、年を越すなんてことも・・・。

Apo.2さん
 お疲れだとは思いますが、出張からお帰りになられたら、「ケン推薦お断り編」について、ご意見などお待ちしております。「アキ不合格までの道のり」はApo.2さんのご意見待ちです。
 このレスの伸び具合に驚かれるかもしれませんね。もうすぐ230です(笑)
...2004/11/07(Sun) 13:06 ID:e73ZJnfU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
律子とマサミ

日曜日の昼過ぎ
大沢先生のマンションの前
模擬試験を終えたマサミがやってくる
今日は律子と一緒に老人ホームへ行く日です。

(大沢家)

律子がピアノを弾いてマサミを待っている
(曲目は皆様のお好きなもので・・・)

ピンポーン!

律子「はーい」
マサミ「今日は。マサミです」
律子「いらっしゃい、待ってたわ」
大沢「よう、試験どうだった?」
マサミ「バッチリです。今日がとても楽しみだったので、頑張っちゃいました!」
大沢「そうか、よしよし、午後は律子と楽しんでこい」
律子「マサミちゃんが頑張ってくれないと、わたしたち会えなくなるから。」
マサミ「ちょっと、律子さん、変なプレッシャーかけないで下さいよ(笑)」
大沢「おい、マサミ、こいつ(律子)マジだからな。」
律子「まあ、あなたったら・・・(笑)」
大沢「とにかく、あがりなさい。昼飯を一緒に食べよう。」
マサミ「いつもすみません。」


大沢家・食卓

今日は軽めでサンドイッチです。

律子「マサミちゃんは、将来どんな仕事したいの?」
マサミ「まだ具体的じゃないんですけど、地域社会に役立つ仕事がしたいと思っています。一応、公務員試験を受けるつもりなんですけど。」
大沢「それなら、今日これから律子と行く老人ホームでの介護なども、選択肢の一つに入るな。下見も兼ねて様子を見てきたらどうだ?」
律子「そうね、それもいいかも。」
マサミ「そうですね。まだ漠然としていて具体的に考えてなかったものですから。いい機会だと思って気楽な気持ちで見てきます。」
大沢「そうそう、杓子定規に考えずに、アバウトにな」

食後

律子・マサミ「では行ってきます」
大沢「行ってらっしゃい。気を付けてな。」

二人は老人ホームへ向かいました。

(続く)
...2004/11/07(Sun) 13:20 ID:ART43Zck    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
それでは2−226SATOさんの後を受けてマサミの初チンジャオロース苦闘編(^^;)です

台所で下準備を始めるマサミと律子。
マサミは料理にかかる前にこの前のノートをしっかり読み返していた。
律子「今日は全部マサミちゃんが一人で全部やってみねて」
マサミ「え!全部一人・・・なんですか・・・?」
律子「そんな不安な顔しない!私はこっちからちゃんとお手伝いをしますよ」
そう言って材料を出すと律子は対面キッチンの向こう側に立った。
律子「今日はマサミちゃんと一緒に作るつもりだったからお肉は半冷凍に
   しておいたわ」
マサミ「それって?・・・」
律子「生のお肉って切りづらいのよ、そんな時はフリーザーで少しだけ冷凍すると
   簡単に切れるのよ」
マサミ「そうなんですか?」
律子「ただ完全に凍らせると解凍した時に肉汁も一緒に解けて出てしまうので
   切りやすくするには少しだけ凍らせるのよ。その違いも試してみましょうね」
律子はそう言って冷蔵庫から生の牛肉も少し出してきた。
律子「最初はこっちの生を切ってみて」
マサミ「はい!」
生の牛肉はマサミの想像以上に切りにくいものだった。この前律子は簡単に肉をスライスしていたのを見ていたマサミはまさに悪戦苦闘!たった1枚の肉を切るのに3分以上もかかってしまった。
律子「次にこっちの半冷凍の方を切ってみて」
今度の肉は面白い様に簡単に切れるのでびっくりするマサミ。
マサミ「へ〜こんなに違うんですね」
律子「そうよ、これはお刺身を切る時も同じなのよ」
切り終わった肉をボールに移し、マサミは下味を付ける事にした。
マサミ「え〜とお醤油が小さじで1杯お酒が大さじ2杯・・・っと」
律子「ブ〜!それは3人前の時の量よ、今回は二人分だから少し減らさないとね」
マサミ「そうですね」
律子「最初は少しずつ入れていけばいいのよ」
頭では理解しているつもりだが・・・おっかなびっくりで下味を付けるマサミ・・・
そんなマサミを温かく見守る律子。片栗粉もまぶしてお肉の下味付け終了。
マサミ「次は野菜ですね・・・」
律子「最初にやってみるから真似してやってね」
そう言って、律子はピーマンの上下部分を切り落とし中の種を取り出した。軽く水洗いをしたら、それを半分にし、二枚重ねにしてリズミカルにトントンと切って行った。この間わずか十秒ほど・・・
律子「どう?分かった?」
マサミ「はい・・」不安そうなマサミ・・・
律子「そんなに緊張しなくてもいいのよ、それに時間も気にしないいいからね」
マサミ「はい・・・」
ピーマンを2枚重ねで切ろうとするマサミ・・・しかし滑ってうまく切れない・・・焦るマサミ・・
律子「2枚で切りづらいなら1枚で切ってみたら?」
律子のアドバイス通り1枚にして切る、マサミ・・・ザク!ザク!ザク!
何とかピーマンを切り終えたマサミはタケノコも何とか切り終わった。最後にニンニクのみじん切りだがニンニクは小さくてころころしてうまく切れないでいた。そんなマサミを見ていた律子が言った。
律子「それじゃこんな方法も有るから覚えてね」
そう言って律子はまな板の上にニンニクを1かけ置き包丁を横向きにして上にかぶせた。
律子「えい!」
律子の拳が包丁の上からニンニクをたたきつぶす。つぶれたニンニクをさらに包丁でみじん切りにしていった。
律子「どう?これなら簡単に出来るでしょ?」
マサミ「ほんとですね、さっきの苦労が嘘みたい」
30分かかってやっと下準備が終わったマサミ・・・
律子「さぁこれからが本番よ」
ますます緊張するマサミに
律子「マサミちゃん深呼吸!大丈夫よ!安心して私がついているから
   まずはフライパンにごま油を入れて熱してね」
マサミ「はい」
返事は良いのだがその手さばきはぎこちない。すぐにお肉を入れようとするマサミに律子が言った。
律子「まだよ〜お肉を入れるのはよ〜くフライパンが温まってからね。
   中華料理は火が命!」
マサミ「はい」
フライパンから煙が上がって来たが、まだ律子の合図は無い。
マサミ「律子さん・・・煙が・・・」
律子「家庭用のガスコンロは火力が弱いから最初によくフライパンを熱するのよ・・・
   さあ、もう良いわ!お肉を入れてね」
返事をするのも忘れてマサミは肉を入れた。ジュっと言う大きな音にびっくりするマサミだが、律子は平然としている。へっぴり腰のマサミを見て
律子「マサミちゃん腰が引けているわよ、それじゃフライパンが振れないぞ〜」
マサミの緊張をほぐそうとする律子。その時フライパンから火の手が上がった。
マサミ「律子さん!火事!!火事!!」
びっくりして半分涙声になるマサミ。いつのまにか隣に来ていた律子はすぐにフライパンを振り始めた。あら不思議・・・律子がフライパンを振るとすぐに火は消えた。
律子「もうこれで大丈夫よ、あとはこうやってお箸でほぐしながらお肉全体に
   火が回るようにするの」
律子はプロのコックがするように簡単にフライパンを振って見せたが、マサミがやってみると・・・お肉はひっくり返らずフライパンの中を移動するだけだった。仕方無しに箸でお肉をひっくり返すマサミ。
律子「最初は誰も一緒よ、私も出来なかったのよ・・・そろそろいいわね
   そのお皿に一度中身を全部あけてね」
緊張とさっきの炎でマサミは言葉を失ってした。
律子「ちょっとマサミちゃん!平気?」
マサミ「あ!平気です・・・ちょっとびっくりしてしまって・・」
律子「そうよね、テレビやレストランでは見た事有るけど、実際に目の前で火の手が
   上がるのはあまり無いものね、さあフライパンを洗い終わったから今度は野菜ね」
マサミ「はい!またよく熱するんですよね」
律子「そうよ」
野菜を炒めるマサミだが、律子の真似をしてフライパンを振るが、やはり中身はただ移動するだけ・・・
マサミ「何で律子さんみたいにうまくひっくり返らないのかな?」
律子「それはマサミちゃんのはフライパンを前後に動かしているだけだからなのよ
   ちょっと貸してね」
そう言って律子はフライパンを振って見せた。
律子「ほらマサミちゃんのはこうしているのよ」
そう言って律子はフライパンを前後に振ってみせた。確かに中身は移動するだけだった。
律子「こうやって中身を前に放り出す様にするとフライパンの向こう側の壁に
   ぶつかって中身は上に上がるのよ・・・
   手の動きは・・・楕円を描く様にね、さ!やってみて」
再度挑戦するマサミ・・・
マサミ「ええと前に放り出す様に・・・楕円を描くように・・・」
なかなかうまく行かないマサミ・・・
律子「そろそろお肉を入れて味付けをしましょう!」
マサミ「はい!」
今度は量が増えてますます振りづらくなり、マサミは箸で混ぜる事にした。律子の言う順番に調味料を加えて行くマサミ。
律子「まず塩を一降り次に胡椒少々お酒・醤油・とオイスターソースはほんの
少しだけと中華だしを入れて・・・さあまた炒めて」
またフライパンと格闘するマサミ・・・しかしなかなかうまく行かない・・・
味見をする律子とマサミ・・・
マサミには味が薄く感じたので醤油を加えようとするとそれを止める律子。
律子「マサミちゃん入れなくていいわよ!これくらいでOKだから」
マサミ「え!私には醤油が足らなく感じるんですが・・・」
律子「それでいいのよ、味見の時は少量なので薄く感じて当たり前なの」
マサミ「そうなんですか?」
律子「そうよ!味見でちょうど良い位だと、食べて見ると必ずしょっぱ過ぎるから
   まぁ私も何回も失敗しているから」
マサミは最後の香り付けのごま油を垂らしひと振りすると初めて中身が綺麗にひっくり返った。
マサミ「律子さん!出来た!!」
律子「うん今の要領を忘れないでね」
マサミ「はい!」

2−227へ続く
ちょっと長くなってしまった(^^;

>ごろさん
『アキと谷田部先生』も進めておりますがもう少しお待ち下さい
昨晩単身赴任先からの帰りの車の中でいろいろ考えておりました。しかし運転中はメモ出来ないので
話ばかりが先に進んでしまうんです(^^;

今日は朝から家族の朝食を作ったりして私自身が料理を楽しんでおりました
...2004/11/07(Sun) 15:39 ID:v7vaYQSc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
現在、それぞれのクリスマス、と言うのが頭に浮かんでおりましてですね、ケンとアキ。シンジとユイ。マサミと大沢先生と律子。廣瀬家。松本家。等々、皆さんで書こうと思うのですが・・・何かいいアイデア、意見等ございましたら、言ってください。待ってるぞよw
...2004/11/07(Sun) 16:32 ID:AlHRlHgc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
たかさーん
レイコの扱いどうします?
出番が少なくて可愛そうな感じ。

本家のボウズのようなさりげない存在感を発揮してもらいたいんですけどね。

※横やり入れてゴメンなさい。
...2004/11/07(Sun) 16:53 ID:ART43Zck    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
yosiさん、マサミの悪戦苦闘ぶり、可愛らしくていいですね。もう完全に律子の妹分になりましたね。
...2004/11/07(Sun) 16:56 ID:ART43Zck    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
お、いいですね。全然構いませんよ!!レイコも採用ですwシンジとは別の恋をして、彼氏ができていたり、ボウズとレイコって言う意外なマッチも考えられますね。他の方もじゃんじゃん意見ください。ボウズも出しましょうかw
...2004/11/07(Sun) 16:58 ID:AlHRlHgc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
2−229について

マサミを待っている間に律子が弾いていたピアノ曲は皆様お好きな曲をご想像のうえ、お読み下さい。

ちなみに、私は最初はショパンとかモーツアルトなどと想像しながら書きましたが、折角だからとサントラを出して何か合いそうな曲ないかな、とさがしてみました。
テレビ版のサントラでしたらNo14「遠い日のメロディ」が合っているように思いました。これから楽しいことが待っている、という希望を感じさせるからです。
「かたちあるもの(ピアノソロ版)」や「朔と亜紀」もいいかと思いますが、ちょっとヤラセっぽいかな?(ちょっとシンミリした感じですし・・・)
...2004/11/07(Sun) 17:09 ID:ART43Zck    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
整理サイトですが、目次機能のスクリプトをIE専用で記述しておりました。したがって、Netscapeをお使いの方は全く作品が読めなかったと思います。失礼いたしました。
現在は、Netscape7.1で動作確認済みです。

たかさん&皆さん
 ボウズは、「元教え子・地元組の谷田部先生説得編」で登場させる予定です。そこで、ボウズなんですが、彼は結婚していると思いますか?
...2004/11/07(Sun) 17:41 ID:e73ZJnfU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
ボウズですかぁ・・・ん〜個人的には亜紀に似た美人の奥さんがいればいいと思います。出会いは「見合い」とか。
...2004/11/07(Sun) 17:45 ID:AlHRlHgc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
ボウズについて
寺の後継ぎも必要なので、奥さんはいるでしょう。
朔五郎のイメージとしては、宮崎美子さんか市毛良枝さんみたいな優しそうな女性(そうでないと、うるさい檀家を束ねることなどできないでしょうから)
出会いは、ボウズが若い頃修行に行った、総本山の寺の娘に見初められ、ほとんど押しかけ同然で夫婦になった・・・(笑)
...2004/11/07(Sun) 18:14 ID:lDqw8h3k    

             Re:ボウズの相手  Name:にわかマニア
 まあ,サクと張り合ったあげく「廣瀬よりいい人を見つける」と啖呵まできっていますから,公約は果たさせてあげましょう。仏教系の大学(龍谷とか駒澤とか)に進学して,そこで知り合ったという設定もありかなあと・・・
...2004/11/07(Sun) 18:27 ID:UyXUH46c    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
Apo.さん
 お仕事、お疲れ様です。
 推薦入学ですが、静岡県立大学薬学部の場合、センター試験課される推薦6名、センター試験免除30名となっており、必ずしもセンター試験が必須とは限らないようです。出願期間が11月1日から8日までとなっており、おおっ、ちょうど今じゃん!(受験生の方頑張ってください!)
 ケンが推薦を受けるかどうかですが、やはり、アキを東京まで連れ出した(状況から少なくとも2週間以上は東京にいたはず)、帰ってから、約1週間ほどの自宅謹慎を受けている。合計少なくとも2学期において3週間以上もアキと自分を欠席の状態にしてしまっているわけです。
 通常ならケンも推薦されないでしょうが(ぼくは二人とも一般入試を考えていましたが、Apo.さんのケン推薦というのを見て、これはケンの立場を鮮明にするのに使えるなって思いました。)、1年・2年を通して優秀な成績で部活もキャプテンということで、推薦された場合、まず、推薦は断ると思います。で、その理由ですが、大沢先生や自分の両親には、「けじめをつけるため」となると思います。しかし、アキに対しては、照れくささを隠す意味で、Apo.さんの「国語が苦手なので小論文が嫌だ、それで一般入試にする」というのもいいと思います。
...2004/11/07(Sun) 18:43 ID:e73ZJnfU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
たかさん、朔五郎さん、にわかマニアさん
 やはり、ボウズには美人で気立てが良くやさしい奥さんがいるということですね。
うーむ、しかし、廣瀬亜紀以上のっとなると難しいですよね(笑)
...2004/11/07(Sun) 18:54 ID:e73ZJnfU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
私もボウズが結婚していて良いと思います
ボウズの優しさはきっと分かってくれる女性もいるはすですしね
私の親戚がお寺をしていますが、奥さんの仕事って
結構多いし大変みたいですよ
だから包容力が有ってしかも優しい女性が良いと思います・・・
...2004/11/07(Sun) 18:56 ID:v7vaYQSc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
Apo.さん
 お疲れのところレスありがとうございます。Apo.さんのご意見もふまえて、2-211は書き直します。
受験後あたりで、アキは大沢先生などからケンが推薦を断った本当の理由を知らされるっていうのもいいかもしれませんね。
 ごゆっくりお休みください。

たかさんへお願い
 クリスマスシーンの構想でお忙しいとは思いますが、ケン受験苦闘編も考えてみてください。ぼくの受験時代ははるか昔なので(笑)、ここは、やはり、たかさんの同世代感覚が是非とも欲しいところです。よろしくご助力のほどを!
 クリスマスですが、今のところ、ケンとアキはおおぴらに会えない状況ですが、
(1)何とかして二人っきりでする
(2)シンジ・ユイと合同でその後二人っきりになる
(3)大沢・律子・マサミ組をだしにして、二人っきりになる
などなどのパターンが考えられます。(いずれにしても最後は二人っきりになるのかな(笑))果たして、クリスマスイブにケンとアキはどうなるか・・・楽しみにしています。
...2004/11/07(Sun) 20:59 ID:e73ZJnfU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
受験苦闘編も構想に入れておきますね。クリスマスのケン・アキは・・・いまだスケッチ状態なので、もう少しまとめますね。

先程、小百合の日記を借りました。いやぁ、イメージが一転しました、ものすごい天然ぶり。しかしやっぱりかわいいw最高ですね。自分で言うのもなんですが、私も少し天然?ですかね?んん?長くなってすみませんね。では執筆、雑談ともに力を入れて頑張りまーす。
...2004/11/07(Sun) 21:19 ID:FBrkzb1Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>たかさん ごろさん
クリスマスはごろさんの(2)か(3)辺りがいいんじゃないでしょうか?
展開を楽しみにしておきますね
...2004/11/07(Sun) 22:06 ID:v7vaYQSc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
>たかさん ごろさん yosiさん、

ケンとアキが復帰登校した初日にタコパパに集まったメンバー6人でクリスマスをやるというのはいかが?たくさんいた方が盛り上がりまっせー
(場所はタコパパじゃないと思いますが)

ごろさん、私は二週間後に引越します。それで、夏物の服など、今使わないものをダンボール箱に詰めておりまして、ご想像のごとく、部屋にダンボール箱が積みあがっている状態です。これから徐々に増えていきます。
...2004/11/07(Sun) 22:28 ID:fOAmmT1w    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
おお、それもいいですね。分け方としては、6人と、大沢先生、律子。松本家。廣瀬家。大林家。大木家。他にも色々付け足してくださいよんwwご意見待ってますよw
...2004/11/07(Sun) 22:31 ID:FBrkzb1Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
たかさん
 クリスマス編、盛り上がりそうですね!どうもこの調子じゃ本当に年越しする勢いですね。

SATOさん
 前編16の修正承りました!慌しい中、ご苦労様です。やっぱり、パソコンは一番後回しになりますか?(笑)

yosiさん
 クリスマスお勧めの料理など、ありましたら教えてください。(出来れば簡単なもので・・・笑)

あっという間に250突破ですね。前・中・後あるいは、一部二部三部って分けないとならないかも・・・。
...2004/11/07(Sun) 23:09 ID:e73ZJnfU <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
2-224の続きです

札幌編(その8)

市電を降りて、表通りをしばらく歩くと、フラワーショップらしい店が見えてきた。
「あそこだ。札幌に来た友達が言ってた。間違いない」
「どうする?オレ一人で行って様子を見てこようか?」
サユリは一瞬考えた後、首を振った。
「ううん、大丈夫。私も行く」
店の前に来ると、オーナーらしい若い女性が笑顔を向けた。温かく、人懐っこい笑顔だった。
「いらっしゃいませ」
ウインドウには「フローリスト矢部」と書かれている。
「きれいねえ」
サユリが思わず声を上げた。
店内には花束用の切り花の他に、アレンジメントが並べられている。
そして、壁には花や樹木を描いた絵が、ところどころに架けられていた。
店は奥の方に広がっており、そちらの一角はミニギャラリーのようになっている。
「絵がお好きですか?」
オーナーの女性がサユリに声をかけた。
「はい。これは玉木祐平さんの絵ですよね」
「まあ、玉木をご存知でしたか」
「ええ、私、玉木さんと出身地が近いんで、ファンだったんです」
「そうですか、ではごゆっくりご覧ください。こちらにカードなどもございますので、よろしかったらお持ちください」
花に添えるメッセージカードや包装紙にも彼の絵がデザインされ、とても洗練された感じになっていた。
ふと、パンフレットのようなものがケンの目に留まった。
「これは」
「はい、これも玉木が創ってくれたんですけど、花言葉や手入れの仕方なんかを絵本みたいにしてあるんです。子供さんや若い女性には結構評判がいいんですよ」
サユリは、もう一度ゆっくりと店内を見回してから言った。
「とっても素敵なお店ですね。友達から教えてもらったんですけど、来てよかった。この三千円のアレンジメントください。さあ、大木君、行こう」
「はい、どうもありがとうございました。またおいでくださいね」
オーナーの女性はニコリと微笑んだ。
ケンは小声で言った。
「サユリ、いいのか、祐平さんに会わなくても」
「うん、もういい。祐平くんが幸せなのがよくわかったから」
その時、一人の男が店に入ってきた。
「奈津実、おはよう」
「おはよう、祐平」
「お客様?」
「ええ」
「あ、どうもありがとうございました・・・、サ、サユリ・・・」
「あら、お知り合いなの、え、サユリさん?」

「サユリ、札幌にはいつ来たの?」
「うん、昨日」
「こちらの彼は、もしかして・・・恋人?」
ケンが慌てて答えようとする。
「はい、大木・・・」
サユリがケンの言葉を制して言った
「ううん、大学の友達なの。大木健三郎君。たまたま札幌に旅行するっていうから、ちょっと付き合ってもらったの。大木君、こちらは玉木祐平くん」
「初めまして、大木です」
「玉木です。よろしく」
奈津実が言う。
「あなたが、サユリさんだったのね。言って下さればよかったのに」
「すみません」
「祐平はね、サユリさんのことを一度だって忘れたことはなかった。俺はもうサユリに合わせる顔はない。俺から会いに行くことはできない。だけど、もし俺の絵を観に来てくれることがあったら、一言謝りたい。その時のために描き続けるんだって」
「サユリ、矢部奈津実さんだ。俺たちはもうすぐ結婚する。やっと絵が売れるようになったんだ」
「おめでとう、祐平くん。奈津実さん、おめでとうございます」
「ありがとう、サユリさん」
「サユリ、観せたい絵があるんだ」
祐平はサユリとケンを、奥のスペースに連れていった。
「これだよ」
それは周りの絵と比べても、ひときわ美しい4枚の絵だった。一本の大きな木の四季が描かれている。
 
 みずみずしい緑の葉が茂る夏
 色づいた葉が散りゆく秋
 ただ白い雪原に立ち尽くす冬
 そして
 枝の隅々までこぼれるばかりの花をつけた春

「あの木だね、祐平くん」
「そう、いつも二人で見ていたエゾヤマザクラの木だよ」
「大木君、いつか、今年は桜の花が見られなくて淋しいって言ったの覚えてる?それが、この木なの」
「すごい木だね」
「うん、これが咲いた時は見事だよ。祐平くん、さすがだね。立派な絵だね」
しかし、サユリの言葉を聞いた祐平の顔には苦脳の色が浮かんだ。
「サユリ、そんなこと言わないでくれ。これが俺の限界だ。描いても、描いても、描いても描いても、俺はサユリの足元にさえ近づけやしないんだ・・・」
奈津実が祐平に近づいて言った。
「祐平、落ち着いて」
「この桜はサユリそのものだ。俺はそう思ってこの絵を描いた。本当はそうなるはずだったんだ。俺があんなことさえ言わなければ」
「祐平くん、そんなことないよ。祐平くんは悪くない」
「少しは上達して、絵も売れるようになって、観る眼が出来てくるとわかるんだ。自分の絵のくだらなさを。こんなくだらない絵とくだらない男のために、サユリの才能は死んでしまった」
「待って、祐平くん。そんなこと言ったら、愛してくれる奈津実さんに失礼だと思わないの?そして私に対しても。甘えないで、祐平くん」
サユリの声は、静かだが厳しかった。
祐平は、手で顔を覆い、込み上げてくる嗚咽をこらえようとしていた。

(続く)
...2004/11/07(Sun) 23:14 ID:lDqw8h3k    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>ごろさん
クリスマスと言えば七面鳥かな?まぁ一般的にてチキンの丸焼きかモモ焼きですか?

取りあえず大沢・律子+マサミでのクリスマス食事編を考えてみますね

他に必要が有るなら皆さん言って下さいね
それなりの料理を用意します(^^;

>朔五郎さん
いよいよ札幌編のクライマックスですね
先が楽しみです
...2004/11/07(Sun) 23:46 ID:v7vaYQSc    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
たかさんへ
新たな「綾瀬はるか情報」ですよ

1、キネマ旬報・11月下旬号(表紙はビートたけし)
インタビューと写真があります。

2、CIRCUS・12月号(表紙は伊東美咲)
インタビューと写真があります。「プラスアクト」の写真よりPOPな感じです。

キネマ旬報のほうは買ってきましたけど、次にやりたいのは?と聞かれて「すごく暗い役か、逆に明るい役。まだ、やったことがないので」
アレは「暗い役」とは思ってないわけですね。なんかホッとしました。

あと、キネマ旬報に気になる映画が。
「ロード88[出会い路、四国へ]」
<白血病に冒された少女・明日香が、四国88カ所のお遍路・1400キロをスケートボードで挑戦するロードムービー>
むむ、白血病である必然性がよくわからんが・・・
ちなみに、コメンテーターの4人中3人が「ひとつ星」(私は薦めない)でした。

クリスマスではごろさんの(2)がいいと思います。この時点では、マサミはまだケンのことは完全には吹っ切れていないと思うので。シンジとユイもさっさと二人きりになりたいタイプだと思うので、スムーズに事が運ぶのではないかと。
...2004/11/07(Sun) 23:57 ID:lDqw8h3k    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
ごろさん、修正どうもありがとうございます。
...2004/11/08(Mon) 00:01 ID:J35/vUsE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>ごろさん

クリスマスの料理って事では無いですが
ホームパーティなんかも有るかもしれませんね
メニューはローストチキン・唐揚げ・サンドイッチ・サラダ・クラッカーにキャビアやイクラやサラミなどを乗せたりするやつ・スペアリブなんかも良いかもしれませんね
...2004/11/08(Mon) 09:19 ID:s0/5BuLI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
朔五郎殿>いつもいつもどうもですwうれしい限りですね。本当にありがとうございます。

クリスマス編もまとまってきましたねぇw楽しみです
...2004/11/08(Mon) 14:46 ID:hpqMJuPE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:くれい
一樹役は誰だ!?は拮抗してますね。
候補者はどちらも捨て難い気がします。
...2004/11/08(Mon) 23:12 ID:iYGdXiyg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
それでは(アキと谷田部先生)大沢組説得編の続きを・・

(マサミの戦略1)

大沢先生の話を聞いてマサミが出した結論は次のようなものだった。
1 ガン方は回復可能だが谷田部先生の心臓に問題があり手術をためらっている
2 生きる気力が沸いてこない
その場を取り仕切るマサミ・・・大沢はマサミの話を黙って聞いていた。自分の説得に限界を感じていた大沢は、ここは自分よりこういう事に才能が有るマサミの意見に期待をかけていた。
「大沢先生の話だけでは情報不足で、対策までは難しいわね・・・アキ?あの後、
 谷田部先生の所に行った?」
「うん!この前ケンちゃんと行って先生に古文を教えてもらう事にしたよ」
「それはラッキー、それじゃアキにお願いが有るんだけど」
「何?」
「谷田部先生と話した内容を出来るだけ書き留めておいて欲しいのよ」
「それって全部?」
「勉強関係の事ははぶいて構わないわ、でも出来るだけ多く、出来るだけ正確にね」
「どんな事を話せばいいのかなぁ?」
「そうね・・・谷田部先生が先生になったきっかけやなんかがいいわね・・・
 でもね、アキはそんな事何も考えないでいいわ。普通にアキが話したい事を
 話せばいのよ」
「それってどういう意味?」
少しふくれるアキ。
「アキは演技が出来る様な性格ではないからよ」
「ひっどい〜!」
「そうだねアキにそんな高等技術は無理だよ」今度はケン。
「ケンちゃんまで・・・」
「違うのよ、アキ・・・良く聞いてね、アキはね嘘がつけないって言うか・・・
 自分を飾らないって言うか・・・裏表が無い性格なのよ」
「良く言えば純粋、悪く言えば単純!」
またちゃちゃを入れるケン。アキが文句を言う前にマサミがケンに言った。
「大木君!ちゃちゃ入れない!今はまじめな話をしているよ!」
マサミに怒られてシュンとするケン。大沢と律子は黙って3人のやりとりを聞いている。
「それと、ケン、谷田部先生の所には出来るだけアキ一人で行かせて」
「何で?」
「それはね、アキってほっとけないって言うか・・・アキを見ていると不思議に
 助けてあげたいって気持ちになるのよね。アキはそんな雰囲気を自然に持って
 いるのよ。これはもう人徳って言うか・・・」
「私ってそんなに頼りないのかなぁ・・・」
「それは違うわよ、アキの笑顔には人を癒す力があるのよ」
それまで黙っていた大沢もマサミに賛成した。
「そうだよアキ、君の笑顔は周りの人を安心させるだよ」
「先生にもお願いがあります」
「何だい?」
「アキが集めた谷田部先生の情報をこうしてみんなで分析したいんです。
 それに先生や律子さんの意見も聞きたいので定期的にこうしてみんなで
 集まりたいんですが・・・」
「それは構わないよ。自由に家を使ってくれ、早く具体策を見つけよう」



(続く)
...2004/11/09(Tue) 13:15 ID:RnJ6fTpQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
くれいさん
 配役担当AD(笑)として、最後はくれいさんが判断していただければと思っております。余震が続いて、まだまだ落ち着かない状態のようですね。お気をつけ下さい!

yosiさん
 谷田部説得編どんどん進んでますね・・・。地元組の方がなかなか書けず、申し訳ないです。また、パーティ用のお品書き、ありがとうございます。クリスマスシーンなど書く機会あれば使わせていただきます!

Apo.さん
 アキ自立編を独立の作品とするなら、いいシリーズになると思います。でも、編集担当としては頭を悩ますところです(笑)

(1)2-257の冒頭で、推薦がダメでアキがショックを受ける場面ですが、このアキの雰囲気は、ちょうど前編の東京へ行く前の段階だとピッタリだと思います。むしろ、アキの中で大学進学をあきらめ、家族と決別し、東京へ(絵画の世界へ)行く決意を補強するものとして最適かもしれません。

(2)帰郷後のアキは、精神的不安定さからマサミいじめに走ってしまったケンを抱きしめ母性を垣間見せるシーン(たかさん2-148)や、(2-184)でケンに対する決意表明など、徐々にではありますが、ケンをリードしつつある状態です。この状況の中で、再び、アキがショックを受けるとしたら、やはり、大学不合格の時が予想されます。覚悟していたとはいえ、「ケンは大学生、自分は浪人」という事態に直面するアキは、相当落ち込む(絵画と薬剤師についてもまた悩む)ものと思われます。そのとき、サクに伴って帰省していた一樹との出会い(空と海シリーズ)があり、その後、落ち込むアキに一樹が自分の体験を話して励ますApo.さんのシーン(2-260)へとつながりやすいかなと思います。

 この自立編をすべて読んでいない段階での感想ですが、個人的な意見としては、(1)アキ・ショック編と(2)一樹激励編に分け、(1)を前編の東京行き前へ、(2)を大学不合格後へと・・・、その結果、アキは再び大学受験を目指す決意をする、という流れがピッタリだと思いますが、いかがでしょうか?

作者&読者の方々へ
 皆様の作品をひとつひとつ吟味して、整理サイトへUPしていってますが、このシーンはこっちの方に挿入した方がいいのでは?などご意見が御座いましたらご遠慮なくご指摘下さい。現在の作品の並びはあくまでも暫定的なものです。作品の一部修正などもご遠慮なく!
 また、作者の方々に失礼と思いながら、webの構成上、かってに「タイトル」をつけております。これについても、この作品はこのタイトルを!というのがありましたらご連絡くださいませ。お詫びとともに訂正いたします。
 せっかくサーバーをレンタルし自由に使える状態なので、よりコミュニケーションのとれるようなサイトにしたいな(例えば、それぞれの作品に対する感想などが書き込めるなど・・・)と考え、構築中なんですが、設定がうまくいかず錆ついた頭を悩ましているところです。いつになることやら・・・。
 現在、整理サイトはiframe機能を使っております。これじゃ読めないよ!という場合はご連絡下さい。出来るだけ対処したいと思っております。
...2004/11/09(Tue) 22:37 ID:X0yWKWCA <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
ごろさんへ
アキ・ショック編について
駆け落ちは、夏休み直後で、その間に文化祭が終わる、という流れになっていますが、入学の推薦が決まる時と時期的にマッチするでしょうか。
また、ケンは推薦入学濃厚という状態でアキに付き合い、結果的に一生を棒に振りかねない、ということになります。この場合、大木家(特に優子)の怒りも凄まじくなると思われます。もう、絶対に会ってはいかんというふうに。
以上2点、処理が可能でしょうか。それが可能なら流れとしては良いと思います。
...2004/11/09(Tue) 23:05 ID:R0oHpXTI    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
朔五郎さん

 確かに、二人は、夏休み明け直後に駆け落ちしております。二人の生活が苦しくなるのに、少なくとも1週間くらいの期間は必要だと思います。+アキの東京で1週間入院、帰郷後、1週間ほどの自宅待機処分、合計、少なくとも3週間の期間、彼らは学校にいなかったという設定になると思います。
 例えば、静岡県立大学の場合、推薦の申し込みは11月8日までくらいだったので、宮浦大学もそれに合わせるとすると、この二人には推薦まで約1ヶ月ちょっとの期間しかないわけです。

 まずケンですが、彼は周囲から二人の駆け落ちの言わば主犯とみなされている状態です。(=アキの学校生活を1ヶ月近くも空白にした責任がある)通常なら推薦すらされないと思いますが、彼のこれまでの学業成績やクラブ活動における功績が認められ(推薦ですから当然、出席状況、2年生までの成績の平均などなどが考慮されるはず)、校長先生や大沢先生の配慮で推薦はどうかという話があった場合という状態です。
 この場合、果たして、自分の息子だけが良ければいいかと親として判断するかどうかです。スケはケンの判断を認め、堂々と一般入試で結果を出せという立場をとると思われます。優子は、母としては推薦で行ってほしい、でも、人様の娘を自分の息子が連れまわした・・・、というわけで、大林家に対して「ひけめ」も感じているはずです。ケンの場合、今までの成績から見て、一般入試でも十分合格圏内なので、「ひけめ」も感じているであろう優子もケンの判断に対して強く反対は言えないだろうと思います。ただ、アキに対する風当たりは、確かに、朔五郎さんがおっしゃるように強くなるでしょう。優子としては、自分の息子を「たぶらかした」女ですからね、アキは(笑)。
 ただ、このあたりの感情(「ひけめ」と「たぶらかした悪い女」のバランス)がどのように「ぶれ」るかは、今までの優子の描写が少ないだけに、どうなるか分かりません。それだけに、優子の存在によって今後の展開がおろしろくなる可能性もありますね。
 「推薦」という素材を使うとしたら、ケンの場合は以上のような流れが自然だと思います。そのへんの優子の感情、「やり場のない怒り」を2-210で、まだ残っているビールを流すという行為に表してみました。

 アキですが、彼女の場合、設定上、学業はあまりよくない、ぼちぼちっていうかんじです。したがって、推薦の対象にはならないはずです。推薦の話を学校復帰後、11月までの間に大沢先生から言われてショックを受けるっというのはどうでしょうか?この時期(駆け落ちという長期無断欠席をしでかした後)に及んでアキ自身、推薦される可能性があると思っているでしょうか?ちょっと有り得ないと思います。しかし、駆け落ち前、夏休み突入前の大沢先生との面談のシーンの後あたりなら十分使えると思いました。例えば、
大沢「アキ、この前の面談でお前が言ってた推薦の件なんだが・・・」
アキ「はい・・・。」
大沢「残念だが、ちょっとこれまでの成績の平均が推薦の基準点に足りなかった・・・。だから無理だと思ってくれ」
アキ「ええ・・・っ、ダメなんですか・・・そんな・・・」
大沢「でも、一般入試ならまだまだ時間ある。夏休みにしっかり勉強して頑張れば、十分可能性はあるぞ」
アキ「・・・はい・・・」
以降、Apo.さんの描写したアキの落ち込み・両親との話し合い、再び、智世から殴られる、などなど。
ケンちゃんと同じ大学に行きたい、でも、私には自信がない、どうせ行けないなら、思い切って、ケンちゃんとニューヨークへ行こう!・・・その結果、東京へ・・・。という子供っぽいアキの雰囲気が十分出ると思うのです。
 この流れなら、アキの推薦も十分に活かせるかなと思います。これまでの成績から推薦は難しいはずだか、わずかな可能性に期待をかけ、破れてショックを受けるアキっていうかんじです。

 その後、アキは必死になって勉強に頑張りますが不合格となってしまいます。そのとき、アキは、再び思い悩むと思います。薬剤師への道が自分にむいてるかどうか(法律改正によって6年の修養年限となるようですね)、画家としての道へ行くべきか・・・。そのときに、ぼくが書いた「空と海」&ケン家庭教師編だけでは、やっぱり、アキの内面からの強さを出すには弱いかなと思います。そこで、Apo.さん着想の「一樹の過去」の話が使えるかなっと期待してしまいました。
 Apo.さんの着想した推薦とそれにまつわる一樹の過去・アキ自立への過程は、前編・後編に渡って、物語に厚みを与えるような、そんな期待をぼくは抱いています。

 以上が、個人的な感想&意見です。いかがでしょうか?

 複数の人が書いているので、それぞれのバランスを図るのが難しい面ですが、自分では思いつかない着想やスタイルなどに驚きと新鮮さを感じるのは面白く楽しいことですね。
 たかさんのクリスマスシリーズ、SATOさんの律子マサミ編、朔五郎さんの札幌編、yosiさんの谷田部説得編、そして、Apo.さんのアキ自立編・・・こうして並べてみるとすごいなって思います。あっ、ぼくだけですね。今のところ、シリーズを持っていないのは・・・yosiさん、谷田部説得裏バージョン(地元組説得編)、もう少し待って下さい。
...2004/11/10(Wed) 01:54 ID:LDhB1mxg <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
ごろさんへ
優子とアキの対立軸というのはおっしゃるとおりです。そもそも、介を会社社長にしたのもそれが狙いで、会社の後継者のパートナーとしては、頼りないアキよりも、聡明なマサミのほうがふさわしいと優子は思う。マサミもそんな優子に取り入ってアキを追い落とそうとする、という流れを考えていたからです。智世はカッとして娘を引っ叩いたりするけど、根はサッパリした人だから、あるキッカケで快く二人のことは認める。二人に立ちふさがる最強の壁は優子、というのが最初の想定でした。ただ、今となっては、智世のほうが、かなり頑なになってしまいましたので、優子までということになると、ちょっと救いがなくなるかな、という気もします。

あと、これは個人的な意見ですが、このストーリーの「隠しテーマ」は<オンリーワン>vs<ナンバーワン>の対決でありまして、マサミなんていうキャラを登場させたのもそのためです。したがって、最終的に、大林亜紀が廣瀬亜紀と同一化してしまう、というわけではないと思います。
...2004/11/10(Wed) 03:02 ID:4iybE5qQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
朔五郎さん
 おはようございます。
 確かに、優子からすればアキよりもマサミでしょうね。そう言えば、マサミについては、パラレルワールドというか同時並行的に進行するかっていう話もありましたね。今となっては懐かしい気がします(笑)
 聡明なマサミであればこそケンの両親に気に入られるように振る舞い、ケンを陥落寸前まで追い詰める、そのときのケンとアキはどうなるのかっていうのも一つの描き方でしょうね。その場合、やはり、おっしゃるように優子の壁ですね。
 しかし、現在のマサミの介護福祉への道っていうのもアキの絵本作家との対立軸という気がします。命のはじめにかかわる絵本作家と命の終わりにかかわる介護福祉、その二人が、谷田部先生を・・・という当初は考えてもいなかった展開になってきました(笑)しかし、その結果、優子の存在がちょっと軽くなった感は否めませんね。優子とマサミ、ぼくは好きです(笑)
 ドラマ本編が、最愛の人の死というものに直面した場合の「いかに生きるか」というのがテーマ、いわば、一点集中型だとすれば、この「2」では、それぞれの生のあり方というか、普段は意識しない「生」だけど、それに各々が直面し、各々がどう生きるかという、いわば、分散型というか拡張型、かなって思っていました。「2」は、登場人物が挫折を味わい、それに直面し、どう生きるかっていうのが描ければいいかなと思っています。そういう意味では、ぼくも大林アキ=廣瀬亜紀とはとらえていません。変な表現ですが、「2」の登場人物たちは、「廣瀬亜紀」の子供たち、っていうかんじでしょうか(笑)うまく言えませんが・・・。
...2004/11/10(Wed) 06:09 ID:LDhB1mxg <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
私もやはり「廣瀬亜紀」と「大林亜紀」はイコールではないと考えていました。2の登場人物はごろ殿と同じイメージがありますね。これを書いているうちに自分の中の何かが変わり始めたような気がします。まだはっきりとは分からないのですが・・・・本当にこのストーリーに携われて私は幸運なんだろうと思います。これからはクリスマス編や、デート編と忙しくなりますが、若さで勝負したいと思います。
...2004/11/10(Wed) 14:37 ID:HzGAhuQw    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
 ドラマでは、廣瀬亜紀の死に向かって登場人物たちの想いが収斂していき、最終回で朔が解き放たれたっていう感じがします。一点集中からの解放、言わば、宇宙の始まりのビックバンってかんじでしょうか。そのビックバンによって砕け散った欠片たち、それがこの「2」の登場人物かなって思います。そういう意味で、朔をはじめとするドラマから引き続いて登場する人や、ケンとアキをはじめとする「2」からの登場人物、彼らは、みな、その「廣瀬亜紀のかけら」というか「精神的な遺伝子」を内在しているのかなって、その意味で「廣瀬亜紀の子供たち」と表現してみました。
 そのかけらたちがどういう宇宙を作っていくのか、それを描いてみたいですね。ケンとアキを中心とする大きな銀河系、どこにも属していないようで、それでも存在感のある恒星のようなスケとかボウズ、彗星のように現れ、ひと騒動を起こし、去っていくマサミ(彼女は、また谷田部編で帰ってきました。笑)。最近、そんな感じです。

 カローラフィールダーのページで、「思いがかさなる・・・」キャンペーンというのをやってて、クイズに応えて正解すると、平井堅の「思いがかさなるその前に・・・」のビデオが鑑賞できます。
 http://www.toyota.jp/Showroom/All_toyota_lineup/CorollaFielder/

たかさん
 「カニクリームコロッケ」の結末ってどうなりました?結末が気になって・・・。ぼくが見落としているのかな・・・(汗)。
...2004/11/10(Wed) 18:35 ID:LDhB1mxg <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
最初の発想に無い谷田部先生を出してしまったyosiです(^^;

私も廣瀬亜紀と大林アキは別と思って書いています

>Apoさん続きが楽しみですね

>ごろさん
朝ごろさんのカキコを読んだ時に私も2は亜紀の遺伝子を宿しているって思ったんですよ
...2004/11/10(Wed) 18:56 ID:NdDXXRGU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
Apo.さん
 連日の作品UPお疲れ様です。
 ケンだけじゃなく一樹までも叫んでたんですね(笑)。この「助けて」の叫びのリフレイン、っていうか、三重奏?っていうか、いいですね。朔・ケン・一樹の助けてトリオ、一度、聴いてみたいものです(笑)おまけに警官まで出していただきありがとうございます。
 思いもよらぬ展開に続きが楽しみです。
 また、最終的なすり合わせというか編集会議みたいなのも必要でしょうね。やはり、おっしゃるようにアキ「不合格」までで、いったん後編(第2部)は終了がいいかもしれませんね。うーむ、どこまで続くことやら・・・(笑)

yosiさん
 谷田部先生のその後も気になっていたので、出していただいてありがたいです。yosiさんの谷田部シリーズもアキ浪人時代の重要なシーンとなると思うので楽しみです。
 
...2004/11/10(Wed) 19:04 ID:LDhB1mxg <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
それでは続きを・・・

(マサミの戦略2)

マサミが作戦を立ててから10日間が過ぎていた。その間アキは数回に渡り一人で谷田部先生の病室で勉強をみてもらっていた。
「マサミ持って来たよ」
そう言ってノートを渡すアキ。
今日は大沢先生が学校の都合で遅くなるので4人で分析を行う事になった。アキ・マサミ・ケンの3人は律子が作ってくれたサンドイッチをぱくつきながらアキのノートを読んでいた。その味は相変わらず美味しいものだったが、今回はみな分析の方に関心が行っていた。
「それで谷田部先生のご様子はどうなの?」
律子の問いにアキが答えた。
「はい!私が約束の時間に行くまでは一人で窓の眺めているようです。それで私が入って来行くと優しい笑顔で迎えてくれます」
マサミとケンはアキのノート読みながら話をしていた。
「何々・・・谷田部先生が古文の先生を選んだのは?・・・中学の時に読んだ
 与謝野源氏の読後感で先生にほめられたから・・・か」
「アキ?この時の谷田部先生の表情はどうだった?」
「嬉しそうな・・・懐かしそうな感じだったよ」
「やっぱりね・・・」
「これって使えそうね、それにアキの受験にも役立ちそうだしね」
「マサミこれはどうかな?」こっちはケン。
「どれ?」
「古文の良さはその古文が書かれた歴史背景を知ると一層面白さが増して来る」
「これも良いわね・・・歴史も学べてアキにとっても一石二鳥だね」
「ところで今アキは谷田部先生からどんな事を教わっているの?」
「それが・・・」
以前谷田部から言われた勉強方法をマサミに言った。
「それでそのコラムの写しを見せて、歴史の教科書の読んだ所迄を見せて、
 後はそのノートに書いてあるお話をしていたんだ。それとこの前は過去問で
 分からない所を教えてもらったのよ」

アキの答えを聞き何やら考え込むマサミ・・・しかしその手はしっかりサンドイッチに伸びていた。
「そろそろ第2ステップね・・・しっかしこのサンドイッチ美味しいなぁ・・・
 今度律子さんに作り方教えてもらおっと」
ことりごちするマサミだった。


翌日の晩、アキは谷田部の病院に向かっていた。今日もアキは一人で来ていた。

「今日はアキさんの来る日ね。楽しみ」
谷田部はこの前、古文の問題をアキに教えた時の事を思い出していた。
「久しぶりに授業をしている様だったわ」
窓の外を見る谷田部・・・谷田部の顔からは以前の憂鬱そうな影が減って来ている。
「そう言えば昔病院で授業した事が有ったわね・・・」
遠い過去に思いを飛ばす谷田部・・・

「あの子は本当に素直ね・・・今でもあんな雰囲気を持った子もまだいるのね・・・
 あの子は私の病気の事は知っているのかしら?」

「先生!今晩は!」
「お!来たな受験生!」
「はい!また教えて下さい」
「いいわよ!」
「はい!これ今週の分です」
「毎日ちゃんとやっている様ね、偉いぞ」
「へへ!でもこの勉強方法って本当に効果有るんですか?」
「疑っているの?」
陽気に答える谷田部。
「お母さんに聞いてみたらいいわ!」
「はい!今晩聞いてみますね」

その後アキは今日図書館でやって分からなかった部分を谷田部に教えてもっらていた。実はこれはマサミの指示だった・・・
アキは何時もの様に突然話題を変えた。
「先生ね、古文の成績が簡単に上達する方法ってあるんですか?」
「そうね〜成績が上がるかは分からないけど・・・
 今、アキさんがやっているのだけだと不安だよね」
「・・・実はそうなんです・・・」
「それじゃ何でも良いから古文の現代語訳したものを1冊読んで見るのも良いかもね」
「そうなんですか・・・何がお勧めですか?」
「そうねちょっと長いけど源氏物語が一番のお勧めかな?」
「なんで源氏物語なんです?」
「源氏物語は小説としてももの凄く面白いからよ、でも長いのがたまにキズね」
「それってどれくらい長いのですか?」
「そうね円地源氏が一番良いと言われているけど、これは受験生には
 長すぎるわね、谷崎源氏は難解すぎるし、手頃なのは与謝野源氏かな?
 それにコミックも今は有るわよ」

しばらくそんな話をした後・・・
「アキさん私の病気の事知っている?」
うなずくアキ。
「そっか知っているんだ・・・」
「父と母が話しているのを偶然聞いてしまったんです・・・ごめんなさい」
「何も謝る事ないわよ・・あなたが悪い訳じゃないから」
「そうですね・・・それでは今日はどうも有り難うございました」
「いいえ、どういたしまして」
「今度は明後日くらいでいいですか?」
「いいわよ、待っているね」
「失礼します」
アキはぺこりと頭を下げて谷田部の病室を出たのだった。

マサミが立てた次の作戦は・・・
谷田部先生はそろそろアキに病気の事を聞くから聞かれたら、知っていると答えて、すぐに病室を出ると言うものだった。

家に帰って来たアキは早速智世に聞いてみた。
「お母さん」
「ん?なあに?」
「この前、谷田部先生から教えてもらった勉強方なんだけど
 あれって本当に効果が有るの?」
アキの質問には答えず、智世は1冊の本をアキに渡した。
それは与謝野晶子訳の源氏物語の文庫本だった。
「お母さんこれって?」
「私が高校の時に読んだ本よ」
「何で分かったの?」
「それはね、今アキがやっている事は私が谷田部先生から言われて高校3年生の
 時にやった勉強の仕方なんだよ」
「それで効果は有ったの?」
「この方法は即効性は無いけど、確実に成績アップにつながるから」
「でもこの本は・・・」
「私も最初この方法が不安になってね先生に相談したら与謝野源氏を読んで
 みたらって言われたのよ」
「へ〜そうだったんだ、一緒なんだね、それじゃ今日から読んでみるね」
「あまり夜更かししないよいようにね」
「は〜い」
返事をしたアキは自分の部屋に入ると早速源氏物語を読み始めたのだった。

(続く)

ここで少し小休止かも・・・また仕事が立て込んできました。
...2004/11/10(Wed) 21:01 ID:NdDXXRGU    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
律子とマサミ(229からの続き)

老人ホームに向かう二人

律子「マサミちゃん、今日どんな手品やるか考えてきた?」
マサミ「ええ、もう今日が楽しみで楽しみで、バッチり考えてきましたよ。でも、何やるかは律子さんにもナ・イ・ショ!」
律子「えー、わたしにも教えてくれないの?」
マサミ「だって、事前に教えたら面白くないじゃないですか?」
律子「はいはい、あなたには負けたわ。(笑)マサミちゃんが手品やってる間は見物人に徹しますよ。」
マサミ「律子さんも楽しんでくださいね。エヘッ」
律子「ところで、手品やっている間にBGM流したりするの?CDプレーヤー借りられるけど。」
マサミ「ええ、お願いします。気分の乗る曲をかけようと思って持ってきたんですけど・・・(カバンの中をまさぐる)あれっ、いけない、CD忘れてきちゃった!」
律子「えっ、本当?どうしよう・・・」
マサミ「音楽なしでもやれないことはないですけど・・」
律子「何だったらピアノで伴奏してあげようか?そういう感じの曲、結構知ってるし、即興も出来るわよ。」
マサミ「うわー、助かります。お願いします。」
律子「ホームに着いたら音合わせしましょうか。マサミちゃんも練習した方がいいでしょ?」
マサミ「そうですよね、いろいろ考えてくださってありがとうございます。」
律子「マサミちゃんに気分よく手品やってもらいたいから。」
マサミ「いろいろすみません、でも、結局律子さんには事前に手品を見せることになるんですね。」
律子「そっ、今回はあなたの負けよ(笑)」
マサミ「はーい、潔く負けを認めまーす」

二人で笑い合いながらホームへ
マサミは甘えるように律子の腕にしがみつく

ホームでのマサミの活躍ぶりは・・・?

(続く)
...2004/11/10(Wed) 23:10 ID:qR/mxuYA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
ごろさん、シリーズを持ってないなどとご謙遜を。
「介と智世」「空と海」は楽しませていただきました。

yosiさん、谷田部先生登場編、楽しみに読んでます。谷田部先生、セカチュー2キャラのみならず、ヤキモキしている我々ファンのためにも早く手術受けてくださーい。
あと、律子の料理教室編は実践で役立たせていただきます。

たかさん、若い力に期待してるぞよ

Apo.さんの一樹初恋編はハラハラドキドキですね。しかし、この話の登場人物(朔、ケン、一樹)はみんな「助けて下さい」を叫んでますね。すごい偶然です。

朔五郎さん、予備知識として「雨鱒〜」の映画を観たくなりました。
...2004/11/10(Wed) 23:29 ID:qR/mxuYA    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
おっと、そちらもありましたね。それも仕上げます。皆さんと違いお仕事はないので、勉強と執筆に力を注ぎます

札幌編の知識はある程度雨鱒の撮影日記で確認しました。キレイですね、北海道w北海道はでっかいどうですね。はるかちゃんも言ってましたね、でっかいどうって
...2004/11/10(Wed) 23:41 ID:rvXNASL2    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
おはようございます。

2-251の続きです

札幌編(その9)

祐平が、幼い日のことを振り返る。
「俺は、いつだってサユリと一緒だった。俺が子ギツネの絵を描いて、サユリが花の絵を描いて。スケッチブックを見せ合いっこして。楽しかったなあ。何も気にせず笑ってた。でも、ある時気が付いた。いつもちょっとだけ、サユリのほうが上手いんだ。理由はよくわからないけど、サユリにはかなわないと思った」
「先生は祐平くんのほうが上手いと言ってたわ」
「そうだったな。だけど、それは表面しか見ていなかったからさ。サユリの絵には生命の鼓動みたいなものが感じられた。そして、あの日、俺は見てしまったんだ」
「何を?」
「あの桜が満開になった日、六年生になったサユリはその下に立って、俺のほうを見ていた。サユリの肩や髪に花びらが、はらはらと舞い降りた。薄い雲の間から陽が差して、サユリに当たった。俺の目には、サユリが神の祝福を受けたように見えた。『美しいハルニレの木・ハルニレ姫の上に雷神が落ちて、人間の祖先アイヌラックルが生まれた』そんなアイヌの伝説を思い出させるような光景だった」
祐平は話を続けた。
「サユリは選ばれたんだ、人間の力など及ばない大きなものに。俺はその時、そう思ったんだ。サユリの才能はいつか花を開く。もう俺はサユリに追いつくことなどできはしないと」
「祐平くん・・・」
「サユリはあの頃、物語のようなものを創っていた。人間の祖先を生みだした大きなハルニレの木。四季おりおり、その木の周りに人間や動物や花が集まって、仲良く暮らしている、という話だった」
「そう、私は、あの物語で、生きるものが生きている理由を描きたかった。生命が弾けて、輝いて、生きる歓びがあふれるような、そんな物語を」
「俺は正直いって参った。物語も絵も、俺なんかには絶対創れないものだった。これはひょっとして、とんでもない作品になるぞ。サユリはもっともっと広い世界に出て行くに違いない。うれしくもあったし、淋しくもあった。そして嫉妬も感じていた。そんな時、中学校の先生から言われた。お前の絵を札幌のコンクールに出したら一位になった。札幌の有名な高校から美術の推薦で来ないかという話があると」
「あの時は、私もうれしかったわ」
「でも俺は取り返しのつかないことをしてしまった。俺は将来有名な画家になる。だから、サユリの持っている分の才能まで俺にくれと言った。もちろん、冗談だった」
「私は、できることならそうしてあげたいと思った」
「サユリは俺のために祈ってくれた。毎日、毎日、海に向かって。自分に与えられたものまで、全部祐平にあげてくださいと。それを証明するかのように、絵を描くのを止めてしまった」
「それが、私の願いだったの」

「札幌の高校に入ってからしばらくして、サユリが、あの物語を描いたスケッチブックまで燃やしてしまったことを知った。俺は目の前が暗くなった。思うような絵なんか一枚も描けない。美術の推薦で入学した俺はだんだん学校にも居づらくなった。俺は何のためにここに来たのか。ただサユリの足を引っ張るためか?そんな時、三年生で美術部の部長だった奈津実が俺を呼び止めた」
「気になって仕方がなかったの」
「俺は奈津実にすべてを話した。この高校も中退するつもりだと。聞き終わった奈津実は、机を、バン、と叩いて言った。恥ずかしくないの、玉木君?それじゃ、サユリさんがあまりにもかわいそう。玉木君、故郷のことを思い出してその風景を描きなさい。サユリさんが観ていると思って」
「あの頃の祐平は暗い目をしていた」
「奈津実は卒業後、実家のフラワーショップを手伝いながら、アレンジメントの学校に通った。俺はただ、サルルの風景を描き続けた。でも罪悪感から、サルルには一度も帰れなかった」
「私は祐平に言った。いつかサユリさんが会いに来てくれるかもしれない。その時恥ずかしくないような絵を描いてと。祐平は、故郷でサユリさんに絵を観てもらった時の楽しさを思い出したようだった。そして、あの桜の木の絵が完成した。美しく咲き誇る桜はサユリそのものだと祐平は言った。私は、あの絵をサユリさんに観て欲しいと心から思った。たとえ、それが祐平との別れの時になったとしても。サユリさんを思って描き続ける祐平を、私はいつか愛し始めていた」
「桜の木が描けた頃から、すこしづつ絵が売れるようになった。だけど、俺には分かっていた。俺の才能など、サユリの手のひらからこぼれ落ちたものが、ほんのひとしずく振りかかったようなものだということを。そんなおこぼれに縋って俺は今日も生きている。俺のために失われてしまったものの大きさを、今も感じ続けている」
「私は独立して二号店を出すことになった。祐平の絵がもっと人の目に触れるように、店の中に飾ることにした。でも、生花との相乗効果で、予想以上のお店になったわ」

奈津実は祐平に言った。
「祐平、良かったね、サユリさんが来てくれて。婚約は解消しよう。あの桜の絵を持って故郷に帰って」
「俺は帰れない。サユリ、俺は奈津実とここで生きていく」
「もちろんよ。私だってこれから新しい出会いがあるだろうし。残念ながら、ここにいる大木君はかわいい彼女がいるみたいだからダメだけれど」
「おい、サユリ」
「祐平くん、観て、昔のスケッチブック。1冊だけ残ってたの」
「ああ、ハマナスの花だね。懐かしいな。あれ、このアジサイは新しい絵だね」
「そう、大学の構内に咲いていたの。この花の前を通るたびに話しかけられるような気がした」
「そうか・・・俺はこんなこと言える立場じゃないけど・・・もしかしたらサユリと同じような人がいたのかもしれないね。夢と才能を持ちながら途中までしか行けなかった人が。もし、サユリがあの物語を絵本にでもしていれば、きっと立派な作品になっただろう」
「私には・・・もう創れないわ」
「絵本、か」
「大木君?」
「いや、三十年前に十七歳で亡くなったひとが遺した、手作りの絵本を観たことがあるんだ」
「どんな絵本だったの?」
「サユリの創った物語とは違っていた。そのひとは絵本の編集者になるのが夢だったんだ。でも、十七歳の時に白血病で亡くなってしまったんだ。残された時間と、愛する人への思いのすべてを凝縮して、その絵本を創った。自分が死んでいくのには理由がある。これからは私はあなたの中にいる。だから、生きていくあなたは、頑張って人生を走りぬいて欲しい。そんな話だったと思う」
「そう・・・」

「サユリ、あの桜の絵を受け取ってくれ。サルルに送るから」
サユリは首を振った。
「私は満開の桜にはなれなかった。あの絵はここに飾っておいて。いつかきっと夢を咲かせる人が生まれてくるわ。その人が、あの物語を完成させてくれるような気がするから。ねえ、祐平くん、私、このハマナスの絵が欲しいな。やっぱり祐平くんと浜辺で遊んだあの思い出が一番大事なの」

奈津実が言う。
「桜の花には、こんな詩があるわ」
 
 だれ?
 二部咲きの桜の下で
 ピッコロを吹くのは
 (・・・・・・)

 だれ?
 五部咲きの桜の下で
 クラリネットを吹くのは
 (・・・・・・・・)

 だれ? だれ?
 満開の桜の下で
 シンバルを打つのは
 (・・・・・・・・・・)

「そして最後に、こう続くの」

 だれ? ねえ だれ?
 花吹雪にまかれて
 行方をくらましたのは
 (・・・・・・・・・・・・)

ふと、ケンは思う。
(アキは松本先生の家で「ソラノウタ」に出会い、オレはサユリに出会った。サユリの創っていた未完成の物語。アキは絵本に興味を持ち始めている。なんだか不思議な気がする)
ケンはもう一度桜の絵を見る。
その時、ケンの脳裏には、アキの描いた数々の抽象画がゆっくりと融けあい、別のものを形づくる情景が浮かんでいた。

         ※詩の引用  問い(水野るりこ)
(続く)
...2004/11/11(Thu) 04:35 ID:TLgiFv1g    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
皆さんへ
編集会議はやはり、したほうが良いと思います。

SATOさんへ
雨鱒の川の小百合は、イメージ上、亜紀とそれほど大きなギャップはないので、すんなり観られると思います。小説の中の小百合は絵を描くんですが、映画の中の小百合は絵を描くかどうか・・・。

たかさんへ
週間SPA 11/16号 8ページ 見てください
...2004/11/11(Thu) 04:51 ID:TLgiFv1g    

             まもなく満杯・パート3へ  Name:にわかマニア
 議事運営上の投稿です。
 既にこの「パート2」も280件に届く投稿で,今日・明日中にも満杯となるのは必至です。したがって,誰かが新たに「パート3」のスレを起こさなければなりません。
 そこで,その役目を「家マーク」付でごろ編集長にお願いできないでしょうか。
 もちろん,スレ起こしの標題の横には,全件表示への切り替えスイッチも用意されていますが,編集会議的投稿も含めて機械的に投稿順に並んでいるのと,物語の章節建てにしたがって並んでいるのとでは,使い勝手が違うと思うのですが,皆さんはいかがですか。
...2004/11/11(Thu) 08:27 ID:9hSU2Tz6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
整理サイトは、現在サーバーの障害のためアクセスできないようです。別にファイルを削除したとかそういうことはありませんのでご安心を!

part3のスレたては、どなたでもいいと思いますが、ここはやはり、スレ主の朔五郎さんが適任では?
整理サイトのURL http://sekai.cure.to/pc/
は、コピー&ペーストしていただければよろしいかと思います。

SATOさん
 現在進行中のものがないと、やっぱり、さみしいものです。書いているときや考えてるときって、楽しいですよね。
...2004/11/11(Thu) 21:12 ID:Iy/Y2KPQ <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
273からの続き、マサミ・老人ホームでの活躍編です。

「涼風ホーム」に着いた二人

律子「今日は」
管理人「やあ、待ってましたよ。今日、手品をやってくださる方というのが・・・」
律子「ええ、こちらが今日手品をやってくれる長沢マサミさんです。」
マサミ「はじめまして、長沢と申します。よろしくお願いいたします。」
管理人「ようこそ。今日は手品が見られるということで、皆さん、楽しみにされてますよ。」
マサミ「そう言っていただけると光栄です。頑張ります。」
管理人「では、集会室を開けありますので、ご用意をお願いします。」

(ホームの集会室)

※音合わせなど一通りの準備を終えていよいよ開演

ホームの人たちや近所のお年寄りが続々集まってくる。

律子「皆さん、今日は。お元気でしたか?今月も皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしていきたいと思います。それから、こちらは長沢マサミさん、私の可愛い妹のような子です。今日は皆さんの前で手品を披露させていただきますので、どうぞお楽しみに。」
マサミ「皆さん、よろしくお願いいたします。」

※孫娘のようなマサミの登場に目をみはるお年寄りたち

律子「それでは、まずわたしが2曲お届けします。どうぞお聴きください。」

律子ピアノの演奏を始める
1曲目:ピアノ曲
2曲目:ピアノの弾き語り
(読者の皆様、お好きな曲のCDをかけながらお楽しみ下さい。2曲目は柴咲コウさんのナンバーだとなおいいと思います)

律子の演奏が終わる
お年寄りたちが拍手をする

律子「どうもありがとうございました。さあ、今度はマサミちゃんのスペシャル手品コーナーです!マサミちゃん、よろしく!!」

マサミ登場。
テーブルの上に手品道具を揃えていく。

律子がピアノの伴奏を始める
(曲目は皆様のお好きなものでどうぞ。私は個人的にテレビ版サントラNo5「愛とは」がBGMに合っている気がしました。)

マサミの手品1:マッチ箱の色変わり
マサミ、裏と表の模様が違うマッチ箱を二つ出してお年寄りたちに見せる。二つのマッチ箱をこすり合わせる。再びマッチ箱を見せるとどちらも同じ模様になっていた。

マサミの手品2:くっつくおハシ
マサミ、手の甲をお年寄りたちに向ける。ハシを持って、手の甲の裏(手のひら側)に持ってくる。するとはしはそのまま手のひらにくっついて動かない。

マサミの手品3:宙に浮くパン
マサミ、丸パンを用意してお年寄りたちに見せる。
テーブルに置いたパンにマサミが手を近づけると・・・なんと、パンが浮き上がった!

お年寄りたち、目を奪われる。
「いや、すごいすごい!!」
自然とお年寄りたちから拍手が起こる。

マサミ、お辞儀する。

マサミ「(内心の声)わたしの手品を皆さん、こんなに喜んでくれている・・・わたしのしたことってそんなにすごいことなのかな・・・わたしの大好きな手品、それでこんなに人を喜ばせることができるんだ。皆さんが喜んでいる顔見るとわたしまで嬉しくなってくる・・・感動してくる・・・」

お年寄りA(男性)「マサミちゃん!その手品、ワシらに教えてくれよ」
お年寄りB(女性)「そうそう、こんな面白い手品、覚えたら楽しみ増えるわー」
お年寄りC(男性)「手品覚えて、今日来てない仲間にやってみせてやる。きっとビックリするぜっ、ガッハハハ・・・」

律子「マサミちゃん」
マサミ「(感動して)律子さん・・・」
律子「皆さんに、手品教えてあげましょうよ」
マサミ「そうですね
(お年寄りたちに向かって)皆さん、それでは、今の手品をお教えします。一緒に楽しくやりましょう」

お年寄りたちから再び拍手

そしてマサミの即席手品教室が始まった

(続く)


※マサミの披露した手品は以下のサイトに掲載されていたものです。

「誰でもできるマジック」
http://www.kawachi.zaq.ne.jp/attoodoroku/daredemo-majick.htm
...2004/11/11(Thu) 21:29 ID:76ZdWiUE    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
みなさんへ
Part.3を立てておきました。よろしくお願いします。

Apo.さんへ
男でも、「幼馴染ひとすじ」っていうのは、いるにはいます。頻度は極めて低いですが。ちなみに私は違います(笑)
ケンの弁護をしておけば、マサミが、ケンとアキの停学中にノートを持って押しかけたのが、ちとマズかったかな(笑)男によっては引くでしょうね。こればかりはケン自身にしかわかりませんが(笑)
ケンは、友達としてなら、女の子にも優しいと思いますよ。サユリにも親切だったし(笑)
朔と亜紀の「純愛」について言えば、もし亜紀が病気にならなかったらどうだったでしょうね。卒業と同時に朔は置き去りにされちゃう、なんてことも考えられますよね。朔は別の意味で「喪失感」を味わった可能性も大きいんじゃないでしょうか。
実は、あくまで個人の考えですが、ケンにはこの「喪失感」を一時的にでも味わってもらうのもアリかな、と思っています。離れた時に、お互いの大切さを実感するというのも、ままあることなので。
...2004/11/11(Thu) 22:43 ID:oI8I5ZJY    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
(281より続く)

マサミの手品教室

マサミ「では皆さん、『くっつくおハシ』をやってみましょう。」

管理人が食堂からもらってきた割り箸が配られる

マサミ「皆さん、腕時計してらっしゃいますよね?してらっしゃらない方いらっしゃいます?」

5・6人が手を上げた

マサミ「はい、今日のところは練習ですから、輪ゴムをして下さい」

マサミと律子は一緒に手を上げた人に輪ゴムを渡して回る。

マサミ「皆さん、割り箸を割って、片方を腕時計か輪ゴムに挟みましょう」

お年寄りたち、割り箸を割る。中には失敗する人もいた。替わりの割り箸を配るマサミ。

マサミ「割ってお渡ししますね。」

マサミは割り箸を割ってある男性に渡した。

男性「どうもありがとう」

顔を上げた男性はなんと、廣瀬真。ホームの付属病院に入院中で、律子が来るのをを楽しみにしている一人だった。(前編のごろさん作「朔と真」の設定をお借りしました。)

マサミ「いいえ、どういたしまして」

マサミ「皆さん、挟まりました?そうしたら、もう一方の割り箸をタテにして、手のひらと割り箸の間に挟みましょう。」

律子やお年寄りが真似する。

マサミ「ご自分の手の甲を見て下さい。ほら、割り箸がくっついているみたいでしょう?」

男性A「あ、ホントだ」
女性B「へー、こんな簡単に出来るのね」

マサミ「お友達と食事しながらでも手軽に出来ますよ。」

男性C「今晩にでもやってみるかね?ハハハ・・・」

マサミ「(充実感を味わう表情)」
律子「(マサミを微笑ましく見る)」

こんな感じでマサミの手品教室はつづき・・・
本日のプログラムが終わりに近づく。

律子「本日は皆さん、ありがとうございました。私たちもとても楽しかったです。」
マサミ「どうも、ありがとうございました」

マサミと律子はお年寄りたちをお見送りする。

男性D「よっ、マサミちゃん、次も面白い手品頼んだよ!」
マサミ「ありがとうございます、頑張ります」
女性E「律子さん、いい相棒連れてきたわね。負けずに新曲お願いね。」
律子「どうもありがとうございます、この子(マサミ)のおかげですっかり影がうすくなっちゃいました(笑)」

お年寄りは次々と集会室を出ていき、最後の人のお見送りとなりました。

真「律子さん、ありがとう、とても楽しかった。」
律子「廣瀬さん、お身体はもう良くなったんですの?」
真「おかげ様で。今月中に退院できることになりました。でも、ご存知のとおり、今まで寝たきりだったので、足腰が弱ってしまってね。今はリハビリ中なんですよ。」
律子「よかったですわ。でも、来月はもうこちらにはいらっしゃらないんですね。」
真「家内と一緒に家から来ますよ。残り少ない入院生活だが、病室に一人でいると退屈でね。マサミさんに手品を教えてもらったおかげで楽しみが増えましたよ。」
マサミ「そう言っていただけると嬉しいです。」
律子「改めてご紹介しておきます。廣瀬さん、こちら長沢マサミさん、宮浦高校の3年生です。
マサミちゃん、こちら廣瀬真さん、ここのホームで知り合って親しくさせていただいてるの。」
マサミ「廣瀬さん、はじめまして、よろしくお願いいたします」
真「マサミさん、こちらこそよろしく。律子さんと仲良くなったのはピアノに魅かれて声をかけたのがきっかけかな?」
律子「確かそうでしたわね。あ、病室までお見送りしましょうか?」
真「ありがとう、お言葉に甘えさせていただきますよ。今日は両手に花、ということかな(笑)」
律子「まあ、奥様に言っちゃいますよ(笑)」

病棟へ向かってホームの中庭を歩く三人

真は足取りがタドタドしく、杖をついて歩いている。
マサミが真に手を貸した。

真「マサミさんは宮浦高校だったね。」
マサミ「ええ、そうです。」
真「そうか、私の娘のずっと後輩なんだな。」
マサミ「娘さんも宮浦高校出身なんですか?」
真「ああ、そうだよ、もう30年近くも前だが」
マサミ「今はもう、いいお母さんになってらっしゃるんでしょうね。」
真「うん・・・そういうことになるかな(ふと空を見る)」

病棟の入り口

真「どうもありがとう、あ、律子さん、退院したら一度私の家に遊びにいらっしゃい。マサミさんと一緒に。家内があなたと一緒にカニクリームコロッケを作りたいと楽しみにしているんでね。」
律子「お邪魔でなければ喜んで。楽しみにしてます。では失礼します(真にお辞儀する)」
マサミ「(律子と一緒にお辞儀する)」
真「では、また」

(続く)

手品の種あかしは以下のサイトを参照しました。
http://www.kawachi.zaq.ne.jp/attoodoroku/daredemo-majick.htm
...2004/11/12(Fri) 00:21 ID:0mW303GM    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:にわかマニア
 スレ主・朔五郎様,ごろ編集長様
 どこまでが技術的に解決できる問題か判らないまま,トンチンカンな提案で失礼いたしました。
 本当にもうすぐパート3突入ですね。

 さて,ここに限らず,一方が病気になったから純愛になったのではないかという書き込みが見られます。純愛を際立たせるために当事者の一方を病気や事故に遭わせるという設定は言わば常套手段ですが,「逆必ずしも真ならず」ということもあります。
 まあ,一般論ばかり展開しても仕方ないので,Apoさんや朔五郎さんたちの議論に引き付けて言えば,「もし病気にならなかったら」,サクが「置き去りに」される可能性は確かにあります。でも,病気とは別のカベにぶちあたる可能性も,それ以上にあるのではないでしょうか。そして,そういう時に頼りになるのが誰かは論を待つまでもないでしょう。 
...2004/11/12(Fri) 00:23 ID:YenpP/1U    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
2-276の続きです。

札幌編(その10)

サユリが言った。
「祐平くん、奈津実さん、お元気で」
「サユリさん、また来て下さいね」
「ええ、今度はいっぱい友達を連れて来ます」
「サユリ、ありがとう、来てくれて」
「うん、会えて良かった。たまにはサルルに帰ってきてね。近所の人たちも会いたがってたわ。じゃ、祐平くん、バイバイ」

ケンの顔を見ながらサユリは微笑んだ。
「もう、一刻も早く帰りたいっていう顔してるね」
「あ、いや、明日また家庭教師の日なんだ。今なら、宮浦までの終電に間に合うかなあ、なんて思って」
「あーあ、またアキさんか。なんだか、うらやましいな」
二人は空港行きのバスのりばに向かって歩いていった。
「大木君」
サユリはサルルの砂の入った小瓶を取り出した。
「この砂は、祐平くんがいる場所の近くに撒くか、豊平川の橋の上から捨てちゃおうと思ってた。でも、これは大切に持って帰る。二人で拾った浜辺に戻すわ」
「うん」
ハマナスの絵を見ながらサユリが言った。
「私の初恋は、こんなにきれいな絵になった」

「サユリ、また9月に大学で」
「うん。あの、大木君」
「なに?」
「来てくれて本当にありがとう。それから・・・今度から、ケン、って呼んでいいかな?」
「いいよ!」
「また相談にのってね。頼りにしてます・・・。あ、来た」
バスのドアが開き、ケンが乗り込む。
「じゃあね、サユリ」
「うん」
ドアが閉まり、バスが動き出す。
そのバスが見えなくなるまで、サユリは手を振り続けていた。

次の日。
「ここで絶対値記号を外して、あれ、おかしいな、え、アキ、ちょっと待って」
「これじゃダメだよ。だってここ、sinAじゃなくて、tanAだもん」
「ご、ごめん」
落ち込むケン。
「いいよ、間違いは誰にでもあるよ」
「やっぱりオレ、もうダメなのかな・・・」
「どうしたのよ。え、ラジオ?リクエスト?私が?ええっ、うそ、別れるって?ミッドナイトウエーブ?なんだ、それ私じゃないよ。だって私、MUSIC WAVEしか聴かないもん。知ってるでしょ?」
「う、うん」
「でも、夜中にラジオつけたりして、一緒にいた女の子に文句言われなかったの?」
「ああ、部屋は別々だったんだ・・・あっ」
「やっぱり、女の子と行ったんだ」
「ご、ごめん、アキ。オレ、オレは絶対アキを裏切るようなことは・・・ああ、こんなこと言っても信じてもらえないよな・・・」
「しょうがないな。大丈夫だよ。ケンは私を裏切ってはいない。ケンの目を見ればわかるよ。ほら、そんなに泣かなくてもいいよ・・・」

そうじゃないんだ、アキ。

ケンの脳裏に浮かぶ情景。
満開の桜の下に、大人の顔をしたアキが立っている。
アキ、アキはいつかきっと・・・

(花吹雪にまかれて、行方をくらましたのは・・・だれ?)

アキの膝枕で、ようやく泣き止んだケン。
「アキ、もう少しこうしてて、いい?」
「いいよ、ケンが好きなだけ」
「重いかも」
「いいよ」
「足がしびれるかも」
「いいよ・・・」
アキがケンの髪をなでる。
「私、来年きっと宮大に合格するから。もう少しだけ待っていてね。それからは、いつも一緒だよ。ケンが疲れた時は、今度は私の肩につかまっていいから」

(サルルの浜辺をサユリが歩いていく。
 祐平とふたりで砂を拾った場所で、小瓶のふたをとり、中身をそっと浜に還す)

「アキ」
「なに?」
「もしも、亜紀さんが白血病にならずに、編集者になってたとしたら、どんな絵本を創りたかったと思う?」
「わからない。私、亜紀さんじゃないから。でも、亜紀さんには、生命が弾けて、輝いて、生きている歓びが溢れるような、そんな絵本を創って欲しかった。亜紀さんには、あまりにも時間がなさすぎた。亜紀さんにも、もっともっと、生きている楽しさを味あわせてあげたかった・・・」

(サユリが去り、浜辺にはガラスの小瓶が遺されている。
 ハマナスの花が咲いている。
 どこまでも、どこまでも続く青い海。波の音・・・)


(札幌編 完)
...2004/11/12(Fri) 02:55 ID:2G..k0tQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
SATOさんへ
来ましたねー、亜紀パパ。なんと、マサミと遭遇ですか。楽しみですねー。

にわかマニアさんへ
おっしゃるとおり、これは確率の問題です。置き去りにされるかもしれないし、されないかもしれない。
...2004/11/12(Fri) 03:43 ID:2G..k0tQ    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
朔五郎さん
 「札幌編」お疲れ様でした。なかなか味わいのある作品で楽しませていただきました。
 part3のスレたても、ありがとうございます。にわかマニアさんに勧められましたけど、ぼくでは任が重いです(笑)

SATOさん
 真が登場するとは・・・思いもよらぬ展開でした。律子&マサミと真、楽しみにしています。
...2004/11/12(Fri) 04:45 ID:tQddnbJ6 <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
ごろ殿>お疲れ様です。いい話ですね。

SATO殿>亜紀パパ登場は私も予期していませんでした。りっちゃん、マサミのコンビはいい感じですね
...2004/11/12(Fri) 16:04 ID:syjE9wS6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
>朔五郎さん
札幌編 大変面白かったです

>SATOさん
律子・マサミの仲良し姉妹はいい味出ていますね
今<アキと谷田部先生>のラストを考えております
こっちが一段落したら、律子・マサミのお料理編を
また書きますね
...2004/11/12(Fri) 17:25 ID:GOnm.o.w    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:yosi
<アキと谷田部先生>

(マサミの戦略3)

早速アキは源氏物語を読み出した。
「どの天皇様の御代(みよ)で・・・」
最初は古文の続きのつもりで読んでいたアキだが次第に引き込まれていったのだった。気がつくと夜中の2時を回っていたがアキは読むのを止めなかった。とうとう4時までかかって一気に読んでしまった。
「もう4時か・・・そろそろ寝ないと明日がつらいなぁ」
ベッドに入るアキ・・・やがて闇がアキを包んで行った。

3日後アキはまた谷田部先生の病室に来て古文を教えてもらっていた。
まず何時もの様にアキが写したコラムを見ながら
「今日のこのコラムの言いたい事って分かる?」
「地震対策の遅れですよね」
すぐに答えるアキ。
「そうだよ・・・もうこのコラムを写す意味が分かって来たようだね」
「何となくなんですが・・・」

自信無さげに答えるアキだが谷田部の目にはアキの成長がはっきりと見えていた。

「新聞のコラムってその新聞社でも文章の達人って言われている人が担当するんだよ。
 しかも短い文章の間に起承転結をしっかりと入れないといれないからね」
「そうなんですか?」
「だからこれを毎日写しているだけで文章の構成や書き方が自然に身に付くのよ」

ここでアキの目が輝いた。

「ねえ先生!私母から貸してもらった与謝野源氏、一気に読んでしまったんですよ」
「ほ〜」
「今までこんなに夢中に本を読んだ事なんて始めてです」
「そっかそんなに面白かったか」
「はい!読んでいて目の前にその映像が浮かんで来るみたいでした。
 まるで映画を見ているみたいだったんです・・ 他に面白い本有りますか?」
「面白いの?いっぱい有るよ〜でもアキさんは受験生だから少しでも受験に
 役立つのがいいわよね?
 そうね・・小説では・・・古くは志賀直哉・芥川龍之介、次の世代では
 田中芳樹・片山恭一かな、最近では片山朔五郎なんか良いわよ・・・
 でもあまり夢中になって勉強の方がおろそかになってはダメよ」
「は〜い分かっています。勉強の合間の息抜きだけにしま〜す」
「それがいいわ、まぁ本を読むのは理解力を高めるのには役立つからね
 アキさんって夢中になると時間を忘れるタイプじゃない?」
「そうですが・・・?」
「それじゃ集中力は十分ね、問題は何にその集中力を向けるかだわね」
「父やケンちゃんにも同じ事を言われているんです・・・」

その後も本の話しで盛り上がったアキと谷田部・・・
谷田部の顔は終始笑顔に包まれたままだった。


翌日恒例の大沢宅での作戦会議でアキの話を聞いたマサミは
「いよいよ第3ステップね」
そう言ってアキに次の事を言ったのだった。
それは・・谷田部先生はきっとアキに『将来の夢』や『なぜ大学に行きたいのか?』を聞いて来るから、その時にアキは素直にアキの描いている夢を語れば良いと言うものだった・・・


これで(マサミ戦略編)は終りです。次回は(谷田部の決心編)にかかります。
朔五郎さん勝手に名前を使わせて頂きましたm(__)m
...2004/11/12(Fri) 19:28 ID:GOnm.o.w    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:たか
かにクリームをw
かなりご無沙汰ですみません

アキ「お母さん、今日の晩ご飯何?」

智世「カニクリームコロッケよ」

アキ「ええ?今日のお昼だって・・・」

智世「はいはい、いいからお箸並べるの手伝ってちょうだい」

アキ「ええ、うん」

達明「ただいま」

アキ「お父さん、お帰んなさい」

達明「ん〜今日の晩ご飯はなにかな?」

アキ「カニクリームコロッケだって」

達明「ほぉ」

アキ「今日のお昼の弁当にも入ってたのに」達明はピンと感じ、笑った

達明「ははははは」

アキ「何よ?」

達明「いや、まさかとは思うんだが」

アキ「???」キョトンとした顔で達明を見る

達明「智世、もう少しかかるか?」

智世「もう出来ます」

達明「そうか」

アキ「へんなお父さん」


達明「ほら、お箸並べないと」

アキ「うん」

しばらくして・・・

智世「お父さん、智世、ご飯よ」

アキ「はーい」

達明「ああ」

3人は食卓についた・・・

続く・・・

次くらいで完結です
...2004/11/12(Fri) 20:17 ID:m1.O.IEk    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:くれい
ごろさんお気遣いありがとうございます。
油断してるとでかい余震が来るので気が抜けません。
一番困るのが夜中の余震です。

いいんですか?一樹役は俺が決めちゃって?
最近雰囲気的に鳥羽潤さんがお似合いかなと。
(医者の役もやられてますし、せかちゅ−のドラマにも出たので)
年齢的にも山田君たちより3・4歳年上ですから
丁度いいと思います。
脚本家の皆様、如何でしょう?
...2004/11/12(Fri) 20:29 ID:sYhMRkio    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
朔五郎さん、ごろさん、たかさん、
亜紀パパとマサミの対面でちょっとビックリされたみたいですね。
本家・廣瀬亜紀と律子・マサミとの接点をどこかで作りたかったので、少々強引ですが、引き合わせました。次回の廣瀬家訪問をきっかけにマサミは介護福祉の道へ進む決心をする展開にしようと思っています。また、真から廣瀬亜紀の話を律子とマサミにしてもらうつもりなんですが、いつその話をするかちょっと思案中です。私としては、何度か通ってお互いに馴染んでから話した方がいいかな、と思っております。マサミの受験が終わって落ち着いたところがいいかな。そして、朔と亜紀の話に感動した律子とマサミが共同作業で「あの」歌を作って廣瀬夫婦にプレゼントする・・・というふうに持って行こうと思案中であります。
何かご意見があればどうぞ。

※Apo.さんのアキ自立編最終話で「あの」歌が流れていますが、ま、深いことは考えずにいきましょう。ですので、Apo.さんが「あの」歌を訂正することありませんので、念のため。
...2004/11/12(Fri) 20:46 ID:etnkAVEg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
くれいさん、本当に大変ですね。
私など、ちょっと揺れただけでも物すごく怖いのに、もっと強烈な揺れがいつ来るかわからない・・・という不安感は想像を絶するものがあります。ホント、頑張って下さい。セカチューでパワーを充填してくださいね。

本題ですが、一樹役はくれいさんにお任せします。
それとも、鳥羽潤さん以外にくれいさんにアイデアがあればそれを出していただいて、オーディションを行いましょうか?
...2004/11/12(Fri) 20:57 ID:etnkAVEg    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:朔五郎
Dr.コトーに律子さん出てますね。看護師役ですけど。ところで女優の朝加真由美さん、頭部手術の場面があるんですが、「剃って」しまったのでしょうか。最近、どうも気になってしまって(笑)

皆様、札幌編のご感想ありがとうございました。

くれいさん
あらためて、お見舞い申し上げます。
鳥羽潤さん、合うと思いますよ。

Apo.さん
亜紀はやはり偉大でしたね。
藍は、最初ゴルフの「宮里藍」かと思い、どんな話になるのか途方にくれてしまいました(笑)
上戸彩のキスシーン、話題になるでしょうね(笑)

yosiさん
マサミの本領発揮ですね。東京には、もう彼氏がいるんでしょうか(笑)

SATOさん
真と綾子に「あの」歌を贈るのですか・・・
きっと、感激するでしょうね。

たかさん
カニクリームの結末、楽しみにしてます。

それでは、Part.3でまた会いましょう(笑)
...2004/11/12(Fri) 23:18 ID:PnM6tu6Q    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:SATO
Apo.さん、私も藍はあの高校生ゴルファーをイメージしてました。朔五郎さんの前例があるもので。既にサッカーの小野選手や仲田選手に高額なギャラで出演依頼しているので、危うく破産するところでしたよ(笑)
冗談はさておき、ここは藍を出したApo.さんのイメージを尊重させていただきます。

朔五郎さん、私、隠し事が苦手でして、誰かにしゃべりたくなっちゃうんですよ。「あの」歌がセカチュー2でも挿入歌になってますので、どうせ出すなら・・・と律子たちと亜紀パパ夫婦を引き合わせることにしました。


それでは皆さん、パート3でお会いしましょう。
...2004/11/13(Sat) 00:09 ID:Dw0cCJA6    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:ごろ
くれいさん
 ここは配役担当ADの権限でスパッと決めて下され(笑)そろそろ某サイトの投票もやめようかなって思っていますし(笑)

たかさん
 催促したわけではなく、マジで続きが気になったもので・・・続きありがとうございます。

前編・後編の分類を第1部・第2部・・・というふうに変えて表記する予定です。

第2部はアキ不合格まで。第3部は、アキ浪人時代以降となるかなって思っています。したがって、現在、整理サイトではサイドストーリーとして掲載している朔五郎さんの「札幌編」は、第3部の本編へと挿入するかもしれません。朔五郎さんの「札幌編」は、本編とのつながりも意識されて書かれていらっしゃいますので、十分可能だと思います。
たかさん構想のクリスマス編は第2部挿入予定です。
yosiさんの谷田部編は第3部へ掲載予定です。
また、ケンの家庭教師に関する一連の話も第3部へまわす予定です。

それでは皆さん、part3での再会を!part2よ、さよなら〜
...2004/11/13(Sat) 00:15 ID:.iBQpVMI <URL>   

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
朔五郎さんの「アキの夢」を参考にしたリメイクです。
他にリメイクらしいものがたくさんありましたが全て破棄しました。一度掲載しましたので、掲示させてください。
以下短編に整理してあります。

短編1
−亜紀再び−
その日の日曜日は、小雨が降り続く肌寒い日だった。
ラジオから懐かしい詩が流れていた。
……眩しすぎる太陽の中で
微笑む私を思ってね
重ね合わせてゆく「好き」の強さ
   泣くことさえ愛に変えた……
アキは朝から遠くに携帯の音のような、耳鳴りがしていた。
はじめは、夜更かしした睡眠不足のためと思っていた。
ところが、妙に暖かく爽やかな気分なので、何か良いことが起こるかも、と期待に小さな胸を膨らませるのだった。
アキ(心の中で)「ケンちゃんに良いことがあったのかな? メール、最近来ないけど」
机に向かい、受験勉強を続けるうちにウトウトとしてしまう。手には携帯を持ったまま。
……泣きたいときや苦しいときは
   私を思い出してくれればいい
   寄り添える場所 遠い夏の日
   温もり 生きる喜び
   全ての心に……

遠くに霞む山々、打ち寄せる波の音。
空と海の境目は霞の中にあり異次元の感じがする。
海岸に臨む公園、沖には砂浜を擁した無人島が妙にくっきりと見える。
小雨の中、ピンクの紫陽花を背に美しい女性がたたずみアキを見詰めている。
何故か、女性の周りは仄かに日が差していて、雨が降っていなかった。
腕にはかわいい女の赤ちゃんを抱いている。
よく見ると、(赤ん坊の屈託のない笑顔)、 「あ、 わたしじゃない!」と、小さく叫んだ。
美しい女性の手に抱かれているのは、まさしくアキだった。
女性の顔を見詰めるアキ、
若い頃の母の智世のように見えたが、写真館で見た亜紀にスーっと入れ替わった。
アキ「あ、亜紀さん」
亜紀「ふむ、びっくりした? わたしアキちゃんみたいな女の子が欲しかったの。やっと望みが叶ったわ」
亜紀「亜紀お母さんって、これから呼んでね」
アキ「い、いいですけど。どうされたんですか」
亜紀「私、やっと、アキちゃんのこころの中に住むことが出来るようになったのよ」
亜紀「アキちゃん、やっと人を慈しむことが出来るようになったのね」
アキ「はい、ありがとうございます。いままで、わがままで、勉強が出来ないのも周りのせいにして、絵を描くことさえ出来ればいいと思っていました。一樹さんにお話をしていただいて、やっと判ったんです。自立する意味を。好きな人をいたわる心を。」
亜紀がゆっくりと近づいてきた。いつのまにか手にした赤ん坊は消えている。
アキの側にたたずみ髪を、優しく、赤子を癒すように、撫でる。
周りには紫陽花の香りが満ちあふれる。世界で一番優しい声で語りかける。
亜紀「頑張るのよ。アキ! 智世の支えになってあげてね。きっと、合格するわ。来年ね。それまでに独り立ちするのよ。あなたの試練ね。」
アキ「ソラノウタの絵本、素敵でした。私もあんな絵本を創ってみたい」
亜紀「ありがとう。あれは朔に残すつもりで創ったのよ。それと、周りの人にも理解してもらいたくて……。 アキ、あなたも出来ます。頑張ってね。世界で一番美しい心を持った女性になってね」
アキ「はい。頑張ります。亜紀お母さん!」と、叫び、亜紀の胸に抱かれる。
アキは世界で一番美しい心を感じた。世界で一番優しい声を聞いた。
……
携帯を床に落とした音で、アキ目が覚める。幸せな気分に包まれていた。
暫らくして、
智世がアキの部屋に現れる。
智世「どうしたの?亜紀がどうかしたの?亜紀お母さんって?」
アキ「ううん。亜紀さんが残したソラノウタの絵本を考えていたの。びっくりさせてごめんなさい」
智世、アキの語り口に亜紀を感じた。アキが急に大人びていることが判った。
アキ「お母さん、心配かけたね。私、浪人してもめげないわ。来年は宮大、ゼッタイ合格してみせる。それまで待っていてね」
智世は、成長した娘を抱きしめ「うん。うん」と言いながら嬉しくて仕方がなかった。自然に涙が溢れてきた。
智世「亜紀! アキ。 ありがとう」
...2004/11/17(Wed) 00:06 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編2
−達明と智世の言い争い−

達明が薬局の店じまいを終わって、ほっとしている。(頭の中は新しく造る薬局のことをいつも考えている)
智世、夕食の支度を終え、今日こそは達明に問いただそうと思っていた。
イライラした表情を顔に浮かべ、店に現れる。
智世 「今日もお客さんから薬の質問があったのに上の空だったでしょう?その前は、『いつもの薬をください』と、言われたのに別の湿布薬を渡してしまって…。最近、変よ! このところ、毎週毎週、静岡市へ出かけているけど何か企んでいるの?!」
達明 「企んでいるなんて、おまえ。……直ぐに話さなかったのは悪かった。従兄弟の達郎さんに店のことを相談していたんだ。新しい店のことを話すと、おまえは機嫌が悪くなるから、もう少しまとまってからと思っていたんだが、心配かけたね」
智世 「まとまってから話すって、それじゃ私には相談じゃないじゃない。決まったことを話されても仕方がないことだと思わないの? この薬局は私の父が始めたものよ。私には当然、お店の経営に口を挟めると思うんだけど、どうなのよ?」
達明 「それは判っていることじゃないか!ただ、私には店を継続させることが大切なんだ。アキが薬剤師になるまでは潰すわけにはいかないよ!」
智世 「それだけじゃないわ。建設コンサルタントの人ともチョクチョク抜け出すじゃない。結論を言ってよ。私やアキを出汁にしなくても、いいわよ。もう、決めたことなんでしょ!」
達明 「そうだ。2号店を出す。それに、従兄弟の悦郎さんの息子が薬剤師になったと話したと思うが、彼に協力してもらう。
薬学部に合格したといっても、その後、難しい国家試験が待っている。アキが薬剤師になれるか判らないし、そうなったとしても結婚して出て行くかもしれない。アキにはアキの人生がある。絵を描きたいのなら望みを叶えさせてあげたい。その為にはお金を残してあげないと、と考えるようになったんだ」
智世 「なんなのよ、それ。私はどうすればいいのよ! 私はもう必要ないわけ? 主婦業してなさいと言いたいわけ? 二人で続けてきた薬局じゃないの! アキはあなただけのかわいい娘ではないわ!」
智世 「アキがケンちゃんを好きなのはわかるわ。ケンちゃんは、いい男子よ! でも、恋愛と結婚は別よ!アキのことをもっと大切にしてくれる男性が現れるかもしれないじゃない。それも薬剤師の! 二人でこのお店を守って行くかもしれないでしょう?」
達明 「私は、そんなことは言っていない。アキにはじっくりと将来のことを考えて決めてほしい。それと、お店を潰さないように守りたいだけだ。智世とアキに示せる私の愛情はそれしかないと思っている。おまえは感情的になっているだけじゃないか。大木さんとのことをいまだに根に持っているんじゃないのか?」
智世 「………何、何てことを」
...2004/11/17(Wed) 00:07 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編3
−母を助けて−

夜、10時が回った頃。
アキが階段を上ろうとすると、奥の部屋で話し声が聞こえてくる。先ほど父は設計担当の人と一緒に、新店舗の打ち合わせだと言って飲みに出かけたはずだ。
「誰だろう?」 (アキ、心の中で)
宮浦ショッピンギセンターに出店することが決まってからというもの、毎日のように父は出かけるようになった。以前の父には考えられなかったことだ。何よりも家庭第一の父であった。
「なんだ、この声は母さんじゃない?」 「誰と話しているのかな?」 (アキ、心の中でつぶやく)
そっーと、近づくにつれ、はっきりと聞き取れた。
智世 「亜紀! 淋しいよ! 一人ぼっちだよ! 朔! 戻ってきてよ! 私の話を聞いてよ!」
智世 「亜紀、何で死んでしまったのよ! 朔、私の相談にのってよ。介には絶対に話せないし、坊主じゃ・・・私のこと解かってくれないと思う。・・・・・ 無理だよ! 朔! 私、どうにかなっちゃうよ!」
アキ、母の異様さに、そっと、部屋の隙間から覗いてみる。
すると、母が亜紀さんと朔太郎先生の結婚写真を見つめて、泣いている。その場から動くことが出来なかった。気丈な母だと思っていた。生まれてから初めて見る母の弱弱しい姿。ショックだった。
アキ、つぶやく (そういえば最近、元気がなかった。ケンちゃんとの付き合いにあんなに反対していたのに、今日、ケンちゃんとデートで出かけると言っても無関心だった。認めてくれたのかと思ったのに………間違っていたみたい?)
(朔太郎先生に相談って何だろう?)
智世 「朔! 昔みたいに楽しく笑いたいよう。 たこ焼きパパさんで、よく笑ったね。亜紀が側にいつもいてくれたのに、最近ちっとも感じなくなっちゃったよ!   朔と話したら元気がでる気がする・・・・・・・・」
アキ、そっと部屋から離れる。
アキつぶやく(どうしよう。ケンちゃん)
そっーと、外に出て、携帯を使う。
...2004/11/17(Wed) 00:08 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編4
−朔と明希との会話−

東京の自宅で。夕食を終わり、くつろぎのひと時。
………
朔は趣味のカメラを手にとり、宮浦の風景を思い描いていた。いつも亜紀との思い出の場所、ピンクの艶やかな紫陽花が咲き乱れる丘が浮かんでくる。
朔 (つぶやく)「もう一度、撮りたいなあ、あの紫陽花の丘」
 すると、連想して自問していることに気がついた。(2代続いた写真館、このままでは親父の代で終わりになってしまう。医師を目指す前は写真館を継ぐもの思っていたんだよな。……そういえば、あの時、空の写真を毎日撮り続けた。亜紀のために。)
………
突然、明希が意を決っして話しを切り出す。(朔が2,3日、悩んでいるような気がして仕方がなかった。今日はいい機会だと思った。)
明希 「あ、あなた、宮浦に戻らない? ………お父さん、お母さんもお年だし。それに廣瀬のお父さん、お母さんも」
 朔は心の中を見透かされていると感じた。
朔 「私も考えていたんだ。一樹も私の跡を継いで医師として独り立ち出来そうだ。そろそろ、私たちの老後のことも考えないと、と思っていた。直ぐに帰れる距離だといっても、残している両親が最近、気になってしょうがないんだ」
朔 「それとね。県立宮浦総合大学の医学部教授として、お誘いがあったところでね。しばらく考えさせて下さいと言ってある。1ヶ月ぐらいはお待ちできますとのことだが、私の後任も決めておかないといけないんでね。」
明希 「ふーん、そうだったの。あなたの気持ちを大切にしたいので、準備しておくわね」
朔 「おいおい、宮浦に帰るとは、まだ言ってないぞ」
明希 「何年、連れ添っていると思うの?! あなたが家族のことを話したときは、そうしたいからお願いしますということでしょう! それくらい判ります」
明希 「一樹には、すでに了解をとってあります。このマンションは一樹に譲ることにしました」
朔 「なんだ、もう決定済みじゃないか! あはははは」
………
明希 「ところで、この間、大木さんと電話で話していたけど、何かあったでしょう? いい機会だから話しきかせて」……
朔 「高校でお世話になった矢田部先生が入院されていて、手術すれば助かるのにイヤだと言って受けてくれないそうだ。私が説得したら納得されるのではと。……それから、智世がね。何か悩んでいるようで介も坊主も心配しているそうだ。状況からして二人には話せないようで、介が計画しているショッピングセンターが原因じゃないかと言っていた」
明希 「そうだったの。あなたは、智世さんにお世話になりっぱなしでしょう? 智世さんを救えるのはあなたしかいないと思うわ。亜紀さんの大親友だもの」
朔 「うん。それでね。娘のアキちゃんからこんなものが送られてきた」
と、言って白い封筒を差し出した。
(アキからの手紙)
「松本朔太郎先生へ・・・・・母が夜、隠れて泣いています。『淋しいよ。朔に遭いたいよう。相談したいよ。どうにかなっちゃうよ。』って泣いています。・・・・助けて下さい。 治してやってください。 母は病気です。・・・・・(大林亜紀)」 
………
明希 「たったこれだけ? めちゃくちゃな手紙ね。でも、かえってアキちゃんの必死さが伝ってくるわ。今度の土日に帰ってあげて! 直ぐに準備しますから、連絡して智世さんに会ってあげてください」
朔 「うん。 ありがとう」
...2004/11/17(Wed) 00:09 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編5
−高校のグランド−

先週、突然朔から電話があった。東京の病院を退職して宮浦に戻りたいので話を聞いてくれとのことだった。そして、どうせ会うなら高校のグラウンドに行ってみたい。そこで会わないかと。
家を出るとき達明に「高校に行ってくる。朔が相談があるそうだから」と告げた。
達明はいつもの智世じゃない気がした。そう、昔の元気だった頃の智世を感じた。
それで、明るく「ああ、行っておいで」と答えた。
日曜日の高校。
智世、夕日を背にして立っている。
毎日、陸上の練習に明け暮れたグランドを懐かしく見渡す。
ゆっくりとグランドの周りを歩き出す。苦しかった練習、それでも楽しかった青春が歩調にあわせ染み出てくる。
いつの間にか、自然に(朔と亜紀がデートスポットにしていた)グランド脇の手洗い場に向かい、腰掛ける。
智世 (見上げながら、右手で空に向かい人指し指を突き出して) 「久しぶりの青空」 と、つぶやいてみる。
  暫らく閉ざされていた、心の扉が開いてくるような、開放された気分になっていくのが感じられた。
………
智世 (心の中で)「亜紀と最初に話したの、確かここだったね。……あの日、私が冗談で朔が好きといったら、亜紀、泣いちゃったよね。朔は私のこと妹ぐらいにしか見ていなかったと思うよ。……『朔にはお姉さんタイプが似合うんじゃない』と、亜紀に教えてあげたら、もう、まったく、朔のことからかってばっかりで。……でも、うまくいったね。いい作戦を立てたものだよ。……私に感謝しなさい! 亜紀!」
…………
遠くに、朔、現れる。
智世は、夕日に向かって歩いてくる朔の姿をじっと眺めていた。朔が立っている後ろには一瞬、亜紀が隠れているような錯覚を覚えた。
朔との約束の時間よりも早く来てしまっていたが、昔の智世に戻れるには充分な時間の狭間であった。
朔 (明るく元気な声で)「待たせたね。智世。…久しぶりだね。…元気そうだね。」
………
智世 「何年になるかしら? ここ! 私、高校卒業以来よ。 グランドに入ったの」(少し、大きな声で)
朔 「そうか! 実は俺、ここで死んだ亜紀と再会したんだ。17年間、亜紀の死を受け入れられなくて、やっとこのグランドで遺灰を解放してあげられた。そうしたら亜紀が俺の一部になった。そう感じたんだ。」
 屈託の無い、朔の顔。年はとっているが昔のまんまだ。(亜紀に振り回されて、それを逆に楽しんでいたときの嬉しそうな顔だ)智代はそう感じた。
智世 「そうだったの。朔と亜紀の思い出の場所だね。私にとってもそうなんだけど。」
 (どうしたんだろう。朔にあって悩みを打ち明けたいと思っていたのに……逆に、朔の相談を聞きたがっている自分……変わっていく自分の感情……)
…… 智世は、心の中から、わだかまりと不安の影が薄くなって行くのを感じた。そして、遠い日々、毎日が楽しくて、わくわくドキドキの青春。……ピンクのあじさいが咲いている風景の中で亜紀が笑っている姿が脳裏に映し出された。……
智世 (心の中で)「そう。 あのときと同じ。 亜紀が迷っている私を励ましてくれた。……何て、些細なことに悩んでいたのだろう?……私の明るく元気で大きな声。……それを、亜紀が大好きと言ってくれた。変わらないでいてって言ってくれた」

……朔は、ゆっくりと、東京の病院を辞め、郷里で勤務する意志を固め経緯を語りだした……両親のこと……写真館のこと……それに、介、坊主、智世のこと……

智世 「朔、よく決心したね。亜紀も喜んでいてくれると思うよ」 (元気な笑顔で)
朔 (智世の顔を覗き込んで)「なんだ。心配したよ。智世がおかしいとアキちゃんが言ってきたものだから」
智世 「そうだったの。 ありがとう。朔(亜紀)」 (朔の気使いを理解した)
 暫らく、グランドを眺めた後。 
朔 「昔の智世に戻ったんだね。よかった!」 と、言って一息はいた。
...2004/11/17(Wed) 00:11 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編6
−役場の一室−

 ドアが開き、事務服を着た50代の男性が入ってくる。
課長 「すみません。お待たせしました。町長と協議してまいりました」
 立ち上がりながら。
介 「お忙しいのにすみません。大木水産興業の大木龍之介と申します。」と言いながら名刺を差し出す。
課長 「いや。ご丁寧に。商工企画課長をしております、鈴木です。宜しく、お願いします」と、名刺を交換する。
課長 「突然のお話だったものですから、電話頂いた内容について町長に説明し、了解をいただけたところです。関係する事項を整理して説明しなければならず時間がかかり、お約束の時間を過ぎてしまいました。申し訳ございません」
介 「こちらこそ、突然お電話して、無理なご相談をしました」
課長 「とんでもございません。町の発展にとってこの上ない計画でありまして、全面的なバックアップをしようと町長が申しております」
課長 「ご計画のショッピングセンターにつきまして、関係する手続きついて要点をまとめておきましたので説明いたします……
 まず、計画地の地目・所有者の調査が必要です。農地がありますと転用許可、墓地がありますと廃止手続き、宅地・建物についても同様に諸々な手続きが必要です。ざっと、1年間かかるとしておきます。次に、計画の建物を含めた図面を描きます。駐車場等を含めた配置を盛り込んで下さい。それと、経営計画書も必要です。
 手続きについてですが、今、申しました内容の開発事前協議書を提出していただきます。1万平方メートル以上の面積ですと県との協議が必要になります。関係する部局の担当者が出席しまして、関係法律の事前審査をしていただきます。そして、問題なしとのお墨付きが必要となります」
介 「県にも相談に行かなければなりませんね」
課長 「そうではありません。工事に入る前の審査です。現場の町で協議を開催します。現地を見ないと話にならないからです。OKがでますと、町は全面的な協力が可能となります。ショッピングセンターへの進入町道整備、上下水道、ゴミ処理といった予算が必要となりますから。それから工事については、産業廃棄物、史跡調査、交通対策、地域住民への説明など、関係することが出てきます」
介 「そうですか。勉強になります」
課長 「店舗ですが、建物管理、食品製造・販売の許可などが必要でしょう。水質、大気関係も必要かもしれませんね。付随するパチンコ店、カラオケ店とかがありますと風俗営業となります。保健所及び警察署に書類の提出となります。ご相談の薬局ですが、保健所の担当者に詳しく聞いておきましたので説明いたします」 と、一気に話し、準備してあったお茶を一口飲んだ。
課長 「医薬品を販売する場合、薬局開設許可と一般販売業許可があるそうです。両方とも薬剤師が必要となります。薬局は病院・医院が発行する処方せんによる調剤が可能なので、保険薬局の登録も別に必要とのことです。お住まいと一緒じゃないので、出来れば2名以上の薬剤師を配置してくださいとのことでした」
介 「何から何までありがとうございます。助かりました」
課長 「大木さんは、廣瀬真さんの亡くなられたお嬢さんと同級生だったそうですね」
介 「どうしてそれを……?」
課長 「実は、お恥ずかしいのですが、今、お話ししました内容は廣瀬さんに教えていただきました。引退されましたが、大規模開発に関するお仕事を長年なされておられましたので、以前から色々と相談にのっていただいております。その折り、大木さんのお名前を出しましたところご存じでして、つい、口がすべってしまい申し訳ございません。廣瀬さんは県の関係者にもお知り合いが多いので相談にのって頂いたらとどうでしょうか。大木さんのためなら是非協力したいとおっしゃっておられました」
 介、礼を述べて帰宅する。
...2004/11/17(Wed) 00:12 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編7
−廣瀬宅−

介 「ご無沙汰いたしております。亜紀さんの命日にも最近は足が遠のいてしまって申し訳ございません。にも、関わらず、ショッピングセンターの一件では大変お世話になりました。先日、役場を訪問した折、担当課長様からお話をお聞きした次第です」
真 「いや……。ご丁寧に。以前から役場の課長さんにはご懇意にしていただいております。このての開発には様々な法律等がありまして、退職後も、役場の方からは助言を求められております。ご期待に応えられたか、自信がありません。かえってご迷惑をおかけしないかと思っておりました」
介 「いえ、とんでもございません。大変、勉強になりました。ところで、ご経験上、いろいろな失敗事例などもご存じじゃないかた思いまして。お教えいただけないかとお伺いしました次第です。よろしければお願いできませんか」
真 「まあ、硬苦しい話し方は止めにしましょう。ざっくばらんに、ね。 大木君」
介 「ありがとうございます。助かります」
真 「知っていると思うが、時代の流れを理解しておくこと。つまり、デパート、スーパーマーケット、コンビニと変化してきたが、今全盛期のコンビニもどうなるかわからない。先を見越した住民のニーズを掴むことが大切だね。また、5年おきとかに見直しを図ることも重要だ」
介 「もう少し、わかりやすくお願いします」
真 「ごめん、ごめん。計画書を作る前にアンケートなどを実施して地域の要望を知っておくこと。また、絶えず、客の動向を調査してショッピングセンター内の店舗を変更することだ。たとえばの話し。ご年配専門の洋品店が入店していて、客層が若者中心に変わったら流行らなくなるだろう?」
介 「おっしゃる意味がやっと判りました。他に大切な点はありませんか?」
真 「これは、年をとって初めてわかったことだが、若者は車社会だが子供、老人はそうじゃないということだ。欧州では街の中心部へ、車の乗り入れを禁止して、手前の駅で電車に乗り換えているそうだ。ショッピングセンターに附属して幼稚園、集会所や病院、福祉施設があれば便利だね。それも歩いていける範囲にあればなおいいね。……
また、ショッピングセンターの出現で街通りが寂れてしまったら、活性化の意味が薄れてしまう。それも解決出来るといいな。そう思うよ」
介 「勉強になります。そういった調整を専門とする方を紹介していただけませんか」
真 「前の会社にコンサルタント部門があるから連絡しておいてあげよう。町の都市計画との調整が出来る人物がいいと思うよ。 ところで、朔がこちらの勤務に変わるそうだ。昔みたいに和尚さんや智世ちゃんも交えて賑やかになるといいね。楽しみだよ」
………
介 「ありがとうございました」
………
 介は、真が最後に言った『昔みたいに』という言葉が脳裏に引っかかっていた。………
介、つぶやく (俺はここ数年、仕事、仕事の毎日だった。………昔みたいにか?!………(5人で、焼きパパさんでの会話を懐かしく思い浮かべて) 楽しかったな! 俺の青春………朔!坊主! 智世! それに、亜紀!)………
...2004/11/17(Wed) 00:13 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編8
−達明、悦郎(達明の従兄弟)との会話−

静岡市内のとある喫茶店。
達明は従兄弟で県に勤務する悦郎に相談している。
………
達明「ところで、大林薬局2号店を新規開店のショッピングセンターに出そうと思っているんだ。もし、うちが出店せずに他の大型チェーン薬局が出店でもしたら、うちみたいな薬局はじり貧に追い込まれてしまうと思う。それで、悦ちゃんに相談しようと思っていたところなんだよ」
悦郎「そうか。この間、電話があったとき、心配事でもあるのかと感じていたよ。それも、アキちゃんのことで」
達明「うん。智世とそのことでも意見が食い違っていて。……アキは県立の薬学部を目指して頑張っているんだが、やっと、家庭教師のおかげで見通しが出てきたところなんだ。ところが、智世は最初から反対でね。感情的になってしまっている。前に駆け落ちした同級生に、実は家庭教師をお願いしているんだ。……
ショッピングセンターの出店にも反対している。計画を持ち込んでいただいた人物が、その男の子の父親なのも一因だと思う。また、その父親と智世とは幼馴染みでもあるし」
悦郎「そうか、大変だね。達ちゃんが計画に乗ったのは正しいと思うよ。でも、大衆薬の販売のみでは結局、じり貧に陥ると思う。薬の安売りではどうしても大型チェーン点にはかなわないよ。調剤といっしょになったアメリカ式のドラッグストアが生き残る方法だと思う。周りを見ても成功しているのが多いし。確実に、生き残るためには決まった医院、病院から処方せんを受け付けることだよ」
達明 「そうだね。うちは今、細々と処方せんを受け付けているけど、出店するからには悦ちゃんが言うような薬局がいいと思う。これからも相談宜しくお願いします」
悦郎 「うん。わかった。ところで、うちの息子が薬学部を卒業したこと知っているよね。市内の病院に就職したんだが、本人は調剤薬局経営が将来の夢なんだよ。開店するまでには期間があるし、臨床経験を積んでから達ちゃんの計画に協力できるよう話しておくよ」
達明「ありがとう。相談相手と協力者がいると心強いよ」
...2004/11/17(Wed) 00:14 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編9
−美術室での進路指導−

大沢、ブツブツ独り言を言いながら歩いてくる。焦点が定まっていない。
廊下でアキは大沢とすれ違う。
大沢、すれ違った生徒がアキと気がつき、後ろから呼び止める。
大沢「大林! 放課後、時間あるか? ちょっと大事な話があるんだが」
アキ「は、はい、わかりました」 (先生、どうしたんだろう? いつもと様子が違う!)
大沢「美術室で待っていてくれないか。用事が終わり次第、駆けつけるから」と、言うなり職員室へダッシュして行ってしまう。
………
大沢、美術室に急ぎ足で入り慌ただしくドアを閉める。
大沢「前置きは抜きにして、要点だけ話そう。今、推薦入学の検討を行っているのだが、大林! 宮大薬学部推薦は無理だ。少しずつ成績はアップしてきたが、県立のレベルには1教科も達していない。本校の推薦枠は2名しかないのであきらめてくれ。一般入試でチャレンジするのはかまわない……。私立大の薬学部にはぎりぎり合格できるかもしれないと思う。」
大沢「ご両親とよく相談してくれ……」
アキ、緊張(ショック)の余り声が出ない。
アキ「ケ、ケンちゃんはどうなんですか? 宮、宮大水産は推薦なんでしょう?」
大沢「大木は大丈夫だ。推薦枠を希望するかは本人次第さ。大木なら薬学部も大丈夫なんだが」 
………
帰り道、アキは考えていた。(……ケンちゃんには、お世話になりっぱなし。画家になりたいと家出を言い出したのは自分だったのに、『アキの夢をかなえるのが自分の夢だ』と言って、ケンちゃんは自分の将来を犠牲にしようとしてくれた。私の夢って何なのだろう? 絵を描きたいというだけで、生活力はまるっきり無い。ケンちゃんや両親にたよりっぱなし。ワガママばっかりで、いやになっちゃうよ!……)
(……ケンちゃんと何時も一緒にいたい。大学でも! 母さんは『薬学部へ行くように』って言うけど、無理だよ! 県立大は! どうして、勉強にばっかり頑張らなきゃいけないの? あんなに勉強したのにまだ足りないの? 家が薬局だからって、薬剤師の道しかないの?……)
(……センター試験、国200点、社100点、数300点、物理300点、化学300点、英300点、それで1000点がラインか! 中期で物理300、化学400、それで500点とれればなんとかなるって言ったって! 絶対、無理だよ! ゼロが1個ずつ減ってくれないかな?! もし、合格しても6年間か! ケンちゃんは4年間で社会人……)
...2004/11/17(Wed) 00:15 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編10
−自宅、夕食後−

アキ「お父さん、お母さん! お話があるんだけど」(緊張気味に)
達明・智世「なんだい?」(やさしく、笑顔で)
アキ「今日、大沢先生がね、宮大薬学部の推薦は無理だって!私立にはぎりぎり合格できるかもって! 家族と相談してきなさいって!」(半分、泣き出しそうな顔で)
達郎「アキはどうなんだ? 職業として薬剤師を目指す気じゃなかったのかい? 宮大と私立を受けてみるかい?」(いたわるように)
智世「できれば、私と同じ宮大に入って欲しいんだけど」(きっぱりと)
アキ「先生には無理だっていわれたんだよ! ケンちゃんの行く大学に一緒に行きたいけど」(弱弱しく)
智世「じゃ、まだ日にちはあるんだから死ぬ気で頑張るんだね」(イライラした顔つきで)
アキ「お父さんもお母さんも薬剤師だから、わたしも簡単に薬学部に入れると思っていたのに」(泣きながら)
智世「お前は、そんな甘い考えで!」 つい、アキを平手で殴ってしまう。
アキ、泣きながら部屋へ駆けていく。
………
達明「お前、何ってことを。アキはまだ子供なんだから」(びっくりした表情で)
智世「あなたも、アキも勝手なことばかりで」(涙ながらに)
……
達明、ゆっくりと深呼吸をして。
達明「私は、お前と結婚してこの店を守ることばっかり考えてきた。それが家族を守ることだと思っていた。……2号店を従兄弟と共同経営で出そうと思う。これは智世とアキの生活を守るために必要と判断した。これまで婿養子みたいに見られてきたけど、仕事に打ち込んでみたくなった。男として周囲に認められたいんだ」
智世「家族を守ることが男の務めなのは当然でしょう! それで、危険を冒す必要はないじゃない。経営者じゃなくて、雇われ人でも……」
智世「私はアキに、職を身に着けてもらいたい。男に頼らないでも生活できるように。一人娘だから、職業として薬剤師になるのは当然じゃない。店を継いで趣味で絵を描けば良いのよ!」
達明「一方的に決め付けて、アキに強いるのは良くないと思うよ。薬剤師として職をみにつけるのはいいことだよ。でも、アキ自身が自覚して、そう望まないといけないと思うんだ。薬剤師に向いてないかもしれないだろう!」
智世「私が努力してなれたのだから、アキも同じように成れます。私の娘よ!」(達明とは心が離れてきているのを感じていた。それで、娘だけには、そばにいて欲しかった)
……
その夜、アキとケンのメール。
アキ <今日、大沢先生から、宮大薬学部の推薦は無理だと言われちゃった。私立もギリギリだって>送信
……<そうか、一般入試と私大、頑張ってみたら?>受信
アキ<私大はお金がかかりすぎるよ。父が2号店を出すようだし、余裕ないじゃない! ケンちゃんと離れたら、もし私立受かっても続ける自信ないもん>送信
……<一緒に、宮大に合格するよう頑張ろう!>受信
アキ<ケンちゃんは推薦でしょう?先生が大丈夫って言っていたよ!>送信
……<国語は苦手だって知っているだろう?推薦は小論文があるんだよ。それより一般入試のほうが確立高いと思うんだ。一緒に頑張ろう?! アキ!>受信
アキ<うん。ありがとう。おやすみなさい。好きよ。ケンちゃん>送信
……<ぼくも! おやすみ。また、明日ね>受信
...2004/11/17(Wed) 00:16 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編11
−合格発表の前日−

ケンとアキのメール交換
ケン<明日、発表だね。いっしょにテレビで見ようか?>送信
……<う、うん。明日は、宮大に行ってくる! 確認にね>受信
ケン<自信あるんだね! 大学もいっしょだね! 嬉しいよ>送信
……<そうじゃないの。浪人だよ>受信
ケン<どういうこと?>送信
……<けじめだよ。私のけじめ。ケンちゃんだけじゃないよ。私も責任をとるの!>受信
ケン<そうか! 後で連絡して。待っているから>送信
……<うん。わかった。来年はゼッタイ合格してみせる!>受信
ケン<待っているよ!>送信
……<ありがとう!>受信
...2004/11/17(Wed) 00:17 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編12
−合格発表日−

不合格だったことをどう両親に話そうかと思案しながら歩いていた。
アキ(心の中で)「そうだ。亜紀さんに会いに行こう」
この間、夢に出てきたのが気になったのだ。廣瀬家へ向かう。
……
アキ「ごめんください。大林亜紀と申します。突然、お尋ねしましてすみません」
綾子「まあ、智世さんの。久しぶりですね。大きくなられて。何年生?」
アキ「はい。3年です。不躾ですけど、亜紀さんに会わせていただけませんか」
綾子「いいですけど。どうぞ」
真は留守だった。
綾子はアキに何かあったのかと思った、「3年と言えば、受験ね。そうか。悩みがあるんだ」(何もかも理解した)
亜紀の部屋に通された。
亜紀の写真が一面に飾られている。ここは亜紀の世界だ。
アキは神妙な態度で焼香する。
暫くの間、手を合わせて(心の中で)「この間はありがとう。亜紀お母さん。私、やっぱり受験、落ちました。1年間、試練に耐えて来年は、きっと合格します。それから、絵本を創りたい。見守っていてください。亜紀さん。お母さん」
綾子は、どうしても亜紀が目の前で手を合わせているように見えて仕方がなかった。「どうしたんでしょう。しぐさがそっくりだわ。30年前の亜紀」
アキ、振り向きながら「びっくりされましたでしょ。今日、大学の合格発表だったんです。その報告をしたくって」
綾子「そうでしたか。おめでとう」(急に明るい顔になった)
アキ「違うんです。落ちました。浪人するんです」
綾子「え!」(言うのと同時に、元の心配顔に戻る)
アキ「亜紀さんが夢に現れて、頑張れって励ましてくれました。それと、お母さんって呼んでって」
綾子「そうでしたか。亜紀がね」
涙ぐむ。先ほど感じたのは嘘じゃなかった。「生まれ変わり?」
アキ「私、絵が好きなんです。浪人は覚悟の上で受験したんですよ。試練だと思って、みんなにわがままで心配かけてしまって」
アキ「報告したかったんです。必ず薬剤師になって、自立しますって。……私、亡くなった亜紀さんの後の人生を歩んでみたい。そう思ってもいいでしょう? おばあさん」
綾子「ありがとう。亜紀ちゃん」(嬉しくて嬉しくてたまらなかった)(『うん。うん』と頷き続けた)
(智世さんありがとう。良い娘を持ったわね。立派よ。すごい……)
...2004/11/17(Wed) 00:19 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編13
−自宅−

アキ「ただいま」(中途半端な明るさで)
智世「遅かったね。寒くなかったかい」
アキ「廣瀬さんのお宅に寄ってたの。亜紀さんに報告してきました」
智世「え。どうして?」
アキ「後で、お父さんとお母さんにお話があります。その時にね」
夕食を囲んで
アキ「もう判っていると思いますが、宮大落ちました。それで、お願いがあります」
アキ「浪人させて下さい。来年は絶対に宮大合格します。亜紀さんと約束してきました」
智世「そうだったの。亜紀と約束したの。お母さん応援するね。何だってするんだから。変わりに受験してもいいくらい」
アキに向かって「ありがとう」と言う。
達明「浪人することは判った。予備校はどうするんだい」
アキ「一人で頑張ってみたいんだけど」
達明「それはダメだ。予備校に行くことと滑り止めの私立も受験すること。約束してくれ。それから、健三郎君との付き合いは当分、凍結だな。合格するまで」
智世「厳しすぎない?いつもと違うじゃない?」
達明「まあ、覚悟の示し方だね。私も頑張るよ。張り合いが出てきたぞ!」
アキ「二人とも! 受験するのは私だってば」
「あはははは」、3人笑うのだった。久しぶりの団らん。
智世(心の中で)「落ちて、笑うなんて。おかしな家庭だわ。来年はきっと良いことがありそうな予感がする」
...2004/11/17(Wed) 00:20 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
短編14
−アキ、一樹と再会−

第3土曜の放課後。
アキ、大沢に宮大薬学部を一般入試で挑戦したい、私立は受けないと告げる。すると、『浪人を覚悟のうえだな』と念をおされる。
アキ、『あんなに、あからさまに言わなくても』と、やるせない気持ちで防波堤の上を歩いていた。
……
「よ! アキちゃん! 元気ないね?」と、一樹から声をかけられる。
アキ「一樹さん! 久しぶりですね。その節はお世話になりました」と頭を下げる。
一樹「どうしたの? ケンちゃんと喧嘩でもしたの? 元気がないので、海に飛び降りるんじゃないかって……」
アキ、急に泣き出してしまう。
アキ「大学の受験で……。ど、どうして、一樹さんは医学部を目指したんですか?」(泣きながら、唐突に質問した)
一樹は、だいたいの事情が飲み込めた様子で、「そうか、受験で悩んでいるのか。話が長くなるけど、家に寄っていくかい?」
アキ「は、はい。お願いします」
...2004/11/17(Wed) 00:21 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
残されたテープ、謎解きの復活は不可能でした。
構成(謎解き)が残っていませんので最後に山場をもっていく方法がありません。
最終日が土日だったのでコピーしていませんでした。
それで、元原稿の一部手直しをして書き上げました。展開、ストーリーを謎解きの複雑さに近づけることができません。
途中であきらめましたので、チグハグさが残ります。これで勘弁してください。すみません。
...2004/11/17(Wed) 00:22 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
長編1
残されたテープ1

ケンとアキが帰った後、朔、明希、一樹は縁側に座り空を眺めていた。
輝き始めた月が、朔たちを照らし始め、穏やかで満ち足りた静けさが包んだ。
遠くから、波の音が微かに聞こえてくる。
朔は時間と空間の中を漂い、暖かな腕の中にいるような、幸せをかみしめていた。朔、心の中で(あの時に感じたのと同じだ。そう、おじいちゃんが亡くなり亜紀に抱きしめてもらったときも………そうだった)
………遠くで、携帯がなっているような………  (記憶の扉が開かれる時の合図だ)
朔には判っていた。穏やかで、暖かな満ち足りた感覚になったとき、亜紀との懐かしい思い出の情景に包まれることを。朔、心の中で(高校のグランドで亜紀の遺灰といっしょに駆け抜けたときから、感じるようになったんだね。亜紀! そう、そうだよね。)
………
潤一郎と富子がお茶を持って現れる。
ケンとアキが居たときに見せた、笑い顔が消えている。何か重要な話を打ち明けるときみたいに、緊張した雰囲気を顔に漂わせている。
朔、明希、一樹の3人「?」、何かあったのかと、お互い顔を見合わせる。
潤一郎「………朔に、その………話したいことがあるんだが…」
沈黙が訪れる。
潤一郎「………長いこと気がつかなくて悪かったな。………何から話して良いやら………その…」
富子、潤一郎の膝を「ポン」とたたく。
富子「あんた! そんな話し方をしちゃ、誤解するだろうが。 誰か、死んだ時みたいじゃないか」
潤一郎「だってお前、私には話すきっかけが必要で………」
富子「いいよ、じいさん。私が話すから。偶然、気がついたのはじいさんだけど、原因を作ったのは私のようなものだもの」
朔「何なのか判るような気がする。亜紀のことだね。感じるんだ。心配しなくてもいいよ」
潤一郎・富子「………」(お互い顔を見合わせ、頷く)
明希「私と一樹はいない方が………」
明希、一樹は席を立とうとする。
朔「いいよ。明希、一樹も一緒にいてくれ。亜紀の話だとすれば、一緒に聞いてもらいたいから」
明希、一樹、姿勢を改める。
………
富子「実はね。芙美子がね。泣いちゃってね。『亜紀さん…、おねえさん…、亜紀ねえさん…、呼んであげたかった。呼びたかった。』って、狂ったように泣くんだよ」
富子、そのときのことを思い浮かべ、頬に涙が零れる。潤一郎、腕で目頭を擦り「チキショー」と、つぶやく。
富子「あのね。朔がウルルに亜紀ちゃんの遺灰を撒きに行った晩にね、3人で亜紀ちゃんが残したテープを聴いたんだよ。朔が居るときに聴いて、何かあったらと思って、朔はあの頃、何といったらいいか………」
潤一郎「ふぬけの状態だった。」
富子「そう。………お葬式の時に廣瀬の奥さんからいただいたんだけど、3人で朔のいないときにと決めたんだ」
朔「知ってるよ。亜紀とウルルに青い空を見に行こうと病室に迎えに行ったんだけど、そのときベッドに僕が並べて置いたんだよ。3人宛になっていた」
………「僕宛には無かったので、亜紀の顔を見たら、ニコッと笑って、『朔ちゃんとは、いっぱい話したじゃない。これからウルルに新婚旅行に行くんでしょ』と、言ったんだ。それで、お世話になった人たちにお詫びのテープを残したんだと思ったんだ」
富子「そう、そうだったのかい。………」
一樹「へぇー、亜紀さんからの遺言のテープだったんだ」(つぶやく)
明希「黙って、聴いていなさい!」
 一樹、姿勢を改め、正座する。
富子「聴き終わった後、芙美子がね。あんまり、泣いてしまって、……朔みたいにね、ふぬけになってしまいそうで………。私が仏壇の奥にしまい込んでいたんだよ。……それでね、じいさんがこの間、突然、あれはどうしたと言い出すものだから……」
潤一郎「なあ、朔。この間な。ケン坊とアキちゃんが二人で店に写真を撮りに来たんだよ。……それで、な、朔。あんまり朔と亜紀ちゃんに似ていたもんだから、あの………亜紀ちゃんを思い出しちゃって」
朔「亜紀のテープを聴きたくなったんだね」
潤一郎「まあ、そういうことだ。」 照れながら、頭をかく。
富子「ところがね。それだけじゃなかったんだよ。巻き戻して聴いているときに電話があってね。それも芙美子から。電話で話していたものだからテープ切るのを忘れていたんだよ。そしたら、じいさんが急に叫ぶんだよ」
潤一郎「そう。スイッチを切ったものだと思って、芙美子からの電話に耳を傾けていたんだ。そしたら突然、亜紀ちゃんの声が聞こえてきて、それで、びっくりしてしちゃって 『亜紀ちゃん』 って、叫んでしまった。……私ら3人宛の後に………暫くしたら、亜紀ちゃんから、朔宛の………」
潤一郎、富子、涙に咽び、暫く言葉が続かなかった。
………
暫らく沈黙が続いて、
明希「ごめんなさい。……気がつかなくて。……お茶入れ直しますね」(そう言いながら立ち上がろうとする)
………
明希(心の中で)「朔が愛した『亜紀』さんからの遺言、始めて聴く『亜紀』さんの声。 30年ぶりの遺言を朔が聴いたらどうなるのだろう。昔、朔が夢島に残された亜紀さんのテープを聴いた後、無量感に襲われ自殺しようとしたんだ」
そう、考えているうちに、じっとしていられなくなってしまった。身体を動かしたい衝動にかられたのだ。
富子「そ、そうだね。お茶を入れ直すよ。明希さんも手伝っておくれ。じいさんとカズ坊はテープを聴く準備をしておくれ」
富子には明希の不安がよくわかった。年老いた自分たちが明るく振る舞わなければ、自分たちだけ哀愁にしたっていたことに、気がついた。
富子「どこがいいかね。朔と亜紀ちゃんのことが大好きだった死んだ謙太郎じいさんの前がいいかね。………じいさん、カズ坊、仏間に準備してくれないかね」
潤一郎「あいよ!」(明るく答えた)
潤一郎も気がついていた。明希の落ち着かない様子をみて、急に富子が明るく振る舞ったのを。
………
潤一郎と一樹はプレイヤーの準備を終え、富子と明希が来るのをじっと待っていた。
朔「芙美子は聴いたの?」
潤一郎「ああ、電話でばあさんと話していたときにな、大声を出したものだから心配して聞き返してきたんだ。それで、電話のそばにプレイヤーを持って行って3人で聴いたよ」
朔「そうか」
富子「待たせたね。まずはお茶を飲んでからにするかね。………ごめんね。明希さん。ケン坊。 たいしたことないのに、センチになってしまった。心配したろう。………実は、50年後の朔への忠告のテープなんだよ」
明希、一樹は遺言でなくてホッした。50年後と聞いてビックリ。………明るい雰囲気に包まれるのを感じた。
朔「亜紀らしいや!」(クスッ と微笑む)
………
...2004/11/17(Wed) 00:27 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
残されたテープ2

潤一郎、プレイヤーの前に立ち
潤一郎「いいですか? 入れますよ。 ハイ!」と、写真のシャッターを押す要領でスイッチを押した。
……キー ……ガー (テープもプレイヤーも古いので音が割れている)
テープから亜紀の声が流れる。朔、思う…久しぶりに聞く、まさしく亜紀の声だ。心の中では、あれからいつも聞いている…
朔には、はっきりと一時外泊した日のことが浮かんできた。
………
亜紀「おじさん、おばさん、芙美子ちゃん。……ギーガー……あの日の夕食、鍋料理、とってもおいしかったです。おじさんとおばさんとお話をして、ああ、やっぱり朔ちゃんの家庭って暖かなんだと思い…た。……ギーガー……気を遣わずありのままの私を受け入れ……ありがとうございました。……すごい、嬉かった……ガーギー……芙美子ちゃん、私の妹になってく……おもいました。芙美子ちゃん『亜紀お姉さん』って呼んでね。……ガーギー……
……ガーガー……結婚写真…快く撮っていただいて、私、大好きな朔ちゃんのお嫁さんにほんとうになったようで……ギーギー……じました。……お父………母さん……芙美子ちゃん。お世話になります。……一度言ってみたかった。……(泣き声、混じりで)…… 朔太郎さんを宜しくお願いします。……ガーガー……」
潤一郎、涙を浮かべながらスイッチを切る。
富子「それでね。芙美子がプレイヤーにしがみついて、お姉ちゃんって、泣きながら大声で叫ぶんだよ。私たちも朔の本当のお嫁さんが来たように思っちゃって……」 (すすり泣く)
明希、一樹は感極まって嗚咽する。
朔、心の中で「亜紀! ありがとう!」
……夢島のテープ……子供を連れて3人で歩く亜紀の嬉しそうな姿……微笑み……) 亜紀が浮かんできて、涙が止まらず流れ続けた。
暫らく、沈黙が続く。
潤一郎 「この後なんだ。音が割れて聞き取りにくいけど、しっかり聴くんだ。な、朔…」 と、言ってスイッチを入れる。
・・・・・・ガー・・・・・・、・・・・・・ギー・・・・・・、・・・・・・ガー・・・・・・、・・・・・・ギー・・・・・・
暫らく、ガーギーとノイズが続く。
その後、暫らくすると、鼻をかむ音(スー、シー)、……咳払い(ン!ン!)・・・・・・ガー・・・・・・

ウルルへ旅立つ日の早朝、まだ夜明けには時間があった。
朔は迎えにまだ来ていない。
亜紀は録音を続けていた。
最後に、松本家へのテープ。涙が流れて仕方がない。亜紀は泣き止むまで、スイッチを切るのを忘れていた。テープを元に戻そうと思った。が、朔が来るまであまり時間が残されていないことに気が付く。
亜紀「まァ、いいか」
亜紀「松本のお父さん、お母さん、芙美子ちゃん。お願いがあります。(スー、シー)」
亜紀「朔ちゃんは、私がいなくなった後、すごい、落ち込むと思います。それで、私が朔ちゃんのこころの中で生き続けていること。そして、いつでも、一緒に生きていることを理解したら、このテープを。そう、朔ちゃんがおじいさんになって。50年後に聞かせてあげてください。」
亜紀「大好きな朔ちゃん、ありがとう。 とっても幸せでした。朔にいっぱい甘えられた。本当の自分をさらけ出すことができる唯一の人です。時々思っていることと反対のことを言ったり、意地悪な態度で示したり、特別扱いしなかったけど、私の全てをありのままに受け入れてくれた。やさしい人です。(スー、シー)  (ン!)
朔ちゃん、お医者さんになって、よく頑張ったね。朔ちゃんって、人の痛みがわかる暖かい人だから、きっと良いお医者さんなっているね。私、ずーっとお医者さん向いてると思っていました。・・・・・(泣いているような音)・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(暫らくして)
亜紀 「鼻をかむ音(スー、シー)、・・・・・・ウルルに、新婚旅行に、青い空を見に行ったよね。私は朔の奥さんになったんだよね。 ………ゴホン(咳払い)、・・・・・・松本朔太郎!(突然、大きな声で) 孫を手なずけて私の遺灰を盗ませるんじゃないぞよ。おじいさんのときみたいに死んでから結ばれたいなんて……緒にして、夢島で撒いてなんて。
……朔!  スットコ、ドッコイ!…… 朔の奥さんになったのだから、・・・・・・結ばれずに死に別れたなんて可愛い孫をだますんじゃないぞよ。 解かったか! この、はげ頭!」
(暫らく、沈黙が続く)
亜紀「あーすっきりした。…… 好きよ!朔ちゃん! 大好きだよ! 朔!…… ありがとう。……バイバイ」
ここまで録音し、亜紀は泣き続けていた。
空がやっと明るさを取り戻しだした。

潤一郎「はい、終了です」 
おどけて、プレイヤーのスイッチを切る。
朔、明希、一樹 (ポカーンと口を開けた状態)
(暫らくして)
一樹「おとうさん。結婚写真を撮っただけじゃないの?結婚式あげたの?……高校2年生だから16歳か17歳だよね。男は結婚できないよね。おじいさんのとき? 遺灰を盗むってどういうこと?」
明希「一樹、そんなに矢継ぎ早に質問するのじゃありません。お父さんは亜紀さんの忠告の意味を、今、理解しようと……」
(明希、朔の顔を覗き込む。仕事のことで必死に考えている、いつもの朔の顔だった。それで、途中で話せなくなってしまう。)
朔(独り言)「50年後だと、67歳じゃないか。亜紀が亡くなってから30年過ぎたのだから、あと20年はある。何か訳がありそうだな」
「どうして、医者になるのがわかったのだろう? 亜紀が亡くなって、暫らくしてから谷田部先生に相談したんだった。えーと、解からん!」(ブツブツと繰り返す)
富子「まあ、まあ。私らも聞きたいことがあるんだよ。ねえ、あんた」
潤一郎「そう、そう。今夜はゆっくりと、朔に30年前のことを問い詰めようと待ちかまえていたんだ」
富子「夕食の支度をしようかね。今夜は長くなりそうだ。明希さん、手伝っておくれでないかい」
潤一郎「朔、一樹。それまでビールでもやろうかね。どっこいしょっと」
明希、笑いながら振り返る。
明希「5人揃ってからにしましょうよ。それまで、待つのであるぞよ」
朔「『…ぞよ』か」(笑い出してしまう)
つられて、みんな笑い出す。
...2004/11/17(Wed) 00:31 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
残されたテープ3

30分後、鍋もの(水炊き)の準備ができ、5人席に着く。
潤一郎「さー、さー。まずはビールで乾杯するとしよう。芙美子もいたらなあ。後でチャンと報告するように厳重に言い渡されているから、ま、いいとするか!」
5人一緒に「乾〜杯〜」
富子「まぁ、食べながら朔を問いつめようね。楽しみだね。あの時、親にさんざん心配させたのだから今日は逃げるんじゃないよ」
朔「判ったよ。亜紀も罪作りなやつだな。30年たっても、まだイタズラをして!」
潤一郎、会話を聞きながら楽しそうに手酌でビールを飲む。心の中で(何年ぶりかな。こんな雰囲気)
気がついた明希が慌てて、ビールを持ち潤一郎に酌をしようとする。
富子「明希さん。 止めときな。 この人は、みんなが楽しそうに話をしながらの食事を、手酌で、黙って聞いているのが唯一の道楽なんだから。まったく」
潤一郎「さすが、儂の奥様だね〜」 (多少、酔いが回ったように振る舞う)
富子「馬鹿だね、あんた。何年の連れ合いだと思っていんの! さあ、誰から質問しようかね。そうだ年の若い順として、各自いっぱいあるかもしれないが1問ずつとしよう。公平にね。いいかい、朔」
朔、困ったような顔をして、(コクリ)と肯く。
富子「さぁ、カズ坊からだよ。……ちょっと、まった! 朔が医者になるのが何故、亜紀ちゃんに判ったか、朔は答えられないよ。それは、じいさんと私と…(見上げながら、口を閉ざす)……しか知らないことだから最後にするよ。いいね。あんたも、チャンと聞いているのかい?」
潤一郎 (ビールを飲みながら)「チャンと聞いているから、出発進行! かまわないで居てくれたら良い奥さんなんだがな(聞こえないように小さな声で)」
待っていました、と、言うように勢いよく
一樹「16、17歳で、どうして結婚できたのですか? おとうさん!」
朔(観念したように、一度頭を振る。手に持ったコップをおろし、姿勢を改める) 
「……順序立てて、簡潔に話すよ。一樹。入院している亜紀が私の将来のことを考えて、テープで『もう見舞いに来ないで、うっとうしい』と言ったんだ。それで、私は亜紀のそばに居られるだけで幸せだと伝えたくて、婚姻届を持ってプロポーズしたのさ。後で、男性は18歳以上からで、親の同意が必要だと判ったんだけど、亜紀のことを考え、結婚写真だけ撮ることになったんだ。みんなが協力してくれて、亜紀は幸せいっぱいだった。それを見ている私も幸せいっぱいだった。…(穏やかな暖かい幸福感に包まれ、満足そうな顔つきに変わった。遠くで携帯のベルの音が聞こえている気がする)…
…その後、亜紀の病状が悪化して、もう薬が効かなくなったんだ。それで、死を悟った亜紀はウルルの空を見たいと言って、二人病院を抜け出し空港へ向かったのさ。でも、亜紀は空港で意識が無くなり、次の朝、病院で息を引き取った。亜紀は
ウルルの空を心の中で見ながら死んでいった。それも私と結婚して、新婚旅行中との前提でね」
一樹「そうだったのか。亜紀さんにとっては年齢に関係なく、お父さんの奥さんだと思っていたんだね。それも最初の。昔は親の言いつけで14歳位でも政略結婚があったし、法律はともかく本人達がそう決めたのなら亜紀さんはお父さんの最初の奥さんだ!(宣言するみたいに)」
富子「いいこと言うね。カズ坊。今日からカズ坊でなく『一樹』と呼ぶことにしよう。 明希さんも賛成してくれるかい?」
明希「私は最初から亜紀さんは先妻だと思っていましたから」と、小さな消えるような声で言った。
富子「偉い! おじじ様、よろしゅうございますか?」
潤一郎「苦しゅうない! 良きに図らえ! 」 (苦笑いの状態で)
5人、笑いに包まれる。
…………
富子「次は、明希さんの番ですよ」(励ますように)
明希「良く聞き取れなかったのだけど、間違っていたらごめんね、あなた。亜紀さんの遺骨を盗んであなたの遺骨と混ぜて撒くってどういうこと?」(精一杯いの声で)
朔「謙太郎じいさんの遺言だったのさ。戦前、愛し合った病気の恋人がいてね、兵隊と結核の病気で、結ばれることはないと思い、死んだ後一緒になろうと誓い合ったんだ。名前は何だったっけな…?」
潤一郎「サトさん!」 (酔いが覚めたように、しっかりとした口元で)
朔「親父、どうして知っているんだよ?」と、振り向きざまに言った。
潤一郎「知らないと思っていたのは、死んだ謙太郎じいさんだけだよ。死んだ母さんも知っていたんだ」
朔「そ、そうだったんだ。………謙太郎じいさんが亡くなる数日前にね、二人でサトさんの遺灰を盗んだんだ。つまり、墓あばきをやってしまった!」
一樹「亜紀さんと二人で! 大胆だったんだね」 (オーバーな手振りで)
朔「黙って、聞いていてくれないか、一樹。気が散るから。……謙太郎じいさんと二人で盗んだんだ。それで、自分が死んだらサトさんのものと混ぜて撒いてくれと無理矢理、サトさんの遺灰を押しつけられた。それを、亜紀に話したのさ。そしたら、謙太郎じいさんがぽっくり死んでしまいやがった。
途方にくれているとき亜紀が、出兵した無人駅を探し出してくれて一緒に撒いたんだよ」
明希「それだけで、亜紀さんの遺灰を盗むことにはならないでしょう?」(問い詰める声に変わった)
朔、自転車で転げた後、亜紀に抱きしめてもらい幸せな世界を感じたことが鮮明に脳裏に映った。
幸せな気分が朔を取り囲む。
朔「撒いた後、亜紀との別れ際、謙太郎じいさんを亡くした悲しみに打ちひしがれてしまった。それを亜紀が感じ取ってくれた。そして、抱きしめてくれたんだ。『おじいさんみたいになってあげる』と言ってくれた。…だから、たぶん私が調子に乗って、孫に亜紀とのことを話して同じことをさせるんじゃないかと……死ぬ間際に……思っていたんだと思うよ……」
明希「ふーん。素敵なお話ね」 (少し寂しげな雰囲気)
しばらく、休憩したかんじで、黙って食事を進めた。
潤一郎と富子「ふーん、そんなことがあったのかい」 (口をもぐもぐさせながら、同時に話した)
潤一郎、心の中で「…死んだ母さんが話してくれた。父さんのこと子供の頃から、ずーと見守っていたこと。突然、身分が違う父さんと結婚できることになって、心臓が飛び出るくらい驚いたけど、天にも昇るように嬉しかったこと。その後、そのことが知られないよう苦労したこと。死ぬちょっとまえにこっそり話してくれた。サトさんのことも含めて。そういえば、明希さんは死んだ母さんにしぐさが似ているような気がするなァ…」
朔は思案げにゆっくり頭を揺らしている。
明希、心の中で呟いていた。
「亜紀さんが死んで、朔がその死を認めたら亜紀さんは朔の中で生き続ける。亜紀さんはおじいさんになってあげるのだから、朔が意識しなくても亜紀さんが同じことをやってしまいかねない。そうか、そういうことか。そのことを事前に手を打っていた訳だ。なんて素敵なお話かしら!」
明希は不思議そうな顔つきになった。そして、亜紀のことが大好きになってしまったことに気づく。…『わだかまりは何の意味もないこと。…自然に振る舞って、朔にはありのままの自分を見てもらえれば、幸せになれるんだ』と感じとった。
明希の周りにも穏やかで暖かな空気が流れ始めた。
...2004/11/17(Wed) 00:34 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
残されたテープ4

朔「次は僕の番だね」
富子「お前の質問は判っているよ。はじめに、私が最後にすると言ったはずだよ」
潤一郎「焦らない。焦らない。朔。おいしいごちそうは一番終わりに食べるのに限るってね。昔から決まっているだから」
富子「じゃあ、いいかい、朔。」
朔「仕方がないな〜」
富子「亜紀ちゃんと最初にキスをしたのは、いつ何処で?」
朔「ええ〜い。どうなってもいいや」(一気にコップに残ったビールをあおる)
4人は興味津々で朔の顔をのぞき込み、クスクス笑い顔。
朔「ゴホン! ピンクのあじさいが咲き乱れる頃で、港が見渡せる山の上。 亜紀にサトさんの遺灰を盗んだことを打ち明けた日、つまり謙太郎じいさんと遺灰を盗んで別れた日の朝方」
一樹「ひょえ〜。 朝方? 亜紀さんを連れ出したんだ。大胆だったんだね。お父様」
朔「何とでも思え」
4人、大笑い。………
富子「親に隠れて、高校生が、この! キスは何回ぐらいしたんだよ?(探るような目つきで) 亜紀さんと何処で結ばれたんだよ?」
朔「ちょ、ちょっと待ってよ。各自1問だったはずだよ」
富子「これは、おじいさんの質問だよ。ねえ、あんた!」
潤一郎「そうだ。そうだ。」(半分、ろれつが回らない)
朔「(指を数えながら)7回だったかな。ほんとに何回かは覚えていないよ。最初のは強烈に………」
富子「そんなこたどうでもいいんだよ。何処で結ばれたの?」
朔「(真っ赤になって)残念ながら、結ばれませんでした」
富子「あたしゃ、てっきり、『夢島で』と、言うと思ったんだがね」
全員、大爆笑が続いた。
………
食事が大方終わり、明希、後かたづけに取りかかろうとする。
潤一郎「ここで水入りとする! 休憩! 各自、後かたづけに励むよう (ちらっと富子の顔をのぞき込む) (小さな声になって)お願いします」
明希と富子は本当の親子みたいに楽しげに、仲良く台所で後かたづけを始める。
朔はため息をついている。潤一郎はチビチビとビールを飲む。一樹は4人を交互に眺め呟く 「やっと、本当の親子。本当のおじいさん、おばあさんが出来た」
全員、穏やかで暖かな空気を感じ続けた。

(30分後)
5人、仏間に揃う。お茶の支度も完了し、朔は神妙な顔つきで正座して、富子が話し始めるのを今か今かと待っている、 まるで、おあずけを命令された飼い犬のように。
朔は潤一郎にこっそり聞こうと思ったが、ここはじっと我慢することにした。
潤一郎(心の中で、そんな様子を)「ああぁ、やっぱり俺の子だ。血は争えないものだ」と思うのだった。……亜紀ちゃんが生きていたら、富子みたいな母親になっていだたろうと考え、「おお怖! 富子が二人」………「明希さんの性格は朔と似ている。 私とは本当の親子みたい見られるかなぁ………」
一樹、明希は今から始まるクライマックスで、ワクワクどきどきの状態であった。
富子「 ゴホン(咳払いの後、 もったいぶった話しぶりで) さあ、続きを始めようね」
と、静けさを破った。
富子 「亜紀ちゃんから朔へのテープを発見した翌日のことさ。街で買い物中の廣瀬の奥様と偶然会ったんだよ。それで、亜紀ちゃんからのテープを昨夜、家族3人で聴いたことを話したのさ。そしたらさー、びっくりされて『今までお聞きでなかったんですか』って言われてね、『それでよく、朔君をお医者様にされましたね』っていわれたんだよ。な、朔。」
続きを待っている朔を焦らしながら、お茶を一口。
朔「(たまらず)そ、それで、どうなったの?」
富子「話さないよ。朔。亜紀ちゃんが朔にお医者さんのことを話したことがあったろう。思い出すまで、話さないんだから!」
富子「明希、楽しいね。朔のこまった顔」 (明希の方を向いて言う)
明希 (ああぁ……初めて呼び捨てにされた)「はい。お母さん」(涙が出そうに嬉しかった。亜紀さんありがとう)
潤一郎「さあ、核心部分の展開かな。 少し、頭をすっきりしなくちゃ、なァ。 明希! 濃いお茶を入れてくれないかね」
明希「(とてもうれしそうに) はい。お父さん (情感を込めて)」
………
富子「朔、どうなんだよ…?」
朔「ずっ…と、そのことばかり考えていたんだよ。頭を振っても出てきやしない。(そのとき、遠くで携帯の鳴る音)………(閃いた) ああ……、時と場所は判らないが、確か……、亜紀が 『朔ちゃんて、じっくり考えて結論が出ると猪突猛進だね。お医者さんなんか向いているんじゃない』 と、言ったんだ。そしたら俺は、写真館を継ぐことに決めているからと答えたことがあったよ」(そうだ、そのとき亜紀は、何か、元気がなかった)
富子「ピンポン! 正解だけど、それだけじゃ10点ってとこかな。まぁ、30年前だから許してやるよ」
富子「広瀬の奥様がおっしゃたこと言うよ。朔。 亜紀ちゃんがもう長くないとわかったとき、ご主人の真さんがね、『亜紀の写真は残せるが声は残せない』とおっしゃって、テープをすべてコピーすることにされたんだ。朔、智世、介、坊主も含めすべてさ。だから私ら3人に渡されたテープも当然コピーされて、ご夫婦は後で、落ち着いてから聞かれたんだと」
富子「それで、朔をお医者さんにする、亜紀ちゃんの計画が判ったんだって! 消し忘れのようにしてあったけど、ご夫婦には別に、故意に残しておいてくれて、将来の楽しみを………亜紀ちゃんって、すごい娘だよ! 朔のことをこんなにまでも愛していて、残される両親の夢まで作ってあげて………(嗚咽して、後が続かない)」
長い沈黙。
...2004/11/17(Wed) 00:37 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
残されたテープ5

やや、落ち着いてきてから、
富子「それでね。広瀬さんのご主人が今ではDVDにすべて記録しておられるそうだ。 ずいぶん昔、DVDが発売されたころ、真っ先に、『朔の専用に』って準備されて。 朔さえよかったら、明日、お待ちしていますとのことだよ」
朔「え、今日お会いしたばかりなのに、何にもおっしゃらなかったよ」
富子「ン……ちゃんとお聞き。朔。それで、その翌日、広瀬さん宅で、4人でお会いすることになって亜紀ちゃんのもう一つのテープ、いやDVDを聞かせていただいたんだよ」
富子は広瀬宅を訪問したことを淡々と話し始めた。

(広瀬宅での模様)
あじさいの香りが漂っていた。亜紀の匂いであった。
ずーっと外の様子をうかがっていたらしく、玄関のチャイムにふれることなくドアが開く。
真「やあ、いらっしゃい。どうぞ、遠慮なさらずに」
部屋に入る。
潤一郎「もう、お身体の具合は、回復されましたか?」
真「入院中に朔太郎先生にわざわざ見舞いに来ていただいて、太鼓判を押していただいたので、ほれ、このとおり。(腕を回しながら)急に回復し元気になりました」
富子「そう、それは何よりです。奥様、つまらないものですけど、近所で作っている佃煮なんですよ。どうぞ。結構おいしいと評判ですから」
潤一郎「自分で言ってりゃ、きりがないんだから」
綾子「まあ、おいしそう。ありがとうございます」
綾子「最近、朔君はお忙しいですか。ご家族みなお元気でしょうか」
潤一郎「はい、元気でやっております。近々、家族で戻ってくると連絡がありました」
真(身を乗り出して)「そ、そうですか。近々、戻ってきますか。朔が。いや失礼、朔太郎さんが」
富子「いいんですよ。朔で。気にしないでください。わたしらにとっちゃ、亜紀ちゃんは亡くなったけど、朔の嫁だったひとですから、広瀬さんの義理の息子になります、朔は。昨日から、3人そう決めたんです。もっと、早く気がつけばよかった。とても後悔しております」
綾子「とんでもない。昨日、お聞きして芙美子さんのこと、二人で泣いてしまいました。ありがとうございます」
綾子、お茶の仕度を始める。
潤一郎「この間の写真もうじきお渡しできると思います。毎年、たくさんプリントしていただき、ありがとうございます。奥様? ところで、聞こう聞こうと思っていましたが、どうして亜紀ちゃんの写真が年齢別に、毎年ご必要なのでしょうか?」
綾子「(涙をためて答えられない)………」
真「私がお答えしましょう。DVDでみられるのですが、綾子は感覚で、つまり亜紀の写真を亡くなった年から、亜紀の成長の順に17歳まで、毎日、直接さすりながら挨拶を交わしてきたものですから、直ぐにぼろぼろになってしまいます。私は画面で亜紀と毎日会うことができます。最近、亜紀の声を組み合わせて、簡単な会話が出来るようになりました。わっはっはっはっは!」
潤一郎・富子「そうだったんですか」(涙が止まらない)
さすがに、真は笑った手前、泣くことができず、顔をしかめてこらえている。
………
廣瀬の家中に穏やかで、暖かい、ほのぼのとした空気が流れ続けていた。それが、次第に濃くなってくるのだった。
綾子「(泣き顔で)いただいた朔君のご家族の記録も。……… 主人ったら、スキャナーとか言う道具を上手につかって写真からDVDとかを作っております。あの日以来………」
潤一郎、富子「? ? ? 」
真「まあ、お茶でもゆっくりおのみ下さい。その間に、準備しますので」

(10分後)
真「まず、主治医の佐藤先生のテープに入っていたのを回します。入院中に亜紀がこんなことを考えていたとは………」
DVDの映像が映し出された。画面には亜紀とそれに朔、明希、一樹まで映し出された。
しばらくして、
亜紀「佐藤先生、お世話になりました。いろいろと、ご迷惑をおかけしました。………あの日、先生から教えていただいた医師が診察する位置、マインドコントロールのお話、とっても嬉しかったです。………夢と、希望を持って、いってきます。………ありがとうございました」
真、DVDを止める。
沈黙が続く。
綾子「何のことか判らないので、その数日後、入院費の支払いがありましたから、佐藤先生のところにお礼に伺ったんです。そのとき、思い切って教えて下さるようにお願いしてみました。すると、笑いながら快く教えて下さいました」

−入院中の病室で、亜紀と佐藤先生との会話−
亜紀「先生、いつも私の左側に立たれますけどどうしてなんですか」
佐藤Dr.「はは、患者さんから聞かれたのは亜紀ちゃんが初めてだよ。いいかい、着物はどんな襟合わせかな?心臓の位置は? 利き腕に注射するかい? 利き腕は左右どっちが多いかな?」
亜紀「なーんだ、そんなことか。患者に負担が少なく診察出来るように、そうなんですね」
佐藤Dr.「賢いね。亜紀ちゃん。大学病院の授業で、教授が病棟を回診するときね、教授の立つ位置なんだよ。生徒や看護師さんの立つ位置もだいたい決まっているのさ」
亜紀「念をかけると、ほんとうにそうなってしまうことは何でなんですか?」
佐藤Dr.「マインドコントロールのことかな? そうだね、いつも相手に優しく接したりして、受け入れやすい要求をしているとね、相手の考えが変わってしまうことがあるそうだ。そのことだよ。……洗脳は暴力的、強制的にやることだし、念をかけるのは宗教的だね。怨念という言葉があるでしょう。両方の意味があるかもね。専門じゃないからこれ以上はわかりません」
亜紀「じゃ、先生。例えば、私のベットの左側に見舞いに来るたびに座ってもらって、お医者さんに向いているねって言い続けているとどうなるの?」
佐藤Dr.「はは〜ん。君の彼氏のことかい? 可能せいはゼロでは無いよ。 優しく接して、何気なく言ったり、示したりしたら実現するかもしれないね。 朔くんだっけ、彼に医者になってもらいたいの?」
亜紀「そうじゃなくて、退屈だから、空想の世界を楽しんでいるの。先生、ありがとう」
...2004/11/17(Wed) 00:40 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
残されたテープ6

入院中の亜紀は毎日が退屈で、朔や智世達との思い出にひたる日々が続いた。

−智世との思い出−
亜紀1年生、陸上部初日の練習。
2年生を中心に、グランドではランニングを開始している。陸上部の監督谷田部は新入部員を整列させ、自己紹介、出身中学校、陸上の経歴を述べさせた後、
「本校の陸上部の基本方針は、学年単位で協力しながら向上することであります。ですから、先輩、後輩といった練習の妨げになるようなことは極力避けられると思います。その代わり、実力主義ですので代表選考は学年の差はありません。記録の上位の者から県大会予選に出場させます。
まず、練習メニューですが、………サーキットトレーニング、グラウンド5周、10分休憩の後、各自の得意種目の練習を開始します。練習時間は、当分の間1時間30分です。それ以上の練習は許可を得るように。短期間でレベルアップを図るのが目的ですから、気を抜かないこと。………アドバイス、質問等は直接私まで申し出ること。以上。練習開始」
黙々と、練習に励む新入生達。その中に亜紀、智世の姿があった。新入生の中で二人がぬきんでている。
………………
練習終了後、グランド隅の手洗い場でのこと。顔を洗いながら。
智世「タオル貸して!」と大きな声で言う。
既に、洗顔を済ませた亜紀は周りを見渡し、自分に話しかけられたのだと理解した。
亜紀「私の使った後でよかったらどうぞ」と言って、タオルを手渡す。
智世「んーもー。あんたしかいないでしょう。タオル持ってくるの、忘れちゃって! 一番綺麗そうなタオルの人、待っていたの」
亜紀「ふーん。そうなんだ」 妙に明るい女子で、親しみが湧いた。
顔を拭き終わって、タオルを亜紀に返しながら。
智世「有り難う。 廣瀬亜紀さん! さすがに実力があるのね。始まる前の練習を見ていて注目していたの」
亜紀「え? 私も知っているよ。上田智世さん!」
智世「お友達にならない? 出来れば親友に。ね。亜紀。いいでしょう。亜紀」
亜紀「何でもはっきり言うのね。いいよ。智世」
………………
すっかり、意気投合し、たこ焼きパパさんで、お近づきの杯(ただし、コーラで)を交わすこととなった。
亜紀「早速で何なんだけど、智世。私ね、父の仕事の都合で中学校まで県内を転校してまわっていて、親友がいなくて寂しかったの。高校に入ったら必ず親友を作りたいと願っていました。智世のことすっかり気にいっちゃった」
智世「私も似たようなもの。幼稚園のころから、ずっと、介、朔、坊主。…幼なじみはいるけど皆男なの。高校に入ったら同姓の親友が夢でした。朔には芙美子ちゃんっていう妹がいるけど、あとは一人っ子なの。それで、兄妹のようにしてきたわ」
亜紀「私も一人っ子よ。(突然に)朔ちゃんってどんな男? 好きな女の子のタイプは? 智世の彼氏?」
目をランランと輝かせ、欲しかった洋服をねだって、回答を待っている幼児のように。
智世、一瞬、親友になろうとした自分が軽率だったのではと思った。確認して変な女子だったら絶交しようと、思い切って聞いてみた。
智世(恐る、おそる)「どうして、朔なの? 以前から知り合い? 変だよ。亜紀」
亜紀(急に、淋しそうな顔になって) 「変かな?……。 そう、変だよね。突然に。
……実は入学式の後ね。教室に向かうとき………後ろから頬指杖した男の子がいて、びっくりして振り返ると真っ赤な顔で…『ごめんなさい。これ落としました』…  『拾おうとして、踏んづけてしまって……汚しちゃって』 と、ハンカチを差し出したの。私が『いいよ!有り難う。予備があるから』といい終わらないうちに、逃げていっちゃった。……それが、松本朔太郎。それで好きになってしまって、探偵してたから……」
智世「ふーん。そうか。探偵していたのか。…それで、私のことも知っていた訳? ほんとうは、その目的で私に近づいたとか?…怪しいな?…」
亜紀「ちがう、違うってば! まさか! 智世の方から話しかけてくれるとは思わなかった。すっかり、智世の性格気に入ったの。それで、以前からの親友みたいに感じちゃって。ごめんなさい。」(欲しい洋服をあきらめたときの、幼児のように)
智世「じつわね! 私も!ずーっと! 前から朔のこと好きで………」(からかおうと思って言ってみた。亜紀の目ら一筋の涙が……)
智世「ごめん! ごめん!嘘でした。好きなのは介でした。安心した?」
亜紀「……すごい。安心した。意地悪!」 
二人、向き合って笑うのだった。
………

−企て−

亜紀(空想)「もし、私が死んだら、朔ちゃん、すごい、悲しむよね。きっと。 朔ちゃんのこと、からかってばかりだったけど、好きな人にしかしなかったよ。ごめんね。」
「朔ちゃん。私が朔ちゃんを好きになったのは、いつからか知らないでしょう!うふふ。内緒にしていたけど、永遠に判らずじまいじゃシャクだよね。それでね、テープで告白しておくからね。それと、計画。朔ちゃん、医者さんに向いていると思うの。絶対そうだよ。」
「佐藤先生からいいこと聞いちゃった。これから朔ちゃんが来る度に、仕掛けておくからね。絶対、成ってねお医者さん。写真館を継ぐの、早すぎるよ。朔ちゃんには大きな夢を持ってもらいたいな!」
「夢が叶うといいね。朔ちゃん!」
「私、朔ちゃんのお嫁さんになるのが夢です。それで、可愛い女の子がほしいな」(自然と涙が溢れ出す)
……毎日、楽しかった高校生活を思い出しては独り言。朔の将来のことを空想しては泣いていた。
...2004/11/17(Wed) 00:42 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
残されたテープ7

真「続いて、亜紀が私たち宛に残してくれたテープです」
しばらくすると亜紀の声、昨日聞いたぼろぼろの声でなく、しっかりとしたものだった。(昔のまんまだ)
亜紀「お父さん。お母さん。ごめんね。………これは、自殺なのか、わかりません。だけど、頑固で、負けず嫌いで、カッコ付けで、泣き虫の最後のワガママ。………白血病で死ぬことが、私の運命だとしても、そんなものに、私の17年を潰されたくない。………きっと、行きたいように、生きるために、産まれてきたから。………最後まで、そうしたい。青空を見にいく。………ワガママでごめんなさい。………」
真(いったん止めて)「これが、残されたテープのA面の最初に入っていました。次に、B面の後半の部分に入れてあったものです」
スイッチを入れる。
亜紀「朔ちゃん。 朔。 好きよ! 大好きだよ!」 
しばらく、無音。
亜紀「告白します。私、朔ちゃんのこと高校入学式の日から好きでした。大好きでした。朔ちゃんは覚えていないとおもいます。それが私だったとは。………廊下を、1年生の教室に向かう途中、朔ちゃんが後ろから頬指杖したでしょう。びっくりして振り返ると朔ちゃんが真っ赤な顔でうつむいていて、『ごめんなさい。これ落としました』 と、ハンカチを差し出して、 『拾おうとして、踏んづけてしまって……汚しちゃって』 と、渡してくれた。あの時、私の顔を見られなかったでしょう? 私が 『いいよ! 有り難う。予備があるから』 と、言った瞬間に朔ちゃんは教室に入ってしまいました。そのとき、ビビビと電流が身体の中を走り回り、好きになりました。その後、智世に朔ちゃんのこと、探りを入れ、毎日、遠くから探偵していました。」
………「頬指杖は朔ちゃんが教えてくれたんだよ。それで、入学式の日のことを思い出してって合図のつもりだったのに、最後まで気づかないじゃない。まったく、もう」……「智世とは親友になったけど、朔ちゃん達4人がうらやましかった。すごい、仲が良いんだもん」
亜紀「 ………お葬式の日、急に雨が降り出してきて、字が読めなくなってパニック。『助けて!朔ちゃん』って心の中で叫んだの。そしたら、だんだんと近づいて来る人が朔ちゃんだと感じて、ほんとに朔ちゃんが傘をさしだしてくれた。………『夢、夢がかなった』と、びっくりしました。私、読めなくなりそうで、みんなが見ているし、恥ずかしくって、もうパニック状態。ほんとうは喜びでいっぱいだったけど顔に表せなくて、ごめんね。………ずーっとずーっと、朔ちゃんを見るたびに祈りを送っていたの。 私のことを振り向いてって! ………乙女の祈りは怖いぞよ!……」
亜紀「だから、あの日から朔の考えていることが徐々に判るようになったの。でも、朔に私のことを、いつも、振り向いてもらいたくて、いろいろ試したりしちゃった。ごめんね! ………朔とはテレパシーで自然に感じ合いたかった………
朔ともっと、もっと、もーっと、キスしたかった。何千回も何万回も!  そして、朔の子供も……(泣いている)……」
亜紀 「……(シー、シー)……それからね、私が死んだ後、朔がお医者様になりますようにって、ずーっと、祈っていました。 もし、もしも、もしも、朔が立派なお医者様になる私の夢が実現したら。………その次に、朔が私の死の意味を理解したなら………。きっと私は朔の中で、朔が死ぬまで生き続けることが出来る。朔の身体は私と共用ね。そうなれるように、それまで、頑張れ! 幸せになってね。 朔! 大、大、ダーイ好きだよ!   朔! ……死んだ後も乙女の祈りが通じるか勝負でござる!  ぞよ!………(聞き取れないような、小さな声で)でも、朔には当分ばれませんように!  私の両親を宜しくね。朔!」
真、DVDを止める。
真「こ、これは、直ぐに見つからないよう……消し忘れたように工作したんだと思います。」
沈黙。

潤一郎、富子は一生懸命、亜紀の行動を頭の中で整理した。
しばらく、静けさが続く。
潤一郎「こういうことですか。亜紀ちゃんは死ぬ前に朔に対して医者になるようにマインドコントロールした。それが実現し、朔が亜紀ちゃんの死を受け入れられたら、亜紀ちゃんは永遠に朔の心の中で一緒に行き続ける。そのとき、朔は亜紀ちゃんになっている。」
真「そうです。………朔が医師になったのが、偶然かもしれませんが、亜紀は、朔を亜紀のベッドの左側にいつも座らせようとしていたのは、事実です。他の人たちは右側。佐藤先生もそのとき以来、左側を避けるようにされたそうです。………私が左側に行くといやな顔をするんです。どうしてかわからず、私は嫌われていると思ったりしました。綾子とどうしてだろうと話し合ったこともありました。………………
おそらく、入院中に亜紀は朔を医者することを想像し、その夢を託したのでしょう。………
まず、朔へ宛てた告白テープ。これは、私たちへ宛てたメッセージでもあります。そのテープをひっくり返して巻き戻し、病院を抜け出した侘びを入れ、A面のみに宛先を入れる。朔へ宛てた告白テープは、よく聞くと声質が違うんです。それで、同じ日じゃなく、その日よりかなり前の日、計画を実行にうつした後、直ぐに録音した。 と、私たち夫婦で結論づけました。………
次に、松本さん宅の3人に宛てたテープに、50年後のことを含めて吹き込んだのだと思います」
潤一郎「13年前、朔が亜紀ちゃんの死を受け入れて、お宅にお伺いしたときに、話して頂ければ寂しい思いをされずに……」
真(潤一郎の話を制して)「13年前、やっと、ソラノウタの絵本を朔に渡すことができました。その時、朔が医者になるのが亜紀の夢だったと言ってくれれば何もかも明かすつもりでおりました。お二人が未だ亜紀の告白テープを朔に聞かしていらしゃらないと思っておりましたから。でも、いずれは知ることになるだろうと。 綾子と二人だけ知っている事実を隠しながら朔と接していることがどんなに楽しいことだったか。亜紀のイタズラ好きは親譲りでした。わっはっはっは。お陰様で、その日から朔と呼び捨てに出来るようになりました」
綾子「私は、朔君がウエディングドレスを貸してくれといった日、病院の売店の前で、駆け寄って来て、『お母さん』 って言ったように聞こえたんです。 いや、絶対にそう言ったんです。間違いないんです。………その日以来、朔君は私の息子です。………あの後、病室で二人キスしているのを、そっと、ドアの隙間から見守っていました」
富子「そ、そうだったんですか」
潤一郎「朔は、廣瀬さんご夫婦の実の子供になりました。嫁や孫まで連れて」
富子「はい! (頷く)」
綾子「え、えー、嬉しいです! とても!」
真「わっはっはっは」
暫らく、一樹についての和やかな会話が続く。
...2004/11/17(Wed) 00:44 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
残されたテープ8

富子、潤一郎に向かって「ン? 可笑しくないかい、あんた! 私たちへ宛てた亜紀のテープには工作してなかったよね。でも見つけるまでに30年かかった。ソラノウタの絵本は朔の17歳の誕生日に送るつもりだったんだろう?………それが、17年後。不明のままになるかもしれない、朔に宛てた亜紀のテープラブレターが30年前! おかしくて、こりゃパズルだわ。謎じゃないですか!」
綾子「よく、お気付きになられましたね。私たちも、これの謎解きのおかげで、寂しさを紛らわすことができました」
潤一郎「よ、よくわかりませんのでお話ししていただきませんか?」
真「簡単なことだったんです。それに気がつくまで、私たちも17年近くかかったんですよ」
真「予定どおりにいっても、かなりの年数がかかるんですよ。立派なお医者さんになるにはね。 ソラノウタの絵本も渡すつもりが渡していないんです。要するに順序はどうでも良かったんです。…亜紀が朔にお医者様になってもらいたかったこと。 …亜紀の死の意味を理解してもらいたかったこと。…この2点です。………あとは付け足しで、うまくいけばみんな幸せになれますように、ということでしょうか。」
(真、一息ついて)
真「3つの亜紀からのメッセージが私たちに残りました。朔がテープを聞けるように立ち直って、他にもメッセージがあるじゃないかと調べるかどうかだったと思います。私たちには、それを見届けられるよう50年間くらい長生きしてくださいとのことでしょう。50年後でなくてもよかったかもしれませんね。」
………
真「それからが、毎日楽しくて、お会いするたびに朔の近況をお聞きしていました。………朔へ宛てた亜紀の告白テープが見つからなかったとして、松本さん宅3人に宛てのテープをお二人が聞かれていたら私ら夫婦もそれを聞けただろうし、朔へ宛てた亜紀の告白テープも当然見つかったと思いますよ。」
真「朔が亜紀の計画どおりになっていなくても朔は幸福になっていたでしょうね。………私ら4人は亜紀との約束を守ってあげて、朔には知らせず、50年近く長生きして待っていたでしょう。亜紀の最後のイタズラでしょうね」
……………
暫らくして、富子が言い出した。
富子「私らも、その続きを企てましょうよ! 朔の。 それと、明希のために。亜紀に一人だけ、いい想いをさせるのは、ちょっとしゃくじゃないですか!」(明希には、まだ遠慮が残っていることを、潤一郎夫婦は気になっていた)
綾子「奥さんもイタズラが好きですね。実は私も。主人ったら、最近なんですよ、私のイタズラに気付いたの」
富子「え!」
真(笑いながら)「寒い冬になると、時々下着のシャツを2枚出してあるんですよ。私は『寒いから2枚着なさい』という意味だと長年、思い続けていました。ところが今年の夏にも、2枚出してありました。それで、やっと気が付いた訳です」
潤一郎「どうして、気が付かれなかったんですか。そんなに長いこと」
真「最初、寒い日に助かったものですから」
綾子「普通の日にも2枚出していたら、天気が外れたねって。可笑しくって、堪えるのに苦労しました」(笑いながら)
綾子「それで、毎年のイタズラになりました。冬が来るが楽しみでした。ずーっと気が付かないままと思ったらシャクに障って、夏にもやってみたんです。さすがにか気付いてくれました」
真「イタズラは女性の特権みたいですな」
綾子「好きでもない人には出来ませんよ。亜紀のイタズラ好きは私に似たんですよ。あなたじゃなくね。オホホホホ」
……
4人、笑いながら、企ての計画話が弾んだ。(心の中に、遠くで、携帯が鳴るような音を感じていた。)

−松本家−
 富子が話しおえると、みな満足げに顔を見合わせていた。
潤一郎(ニヤニヤしながら、朔と明希を交互に見たあと)「まとめるとだな、血のつながりなんて関係ないんだ。お互いが望み、認め合い、自然のまま包み隠さず、誠実に接すればほんとうの親子になれる。 と、いうことだな。 な、朔! な、明希!」
富子「そういうこと! そういうこと!」 (肯きながら)
穏やかで、暖かな空気が家中に満ちたりていた。………包むような香り (そう、亜紀の存在を知らせるアジサイの香り) も加わって………

−翌日の広瀬家−
朔、勢いよく玄関を開ける。
朔、明希「お父さん! お母さん! ただいま!」
一樹「お爺さん! お婆さん!」
真、綾子「おかえり! 朔! 明希! 一樹!」
朔の手には、かつて亜紀と毎日交換していたテープ、それに、朔の子供の頃からのアルバムが入った紙袋が握られていた。

(完)
...2004/11/17(Wed) 00:47 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
これは短く切ったと記憶していますが、思い出せませんので元原稿のまま掲示します。
申し訳ありません。

長編2
一樹の初恋1

過去(一樹、幼稚園時代)
ある日のこと……
一樹と藍は幼稚園の年長組みで、大の仲良しだった。いつも一緒に遊びんでいた。
公園の砂場で落ち合った一樹と藍は右手を水平に咽にもっていき「アイーン」
いつもの挨拶をかわす。
一樹「ダブチャン。明日も、公園であしょばない(遊ばない)?」
藍「うん。イッチャン、いいよ。やくじょくね(約束ね)」
突然、雨が降り出した。
一樹「ダブチャン! 服がじょろんこ(泥んこ)だね」
藍「イッチャンも!」
服を汚して帰ると一緒にお風呂に入った。お互い一人っ子で、アパートが近くだったので物心がついた頃から自然にそういうことになっていた。
舌足らずの藍が一樹の字はイッキと読めることを母から聞いて、それ以来『イッチャン』と呼ぶようになった。
一樹が反発すると、「藍(愛)のこと『ダブ(ラブ)』っていうんだよ。 だから、『ダブ』って呼んで! 二人の秘密だよ」と、言ったのだった。それ以来『イッチャン』『ダブチャン』の間柄。
……
翌日、公園で……
藍「明日、お母さんがいにゃか(田舎)にじゅれて(連れて)いってくれるの。じばらく(暫らく)会えなくなるね」
一樹「ほんと?チョー、ざびしいよ(淋しいよ)。ダブチャンのいにゃい(居ない)幼稚園、ちゅまんない(つまらない)!」
藍「わだし(わたし)大人になったら、イッチャンの、美人の、嫁さんになるから、じゃまん(我慢)してね」
一樹「うん。やじゅそく(約束)だよ。じゃ、チュウして!」
藍「こんじゃく(婚約)のしるしね。じゅわき(浮気)しちゃダメよ」
二人は熱い、あついキスを交わすのだった。それも、何回も何回も。(よだれも垂れていた)
……
それが、一樹が藍と会った最後だった。
街には悲しいメロディーが流れていた。
 ……瞳をとじて 君を描くよ
   それだけでいい
   たとえ季節が僕のこころを
   置き去りにしても………
...2004/11/17(Wed) 00:48 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
一樹の初恋2

(一樹、高校2年生の春)
朝のHR……
髪が長く、すらりとした足。目元が涼しげで利発そうな女の子が先生の後に続き、教室に入ってきた。
生徒一同、一瞬、息を呑む。
後ろの席から「ホー」と声が漏れた。
先生「転向してきた、高橋藍さんだ。アメリカからの帰国子女なので、日本語の分からないところは皆、協力してやってくれ」 
藍「高橋藍です。友達になってください。お願いします」
生徒一同「はい」(特に男子生徒は目を輝かせている)
先生「席は松本の隣だ。松本手を上げてくれ」
近づくにつれ仄かないい香りがしてくる。
藍、周りに「よろしくお願いします」と言いながら、席につく。
恥ずかしがることもなく、堂々とした態度が好感を持たれた。
先生「高橋のことなんだが、事情のため体育は見学とする。それから、当分の間、昼は会議室で日本語の特別授業をするので理解してくれ」
先生「松本!お前は学級委員で、おくてだから大丈夫だろう。高橋の面倒を見てやってくれ」
生徒A「松本!席を替わってやるぞ」
女生徒達はクスクス笑うのだった。
……
午後の休み時間
先ほど冷やかした生徒が藍の席にやってきた。
生徒A「高橋さん。趣味は何ですか?好きな男性いるんですか?」
藍「趣味はイラストかな? 将来はファッション関係の仕事がしたいと思っています。初恋の男性かな!」
生徒A「その人、アメリカ人ですか?」
藍「私、幼稚園まで日本で育ちました。そのときの彼、探しているんですが手がかりが無くて」
生徒A「そうですか。それって、実は私だったりして」
藍「違うみたいな気がします。ごめんなさい」
続いて別の生徒がやってくる。
生徒B「アメリカでは9月から大学生じゃないの?」
藍「よくお分かりですね。3月までにSATとACTの学力適正テストはクリアーしたわ。成績は平均Bだし高校の推薦状が揃えばたいていの大学には入学できると思います」
生徒B「やっぱりね。上級ハイスクールだったんだ。優秀なんだね」
藍「よくご存知ね」
生徒B「知り合いがいるからね。そうでなきゃ、この高校編入できないと思ったから」
隣の席で聞いていた一樹は「ふーん、そうなのか。初恋ね」……「昔の知り合いの藍ちゃんに何処となく感じが似ているな。でも、確か藍ちゃんは山田だった。帰国子女だし、そんな、はずがないな。英語はペラペラで、優秀なんだ。あっという間にクラスの人気者になってしまったようだな」と思った。

次のある日
一樹「突然だけどどうして日本に戻ったの。アメリカってみんな憧れるじゃない」と、藍に向かって話しかけた。
藍「私は逆。日本がずーっと恋しくて。クラブ活動は日本語クラブだったわ。そして、日本にいた頃の絵を描いていたの。イラストでね」
一樹「そうなの。一度見てみたいな」
藍「ダメ。私の好きだった彼の絵ばっかりだもの」
一樹「ごめん。ごめん。風景画だと思ったものだから」
藍「いいのよ。一樹君って、女性に興味が無いと思っていました。そうじゃなかったみたいですね。はじめてね。一樹君から話しかけられたの」
一樹「そうだったかな。僕も会いたい女性がいるから分かるよ。時々思うんだ。どうしたかなって。いい彼氏見つけて青春しているだろうな」
藍「お互い、会えるといいね」
一樹「そうだね」
藍は……「松本一樹さんって、まさかね。イッチャンは寂しがり屋さんだったけど、松本さんは明るい性格のようだわ。凛々しい男性だわ」と、思った。

次の次のある日
一樹「高橋さんって、変わった万年筆持っているんですね」
愛「え、え、知ってたんですか!」
一樹「お昼に会議室に行くでしょう。そのときだけ大事そうに取り出すから気になって」
愛「私の宝物なんです。これに願いがかかってて、御まじないです」
一樹「そうなんですか。願いが叶うといいですね」
愛「はい」(イッチャンに会うまでは誰にも知られたくない)

次の次の次のある日
休み時間
藍「松本君、質問いい?」
一樹「なんですか?」
藍「昨日、食堂でね。同じ年頃の男女5人がドヤドヤと入ってきて、『割り箸、全然ないじゃない』と言ったら別のテーブルについた男の子が『(指さして)全然、あるよ』といったの。『全然』は否定形に使うんじゃない? それに、『まったく』とどう違うの?」
一樹、「うーん」と言いながら、暫く考え込んで、
一樹「間違っているかもしれないが、全然は「ない」に使う方が正しい日本語だと思うよ。まったくも同じ否定形に使うようだね。英語のmanyが『全然』で、『まったく』がmuchかな? 『まったく割り箸がない』といったら、食堂全体にないといった感じがするね。感覚的な使い方かもね。最近の日本語は変化してきているじゃないかな?!先生に確認した方がいいかも」
藍「うう、うん、いいの。松本君の意見が聞きたかったの。……そうなんだ。ロスにいたときは、周りがわりと高齢の方が多かったので、同年代の会話に戸惑うことがあるの。また、教えてね!」
一樹「いいけど。自然に判ると思うよ」
……廊下で、担任の先生が一樹と藍の会話を聞いていた。……
...2004/11/17(Wed) 00:49 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
一樹の初恋3

LHR、校内弁論大会にクラスから男女の2名選出することとなった。
男性は一樹にすんなりと決まったが、女性はなかなか決まらない。候補の中の一人は藍だった。
先生「早く決めないと、準備に時間がかかるんだぞ、選ばれた者は。仕方がない。私に一任させてくれないか!」
生徒一同「お任せします」
先生「高橋!お前、やってみないか?帰国子女から見た日本、日本語なんて、面白いんじゃないか。先生も参考になるから、是非聞いてみたいのだが」
クラスの中から、どよめきが聞こえる。賛否両方のようだった。
藍「分かりました。先生、私、頑張ってみます。みなさん宜しくお願いします」
はっきりした態度に、クラス中、賛同の雰囲気に一変した。
生徒A「やったぜ!これで、D組は男女とも優勝間違なしだぜ。美人だし、声もいい。スタイル抜群! 校内の注目の的だよ!きっと」
生徒B「お前の恋敵が増えるんじゃないのか!」
一同、笑いに包まれた。
藍、一樹に向かい「よろしく、お願いします」
一樹「いや、こちらこそ。分からないことがあったら聞いてください」
……
弁論大会当日
一樹「家族とは…………。母が再婚しました。小林から変わり………母の同級生だった人と……………。」
(藍、『え!』)
藍「………日本語ではアイと言えば、藍・愛・相などさまざまあります。音で表現するとアイはLOVEと若者はすぐに理解します。
それに、流行歌の中によく英語のフレーズが挿入されます。My loveやyour love foreverとかです。……子供の頃、自分のことをLOVE(愛)だと思っていました。『ダブ』と発音して……」
(一樹、『まさか!』)
……
控え室で、一樹と藍は顔を見合わせた。同時に「アイーン」そして、「ダブチャン」・「イッチャン」と呼び合った。……見詰め合い、近づき、強く抱き合った。
それが、12年ぶりの再会だった。

その年の夏
公園でのデートは週1回のペースで続けられ、一樹と藍はお互い意識し合うようになっていた。
一樹は藍と別れて以来の出来事を話した。ひととおり、話し終え、次からは藍の番だった。
その日のデートは特に暑い日で、昼食の後、映画を見に行く約束をしていた。
藍は薄い水色で長袖のブラウス、それにオレンジ色のキュロットスカートといった清楚な服装をしていた。
ベンチに座り、藍は一樹が来るのを緊張して待っていた。「今日は両親の離婚から話さなければ。それに、秘密も。」と、思っていた。
……
一樹は約束の11時に遅れて、12時を少し過ぎてやって来た。
遅れた一樹は「ごめんなさい。バスが込んでいて。それに寝坊してしまって」
藍「寝坊しての方が先だと思うんだけど? ま、いいか」
一樹(汗を拭きながら)「昼食の時間だけど、お店混んでいるから少し話をしてからにしない?映画」
藍は、少し困った顔をしたが、思い切って「イッチャンに両親が離婚したこと話していなかったわね。今日は、話そうと思って出てきたの。それに、少し緊張しているの」と、言った。
一樹「うん。ずーっと聞いちゃいけないと思っていたんだ」
藍は話し始める。……母が田舎に連れて行くのは、離婚が成立してのことだった。父の浮気が原因。それから、母の叔父がロサンジェルスで寿司を中心にした日本料理店を経営していた。それで、『思い切って来ないか』と誘いがあったのだ。藍の母は生け花、お茶、日本舞踊が得意だった。その道で生活してみよう、それも新天地でと決心し渡米した……
愛は話している途中で、強い空腹感を感じたが、直ぐに治まった。でも、動悸は強くなる。
藍「それから、一樹さんに大事なこと話しておきたいの。わ、私の秘密を……」
藍は冷や汗を流しながら話していた。手が震えだしてきた。…
「し、しまった。遅かった。意識が遠のいていく。声がかすむ。しゃべれなくなりそう。どうしよう!……(混乱状態)…」
藍「イッヂャン、ズキ(好き)…大ズキだよ……グルコースを」微かに、そう言いながら一樹の胸に倒れ込む。
藍の眼には、辺りが一瞬闇に包まれ、遠くの方に一点、灯りが見えていたが、直ぐに、それもプッツンと消えてしまった。完全に意識を失ってしまった。
一樹は、昔、約束したことを頭に描いていた。……「藍ちゃんって、やっぱり大胆だな。昔の約束をはたそうなんて!あの時、キスをしたんだっけ。期待で胸がはち切れそう。……藍の身体の変調に気がつかない……藍の顔を起こして、『好きだよ』っていいながらキスをする、アメリカの映画のように……グルコース? フルコースの間違いじゃない? キスのフルコースってディープキッスのことかな? それって、セックスのこと!アメリカって大胆だな!……そんな妄想が支配していた……」
暫くして
一樹は、藍が痙攣して、意識がないことに、ようやく気が付いた。
抱きしめながら「藍、どうした? 助けて下さい。藍! 藍! しっかりして。 藍を助けてください!」
段々と大きな声になり、最後は叫んでいた。
...2004/11/17(Wed) 00:51 ID:sD95Ee4Y    

             Re: 「世界の中心で、愛をさけぶ2」...  Name:Apo.
一樹の初恋4

巡回中の警察官がその声を聞きつける。
警察官「また、痴漢が出たか。この公園、今週何回目だろう」と言いながら駆けつける。
警察官「どうしました?! 被害はありませんか?」
一樹(安心したように)「藍、藍がおかしいんです。意識が無いんです。助けてください!」
警察官は藍の袖をまくり、脈を確かめようとする。腕に、たくさんの注射痕があるのを見つける。
携帯の無線機を持って、
警察官「こちら渋谷公園巡回中の沢村です。意識を無くした少女を確保しました。注射痕多数、シャブの疑いあり、応援……」
一樹(何のことか分からず)「速く、病院へお願いします。渋谷中央病院に父が勤務していますから、急いでお願い……」
一樹の言葉を制して、
警察官「待ちなさい。事情聴取! 聞き取りをしてからだ」
……
本部から応援が駆けつける。その結果、とりあえず藍を病院に運び、そこで詳しい事情を聞くことになった。
救急車の中で、救急隊員がすばやく心電計などの処置をした。同乗した警察官沢村は藍のお腹、足にも注射痕があるのを見つけて、「間違いない! シャブだ。 間違いない!」と、繰り返し呟くのだった。
……
病院に到着した。朔太郎が救急専用入口で待っていた。
朔は警察本部から照会があり、一樹は息子、藍は知り合いと答えていた。そして、藍の状態から、緊急を要する病状だと回答していた。
朔はすばやく藍の瞳孔と脈を確認する。
朔「藍ちゃん!大丈夫だよ」と優しく言いながら、間髪を要れず指示を出す。
「50%グルコース(ブドウ糖) 20ml静脈注射、それに、グルカゴン 1アンプル筋注、終わったら5%ブドウ糖を点滴、あと、様子を見ていてくれ!」……若い医師は指示どおりの処置を施した。
一樹「グルコース?」
一樹「おとうさん!どうして藍ちゃんのことを知っているの?」
一樹「説明は後だ。警察の方には私が説明しておくから、お前は藍ちゃんに付き添っていなさい」

藍の病室
朔「一樹、事情を説明していなかったお父さん、お母さんが悪かった。こんな事態になるとは想像もしていなかった。警察の方々には理解していただき、先ほど帰られたところだ」
一樹「藍ちゃんが覚せい剤の中毒者じゃないかって、僕も仲間じゃないかって、警察官からしつこく取り調べを受けていたんだよ。お父さんもお母さんも藍ちゃんのこと、知っていたの?どういうこと?」
朔「一樹がまだ藍ちゃんのこと気が付いてないと思っていたよ。二人、ちょっとした悪戯心を出してしまって、誠に申し訳ない」そういって、一樹と藍に深々と頭を下げた。
朔「もう少しで、危ないところだった」と言って、一息つく。
一樹「藍、助かるんでしょ?」
朔「大丈夫だと思う。もう直ぐ気が付くと思うが、明日、脳や眼底、それに腎臓に異常がないか検査するよ」
愛は少しずつ回復しているのが、明らかに見て取れた。
……
朔、説明を始める……「……ロサンジェルスに渡って直ぐに、藍は一樹に会いたくてホームショック状態になった。その折り、ウイルスに感染してしまった。すい臓機能、特にインスリンを造る細胞が侵され、T型糖尿病患者になってしまった。そのため、朝・夕及び食事の前に持続性及び速効生のインスリン注射が欠かせなかったのだ。成長するに従い、17歳になった藍は日本に帰りたいと言いだし一人で帰国した……」
一樹(独り言)「そうか! 昼食は会議室、体育は見学だった。藍はインスリンの注射をしていたんだ。なんで、気が付かなかったのか!」
……

ある日のこと、朔あてにアメリカから国際電話が入る。
里美……「松本朔太郎先生でしょうか。お忘れかもしれませんが、12年前に小林明希さんと親しくしていただいた高橋(旧姓山田)と申します。訳あってロサンジェルスに住んでおります。娘の藍が一樹さんと幼稚園でお友達でした。時々幼稚園で明希さんの代理でいらしていた松本先生にお会いしております。」
朔は良く覚えていた。一樹の唯一の親友だった藍ちゃんのこと。
里美……「お医者様だと覚えていましたので、調べていただきましたところ、直ぐに判りました。立派な先生になっておられましたので。ぶしつけで申し訳ありませんが、明希さんの消息をご存じありませんか」
朔は明希と結婚し、一樹は息子になったことを告げた。
里美……「娘の藍を日本に戻そうと思っております。友達や知り合いがおりません。日本で、藍の親友といったら一樹さんだけです。……(藍の病気、出来れば一樹と同じ高校、アパートなどのお願いが続いた)……」

朔「一樹には内緒で、学校など、お母さんと二人でお世話していたんだよ。勿論、藍ちゃんのお母さんと相談のうえでね。藍ちゃんには一樹の親だということも内緒にしていた」
一樹「どうして話してくれなかったの?」
朔「自然に判るだろうって思っていた。判ったらビックリするだろうって期待して……。それに病気のこと、藍ちゃん、すごく気にしていたものだから。ごめんよ。一樹!」
……

現在
アキ「それで、藍さんは助かったんですか?」
一樹「うん。今はアメリカでファッションの仕事をしているよ。今もメールのやりとりを続けているけど」
アキ「で、いつ、結婚するんですか?」(またしても唐突に)
一樹「あはははは。そんなに簡単なことじゃないよ。彼女にも夢があるし、私も夢を実現したい」
アキ「一樹さんの夢って?」
一樹「藍の病気のことに何で気づかなかっただろう。死なせるところだった。と反省してね。それまでは、父が医師だから自分も医師になるものと漠然と思っていた。このことがきっかけで、藍みたいな糖尿病患者を救いたいと思った。それで、内分泌の専門医になって、すい臓の研究をしたいと決心したのさ」
アキ「それって、短絡的じゃない?」(失礼な言い方と思っていない)
一樹「あははは。実はそれだけじゃないよ。こっちの方がもっと影響したんだけどね。父がどうして医師になったかを聞かせてもらったんだ。父が17歳のとき、決心したことを」
……
過去
ある日、一樹が医師になりたいことを両親に伝えた。
朔「そうか。判った。頑張りなさい」
一樹「ところで、お父さんはどうして医師になったんですか?」
明希「失礼でしょ、一樹」
朔「いいよ、明希。一樹も17だ。私が同じ歳で何を思ったか、知ってもいいと思う。……話しを聞いてくれるかい?」
一樹(改まって)「はい、お願いします」
朔、話しを始める。「……亜紀が亡くなって、ふぬけの状態が続いていた。最後の臨終に立ち会えなくて亜紀が死んだことが信じられなかった。目を閉じると楽しかった日々、亜紀の笑顔が浮かんでくる。それで遺灰が撒けなくてずっと持っていようって決めたんだ。…そのことは、小さかったが、一樹も知っていただろう… 亜紀の死を忘れないようにと持つことにしたんだ。そうでないと現実の生活が出来なかった。亜紀の死が信じられずに、妄想の世界に引きずり込まれそうになるんだ。……
それで、担任の谷田部先生に相談して『医者になりたい』と伝えたら、『生死に携わる仕事だよ』って言われた。思ったんだ。結局、亜紀に、なんにもしてあげられなかったんじゃないかって。亜紀からはいっぱい幸せをもらった。生死の仕事をすることで亜紀の本当の心に近づけるんじゃないかって。そう、思ったんだよ。それから、猛勉強をした。勉強している間は妄想から逃げられた。……
結局、亜紀の死が理解できて、亜紀が私に伝えたかったことが判るのに17年かかってしまった。『何かを失うことは、何かを得ること。逆に何かを得ることは、何かを失いこと。人生はプラス・マイナス、零になるんだって。マイナスから、目標に向かって努力して、幸せを得ることが大切だってね』……」
朔「医師になることが運命だった。それに医師になることを望まれていたと理解出来たんだ。今では、亜紀は私の身体(心)の一部さ」
……
現在
アキ「朔太郎先生も一樹さんも立派ですね。私には薬剤師になるという目標が見あたらないんです。それと好きな絵を描くのが、どうしていけないのかも」
一樹「こう考えたらどう? 最終目標を好きな絵をいっぱい描きたい。そのためには周りの人に自立した自分を認めてもらわないと賛成されない。一番の近道が薬剤師になること。それも宮大の薬学を出てね。
自立することはケンちゃんにも頼らず生きていけること。ケンちゃんを助けることができること。どうかな?」
アキ「さすがですね。悩みがすっきりしました。自立した自分を見せると両親も安心してくれますね。母の不安が解消するかもしれませんね」
一樹「そうだよ。もう一歩、自立したね。人の痛みが理解できて救ってあげるにはどうしたらいいかと思った瞬間から自立し出すことだと思うんだ」
アキ「ありがとうございます。それで、藍さんとはどうなったんですか」(またしても、唐突に)
……
一樹……「そのあと、二人協力しあって同じ大学を卒業した。藍は語学力を生かしてファッションの仕事についた。僕は研究を続けている。動物実験では、すい臓から純度の高いランゲルハンス島のβ細胞を抽出して、マウスの門脈を通じて肝臓に移植して定着させることに成功した段階かな。上手くできたら藍にやってあげる約束をしたんだ。それまで頑張ろうって。成功できなくてもお互いが必要になって、仕事より相手の幸せを感じ始めたら結婚する約束だよ。今でも励まし合っているよ」
アキ「素敵なお話ですね。私もケンちゃんとそうなりたいな。お互いがいたわり合うって、相手のことを良く理解しないと出来ませんね。それに、自立していないと一方通行ですよね」
一樹「その通りだよ。アキちゃん!頑張るんだよ」
アキ「ありがとうございました。朔太郎先生に宜しくお伝え下さい。いい話を聞かせて頂きました。さようなら」
一樹は、アキが子供から大人の世界にやっと一歩進み出したと思った。アキの後ろ姿が少し大きく見えた。


以上が残ったものを整理し掲載させていただきました。
もう、何も残っていません。
疲れました。当分、休養させていただきます。
ごろさん、申し訳ありませんでした。切り貼りはお任せします。
皆様、よろしくお願いします。
...2004/11/17(Wed) 00:52 ID:sD95Ee4Y    

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